作業療法士の履歴書と職務経歴書|書く順番と、埋めにくい欄の扱い


この記事のポイント
- ✓作業療法士の履歴書と職務経歴書を
- ✓書く順番に沿って解説します
- ✓学歴と職歴の正しい書き方
作業療法士の履歴書を前にして、手が止まっている。そんな状態でこのページを開いた方が多いと思います。大丈夫ですよ。書けないのは文章が苦手だからではなく、書く順番が決まっていないからです。この記事では、履歴書と職務経歴書を「準備、順番、埋めにくい欄、最終チェック」の4段階に分けて、迷いやすいところをひとつずつ潰していきます。読み終えるころには、どこから手をつければいいかがはっきりしているはずです。
履歴書で落とされる理由は、文章のうまさではありません
こういうご相談がよくあります。「志望動機がうまく書けなくて、何度も書き直しているうちに提出期限が近づいてしまった」。気持ちはよく分かります。ただ、採用側の見方は少し違います。
作業療法士の書類選考は、優れた文章を選ぶコンテストではありません。むしろ、確認作業に近いものです。資格を持っているか、経歴に説明のつかない空白がないか、志望先とかみ合っているか。この3点が確認できれば、多くの場合は面接に進みます。
逆に言うと、落ちるのは減点によることが多いのです。誤字がある、日付の元号と西暦が混ざっている、履歴書に書いた在籍期間と職務経歴書の期間がずれている、志望動機が他の職場にもそのまま使える内容になっている。こうした点はすべて、丁寧さや適合性の判断材料として扱われます。
作業療法士の就職・転職活動で欠かせない履歴書。履歴書だけで採用は決まりませんが、減点や書類選考で落ちてしまう要因にはなります。採用担当者に好印象を与えるために、基本的なマナーや作成のコツを押さえましょう! 出典: job-medley.com
ここが分かると、力の入れどころが変わります。名文をひねり出す時間より、事実を正確に並べる時間のほうが結果につながる。だから最初にやるべきは、書くことではなく、材料をそろえることです。
作業療法士の就職先は病院だけではありません。介護老人保健施設、通所や訪問のリハビリ、就労支援や放課後等デイサービス、精神科、児童発達支援。それぞれ求める人物像が違うので、同じ履歴書を使い回すと、志望動機のところだけが浮きます。応募先ごとに全部を書き直す必要はありませんが、志望動機と本人希望記入欄は毎回見直してください。
書き始める前に、そろえておくもの
準備が済んでいれば、履歴書はだいたい90分で仕上がります。逆に、準備なしで書き始めると、途中で調べ物が入って何日もかかります。
用意するものは次のとおりです。
作業療法士免許証。免許の登録番号と登録年月日を資格欄に書くため、原本を手元に置きます。番号は記憶で書かず、必ず現物を見て写してください。
学校の卒業年月。高等学校から順に、入学と卒業の年月が必要です。うろ覚えなら卒業証書や卒業証明書で確認します。元号と西暦のどちらでもよいのですが、書類全体でそろえます。混在は減点の対象になりやすい代表例です。
これまでの勤務先の正式名称と、在籍していた年月。「〇〇病院」ではなく「医療法人社団〇〇会 〇〇病院」のように、法人格から書くのが原則です。退職済みの勤務先は、離職票や源泉徴収票で日付を確認できます。
証明写真。3か月以内に撮影したもので、サイズは縦40ミリ、横30ミリが一般的です。スピード写真でも問題はありませんが、髪型と服装は面接に行くときと同じにしておくと、当日の印象とずれません。
筆記具。手書きの場合は黒のボールペンです。消せるインクのペンは、熱で文字が消える性質があるため使いません。
そして、応募先の情報。ホームページ、広報誌、公開されている実績、法人の他事業所の構成。ここで集めた材料が、志望動機の中身になります。求人票の文言をなぞっただけの志望動機は、採用側から見るとすぐ分かります。
最後に、書式の指定を確認します。応募先が指定の様式を用意している場合は必ずそれを使います。指定がなければJIS規格に沿った一般的な履歴書で構いません。データ提出を求められる場合もあるので、募集要項をもう一度読み直してください。
書く順番を決めると、手が止まらなくなります
