医療事務認定実務者を独学で取る|試験の内容と勉強法


この記事のポイント
- ✓医療事務認定実務者は独学でも目指せる在宅受験の試験です
- ✓全国医療福祉教育協会の公式の記載をもとに
- ✓2025年度の合格率73.6%
医療事務認定実務者を独学で取れるかどうかを調べている人の多くは、「通信講座にお金をかけずに、市販のテキストだけで合格できるのか」「どのくらいの期間、どう勉強すればよいのか」を知りたいと考えています。結論から書くと、医療事務認定実務者試験は受験資格がなく、自宅で受けられ、参考書やノートを見ながら解答できるため、独学でも十分に目指せる試験です。ただし、点数表の引き方とレセプト(診療報酬明細書)の作り方は、手を動かして練習しないと身に付きません。この記事では、主催する全国医療福祉教育協会の公式の記載をもとに、試験の中身、独学の勉強法、合格後の進み方を順番に説明します。
医療事務認定実務者試験とは
医療事務認定実務者試験は、全国医療福祉教育協会が実施する医療事務の試験です。協会のサイトでは、特定非営利活動法人職業技能専門教育研究機構の認定を受けた試験として案内されています。医療事務の資格はすべて民間の資格で、医療事務の仕事に就くために法律で決められた資格はありません。その中で、この試験は初めて医療事務を学ぶ人が最初に受ける試験として位置付けられています。
試験のねらい
協会は、この試験について次のように説明しています。
医療事務認定実務者(R)試験は、学科問題として医療事務に関する基礎知識を、実技問題として診療所での外来症例を想定した診療報酬明細書(レセプト)作成問題1症例をすべて4択問題として出題し、医療事務の実務における基本習熟度を客観的に判断する試験です。 出典: 全国医療福祉教育協会「医療事務認定実務者試験」
ポイントは、実技の問題も含めて「すべて4択」で出題されることです。レセプトを白紙から書き上げる試験ではなく、選択肢から正しい点数や記載を選ぶ形式のため、手書きの記述に不安がある人でも取り組みやすくなっています。協会は、点数の改定に左右されにくい普遍的な要素を重視した試験だとも説明しています。
試験の概要
協会の公式ページに書かれている試験の概要を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験形式 | 学科(マークシート)30問、実技(マークシート)外来1症例 |
| 試験時間 | 90分 |
| 受験資格 | 特になし |
| 受験料 | 一般受験5,000円、団体受験4,500円(いずれも税込) |
| 持ち込み | 参考書、ノートなどの資料、電卓 |
| 合格基準 | 原則として学科・実技それぞれ正答率6割以上 |
| 受験の場所 | 一般の人は在宅受験(日本国内のみ) |
団体受験の4,500円は、協会の認定機関が開く通信講座や通学講座の受講生が対象です。独学の人は一般受験の5,000円になります。
独学で取りやすい4つの理由
医療事務認定実務者試験は、医療事務の試験の中でも独学に向いています。その理由を4つに分けて説明します。
理由1:受験資格がない
協会は受験資格を設けていません。学校に通っていない人や、医療機関で働いた経験がない人でも申し込めます。協会のよくある質問でも、学校に通っていなくても受験できると明記されています。
理由2:自宅で受けられる
一般の人は自宅での在宅受験です。試験会場まで移動する必要がなく、子育てや仕事の合間でも受けやすい仕組みです。受験票と問題は登録した住所に届き、自宅で解答して返送する流れになります。
理由3:資料の持ち込みに制限がない
参考書やノートなどの資料と電卓を手元に用意して解答できます。協会のよくある質問では、持ち込めるテキストに特に制限は設けていないと説明されています。暗記の量で勝負する試験ではなく、必要な情報を素早く正確に探し出す力が問われる試験です。
理由4:合格率が安定して高い
協会は合格率を「おおむね60%から80%」と公表しています。難関試験のように一握りの人しか受からない試験ではなく、基礎を押さえて練習を積めば合格を狙える水準です。
独学向きだという評価は、資格の比較サイトでも共通しています。
なぜなら医療事務関連の資格はすべて民間資格で、その中でも 医療事務認定実務者® は在宅受験OK・点数表持ち込み可・合格率60〜80%という独学者に有利な条件が揃っているからです。 出典: alc.co.jp
同じ協会のほかの認定実務者試験との違い
全国医療福祉教育協会は、医療事務認定実務者試験のほかに、調剤事務認定実務者試験、介護事務認定実務者試験、看護助手認定実務者試験も実施しています。名前が似ているため、どれを受ければよいか迷う人もいます。
