Redmineを無料で使うための準備と、サーバーの管理にかかる手間


この記事のポイント
- ✓Redmineを無料で使うために必要な準備を
- ✓サーバーとRubyとデータベースの要件
- ✓更新とバックアップの手間まで整理しました
Redmineは無料で使えるプロジェクト管理の道具として知られていますが、「無料なら費用は一切かからない」というのはよくある勘違いです。Redmineそのものには利用料がかかりませんが、動かすためのサーバーを自分で用意し、更新やバックアップを続ける手間と費用は、利用する側が負うことになります。
結論から書くと、Redmineを無料で使うには、サーバー、Ruby、データベースを用意して自分でインストールし、その後もセキュリティの更新を追い続ける体制が必要です。この記事では、Redmineの公式サイトの記載をもとに、無料で使える理由、必要な準備、インストールの流れ、動かした後の管理の手間を順に整理し、自分の組織に合うかどうかを判断できるようにします。
Redmineが無料で使える理由
Redmineは、プロジェクトの課題(Redmineでは「チケット」と呼びます)を管理するためのWebアプリケーションです。日本語の情報サイトのRedmine.JPは、Redmineを次のように紹介しています。
Redmineは、オープンソースのプロジェクト管理ソフトウェアです。 出典: redmine.jp
オープンソースとは、ソフトウェアの設計図にあたるソースコードが公開されていて、誰でも決められた条件の範囲で自由に使い、手を加え、配布できる仕組みのことです。Redmineの公式サイト(redmine.org)には、RedmineがGNU General Public License v2(GPL)という条件のもとで公開されていると書かれています。この条件のもとでは、Redmineを使うこと自体に利用料はかかりません。
公式サイトでは、Redmineは「セルフホストできる」Webアプリケーションと説明されています。セルフホストとは、提供元のサーバーを借りるのではなく、利用する側が自分でサーバーを用意し、その上でソフトウェアを動かすことです。つまり、Redmineの「無料」は、ソフトウェアの利用料が無料という意味で、動かす場所と管理の手間は利用する側が持つ、という前提の上に成り立っています。
公式サイトに並んでいる主な機能は、複数のプロジェクトの管理、役割ごとの権限の設定、チケットの管理、ガントチャートとカレンダー、ニュースや文書やファイルの管理、メールでの通知、プロジェクトごとのWikiと掲示板、作業時間の記録、カスタムフィールド、バージョン管理システムとの連携などです。有料のプロジェクト管理の道具にある機能の多くを、利用料なしで使えるのがRedmineの強みです。
なお、Redmine.JPは、トップページに「unofficial」と書かれている日本語の情報サイトで、公式サイトとは別のものです。インストールの要件や最新の版は、公式サイトのredmine.orgで確かめるのが確実です。
無料で使っても必ずかかる費用
Redmineの利用料は無料でも、使うためにはいくつかの費用がかかります。始める前に、次の費用を見積もっておきます。
サーバーの費用
Redmineを動かすサーバーが必要です。選択肢は大きく3つあります。社内にあるパソコンやサーバーを使う、VPS(仮想専用サーバー)を月額で借りる、クラウドのサーバーを使った分だけ払う形で借りる、のいずれかです。社内のパソコンを使えば新たな費用はかかりませんが、電気代や機械の故障への備えが必要になり、社外から使うには別の設定が要ります。VPSやクラウドを借りる場合は、毎月の利用料がかかります。
ドメインと暗号化の費用
社外からRedmineを使う場合は、Redmineを開くためのアドレス(ドメイン)と、通信を暗号化するための証明書を用意するのが一般的です。ドメインは年単位の費用がかかります。証明書は無料で発行できるものもありますが、定期的な更新の設定が必要です。
人の時間の費用
もっとも見落とされやすいのが、Redmineを動かし続けるための人の時間です。インストール、更新、バックアップ、トラブルへの対応には、Webアプリケーションとサーバーの知識を持つ人の時間が必要です。社内の誰かが本来の業務の合間に担当する場合、その時間も費用に含めて考える必要があります。
