京都市の個人情報漏えいの可能性|いきいきシニアポイント(佐川急便経由)と京セラ美術館・二条城のチケット 2026


この記事のポイント
- ✓京都市の情報漏洩について
- ✓2026年11月6日の2つの発表を整理
- ✓いきいきシニアポイント事業のプレゼント当選者253件(佐川急便経由)と
京都市の情報漏洩について、京都市は2026年11月6日に2つの報道発表を出しました。1つは「いきいきシニアポイント事業」で、プレゼントの発送を請け負う佐川急便の「お荷物問い合わせサービス」への不正アクセスにより、プレゼント当選者の氏名、住所及び電話番号253件が漏えいした可能性があるという内容です。もう1つは京都市京セラ美術館の「ARTPASS」と元離宮二条城の「アソビュー!」というチケット販売サービスの件で、運営事業者が使うメール配信サービスへの不正アクセスにより、運営事業者が保有する情報が流出した可能性があるという内容です。 シニアポイントの当選者は、京都市や佐川急便を名乗る心当たりのない電話に、その場で答えないことがまず大切です。美術館や二条城のチケットを買った人は、チケットや京都市を名乗るメールのURLを開かず、カード番号やパスワードを入力しないことから始めてください。
この記事は、2026年11月7日時点で京都市のサイトに掲載されている2つの報道発表(ページとPDF)を開き直し、その記載だけをもとに書いています。報道に出ている項目や件数のうち、京都市の発表で確かめられないものは書いていません。
京都市が11月6日に出した2つの発表
「京都市 情報漏洩」と検索した人の多くは、京都市の事業に参加している人や、京セラ美術館・二条城のチケットをインターネットで買ったことがある人でしょう。報道の見出しでは2つの件がひとまとめに紹介されていることがあり、自分がどちらに当たるのか分かりにくくなっています。まず、2つの発表の題と担当の部署を分けて整理します。
| 発表の題 | 担当 | 関係する事業者 |
|---|---|---|
| 不正アクセスによる「いきいきシニアポイント事業」の個人情報の漏えいの可能性 | 保健福祉局 健康長寿のまち・京都推進室 健康長寿企画課 | 委託先 株式会社JTB京都支店、再委託先 佐川急便株式会社 |
| 不正アクセスによる京都市京セラ美術館及び元離宮二条城に係る個人情報流出の可能性 | 文化市民局 文化芸術都市推進室 文化芸術企画課、美術館、元離宮二条城事務所 | インヴェンティット株式会社(ARTPASS)、アソビュー株式会社(アソビュー!)、アララ株式会社 |
2つの件は、不正アクセスを受けた場所がまったく違います。シニアポイントの件は、荷物を届ける佐川急便のWebサイトです。美術館と二条城の件は、チケット販売サービスの運営事業者がメールの配信に使っていたアララ株式会社のシステムです。同じ日に発表されたというだけで、原因も、漏えいした可能性がある項目も別々です。
どちらの発表も「可能性」という言葉を使っており、漏えいが確定したとは書いていません。美術館と二条城の件については、京都市が委託した業務での情報流出や、京都市が保有するシステムへの不正アクセス、京都市が管理する情報の流出は、現時点で確認されていないと明記されています。
なお、2026年10月に報じられた京都新聞社のプレゼント当選者の件は、京都市ではなく別の組織の事案です。そちらは京都新聞の当選者情報の一部漏えい|委託先へのランサムウェア攻撃 創刊145年感謝プレゼント当選者190件 対象と確かめること 2026で、委託先へのランサムウェア攻撃の経緯と当選者が確かめることを整理しています。
いきいきシニアポイント事業の件(佐川急便経由)
経緯
京都市保健福祉局の発表によると、この事業は京都市が実施し、株式会社JTB京都支店に委託しています。プレゼントの発送業務は、再委託先の佐川急便株式会社が請け負っています。発表に書かれた経緯は次のとおりです。
令和8年9月30日(水)に佐川急便が同社の「お荷物問い合わせサービス」への第三者による不正アクセスを確認し、その後の調査により、配送先の氏名、住所や電話番号の個人情報が外部に流出した可能性があることを発表。 JTBにおいて11月中旬の当該事業のプレゼント発送に向けた準備をしていた際、上記の佐川急便における個人情報流失の可能性について把握し、令和8年11月5日(木)に京都市に報告があり、判明しました。 出典: 京都市 報道発表資料(保健福祉局、令和8年11月6日)