| 試験 | 主な働き先 | 2025年度の合格率 |
|---|---|---|
| 医療事務認定実務者試験 | 病院、診療所 | 73.6% |
| 調剤事務認定実務者試験 | 調剤薬局 | 64.4% |
| 介護事務認定実務者試験 | 介護サービスの事業所 | 81.1% |
| 看護助手認定実務者試験 | 病院の病棟など | 77.9% |
病院やクリニックの受付・会計・レセプトの仕事を目指すなら、医療事務認定実務者試験が合っています。調剤薬局で働きたい人は調剤事務、介護の事業所で介護報酬の請求に関わりたい人は介護事務を選びます。働きたい場所が決まっていない人は、医療事務から始めると、医療保険の仕組みという共通の土台を身に付けられます。
独学が向いている人、向いていない人
独学で合格しやすいのは、次のような人です。
- 毎日少しずつでも机に向かう時間を確保できる
- 分からないことを自分で調べて解決するのが苦にならない
- 受験する月を決め、そこから逆算して計画を立てられる
- 事務の仕事や接客の経験があり、窓口の流れをイメージできる
反対に、医療の用語に初めて触れて何から手を付けてよいか分からない人や、1人だと勉強が続かない人は、講座の添削や質問の仕組みを使ったほうが、結果的に早く合格できることがあります。自分の性格と生活に合った方法を選ぶことが、遠回りを防ぐ一番の近道です。
合格率と受験者の実績
協会は年度ごとの試験実績を公表しています。2025年度の医療事務認定実務者試験の結果は次のとおりです。
| 項目 | 人数 |
|---|---|
| 出願者 | 6,358人 |
| 受験者 | 6,252人 |
| 合格者 | 4,604人 |
| 合格率 | 73.6% |
同じ協会が実施する認定実務者試験の中では、調剤事務認定実務者試験が64.4%、介護事務認定実務者試験が81.1%、看護助手認定実務者試験が77.9%でした。医療事務認定実務者試験は、受験者の数が飛び抜けて多い試験です。4つの認定実務者試験の受験者の合計は8,689人で、そのうち7割を超える6,252人が医療事務認定実務者試験を受けています。医療事務を学ぶ人の多くが、最初の目標としてこの試験を選んでいることが分かります。受験者が多い試験は、市販の問題集や学習の情報も見つけやすく、独学の人にとって心強い条件です。
合格率が73.6%ということは、受験者のおよそ4人に1人は不合格になっている計算でもあります。資料を持ち込めるからといって準備を怠ると、時間内に解き終わらずに落ちることがあります。数字の詳しい内訳は、全国医療福祉教育協会の試験実績で確かめてください。
試験日程と申込の流れ
独学で受ける場合は、申込から合格証書を受け取るまでの手続きを、すべて自分で進めます。
試験は原則として毎月
在宅試験は原則として毎月、日曜日に実施されています。たとえば、2026年12月27日の試験は出願期間が2026年10月23日から11月26日、2027年1月24日の試験は2026年11月27日から12月22日です。おおむね試験日の2か月前から1か月前までが出願期間になっています。最新の日程は協会の試験のページで確かめてください。
注意したいのは、同じ試験を2か月続けて受けることはできない点です。協会の申込の案内では、6月試験と7月試験のように連続して受験することはできないと説明されています。不合格だった場合の再挑戦は、1か月空けた次の回になります。
法令の年度を選んで申し込む
医療事務の試験は、診療報酬の改定に合わせて出題の前提となる法令の年度が変わります。医療事務認定実務者試験では、申込の際に、学習したテキストの法令の年度に対応する試験を選びます。協会の案内では、「令和6年度法改正対応試験(令和6年6月1日現在の法令に対応)」と「令和8年度法改正対応試験(令和8年6月1日現在の法令に対応)」があり、令和8年度対応の試験は2026年10月の試験から始まっています。
これから独学で勉強を始める人は、令和8年度の診療報酬改定に対応したテキストを選び、令和8年度法改正対応試験を受けるのが基本です。古い年度のテキストを中古で手に入れた場合は、試験の選び方を間違えないように注意してください。
申込から合否通知までの手順
一般受験の申込は次の手順で進みます。
- 試験日程を確かめ、インターネットか郵送で申し込む(郵送の場合は出願期間の最終日必着)
- 出願期間の最終日までに、指定の口座に受験料を銀行振込で支払う
- 申込と振込の両方が完了した時点で出願完了となる
