KDPで電子書籍を出版する手順と、登録から販売までの流れ


この記事のポイント
- ✓価格とロイヤリティの決め方
- ✓支払いと確定申告まで順番に解説します
- ✓初心者がつまずきやすい点と注意点も整理しました
KDP出版に興味はあるものの、アカウントの作り方、原稿の形式、価格の決め方、税務情報の入力など、どこから手を付ければよいのか分からずに止まっている人は多いはずです。この記事では、Amazonの電子書籍を個人で出す仕組みであるKDP(Kindleダイレクト・パブリッシング)について、登録から販売開始、売上の受け取りまでを1本の流れとして整理します。
結論を先に書くと、KDPで本を出すこと自体は無料で、作業も1冊あたり数時間から数日で終わります。ただし、出版の手続きよりも時間がかかるのは「誰に向けた本か」を決めることと、原稿を電子書籍の形に整えることです。手続きの順番を先に頭に入れておけば、途中で迷う時間を大きく減らせます。
KDP出版とは何か、いまどんな人が使っているか
KDPは、Amazonが提供している電子書籍とペーパーバックの自費出版の仕組みです。出版社を通さずに、書いた人が自分で原稿と表紙を登録し、価格を決めて、Amazonの Kindle ストアで販売できます。登録や出版そのものに費用はかからず、売れた分に応じてロイヤリティ(売上のうち書いた人が受け取る取り分)が支払われます。
Amazonの公式サイトでは、KDPの特徴を次のように説明しています。
より多くの収益を: 米国、カナダ、英国、ドイツ、インド、フランス、イタリア、スペイン、日本、ブラジル、メキシコ、オーストラリアなど、多くの国で売り上げから最大 70% のロイヤリティを獲得できます。KDP セレクトに登録すると、Kindle Unlimited を通じてさらに収益を増やすことができます。 出典: kdp.amazon.co.jp
使っている人の顔ぶれは幅広く、小説や漫画の作家だけではありません。仕事で身につけた知識を整理した実用書、資格試験の勉強法、子育てや介護の記録、地域の歴史、趣味の解説書など、出版社の企画には乗りにくいけれど一定の読者がいる題材が多く出ています。副業として取り組む人のほかに、本業の専門家が名刺代わりに1冊出す使い方も目立ちます。
KDPのヘルプページの下部には、KDPセレクトに登録した著者に分配される基金の総額が毎月掲示されています。2026年8月分の表示は107.0億円でした。これは読み放題サービスで読まれたページ数に応じて分配されるお金の総額で、1人あたりの収入ではありません。それでも、個人が書いた本が読まれる市場が一定の大きさで動いていることは読み取れます。
一方で、出す人が多いぶん、出しただけで読まれる場所ではありません。検索で見つけてもらう工夫、題名と表紙で中身を伝える工夫、内容紹介で読む理由を示す工夫が要ります。手続きの説明に入る前に、この前提だけは押さえておいてください。
KDPで出版するメリットとデメリット
KDPを選ぶかどうかを決めるために、良い点と注意したい点を並べます。
メリット
1つ目は、初期費用がかからないことです。紙の自費出版では印刷代や在庫の保管が必要になりますが、電子書籍なら在庫はありません。ペーパーバックも注文ごとに印刷される仕組みのため、先に何百冊も刷る必要がありません。
2つ目は、価格と内容を自分で管理できることです。公式サイトにも「コンテンツを管理し、ご自身で希望小売価格を設定できます」とあり、出版後に誤字を直したり、価格を変えたりできます。価格の変更はおおむね24時間以内に反映されると案内されています。
3つ目は、Amazonという大きな売り場に並ぶことです。自分のサイトで売るのと違い、決済や配信の仕組みを自分で用意しなくて済みます。
4つ目は、ロイヤリティの割合が紙の商業出版より高めに設定できることです。電子書籍では35%と70%の2つから選べます(条件は後の節で説明します)。
デメリット
1つ目は、売れるかどうかが本人の工夫に大きく左右されることです。出版社の営業や書店の棚はありません。
2つ目は、原稿の整形、表紙、内容紹介、キーワードなど、本の中身以外の作業も全部自分で行うことです。外注すれば費用がかかります。