つまり、不正アクセスそのものは2026年9月30日に佐川急便が確認したもので、京都市の事業に関係する荷物の情報が含まれていたことが、11月の発送の準備の中で分かったという流れです。佐川急便の件は9月の時点で公表されていましたが、京都市の事業の当選者が含まれると判明したのは11月5日で、翌日の11月6日に京都市が発表しました。
佐川急便のお荷物問い合わせサービスへの不正アクセスと、佐川急便を名乗る偽の不在通知の見分け方は、佐川急便の情報漏洩|お荷物問い合わせサービスの不正アクセスと偽メールの見分け方 2026で詳しく扱っています。
漏えいした可能性がある項目
京都市の発表に書かれた項目と、佐川急便によれば含まれていないとされる項目を分けて表にします。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 漏えいした可能性がある項目 | プレゼント当選者の氏名、住所、電話番号(253件) |
| 佐川急便によれば含まれていない項目 | クレジットカード情報、銀行口座情報、パスワード |
| 二次被害 | 佐川急便によれば、現時点で不正利用等の二次被害は確認されていない |
対象は、京都市いきいきシニアポイント事業でプレゼントに当選し、その配送で佐川急便が取り扱った人の情報です。事業に参加しているすべての人ではなく、プレゼントの当選者に限られます。発表には、当選者以外の参加者の情報が含まれるとは書かれていません。
氏名・住所・電話番号の3つがそろうと、本人に直接連絡を取ることができます。カード番号や口座番号が含まれていなくても、電話や郵便を使った詐欺の連絡に使われるおそれがあるため、京都市もこの点を対応の理由に挙げています。
京都市の対応
発表の「対応」の項には次のように書かれています。
本件に関連した詐欺等の悪意ある電話等がなされるおそれがあるため、情報が漏えいした可能性のある全ての方へのご連絡を行います。 出典: 京都市:不正アクセスによる「いきいきシニアポイント事業」の個人情報の漏えいの可能性
発表に書かれている対応は、漏えいした可能性のある全員への連絡です。連絡の方法(郵便か電話か)や時期は書かれていません。補償やお詫びの品についても、発表には記載がありません。分からないことは、後で紹介する健康長寿企画課に問い合わせてください。
京セラ美術館のARTPASSと二条城のアソビュー!の件
経緯
京都市文化市民局の発表は、2つのチケット販売サービスの運営事業者から、それぞれ報告を受けたという内容です。どちらの事業者も、メールの配信にアララ株式会社のシステムを使っていました。
- 京都市京セラ美術館は、チケット販売をWEBチケットサービス「ARTPASS」に委託している。運営はインヴェンティット株式会社
- インヴェンティットは、自社情報を配信するメールマガジンの配信業務をアララに委託している
- 2026年11月4日、インヴェンティットから、アララのシステムへの不正アクセスにより、同社が保有するメールアドレスのみ流出した可能性があると報告を受けた
- 元離宮二条城事務所は、WEBチケットサービス「アソビュー!」を利用している。運営はアソビュー株式会社
- 同じ11月4日、アソビューから、チケット利用後のアンケート配信等で使っているアララのシステムへの不正アクセスにより、同社が保有する利用者情報の一部が外部に流出したことが判明したと報告を受けた
さらに、京都市京セラ美術館メンバーシップという任意団体も、会員向けのメールマガジンの配信をアララに委託しています。発表では、メンバーシップ会員のメールアドレスの流出は現時点で確認されていないが、引き続き調査中との報告を受けているとしています。
現在、アララ、インヴェンティット、アソビューの3社で、原因と影響範囲の詳しい調査が進められていると書かれています。
流出した可能性がある項目
| サービス | 運営事業者からの報告 | 項目 |
|---|---|---|
| 京セラ美術館のARTPASS | 同社が保有するメールアドレスのみ流出した可能性がある | メールアドレスのみ |
| 二条城のアソビュー! | 同社が保有する利用者情報の一部が外部に流出したことが判明 | 京都市の発表には項目の明記なし |
| 京セラ美術館メンバーシップ | 会員のメールアドレスの流出は現時点で確認されていない(調査中) | 調査中 |
| 含まれないもの | アララの発表によると外部流出の対象に含まれない | パスワード、クレジットカード情報 |
アソビュー!の件について、京都市の発表は「利用者情報の一部」とだけ書いており、具体的な項目は挙げていません。報道では項目を挙げているものもありますが、京都市の発表では確かめられないため、この記事では書きません。項目を知りたい人は、アソビュー株式会社のお知らせを確かめるか、元離宮二条城事務所に問い合わせてください。
