国立病院機構 北海道医療センター・北海道がんセンターの情報漏えいのおそれ|廃棄を委託したハードディスクが外部に流通 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓北海道医療センターの情報漏洩について
- ✓2026年6月8日の公式発表をもとに整理
- ✓廃棄を委託したハードディスクが外部に流通し
北海道医療センターの情報漏洩について、独立行政法人国立病院機構の北海道医療センターと北海道がんセンターは、2026年6月8日(令和8年6月8日)に「【重要】個人情報の取扱いに関するお詫びとご報告」をそれぞれ公表しました。電子カルテの更新で使わなくなった端末を外部の廃棄処理業者に委託して処分した際、破砕されるはずだったハードディスクの一部が、適切に破砕されないまま外部に流通していたという内容です。2026年11月1日時点で、両病院のお知らせの一覧を見る限り、6月8日の発表のあとに新しい報告は出ていません。発表では、患者の情報が不正に使われた事実や二次的な被害の報告は確認されていないとされ、対象の患者には書面を順次郵送しています。 対象かもしれない人がまずすることは、病院から届いた書面を確かめること、そして病院や公的機関を名乗って個人情報やお金の話をする電話・郵便・メールに応じないことです。 マイナンバー、銀行口座番号、クレジットカード番号は含まれていないと明記されているので、カードや口座の手続きを急ぐ必要は示されていません。
この記事は、2026年11月1日時点で両病院の公式発表を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道で出ている人数や、病院の発表に書かれていない事情は入れていません。
北海道医療センターと北海道がんセンターで何が起きたのか
北海道医療センターと北海道がんセンターは、どちらも札幌市にある国立病院機構の病院です。今回の件は、2つの病院がほぼ同じ文面で、同じ日に公表しています。病院ごとに対象の患者と窓口が違うので、自分がどちらの病院にかかっていたかを先に確かめておくと、このあとの手順が分かりやすくなります。
発表の骨子は次のとおりです。
- 電子カルテの更新に伴い、以前使っていた端末を外部の廃棄処理業者に委託して処分した
- 端末に内蔵されていたハードディスクは、破砕処分するよう委託していた
- その後、ハードディスクの一部が、適切に破砕されないまま外部に流通していたことが判明した
- 保存されていた情報の性質上、患者の個人情報が外部に接触した可能性を否定できないため、公表し、対象の患者に個別に連絡している
- 2026年6月8日の時点で、個人情報が不正に利用された事実や、二次的な被害が生じたとの報告は確認されていない
病院の発表は「外部に流通」「外部に接触した可能性を否定できない」「漏えいしたおそれのある」という言い方をしています。外部から不正にアクセスされた事案ではなく、廃棄の工程で記録媒体が処分されずに外へ出たという事案です。また、情報が実際に誰かに見られた、使われたと確定したわけでもありません。この記事でも、病院の言い方のまま書きます。
ハードディスクとは、パソコンの中でデータを記録している部品のことです。パソコン本体を処分しても、中のハードディスクが壊されずに残っていれば、記録されたデータを読み出せる場合があります。そのため病院は、ハードディスクを物理的に砕いて処分するよう委託していました。
公表の経緯と2026年11月1日時点の状況
2026年11月1日時点で、公式に出ている報告は次のとおりです。
| 日付 | 出来事 | 分かったこと |
|---|---|---|
| 2026年6月8日 | 北海道医療センターが公表 | 事案の概要、漏えいしたおそれのある項目、書面の郵送、窓口。Q&Aで回収したハードディスクの件数を説明 |
| 2026年6月8日 | 北海道がんセンターが公表 | 同じ内容の発表と、同センターの件数と窓口 |
| 2026年11月1日時点 | 続報なし | 両病院のお知らせの一覧に、6月8日の発表のあとの報告は見当たらない |
北海道医療センターは、発表をPDFの形で掲載しています。トップページの重要なお知らせには、2026年10月7日の駐車場有料化のお知らせなどと並んで、6月8日の発表がそのまま残っています。北海道がんセンターは、病院のサイトの重要なお知らせの中に同じ題のページを掲載しています。
