NPSアンケートとは何か|設問の作り方と集めた点数の読み方

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NPSアンケートとは何か|設問の作り方と集めた点数の読み方

この記事のポイント

  • ✓NPSアンケートとは何かを
  • ✓考案したベイン・アンド・カンパニーの説明をもとに整理しました
  • ✓0から10の11段階で聞く理由

NPSアンケートとは、「この商品やサービスを、友人や同僚にどの程度すすめたいと思いますか」という1つの質問に、0から10の11段階で答えてもらい、顧客の支持の強さを1つの数字で表すアンケートです。質問が短く、回答する人の負担が小さいため、多くの会社が顧客満足度の調査と並べて使っています。

ただ、NPSは数字が1つにまとまる分、「点数は出たけれど、次に何をすればいいのかわからない」という状態にもなりやすい指標です。この記事では、NPSの考え方と計算の仕方を、考案したベイン・アンド・カンパニーの説明をもとに整理し、設問の作り方、配り方、集めた点数の読み方、低い点数を付けた人への対応まで順番に説明します。回答が届いたあとの担当決めや返信まで一か所で済ませたい場合に使える、フォームと回答の管理を1つにしたHalictにも触れます。

NPSとは何か

NPSはNet Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)の略です。顧客がその会社や商品を、ほかの人にどれだけすすめたいと思っているかを数字にする指標で、ベイン・アンド・カンパニーとフレッド・ライクヘルド氏らによって考案されました。NPSは、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド氏、NICE Systemsの登録商標です。

ベイン・アンド・カンパニーが運営する公式サイトでは、NPSの計算の仕方を次のように説明しています(Measuring Your Net Promoter Score)。

  • 「友人や同僚に、当社をすすめる可能性はどのくらいありますか」と聞く
  • 答えは0から10の11段階で付けてもらう
  • 9か10を付けた人の割合から、0から6を付けた人の割合を引いた値がNPS

3つのグループ

公式サイトでは、回答した人を点数によって3つのグループに分けています。

グループ 点数 公式サイトでの説明の要点
推奨者 9、10 熱心な支持者。周りにすすめ、使い続け、購入を増やしやすい
中立者 7、8 今は満足しているが、他社の広告に目が向くと離れる可能性がある
批判者 0から6 不満を持っている顧客。離れやすく、悪い評判の多くを生む

公式サイトでは、推奨者は多くの事業で紹介の8割以上を生み、批判者は悪い口コミの8割以上を生むと説明されています。NPSの考え方の中心は、推奨者を増やし、批判者を減らすという2つの目標に全員の意識を向けることにあります。

計算の例

たとえば200人が答え、推奨者が70人、中立者が80人、批判者が50人だったとします。推奨者の割合は35%、批判者の割合は25%なので、NPSは35から25を引いて10になります。中立者の80人は、計算には直接使いません。

NPSは、マイナス100からプラス100までの値を取ります。全員が批判者ならマイナス100、全員が推奨者ならプラス100です。マイナスの値になることも珍しくありません。

顧客満足度との違い

NPSは顧客満足度と混同されがちですが、聞いていることが違います。

比べる点 顧客満足度 NPS
聞くこと 商品やサービスにどの程度満足しているか ほかの人にどの程度すすめたいか
答え方の例 5段階の満足度 0から10の11段階
わかること 今の体験への評価 人にすすめるほどの支持があるか
数字の出し方 平均点や「満足」の割合 推奨者の割合から批判者の割合を引く

「満足している」と答えた人でも、人にすすめるかと聞かれると7や8を付けることがあります。満足はしているけれど、すすめるほどではない、という状態です。NPSは、この「満足」と「推奨」の間の差を見るのに向いています。

どちらか一方だけを使う必要はありません。満足度の調査でどの点が評価され、どの点に不満があるかを聞き、NPSで全体の支持の強さを追う、という組み合わせがよく使われます。

なぜ0から10の11段階なのか

NPSでは、答えを0から10の11段階で付けてもらいます。5段階や10段階ではなく11段階である理由について、公式サイトでは次の2点が説明されています。

  1. 0から始めることで、1から10の目盛のときに「1」を良い点と取り違えるような、目盛の両端の取り違えを防げる(0は決して良い点ではない、と直感的にわかる)
  2. 選択肢が十分にあるので、満足した体験に対して、何となく最高点を付けるという答え方になりにくい