アソビュー株式会社の会員情報の流出全体の経緯は、アソビューへの不正アクセスによる情報流出|委託先アララ経由 会員情報15,821,184件 氏名・電話番号・チケットの利用情報 確かめること 2026で整理しています。題にある件数は、アソビュー株式会社が自社の発表で示した同社全体の件数です。京都市は二条城の利用者の件数を示しておらず、この数字を二条城の件数として読まないようにしてください。
チケットの予約はできる
発表の「影響」の項には、アララのメール配信サービス「アララメッセージ」は停止されているものの、京セラ美術館の「ARTPASS」と二条城の「アソビュー!」を使ったチケットの予約はできると書かれています。これから美術館や二条城を訪れる予定の人が、予約をやめる必要はありません。
ただし、メールの配信が止まっているため、これまで届いていた案内のメールが届かない場合があります。予約の内容は、届いたメールのリンクからではなく、自分でサービスのサイトやアプリを開いて確かめると安全です。
京都市の対応
発表には、流出の影響範囲は調査中であり、現時点で情報の流出は確認されていないものの、詐欺等の悪意あるメールが送られるおそれがあるため、京都市のホームページで注意喚起をしていると書かれています。影響範囲が確定した後は、運営事業者から対象者に連絡するか、ホームページで知らせるとしています。
現時点で京都市が委託した業務における情報流出や、保有するシステムへの不正アクセス、本市が管理する情報の流出は確認されていません。 出典: 京都市:不正アクセスによる京都市京セラ美術館及び元離宮二条城に係る個人情報流出の可能性
この一文が示すとおり、美術館と二条城の件で流出した可能性があるのは、運営事業者が保有する情報です。京都市が持っている住民の情報や、京都市のシステムの情報ではありません。
2つの件の違いを表で整理する
2つの件は報道で並べて扱われることが多いため、違いを1つの表にします。
| 比べる点 | いきいきシニアポイント事業 | 京セラ美術館・二条城のチケット |
|---|---|---|
| 不正アクセスを受けた場所 | 佐川急便の「お荷物問い合わせサービス」 | アララ株式会社のシステム |
| 京都市との関係 | 京都市の事業の委託先JTBの再委託先 | 美術館と二条城が使うチケット販売サービスの運営事業者の委託先 |
| 件数 | 253件(プレゼント当選者) | 記載なし(影響の範囲は調査中) |
| 項目 | 氏名、住所、電話番号 | ARTPASSはメールアドレスのみ、アソビュー!は利用者情報の一部 |
| 気をつける連絡 | 電話など | メールなど |
| 京都市からの連絡 | 漏えいした可能性のある全員に連絡 | 影響範囲の確定後に運営事業者から連絡またはホームページで知らせる |
違いの要点は、気をつける連絡の手段です。シニアポイントの件は電話番号と住所が含まれるため、電話や郵便での不審な連絡に注意が要ります。美術館と二条城の件のうちARTPASSはメールアドレスだけなので、主に偽のメールに注意します。両方に当てはまる人は、両方の対策をしてください。
委託の流れを順に読む
今回の2つの件は、どちらも「誰が誰に仕事を任せていたか」を順にたどると分かりやすくなります。発表に書かれた関係を、情報の流れに沿って並べます。
シニアポイントの件は、次の3段です。
- 京都市が「いきいきシニアポイント事業」を実施し、株式会社JTB京都支店に委託する
- JTBが、プレゼントの発送業務を佐川急便株式会社に再委託する
- 佐川急便のWebサイト「お荷物問い合わせサービス」が不正アクセスを受け、配送先の氏名・住所・電話番号が流出した可能性がある
美術館と二条城の件は、施設ごとに分かれます。
- 京セラ美術館はチケット販売をARTPASS(インヴェンティット株式会社)に委託し、インヴェンティットはメールマガジンの配信をアララに委託している
- 二条城の事務所はアソビュー!(アソビュー株式会社)を利用し、アソビューはチケット利用後のアンケート配信等でアララのシステムを利用している
- アララのシステムが不正アクセスを受け、運営事業者が保有する情報が流出した可能性がある
こうして並べると、どちらの件も、京都市から見て2つ以上先の会社で起きたことが分かります。京都市の発表は、それぞれの会社から受けた報告を伝える形で書かれています。項目や件数の詳しい調査は、不正アクセスを受けた会社と運営事業者が進めているため、続報も各社の発表から出てくる可能性があります。京都市の発表とあわせて、各社のお知らせも確かめるようにしてください。
