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両毛システムズの不正アクセスと情報漏えいのおそれ|ランサムウェア被害 取引先の顧客・社員・応募者の情報 対象と確かめること 2026

@SOHO編集部
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両毛システムズの不正アクセスと情報漏えいのおそれ|ランサムウェア被害 取引先の顧客・社員・応募者の情報 対象と確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓両毛システムズの不正アクセスについて
  • ✓2026年8月15日の第1報から10月の第4報までの公式発表をもとに整理
  • ✓VPNのアカウントを悪用したランサムウェア攻撃で

両毛システムズの不正アクセスについて、株式会社両毛システムズは2026年10月に第4報を公表し、外部の専門機関による調査の結果、社内システムへの攻撃はランサムウェア攻撃で、サーバーに保存されていた情報が漏えいした可能性があると発表しました。漏えいのおそれがある個人情報は、取引先の顧客、両毛システムズに問い合わせた事業者や個人、取引先と業務の関係者、採用に応募した人、社員(退職者と契約社員を含む)に関するものです。社員の情報には個人番号(マイナンバー)など人事、労務、給与に関する情報が、取引先と業務の関係者の情報には取引口座情報の一部が含まれます。件数は公表されていません。 両毛システムズに問い合わせたり、採用に応募したり、取引をしたりしたことがある人がまずすることは、両毛システムズを装うメール、SMS、電話、郵便に注意し、身に覚えのない連絡は開かずに削除することです。 対象になる人には個別に連絡するとされているので、連絡が届いたら、公式の窓口で確かめます。

最初の発表は2026年8月15日で、その後8月19日に第2報、9月25日に第3報、10月に第4報が出ています。第4報は、両毛システムズのお知らせの一覧で2026年10月30日の日付で掲載されています。2026年11月1日時点で、第4報の後の続報は掲載されていません。補償やお詫びの品については、どの報にも記載がありません。この記事は、2026年11月1日時点で両毛システムズの公式発表を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。

両毛システムズの不正アクセスで何が起きたのか

両毛システムズは、行政、水道、文教、エネルギー、医療、製造、印刷、モビリティ、流通などの分野に向けて、情報システムのサービスやソリューションを提供している会社です。データセンター、クラウド、運用と保守などのサービスも手がけています。

今回の件は、その会社の社内システムに外から侵入され、ランサムウェアによる攻撃を受けたという事案です。ランサムウェアとは、侵入したコンピューターのデータを使えない状態にして、元に戻す代わりに金銭を要求する不正なプログラムのことです。

第4報によると、外部の専門機関の詳しい調査で、次の流れが分かりました。

  • 2026年8月12日に、第三者がネットワーク接続機器(VPN)のアカウントを悪用して、社内ネットワークに侵入した
  • その後、認証サーバー(AD)にアクセスして、管理者アカウントの認証情報を盗み取った
  • 社内のネットワークの中を探り、サーバーにアクセスした痕跡が確認された

VPNとは、離れた場所から会社のネットワークに安全につなぐための仕組みのことです。認証サーバー(AD)とは、社内の利用者のアカウントとパスワードをまとめて管理している仕組みのことで、ここの管理者の権限を取られると、社内の多くのサーバーに入れる状態になります。

第4報は、漏えいの可能性について次のように書いています。

第三者が当社社内システムのサーバーにアクセス可能な状態にあったことから保存されていた情報が漏えいした可能性がございます。 出典: 両毛システムズ「当社社内システムへの不正アクセスに関するお知らせ(第4報)」

ここで大事なのは、漏えいが確認されたのではなく、「漏えいした可能性」「漏えいのおそれ」と書かれている点です。第三者がサーバーにアクセスできる状態だったため、保存されていた情報が漏えいした可能性を否定できない、という意味です。