フリーランスが業務委託契約を結ぶとき、「契約書なんていらない」と口約束で進めて後で揉める例は珍しくありませんが、Redmineの導入でも似たことが起きます。誰が管理を担当し、何かあったときに誰が直すのかを決めないまま入れてしまうと、トラブルが起きたときに対応する人がいません。無料の道具を入れるときほど、管理の担当を最初に決めておくことが大切です。
Redmineを動かすために用意するもの
Redmineの公式サイトのインストールの手引き(RedmineInstall)には、動かすために必要な環境が書かれています。2026年10月5日時点の記載を整理します。
OS
公式の手引きによると、Rubyが動く環境であれば、多くのUnix、Linux、macOS、Windowsで動きます。実際に社外から使うサーバーとしては、Linuxを選ぶ例が多く見られます。
RubyとRails
RedmineはRuby on Railsというフレームワークで作られているため、Rubyというプログラミング言語の実行環境が必要です。公式の手引きに載っている、版ごとの要件は次のとおりです。
| Redmineの版 | 対応するRubyの版 | 使われているRailsの版 |
|---|---|---|
| 7.0 | Ruby 3.2、3.3、3.4、4.0 | Rails 8.1 |
| 6.1 | Ruby 3.2、3.3、3.4 | Rails 7.2 |
| 6.0 | Ruby 3.1、3.2、3.3 | Rails 7.2 |
公式の手引きには、Ruby 4.0.0から4.0.3ではWikiの表示が遅くなる不具合があり、Ruby 4.0.4で直ったため、Redmine 7.0はRuby 4.0.4以降で動かすことを勧めると書かれています。また、対応しているRubyの版の中には、Ruby自体のサポートが終わったものもあるので、Rubyの公式サイトで保守の状況を確かめるよう案内されています。
データベース
課題やユーザーの情報を保存するデータベースが必要です。公式の手引きで推奨されているのは、PostgreSQL 14以降、MySQL 8.0から8.4(Redmine 7.0の場合)、Microsoft SQL Server 2012以降です。SQLite 3も使えますが、手引きには、複数の人が使う本番の環境には向かないと明記されています。
あると便利な部品
公式の手引きには、必須ではないものの、入れると使える機能が増える部品も挙げられています。ガントチャートを画像で書き出したり、画像の縮小表示を作ったりするためのImageMagick、PDFの添付ファイルの縮小表示を作るためのGhostscript、Redmine 7.0以降でWordやExcelなどの文書を画面で確認するためのPandocなどです。本番の環境では、裏側の処理を受け持つSidekiqという仕組みを使うことも勧められています。
インストールの前に決めておくこと
手順に入る前に、次の点を決めておくと、後からのやり直しを防げます。
- 誰が使うのか。社内の人だけか、取引先や外部の協力者も使うのかで、社外から開けるようにする必要があるかが決まります。
- どこで動かすのか。社内のサーバーか、借りたVPSやクラウドのサーバーかを決めます。社外から使うなら、借りたサーバーの方が設定は簡単です。
- 誰が管理するのか。管理者は必ず2人以上にし、片方が不在でも更新やトラブルの対応ができる体制にします。
- バックアップをどこに取るのか。Redmineと同じサーバーの中だけに保存すると、サーバーが壊れたときに一緒に失われます。別の場所に保存する設定にします。
- メールの通知を使うのか。使う場合は、どのメールのサーバーから送るかを決めます。
特に3つ目の管理者の人数は、後で書く実例のとおり、Redmineを長く使えるかどうかを左右します。管理者のアカウントの情報と、サーバーへのログインの方法は、手順書と一緒に、決まった人が確認できる場所に保管しておきます。
インストールの流れ
公式の手引きに沿うと、インストールは大きく11の手順に分かれています。それぞれの意味を、初めての人にも分かるように言い換えて整理します。
- Redmineの本体を入手する。公式サイトのダウンロードのページから、安定版を入手します。
- 空のデータベースと、Redmineが使うデータベースのユーザーを作る。
- データベースへの接続の設定を書く。設定ファイル(config/database.yml)に、データベースの種類、名前、ユーザー、パスワードを書きます。
- 必要な部品をまとめて入れる。Rubyの部品を管理するBundlerという道具で、開発用とテスト用を除いた部品を入れます。
- セッションの秘密の鍵を作る。ログインの状態を守るための鍵を作るコマンドを実行します。
