LINEの乗っ取りを防ぐ対策

丸山 桃子
丸山 桃子
LINEの乗っ取りを防ぐ対策

この記事のポイント

  • LINEの乗っ取り対策を
  • 公式が案内している設定の順番どおりに整理しました
  • ログイン中の端末の確認

LINEの乗っ取り対策は、難しい知識ではなく設定画面を三か所開くだけで大半が終わります。理由は単純で、乗っ取りの入口がほぼ二つに限られているからです。パソコンやタブレットからログインする経路と、QRコードを読み取らせて別の端末にログインさせる経路です。この記事では、その二つを塞ぐ設定を公式の案内に沿って並べ、そのうえで設定では防げない部分、つまり自分で認証番号を渡してしまう場面の断り方まで書きます。作業時間は、設定だけなら5分ほどです。

乗っ取りの入口は、二つに絞って考える

LINEのアカウントは、スマートフォンの中だけで完結しているわけではありません。メールアドレスとパスワードを使ってブラウザからログインする経路があり、ここを通られると、連動している他社サービスまで扉が開きます。公式のヘルプセンターは、この経路について明確に説明しています。

推測されやすいパスワードを使用していることが原因と思われる、不正ログインの被害が増えています。第三者によりWebログインを経由してLINEアカウントに不正にログインされると、第三者がLINE関連サービスや連動されている他社サービスにもログインできてしまいます。 出典: help.line.me

もう一つの経路が、QRコードログインです。パソコン版のログイン画面に表示されたQRコードをスマートフォンで読み取ると、そのパソコンでLINEが使えるようになります。便利な機能ですが、読み取る相手が自分でない場合、他人の端末に自分のアカウントを開いて渡すことになります。

公式の防犯ページでは、この手口の流れがそのまま説明されています。相手からQRコードを読み取るよう誘導され、画面のログインを押すと認証番号が表示されます。その番号を相手に伝えると、相手の端末で自分のLINEが使えるようになる、という順序です。画面そのものは本物なので、偽サイトを見分ける知識では防げません。

つまり、対策は二段構えになります。設定で塞げるのがWebログインとパソコンからのログイン、会話で断るしかないのがQRコードと認証番号です。順番に見ていきます。

今日中に終わる三つの設定

公式が案内している対策のうち、効果が大きくて手数が少ないものを三つ挙げます。どれもアプリの設定画面から数タップで終わります。

一つ目は、ログイン許可をオフにすることです。LINEみんなの使い方ガイドでは、ホームから設定に入り、アカウントの中のログイン許可をオフにする手順が案内されています。パソコンやタブレットなど、スマートフォン以外の端末からのログインを可能にする機能で、初期状態ではオンになっています。パソコン版を使っていないなら、切っておいて損はありません。使う必要が出たときだけオンに戻せます。

二つ目は、ログイン中の端末を確認することです。同じくホームから設定、アカウント、ログイン中の端末と進むと、現在ログインしている端末の一覧が表示されます。見覚えのない端末があれば、その場でログアウトし、パスワードを変更します。ここは、対策というより定期点検に近い項目です。月に一度見る習慣をつけると、異変に早く気づけます。

三つ目は、Webログインの2要素認証を有効にすることです。ホームから設定、アカウントと進み、Webログインの2要素認証をオンにします。二要素認証とは、パスワードに加えてもう一つの確認を求める仕組みのことで、パスワードが漏れただけでは入られなくなります。ヘルプセンターでは、不審なWebログインを確認した場合にやることの一つとして、この設定が挙げられています。

三つとも、開く場所はホームの設定からアカウントです。順番に並んでいるので、一度開いたついでに全部済ませてしまうのが早いです。所要時間は5分もかかりません。

パスワードの決め方と、使い回しの切り方

Webログインを塞いでも、パスワードそのものが弱ければ意味が薄れます。公式ヘルプが不正ログインの原因として真っ先に挙げているのも、推測されやすいパスワードの使用です。