公表の経緯と各報で分かったこと

両毛システムズは、2026年8月から10月までに4回の発表をしています。それぞれで分かったことを整理します。

発表 日付 主に分かったこと
第1報 2026年8月15日 8月14日に社内システムへの不正アクセスを確認。情報流出などの影響は確認中
第2報 2026年8月19日 ランサムウェアによる攻撃であることを確認。社内システムを停止。この時点で情報が漏えいした事実は確認されていない
第3報 2026年9月25日 一部のサーバーで不正アクセスの痕跡を確認。営業情報、取引情報、個人情報に漏えいのおそれ。件数と項目は精査中
第4報 2026年10月(お知らせの一覧では10月30日) 侵入の経路と手口が判明。漏えいのおそれがある個人情報の項目を公表。再発防止策を公表

第4報には、日付ごとの経緯も示されています。

日付 第4報に書かれていること
2026年8月12日 外部の第三者がVPNのアカウントを悪用し、社内ネットワークへ侵入
2026年8月14日 社内の死活監視で異常を検知し、調査を開始。サイバー攻撃によるものと確認し、ネットワークを遮断して関係各所へ連絡と相談
2026年8月15日 外部専門機関によるフォレンジック調査を開始
2026年8月19日 ランサムウェア攻撃であることが判明
2026年9月28日 フォレンジック調査の結果報告を受領

死活監視とは、サーバーなどが正常に動いているかを常に確かめる仕組みのことです。フォレンジック調査とは、コンピューターに残った記録を詳しく調べて、何が起きたかを明らかにする鑑識のような調査のことです。

第2報の時点では「漏えいした事実は確認されていない」とされていましたが、第3報で不正アクセスの痕跡が確認され、第4報で漏えいのおそれがある情報の中身が示されました。調査が進むにつれて、分かることが増えていった流れです。

第2報の「漏えいの事実は確認されていない」を読み違えない

両毛システムズの件を早い時期に調べた人の中には、第2報の「現時点において、当社が保有する情報が漏えいした事実は確認されておりません」という一文を覚えている人もいるはずです。この一文は、2026年8月19日の時点での調査の状況を示したもので、その後の調査で状況は変わっています。

9月25日の第3報では、一部のサーバーで第三者による不正アクセスの痕跡が確認され、営業情報、取引情報、個人情報に漏えいのおそれがあると発表されました。さらに10月の第4報では、第三者がサーバーにアクセスできる状態だったことから、保存されていた情報が漏えいした可能性があるとされ、対象ごとの項目が示されています。

つまり、第2報の時点の「確認されていない」は、「漏えいはなかった」と確定したという意味ではありませんでした。調べている途中だったため、まだ確認できていなかった、という段階です。検索で古い報だけを読んだ場合、実際より安心してしまうおそれがあります。両毛システムズの件を調べるときは、必ず最新の第4報の内容を基準にしてください。

同じことは、これから先の発表にも言えます。第4報でも件数は示されておらず、取引先の顧客の情報については取引先への報告が進められている途中です。今後、新しい報が出れば、対象や項目が書き加えられる可能性があります。

漏えいのおそれがある情報

第4報では、両毛システムズに問い合わせた事業者や個人、取引先と業務の関係者、採用に応募した人、社員について、漏えいのおそれがある個人情報の項目が示されています。

対象 個人情報の項目
両毛システムズのホームページから問い合わせた、または一部のイベントやセミナーなどに参加した事業者と個人の客 氏名、会社名、部署名、メールアドレス、電話番号
取引先と業務の関係者 担当者氏名、会社名、部署名、メールアドレス、電話番号、取引口座情報(一部)
採用に応募した人 氏名、生年月日、性別、住所、メールアドレス、職歴
社員(退職者を含む)と契約社員 氏名、生年月日、性別、住所、メールアドレス、家族情報、個人番号など人事、労務、給与に関する情報

第4報には、ここに挙げた項目は全項目で、対象になる人の登録の状況によって、実際に含まれる項目は違うと書かれています。たとえば、問い合わせのときにメールアドレスだけを書いた人は、電話番号は含まれていない、ということもあり得ます。