3つ目は、KDPセレクトに登録した場合、その期間中は電子書籍をAmazon以外で売れなくなることです。メリットと引き換えの制約なので、判断の材料は後の節で整理します。
4つ目は、税金の手続きです。売上は収入として扱われ、一定の額を超えると確定申告が必要になります。米国の税務情報の入力も避けて通れません。
出版から販売までの全体の流れ
KDPで1冊を出すまでの流れは、次の7つのステップに分かれます。
| ステップ | やること | 目安の時間 |
|---|---|---|
| 1 | アカウント作成、銀行口座と税務情報の登録 | 30分〜1時間 |
| 2 | 原稿を電子書籍の形式で用意する | 数日〜数週間 |
| 3 | 表紙を作る | 数時間〜数日 |
| 4 | 本の詳細情報を入力する | 1〜2時間 |
| 5 | 価格とロイヤリティを決める | 30分 |
| 6 | KDPセレクトに登録するか決める | 10分 |
| 7 | 出版の手続きをして審査を待つ | 最長72時間程度 |
時間の目安は、原稿がほぼ書き終わっている前提です。初めての人がいちばん時間を取られるのはステップ2の原稿の整形で、Wordで書いた文章が電子書籍の画面でどう見えるかを確かめながら直す作業に、思った以上の手間がかかります。
教育系の教材を作っている人からよく聞くつまずきに、「印刷して配るつもりで作った資料をそのまま電子書籍にしたら、スマートフォンでは表が崩れて読めなかった」というものがあります。紙の資料と電子書籍は、読む画面の大きさが違います。最初の1冊は、文章中心の構成にしておくと整形の手間を抑えられます。
ステップ1 アカウントを作り、銀行口座と税務情報を登録する
KDPのアカウントは、普段使っているAmazonのアカウントでサインインして作れます。Amazonのアカウントを持っていない場合は、KDPのサイトで「サインアップ」から新しく作ります。
サインインしたら、アカウントの詳細を入力します。公式ヘルプでは次の順番が案内されています。
- 事業の種類(個人または会社)を選ぶ
- 自分の姓名、または出版社の名前を入れる(ここにペンネームは入れない)
- 税務申告とロイヤリティの支払いに使う住所を入れる
- 保存する
ここでの注意点は、名前の欄に本名を入れることです。ペンネームで出版したい場合は、アカウントではなく本ごとの詳細情報の「著者」の欄に入れます。アカウントの名前は支払いと納税の書類に使われるので、銀行口座の名義と合わせておきます。
銀行口座の登録
ロイヤリティの受け取り方法は、口座への直接振り込み、電信送金、小切手などから選べます。公式ヘルプは直接振り込みを勧めており、「最低支払い金額の設定がなく、ロイヤリティの支払いを最も早く、最も安全に受け取れる支払い方法」と説明しています。日本の銀行口座を登録する場合も直接振り込みを選べば、少額でも受け取れます。口座の名義が銀行の記録と完全に一致しないと送金できないことがあるので、カタカナの表記まで確かめてから入力してください。
税務プロファイルの作成
KDPで新しく本を出すには、税務プロファイル(税金の手続きに使う本人の情報)を先に作る必要があります。Amazonは米国の会社なので、米国の税法に基づいて情報を集めています。アカウントの画面の「税務情報」から「税務プロファイルの作成」を選び、質問に答えていくと、米国外の人向けの書類(W-8と呼ばれる様式)が作られます。
公式ヘルプによれば、源泉徴収(支払いの時点で差し引かれる税金)の既定の税率は30%で、居住国が米国と租税条約を結んでいる場合は軽減の対象になる可能性があります。日本は米国と租税条約を結んでいるため、日本に住む人は入力の途中で条約の適用を申請する流れになります。納税者番号の欄で何を入れるかは画面の案内に従い、分からない場合は無理に進めず、ヘルプの「米国以外の出版者向けのヒント」を読んでから入力してください。作成した書類は署名した日から3年後の年末で期限切れになり、更新しないと既定の税率に戻る点も覚えておきます。
ステップ2 原稿を電子書籍の形式で用意する