公式サイトでは、11段階で聞くと、9や10を付けた人と、0から6を付けた人の間に、実際の行動の違いが見られると説明されています。NPSを使うなら、この11段階の形を変えずに使うことが大切です。5段階に置き換えて計算すると、ほかの会社や過去の数字と比べられなくなります。

始める前に決める4つのこと

NPSアンケートを始める前に、次の4つを決めておきます。ここが決まっていないと、点数は集まっても使い道がはっきりせず、次の回に続きません。

1. 何への支持を測るのか

会社全体なのか、特定の商品なのか、窓口の対応なのか。測る対象によって、1問目の言葉と、配る相手が変わります。複数の対象を1回のアンケートで同時に測ろうとすると、回答する人が何について答えているのか迷います。1回のアンケートでは、対象を1つに絞りましょう。

2. どの単位で比べるのか

全体の値だけを追うのか、店舗ごと、担当ごと、プランごとに比べるのかを決めます。比べたい単位があるなら、その情報をアンケートで聞くか、回答と結び付けられる形で配る必要があります。

3. どのくらいの間隔で聞くのか

半年ごと、1年ごと、体験の直後など、聞く間隔を決めます。同じ顧客に短い間隔で何度も送ると、うんざりされて回答率が下がります。体験の直後に聞く形を取るなら、同じ人に送るのは一定の期間に1回まで、といった決まりを作っておきましょう。

4. 回答のあと、誰が何をするのか

最も大切なのがこれです。批判者に誰が連絡するのか、結果を誰に共有するのか、改善を誰が決めるのかを、アンケートを送る前に決めておきます。後の節で詳しく説明しますが、NPSアンケートの成果は、点数を集めたあとの動きでほぼ決まります。

NPSアンケートの設問の作り方

NPSアンケートの中心は1問ですが、それだけでは「なぜその点数なのか」がわかりません。点数の理由を聞く設問を組み合わせて、初めて改善につながる情報になります。

基本の構成

順番 設問 答え方
1 (商品名)を、友人や同僚にどの程度すすめたいと思いますか 0から10の11段階
2 その点数を付けた一番の理由を教えてください 自由記述
3 改善してほしい点があれば教えてください 自由記述(任意)
4 ご利用の期間 選択式
5 担当者からご連絡してもよろしいですか 選択式と連絡先(任意)

設問の数は少なく保つのが基本です。NPSの良さは答えやすさにあるので、設問を増やしすぎると、その良さが失われます。参考の記事では、質問が多いと面倒に感じられて回答率が下がるため、目安として7問ほどにするとよいと紹介されています。

1問目の聞き方

1問目は、何をすすめるのかがはっきりわかる文にします。「当社を」と聞くのか、「このサービスを」と聞くのか、「今回の担当者の対応を」と聞くのかで、答えの意味が変わります。会社全体への支持を知りたいのか、特定の商品やサービスへの支持を知りたいのかを決めてから、言葉を選びましょう。

目盛の両端には、「0:まったくすすめたくない」「10:ぜひすすめたい」のように言葉を添えておくと、回答する人が迷いません。

理由を聞く設問の工夫

2問目の理由の設問は、NPSアンケートの中で最も価値のある情報が集まる場所です。聞き方を工夫すると、答えの具体さが変わります。

  • 「その点数を付けた一番の理由」のように、1つに絞って聞く
  • 点数によって聞き方を変える(9か10の人には「特に気に入っている点」、0から6の人には「残念に感じた点」)
  • 選択肢で聞く場合も、「その他」と自由記述を必ず残す

点数によって聞き方を変えるには、回答の内容に応じて次の質問を切り替える機能を使います。多くのフォームの道具にはこの機能があります。

業種ごとの聞き方の例

1問目と理由の設問を、業種ごとに具体的にしてみます。そのまま使うのではなく、自社の目的に合わせて言葉を選んでください。

業種 1問目の例 理由の設問の例
ソフトウェアのサービス このサービスを、同じ仕事をしている知人にどの程度すすめたいと思いますか その点数の一番の理由は、機能、使いやすさ、サポート、料金のどれに近いですか
飲食店 当店を、友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか 特に印象に残った点、または残念だった点を教えてください
教室やスクール この講座を、同じことを学びたい人にどの程度すすめたいと思いますか 講座の内容、講師、日程、料金のうち、点数に一番影響したものはどれですか
士業や相談の事務所 当事務所を、同じような相談を抱えた知人にどの程度すすめたいと思いますか 説明のわかりやすさ、連絡の速さ、費用の説明のうち、気になった点を教えてください