これとは別に、両毛システムズの取引先の顧客に関する個人情報もあります。こちらについては、影響の範囲を調べ、情報が漏えいしたおそれを確認した時点で、対象の取引先に個別に報告を進めているとされています。取引先の顧客の項目と件数は、第4報には示されていません。

件数は、どの対象についても公表されていません。報道などで件数を見かけることがあるかもしれませんが、両毛システムズの公式発表には書かれていないので、この記事では扱いません。

第4報では、漏えいのおそれがある連絡先に、不審なメール、SMS、電話、郵便物などが届く可能性があるとしています。2026年11月1日時点の発表では、漏えいに起因する二次被害が発生したとの報告は受けていないとされています。

取引先の顧客の情報について

両毛システムズは、さまざまな分野の取引先にシステムのサービスを提供しています。取引先の業務の中で扱う顧客の情報が、両毛システムズのサーバーに保存されていた場合、その顧客の情報も漏えいのおそれがある対象になります。

第3報と第4報では、この「お取引先さまのお客さま」の情報について、影響の範囲を調べ、漏えいのおそれを確認した時点で、適宜、対象の取引先に個別に報告を進めていると説明しています。つまり、取引先の顧客に対しては、両毛システムズが直接知らせるのではなく、まず取引先の会社に報告が行き、その取引先の会社が自分の顧客に知らせる形になると読み取れます。

このため、両毛システムズと直接の取引がない人でも、両毛システムズのシステムを使っている会社や団体の客であれば、その会社や団体から連絡や発表が出ることがあります。自分が使っているサービスの会社から、「委託先への不正アクセス」としてお知らせが届いた場合は、そのお知らせに書かれている項目と窓口を確かめてください。取引先の会社が独自に発表している内容は、その会社の公式のページで確かめるのが確実です。

両毛システムズが、どの取引先に報告したかの一覧は、公式発表に書かれていません。自分が対象かどうかを両毛システムズの発表だけで判断することはできないので、使っているサービスの会社からの連絡を待つか、両毛システムズの窓口に問い合わせてください。

原因:VPNのアカウントの悪用について発表で分かっていること

第4報によると、原因はVPNのアカウントの悪用です。第三者がVPNのアカウントを使って社内ネットワークに入り、認証サーバー(AD)から管理者アカウントの認証情報を盗み、サーバーにアクセスした、という流れでした。

どのようにしてVPNのアカウントが悪用されたか(パスワードが知られたのか、機器の弱点が使われたのか)は、公式発表に書かれていません。報道や解説記事で推測が出ることがあるかもしれませんが、この記事では書きません。

第4報では、今後の対応として次の対策を挙げています。

  • 漏えいのおそれのある情報に対する監視を続ける
  • 外部からのリモート接続の方法を厳しくする
  • システムの防御と、セキュリティの監視の体制を強める
  • データの保管と受け渡しなど、運用の面を見直す
  • 全社のガバナンスの体制を見直す

ガバナンスとは、会社の中のルールや管理の仕組みのことです。対策を実行したあとも、その効き目を続けて確かめ、必要な改善を重ねるとしています。また、個人情報保護法などの法令に基づいて、関係当局への報告をしたと書かれています。第2報では、警察や個人情報保護委員会などの関係機関に報告と相談をしたことも示されています。

ランサムウェアの侵入の経路ごとの守り方を知りたい場合は、ランサムウェアへの対策を整理した記事が参考になります。

両毛システムズの対応とこれからの連絡

両毛システムズが公表している、対象者への対応は次のとおりです。

  • 漏えいのおそれがある個人情報の対象になる人を特定したうえで、順次、個別に連絡する(第3報)
  • 問い合わせた事業者や個人、社員などの対象になる人には、個別に連絡する(第4報)
  • 個別の連絡が難しい人については、第4報の公表をもって通知に代える
  • 取引先の顧客の情報については、漏えいのおそれを確認した時点で、対象の取引先に個別に報告を進めている
  • 専用の問い合わせ窓口を設けている