決め方の基本は三つです。他のサービスと同じものを使わないこと。名前、誕生日、電話番号など公開されている情報を混ぜないこと。長さを確保すること。短い文字列を記号で複雑にするより、長さを取るほうが破られにくくなります。

そうは言っても、全部のサービスで違うパスワードを覚えるのは現実的ではありません。スマートフォンやブラウザに備わっているパスワード管理の機能を使えば、記憶する必要があるのは端末のロックを解除する方法だけになります。紙のメモで管理する場合は、置き場所を家族と共有しておくと、緊急時に困りません。

使い回しを切るときは、優先順位をつけます。最初に変えるべきはメールアドレスのパスワードです。メールは他のサービスの鍵を配る場所なので、ここが破られると他を直しても戻されます。次が、お金が動くサービス、そして連絡手段です。全部を一日で変える必要はありませんが、この三つは早いほうがよいです。

ヘルプセンターは、LINEにGmailやYahoo!メールなどのWebメールを登録している場合、メールサービス側のパスワードを変更することで安全性が高まるとも案内しています。LINEの設定だけで完結しない、という視点を持っておいてください。

QRコードと認証番号は、設定では守れない

ここからは、会話で断るしかない部分です。公式の防犯ページでは、友だちになりすました相手の特徴として、実際の関係と不釣り合いな接し方をする、日本語におかしなところがある、個人情報を聞いてくる、怪しいURLやQRコードに誘導してくる、認証番号を入力させようとしてくる、という五点が挙げられています。

このうち最後の二つが決定的です。LINEのログイン情報とは、メールアドレス、パスワード、電話番号、認証番号を指すと公式が明記しています。つまり、認証番号は住所や生年月日と同じ個人情報ではなく、鍵そのものです。誰に対しても伝えてはいけません。

実際のやり取りでは、番号を直接くれとは言われません。手伝ってほしい、代わりに登録してほしい、間違えて自分の番号があなたに届いた、といった前置きが入ります。相手のアカウントが友だちのものである以上、文面だけでは判断できません。だからこそ、番号を送らないという一点だけを固定のルールにします。

QRコードも同じです。読み取ってと言われたら、それが何の操作なのかを確認してください。公式は、QRコードログインの画面は本物だが、他の端末にログインする操作だと説明しています。読み取った後に自分の画面に認証番号が表示されたら、その時点で操作を中止し、ログインをキャンセルしてください。

覚えておく形は一つで足ります。番号を送らない、QRコードを読まない、リンクからログインしない。この三つを固定しておけば、文面がどれだけ巧妙でも通過できません。

LINEを名乗る偽のメールとSMSの見分け方

もう一つの入口が、LINEを名乗るメールやSMSです。公式は、LINEからログインを促すメールを送ることはないと明言しています。この一文を知っているだけで、大半の偽通知は判別できます。

公式が挙げている偽装の特徴は四つです。本物らしく偽装された送信元であること。緊急と焦らせ、安全と信頼させて判断力を鈍らせること。それらしいURLの文字列であること。そしてURLの先がLINEのログイン画面によく似たデザインであること。

メールの送信元は偽装されており、実際の送信者ではありません。件名や本文はあなたの心をゆさぶるために工夫されていて、リンクの偽ページでは、ログイン情報を要求してきます。実在のアイコンや色使いを真似ているので、見た目だけで気付くことは難しいです。 出典: guide.line.me

見た目で気づくのが難しいと公式が書いている以上、見抜く努力ではなく、動線を変えるほうが確実です。通知が来たら、そのリンクを踏まずにアプリを開いて確認する。この一手だけで、偽ページに情報を入れる可能性が消えます。

公式アカウントの見分け方も押さえておきましょう。アカウント名の左に緑の公式バッジが付いているものが、LINEの公式からのメッセージです。バッジの表示はスマートフォン版アプリに限られます。ログイン通知や災害情報など、重要な連絡はこの公式アカウントから届きます。