原因について発表されていること
シニアポイントの件の原因は、佐川急便のWebサイト「お荷物問い合わせサービス」に対する第三者からの不正アクセスと書かれています。どのような手口だったかは、京都市の発表には書かれていません。JTBやJTB京都支店のシステムが不正アクセスを受けたとは書かれておらず、京都市のシステムについても触れていません。
美術館と二条城の件の原因は、運営事業者が使っていたアララのシステムへの不正アクセスです。原因と影響範囲の詳しい調査は、アララ、インヴェンティット、アソビューの3社で進められていると書かれています。
どちらの件も、京都市そのものが攻撃を受けたわけではありません。京都市が事業を任せた会社の、さらに先にある会社で起きた不正アクセスが、京都市の事業の参加者や施設の利用者に及んだ形です。
自治体の事業では、運営を民間に委託し、その会社がさらに配送や配信を別の会社に任せることがよくあります。個人情報の保護に関する法律の第25条には、個人データの取り扱いを委託する事業者が、委託先に対して必要かつ適切な監督を行わなければならないと書かれています。条文はe-Gov法令検索の個人情報の保護に関する法律で読めます。ただし、今回の件で誰がどのような責任を負うかは、発表には書かれていないため、この記事では判断しません。
アララメッセージの件の背景
美術館と二条城の件に関係するアララ株式会社は、メール配信サービス「アララメッセージ」を提供している会社です。2026年10月末から、このサービスへの不正アクセスにより、多くの企業や自治体がメールアドレスの漏えいの可能性を発表しています。
アララ株式会社が2026年11月6日に出した第3報では、第1報と第2報で示したものとは別のクラウド環境から、メールアドレス3,249,492件が外部に持ち出されていたことが分かったとしています。区分の間の重複を除いた、持ち出されたメールアドレスの件数は81,329,467件で、これはメールアドレスの数であり、人数ではないと明記されています。サービスは引き続き停止しており、再開の時期は未定です。詳しくはアララ株式会社の第3報(PDF)で確かめられます。
この数字は、アララメッセージを導入しているすべての契約企業を合わせたものです。京セラ美術館や二条城の利用者の件数ではありません。京都市の発表には件数の記載がなく、影響の範囲は調査中です。2つの数字を混ぜて読まないようにしてください。
アララメッセージの件の全体像と、公表した企業・自治体の一覧は、アララの情報漏洩|アララメッセージへの不正アクセス 第2報でメールアドレス約77百万件(精査中)最大約380社 公表した企業と自治体 2026にまとめています。
自分が対象かを確かめる方法
シニアポイントの当選者
対象は、いきいきシニアポイント事業でプレゼントに当選し、佐川急便が配送を取り扱った人です。京都市は、漏えいした可能性のある全員に連絡すると発表しています。自分がプレゼントの当選者かどうか分からない場合や、連絡が来るまで待てない場合は、京都市保健福祉局の健康長寿企画課(075-222-3419)に問い合わせてください。
電話で問い合わせるときは、届いた書類や電話に書かれた番号ではなく、京都市のサイトに載っている番号に自分でかけるのが確実です。京都市を名乗る電話がかかってきて、その場で折り返しの番号を伝えられた場合も、いったん切って、京都市のサイトで番号を確かめてからかけ直してください。
美術館・二条城のチケットの利用者
美術館と二条城の件は、影響範囲が調査中です。対象者には、影響範囲の確定後に運営事業者から連絡するか、ホームページで知らせると書かれています。現時点で自分が対象かを確かめる方法は、発表には書かれていません。
ARTPASSでチケットを買ったことがある人、アソビュー!で二条城のチケットを買ったことがある人、京セラ美術館メンバーシップの会員は、各社のお知らせと京都市の発表に更新がないかを、ときどき確かめてください。分からないことは、美術館(075-771-4107)、元離宮二条城事務所(075-841-0096)、文化芸術企画課(075-222-3119)に問い合わせられます。
シニアポイントの当選者がすること
氏名・住所・電話番号の漏えいで心配なのは、電話を使った詐欺です。京都市も、詐欺等の悪意ある電話のおそれを対応の理由に挙げています。家族と一緒に、次の点を確かめておいてください。