履歴書は、上から順に書こうとすると必ず詰まります。志望動機が上のほうにある様式だと、そこで固まってしまうからです。
おすすめの順番は、事実の欄から先に埋めることです。
第1段階は、日付、氏名、生年月日、住所、連絡先、学歴、職歴、免許と資格。ここは調べれば決まる欄なので、迷う要素がありません。ここを埋め終えると、用紙の半分以上が埋まります。それだけで気持ちが軽くなります。
第2段階は、職務経歴書を先に作ることです。順序が逆に思えるかもしれませんが、こちらが正解です。職務経歴書で自分の経験を全部書き出すと、志望動機と自己PRに使える材料が目の前に並びます。材料が見えている状態で書けば、志望動機はその中から選ぶ作業になります。ゼロから絞り出す必要がなくなるわけです。
第3段階が、志望動機と自己PR。ここで初めて文章を書きます。
第4段階が、本人希望記入欄と、最後の見直し。
この順番にすると、いちばん重い作業のときには材料がそろっている状態になります。心理学では、作業を小さく分けて着手の負荷を下げることを行動活性化と呼びますが、難しい言葉は忘れて構いません。要するに「簡単なところから手をつける」だけです。それだけで、書けないという感覚はかなり薄まります。
学歴欄の書き方
学歴は、高等学校の入学から書くのが一般的です。中学校卒業から書く様式もありますが、行数に余裕がなければ高校入学からで問題ありません。
学校名は略さず正式名称で書きます。「〇〇高校」ではなく「〇〇県立〇〇高等学校」。作業療法士の養成校も同様で、「〇〇リハビリテーション専門学校 作業療法学科」のように学科名まで書きます。大学であれば学部と学科まで。
在学中の方は、最終行に「卒業見込」と書きます。既卒であれば「卒業」です。
浪人や留年は、学歴欄でわざわざ説明する必要はありません。入学と卒業の年月を正確に書けば、必要な情報は伝わります。理由を聞かれたら面接で答えればよいことです。
編入学した場合は、編入元と編入先を両方書きます。「〇〇大学 〇〇学部 中途退学」のあとに「〇〇専門学校 作業療法学科 入学」と続ける形です。中途退学を隠すと、在籍期間の説明がつかなくなります。
社会人を経てから養成校に入った方は、学歴欄と職歴欄が時系列で前後します。これは珍しいことではありません。学歴欄には学校のことだけ、職歴欄には勤務先のことだけを書き、それぞれの中で時系列を守れば読み手は混乱しません。
大学院を修了している方は、修士や博士の課程まで書きます。研究テーマが応募先の領域と重なるなら、職務経歴書のほうで一段落使って触れると効果的です。
職歴欄の書き方
職歴は、入職と退職を1行ずつ書くのが基本の形です。
「医療法人社団〇〇会 〇〇病院 入職」「一身上の都合により退職」。この2行で1つの勤務先を表します。現在も在職中であれば、最終行に「現在に至る」と書き、その次の行に右寄せで「以上」と入れます。
部署名を添えるかどうかは、行数と分かりやすさで決めます。作業療法士の場合、リハビリテーション科なのか、地域連携部門なのか、通所部門なのかで業務内容が大きく変わります。行に余裕があるなら「リハビリテーション部 配属」まで書いたほうが親切です。
同じ法人の中で異動があった場合は、退職ではないので「〇〇老人保健施設へ異動」と書きます。異動を退職と書いてしまうと、転職回数が実際より多く見えてしまい、損をします。
退職理由の書き方には決まりがあります。自己都合なら「一身上の都合により退職」。会社都合なら「事業所閉鎖に伴い退職」のように事実を短く書きます。契約期間の満了であれば「契約期間満了により退職」です。ここで長い説明を書く必要はありません。
アルバイトやパートの経歴を書くかどうかは、内容によります。作業療法士の業務に関わる勤務であれば書きます。学生時代の飲食店のアルバイトなどは、原則として不要です。ただし、そこで得た経験を自己PRに使うなら、職務経歴書のほうで触れる形にします。
派遣や業務委託で働いた期間がある場合は、契約の形が分かるように書きます。「株式会社〇〇に登録 〇〇病院にて勤務」のような書き方です。近年は訪問リハビリを業務委託で担う働き方も増えており、この形の経歴を持つ方は珍しくなくなりました。理学療法士・作業療法士の訪問リハビリ副業|高時給を狙う方法【2026年版】では、常勤と並行して訪問を担当する形の実情を扱っています。副業として続けてきた経験も、内容が業務に関係するなら書いて構いません。
