医師事務作業補助者の資格の取り方と、働きながら目指す道


この記事のポイント
- ✓医師事務作業補助者の資格の取り方を
- ✓国家資格がないという前提から説明します
- ✓病院で求められる32時間の研修と6か月の研修期間
医師事務作業補助者の資格の取り方を調べている人の多くは、「医療事務の経験を生かして一歩進んだ仕事に就きたい」「病院で働きながら、医師を支える仕事に移りたい」と考えています。最初に知っておきたいのは、医師事務作業補助者には、看護師や医師のような国家資格がないということです。病院が医師事務作業補助者を配置するときには、診療報酬の決まりにもとづく研修が求められますが、それは個人が取る資格ではありません。そのうえで、知識と技能を示すための民間の検定や、研修のコースがいくつかあります。この記事では、医師事務作業補助者になるための道を、病院での研修、民間の検定、研修のコースに分けて整理し、働きながら目指す道筋を説明します。
医師事務作業補助者とはどんな仕事か
医師事務作業補助者とは、医師の指示のもとで、医師が行う事務の作業を代わりに受け持つ職種です。日本病院会の医師事務作業補助者コースのサイトでは、この職種を次のように紹介しています。
医師の指導の下に事務的な業務をサポートすることが認められる職種です。その呼称は病院によって様々で、医療秘書や医療クラーク、メディカルアシスタント(MA)などと呼ばれています。 出典: ishijimu.hospital.or.jp
同じサイトでは、主な業務として次のようなものが挙げられています。
- 診断書や紹介状などの医療文書の代行入力
- 医師の外来の診療や病棟の回診に同席して行う、診療記録の代行入力
- 院内の会議の準備、手術の症例の登録
- 厚生労働省などに報告する診療のデータの整理
代行入力とは、医師が判断し、内容を確かめることを前提に、医師に代わって文書や記録を電子カルテなどに入力することです。業務は病院ごとに違い、それぞれの実情に合わせた特色のある形になっていると説明されています。
医療事務との違い
医療事務の仕事は、受付や会計、診療報酬の請求(レセプト)など、病院の運営に関わる事務が中心です。一方、医師事務作業補助者は、医師の診療に直接関わる文書や記録の作成を支えるのが中心で、医師のそばで働く場面が多くなります。そのため、医学の用語、薬や検査の基礎の知識、医療に関わる法律の知識がより深く求められます。
この職種が広がった背景
日本病院会のサイトによると、2008年度の診療報酬の改定で「医師事務作業補助体制加算」が新しく設けられたことをきっかけに、医師事務作業補助者は急性期の医療機関で急速に置かれるようになりました。医師事務作業補助体制加算とは、医師の事務の負担を減らすための職員を置いた病院が、診療報酬を上乗せして受け取れる仕組みのことです。2020年度には急性期に関わる施設の要件が緩められ、今では全国の医療機関に広がっていると説明されています。医師の働き方の改革が進む中で、医師の仕事の一部を別の職種に移す動きの1つとして、この職種の役割はさらに大きくなっています。
国家資格はない。病院が求める研修とは
医師事務作業補助者になるのに、必ず取らなければならない国家資格はありません。ただし、病院が医師事務作業補助体制加算を受けるためには、施設の基準として、配置した職員に研修を行うことが定められています。
6か月の研修期間と32時間の基礎の研修
日本医療教育財団の案内では、医師事務作業補助体制加算の施設の基準について、次のように説明しています。
- 医師事務作業補助者を新たに配置してから6か月間の研修の期間が必要
- この研修の期間のうち、基礎の知識の習得を目的として、32時間以上の研修を行う
つまり、病院に医師事務作業補助者として採用されると、多くの場合、職場で6か月の研修を受け、その中で32時間以上の基礎の研修を受ける流れになります。これは病院の側に求められている決まりで、働く人が採用の前に個人で済ませておかなければならないものではありません。
32時間の研修で学ぶこと
日本病院会の医師事務作業補助者コースのサイトでは、基礎の研修で学ぶ内容として、次のような項目が挙げられています。
- 医師法、医療法、医薬品医療機器法、健康保険法などの関連する法律の概要
- 個人情報の保護に関すること
- その医療機関で行われる一般的な医療の内容、配置される部門の医療の内容や用語
- 診療録などの記載と管理、代筆と代行入力
- 電子カルテのシステム