当該ハードディスクに保存されていた情報の性質上、患者さまの個人情報が外部に接触した可能性を否定できないことから、本件を公表するとともに、対象となる患者さまへの個別のご連絡を行っています。 出典: 北海道医療センター「【重要】個人情報の取扱いに関するお詫びとご報告」
続報を確かめるときは、検索結果に出てくる記事ではなく、各病院の公式サイトを見てください。北海道がんセンターの発表は北海道がんセンターのお詫びとご報告のページで読めます。国立病院機構の本部のサイトにも、2026年11月1日時点でこの件の別の発表は見当たりませんでした。
漏えいしたおそれのある項目と含まれない項目
発表では、ハードディスクに保存されていた可能性がある情報と、含まれていない情報が分けて書かれています。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 漏えいしたおそれのある項目 | 氏名、患者番号、生年月日、住所、電話番号 |
| 漏えいしたおそれのある項目 | 診療日、診療科、入院に関する情報 |
| 漏えいしたおそれのある項目 | 病名、検査結果、アレルギー情報、看護記録の一部 など |
| 病院が含まれないと明記した項目 | マイナンバー |
| 病院が含まれないと明記した項目 | 銀行口座番号 |
| 病院が含まれないと明記した項目 | クレジットカード番号 |
病院は、保存されていた情報の内容や量は患者ごとに違い、すべての患者についてこれらの情報がすべて保存されていたわけではないと説明しています。氏名と患者番号、診療日と診療科だけだった人もいれば、病名や検査結果まで含まれていた可能性がある人もいる、ということです。
病名、検査結果、看護記録は、個人情報の中でもとくに慎重に扱われる情報です。個人情報保護委員会は、病歴や健康診断その他の検査の結果、診療の情報を「要配慮個人情報」に当たるものとして挙げています。要配慮個人情報とは、本人が不当な差別や偏見を受けないよう、取り扱いにとくに配慮が必要とされる情報のことです。
一方で、お金に直接かかわる情報は含まれていません。病院のQ&Aでも、マイナンバー、銀行口座番号、クレジットカード番号など、金銭に直接かかわる情報は保存されていなかったと答えています。そのため、この件だけを理由にカードを止めたり、口座を変えたりする必要は示されていません。
住所と電話番号が出回ったおそれがあるときに起きやすいことと、備えの順番は、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番にまとめています。郵便で届く案内の見分け方も、そちらで説明しています。
件数の読み方:延べ件数と実数と想定上の最大範囲
この件では、件数の言い方が3つあり、混ざると読み違えやすくなります。病院のQ&Aに沿って整理します。
1つ目は、回収したハードディスクに記録されていた件数です。Q&Aの「現時点で、漏えいが確認できている件数は、どの程度ですか」という問いに対して、病院は次のように答えています。
| 病院 | 延べ件数 | 実数 |
|---|---|---|
| 北海道医療センター | 延べ約176万件 | 実数で約17万名 |
| 北海道がんセンター | 延べ約25,000件 | 実数で約8,800名 |
延べ件数とは、同じ人の記録が何回出てきても1件ずつ数えた数のことです。実数は、同じ人を1人として数えた人数です。北海道医療センターの場合、記録の数は延べ約176万件ですが、人数にすると約17万名になります。病院はここでも、保存されていた情報の内容や量は患者ごとに違い、情報がそろって保存されていたわけではないと書き添えています。
2つ目は、病院が公表している「想定上の最大範囲」です。Q&Aでは「なぜ、これほど多くの人数が対象になっているのですか」という問いに対し、公表している人数は旧電子カルテに登録されていた患者IDの総数をもとにした想定上の最大範囲であり、実際にすべての人の情報が保存されていた、または漏えいしたということではないと答えています。続けて、確認されていないのに最大範囲を示した理由として、可能性として考えられる最大の範囲を伝えている、と説明しています。2026年11月1日時点で確かめた両病院の発表ページには、この最大範囲の人数そのものは書かれていません。この記事では、公式で確かめられない人数は書きません。