「本公表をもって通知に代える」とは、連絡先が分からないなどで個別に連絡できない人には、ホームページでの発表を知らせの代わりにする、という意味です。昔の問い合わせで使ったメールアドレスが今は使われていない場合など、個別の連絡が届かないこともあります。両毛システムズに関わった覚えがある人は、連絡を待つだけでなく、発表の内容を自分で確かめておくと安心です。

補償やお詫びの品については、第1報から第4報のどれにも書かれていません。書かれていないことについて、この記事で推測はしません。

自分が対象かを確かめる方法

両毛システムズの発表から、自分が当てはまるかを考える手がかりを、立場ごとに整理します。

立場 当てはまるかを考える手がかり
両毛システムズのホームページから問い合わせた人 問い合わせのフォームで氏名やメールアドレスを送ったことがあるか
イベントやセミナーに参加した人 両毛システムズが開いた、または出展したイベントやセミナーで、申し込みや名刺の交換をしたか
取引先と業務の関係者 両毛システムズと取引や共同の業務をしたことがあるか。取引口座の情報をやり取りしたか
採用に応募した人 新卒やキャリアの採用に応募し、履歴書などを出したことがあるか
社員、退職者、契約社員 両毛システムズで働いたことがあるか
取引先の顧客 使っているサービスの会社から、委託先への不正アクセスについて連絡や発表があったか

第4報では「一部のイベント・セミナー等」とされていて、どのイベントが対象かは示されていません。参加した覚えがあるものの、対象かどうか分からない場合は、専用の窓口に問い合わせてください。

両毛システムズからの個別の連絡が届いた場合、その連絡が本物かどうかを確かめるときは、届いた連絡の中の番号やリンクではなく、両毛システムズの公式サイトに載っている窓口の番号を自分で調べてかけてください。

対象かもしれない人がすること

漏えいのおそれがある項目は、立場によって違います。項目に合わせて、要ることだけを挙げます。

すべての人に共通すること

  1. 両毛システムズを装うメール、SMS、電話、郵便物に注意する
  2. 身に覚えのないメールやSMSは、開いたりリンクを押したりせずに削除する
  3. 両毛システムズを装う不審なメールの添付ファイルを開かず、返信もしない

問い合わせた人とイベントの参加者

  • 会社名と部署名、メールアドレスが含まれているので、取引先や業界の団体を装った業務のメールに注意する
  • 請求書や見積書を装った添付ファイル付きのメールは、送信元を確かめてから開く

取引先と業務の関係者

  • 取引口座情報の一部が含まれている可能性があるので、振込先の変更を知らせるメールや電話には、すぐに応じず、これまでの連絡の手段で相手に確かめる
  • 社内の経理の担当者にも、両毛システムズを名乗る振込先の変更の連絡に注意するよう伝える

採用に応募した人

  • 生年月日、住所、職歴が含まれているので、転職の支援や採用の案内を装った連絡に注意する
  • 生年月日から推測しやすいパスワードを使っていれば、推測されにくいものに変える

社員、退職者、契約社員

  • 個人番号(マイナンバー)が含まれている可能性があるので、マイナンバーを使った手続きを装う連絡に注意する
  • 家族情報が含まれている可能性があるので、家族にも不審な連絡に注意するよう伝える

マイナンバーが漏れたときに起きることと、番号の変更の手続きは、マイナンバーが漏洩したらどうなるかを整理した記事にまとめられています。偽のメールを見分ける手順は、フィッシング詐欺メールの見分け方を整理した記事が参考になります。

採用に応募した人が気をつけること

採用に応募した人の項目は、氏名、生年月日、性別、住所、メールアドレス、職歴です。この組み合わせには、他の対象にはない特徴があります。職歴が含まれているため、その人がどんな仕事をしてきたかを知ったうえで連絡を装うことができてしまう点です。