KDPが受け付ける原稿の形式はいくつかあります。日本語の本でよく使われるのは次の3つです。
| 形式 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| Word(DOC/DOCX) | 文章中心の本を初めて出す人 | 複雑な書式は崩れることがある |
| EPUB | 専用のソフトで電子書籍を作れる人 | KDPの仕様を満たす必要がある |
| KPF(Kindle Createで作る形式) | 漫画を出す人 | 日本語の文章の本には使えない |
公式ヘルプには、Kindle Createについて「日本語のリフロー型の本およびプリント・レプリカの本はサポートされていません。(マンガ形式は日本語でご利用いただけます。)」と書かれています。リフロー型とは、読む人の画面の大きさや文字の大きさに合わせて、文章が自動で折り返される形式のことです。小説や実用書の大半はこの形式なので、日本語の文章の本はWordかEPUBで用意するのが現実的です。PDFも受け付けていますが、対応している言語は英語やフランス語などに限られ、日本語は含まれていません。
Wordで原稿を整えるときのポイント
Wordで書く場合は、見た目を手で調整するのではなく、「スタイル」の機能を使って見出しと本文を区別します。章の見出しに「見出し1」、節の見出しに「見出し2」を当てておくと、目次を作りやすく、電子書籍に変換したときの崩れも少なくなります。
避けたほうがよいのは、空白や改行を連打して位置を合わせること、文字を図形の中に入れること、表を複雑に結合することです。紙では整って見えても、電子書籍の画面では位置がずれます。改ページを入れたい場所には、Wordの「改ページ」を使います。
必ずプレビューで確かめる
原稿ができたら、KDPが無料で配っている確認用のソフト「Kindle Previewer」で、スマートフォン、タブレット、電子書籍リーダーのそれぞれでどう見えるかを確かめます。縦書きか横書きか、ルビ(ふりがな)、画像の大きさ、目次から各章へ飛べるかを1つずつ見ていきます。
教材を作り慣れた人ほど、ここで「画面共有で見せる資料」と「読む人が自分で操作する本」の違いに気づきます。自分の画面では読めても、文字を大きくして読む人の端末では、表の右端が切れることがあります。表は列を3つ程度に抑えるか、文章に置き換えると安全です。
ステップ3 表紙を作る
表紙は、Amazonの検索結果や商品ページに並んだときに、読む前の人が目にする唯一の情報です。中身がよくても、表紙で題材が伝わらなければ選ばれません。
公式ヘルプにある電子書籍の表紙の主な条件は次のとおりです。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| ファイル形式 | JPEG または TIFF |
| 推奨の大きさ | 高さ2,560ピクセル、幅1,600ピクセル |
| 最小の大きさ | 高さ1,000ピクセル、幅625ピクセル |
| 縦横の比率 | 高さが幅の1.6倍以上 |
| ファイルの容量 | 50MB未満 |
| 色の形式 | RGB |
背景が白やごく薄い色の場合は、商品ページの白い背景と区別がつかなくなるため、3〜4ピクセルの薄い灰色の枠を付けることが勧められています。
表紙を作るときは、スマートフォンの検索結果で表示される小さな大きさでも題名が読めるかを確かめます。題名の文字を大きく、色数を絞り、写真やイラストは1つの要素に絞ると、小さく表示されても内容が伝わります。表紙に使う写真や素材は、商用で使ってよい権利があるものに限ります。KDPのコンテンツガイドラインも、表紙画像の内容に必要な権利を持っていることを求めています。
自分で作るのが難しい場合は、デザイナーに依頼する方法もあります。依頼するときは、上の寸法の条件と、題名、副題、著者名の文言をそろえて渡すと、やり取りが少なく済みます。デザインの仕事の報酬の目安はデザイナーの年収・単価相場で確認できます。単価の相場を知っておくと、見積もりが妥当かどうかを判断しやすくなります。
ステップ4 本の詳細情報を入力する