免許・資格欄の書き方
作業療法士にとって、ここは最も重要な欄です。
書き方は「作業療法士免許 取得」あるいは「作業療法士免許(第〇〇〇〇〇〇号)取得」です。登録番号を書くかどうかは様式によりますが、書ける様式なら書いたほうが確実です。免許証を見ながら写してください。
国家試験の合格発表を待っている段階であれば、「作業療法士国家試験 受験予定」あるいは「作業療法士免許 取得見込」と書きます。まだ持っていない資格を「取得」と書くことは絶対に避けてください。
作業療法士以外に持っている資格も、業務に関係するものは書きます。福祉住環境コーディネーター、認知症ケアに関する資格、福祉用具に関する資格、介護支援専門員。学会が認定する専門資格を持っている場合も同様です。
普通自動車第一種運転免許は、訪問系の職場に応募するなら必ず書いてください。訪問リハビリでは車の運転が業務に含まれることが多く、この1行があるかないかで扱いが変わります。「普通自動車第一種運転免許 取得(AT限定)」のように、限定条件も正直に書きます。
語学や事務系の資格は、書いても減点にはなりません。書類作成の質を示すという意味では、ビジネス文書検定のような文書表現の資格は、記録や報告書を日常的に扱う職種と相性がよい資格です。情報系の資格も、電子カルテやオンラインでのリハビリ支援に関わる場面が増えるなかで、まったく無関係とは言えなくなってきました。CCNA(シスコ技術者認定)のようなネットワークの資格を持っている方は、書いておくと話題になることがあります。
資格が少なくて欄が埋まらないと不安になる方がいますが、心配いりません。作業療法士免許と運転免許があれば、応募の要件としては足りています。無理に関係のない資格を並べるより、空欄を残さず「以上」で締めるほうが読みやすい書類になります。
志望動機の作り方
ここでいちばん多いつまずきは、作業療法士という職業への志望動機を書いてしまい、その職場への志望動機になっていないことです。
「人の生活を支える仕事に魅力を感じた」は、応募先が100か所あっても全部に当てはまります。読み手は「なぜうちなのか」を知りたいので、この文だけでは判断材料になりません。
組み立ては3つのブロックで考えます。
1つ目は、自分が力を入れたい領域を1つに絞って言い切ること。身体障害領域の急性期なのか、回復期の在宅復帰支援なのか、生活期の訪問なのか、精神科なのか、小児なのか。絞ると弱く見えると心配になりますが、逆です。絞らないほうが弱く見えます。
2つ目は、その領域に取り組むうえで、この職場のどの点が必要なのかを具体的に書くこと。ここで使うのが、準備段階で集めた情報です。求人票に載っていない情報を1つでも入れられれば、調べたことが伝わります。
3つ目は、入職後に自分が担える役割を短く添えること。ここは大きなことを書かなくて構いません。「これまで経験してきた〇〇の評価を、貴院の〇〇の場面で活かしたい」という程度で十分です。
新卒の方は、実習での経験を材料にします。実習で担当した方との関わりのなかで、自分が何に手応えを感じたのか。その手応えが、応募先の領域とどうつながるのか。この2点が書ければ、経験の少なさは問題になりません。
未経験の領域に応募する場合も、書き方は同じです。経験がないことを隠さず、これまでの経験のどこが転用できるかを示します。身体障害領域から精神科に移るなら、生活行為の分析という共通の枠組みは持っていること、そのうえで疾患特性の学習が必要だと認識していることを書きます。
転職活動において、履歴書作成は避けて通れません。しかし「職歴をどこまで詳しく書けばいいのか」「経験が浅い場合、自己PRで何を伝えるべきか」といった疑問を抱える作業療法士の方も多いのではないでしょうか。本記事では、履歴書の基本的な書き方から、病院・介護施設などケース別の志望動機例まで紹介します。 出典: co-medical.mynavi.jp