考えられるのは、たとえば次のような連絡です。

  • 転職の支援会社や人材紹介の会社を装い、「あなたの経歴に合う求人がある」と面談の予約や個人情報の入力を求める連絡
  • 両毛システムズの採用担当を名乗り、「選考の情報の再提出」を求めて、身分証の画像や口座の情報を送らせようとする連絡
  • 「応募者の情報が漏えいしたお詫び」として、ギフトの受け取りを名目に偽のサイトへ誘導する連絡

新卒の採用に応募した学生の場合は、当時の大学のメールアドレスや実家の住所を使っていたこともあるはずです。今はそのアドレスを使っていなくても、実家に郵便で不審な案内が届くことはあり得ます。家族に、両毛システムズや採用を名乗る郵便が届いたら知らせてほしいと伝えておくと安心です。

生年月日が含まれているので、誕生日の数字をパスワードや暗証番号に使っている人は、推測されにくいものに変えておくと、別の経路での不正なログインを防ぎやすくなります。

社員、退職者とその家族が気をつけること

社員(退職者を含む)と契約社員の項目には、氏名、生年月日、性別、住所、メールアドレスに加えて、家族情報と、個人番号など人事、労務、給与に関する情報が挙げられています。他の対象よりも項目が多く、中身も重い情報です。

家族情報が含まれている可能性があるため、本人だけでなく、扶養に入っている家族などにも不審な連絡が届くことが考えられます。家族の名前や続き柄を知っている前提で、「ご家族の手続きについて」と連絡してくる形です。本人から家族に、今回の件と、身に覚えのない連絡に応じないことを伝えておくと安心です。

すでに退職した人は、会社からの個別の連絡が今の住所や連絡先に届かないこともあります。第4報では、個別の連絡が難しい人については、公表をもって通知に代えるとされています。退職した人は、在職していた時期を控えたうえで、窓口に問い合わせて自分が対象かを確かめることができます。

マイナンバーが漏れたときの扱いは、前の節で案内した記事にまとめられています。番号の変更などの手続きを考える場合は、住んでいる市区町村の窓口で、自分の場合に当てはまるかを確かめるのが確実です。

問い合わせやセミナーで連絡先を伝えた人が気をつけること

ホームページから問い合わせた人や、一部のイベントやセミナーに参加した事業者と個人の項目は、氏名、会社名、部署名、メールアドレス、電話番号です。社員や応募者に比べると項目は少ないものの、仕事の連絡先がそろっている点に注意が要ります。

会社名と部署名が分かると、その部署の業務に合わせた偽のメールを作りやすくなります。たとえば、情報システムの部署の担当者に向けて「システムの保守の案内」「セキュリティの更新のお知らせ」を装ったメールを送り、添付ファイルを開かせる形です。両毛システムズのセミナーに参加したことを前提に、「セミナーの資料の送付」「次回の案内」を名乗る連絡も考えられます。

こうした連絡が届いたら、送信元のメールアドレスのドメインが、両毛システムズの公式サイトと同じかを確かめてください。ドメインが同じに見えても、表示名だけを似せていることもあるので、メールの送信元の欄を開いて、実際のアドレスを見ることが大切です。少しでも迷ったら、添付ファイルを開かずに、公式サイトに載っている窓口に確かめます。

会社のメールアドレスで問い合わせた人は、社内の情報システムの担当者に、今回の件で自分の連絡先が対象になっている可能性があることを伝えておくと、社内で不審なメールへの注意を広げやすくなります。

振込先の変更を装う連絡に注意する

取引先と業務の関係者の情報に、取引口座情報の一部が含まれている点は、とくに注意が要ります。取引口座の情報に加えて、担当者の氏名、会社名、部署名、メールアドレスがそろっていると、取引先を装って「振込先の口座が変わりました」と知らせ、偽の口座にお金を振り込ませようとする連絡が、本物の取引先からの連絡に見えやすくなります。