- 京都市、JTB、佐川急便を名乗る電話で、お金の振り込みや、キャッシュカード、暗証番号を求められても応じない
- 「プレゼントの発送に手数料がかかる」「再配達に料金がかかる」といった電話には、その場で支払わない
- 電話で個人情報や家族の情報を聞かれても答えず、いったん切って、京都市のサイトに載っている番号にかけ直す
- 自宅を訪ねてきた人が京都市や配送業者を名乗っても、すぐに玄関を開けず、身分を確かめる
- 留守番電話の設定や、迷惑電話を防ぐ機能のある電話機の利用を家族と相談する
郵便で届く書類にも注意が要ります。住所と氏名が分かれば、本物そっくりの封書を送ることができます。書類に書かれた電話番号にかけるのではなく、京都市のサイトで番号を確かめてから問い合わせてください。
佐川急便を名乗るSMSやメールも、これまで多く出回っています。不在通知を装ったSMSのURLを開くと、偽のサイトでカード番号を入力させられたり、端末に不正なアプリを入れられたりすることがあります。荷物の状況は、SMSのリンクからではなく、自分で佐川急便の公式サイトを開いて確かめてください。
万一、お金を払ってしまった、カード番号を伝えてしまったときは、すぐにカード会社や銀行に連絡し、最寄りの警察署にも相談してください。警察の相談専用電話は#9110です。
美術館・二条城のチケットを買った人がすること
ARTPASSの件で流出した可能性があるのはメールアドレスだけです。メールアドレスだけでは、すぐにお金の被害が出るわけではありません。ただし、「美術館や二条城のチケットを買ったことがある人」と分かるアドレスは、偽のメールを送る側にとって使い道があります。
- 京セラ美術館、二条城、ARTPASS、アソビュー、京都市を名乗るメールのURLや添付ファイルを開かない
- 「チケットの払い戻し」「予約の確認」「アカウントの停止」などを理由に、カード番号やパスワードの入力を求めるメールには応じない
- 予約の内容は、ブックマークした公式サイトやアプリを自分で開いて確かめる
- 同じパスワードを他のサービスでも使っている場合は、念のため変えておく
アララの発表によると、パスワードやクレジットカード情報は外部流出の対象に含まれていません。それでも、パスワードを複数のサービスで使い回している人は、これを機に見直すと安心です。多要素認証(パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認の番号などを使う仕組み)を設定できるサービスでは、設定しておくと不正なログインを防ぎやすくなります。多要素認証の考え方と主な方式は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で解説しています。
アソビュー!で二条城のチケットを買った人は、アソビュー株式会社が自社の発表で示している項目と対象を、同社のお知らせで確かめてください。京都市の発表は、アソビューの件について項目を書いていません。
家族が高齢の場合に一緒に確かめたいこと
いきいきシニアポイント事業は、その名前のとおりシニア向けの事業です。本人だけで不審な電話を見分けるのが難しい場合もあるので、家族が一緒に確かめておくと安心です。
まず、京都市から連絡が届いたかどうかを、本人に聞いておきます。届いた書類があれば、差出人と問い合わせ先が京都市の発表に載っている部署(保健福祉局 健康長寿企画課)と合っているかを一緒に見ます。
次に、「お金の話が出たら、いったん電話を切って家族に連絡する」という決まりを、本人と家族の間で決めておきます。詐欺の電話は、急がせたり、不安にさせたりして、その場で判断させようとします。電話を切ってから考える、という習慣があるだけで、被害の多くは防げます。
また、本人が普段使っている電話機に、知らない番号からの着信を知らせる機能や、録音を知らせるメッセージを流す機能があるかを確かめておくとよいでしょう。これらの機能があるだけで、詐欺の電話をかけてくる側が電話を切ることがあります。
家族が離れて暮らしている場合は、京都市の発表のページの場所を本人に伝えておくと、不安になったときに自分で確かめられます。紙に部署名と電話番号を書いて、電話の近くに貼っておくのも1つの方法です。
京都市の名前を使った偽の連絡の型
今回の件に乗じた偽の連絡は、まだ京都市から報告されていません。ただ、情報漏えいの発表の後には、発表を利用した偽の連絡が出回ることがあります。よく見られる型を知っておくと、届いたときに気づきやすくなります。
| 型 | よくある文面 | 見分ける点 |