同じサイトには、32時間の内訳の例も示されています。医師事務作業補助者のあり方と接遇・個人情報の保護に3時間、医学の一般と感染対策に5時間、診断書や証明書などの実務に5時間などです。
すでに研修を受けている場合
日本病院会のサイトによると、厚生労働省の疑義解釈(制度の運用についての質問への回答)で、配置の前に基礎の知識の研修をすでに受けている場合は、再び基礎の研修を行う必要はないとされています。ただし、業務の内容についての6か月の研修は行う必要があるとされています。採用の前に外部の研修のコースを修了しておくと、採用された病院での基礎の研修を省ける場合がある、ということです。扱いは病院によって違うので、採用の面接のときに確かめます。
研修の形は病院ごとに違う
6か月の研修と32時間の基礎の研修は決まりとして求められていますが、その進め方は病院ごとに違います。院内の職員が講師になって基礎の研修を行う病院もあれば、外部の研修のコースやeラーニングを使う病院もあります。業務の研修も、先輩の職員について実際の業務を覚える形が多く、配置される部門によって内容が変わります。応募の前や面接のときに、研修の進め方を確かめておくと、働き始めてからの見通しが立ちます。
民間の検定と研修のコース
国家資格はありませんが、医師事務作業補助者に必要な知識と技能を示すための民間の検定や、研修のコースがあります。代表的なものを、主催する団体の公式の案内に沿って紹介します。
医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク)
一般財団法人日本医療教育財団と公益社団法人全日本病院協会が共催する試験です。財団の案内では、医師事務作業補助体制加算に対応した医師事務作業補助職の能力を評価する、わが国で最初の全国規模の試験として、平成21年3月から行われていると紹介されています。合格すると「ドクターズクラーク」の称号が与えられます。
財団の試験の概要のページによると、2026年10月時点の主な内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | 問わない |
| 試験日程 | 毎月実施(土日を中心に月に複数回) |
| 試験の方法 | インターネット試験(IBT方式、試験官による監視あり) |
| 学科 | 医師事務作業補助の基礎知識、60問、50分 |
| 実技 | 医療文書の作成、4症例、70分 |
| 受験料 | 10,560円(税込) |
| 合格の基準 | 学科と実技のそれぞれの得点率が70%以上、かつ実技の各問の得点率がすべて30%以上 |
学科と実技のどちらも、参考資料を見ながら答えられます。IBT方式とは、インターネットにつながったパソコンを使い、自宅などから受ける試験の方式のことで、この試験では試験官による監視があります。申し込みはインターネットで、試験日の1か月前から1週間前まで受け付けられています。試験の結果は2科目を終えた後に画面に表示され、合格すると画面から合格証書(PDF)が交付されます。
古い情報には、受験資格として「決められた教育訓練の修了」や「6か月以上の実務経験」が必要と書かれているものがあります。2026年10月時点の財団の案内では、受験資格は「問いません」となっているので、最新の要件は日本医療教育財団の試験の概要のページで確かめてください。
医師事務作業補助者(ドクターズオフィスワークアシスト)検定試験
技能認定振興協会(JSMA)が行う検定です。協会の案内によると、受験資格は問わず、インターネットで好きなときに受ける方法と、自宅で受ける紙の試験の方法があります。受験料はどちらも7,500円(税込)です。インターネットの試験は、申し込んで支払いを済ませてから2週間以内に受け、終わるとその場で合否が分かると案内されています。自宅で受ける紙の試験は、2026年は奇数月の日曜日に行われ、次の回は2026年11月29日と案内されていました。
試験は学科と、カルテから診断書や処方せんなどの文書を作る実技からなり、資料や計算機を見ながら答えられます。最新の内容は協会のサイトで確かめます。
日本病院会の医師事務作業補助者コース
一般社団法人日本病院会が、診療情報管理士の通信教育の1つのコースとして設けている研修です。サイトの案内では、研修の内容は、医師事務作業補助者を配置するときに必要な32時間の教育の要件に沿ったものとされています。