KDPの「本棚」から新しい電子書籍を作り、本の詳細情報を入力します。ここで入れる情報は、Amazonの検索と商品ページの表示に直接使われます。
題名と副題
題名は、読者が検索で使いそうな言葉と、本の中身が一目で分かる言葉を組み合わせます。副題は題名を補う欄なので、対象読者や得られることを短く書きます。題名に関係のない言葉を詰め込むと、メタデータのガイドラインに反するおそれがあります。
著者名
本名でもペンネームでも構いません。共著者や翻訳者、イラストレーターがいる場合は「著者等」の欄に入れます。
内容紹介
商品ページで題名と表紙の次に読まれる部分です。「この本は誰のための本か」「読むと何ができるようになるか」「目次の概要」の順に書くと、読む人が自分に関係あるかを判断しやすくなります。誤字やおおげさな表現は信頼を下げるので、書いたら一晩置いて読み直します。
キーワードとカテゴリー
キーワードの欄は7つまで入れられます。題名に入っていない言葉で、読者が検索しそうなものを選びます。カテゴリーは本が並ぶ棚を決める項目で、内容に合うものを選びます。売れやすそうな棚を選んでも、中身が合っていなければ読者の評価が下がります。
ISBNは電子書籍なら不要
ISBN(書籍を識別するための国際的な番号)は、電子書籍では入力を省略できます。省略すると、Amazonが独自の番号を割り当てます。ペーパーバックとハードカバーには形式ごとにISBNが必要で、KDPが無料で割り当てる方法と、自分で取得したものを使う方法があります。
AIで作った内容がある場合
AIの使い方にも決まりがあります。KDPのコンテンツガイドラインでは、AIのツールで作った文章、画像、翻訳がある場合は、出版のときに申告する必要があります。AIで作った文章をあとから大きく直した場合も、AIで作ったものとして扱われます。一方、自分で書いた文章の誤字の確認や言い回しの改善にAIを使った場合や、アイデア出しだけに使った場合は申告は不要とされています。表紙をAIの画像生成で作った場合も申告の対象です。
ステップ5 価格とロイヤリティを決める
電子書籍のロイヤリティは、本ごとに35%と70%のどちらかを選べます。それぞれの計算方法と条件を整理します。
35%と70%の違い
35%を選んだ場合は、税抜きの希望小売価格の35%が1冊ごとのロイヤリティになります。70%を選んだ場合は、税抜きの希望小売価格から配信コストを引いた額の70%になります。配信コストとは、本のデータを読者の端末に届けるための費用で、ファイルの大きさによって変わります。Amazon.co.jp では1MBあたり1円で、最低1円です。画像の多い本はファイルが大きくなり、配信コストも上がります。なお、日本での販売では10MB以上の本には配信コストがかかりません。
日本の読者に70%で売るにはKDPセレクトへの登録が必要
ここが初心者の見落としやすい点です。KDPの価格設定ページには、日本、インド、メキシコ、ブラジルの読者への販売で70%のロイヤリティが適用されるには、電子書籍がKDPセレクトに登録されていることが必要だと書かれています。登録していない場合や価格の条件を満たしていない場合は、35%が適用されます。
つまり、日本の読者に向けた本で70%を受け取りたいなら、価格を範囲内に収めることと、KDPセレクトに登録することの2つがそろって初めて条件を満たします。KDPセレクトに登録しない選択をする人は、日本の売上のロイヤリティは35%になると考えて価格を決めてください。
日本のAmazonでの価格の範囲
Amazon.co.jp で売るときの価格の範囲は、公式ヘルプで次のように決められています。日本の読者に売る電子書籍には10%の消費税がかかり、価格は税込みで設定します。
| ロイヤリティ | 最低価格(税込み) | 最高価格(税込み) |
|---|---|---|
| 35% | 99円 | 20,000円 |
| 70% | 250円 | 1,650円 |
つまり、70%を選びたいなら、税込みで250円から1,650円の間に価格を設定する必要があります。この範囲は2026年7月7日の変更で、米国のAmazonで上限が9.99ドルから12.99ドルに広がったのに合わせて、他の国でも同様に見直されたものです。古い記事に書かれている上限の数字は、現在の範囲と違うことがあります。