3つ目は、書面が届いた人の数です。病院は対象の患者に書面を順次郵送していますが、何通送ったかは発表に書かれていません。
まとめると、病院が人数として示しているのは「回収したハードディスクに記録されていた人数」で、それより広い「旧電子カルテの患者IDをもとにした最大範囲」は、可能性の上限として示されたものです。検索で大きな数字を見かけても、それがそのまま漏えいした人数を指すわけではないと、病院自身が説明しています。
原因について病院が説明していること
病院の発表で分かっている原因は、次の流れです。
- 電子カルテの更新に伴い、以前使っていた端末を外部の廃棄処理業者に委託して処分した
- 端末に内蔵されたハードディスクは、破砕処分するよう委託していた
- ハードディスクの一部が、適切に破砕されないまま外部に流通していた
廃棄処理業者の名前、ハードディスクが外部に流通した経路、流通に気づいたきっかけ、何台が流通したかは、2026年11月1日時点の両病院の発表には書かれていません。Q&Aには「回収したハードディスク」という言葉があり、病院がハードディスクを回収したうえで記録の件数を数えたことは読み取れますが、回収の経緯は書かれていません。
発表に書かれていないことを推測で補うと、事実と違う話が広がりやすくなります。どこで誰が何をしたのかを知りたい場合も、病院の続報を待つのが確かな方法です。報道では業者の名前や流通先が取り上げられていることがありますが、この記事では病院の発表にないことは書きません。
病院は、事案の原因を「本来破砕されるべき記録媒体(ハードディスク)の一部が、適切に処理されないまま外部に流通していた」と書いています。外部からの攻撃や、病院のシステムへの侵入があったとは書かれていません。この点で、ランサムウェアや不正アクセスの事案とは性質が違います。
病院の対応と再発防止策
両病院が発表で示している対応は、次のとおりです。
- 事案を公表し、対象の患者に個別に連絡している
- 書面を、含まれていた可能性がある情報の内容に応じて書き分け、順次郵送している
- 関係機関と連携しながら、必要な確認と調査を続けている
- 個人情報に関する専用のお問い合わせ窓口(専用コールセンター)を設けている
再発防止策としては、次の3点が挙げられています。
- 個人情報を含む記録媒体は、院内で確実に物理的に壊すことを原則とする
- 廃棄の工程で、複数人による確認を必ず行う
- 外部に委託する場合の、委託先の選び方と管理の体制を厳しくする
3つの対策は、壊す場所を院内に移し、確認する人を増やし、外に頼むときの管理を厳しくするという、廃棄の工程の入り口から出口までを見直す内容です。対策がいつから始まったか、どの範囲の機器に当てはめるかは、発表には書かれていません。
お詫びの品や補償については、2026年11月1日時点の発表には書かれていません。発表にないことは、この記事でもあるとは書きません。情報漏えいでお詫び金やポイントが出た例と、利用者が確かめることは、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で説明しています。今回の件でどうなるかは、病院の続報で確かめてください。
自分が対象かを確かめる方法
対象の患者には、病院から書面が郵送されています。Q&Aでは、書面が2種類に書き分けられている理由を、保存されていた情報の内容によるものだと説明しています。
| 書面の区分 | 対象 |
|---|---|
| 詳しい内容の書面 | 病名、検査結果、診療に関する記録などが含まれていた可能性がある患者 |
| もう1種類の書面 | 氏名、患者番号、診療日・診療科などのみが含まれていた可能性がある患者 |
書面は、ハードディスクに保存されていた可能性のある情報の範囲と、その時点での確認状況を伝えるものだと病院は説明しています。手元に書面が届いている人は、まずその中身を読んでください。自分の情報のうち、どの範囲が含まれていた可能性があるのかが、書面に書かれているはずです。
書面が届いていないけれど、以前この病院にかかったことがあって気になる、という人もいるはずです。その場合は、通院していた病院の専用窓口に問い合わせます。北海道医療センターと北海道がんセンターでは窓口の番号が違うので、かけ間違えないようにします。家族の分を問い合わせたいときは、本人確認の方法を窓口で確かめてください。