募集の要項によると、受講料は30,000円(消費税込み、教材費とオンラインの研修の費用を含む)で、募集は随時受け付けられ、eラーニングとオンラインの研修会で学ぶ形です。対象は、医師事務作業補助の業務に就いている人と、就く予定や希望のある人です。病院に勤めている人だけでなく、一定の条件でどなたでも受講できると案内されています。
日本病院会のサイトでは、このコースの研修は施設の基準に定められた基礎の知識の研修に当たるもので、業務の内容についての研修は別に必要だとも注意されています。
検定と研修のコースの違い
検定は、知識と技能を試験で確かめて認定するものです。研修のコースは、決められた内容を時間をかけて学ぶものです。病院の採用で見られるのは、どちらか一方というより、「医療文書を作る基礎があるか」「医療の用語に慣れているか」です。検定に合格していれば知識を示す材料に、研修のコースを修了していれば病院での基礎の研修を省ける材料になることがあります。
配置される部門ごとの仕事の違い
医師事務作業補助者の仕事は、病院のどの部門に配置されるかで大きく変わります。求人を見るときや面接で話を聞くときの参考に、代表的な部門ごとの仕事の例を挙げます。ここで挙げるのは一般的な例で、実際の業務は病院ごとに違います。
外来
外来の診察室で、医師の診療に同席して、医師の指示のもとで診療の記録や検査の予約、処方の入力などの代行入力を行います。患者が次々と診察を受ける中で、医師の話を聞き取りながら素早く正確に入力する力が求められます。紹介状の返事や、他の病院への紹介状の下書きを作ることもあります。
病棟
入院している患者の診療の記録や、退院のときの要約の文書(退院サマリー)の下書き、各種の診断書や証明書の作成を受け持ちます。入院の期間が長い患者の記録は量が多くなるので、カルテから必要な情報を拾い出して整理する力が求められます。
医局や診療科の事務
医師が集まる医局や、診療科ごとの事務の部屋で、診断書や保険会社に出す書類の作成、学会や院内の会議の準備、手術の症例の登録などを受け持ちます。日本病院会のサイトにある業務の例のうち、会議の準備や症例の登録、報告用のデータの整理は、こうした部門で行われることが多い仕事です。
文書の作成を専門に受け持つ部署
病院によっては、診断書や証明書などの文書の作成を専門に受け持つ部署を設けていることがあります。患者や保険会社から申し込まれた文書を、カルテをもとに下書きし、医師に確かめてもらって仕上げる流れです。文書の種類ごとの決まりを深く覚えることが求められます。
どの部門でも、入力した内容は医師が確かめて初めて正式なものになるという点は同じです。部門によって、患者と接する機会の多さや、仕事の速さの求められ方が違うので、自分に合う働き方を考えて応募先を選びます。
資格の取り方の道筋
医師事務作業補助者を目指す道は、今どこで働いているかによって変わります。代表的な3つの道筋を紹介します。
道筋1:未経験から、検定で知識を示して応募する
医療の仕事が初めての人は、まず検定の学習で、医学の用語、医療の法律、医療文書の書き方の基礎を身につけます。民間の講座や通信の教材で学び、ドクターズクラークなどの検定に合格してから、医師事務作業補助者の求人に応募する道です。採用された後に、病院で6か月の研修を受けながら、実務を覚えていきます。
道筋2:医療事務として働きながら移る
すでに病院やクリニックで医療事務として働いている人は、医療の用語や保険の仕組みに慣れているので、検定の学習を進めやすい立場にあります。勤め先の病院が医師事務作業補助者を置いている場合は、院内の異動の制度がないかを確かめます。医療事務の資格を土台に、検定や研修のコースで医師の文書の作り方を学ぶと、移る準備が整います。
道筋3:病院に採用されてから研修で学ぶ
求人の中には、未経験でも応募でき、採用後に研修で育てる形のものもあります。この場合は、病院が用意する6か月の研修と32時間の基礎の研修で学びます。研修を受けながら、知識の確認のために検定を受ける人もいます。
どの道筋でも共通するのは、医療文書を正確に作る力と、医師や看護師と連携する力が求められることです。検定に合格したことよりも、その学びを通して医療の現場の言葉に慣れていることが、仕事を始めてから役に立ちます。
試験の学習の進め方
医師事務作業補助者の検定の学習は、次の順で進めると無理がありません。
1. 出題の範囲を確かめる
検定ごとに出題の範囲が示されています。技能認定振興協会の案内では、医療に関わる法規、医療保険の制度、介護保険の制度の概要、個人情報の保護、電子カルテのシステム、医療機関の安全管理、院内の感染予防、医学と薬の基本の知識、診療録の記載事項、院内の帳票、各種の診断書や証明書や申請書の作成などが挙げられています。