総務省の解説でも、フィッシング詐欺の手口として、表示されているURLを本物に見せかける方法が紹介されています。アルファベットのオーを数字のゼロにする、大文字のアイを小文字のエルにするといった置き換えです。人間の目で一文字ずつ照合する前提の防御は、ここで破られます。

ログイン通知が届いたときの読み方

対策を入れても、試みそのものは止められません。だからこそ、通知が来たときの読み方を決めておきます。

現在ログインしていない端末からのログインが検知されると、手元のスマートフォンに通知が届きます。使い方ガイドでは、トーク画面からLINEの公式アカウントを開き、通知内容に身に覚えがあるかを確認する手順が案内されています。

身に覚えがない場合の対応も明示されています。身に覚えのない端末からログアウトする、パスワードを変更する、ログイン許可の設定をオフにする。この三つです。順番はこのとおりで構いません。

判断に迷いやすいのは、自分がパソコン版を使っている場合です。自分の操作なのか他人なのかが分からないときは、ログイン中の端末の一覧を開いてください。端末名と最終利用日が並ぶので、そこに知らない端末がなければ問題ありません。

通知が来ていないからといって安全とは限らない点にも触れておきます。ログイン許可をオフにしていれば他端末からの試行自体が成立しませんが、Webログイン経由の動きは通知の形が異なる場合があります。定期的に一覧を見る習慣のほうが、通知待ちより確実です。

万一に備えて、今のうちに整えておくこと

乗っ取られた後に必要になる情報は、乗っ取られてからでは確認できません。今のうちに三つだけ整えておきます。

一つ目は、メールアドレスとパスワードの登録状況の確認です。設定のアカウント画面で、どのメールアドレスが登録されているかを見てください。すでに使っていないアドレスのままだと、復旧の通知が届きません。使っている受信箱のアドレスに更新しておきます。

二つ目は、電話番号の確認です。機種変更や引き継ぎでは電話番号が本人確認の軸になります。番号を変えた場合は、登録内容も更新してください。

三つ目は、トークのバックアップです。乗っ取りの被害が確認された場合、会社側の対応としてアカウントが削除されることがあります。ヘルプセンターには、犯人による悪用を防ぐためアカウントを削除し、有料アイテムやコインは新しいアカウントへ移行するという記載があります。トーク履歴は別の話になるため、普段からバックアップを取っておくほうが安全です。

そして、復旧の問い合わせは本人しかできない点も知っておいてください。ヘルプセンターは、この問題に直面している本人からの問い合わせのみを受け付けており、家族や友人など代理の方からの問い合わせは原則として受け付けていないと案内しています。

仕事でLINEを使うときに足しておくルール

仕事の連絡にLINEを使っている人は、個人利用より一段強い運用にしておくと安心です。理由は、乗っ取られたときに迷惑がかかる範囲が広いからです。

まず、仕事とプライベートのやり取りを分けます。グループを分けるだけでも、乗っ取られたときに誰に何が送られたかを把握しやすくなります。取引先が多い場合、連絡先が一つのアプリに集中している状態そのものがリスクになります。

次に、金銭や口座に関わる連絡をLINEだけで完結させないことです。振込先の変更、請求金額の修正、支払期日の変更。この三つは、メールや電話でも確認する運用にしておきます。なりすましが狙うのは、まさにこの三つです。

そして、連絡手段を二つ持っておくことです。メールアドレスと電話番号を交換しておけば、片方が止まっても説明できます。乗っ取られた側が最も困るのは、乗っ取られたと伝える手段がないことです。

業務でグループを使っている場合は、参加者の棚卸しも定期的に行ってください。案件が終わったのに残り続けているグループには、すでに関係のない人が入っています。乗っ取りが起きたとき、影響範囲がそのまま広がります。終わった案件のグループは退会するか、削除する運用にしておくと安全です。

最後に、取引先へ事前に一言伝えておくのも有効です。金銭の依頼や認証番号の依頼はしない、と最初に共有しておけば、なりすましのメッセージが届いた時点で相手が気づきます。