「誰にすすめるか」を具体的にすると、回答する人が場面を思い浮かべやすくなります。ただし、一度決めた聞き方は、変化を追うために次の回からも変えないようにしましょう。

冒頭の案内文の例

アンケートの最初には、次のような案内を書いておきます。〇〇の部分は自社の内容に合わせて書き換えてください。

「いつも〇〇をご利用いただき、ありがとうございます。サービスの改善のため、3問ほどのアンケートにご協力ください。回答は1分ほどで終わります。いただいた回答は、サービスの改善のためにのみ使います。連絡先をご記入いただいた方には、内容を確かめるため担当者からご連絡することがあります。」

かかる時間が短いことを最初に伝えると、回答率が上がります。名前や連絡先を集める場合は、何に使うのかをはっきり書いておくことが欠かせません。

配る時期と相手

NPSアンケートは、いつ、誰に配るかで、わかることが変わります。

定期的に聞く

半年や1年ごとに、全体の顧客に同じ質問をすると、会社や商品への支持の強さがどう変わっているかを追えます。毎回同じ時期に、同じ相手の範囲に、同じ聞き方で配ることが、変化を正しく読むための条件です。

体験の直後に聞く

購入、問い合わせへの対応、サービスの利用など、特定の体験の直後に聞く方法もあります。体験の記憶が新しいうちに聞けるので、どの場面に問題があるのかを具体的に知るのに向いています。窓口の対応ごと、店舗ごとに点数を出して比べる使い方もできます。

公式サイトでも、NPSは会社全体だけでなく、事業、商品、店舗、顧客対応のチームごとに、また顧客の属性や地域ごとに追えると説明されています。

定期的に聞く形と、体験の直後に聞く形は、組み合わせて使うこともできます。体験の直後のアンケートで窓口や店舗ごとの課題を早く見つけて手を打ち、半年や1年ごとの定期のアンケートで、その積み重ねが全体の支持の強さにつながっているかを確かめる、という使い分けです。ただし、同じ顧客に両方のアンケートが短い間隔で届くと負担になるので、どちらかを受け取った人には一定の期間はもう一方を送らない、といった決まりを作っておきましょう。

回答数の目安

NPSは割合から計算するので、回答数が少ないと、数人の回答で値が大きく動きます。回答数の目安について、参考の記事では次のように紹介されています。

NPS®のサンプル数は、400以上の確保が望ましく、誤差は±5%が目安です。サンプル数が2,000以上あれば、誤差は±2%に抑えられます。 出典: webcas.jp

小さな会社や個人の事業では、これだけの回答数を集めるのは難しいことも多いはずです。回答数が少ないうちは、点数の上下に一喜一憂せず、理由の自由記述を丁寧に読むことに重きを置きましょう。数十件の回答でも、不満の理由が繰り返し出てくるなら、それは手を打つべき点です。

回答率を上げる工夫

NPSアンケートは短いので、他のアンケートより答えてもらいやすいものの、案内の仕方で回答率は変わります。

  • 件名や案内の冒頭で、1分ほどで終わる短いアンケートであることを伝える
  • 体験の直後に聞く場合は、体験から時間を空けすぎない
  • スマートフォンで答えやすい画面にする
  • 送ってから数日後に、1回だけ再案内を送る
  • 前回の結果をもとに改善したことがあれば、案内の中で伝える

最後の点は特に効果があります。答えても何も変わらないと感じた人は、次から答えてくれなくなります。反対に、声が届いたと感じた人は、次の回にも答えてくれます。

集めた点数の読み方

NPSの値が出たら、その数字だけで判断せず、いくつかの角度から読みます。

1. 3つのグループの割合を見る

同じNPSでも、中身は違うことがあります。たとえばNPSが0の場合でも、推奨者30%と批判者30%で中立者が40%なのか、推奨者10%と批判者10%で中立者が80%なのかで、状況はまったく違います。前者は評価が大きく分かれていて、後者は誰も強く支持していない状態です。NPSと一緒に、3つのグループの割合を必ず並べて見ましょう。

2. 点数の分布を見る

0から10の各点数を付けた人の数を、棒グラフにしてみます。批判者の中でも0や1を付けた人が多いのか、5や6が多いのかで、不満の深さがわかります。6を付けた人は、少しの改善で中立者に移る可能性がある人です。