計算の例
税込み550円で売る場合、税抜きの価格は500円です。70%を選ぶと、ロイヤリティは配信コストを引いたうえで500円の70%なので、1冊あたり350円を少し下回る額になります。35%なら1冊あたり175円です。同じ価格なら70%のほうが取り分は2倍近くになりますが、日本の読者への販売では次の節で説明するKDPセレクトへの登録が条件になるので、価格と登録の判断はセットで考えます。
価格の決め方
価格は、同じ題材の本がいくらで売られているかを見て決めます。読み切りの短い実用書なら数百円、分量のある専門書なら1,000円を超える価格もあります。最初の1冊は、70%の範囲の下のほうで出して読まれる機会を増やし、レビューが集まってから見直す人もいます。価格はいつでも変更できます。
ステップ6 KDPセレクトに登録するか決める
KDPセレクトは、電子書籍を対象にした90日間の任意のプログラムです。登録すると、本は自動的に読み放題サービス「Kindle Unlimited」の対象になり、読まれたページ数に応じて基金から分配金を受け取れます。無料キャンペーンなどの販促も使えるようになります。
登録するときの条件
公式ヘルプでは、登録の条件として次のように書かれています。
また、Kindle 本を KDP セレクト登録期間において Kindle ストアの独占販売とする必要があります。90 日間の登録期間中、Kindle 本は KDP と公共の図書館でのみ販売可能です。ただし、印刷版、動画、音声、またはその他の形式の本は他の場所で引き続き販売可能です。 出典: kdp.amazon.co.jp
つまり、登録している間は、同じ電子書籍を楽天Koboや自分のサイトなどで売ることはできません。本の内容の10%までなら、無料の試し読みとして他の場所で公開してよいとされています。登録は90日ごとに自動で更新されるので、やめたい場合は自動更新のチェックを外しておきます。
登録したほうがよい人、しないほうがよい人
Amazonだけで売るつもりで、読み放題で読まれる機会を増やしたい人は、登録する利点が大きくなります。無名の著者の本は、買う前に読み放題で試される機会が入り口になりやすいからです。日本の読者への販売で70%のロイヤリティを受け取れるのも、登録している本だけです。
すでに他の電子書籍ストアで同じ本を売っている人や、自分のサイトで電子書籍を直接売りたい人は、登録しないほうが合います。その場合、日本の売上のロイヤリティは35%になる点を受け入れたうえで判断します。迷う場合は、最初の90日だけ登録して、読まれ方を見てから更新するか決める方法もあります。
なお、期間限定で値下げする「Kindle Countdown Deals」は、米国と英国のAmazonだけで使える販促で、日本のAmazonでは使えません。日本向けにKDPセレクトの販促を使う場合は、無料キャンペーンが中心になります。
ステップ7 出版の手続きをして審査を待つ
詳細情報、原稿と表紙、価格を入力し終えたら、「出版」のボタンを押します。ここから審査が始まり、問題がなければ販売が始まります。
公式ヘルプのタイムラインでは、出版の手続きを終えてからAmazonで販売されるまでに3営業日かかるとされ、電子書籍の詳細ページは72時間以内に表示されるとあります。日記やノートのように文章の少ない本は審査に3〜4週間かかる場合があり、問い合わせても早くはならないと書かれています。
| 内容 | 目安 |
|---|---|
| 電子書籍の詳細ページの表示 | 72時間以内 |
| 検索結果への表示 | 販売開始後72時間以内 |
| 試し読みの開始 | 7〜8営業日以内 |
| 価格の変更の反映 | 24時間以内 |
審査で差し戻されることもあります。多いのは、題名や内容紹介と本文の中身が合っていない、原稿に読めない部分がある、権利の確認が取れないといった理由です。差し戻しの連絡にはどこを直せばよいかが書かれているので、直してから再び出版の手続きをします。