書面が郵便で届くことを逆手にとって、病院を名乗る偽の封書やはがきが届くことも考えられます。届いた書面に「至急連絡を」「口座を確認する」といった文言があり、書かれた電話番号が病院の発表の番号と違う場合は、書面の番号ではなく、病院の公式サイトに載っている番号に自分でかけ直してください。
書面が届いたときに確かめる順番
病院からの書面が届いたら、次の順で読むと、自分が何をすればよいかが分かりやすくなります。
- 差出人が、自分がかかっていた病院(北海道医療センターか北海道がんセンター)になっているかを見る
- 書面に書かれた窓口の電話番号が、病院の公式サイトの発表に載っている番号と同じかを見る
- 自分の情報のうち、どの範囲が含まれていた可能性があるのかを読む
- 病院から求められている手続きがあるかを読む
- 書面を、あとで照らし合わせられるように保管する
2026年6月8日の発表の時点で、病院は患者に特別な対応や手続きを求めていません。もし書面とされるものに、振込や口座の登録、暗証番号の入力を求める記載があれば、それは発表の内容と合いません。その場合は、書面の連絡先ではなく、病院の公式サイトに載っている専用窓口に問い合わせてください。
書面の区分が「詳しい内容の書面」だった人は、病名や検査結果などが含まれていた可能性があると病院が判断した人です。病名や通院歴は、本人にとって知られたくない情報であることが多く、不安が大きくなるのは自然なことです。気になる点は、ひとりで抱えずに専用窓口で聞いてください。窓口では、個別にお送りしている書面の内容について案内していると、病院のQ&Aに書かれています。
もう1種類の書面だった人は、氏名、患者番号、診療日・診療科などのみが含まれていた可能性がある人です。病名や検査結果が含まれていないとしても、どの病院のどの診療科にかかったかが分かると、なりすましの連絡の材料になりえます。不審な連絡への備えは、どちらの書面の人も同じです。
対象かもしれない人がすること
病院は、現時点で患者に特別な対応や手続きを求めるものではないとしています。そのうえで、念のため不審な連絡や案内に注意するよう呼びかけています。漏えいしたおそれのある項目に合わせて、要ることだけを順に挙げます。
書面を読み、保管する
届いた書面は捨てずに保管します。あとで不審な連絡が来たとき、書面に書かれた窓口の番号や内容と照らし合わせることで、本物かどうかを見分けやすくなります。
病院や公的機関を名乗る連絡に応じない
病院が例として挙げている不審な連絡は次の4つです。
- 身に覚えのない電話、郵便物、電子メール等
- 病院や公的機関を名乗り、個人情報の確認や提供を求める連絡
- 金銭の支払いや手続き、口座情報の提供を求める案内
- 不安をあおる内容で、至急の対応を促す連絡
病名や通院歴を知っているような口ぶりの電話は、本物らしく聞こえやすくなります。「検査結果の件で」「入院費の精算で」と言われても、その場で口座番号や暗証番号を答えないでください。いったん切って、病院の公式サイトに載っている番号に自分でかけ直せば、本物かどうか確かめられます。
電話番号への迷惑電話やSMSに備える
電話番号が出回ったおそれがあるときは、知らない番号からの着信にすぐ出ない、留守番電話にして用件を聞いてから折り返す、といった備えが効きます。迷惑電話やSMSへの備え方は、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026にまとめています。
しなくてよいこと
マイナンバー、銀行口座番号、クレジットカード番号は含まれていないと明記されています。この件だけを理由に、マイナンバーカードの再発行やカードの差し替えを急ぐ必要は示されていません。また、病院のサイトにログインする会員の仕組みがあるわけではないので、パスワードの変更も、この件に限っては求められていません。
項目ごとに考えておきたいこと
漏えいしたおそれのある項目は、組み合わせによって使われ方が変わります。病院の発表に挙がった項目ごとに、備えの考え方を整理します。
| 項目 | 考えておきたいこと |
|---|---|
| 氏名、生年月日、住所 | 本人あての郵便や訪問を装う連絡の材料になりうる。郵便の差出人と連絡先を公式の情報と照らし合わせる |