例文を参考にするのは構いません。ただし、そのまま写すのはやめてください。採用側は同じ例文を何度も見ています。骨組みだけを借りて、中身は自分の材料で埋める。これが安全で、しかも早い方法です。
自己PRの作り方
自己PRは、長所を宣言する欄ではなく、行動の実例を示す欄です。
「傾聴力があります」だけでは、読み手は確かめようがありません。担当した方が訓練に拒否を示した場面で、すぐに種目を変えるのではなく生活歴の聞き取りをやり直した。その結果、以前していた趣味の作業を導入することができた。ここまで書いて、初めて傾聴力という言葉に中身が入ります。
経験年数によって、書ける材料の性質が変わります。
経験3年目までの方は、学ぶ姿勢と、指摘を受けたあとの変化を書きます。完成度より、伸びる余地が伝わることが大事です。
中堅の方は、単独で担当できる範囲と、他職種との連携の実例を書きます。カンファレンスでどの情報を提供する役割だったのか、家族への説明をどのように組み立てていたのか。このあたりが具体的だと、即戦力性が伝わります。
経験の長い方は、後輩指導や、業務の仕組みづくりに関わった経験を書きます。ただし、前職のやり方を持ち込みそうな印象を与えないよう気をつけてください。ここは面接でも見られる点です。
ブランクのある方は、離れていた期間に何をしていたかを1行添えると印象が変わります。育児や介護であればそのまま書いて構いません。復帰にあたって研修や勉強会に参加したのであれば、それも書きます。
自己PRの分量は、履歴書の欄に収まる範囲で構いません。書ききれない部分は職務経歴書に回します。欄からはみ出して小さな字で詰め込むと、かえって読まれなくなります。
埋めにくい欄と、聞かれたくない経歴の扱い
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
まず前提として、経歴に不利な要素があること自体は、それほど珍しくありません。作業療法士に限らず、多くの人が何かしら書きにくい欄を抱えています。あなただけではありません。
ブランクがある場合。空白の期間は、履歴書の職歴欄に無理に書き込む必要はありませんが、面接では必ず触れられます。だから、志望動機か自己PRのどこかで自分から一言触れておくほうが安全です。隠していると受け取られるのが、いちばん損です。
短期間で退職した経歴がある場合。書かないという選択はできません。職歴の空白として残るからです。退職理由は履歴書には「一身上の都合により退職」とだけ書き、事情は面接で説明します。書類の段階で長い説明を書くと、かえって目立ちます。
転職回数が多い場合。回数そのものより、移った理由に一貫性があるかどうかが見られます。職務経歴書のほうで、経験してきた領域が積み上がっていることが分かる並べ方にしてください。時系列で並べるだけでなく、領域ごとにまとめる形式にすると、一貫性が見えやすくなります。
本人希望記入欄。ここは「貴社規定に従います」で済ませる方が多いのですが、書くべきことがある場合は書きます。勤務地に希望がある、勤務開始日に条件がある、扶養の範囲で働きたい。こうした条件は、書かないと入職後にすれ違います。給与の希望額をここに書くのは、原則として避けます。条件提示の段階で相談する事項だからです。
通勤時間。長い場合でも正直に書きます。定着を気にする採用側にとっては重要な情報で、隠して入職すると、続かない原因になります。
現在の健康状態について、配慮が必要な事情がある場合。無理に詳細を書く必要はありませんが、業務上の配慮が必要であれば、本人希望記入欄に簡潔に記載します。制度上の扱いは事業所や自治体によって変わる部分があるため、判断に迷う場合は、応募前に厚生労働省の案内や、ハローワークの相談窓口で確認してください。ここは一般論では答えが出ない領域です。
職務経歴書は、経歴の翻訳です
履歴書が事実の一覧だとすれば、職務経歴書はその翻訳です。同じ「〇〇病院に5年勤務」でも、そこで何を担当していたかが分からなければ、採用側は判断できません。
構成は次の形が扱いやすいです。
冒頭に職務要約を3行から5行。経験年数、主に担当してきた領域、得意としていることを短くまとめます。読み手はここだけで全体像をつかむので、ここは丁寧に書きます。