- 画面の部品を事前に作る(任意)。
- データベースの中にテーブルを作る。このとき、管理者のアカウントも作られます。
- 初期データを入れる。ステータスやトラッカー(チケットの種類)などの初期の設定を、日本語を指定して入れられます。
- ファイルの書き込みの権限を設定する。添付ファイルやログを保存するフォルダに、書き込みの権限を与えます。
- 試しに起動する。PumaというWebサーバーで、正しく動くかを確かめます。
- 管理者のアカウントでログインする。
公式の手引きによると、最初の管理者のアカウントは、ログインの名前もパスワードも「admin」です。これは誰でも知っている組み合わせなので、ログインしたら最初にパスワードを変える必要があります。社外から開ける状態のまま放置すると、第三者に管理者の権限で入られるおそれがあります。
ここまでの手順は、Linuxのコマンドの操作に慣れていることが前提になっています。コマンドの意味が分からないまま手引きの文字列を写して実行すると、途中でエラーが出たときに原因を探せません。初めての人は、まず手元のパソコンや試験用のサーバーで1回通して試し、手順の意味を理解してから本番のサーバーに入れるのが安全です。
使い始めるための初期設定
インストールが終わっても、すぐにチームで使えるわけではありません。Redmine.JPの「Redmineを使い始めるための初期設定」では、ステータスの追加、トラッカーの追加、ロールの追加、ワークフローの設定、ユーザーの追加、プロジェクトの追加、プロジェクトのメンバーの追加という順番が案内されています。それぞれの言葉の意味を、初めての人向けに言い換えておきます。
ステータスとは、チケットの進み具合の段階のことで、「新規」「進行中」「解決」「終了」のように設定します。トラッカーとは、チケットの種類のことで、「バグ」「機能」「サポート」のように、仕事の性質で分けます。ロールとは、プロジェクトの中での役割のことで、「管理者」「開発者」「報告者」のように、役割ごとにできる操作を決めます。ワークフローとは、どのロールの人が、どのステータスからどのステータスに変えられるかを決める設定です。
これらの設定は、最初から作り込みすぎないことが大切です。項目を増やしすぎると、チケットを作るたびに選ぶものが多くなり、使われなくなります。最初は初期データのまま使い始め、実際に困ったところだけを追加していく方が、チームに定着しやすくなります。
動かした後にかかる管理の手間
Redmineは、インストールして終わりではありません。動かし続けるためには、次の作業が欠かせません。
版の更新
Redmineの公式サイトのダウンロードのページには、版ごとのサポートの状況が載っています。2026年10月5日時点の記載は次のとおりです。
| 版 | サポートの状況 |
|---|---|
| 7.0系 | 最新の安定版。新しい機能、不具合の修正、セキュリティの修正を受けられる |
| 6.1系 | 安定版。不具合の修正とセキュリティの修正だけを受けられる |
| 6.0系 | 以前の安定版。重要なセキュリティの修正だけを受けられる |
| 5.1系以前 | サポート終了 |
公式サイトの方針では、小さな版(マイナーバージョン)はおおむね3か月ごと、大きな版(メジャーバージョン)は年に1回出すとされています。サポートを受けられるのは、最新の小さな版から数えて3つまでです。つまり、一度入れたRedmineを何年も更新せずに使っていると、いずれセキュリティの修正を受けられない版になります。公式サイトのトップページには、2026年9月30日に7.0.2と6.1.5、8月26日に6.0.11が出たことが載っており、更新は頻繁に続いています。
RubyとOSとデータベースの更新
Redmineだけでなく、その土台のRuby、データベース、OSにも、それぞれ更新があります。Redmineの新しい版が、新しいRubyを必要とすることもあります。Redmineを更新しようとしたら、先にRubyを更新する必要があり、Rubyを更新したら、ほかの部品の入れ直しが必要になる、というように、更新が連鎖することも珍しくありません。
バックアップ
公式の手引きによると、Redmineのバックアップには、データベースのデータと、添付ファイル(Redmineを入れたフォルダの中のfilesフォルダ)の2つを含める必要があります。データベースだけを残して添付ファイルを忘れると、復元したときに資料がすべて開けなくなります。バックアップは自動で取る設定にし、実際に復元できるかを定期的に確かめておくことが大切です。