3. 属性ごとに分けて見る

利用の期間や、使っているプラン、担当した窓口などで分けてNPSを出すと、どこに問題が集中しているかが見えてきます。使い始めたばかりの人だけNPSが低いなら、最初の案内や使い方の説明に課題がある、と考えられます。

4. 理由を分類して数える

自由記述の理由を、内容ごとに分類して数えます。推奨者の理由からは自社の強みが、批判者の理由からは手を打つべき点がわかります。分類した結果を、3つのグループごとに並べると、何が支持を生み、何が不満を生んでいるかが整理できます。

5. 前回と比べる

NPSは、1回の値よりも、時間をおいた変化に意味があります。前回の調査と比べて上がったのか下がったのか、その間に何を変えたのかを並べて見ましょう。ほかの会社の値と比べたくなるかもしれませんが、業種や聞き方、聞いた相手の範囲が違うと単純には比べられません。まずは自社の過去の値と比べるのが確実です。

中立者にも目を向ける

7か8を付けた中立者は、NPSの計算には直接使われないため、見落とされがちです。しかし公式サイトの説明にあるとおり、中立者は今は満足していても、他社に目が向くと離れる可能性がある人たちです。中立者の理由の記述には、「悪くはないが、決め手に欠ける」という声が多く含まれます。

中立者の理由を読むと、推奨者になってもらうために足りないものが見えてきます。たとえば「機能は十分だが、使い方がわかりにくい」という声が多ければ、使い方の案内を整えることで、中立者が推奨者に移る可能性があります。批判者を減らす取り組みと、中立者を推奨者に変える取り組みは、別のものとして考えておくと、打つ手を整理しやすくなります。

値の高い低いをどう受け止めるか

NPSの値がいくつなら良いのか、という問いに、決まった答えはありません。業種や、聞いた相手の範囲、聞き方によって、出てくる値は大きく変わります。マイナスの値が出ても、それだけで悪いと決めつける必要はありません。

大切なのは、自社の値が時間とともにどう動いているか、取り組みのあとに変わったかどうかです。初回の値は、良し悪しを判断するためのものではなく、これからの変化を測るための出発点と考えましょう。

社内でNPSの目標を決める場合も、ほかの会社の値をそのまま目標にするのではなく、自社の初回の値を基準に「次の調査までに批判者の割合をここまで下げる」のように、行動と結び付いた目標にすると、取り組む中身がはっきりします。目標の数字だけが独り歩きすると、よくある失敗の節で触れるように、数字を上げること自体が目的になってしまうので注意が必要です。

スプレッドシートで計算する手順

回答をスプレッドシートに集めている場合、NPSは関数を使って計算できます。ここでは、B列に0から10の点数が並んでいる場合を例にします。

求めるもの 数式の例
回答した人の数 =COUNT(B:B)
推奨者の数 =COUNTIF(B:B,">=9")
批判者の数 =COUNTIF(B:B,"<=6")
中立者の数 回答した人の数から、推奨者と批判者の数を引く
NPS (推奨者の数 - 批判者の数)÷ 回答した人の数 × 100

たとえば、回答した人の数をE1、推奨者の数をE2、批判者の数をE3のセルで求めたなら、NPSは =(E2-E3)/E1*100 で計算できます。

期間や属性ごとに計算する

調査の回ごと、利用の期間ごと、プランごとにNPSを出したいときは、条件を組み合わせて数える関数(COUNTIFS)を使うか、ピボットテーブルで属性ごとに点数の件数を数えてから計算します。最初から全部を自動にしようとせず、まずは全体のNPSと3つのグループの割合を出し、慣れてきたら属性ごとの計算を加えていくと、迷わずに進められます。

計算の前に確かめること

計算の前に、テストで送った回答や、同じ人が何度も送った回答が混ざっていないかを確かめます。点数の列に、空欄や文字が入っていないかも見ておきましょう。数字以外のものが混ざっていると、関数の結果がずれることがあります。

結果を社内に伝えるときのまとめ方

NPSの結果を社内に伝えるときは、次の項目に沿って整理すると、読む人が迷いません。

  1. 調査の概要:対象、期間、回答数
  2. NPSの値と、前回との差
  3. 推奨者、中立者、批判者の割合
  4. 点数の分布のグラフ
  5. 理由の分類と、代表的な声を数件
  6. 批判者への対応の状況(連絡した数、解決した数)
  7. 次の調査までに取り組むことと、担当と期限