- 試験の1週間前ごろに受験票が届く
- 試験日に自宅で解答し、案内に従って答案を返送する
- 合否発送予定日に合否通知が届く
申込と振込のどちらかが欠けると受験できません。また、出願が完了した後は、試験が開催されない場合を除き、内容の変更、受験料の返金、次回以降への繰り越しはできません。受験票が試験の5日前になっても届かない場合は、協会に問い合わせるよう案内されています。詳しくは協会の受験申込から合否発表までの流れで確かめてください。
試験で問われる内容
学科問題は、医療事務の基礎知識、医療機関における各種制度に関する知識、診療報酬請求に関する知識から出題されます。実技問題は、外来の1症例について診療報酬明細書を作成する問題です。独学で効率よく学ぶために、それぞれの中身を具体的に見ていきます。
医療保険の仕組み
日本では、ほぼすべての人が何らかの公的医療保険に加入しています。会社員が入る健康保険、自営業者などが入る国民健康保険、75歳以上の人が入る後期高齢者医療制度などです。患者は医療機関の窓口で医療費の一部を支払い、残りは医療機関が保険者(保険を運営する団体)に請求します。この請求の仕組みを理解することが、医療事務の学習の出発点です。
診療報酬と点数表
診療報酬とは、医療機関が行った診察や検査、処置などの医療行為に対して支払われる料金のことです。料金は「点数」で決められていて、1点は10円として計算します。どの医療行為が何点になるかは、厚生労働大臣が定める点数表に書かれています。点数表は原則として2年に1度改定され、令和8年度にも改定が行われました。
レセプトの作成
レセプト(診療報酬明細書)とは、医療機関が患者1人ひとりについて、1か月分の医療行為と点数をまとめた請求書のことです。医療機関はレセプトを審査支払機関に提出し、審査を経て保険者から診療報酬を受け取ります。健康保険の審査支払機関である社会保険診療報酬支払基金は、2026年10月に「医療情報基盤・診療報酬審査支払機構」に変わりました。テキストで旧称を見かけても、仕組みの理解には影響ありません。
実技問題では、外来のカルテ(診療録)の内容から、初診料や再診料、投薬、検査などの点数を拾い出し、レセプトの各欄に当てはめる力が問われます。
独学の勉強法
ここからは、独学で合格を目指すための具体的な進め方を説明します。資料の持ち込みが認められている試験なので、「覚える」より「引ける」「当てはめられる」状態を目指すことが大切です。
ステップ1:教材をそろえる
独学に必要な教材は、次の3つです。
- 医療事務の基礎知識をまとめたテキスト(令和8年度の診療報酬改定に対応したもの)
- 医科の点数表(試験に持ち込んで使うもの)
- 問題集(学科と外来レセプトの演習ができるもの)
協会のサイトには公式教材と推奨書籍の案内があります。市販のテキストを選ぶときは、法令の年度と、医療事務認定実務者試験の出題形式に対応しているかを確かめてください。協会は、専門的な知識が必要なため対策講座などで学んでから受けることを勧めていますが、受験資格はないため、教材をそろえれば独学でも挑戦できます。
ステップ2:基礎知識を一通り読む
最初の段階では、医療保険の種類、患者の負担割合、医療機関の受付から会計までの流れなど、制度の全体像をつかみます。細かい点数を覚えようとせず、「どのような場面でどの料金が発生するのか」を理解することに集中します。学科の30問は、この基礎知識から多く出題されます。
ステップ3:点数表の引き方に慣れる
次に、点数表を実際に引く練習をします。初診料、再診料、医学管理、投薬、注射、処置、検査など、項目ごとにどのページに何が書かれているかを把握しておくと、試験中に迷いません。点数表に付箋やインデックスを付けて、自分なりに引きやすくしておくのが定番の工夫です。持ち込みに制限がないため、自分で作ったまとめノートも試験で使えます。
ステップ4:外来レセプトを繰り返し作る
実技の対策は、外来の症例でレセプトを繰り返し作ることに尽きます。最初は時間がかかっても構いません。カルテの記載から算定する項目を拾い、点数表で点数を確かめ、レセプトの欄に当てはめる流れを、何度も手で書いて体に覚えさせます。同じ症例を2回、3回と解き直すと、どこで間違えやすいかが見えてきます。
ステップ5:本番の形式と時間で演習する
仕上げに、本番と同じ90分で、学科30問と外来1症例を通して解く練習をします。資料を引けるとはいえ、すべての問題で点数表を開いていると時間が足りなくなります。よく出る項目はすぐ答えられるようにし、迷う問題だけ資料で確かめる、という時間の使い方を身に付けます。学科と実技のそれぞれで6割以上が必要なため、どちらかに偏らないように配分を考えます。