こうした連絡を見分けるには、次の点を確かめます。

  • 振込先の変更が、メールだけで知らされていないか
  • 送信元のメールアドレスのドメインが、これまでのやり取りと同じか。1文字だけ違うなど、似せたドメインではないか
  • 「急ぎで」「今回から」など、確かめる時間を与えない言葉がないか
  • これまで電話で話してきた担当者の番号にかけ直して、変更が本当か確かめたか

振込先の変更の連絡が届いたら、メールに返信して確かめるのではなく、これまで使ってきた電話番号で、相手の担当者に直接確かめるのが確実です。社内で経理と営業の担当者が分かれている場合は、変更の連絡をどう確かめるかの手順を、あらかじめ決めておくと防ぎやすくなります。

2026年11月1日時点で分かっていることと書かれていないこと

第4報までの発表で分かっていることと、まだ書かれていないことを、文章で整理しておきます。

分かっていることは、侵入の経路と手口、漏えいのおそれがある情報の種類、対象ごとの項目、再発防止の方向性です。2026年8月12日にVPNのアカウントが悪用されて侵入され、認証サーバー(AD)から管理者の認証情報が盗まれ、サーバーにアクセスされました。漏えいのおそれがあるのは営業情報、取引情報、個人情報で、個人情報には取引先の顧客、問い合わせた事業者や個人、取引先と業務の関係者、採用に応募した人、社員が含まれます。二次被害の報告は受けていないとされています。

書かれていないことは、件数、VPNのアカウントがどのように悪用されたか、どの取引先に報告したか、取引先の顧客の項目、補償やお詫びの品の有無です。これらについて、報道や他の会社の発表をもとに推測した情報がネット上に出ることもありますが、両毛システムズの公式発表で確かめられない内容は、判断の材料にしないほうが安全です。

第4報には、今後新たに知らせるべきことが分かった場合の扱いは明記されていませんが、第3報では、新たに知らせるべき事項が分かった場合は速やかに報告するとしていました。続報が出るとすれば、両毛システムズのお知らせの一覧に掲載されるはずです。

問い合わせ窓口

両毛システムズが第4報で公表している、今回の件の問い合わせ窓口は次のとおりです。

項目 内容
窓口 本件に関するお問い合わせ窓口(株式会社両毛システムズ)
電話番号 0120-998-970
受付時間 平日 9:00から17:00(土日祝を除く)

問い合わせる前に、次の点を控えておくと話がまとまりやすくなります。

  • 自分の立場(問い合わせた人、イベントの参加者、取引先、応募者、社員や退職者、取引先の顧客)
  • 両毛システムズと関わった時期と、そのときに伝えた連絡先
  • 個別の連絡が届いたかどうか
  • 不審なメールやSMS、電話、郵便物が届いていれば、その日時と内容

取引先の顧客で、使っているサービスの会社から連絡を受けた人は、まずその会社の窓口に問い合わせ、不正アクセスそのものについて詳しく知りたい場合に両毛システムズの窓口を使う、という順番にすると話が早く進みます。

これまでの発表は、第2報と第3報のページでも確かめられます。

在宅で仕事をする人が気をつけること

両毛システムズの取引先や業務の関係者には、在宅で業務委託の仕事を受けている個人事業主が含まれていることもあり得ます。採用に応募した人の中にも、今は在宅で仕事をしている人がいるかもしれません。今回の件で業務用の連絡先や取引口座の情報が知られた可能性がある人は、その連絡先あてに届く偽の連絡が、自分の仕事のアカウントの乗っ取りや、取引先とのお金のやり取りの混乱につながるおそれがあります。

在宅で働く人は、取引先から顧客の名簿、原稿、デザインのデータなどを預かる立場になります。今回の件は、取引先のシステムを預かる会社が攻撃を受けたことで、その会社の取引先の顧客にまで影響が広がる、という構造の事案です。在宅で働く人も、規模は違っても、取引先の情報を預かる側として同じ構造の中にいます。取引先を経由した攻撃の全体像は、サプライチェーン攻撃対策の基本を整理した記事が参考になります。