次に職務経歴を、勤務先ごとに書きます。施設の種別、病床数や利用者数の規模、配属部署、担当していた対象者の層、1日あたりのおおよその業務量、使用していた評価バッテリー、参加していたカンファレンスの種類。数字を書ける項目は書いたほうが伝わります。
そのあとに、活かせる経験とスキル。ここで領域別に整理し直します。評価、介入、家族支援、他職種連携、記録と書類、後輩指導。この分類で書くと、転職回数が多い方でも積み上がりが見えます。
最後に自己PRを一段落。履歴書に書ききれなかった部分をここに置きます。
分量はA4で1枚から2枚。3枚を超えると読まれにくくなります。経験が長い方は、直近の勤務先を厚く、古い勤務先を薄く書くと収まります。
書式は自由ですが、読みやすさを最優先にしてください。見出しをつけ、箇条書きを使い、余白を残す。文章として整っていることより、探している情報がすぐ見つかることのほうが評価されます。この感覚は、医療職以外の書類でも共通です。他職種の例になりますが、看護師の転職用履歴書の書き方|志望動機と自己PRの例文でも、経歴をどう並べ替えると読み手に伝わるかという考え方が扱われています。職種が違っても、書類を読む側の事情は同じです。
写真、封筒、郵送、データ提出
細かい話に見えますが、ここでの減点は本当にもったいないので触れておきます。
写真は、のりで貼るか写真用の両面テープを使います。裏面に氏名を書いておくと、はがれたときに戻せます。スナップ写真の切り抜きは使いません。
手書きかパソコン作成かは、指定がなければどちらでも構いません。手書きのほうが丁寧という価値観は残っていますが、読みやすさが優先です。字に自信がない場合は、パソコンで作成して問題ありません。
修正液と修正テープは使いません。書き損じたら新しい用紙に書き直します。この一手間は、書類を見る側にはっきり伝わります。
郵送する場合、封筒は角形2号を使い、履歴書を折らずに入れます。クリアファイルに挟んでから封筒に入れると、雨や折れから守れます。宛名は「〇〇病院 人事課 御中」または担当者名が分かるなら「〇〇様」。封筒の表に赤字で「応募書類在中」と書き、裏に自分の住所と氏名を書きます。
添え状を1枚つけると印象が変わります。挨拶、応募の意思、同封書類の一覧、結びの一文。これだけで十分です。
データで提出する場合は、PDF形式にします。ファイル名は「履歴書_氏名_日付」のように、受け取った側が管理しやすい形にしてください。ファイル名が「新規文書1.pdf」のまま送られてくることは、実際にあります。メール本文にも、氏名と応募職種を必ず書きます。
締切は前日までに提出するつもりで動きます。郵送は到着日が読めませんし、データ提出でもファイルの不備で送り直しになることがあります。余裕を作っておくと、直前の確認がていねいにできます。
提出前のチェックと、書類が通ったあとのこと
提出前に、次の点を声に出して確認してください。目で追うだけだと、見慣れた文章の誤字は飛ばしてしまいます。
日付は提出日または投函日になっているか。元号と西暦は書類全体でそろっているか。氏名の漢字とふりがなに間違いはないか。「ふりがな」の欄はひらがな、「フリガナ」の欄はカタカナで書けているか。住所は都道府県から書いているか。マンション名や部屋番号を省略していないか。電話番号とメールアドレスは、連絡が取れるものになっているか。
履歴書の在籍期間と、職務経歴書の在籍期間が一致しているか。ここは意外とずれます。
志望動機の中に、他の応募先の名前が残っていないか。使い回しをすると起こる事故です。
空欄はないか。埋める内容がない欄には「特になし」と書きます。
そして、誰かにひととおり読んでもらってください。自分では気づけない箇所が必ずあります。読んでくれる人が身近にいない場合は、一晩置いてから読み直すだけでも精度が上がります。
書類が通ったあとは、そこに書いたことがそのまま面接の質問になります。だから、書けないことは書かない、盛らないという原則が効いてきます。書類は面接の台本でもあると考えると、内容の選び方が変わってくるはずです。
求人情報の読み方と、書類作成で身につく力
ここからは、書類そのものから少し視野を広げます。