2. 医学の用語に慣れる
医療文書には、病名、体の部位、検査、薬の名前など、医学の用語が多く出てきます。最初はなじみのない言葉ばかりでも、よく出てくる用語から順に、意味と読み方を覚えていきます。用語を体の部位ごと、診療科ごとにまとめて覚えると、関連づけて記憶しやすくなります。
3. 医療文書の型を覚える
診断書、紹介状、処方せん、各種の証明書など、医療文書にはそれぞれ決まった型があります。どの欄に何を書くか、カルテのどこから情報を拾うかを、例題を使って繰り返し練習します。実技の試験では、カルテの情報から文書を作る問題が出されるので、カルテを読み取る練習が欠かせません。
4. 参考資料を使いこなす
ドクターズクラークもドクターズオフィスワークアシストも、参考資料を見ながら答えられる形の試験です。資料を見られるからといって学習が要らないわけではなく、どこに何が書いてあるかを素早く探せることが大切です。練習の段階から、試験で使う資料に付箋を付けるなどして、探しやすく整えておきます。
5. 時間を計って練習する
ドクターズクラークは学科50分と実技70分、ドクターズオフィスワークアシストは学科と実技で合わせて90分です。時間を計って問題を解く練習をし、時間の配分を体で覚えておきます。
インターネットの試験を受けるときの準備
ドクターズクラークもドクターズオフィスワークアシストも、インターネットで受けられます。自宅で受けるときの準備を整理します。
パソコンと通信の環境
インターネットの試験では、安定した通信と、条件を満たすパソコンが必要です。日本医療教育財団は受験者向けのIBTの受験の手引きを公開しているので、受ける前に読み、必要な機器や環境を確かめます。試験の途中で通信が切れると、試験を続けられなくなるおそれがあります。
監視のある試験の決まり
ドクターズクラークのIBT方式は、試験官による監視がある試験です。監視のある試験では、部屋に他の人がいないこと、机の上に決められたもの以外を出さないことなど、守るべき決まりがあります。参考資料として何を使ってよいかも、受験の手引きで確かめます。
受験の期限
技能認定振興協会のインターネットの試験は、支払いを済ませてから2週間以内に受ける必要があり、期限を過ぎると受けられなくなると案内されています。申し込みの前に、2週間の中で落ち着いて受けられる日を決めておきます。
電子カルテと代行入力の基本
医師事務作業補助者の仕事の多くは、電子カルテを使って行います。仕事を始める前に、基本の考え方を知っておくと、研修での理解が早くなります。
電子カルテとは
電子カルテとは、紙のカルテ(診療録)に代わって、診療の記録をコンピューターで管理する仕組みのことです。診察の記録、検査の結果、処方、画像などが1つの仕組みの中にまとめられ、院内の職員が権限に応じて見たり入力したりできます。日本病院会の基礎の研修でも、電子カルテのシステムと、診療録の記載と管理が学ぶ項目に入っています。
代行入力で気をつけること
代行入力では、誰が入力したかが記録に残る仕組みになっていることが一般的です。自分のアカウントで入力し、医師が内容を確かめて承認する、という流れを守ります。他の人のアカウントを使ったり、医師の確認を省いたりすることは、記録の信頼を損なうことになるので、絶対に避けます。
正確に入力するための工夫
医療の記録では、1文字の違いが大きな意味の違いになることがあります。薬の名前や量、左右の別、日付などは、入力の後に必ず見直します。分からない用語や読みにくい指示があったときは、推測で入力せず、医師に確かめます。
システムの操作に慣れる
電子カルテのシステムは、製品によって画面や操作が違います。採用された病院で使っているシステムの操作は、研修の中で覚えることになります。採用の前にできる準備としては、パソコンの基本の操作と、キーボードで速く正確に入力する練習をしておくことです。
向いている人と、仕事で求められる力
医師事務作業補助者は、医療の知識と事務の力の両方が求められる仕事です。向いている人の特徴と、仕事で求められる力を整理します。
細かな確認をいとわない人
医療文書の作成では、正確さが何より大切です。入力した内容を見直す、疑問があればそのままにせず確かめる、という細かな確認を苦にしない人が向いています。
人の話を聞き取り、整理できる人
外来で医師の診療に同席するときは、医師の話を聞き取りながら記録を作ります。話の要点をつかみ、決まった型に整理する力が求められます。