通報と相談の窓口を知っておく

自分や友だちのアカウントが乗っ取られているのを見かけたときは、LINEの通報機能から報告できます。公式の防犯ページでも、有効な対抗措置を実施するために利用者の協力が必要だとして、通報機能の利用が案内されています。詐欺の文面は同じ型で大量に送られるため、報告が集まるほど対応が早くなります。

金銭の被害が出ている場合は、別の窓口も使います。電子マネーを買わされた、口座に振り込んでしまった、カードを不正利用された。こうした場合は、消費者ホットラインの188から最寄りの消費生活センターにつながります。警察に相談したい場合は、警察相談専用電話の#9110が全国共通の窓口です。

また、他人のIDとパスワードを使ってログインする行為は、不正アクセス行為の禁止等に関する法律で禁じられています。同法第11条は、違反した者を3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処すると定めています。被害に遭った側が遠慮する理由はありません。

技術的な相談先としては、IPAの情報セキュリティ安心相談窓口があります。不正アクセスやウイルスに関する技術的な相談を受け付けており、状況の整理に使えます。何が起きたか分からない段階でも相談できます。

相談するときは、記録を持っていくと話が早く進みます。届いたメッセージ、通知の画面、送金した明細、やり取りした時刻。これらを保存してから連絡してください。

スマートフォン本体の対策も、同じ効果を持つ

アプリの設定だけでなく、端末そのものの守りも乗っ取り対策の一部です。ここを抜くと、設定を整えても意味が薄れます。

端末の画面ロックは必ずかけてください。数字4桁より、生体認証と長い暗証番号の組み合わせのほうが安全です。端末を一時的に他人に渡す場面、たとえば修理や譲渡の前には、ログアウトとデータの消去を済ませます。

OSとアプリの更新も、地味ですが効きます。総務省は、安心してインターネットを利用するために最低限意識することとして、ソフトウェアを最新に保つこと、強固なパスワードの設定と多要素認証を活用すること、不用意に開かない、インストールしないことの三つを挙げています。

アプリの入手先も重要です。公式のアプリストア以外から配布されたファイルを入れると、端末の操作や入力内容を盗む仕組みが紛れ込むことがあります。遠隔操作を行うアプリの導入を人から指示された場合は、理由がどうあれ断ってください。

端末を紛失したときの備えも、乗っ取り対策の一部です。端末を探す機能を有効にしておくと、遠隔でロックしたりデータを消したりできます。拾われた端末で画面ロックが解除されると、メッセージアプリはログイン済みのまま開かれます。パスワードの強さより、ロックの有無のほうが効く場面です。

公衆の無線LANでの利用にも一言。暗号化されていない無線LANでは、通信内容が第三者に見える可能性があります。重要な操作、とくにパスワードの変更や金銭に関わる手続きは、自宅の回線か携帯回線で行うほうが安全です。

乗っ取りを疑ったときに、確認する順番

対策を入れていても、何かおかしいと感じる瞬間は来ます。そのときの確認順を決めておくと、判断が早くなります。

最初に見るのは、今の端末でLINEが使えているかどうかです。ヘルプセンターは、現在の端末でメッセージの送受信などができている場合、アカウントは乗っ取られていないと説明しています。この一文は落ち着くための材料になります。使えているなら、支配権はまだ自分の側にあります。

次に、公式アカウントからのログイン通知を確認します。身に覚えのないログインが記録されていないか、日時と端末を見ます。そのうえで、ログイン中の端末の一覧を開きます。知らない端末があれば、ログアウトしてパスワードを変更し、ログイン許可をオフにします。

三つ目に、送信済みのメッセージを確認します。自分が送っていないメッセージがトークに残っていないか、グループに勝手な投稿がないかを見ます。すでに送信取消をされている場合、自分の画面には残っていないので、友だちに届いた内容を見せてもらうほうが確実です。