作業療法士の働き方は、常勤の雇用だけではなくなりました。非常勤、業務委託、複数の事業所を掛け持ちする形。この違いは、収入の構造そのものを変えます。同じ労働時間でも、雇用と業務委託では手取りの計算がまったく別物です。応募先の条件が妥当かどうかを判断するには、同じ勤務形態同士で比べる必要があります。
職種別に報酬の相場を整理した資料は、その比較の感覚をつかむのに役立ちます。医療職以外の例になりますが、ソフトウェア作成者の年収・単価相場や著述家,記者,編集者の年収・単価相場のようなデータは、雇用と業務委託で対価の付き方がどう変わるかを見るのに使えます。作業療法士の求人を見るときも、額面だけでなく、何にどれだけ時間を使うことになるのかを合わせて見てください。
もうひとつ、書類を作る力そのものについて。職務経歴書を書く作業は、自分の経験を第三者に伝わる形へ翻訳する訓練です。この力は、臨床の記録、家族への説明、他職種への申し送りに直結します。書類作成を「就職活動のための一時的な作業」だと思っている方が多いのですが、実際には日常業務の質に返ってきます。
医療職の経験を持ちながら、業務の仕組みづくりや教育の側に回る人も増えています。事業所の運営でデータを扱う、業務のやり方を見直す、システムの導入に関わる。こうした領域では、経験を言語化して整理する力がそのまま評価されます。AIコンサル・業務活用支援のお仕事やAI・マーケティング・セキュリティのお仕事といった分野は医療から遠く見えますが、現場の業務を分解して説明できる人が求められるという点では共通しています。アプリケーション開発のお仕事の領域でも、医療や介護の現場を知っている人の説明が設計に効くという話はよく聞きます。
在宅ワーク市場を長く見てきた立場からの観察
在宅ワークと業務委託の市場を20年運営してきた立場から、書類について感じていることを2つだけ書きます。
運営者として見てきた限りでは、仕事が長く続く人は、実績の量で選ばれているわけではありません。「この人に任せると、こちらが確認する手間が減る」と思われている人です。依頼する側は、成果物そのものより、途中で不安にならずに済むかどうかを見ています。書類の丁寧さは、その予測材料として読まれます。誤字がない、日付がそろっている、聞かれる前に必要な情報が書いてある。この積み重ねが、まだ会っていない相手からの信用になります。作業療法士の履歴書も、まったく同じ読まれ方をします。
もうひとつは、報酬の構造についてです。仲介の手数料が乗らない直接の取引では、同じ予算で依頼者はより多くを頼めますし、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%で成り立つ直接取引の価値は、金額の大小というより、この双方が得をする構造そのものにあります。ただし、直接契約は自分で条件を確認し、必要なら交渉するということでもあります。履歴書の本人希望記入欄に、必要な条件を書けない人は、契約の場でも同じところでつまずきます。だから、あの小さな欄をきちんと埋める練習には、思っている以上の意味があります。
書類を書く時間は、自分の経験を見直す時間でもあります。うまく書こうとしなくて大丈夫です。事実を正確に並べて、応募先に合わせて志望動機だけを作り直す。この2つができていれば、書類選考で不当に落とされることはほとんどありません。あなたは一人ではありませんし、書けないのは能力の問題ではなく、順番の問題です。
応募先の種別ごとに、どこを書き換えるか
同じ履歴書を使い回すと浮くのは、志望動機と本人希望記入欄です。ここを応募先の種別に合わせて書き換えます。全部を書き直す必要はありません。
急性期の病院に応募する場合。書き換えるのは、リスク管理と情報共有に関する部分です。医師や看護師と同じ速度でやり取りする必要があるため、離床の判断基準をどう確認していたか、中止の判断を誰にどう伝えていたかが伝わる材料を選びます。評価バッテリーの名前を並べるより、判断の手順が見えるほうが評価されます。
回復期のリハビリテーション病棟であれば、退院後の生活像をどう描いていたかが軸になります。家屋調査に関わった経験、家族への指導、福祉用具の選定。この3つのどれかに触れられると、業務の想像がつきます。在宅復帰を掲げている病院ほど、ここを見ています。