学び続けられる人
医療の制度や、文書の書き方の決まりは、改定が続きます。新しい薬や検査の名前も増えていきます。仕事を始めてからも、学び続けることを楽しめる人が長く活躍できます。
チームで働ける人
医師、看護師、医療事務の職員、薬剤師など、多くの職種と関わる仕事です。自分の担当の範囲を守りながら、必要な情報を必要な人に伝える力が求められます。
医療事務の資格と組み合わせる
医師事務作業補助者の検定と、医療事務の資格を組み合わせて学ぶ人も少なくありません。日本医療教育財団は、ドクターズクラークのほかに、医療事務の技能を確かめる医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)や、医事のコンピューターの操作の技能を確かめる医事オペレータ技能認定試験なども行っています。
医療事務の学習で身につく保険の仕組みや診療報酬の基礎は、医師事務作業補助者の仕事でも役に立ちます。たとえば、保険会社に出す診断書の作成や、診療のデータの整理では、保険の仕組みを知っていると、何のための書類なのかを理解しやすくなります。反対に、医師事務作業補助者の学習で身につく医学の用語や文書の型は、医療事務の仕事の質も高めます。
どちらから学ぶかは、今の仕事や目指す仕事で決めます。受付や会計の仕事から医療の世界に入りたい人は医療事務の資格から、医師のそばで文書を作る仕事を目指す人は医師事務作業補助者の検定から始めると、学んだことをすぐに仕事で使えます。
求人の探し方と、応募のときに確かめること
医師事務作業補助者の求人は、「医師事務作業補助」「医療クラーク」「医療秘書」「ドクターズクラーク」「メディカルアシスタント」など、病院によってさまざまな名前で出ています。求人を探すときは、これらの言葉を組み合わせて調べます。
応募のときに確かめること
- 配置される部門(外来、病棟、手術室、医局など)と、主な業務
- 採用後の研修の形(6か月の研修の進め方、32時間の基礎の研修の受け方)
- 外部の研修のコースを修了している場合、基礎の研修を省けるかどうか
- 雇用の形(正職員、契約職員、パート、派遣)と勤務の時間
- 電子カルテのシステムの種類と、入力の業務の量
働きながら学び直す人の注意
今の勤め先で働きながら検定の学習を進める場合、学習の時間をどう確保するかが課題になります。平日は用語の確認、休日は文書の作成の練習のように、時間の長さで学ぶ内容を分けると続けやすくなります。勤め先に資格の取得を支援する制度(受験料の補助など)がある場合は、使えるかどうかを確かめます。
採用の面接で伝えたいこと
医師事務作業補助者の採用の面接では、資格の有無だけでなく、仕事への向き合い方が見られます。面接で伝えたい点を整理します。
学んだことを具体的に話す
検定に合格している場合は、合格したことに加えて、学習の中で何を身につけたかを話します。「診断書の型を覚え、カルテから必要な情報を拾う練習をしてきた」「医学の用語を診療科ごとに覚えてきた」のように具体的に話すと、仕事を始めてからの姿が伝わります。
正確さへの意識を伝える
医療文書の仕事で何を大切にしたいかを、自分の言葉で伝えます。「分からないことは推測せずに確かめる」「入力の後に必ず見直す」といった姿勢は、病院が最も重視する点の1つです。前の仕事で、正確さが求められる作業をしてきた経験があれば、例として挙げます。
研修の受け方を確かめる
面接は、病院の側の話を聞く機会でもあります。採用後の6か月の研修の進め方、32時間の基礎の研修の受け方、配置される部門と業務の内容を確かめます。外部の研修のコースを修了している場合は、基礎の研修の扱いについても質問します。
検定に合格した後の歩み方
検定に合格し、医師事務作業補助者として働き始めた後も、仕事の幅を広げる道があります。
担当できる文書の種類を広げる
最初は決まった種類の文書から任されることが多く、経験を積むにつれて、より複雑な文書や、別の診療科の文書を任されるようになります。新しい種類の文書を任されたときは、過去の文書の例を確かめ、医師が何を重視して確認しているかを学びます。
後輩の指導に関わる
経験を積むと、新しく配置された職員の研修に関わることもあります。病院が行う6か月の研修の中で、業務の内容を教える立場です。自分が研修で戸惑った点を思い出し、手順を分かりやすく伝えることが、チーム全体の力になります。
関連する分野の学びを加える