四つ目が、友だちリストとグループの確認です。作った覚えのないグループがあったり、知らないアカウントが追加されていたりしないかを見ます。ただし、端末のアドレス帳に登録されている電話番号がLINEに登録されると、その相手が自動的に友だちとして表示される仕組みがあります。ヘルプセンターにも、この仕組みによって知らない人が表示される場合があると説明されています。乗っ取りと決めつける前に、この可能性も確かめてください。

LINEが使えなくなっている場合は、再ログインを試します。ログアウトされましたという画面が突然表示されたケースでは、再ログインで復旧できる場合があると案内されています。復旧できない場合は、公式の問い合わせフォームへ進みます。

引き継ぎと機種変更のときが、いちばん危ない

乗っ取りの相談が増える場面として、機種変更の前後があります。理由は、この時期だけは本人が認証番号やパスワードを扱うからです。普段やらない操作をしているときに、横から指示が入ると見分けがつきません。

事前にやっておくことは三つです。使っているメールアドレスとパスワードが登録済みかを確認すること。電話番号が現在使っているものになっているかを確認すること。トークのバックアップを取っておくこと。この三つが済んでいれば、引き継ぎで詰まる場面はほとんどなくなります。

そして、引き継ぎの作業中に人からの指示に従わないでください。店頭であっても、認証番号を読み上げる必要がある場面はありません。手順が分からない場合は、公式のヘルプページを開いて、自分で進めます。

旧端末の扱いにも触れておきます。使わなくなった端末にLINEが残っていると、ログイン中の端末の一覧に古い端末が並びます。譲渡や下取りに出す前に、ログアウトと初期化を済ませてください。

引き継ぎが終わった直後に、もう一度設定を見ておくと安心です。機種を変えると、ログイン許可の設定が初期状態に戻っていることがあります。新しい端末で、三つの設定をもう一度確認してください。

家族の端末に入れておきたい設定

高齢の家族や子どもが使う端末では、本人が設定画面を開くこと自体が難しい場合があります。その場合、一緒に開いて済ませてしまうほうが早いです。

入れておく設定は、基本的に同じ三つです。ログイン許可をオフにする、ログイン中の端末を確認する、Webログインの2要素認証をオンにする。あわせて、端末の画面ロックと、アプリの自動更新も有効にしておきます。

設定より大事なのが、約束を一つだけ決めることです。番号を聞かれたら家族に相談する。これだけで構いません。手口を全部覚えてもらうのは現実的ではないので、判断が必要になる瞬間を一つに絞ります。

もう一つ、偽の通知が届いたときに相談できる相手がいることを伝えておいてください。公式の防犯ページでも、偽ページではログイン情報を入力せずに閉じること、意図しないQRコードログインはキャンセルすることが、立ち止まるポイントとして挙げられています。一人で判断させない仕組みのほうが、知識より効きます。

子どもが使う場合は、知らない相手からのメッセージへの対応も決めておきます。友だち以外からのメッセージを受信しない設定にしておくと、勧誘や詐欺の入口が一つ減ります。

よく聞く誤解を三つだけ正しておく

対策の話をしていると、同じ誤解に何度も出会います。効果のない対策に時間を使わないために、三つ挙げておきます。

一つ目は、パスワードを複雑にすれば十分だという誤解です。文字の複雑さは、総当たりに対しては効きますが、フィッシングで本人が入力してしまう場合には効きません。公式が偽の通知について、実在のアイコンや色使いを真似ているので見た目だけで気付くことは難しいと書いている以上、入力する場面を減らす対策のほうが重要です。

二つ目は、友だちからのメッセージなら安全だという誤解です。乗っ取られたアカウントから届くメッセージは、表示上は本物の友だちです。公式が挙げる特徴のうち、実際の関係と不釣り合いな接し方をする、という項目は、相手が誰かではなく内容で判断せよという意味です。

三つ目は、被害に遭っても運営に言えば元に戻るという誤解です。ヘルプセンターには、乗っ取り被害が確認された場合、犯人による悪用を防ぐためアカウントを削除するという記載があります。削除されれば、トーク履歴は戻りません。だからこそ、バックアップと予防の設定が意味を持ちます。