|---|---|---|
| お詫びを装う | 「お詫びの品をお送りするため、口座番号を教えてください」 | 発表にお詫びの品や返金の記載はない |
| 調査を装う | 「漏えいの調査のため、カード番号を確認させてください」 | カード情報は含まれていないと書かれている |
| 手数料を求める | 「プレゼントの再発送に手数料がかかります」 | 京都市の発表に手数料の記載はない |
| チケットの払い戻し | 「予約に不具合があったため、払い戻しの手続きをしてください」 | チケットの予約はできると書かれている |
見分けるときの基本は、連絡の中に書かれた番号やURLを使わないことです。京都市のサイト、ARTPASSやアソビュー!の公式サイトを自分で開き、同じ案内が出ているかを確かめてください。
職場や家族で偽のメールへの備えを共有したい人は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドも参考になります。偽のメールを見分ける訓練の進め方を紹介しています。
問い合わせ窓口
2026年11月7日時点で、京都市の発表に載っている問い合わせ先は次のとおりです。どの窓口も、受付時間は発表に書かれていません。京都市役所の本庁舎の開庁時間は、サイトに午前8時45分から午後5時30分(土日祝及び年末年始を除く)と書かれています。
| 件 | 窓口 | 電話 |
|---|---|---|
| いきいきシニアポイント事業 | 京都市保健福祉局 健康長寿のまち・京都推進室 健康長寿企画課 | 075-222-3419 |
| 京セラ美術館・二条城の件 | 京都市文化市民局 文化芸術都市推進室 文化芸術企画課 | 075-222-3119 |
| 京セラ美術館の件 | 京都市文化市民局 美術館 | 075-771-4107 |
| 二条城の件 | 京都市文化市民局 元離宮二条城事務所 | 075-841-0096 |
専用の相談窓口は、発表には書かれていません。運営事業者の調査の詳細は、各社のウェブサイトを確かめるよう案内されています。
電話をかける前に、どちらの件についての問い合わせかを決めておくと話が早く進みます。シニアポイントの件なら、プレゼントに応募した時期と、京都市から届いた書類の有無を手元で確かめておきます。チケットの件なら、ARTPASSかアソビュー!か、いつごろ購入したかを控えておくと、担当の窓口に案内してもらいやすくなります。
今後の続報で確かめたい点
2026年11月7日時点で、どちらの発表にも「第何報」の記載はありません。今後、続報が出たときに確かめたい点は次のとおりです。
- シニアポイントの件で、当選者への連絡がいつ、どの方法で届くか
- 美術館と二条城の件で、影響の範囲(件数や対象者)が確定したか
- アソビュー!の件で、京都市の施設の利用者について流出した項目が示されたか
- 京セラ美術館メンバーシップの会員のメールアドレスについて、調査の結果が示されたか
- 京都市を名乗る不審な電話やメールが実際に報告されたか
続報を追うときは、報道の見出しではなく、京都市のサイトに載る発表そのものを見てください。報道では2つの件がまとめて書かれたり、京都市の発表に無い項目が書かれたりすることがあります。家族や知人に伝えるときも、発表の日付と件数、含まれないと書かれた項目を、発表の言葉のまま伝えるのが確実です。
在宅で仕事をする人が気をつけること
在宅で仕事をする人の中には、美術館や観光施設のチケットを仕事用のアドレスで買ったり、取引先との打ち合わせのついでに施設を予約したりする人もいるでしょう。その場合、偽のメールは取引先からの請求書や発注のメールと同じ受信箱に届きます。仕事のメールと紛れやすいので、普段より慎重に扱ってください。
仕事のアドレスに届いた偽メールのリンクを開いて、端末がマルウエア(悪意のあるプログラム)に感染すると、取引先から預かったファイルや顧客の連絡先まで危険にさらすことがあります。個人情報の保護に関する法律の第16条では、個人情報データベース等を事業に使っている者を「個人情報取扱事業者」と定めています。フリーランスや個人事業主でも、取引先や顧客の名簿を仕事に使っていれば当たる場合があります。
同じ法律の第26条では、個人情報取扱事業者は、個人の権利や利益を害するおそれが大きい漏えい等が起きたとき、個人情報保護委員会に報告し、本人に通知しなければならないと定めています。どのような場合が当たるかは委員会の規則で決められており、扱う情報の種類や量で変わります。気になる人は、個人情報保護委員会の相談ダイヤル(03-6457-9849)で確かめると確実です。