試験で使うまとめノートの作り方
持ち込みに制限がない試験では、自分専用のまとめノートが強い味方になります。ただし、テキストを丸ごと書き写したノートは、試験中に探す手間が増えるだけで役に立ちません。役立つノートには次の特徴があります。
- 自分が間違えた項目と、正しい考え方だけを書いている
- 初診料、再診料、投薬、検査など、点数表の項目の順に並べている
- 各ページの見出しを大きく書き、ぱらぱらめくって目的の箇所が見つかる
- 症例を解くときの確認の順番(年齢、受診日、時間帯、算定項目)を1ページ目に書いている
問題集を解くたびにノートを少しずつ書き直していくと、試験の前日には、自分の弱点だけが詰まった一冊ができあがります。この作業そのものが、知識を整理する復習にもなります。
独学の学習計画の例
学習に使える時間は人によって違いますが、ここでは働きながら独学する場合の計画の一例を示します。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1か月目 | テキストで医療保険と診療報酬の基礎を一通り読む。点数表の構成を把握する |
| 2か月目 | 点数表を引く練習と、外来レセプトの基本問題を繰り返す |
| 3か月目 | 問題集で本番形式の演習。間違えた項目をまとめノートに整理する |
この計画の場合、受験の申込は2か月目の途中に行うことになります。出願期間が試験日の約2か月前から始まるため、学習の進み具合を見ながら、どの月の試験を受けるかを早めに決めておくと、締め切りに慌てずに済みます。
平日の夜に30分から1時間、休日にまとまった時間を確保できると、無理なく進められます。毎日少しずつでも点数表に触れることが、引く速さを上げる一番の近道です。
独学でつまずきやすいポイントと対策
独学では、誰かに間違いを指摘してもらえないため、同じところで何度もつまずくことがあります。医療事務の学習で多くの人が引っかかるポイントと、その対策を整理します。
初診と再診の区別
外来のレセプトで最初に問われるのが、初診料と再診料のどちらを算定するかです。同じ患者が同じ医療機関に来ても、前の病気が治った後の受診か、治療が続いている中での受診かで扱いが変わります。テキストの説明を読んだだけでは判断を誤りやすいため、問題集の症例で「なぜ初診なのか」「なぜ再診なのか」を自分の言葉で説明できるまで繰り返します。
加算の見落とし
診療報酬には、基本の点数に上乗せされる「加算」が多くあります。たとえば、時間外や休日の受診、乳幼児の受診などで点数が変わります。カルテに書かれた受診の時刻や患者の年齢を読み飛ばすと、加算を落として点数が合わなくなります。症例を解くときは、最初に患者の年齢、受診日、受診の時間帯に印を付けてから算定を始める習慣を付けると、見落としを減らせます。
薬と検査の点数の計算
投薬や検査は、薬の量や検査の組み合わせによって計算の手順が変わり、独学で最も時間がかかる分野です。最初から全部を理解しようとせず、よく出る薬の計算と、よく出る検査の組み合わせから順に練習します。電卓を使ってよい試験なので、計算そのものより、どの数字をどの順番で使うかの手順を覚えることが大切です。
用語の読み方
医療の用語は、初めて見ると読み方も意味も分からないものが多くあります。分からない用語を飛ばして読み進めると、後の単元で理解が追い付かなくなります。テキストの巻末の用語集や索引を使い、分からない言葉はノートに書き出して意味を確かめる習慣を付けておくと、学習の速さが徐々に上がります。
在宅受験の当日の進め方
在宅受験は自宅で受けられる気楽さがある一方で、時間の管理や答案の返送を自分で行う必要があります。当日に慌てないための準備を整理します。
前日までの準備
受験票と問題が届いたら、同封の案内を最初から最後まで読み、試験の時間、解答の方法、答案の返送の期限を確かめておきます。点数表、テキスト、まとめノート、電卓、筆記用具を机の上にそろえ、家族には試験の時間帯を伝えて、静かに集中できる環境を整えます。
当日の時間配分
試験時間は90分です。最初に全体を見渡し、学科30問と実技の外来1症例のどちらから解くかを決めます。協会のよくある質問では、医療事務認定実務者試験はどちらから解き始めても構わないとされています。迷う問題に時間をかけすぎず、印を付けて後回しにし、最後に資料で確かめる流れにすると、時間切れを防げます。
答案の返送