販売が始まったら、自分の本の商品ページを開いて、表紙、題名、内容紹介、試し読みの表示を確かめます。紙の本と電子書籍の両方を出した場合、両者が同じ商品ページにまとまるまでには48時間から1週間ほどかかります。
販売を始めたあとにやること
出版はゴールではなく、ここから読者に届ける作業が始まります。
売上の確認
KDPの「レポート」から、日ごとの販売数と、読み放題で読まれたページ数を確認できます。月ごとのロイヤリティは翌月15日頃に確定し、売上のあった月の末日から約60日後に支払われます。たとえば4月に売れた分は、6月の末頃に振り込まれる計算です。
本の改善
レビューや読まれたページ数を見て、途中で読むのをやめられている箇所がないか考えます。誤字の修正や章の追加は、原稿を差し替えて出版し直すことで反映できます。原稿の更新は72時間以内に反映されると案内されています。
文章の質を上げたい場合
自分で書いた文章を出すとき、読者の評価を左右するのは誤字脱字の少なさです。表記ゆれや誤字のチェックを身につけたい人は、文章の正確さを見る力を測る校正技能検定の内容が参考になります。検定を受けなくても、出題範囲を知っておくと、自分の原稿を見直すときの観点が増えます。
確定申告
KDPのロイヤリティは収入として扱われます。会社員の場合、給与以外の所得の合計が年20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です。国税庁のタックスアンサーには、給与所得者で確定申告が必要な人の条件として、給与所得と退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える人が挙げられています(国税庁 No.1900)。20万円以下でも住民税の申告は別に必要になることがあるので、住んでいる市区町村に確認してください。売上から差し引ける経費(表紙の外注費、資料代など)の扱いや所得の区分は、事情によって変わるため、税務署か税理士に確かめます。
初心者がつまずきやすい点と、出版前の注意
ここまでの手順の中で、初めての人がつまずきやすい点を先回りして整理します。
他人の文章や画像を使う
ネットで見つけた画像、他の本の引用を大量に含む原稿、無料素材でも商用利用が認められていないイラストは、審査で止まるか、出版後に販売停止になる原因になります。引用する場合は、自分の文章が主で引用が従になる関係を守り、出典を明記します。
パブリックドメインの作品を出す
著作権の切れた作品をそのまま出す場合、70%のロイヤリティは選べず、35%だけになります。独自の翻訳や解説を大きく加えた場合は70%を選べることがあります。
文章の少ない本
ノート、日記帳、記入式の手帳のような本は、審査に時間がかかるうえ、検索で埋もれやすい分野です。初めての1冊には向きません。
題名と中身のずれ
検索で見つけてもらおうとして、中身にない言葉を題名や内容紹介に入れると、読者の期待と中身がずれ、低い評価につながります。メタデータのガイドラインにも反します。
1冊目で完璧を目指しすぎる
逆に、1冊目を完璧にしようとして、何か月も出版できない人もいます。電子書籍は出版後に直せるので、誤字や事実の誤りがない状態まで仕上げたら出してしまい、読者の反応を見て改善するほうが前に進めます。
初心者におすすめの題材の選び方
何を書くかで迷っている人のために、題材の選び方を整理します。
おすすめは、自分が数年かけて身につけたことで、始めたばかりの人がつまずく点を知っている分野です。仕事の段取り、資格試験の勉強の進め方、子どもの家庭学習の工夫、在宅で働くための準備などは、経験した人にしか書けない具体的な話が入れやすく、読者にとっての価値が分かりやすくなります。
オンラインで教える仕事をしている人からは、「授業で毎回説明している内容を1冊にまとめたら、生徒の予習用の教材にもなった」という話がよく聞かれます。何度も人に説明していることは、読者がつまずく点を知っている証拠です。
反対に、すでに大手の出版社から多く出ている題材を同じ切り口で書くと、比べられて埋もれやすくなります。対象を狭くして「誰のための本か」をはっきりさせるほうが、検索でも見つけてもらいやすくなります。