数字だけを並べた報告は、読まれても行動につながりません。最後の7つ目まで書いて、初めて報告が改善の出発点になります。

社員に向けたNPS

NPSの考え方は、顧客だけでなく、社員に向けても使われています。社員に「この職場を、友人や知人にどの程度すすめたいと思いますか」と聞く使い方で、eNPSと呼ばれます。eNPSも、ベイン・アンド・カンパニーらの商標とされています。

社員に聞く場合は、回答した人が特定されない形にすることが特に大切です。部署の人数が少ないと、部署を聞くだけで誰の回答かがわかってしまうことがあります。率直な回答を集めたいなら、属性の質問を大きなまとまりにするか、聞かない選択も考えましょう。結果をもとに何を変えたのかを社員に伝えることも、顧客の場合と同じく欠かせません。

低い点数を付けた人への対応

NPSアンケートを改善につなげるうえで、最も効果が出やすいのが、批判者への個別の対応です。低い点数を付けた人のうち、連絡してもよいと答えた人には、できるだけ早く連絡して事情を聞きます。

対応の流れの例

  1. 0から6を付け、連絡してもよいと答えた人の一覧を作る
  2. 担当者を決め、何日以内に連絡するかを決める
  3. 連絡では、まず回答のお礼を伝え、不満の具体的な中身を聞く
  4. その場で解決できることは解決し、できないことは社内に持ち帰る
  5. 対応した内容と結果を記録する

大事なのは、誰がいつまでに連絡するかを決めておくことです。回答の一覧を全員で眺めているだけでは、誰も連絡しないまま日が過ぎてしまいます。

推奨者にも声をかける

推奨者にも、お礼の連絡を送ると良い関係が続きます。推奨者の声は、自社の強みを知る手がかりになります。許可をもらえれば、紹介の制度の案内や、利用者の声として紹介させてもらう相談をするのも1つの方法です。

連絡するときの文面の例

批判者に連絡するときは、言い訳や説明から入らず、まず回答のお礼と、話を聞きたいという姿勢を伝えます。〇〇の部分は状況に合わせて書き換えてください。

「先日はアンケートにご回答いただき、ありがとうございました。〇〇について残念に感じられた点があったと拝見し、詳しくお話をうかがいたくご連絡しました。ご都合のよい日時を2つほどお知らせいただけますでしょうか。いただいたお話は、サービスの改善に生かしてまいります。」

連絡のあと、どんな話があり、何をしたのかを記録しておくと、同じ不満が繰り返し出ていないかを後から確かめられます。

社内で共有する

対応の結果や、繰り返し出てくる不満の理由は、商品やサービスを担当する人に届けます。NPSの数字と、顧客自身の言葉を一緒に共有すると、現場が受け止めやすくなります。改善を決めたら、可能であれば顧客にも知らせましょう。声が届いたと感じた顧客は、次のアンケートにも答えてくれます。

よくある失敗と、その避け方

NPSアンケートでよく見かける失敗を挙げます。

数字を上げること自体が目的になる

NPSの値を評価の指標にすると、担当者が「9か10を付けてください」と頼んだり、満足していそうな顧客にだけアンケートを送ったりすることがあります。そうして上がった数字には意味がありません。NPSは、顧客の本当の気持ちを知るための道具だということを、社内で共有しておきましょう。

理由を聞かない

点数だけを聞いて理由を聞かないと、数字が下がっても原因がわかりません。理由の設問は、必ずセットにします。

聞き方や目盛を途中で変える

1問目の言葉や、11段階の目盛を途中で変えると、前回と比べられなくなります。変える必要があるときは、変えた時期を記録し、前後を分けて読みましょう。

集めたまま対応しない

アンケートを送り、点数を集計したところで止まってしまうのは、最も多い失敗です。低い点数を付けた人への対応の担当と期限を、アンケートを送る前に決めておくと、この失敗を防げます。

アンケートの作成と、回答のあとの対応を回す道具

NPSアンケートのフォームを作るだけなら、Googleフォームのような無料の道具でも作れます。0から10の目盛で聞く質問も、理由を書いてもらう質問も用意でき、回答はスプレッドシートに集めて計算できます。定期的に全体の傾向を見るだけなら、それで十分な場面も多いはずです。