| 電話番号 | 病院や公的機関を名乗る電話の材料になりうる。知らない番号には留守番電話で用件を聞いてから折り返す |
| 患者番号、診療日、診療科、入院に関する情報 | 「先日の受診の件で」など、実際の通院歴に触れる連絡が本物らしく聞こえやすくなる。通院歴を知っていることを、本物の証拠と考えない |
| 病名、検査結果、アレルギー情報、看護記録の一部 | 本人にとって知られたくない情報であることが多い。不安をあおる連絡には、その場で答えず、窓口に相談する |
どの項目にも共通するのは、相手が自分の情報を知っていても、それだけで本物の病院や公的機関からの連絡だとは限らないという点です。病院が発表の中で「不安をあおる内容で、至急の対応を促す連絡」に注意するよう書いているのは、こうした場面を想定したものと読めます。
いずれの項目についても、2026年11月1日時点で病院は不正利用の事実を確認していません。必要以上に身構えるよりも、「お金と個人情報の話が出たら、いったん切って公式の番号で確かめる」という1つの決まりを家族で共有しておくほうが、日々の暮らしの中で続けやすい備えになります。
病院や公的機関を名乗る連絡の見分け方
氏名、生年月日、住所、電話番号に加えて、通院していた診療科や病名まで知られている可能性があると、なりすましの連絡が本物らしく見えやすくなります。2026年11月1日時点で二次的な被害は確認されていないとされていますが、備えとして、連絡の手段ごとの見分け方を挙げます。
電話の場合
病院を名乗る電話で、医療費の返金、保険の手続き、検査の追加費用などを理由に、口座番号や暗証番号、カード番号を聞かれたら、答えずに切ります。病院の発表は、金銭の支払いや口座情報の提供を求める案内に注意するよう呼びかけています。役所や警察を名乗る電話でも同じです。
郵便の場合
病院からの書面は、すでに郵送されています。それとは別に、病院や関係機関を名乗って「個人情報の流出に伴う手続き」「見舞金の受け取り」などを案内する郵便が届いたら、書かれた連絡先には連絡せず、病院の公式サイトの窓口で確かめます。発表には見舞金や補償の話は書かれていません。
メールやSMSの場合
今回、漏えいしたおそれのある項目にメールアドレスは挙げられていません。それでも、事案の報道を見た人を狙って、病院を名乗るメールやSMSが送られてくることはありえます。本文のURLを開かず、公式サイトから確かめてください。SMSの本文とURLで見分ける手順は、スミッシング詐欺の見分け方|SMSの本文とURLで判定する手順で説明しています。
答えてしまったとき
口座番号や暗証番号を答えてしまった場合は、すぐに金融機関に連絡して口座の利用を止める相談をします。お金を振り込んでしまった場合は、振込先の金融機関と警察に連絡します。警察に相談するときは、警察相談専用電話の「#9110」が使えます。
家族が通院していた場合に気をつけること
病院の患者には、高齢の人や子どもも多くいます。書面が本人あてに届いても、本人が内容をよく読めていない、あるいは家族が代わりに郵便を受け取っている、という家庭もあるはずです。
家族がどちらかの病院にかかっていたことがある場合は、次の点を家族で確かめておくと安心です。
- 病院から書面が届いていないか、届いていればどの区分の書面か
- 病院や公的機関を名乗る電話で、お金や口座の話が出たら答えずに切ると決めておく
- 不安なときは、家族か病院の専用窓口に先に相談すると決めておく
病名や入院の記録を知っているような口ぶりの電話は、本人を動揺させやすくなります。「家族に相談してから折り返す」と言って切ることを、家族の中で決めておくだけでも、なりすましの連絡に落ち着いて対応しやすくなります。
問い合わせ窓口
両病院とも、個人情報に関する専用のお問い合わせ窓口(専用コールセンター)を設けています。病院ごとに番号が違います。
| 病院 | 窓口の名称 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|---|
| 北海道医療センター | 個人情報に関する専用のお問合せ窓口(専用コールセンター) | フリーダイヤル 0120-008-602 | 平日 9:00から17:00 |
| 北海道がんセンター | 個人情報に関する専用のお問合せ窓口(専用コールセンター) | フリーダイヤル 0120-974-363 | 平日 9:00から17:00 |