個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴など、とくに慎重に扱う情報)を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。不正アクセスによる漏えいは、不正の目的で行われたおそれがある例として示され、ランサムウェアで個人データが暗号化されて元に戻せなくなった場合も例に挙げられています。報告は発覚したらまず速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。

業務委託で個人情報を扱う人が、自分の端末やアカウントから預かった情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを期限内に進めるうえで欠かせない点は変わりません。

今回の件をきっかけに、次の点を見直しておくと安心です。

  • 取引先の社内に入るためのVPNやリモート接続のアカウントを持っている場合、そのパスワードを他のサービスと同じにしていないか
  • 仕事のメールとクラウドストレージに多要素認証を設定しているか
  • 取引先から預かったデータを、仕事が終わった後も手元に残していないか
  • 振込先の変更などお金に関わる連絡を、メール以外の手段で確かめる手順を決めているか
  • 自分の端末で不審な動きに気づいたとき、取引先の誰に、どの手段で連絡するかを決めているか

フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。取引先から渡された接続用のアカウントを使い回さない、仕事と個人のアカウントを分ける、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。

アカウントを守る力を仕事に生かす

情報の守り方は、自分の身を守る知識であると同時に、仕事として求められる力でもあります。企業の中には、社員向けのセキュリティの研修資料の作成、取引先向けの注意喚起の文面づくり、社内のアカウントの棚卸しの手伝いなどを、外部の人に頼むところがあります。今回のような事案を公式の発表から正確に読み取り、「どの報で何が分かったか」「立場ごとに何をすればよいか」を整理する作業も、その一つです。

VPNのアカウントが入口になった今回の件は、外から会社のネットワークにつなぐ仕組みの管理が、どれほど大事かを示しています。在宅で取引先のネットワークにつないで仕事をする人にとっても、接続用のアカウントの管理は、取引先の情報を守るための基本です。

セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。まずは自分のアカウントの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。

両毛システムズの件は、2026年11月1日時点で第4報まで出ており、取引先への個別の報告が進められている段階です。両毛システムズと関わったことがある人は、両毛システムズを装う連絡への注意、振込先の変更など、お金に関わる連絡の確かめ直し、個別の連絡が届いたときの公式の窓口での確認の3つを先に済ませ、続報は第4報のページと両毛システムズのお知らせの一覧で確かめてください。

よくある質問

Q. 両毛システムズと直接取引がなくても、対象になることはありますか?

第4報では、取引先の顧客に関する個人情報も漏えいのおそれがある情報に含まれるとされています。両毛システムズは、漏えいのおそれを確認した時点で対象の取引先に個別に報告を進めているため、使っているサービスの会社から連絡や発表が出ることがあります。その会社のお知らせに書かれた項目と窓口を確かめてください。

Q. 漏えいした件数は何件ですか?

2026年11月1日時点で、両毛システムズの公式発表に件数は書かれていません。第3報では件数や項目を精査していると書かれ、第4報では対象ごとの項目が示されましたが、件数は示されていません。報道などで見かける数字ではなく、公式発表で確かめてください。

Q. 社員のマイナンバーも漏れたのですか?

第4報では、社員(退職者を含む)と契約社員の漏えいのおそれがある項目に、個人番号など人事、労務、給与に関する情報が挙げられています。漏えいが確認されたのではなく、漏えいのおそれがあるという発表です。対象になる人には個別に連絡するとされているので、気になる場合は窓口(0120-998-970)に確かめてください。

Q. 個別の連絡が届かないときはどうすればよいですか?

第4報では、個別の連絡が難しい人については、公表をもって通知に代えるとされています。昔の連絡先を今は使っていないなどの理由で届かないこともあります。両毛システムズに問い合わせた、応募した、働いたなどの覚えがあれば、窓口(平日9:00から17:00、土日祝を除く)に問い合わせてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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