介護老人保健施設や通所リハビリでは、集団の場面と個別の場面を両方こなせるかが問われます。レクリエーションの運営経験、生活場面での関わり、介護職との連携。個別訓練の技術だけを書くと、業務の一部しか伝わりません。
訪問リハビリの事業所に応募するなら、運転免許は必須級の情報です。加えて、限られた時間で家に上がり、その家のやり方に合わせて動けるかが見られます。単独で判断する場面が多いため、迷ったときにどう連絡していたかを書いておくと安心材料になります。
就労移行支援や放課後等デイサービスなど障害福祉の領域は、医療の言葉がそのままでは通じません。訓練という言い方より、生活行為や活動という言い方のほうがなじみます。書類の言葉づかいを相手の領域に寄せるだけで、読みやすさが変わります。
精神科や児童発達支援に応募する場合も同じで、それぞれの領域で使われる枠組みに合わせて書きます。未経験の領域であれば、学習が必要だと認識していることを正直に書いてください。分かったふりをした書類は、面接ですぐ崩れます。
提出してから面接までの間にやること
書類を出したら終わりではありません。ここから面接までの時間の使い方で、通過率が変わります。
まず、提出した書類の控えを必ず手元に残してください。手書きなら写真を撮る、データならそのまま保存する。面接では書類に書いたことを起点に質問されるので、自分が何を書いたか思い出せない状態で臨むのは危険です。複数の職場に応募している場合は、なおさら混ざります。
次に、書いた内容から出そうな質問を書き出します。志望動機に書いた領域について「なぜそこに関心を持ったのか」、職歴の空白について「その期間は何をしていたか」、自己PRの事例について「そのとき他にどんな選択肢があったか」。自分の書類を採用側の目で読み直すと、質問はだいたい見えてきます。
そのうえで、答えを声に出して練習します。書いた文章は読めば通りますが、話すと主語が消えたり、話が長くなったりします。1つの質問に対する回答は60秒前後を目安にしてください。時間を測りながら練習すると、自然に要点が絞られていきます。
連絡がなかなか来ないときも、あわてなくて大丈夫です。リハビリ職の採用は現場の都合で選考が動くことがあり、応募者の評価とは関係なく時間がかかる場合があります。募集要項に書かれた連絡予定日を過ぎたら、選考状況の確認という形で問い合わせて構いません。催促ではなく確認として連絡すれば、印象が悪くなることはありません。
よくある質問
Q. 作業療法士の履歴書は手書きとパソコンのどちらがよいですか?
応募先から指定がなければ、どちらでも問題ありません。判断基準は読みやすさです。字に自信がない場合はパソコンで作成したほうが伝わります。手書きの場合は黒のボールペンを使い、熱で消えるインクのペンは避けてください。書き損じたときは修正液を使わず、新しい用紙に書き直します。
Q. 職歴にブランクがある場合はどう書けばよいですか?
職歴欄には勤務先の入職と退職を正確に書き、空白期間の説明は志望動機や自己PRのなかで一言触れる形にします。育児や介護であればそのまま書いて構いません。復帰にあたって研修や勉強会に参加したのであれば、それも書きます。隠していると受け取られることが、いちばん不利になります。
Q. 免許・資格欄には何を書けばよいですか?
作業療法士免許は必須で、免許証を見ながら登録番号まで正確に写します。訪問系の職場に応募するなら普通自動車第一種運転免許も必ず書いてください。福祉住環境コーディネーターや介護支援専門員など業務に関係する資格も書きます。国家試験の結果待ちなら「取得見込」と書き、未取得の資格を取得済みと書いてはいけません。
Q. 職務経歴書はどのくらいの分量で書くべきですか?
A4で1枚から2枚が目安です。3枚を超えると読まれにくくなります。冒頭に職務要約を3行から5行、続いて勤務先ごとの職務経歴、活かせる経験とスキル、最後に自己PRという構成が扱いやすい形です。経験が長い方は直近の勤務先を厚く、古い勤務先は薄く書くと収まります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