解答が終わったら、案内に従って答案を期限までに返送します。問題用紙の持ち帰りや、試験問題の内容の無断転載は禁止されています。返送の期限と方法は同封の案内に書かれているので、試験が終わったらその日のうちに手続きを済ませるのが安全です。合否は受験票に書かれた合否発送予定日に通知され、予定日から10日を過ぎても届かない場合は協会に問い合わせるよう案内されています。詳しくは協会のよくあるご質問で確かめてください。
医療事務の仕事の中身
試験の勉強と並行して、実際の仕事の中身を知っておくと、学ぶ意味がはっきりして集中しやすくなります。医療事務の仕事は、大きく3つに分けられます。
受付と会計
患者が来院したら、保険証やマイナ保険証(健康保険証として使えるマイナンバーカード)を確かめ、受付の手続きをします。診察が終わると、医療費を計算して会計をします。患者と最初と最後に接する仕事のため、丁寧な言葉づかいと、困っている人に気付く力が求められます。
カルテの管理と入力
医師が書いたカルテの内容をもとに、医療行為を医事コンピュータ(医療事務用のシステム)に入力します。多くの医療機関では電子カルテが使われており、パソコンでの入力作業が日常の中心です。
レセプトの作成と点検
月末から月初にかけて、1か月分のレセプトを作成し、誤りがないかを点検して提出します。医療機関の収入に直結する重要な仕事で、医療事務認定実務者試験の実技で問われる力が最も活きる場面です。システムが自動で点数を計算する医療機関でも、入力の誤りや算定の漏れを見つけるには、点数の仕組みを理解している必要があります。
独学と講座のどちらを選ぶか
独学は費用を抑えられる一方で、分からないところを質問できない、学習の計画を自分で管理しなければならない、という難しさがあります。通信講座や通学講座は、教材と添削、質問の窓口がそろっていて、講座によっては就職の支援も受けられます。講座の受講生は団体受験の4,500円で受験できる点も違いです。
独学が向いているのは、テキストを読み進める習慣がある人、計画を立てて自分を管理できる人、費用をできるだけ抑えたい人です。講座が向いているのは、医療の用語に初めて触れる人、質問しながら進めたい人、就職の支援まで受けたい人です。
講座を選ぶ場合は、厚生労働大臣が指定した講座であれば、雇用保険の教育訓練給付金の対象になることがあります。教育訓練給付金とは、働く人の学び直しを支援するために、雇用保険から受講費用の一部が支給される制度のことです。対象になるかどうかは、講座の案内とハローワークで確かめてください。
合格したあとのステップアップ
医療事務認定実務者試験は、医療事務の入口の試験です。合格したあとは、仕事に合わせて次の試験を目指すと、知識の幅を広げられます。
医科2級医療事務実務能力認定試験
同じ全国医療福祉教育協会の試験で、外来に加えて入院のレセプト作成も出題されます。協会の公式ページによると、学科20問とレセプト作成2問(外来1問・入院1問)で、試験時間は120分、一般受験の受験料は7,700円(税込)です。在宅受験で、医科点数表や参考書の持ち込みが認められています。2025年度の合格率は66.7%でした。医療事務認定実務者試験の次の段階として、多くの人が目指す試験です。
医療事務の周辺の試験
協会は、医療事務OA実務能力認定試験、電子カルテオペレーション実務能力認定試験、医師事務作業補助者実務能力認定試験なども実施しています。協会の案内では、これらは医療事務の知識を前提にした試験とされているため、医療事務認定実務者試験で基礎を固めてから受けるのが順当です。
中でも医師事務作業補助者は、医師の指示のもとで診断書の下書きや電子カルテへの代行入力などを担う仕事で、病院での需要が続いています。協会の2025年度の実績では、医師事務作業補助者実務能力認定試験は受験者519人、合格率72.1%でした。電子カルテオペレーション実務能力認定試験は69.4%、医療事務OA実務能力認定試験は76.7%です。受付や会計よりも、パソコンでの入力や医師の書類作成の支援に関心がある人は、こうした試験を2つ目の目標にすると、医療事務の知識を活かせる仕事の幅が広がります。どの試験も医療事務の基礎があることを前提にしているため、医療事務認定実務者試験の学習で使ったテキストとノートは、そのまま次の試験の土台になります。
なお、医療事務の上位資格として長く知られてきた診療報酬請求事務能力認定試験は、主催の日本医療保険事務協会が2026年3月31日に解散したことで終わっており、新しく受験することはできません。古い情報を見て目標にしないよう注意してください。
履歴書への書き方と就職での活かし方