メールの設定とトラブルへの対応
チケットの更新をメールで知らせる機能を使うには、メールを送るための設定が必要です。送ったメールが迷惑メールとして扱われないようにするには、送信のサーバーの設定まで理解している必要があります。サーバーの容量がいっぱいになった、急に画面が開かなくなった、といったトラブルが起きたときも、原因を調べて直すのは管理の担当者です。
情報を守るために最低限やること
Redmineには、取引先の情報や社内の議論など、外に出てはいけない情報が集まります。自分で動かす場合、情報を守る責任は利用する側にあります。最低限、次のことは必ず行います。
1つ目は、最初の管理者のパスワードを変えることです。公式の手引きにあるとおり、最初の管理者は「admin」と「admin」の組み合わせで、誰でも知っています。
2つ目は、通信の暗号化です。社外から使う場合は、証明書を設定して、暗号化された通信でだけ開けるようにします。
3つ目は、ログインの守りを固めることです。Redmine.JPのFAQには、二要素認証(TOTP)を使う方法が載っています。二要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンのアプリに表示される数字の入力を求める仕組みのことで、パスワードが漏れても他人にログインされにくくなります。
4つ目は、プロジェクトの公開の設定を確かめることです。プロジェクトを「公開」にすると、ログインしていない人にも内容が見える設定になる場合があります。社内だけで使うプロジェクトは、公開になっていないかを確かめます。
5つ目は、更新を止めないことです。どれだけ設定を固めても、古い版のまま使い続けると、見つかった弱点を突かれるおそれがあります。セキュリティの修正が出たら、できるだけ早く入れる体制にしておきます。
管理の手間を減らす方法
Redmineの管理の手間を減らす方法もあります。
1つ目は、コンテナを使う方法です。Docker Hubには、Redmineの公式のイメージ(Docker Official Image)が公開されています。コンテナとは、アプリケーションと、それを動かすのに必要な部品をひとまとめにして動かす仕組みのことです。RubyやRailsの部品を一つずつ入れる手間を減らせますが、コンテナの仕組みそのものを理解している必要があり、データの保存場所やバックアップの設計は自分で行います。
2つ目は、Redmineを動かしてくれるクラウドのサービスを使う方法です。Redmine.JPの案内にも、クラウドのサービスの項目があります。サーバーの管理や更新を提供元が引き受けるので、管理の手間は大きく減ります。ただし、この場合は月額の利用料がかかるので、「無料」ではなくなります。
3つ目は、社内に詳しい人がいない場合に、構築と保守を外部に任せる方法です。サーバーの構築と保守を業務委託で依頼すれば、社内の担当者の負担は減ります。その場合は、依頼の範囲、対応の時間、費用、トラブルのときの連絡方法を、業務委託の契約書に必ず書いておきます。「保守をお願いします」という口約束だけでは、どこまでが依頼の範囲なのかで揉める原因になります。
クラウドのプロジェクト管理の道具と比べるときの見方
Redmineを自分で動かすか、クラウドのプロジェクト管理の道具を使うかで迷う場合は、次の5つの点を並べて比べると、判断の材料が揃います。
1つ目は、始めるまでの時間です。クラウドの道具は、登録すればその日から使えます。Redmineは、サーバーの用意からインストール、初期設定まで、慣れた人でも半日から数日はかかります。
2つ目は、毎月の費用の形です。クラウドの道具は、1人あたりかチーム全体で月額の料金がかかり、人数が増えるほど費用が伸びる形が多く見られます。Redmineは利用料がかからない代わりに、サーバーの費用と管理の時間がかかり、人数が増えても費用はそれほど変わりません。
3つ目は、情報の保存場所です。クラウドの道具では、情報は提供元のサーバーに保存されます。Redmineなら、情報を自分たちのサーバーの中にとどめられます。取引先との契約で、情報を社外のサービスに預けることが制限されている場合は、この点が決め手になります。
4つ目は、手直しの自由です。Redmineはソースコードが公開されているので、プラグインを入れたり、画面を作り変えたりできます。クラウドの道具では、提供元が用意した範囲の設定しか変えられません。
5つ目は、担当者がいなくなったときの影響です。クラウドの道具なら、管理の担当者が入れ替わっても、サービスそのものは提供元が動かし続けます。Redmineは、管理できる人がいなくなると、更新もトラブルの対応も止まります。