窓口の番号と受付時間は、2026年11月1日時点の両病院の発表に載っているものです。電話をかける前に、手元の書面と、病院の公式サイトの番号が同じかを確かめてください。メールの受付窓口は、発表には書かれていません。
問い合わせる前に、届いた書面、診察券、かかっていた時期の目安を手元に用意しておくと、話が早く進みます。家族の分を問い合わせるときは、誰の分を聞きたいのか、本人との関係を伝えられるようにしておきます。受付は平日の日中だけなので、土日や夜に不安になったときは、聞きたいことを紙に書き出しておき、翌営業日にまとめて問い合わせると落ち着いて話せます。
記録媒体の廃棄を委ねる側が確かめておくこと
今回の件は、外部からの攻撃ではなく、廃棄の工程で起きた事案です。病院の再発防止策は、そのまま記録媒体を処分するときの確認点として読むことができます。
1つ目は、壊す場所です。病院は、個人情報を含む記録媒体を院内で確実に物理的に壊すことを原則にすると発表しています。外部に持ち出す前に壊してしまえば、運ぶ途中や業者の手元で媒体が流通する余地がなくなります。
2つ目は、確認する人の数です。廃棄の工程で複数人による確認を必ず行うとしています。1人だけで処分を進めると、壊したつもりの媒体が残っていても気づきにくくなります。
3つ目は、委託先の選び方と管理です。外部に委託する場合の、委託先の選定と管理の体制を厳しくするとしています。委託するときは、何をどう処分したかを後から確かめられる形にしておくことが、委託する側の確認点になります。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合の例として、病院で患者の診療情報を含む個人データを記録したUSBメモリーを紛失した場合が挙げられています。記録媒体を手元から離すときの扱いが、個人情報の管理の一部として見られていることが分かります。
自宅のパソコンや記録媒体を処分するときにできること
今回の件は病院の事案ですが、家庭で使っていたパソコンやスマートフォン、外付けのハードディスク、USBメモリーを処分するときにも、同じ点に気をつけることができます。
パソコンを処分するときは、ごみに出す、売る、譲る、回収に出す、のどれでも、中の記録媒体にデータが残っていないかを先に考えます。ファイルをごみ箱に入れて空にしただけでは、データを読み出せる場合があります。パソコンの初期化の機能や、データを消すためのソフトを使う方法、記録媒体を取り外して壊す方法などがあります。どの方法が合うかは機器によって違うので、メーカーの案内で確かめてください。
処分を業者に頼む場合は、どの方法でデータを消すのか、消したことを示す書類を受け取れるのかを、頼む前に聞いておくと安心です。今回の病院の再発防止策にある「外部に委託する場合の、委託先の選び方と管理の体制」は、家庭で業者に頼む場合にもそのまま当てはまる考え方です。
写真や連絡先、家計の記録など、残したいデータがあるときは、処分の前に別の場所に保存しておきます。保存が済んだことを確かめてから消すようにすると、必要なデータまで失うことを防げます。
続報が出たときに見るところ
2026年11月1日時点で続報は出ていませんが、今後、病院が新しい報告を出す可能性はあります。続報が出たときは、次の点が変わっていないかを見ると、自分に関係があるかを判断しやすくなります。
- 漏えいしたおそれのある項目に、新しい項目が加わっていないか
- 回収したハードディスクに記録されていた件数や人数が変わっていないか
- 不正利用や二次的な被害の報告が確認されたかどうか
- 窓口の番号や受付時間、受付の期限が変わっていないか
- 患者に求める手続きが新たに示されていないか
続報は、両病院の公式サイトのお知らせで確かめてください。検索で見つかる解説記事は、公表から時間がたつと古い内容のまま残っていることがあります。
在宅で仕事をする人が気をつけること
この病院にかかっている人の中には、在宅で業務委託の仕事を受けている人もいるはずです。在宅で働く人は、取引先から顧客の名簿や原稿、デザインのデータなどを預かる立場になることがあります。今回の件は、仕事で使ったパソコンや外付けの記録媒体を処分するときにも、同じことが起こりうると教えてくれます。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等を挙げています。いずれも、実際に漏えいした場合だけでなく、そのおそれがある場合も含まれます。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。