手間がかかってくるのは、この記事の「低い点数を付けた人への対応」の節で説明した流れを回そうとしたときです。回答を表に集め、批判者を抜き出し、担当者の名前を列に書き込み、連絡したかどうかを別の列で管理し、連絡はメールソフトから送る。回答の数が増えるほど、誰がどこまで対応したのかを追うのが難しくなります。

フォームと対応の管理を1つにする選択肢

回答のあとの対応まで1か所で済ませたい場合は、Halictのように、フォームと回答の管理を1つにした道具を使う方法もあります。公式サイトの案内によると、Halictではフォームを作り、届いた回答1件ごとに担当者とステージ(対応の段階)を残して管理でき、同じ画面から返信を送れて、開封まで記録されます。

フォームには評価や選択肢など12種類の項目を使え、回答者には1画面に1問ずつ表示されるので、NPSのように短いアンケートをテンポよく答えてもらう形に向いています。作りたいアンケートを言葉で伝えると、AIが質問と選択肢の下書きを作る機能もあります。無料のプランはメンバー1人までで、フォームの数と回答の数は無制限です。チームで使う場合は有料のプラン(税抜で月額2,980円から)があり、上位のプランでは顧客への一斉メールと開封の計測、SlackやMicrosoft Teams、Chatworkへの通知も使えます。

Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

道具は、アンケートの目的と規模に合わせて選べば十分です。全体の傾向を年に数回見るだけなら無料の道具、批判者1人ひとりに対応する運用まで含めるなら対応の管理ができる道具、と考えると選びやすくなります。

顧客の声を生かす仕事に関わるなら

NPSや満足度の調査を設計し、集めた声を改善につなげる仕事は、マーケティングやデータ分析の分野で在宅でも受けやすい仕事です。2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた@SOHO編集部が見てきた限りでは、こうした仕事で長く依頼が続いている人ほど、数字の報告で終わらせず、「次の調査までにこの2点を変えて、ここで効果を確かめましょう」と、改善の流れまで依頼主と一緒に組み立てています。依頼主が求めているのは分析の資料ではなく、何をすればよいかがわかる状態だからです。

データを集めて分析する仕事の相場は、研究者の年収・単価相場で確かめられます。業務の改善や生成AIの活用を支える仕事の全体像は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。顧客の声を経営の判断に生かす立場に関心がある人は、中小企業診断士の資格の中身も参考になります。

NPSアンケートは、1問の点数と、その理由の2つがそろって初めて役に立ちます。まずは短いアンケートを1回配り、点数の分布と理由を読み、低い点数を付けた人に連絡するところまでを、1つの流れとして試してみてください。

よくある質問

Q. NPSはどうやって計算しますか?

「友人や同僚にどの程度すすめたいか」を0から10の11段階で聞き、9か10を付けた人(推奨者)の割合から、0から6を付けた人(批判者)の割合を引いて計算します。7か8を付けた人(中立者)は計算に直接使いません。たとえば推奨者が35%、批判者が25%ならNPSは10です。値はマイナス100からプラス100の範囲になります。

Q. NPSアンケートの設問はいくつにすればよいですか?

すすめたい度合いを聞く1問に、その点数を付けた理由を聞く設問を必ず組み合わせます。そこに改善してほしい点、利用の期間、連絡の可否などを加えても、全体で数問にとどめるのが基本です。NPSの良さは答えやすさにあるので、設問を増やしすぎると回答率が下がり、その良さが失われます。

Q. NPSの回答数が少ないときはどう読めばよいですか?

NPSは割合から計算するため、回答数が少ないと数人の回答で値が大きく動きます。回答数が少ないうちは、点数の上下に一喜一憂せず、理由の自由記述を丁寧に読み、繰り返し出てくる不満や評価の理由に注目しましょう。点数の分布や3つのグループの割合もあわせて見ると、状況をつかみやすくなります。

Q. NPSが低かったときは何から手を付ければよいですか?

まず、0から6を付けた批判者の理由を分類して数え、多い理由から手を打つ候補を決めます。連絡してもよいと答えた批判者には、担当者と期限を決めて連絡し、不満の中身を具体的に聞きましょう。改善したことを顧客に知らせ、次の調査で同じ聞き方の値がどう変わったかを確かめると、改善の流れが定着します。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年5月11日最終更新:2026年10月15日
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