どれを重く見るかは、組織によって違います。情報の保存場所と手直しの自由を重く見るならRedmine、始めるまでの時間と担当者の入れ替わりへの強さを重く見るならクラウドの道具、という整理が1つの目安になります。
Redmineを無料で使うのに向いている組織、向いていない組織
ここまでの手間を踏まえて、Redmineを自分で動かして無料で使うのに向いている組織と、そうでない組織を整理します。
| 向いている組織 | 向いていない組織 |
|---|---|
| 社内にサーバーとRubyに詳しい人がいる | サーバーを管理できる人がいない |
| 情報を社外のサービスに預けたくない | 管理の担当者がすぐに入れ替わる |
| 画面や機能を自分たちで手直ししたい | トラブルのときにすぐ直せる体制がない |
| 利用者が多く、1人あたりの料金が重い | 少人数で、早く使い始めたい |
向いているのは、システム開発の会社や情報システムの部署のように、サーバーの管理を日常的に行っている組織です。情報を社外のクラウドに預けられない事情がある場合も、自分で動かせるRedmineは有力な選択肢になります。利用者が数十人から数百人いる組織では、1人あたりの料金がかかるクラウドの道具に比べて、費用の差が大きくなります。
向いていないのは、サーバーを管理できる人がいない小さな事務所や、管理の担当者が異動や退職で入れ替わりやすい組織です。こうした組織では、最初は動いていても、担当者がいなくなった時点で、誰も更新できないRedmineが残ることになります。
担当者が辞めたあとに残ったRedmineの話
士業として顧問を務めていた小さな会社で、実際にあった話を書いておきます。その会社では、システムに詳しい社員が数年前に社内のサーバーにRedmineを入れ、案件の管理に使っていました。ところが、その社員が退職したあと、Redmineの管理を引き継ぐ人がいませんでした。
問題が表に出たのは、労務の相談で就業規則の改定の経緯を確認しようとしたときです。改定の議論はRedmineのチケットに残っていたのですが、サーバーの容量がいっぱいになっていて、Redmineの画面が開けなくなっていました。誰もサーバーにログインする方法を知らず、管理者のパスワードも引き継がれていませんでした。結局、外部の技術者に依頼してサーバーに入ってもらい、データを取り出すまでに数週間かかりました。
この会社が困ったのは、Redmineが悪かったからではありません。管理の担当と手順を決めず、引き継ぎの仕組みを作らないまま使い続けたことが原因です。労務の観点から言えば、業務を特定の1人に頼り切る状態は、退職や休職のときに必ず問題になります。社内のシステムの管理も同じで、手順書と管理者の情報を、複数の人が確認できる形で残しておく必要があります。
この経験から、顧問先には、無料の道具を入れるときほど、管理の担当、手順書、パスワードの保管場所、バックアップの確認の頻度の4点を書面に残すよう勧めています。
無料で使う費用を、時間に置き換えて考える
Redmineを自分で動かすかどうかを決めるときは、管理にかかる時間を、お金に置き換えて比べてみると判断しやすくなります。
たとえば、月に1回の更新とバックアップの確認に2時間、年に数回のトラブルへの対応に合計で10時間かかるとします。1年の合計は、2時間×12か月+10時間で34時間です。この作業を、時間あたり3,000円の費用がかかる人が担当すると、年間でおよそ10万円に相当します。ここにサーバーの利用料が加わります。
もちろん、これは仮の計算で、組織の規模や担当者の慣れによって大きく変わります。ただ、「利用料が無料」と「費用がかからない」は別のことだと分かれば、クラウドの有料の道具と比べるときの見方が変わります。利用者が少ないうちは、管理の手間のかからないクラウドの道具の方が、結果として安く済むこともあります。
サーバーの管理なしで、無料の範囲から始められる候補
Redmineを自分で動かす体制がない場合や、まずは少人数で無料から始めたい場合の候補の1つが、国産のプロジェクト管理の道具のPinatecaです。Webブラウザで使うクラウドの道具なので、サーバーの用意や更新、バックアップを利用者が行う必要はありません。
公式の料金ページによると、無料プランは5人まで・ボード10個までで、期限はなく、クレジットカードの登録も要りません。無料プランでも、カンバン、ガントチャート、カレンダー、リストを含む8種類のボードと、チャット、コメント、カスタムフィールド、権限ロールまで使えると案内されています。ファイル容量は1GBです。