今回の件は、委託先のさらに先の会社で起きました。自分の仕事でも、顧客への配送や一斉メールを外部のサービスに任せている人は、どの会社のサービスに、どの項目を登録しているかを見直す機会になります。使っていない古い名簿が残っていないか、管理画面のパスワードや多要素認証が設定されているかを確かめておくと、委託先で何か起きたときに影響の範囲をすぐに答えられます。小さな事業者がセキュリティ対策に使える補助金の考え方は、中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法で紹介しています。
アカウントを守る力を仕事に生かす
今回のように、事業の委託先や、チケット販売の運営事業者の委託先で起きた不正アクセスが、自治体の事業の参加者や施設の利用者に及ぶ例は、2026年の秋に入って続いています。自分で防げる範囲は限られていますが、心当たりのない連絡に反応しない、パスワードを使い回さない、多要素認証を設定するという基本を押さえておけば、被害の多くは避けられます。
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた中で見えてきた傾向として、取引先から長く任される人ほど、預かった情報の扱い方や、お金に関わる連絡の確かめ方を最初に決めています。セキュリティの知識は、それ自体を仕事にすることもできます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
よくある質問
Q. 京都市の件で、クレジットカード番号や口座番号も漏れたのですか?
いきいきシニアポイント事業の件では、佐川急便によればクレジットカード情報、銀行口座情報、パスワードは含まれていないとされています。京セラ美術館と二条城の件でも、アララの発表によるとパスワードやクレジットカード情報は外部流出の対象に含まれていません。最新の情報は京都市のサイトの発表で確かめてください。
Q. いきいきシニアポイント事業に参加している人は全員が対象ですか?
京都市の発表では、対象はプレゼントの配送で佐川急便が取り扱ったプレゼント当選者の253件とされています。参加者全員とは書かれていません。京都市は漏えいした可能性のある全員に連絡するとしています。分からない場合は、保健福祉局 健康長寿企画課(075-222-3419)に問い合わせてください。
Q. 京セラ美術館や二条城のチケットは、今も予約できますか?
京都市の発表では、アララメッセージのサービスは停止されているものの、京セラ美術館のARTPASS、二条城のアソビュー!を使ったチケットの予約はできると書かれています。予約の内容は、メールのリンクからではなく、公式サイトやアプリを自分で開いて確かめると安全です。
Q. 京都市を名乗る電話でお金の話をされたらどうすればいいですか?
その場で支払いや個人情報の回答をせず、いったん電話を切ってください。京都市のサイトに載っている担当課の番号に自分でかけ直し、本当の連絡かを確かめます。お金を払ってしまった、カード番号を伝えてしまったときは、すぐにカード会社や銀行に連絡し、警察の相談専用電話#9110にも相談してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事

JR九州の分譲マンションのメールマガジン 漏洩の可能性|アララへの不正アクセス 最大約13,000件 2026

イープラスの再びの不正アクセス|ポルノ超特急2021のFESアプリ 3,571件 氏名・電話番号・メールアドレス 2026

三井住友海上の不正アクセスと情報漏えい|ご契約者さま専用ページ 約3.7万件 保険証券番号・住所・電話番号 2026

大阪市プレミアム付商品券2026のメールアドレス漏えいの可能性|アララ経由 件数は確認中 2026

損保ジャパンの情報漏えいの可能性|委託先PremierNet2への不正アクセス 自動車保険 約6.5万件 2026

ダスキンのメールアドレス漏洩|会員サイトDDuet 657,886件 アララのrepica経由 確かめること 2026

鹿児島銀行「Payどん」のメールアドレス漏えい|委託先アララ経由 最大257,639件 氏名・口座情報は含まれず 2026

筑波銀行のカードローン顧客の情報漏えい|保証会社SMBCコンシューマーファイナンスへの不正アクセス 件数は確認中 2026
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方