題材を決めたら、目次を先に作ります。章ごとに「この章を読むと何ができるようになるか」を1行で書けるかを確かめると、構成の弱い部分が見えます。
在宅で書く仕事の需要と、KDPとの組み合わせ方
最後に、在宅で働く人の仕事の流れの中で、KDPをどう位置づけるかを考えます。
KDPの売上は、出したその月から安定して入るものではありません。読まれるまでに時間がかかり、1冊あたりの収入は本によって大きく違います。そのため、生活費のすべてをKDPで賄うことを目標にするより、在宅で受ける執筆や編集の仕事と組み合わせて、書いた知識を本の形でも残すという考え方のほうが、続けやすくなります。
依頼を受けて書く仕事と、自分で本を出す仕事は、必要な力が重なります。読み手を決める、構成を立てる、分かりやすく書く、誤字をなくす、の4つです。どちらか一方で身につけた力は、もう一方でも使えます。
20年この市場を見てきた立場から言えば、長く在宅で書く仕事を続けている人ほど、受けた仕事で得た知見を自分の名前の成果物に変える習慣を持っています。KDPで出した1冊が、そのまま仕事の実績として相手に見せられる資料になり、依頼主との話が早く進むこともあります。仲介を挟まずに依頼主と直接やり取りできる場では、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなり、依頼主も同じ金額でより多くを頼めます。本を出した経験は、その直接のやり取りの中で信頼を得る材料になります。
在宅でできる仕事の全体像を知りたい人は、在宅でできる仕事おすすめ【2026年版】|スキル別ランキングで、スキル別に仕事の種類を確認できます。Kindle出版を副業として続けるための計画の立て方は、Kindle出版で副業収入を作る方法|月5万円を目指すロードマップ【2026年版】で、出版後の販促まで含めて解説しています。
また、本の中身を作るうえで、文章の誤りを減らす力は読者の評価に直結します。原稿の見直しの観点を増やしたい人は、校正技能検定の出題範囲から、表記の統一や誤字の見つけ方を学べます。表紙を外注するか自分で作るかを決めるときは、デザイナーの年収・単価相場で依頼の相場をつかんでから判断すると、予算の見通しが立ちます。
よくある質問
Q. KDPで出版するのに費用はかかりますか?
KDPのアカウント作成と電子書籍の出版に費用はかかりません。売れた分に応じてロイヤリティが支払われる仕組みです。ただし、表紙のデザインや原稿の校正を外注する場合はその費用が自己負担になります。ペーパーバックは注文ごとに印刷され、印刷コストは販売価格から差し引かれます。
Q. 70%のロイヤリティを選ぶ条件は何ですか?
日本の読者に売る場合は、税込み250円から1,650円の価格に設定し、さらにKDPセレクトに登録している必要があります。ロイヤリティは税抜きの価格から配信コストを引いた額の70%です。著作権の切れた作品をそのまま出す場合は35%しか選べません。条件は改定されることがあるので、出版前に公式ヘルプで確かめてください。
Q. KDPセレクトには登録したほうがよいですか?
Amazonだけで売るつもりなら、読み放題で読まれる機会が増え、日本の読者への販売で70%のロイヤリティも選べるため、登録する利点があります。ただし90日間はAmazon以外で同じ電子書籍を売れません。他のストアや自分のサイトでも売りたい人は登録しないほうが合います。最初の90日だけ試して判断する方法もあります。
Q. 会社員がKDPで収入を得たら確定申告は必要ですか?
給与以外の所得の合計が年20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です。所得は売上から経費を引いた額で考えます。20万円以下でも住民税の申告が別に必要になることがあるため、住んでいる市区町村に確認してください。会社の副業の決まりも事前に確かめておくと安心です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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