四つ目に挙げておきたいのが、自分は狙われないという思い込みです。乗っ取りは、著名人や企業だけを狙って行われるわけではありません。友だちリストを持っている人は全員が入口になります。むしろ、身近な人にお金の相談をしても不自然でない関係ほど、なりすましの効果は高くなります。

対策の優先順位は、入口を塞ぐこと、番号を渡さないこと、記録を残すことの順です。この順番を覚えておけば、新しい手口が出てきても対応の形は変わりません。設定は一度で終わりますが、番号を渡さないという判断だけは、そのつど必要になります。家族や仕事仲間と、その一点だけを共有しておいてください。

市場を長く見てきた立場からの観察

在宅ワークやフリーランスの市場を20年運営してきた立場から見ると、連絡手段の乗っ取りは、事故の中でも回復に時間がかかる部類に入ります。データを失うより、信用の説明に時間を取られるからです。乗っ取られた側が悪くなくても、取引先には自分の名前で変なメッセージが届いています。

長く仕事が続いている人ほど、連絡の形を決めています。日常の相談はメッセージアプリ、金額と納期の確定はメール、緊急時は電話。用途で分かれていると、片方が止まっても仕事が止まりません。逆に、全部を一つのアプリで済ませている人は、アカウントが止まった瞬間に案件も止まります。

仕事の性質によって、守るべきものの重さも変わります。たとえばキャラクター・アイコン・LINEスタンプのお仕事のように制作物を納品する仕事では、未公開のデータが手元にあります。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事なら、預かるのは顧客情報や管理画面の権限です。作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事でも、納品前の音源が流出すれば案件そのものが飛びます。自分が何を預かっているかを一度書き出すと、守る基準が決まります。

学び直しという意味では、CCNA(シスコ技術者認定)のようにネットワークと認証の基礎を扱う資格が、仕組みの理解に効きます。取引先への連絡文を整えたい場合は、ビジネス文書検定の範囲がそのまま役に立ちます。報酬の水準を把握しておきたい場合は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で相場を確認できます。

お金の面でも一つ。仲介が入る取引では、発注者が払った額と受け手が受け取る額に差が生まれます。手数料0%の直接取引は、同じ予算で依頼者はより多く頼め、受け手の手取りは厚くなります。運営者として見てきた限りでは、直接つながっている関係ほど、連絡先を複数持ち、相手の本人確認が自然にできています。乗っ取りに強い関係は、実は取引の形からできています。

よくある質問

Q. ログイン許可をオフにすると、パソコン版が使えなくなりますか?

オフにしている間は、パソコンやタブレットからのログインができなくなります。使うときだけオンに戻して、終わったらオフにする運用で問題ありません。普段スマートフォンだけで使っているなら、オフのままにしておくほうが安全です。

Q. 友だちから認証番号を送ってほしいと頼まれました。どうすればよいですか?

送らないでください。LINEのログイン情報とは、メールアドレス、パスワード、電話番号、認証番号を指すと公式が説明しています。認証番号は鍵そのものなので、相手が本物の友だちでも渡す理由がありません。本人に電話など別の手段で確認してください。

Q. 乗っ取り対策として、まず何から設定すればよいですか?

ホームから設定に入り、アカウントの画面で三つを済ませてください。ログイン許可をオフにする、ログイン中の端末を確認して知らない端末をログアウトする、Webログインの2要素認証をオンにする、の三つです。あわせてパスワードの使い回しをやめます。

Q. LINEからログインを促すメールが届きましたが本物ですか?

LINEからログインを促すメールを送ることはない、と公式が明言しています。リンクは開かず、アプリを開いて確認してください。公式からの連絡は、アカウント名の左に緑の公式バッジが付いたLINE公式アカウントのトークに届きます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年1月18日最終更新:2026年9月23日
丸山 桃子

この記事を書いた人

丸山 桃子@SOHO編集部

アパレルEC運営支援・SNSコンサル

アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。

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