業務委託で取引先の個人情報を扱う人が、預かったデータの入ったパソコンや記録媒体を処分するときは、次の点を確かめておくと安心です。
- 預かったデータを、契約が終わったあとも手元に残していないか
- パソコンや外付けの記録媒体を処分・売却する前に、データを消したかを取引先に確かめられる形で記録しているか
- 処分を業者に頼む場合、どのように処分したかの記録を受け取れるか
- 取引先との契約で、データの返却や削除の決まりがあるかを読んでいるか
どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、処分の前に取引先に一声かけ、決まりを確かめることが、預かった情報を守るうえで欠かせない点は変わりません。
フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報を最後まで責任を持って扱う姿勢で信頼を得ています。データの削除を報告する、使い終わった資料を返す、といった地味な手当てが、そのまま次の依頼につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま手取りの厚さに結びつきます。
情報を守る力を仕事に生かす
記録媒体の扱い、委託先の管理、事案の発表の読み方は、医療機関や中小企業の情報管理を支える仕事でも求められる知識です。中小企業が補助金を使ってセキュリティの対策を整える方法は、中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法で紹介しています。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
北海道医療センターと北海道がんセンターの件は、2026年11月1日時点で6月8日の発表のあとに続報がなく、不正利用や二次的な被害の報告は確認されていないとされています。どちらかの病院にかかったことがある人は、届いた書面を確かめ、病院や公的機関を名乗ってお金や個人情報の話をする連絡に応じないこと、不安なときは病院の専用窓口に問い合わせることを先に済ませてください。
よくある質問
Q. 北海道医療センターにかかったことがあれば、必ず対象になりますか?
すべての患者が対象とは限りません。病院は、保存されていた情報の内容や量は患者ごとに違うと説明しており、対象の患者には書面を順次郵送しています。書面が届いていないが気になる場合は、北海道医療センターの専用コールセンター(フリーダイヤル 0120-008-602、平日9:00から17:00)に問い合わせてください。
Q. クレジットカードや銀行口座の手続きは必要ですか?
両病院の発表では、マイナンバー、銀行口座番号、クレジットカード番号は含まれていないと明記されています。この件だけを理由にカードや口座の手続きを急ぐ必要は示されていません。ただし、病院や公的機関を名乗って口座番号や暗証番号を聞く連絡には応じず、いったん切って公式の番号に確かめてください。
Q. 約17万名という数字は、漏えいした人数ですか?
約17万名は、北海道医療センターが回収したハードディスクに記録されていた患者の実数として、Q&Aで示した数字です。延べでは約176万件です。病院は、情報の内容や量は患者ごとに違い、情報がそろって保存されていたわけではないと説明しています。北海道がんセンターは延べ約25,000件、実数で約8,800名です。
Q. 2026年11月1日時点で、続報は出ていますか?
2026年11月1日時点で、両病院のお知らせの一覧には、2026年6月8日の「【重要】個人情報の取扱いに関するお詫びとご報告」のあとの報告は見当たりません。続報が出るときは両病院の公式サイトに掲載されるはずなので、検索結果の記事ではなく、病院のサイトで確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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