診療の記録やデータを扱う経験は、診療の情報を管理する仕事や、医療の質を高めるためのデータの整理の仕事にもつながります。日本病院会の医師事務作業補助者コースが、診療情報管理士の通信教育の1つのコースとして設けられているように、両者の分野は近い関係にあります。仕事の中で関心が広がったら、関連する分野の学びを加えていく道もあります。
医師事務作業補助者の仕事で大切にしたいこと
医師事務作業補助者の仕事は、医師の判断を支える立場です。仕事を始めてから大切にしたい点を挙げます。
最終の判断は医師が行う
代行入力した文書や記録は、医師が内容を確かめて初めて正式なものになります。入力の内容に迷ったときは、自分の判断で補わず、必ず医師に確かめます。医学の知識があっても、診断や治療の判断に関わることはできません。
個人情報を守る
医療文書や診療の記録には、患者の病気や家族のことなど、とても大切な個人の情報が含まれています。院内で決められた情報の扱いの決まりを守り、仕事で知ったことを外で話さないことは、この仕事の基本です。
医師や看護師との連携
医師事務作業補助者は、医師、看護師、医療事務の職員などの間で、情報をつなぐ役割も担います。「いつまでに、誰が、何を確かめるか」をはっきりさせて伝える力が、チームの仕事を円滑にします。
医療の事務の仕事と学び直しについて見てきたこと
在宅ワークやフリーランスの仲介を20年続けてきた運営者として見てきた限りでは、医療の事務の分野で長く働き続ける人ほど、資格を取って終わりにせず、新しい制度や文書の書き方を学び続けています。診療報酬の決まりや医療の制度は改定が続くので、学び直しを習慣にしている人が、職場でも頼りにされています。
医療の文書の作成の経験は、在宅の仕事につながることもあります。医療や健康の分野の文章を書く仕事、医療の用語の確認や資料の整理の仕事などです。仲介の手数料が乗らない直接の取引なら、手数料0%で依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。ただし、患者の情報を扱う仕事を院外で受けることはできないので、在宅の仕事は医療の知識を生かした文章や資料の仕事に限られる点に注意します。
医療文書と同じように、ビジネスの文書にも決まった型と言い回しがあります。文書を正確に書く力の基礎を確かめる検定として、ビジネス文書検定があります。勤め先で学び直しの費用を支える制度の例は、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で取り上げています。医療の知識を生かして文章の仕事を受ける人は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】も参考になります。
よくある質問
Q. 医師事務作業補助者に国家資格はありますか?
ありません。病院が医師事務作業補助体制加算を受けるために、配置した職員に6か月の研修と、そのうち32時間以上の基礎の研修を行うことが求められていますが、これは病院の側の決まりです。知識と技能を示すものとして、ドクターズクラークやドクターズオフィスワークアシストなどの民間の検定があります。
Q. ドクターズクラークの試験は自宅で受けられますか?
日本医療教育財団の案内では、試験はインターネット試験(IBT方式・試験官による監視あり)で、毎月、土日を中心に月に複数回行われています。受験資格は問わず、受験料は10,560円(税込)です。受ける前に、財団が公開している受験者向けの手引きで、必要な機器と部屋の条件を確かめてください。
Q. 未経験でも医師事務作業補助者になれますか?
なれます。求人の中には未経験で応募でき、採用後に病院の研修で育てる形のものがあります。採用の前に検定の学習で医学の用語や医療文書の型に慣れておくと、研修についていきやすくなります。外部の研修のコースを修了していると、病院での基礎の研修を省ける場合があるので、面接で確かめてください。
Q. 医療事務の資格と医師事務作業補助者の検定はどちらを先に取ればよいですか?
目指す仕事で決まります。受付や会計、診療報酬の請求の仕事から始めたいなら医療事務の資格、医師のそばで文書や記録を作る仕事を目指すなら医師事務作業補助者の検定が近道です。医療事務の知識は医師事務作業補助者の学習の土台にもなるので、両方を順に学ぶ人もいます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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