人数かボードの数が無料の範囲を超えたときのスタンダードプランは、1人あたり月額500円(税抜、年払いなら1人あたり月額400円)で、人数とボードの数の上限がなくなり、ファイル容量は20GBになります。機能はフリープランと同じで、閲覧だけのゲストは人数に数えないと書かれています。料金と機能の詳細はPinatecaの料金プランと費用で確かめられます。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
サーバーの構築と保守は、在宅で受けられる仕事でもある
最後に、Redmineのような道具の導入と保守を、仕事として受ける側の視点に触れておきます。Redmineを自分で動かしたいものの、社内に詳しい人がいない組織は少なくありません。そうした組織から、構築や保守、使い方の定着の支援を業務委託で受ける仕事があります。
20年この市場を見てきた立場から言えば、道具そのものより、道具を業務に合わせて組み立て、使われ続ける状態を作る支援の価値が高まっています。業務の改善やAIの活用を支援する仕事の内容は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。Redmineのような業務のアプリケーションを作り、手直しする仕事は、アプリケーション開発のお仕事で、求められる力と案件の特徴を確認できます。
開発や保守の仕事の年収や業務委託の単価の相場は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で、公的な統計をもとに確かめられます。サーバーの管理には情報を守る知識も欠かせません。セキュリティに関わる在宅の仕事の内容は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で整理しています。中小企業の業務の仕組みを経営の視点から見直す力を身につけたい人には、経営の助言の専門家の資格である中小企業診断士も選択肢になります。
運営者として見てきた限りでは、保守の仕事で長く続く人ほど、依頼の範囲と対応の時間を契約書に明記し、「何かあったらこの人に頼めば大丈夫」という信頼を積み重ねています。発注する側と受ける側が直接やり取りできる仕組みでは、中間の手数料がかからない分、同じ予算で依頼できる範囲が広がり、受ける側の手取りも厚くなります。無料の道具を長く使い続けられるかどうかは、結局のところ、それを支える人との関係で決まります。
よくある質問
Q. Redmineは本当に無料で使えますか?
Redmineは、GNU General Public License v2という条件で公開されているオープンソースのソフトウェアで、利用料はかかりません。ただし、動かすためのサーバー、ドメイン、暗号化の証明書などは自分で用意する必要があり、更新やバックアップにかかる人の時間も必要です。利用料が無料でも、費用がまったくかからないわけではありません。
Q. Redmineを動かすにはどんな環境が必要ですか?
公式の手引きによると、Rubyが動くOSと、データベースが必要です。Redmine 7.0はRuby 3.2から4.0に対応し、データベースはPostgreSQL 14以降、MySQL 8.0から8.4、SQL Server 2012以降が推奨されています。SQLite 3は、複数の人が使う本番の環境には向かないと明記されています。
Q. Redmineはどのくらいの頻度で更新が必要ですか?
公式サイトの方針では、小さな版はおおむね3か月ごと、大きな版は年に1回出すとされています。サポートを受けられるのは最新の小さな版から数えて3つまでで、2026年10月時点では5.1系以前はサポートが終わっています。セキュリティの修正を受け続けるには、定期的な更新が欠かせません。
Q. Redmineのバックアップでは何を保存すればいいですか?
公式の手引きによると、データベースのデータと、Redmineを入れたフォルダの中のfilesフォルダにある添付ファイルの2つを保存します。データベースだけを残すと、復元したときに添付ファイルが開けなくなります。自動で取る設定にしたうえで、実際に復元できるかを定期的に確かめておくと安心です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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