合格すると、協会から合格証書が無料で発行されます。なくした場合の再発行は1枚につき1,500円(税込)です。
資格欄の書き方
協会のよくある質問では、履歴書の書き方に特に決まりはないとしたうえで、「2019年1月 医科2級医療事務実務能力認定試験合格」という記載例を示しています。医療事務認定実務者試験も同じ形で、合格した年月と試験の名前を書きます。
- 記載例:2026年12月 医療事務認定実務者試験 合格
応募書類で伝えたいこと
医療事務の採用では、資格に加えて、患者への受付対応と、パソコンでの入力作業ができるかが見られます。前職の接客や事務の経験は、医療事務の仕事にそのまま活かせる強みです。応募書類では、資格で身に付けた知識と、これまでの仕事で培った対応力を組み合わせて書くと伝わりやすくなります。医療機関の窓口では、患者向けの案内文や院内の掲示物を作る場面も多いため、文書の書き方を体系的に学べるビジネス文書検定を合わせて学んでおくと、事務全般の力を示しやすくなります。
運営者の視点から見た、医療事務の知識が活きる場面
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、医療事務の知識を持つ人は、医療機関の外でも力を発揮しています。医療や健康に関する記事の執筆や校正、医療系のシステムを作る会社でのテストや操作説明書の作成、クリニックの開業支援に関わる事務作業などです。こうした仕事では、レセプトの仕組みや医療保険の流れを正しく理解していることが、ほかの人にはない強みになります。
文章の仕事に関心がある人は、医療事務の知識を活かした記事を書くことで、専門性のある書き手として評価されやすくなります。単価を上げていく考え方は、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で紹介しています。また、医療機関でも事務作業にAIを取り入れる動きが出てきています。AIを業務に活かす支援の仕事の内容は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で確かめられます。
こうした仕事を個人で受ける場合、仲介の手数料が重い場では、依頼する側が払った金額のうち手元に届く分が小さくなります。手数料0%で依頼主と直接やり取りできる場では、同じ予算で依頼主はより多くの作業を頼め、受け手は手取りが厚くなります。専門の知識を持ち、丁寧なやり取りを続けられる人ほど、こうした関係を長く保っています。
医療事務認定実務者は、独学でも計画的に準備すれば合格を狙える試験です。まずは令和8年度の改定に対応したテキストと点数表をそろえ、受ける月を決めるところから始めてください。合格後に事務の力をさらに広げたい人は、ビジネス文書検定の出題範囲を見て、受付や院内文書の仕事にどう活かせるかを確かめておくと、次の目標を立てやすくなります。
よくある質問
Q. 医療事務認定実務者は本当に独学で合格できますか?
受験資格がなく、自宅で受験でき、参考書やノートを見ながら解答できるため、独学でも十分に目指せる試験です。協会は合格率をおおむね60%から80%と公表しており、2025年度は73.6%でした。ただし、点数表の引き方と外来レセプトの作成は練習が必要なので、問題集で手を動かす時間を確保してください。
Q. 受験料はいくらかかりますか?
全国医療福祉教育協会の公式ページによると、一般受験は5,000円(税込)、認定機関の通信講座や通学講座の受講生が対象の団体受験は4,500円(税込)です。独学の人は一般受験になります。受験料は出願期間の最終日までに銀行振込で支払い、振込手数料は受験者の負担です。
Q. 不合格だったら、翌月にもう一度受けられますか?
協会の申込の案内では、在宅試験は原則として毎月開催されていますが、同じ試験を2か月続けて受験することはできないとされています。不合格だった場合は、1か月空けた次の回に申し込むことになります。合否通知を受け取ったら、間違えた分野を見直して次の回に備えてください。
Q. 古い年度のテキストで勉強しても大丈夫ですか?
申込のときに、学習したテキストの法令の年度に対応する試験を選ぶ仕組みになっています。令和8年度法改正対応試験は2026年10月の試験から始まっています。これから勉強を始めるなら、令和8年度の診療報酬改定に対応したテキストを選び、対応する試験を受けるのが確実です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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