イラストが売れるアプリの選び方とスマホから出品する流れ

@SOHO編集部
@SOHO編集部
イラストが売れるアプリの選び方とスマホから出品する流れ

この記事のポイント

  • ✓イラストが売れるアプリを
  • ✓グッズ・LINEスタンプ・依頼の受付・素材・データ販売の5つの売り方に分けて
  • ✓SUZURI・LINEスタンプメーカー・ココナラなどの手数料と仕組みを公式の案内で整理しました

スマホやタブレットでイラストを描いている人の中には、描きためた作品を売ってみたいと考え、イラストが売れるアプリを探している人も多いはずです。ところが、調べてみると、グッズにして売るアプリ、LINEスタンプにするアプリ、イラストの依頼を受けるアプリなど種類が多く、どれが自分に合うのか分かりにくくなります。

イラストが売れるアプリは、「何の形で売るか」で選ぶのが近道です。同じイラストでも、Tシャツやステッカーにして売るのか、スタンプにして売るのか、描く腕前を売るのかで、向いているアプリも、手数料の仕組みも、必要な準備も変わります。この記事では、イラストを売る5つの形ごとに、代表的なアプリの仕組みを公式の案内で整理し、スマホから出品する流れ、売れるイラストの条件、著作権と生成AIの注意点までを順に説明します。

イラストを売る形は5つある

イラストを売るアプリを選ぶ前に、まず「イラストをどんな形で売るか」を決めます。売る形は大きく5つに分かれます。

売る形 売るもの 代表的なアプリやサービス 向いている人
グッズにして売る Tシャツ、ステッカー、スマホケースなど SUZURI 1枚の絵をいろいろな商品にしたい人
スタンプにして売る LINEのスタンプや絵文字 LINEスタンプメーカー、LINE Creators Market キャラクターの表情を描くのが得意な人
依頼を受けて描く アイコン、挿絵、似顔絵など ココナラ、SKIMAなど 注文に合わせて描ける人
素材として売る ウェブや資料に使われるイラスト素材 Adobe Stock、PIXTAなど 使い道を考えた絵を量産できる人
データや作品集を売る 画像データ、イラスト集、ブラシ素材 BOOTH、ネットショップなど すでに作品を見てくれる人がいる人

この中で、絵を描いたあとの作業が少なく、スマホから始めやすいのは、グッズにして売る形と、スタンプにして売る形です。商品の製作や発送をサービスが引き受けてくれるので、在庫を抱える心配もありません。

依頼を受けて描く形は、1件あたりの報酬が大きくなりやすい反面、お客様とのやりとりや、締め切りを守る責任が生まれます。素材として売る形は、1枚あたりの報酬は小さくても、売れ続ければ同じ絵から何度も報酬が入ります。

どの形が正解ということはありません。自分の絵柄や、使える時間、お客様とやりとりすることへの向き不向きで選びます。最初は1つの形で始め、慣れてから別の形を組み合わせていく進め方が無理なく続けられます。

グッズにして売るアプリ

イラストをTシャツやステッカー、スマホケースなどのグッズにして売る形は、絵を描いたら画像をアップロードするだけで販売を始められる手軽さがあります。代表的なサービスがSUZURIです。

SUZURIの公式ヘルプによると、会員登録のあと画像をアップロードするだけでアイテムがつくれ、注文が入るとSUZURIがアイテムを製作して購入者に発送します。アイテムを販売する際にクリエイターが負担する手数料はないと案内されています。

作り手の取り分は「トリブン」と呼ばれます。公式ヘルプでは、各アイテムに原価が示されていて、トリブンを設定すると「原価+トリブン」が販売価格になり、トリブンは最大5,000円まで設定できると説明されています。発生したトリブンはすべてクリエイターに振り込まれ、振り込みの際には振込手数料がかかります。

トリブンを高くすれば1点あたりの取り分は増えますが、販売価格も上がります。ネットショップ作成サービスの運営会社の解説でも、次のように書かれています。

トリブンは5,000円まで自由に設定できますが、あまりに高いと購入されないため、実際グッズが売れるごとに入ってくるお金は数百~数千円程度になるでしょう。 出典: shop-pro.jp

グッズで売るときの強みは、1つのイラストから複数の商品を作れることです。同じ絵をTシャツ、マグカップ、ステッカーに展開すれば、買う人が好みの形を選べます。反対に、グッズは商品の形に合わせて絵を調整する必要があります。Tシャツの胸元に入れる絵と、スマホケースの全面に入れる絵では、向いている構図が違います。SUZURIは、作れるアイテムと推奨する画像の大きさを案内しているので、アップロードの前に確かめます。

SUZURIは、スマホのアプリも用意しています(SUZURIのトップページからアプリのダウンロードの案内に進めます)。スマホで描いた絵を、そのままアプリから商品にできるのは、スマホで描く人にとって大きな利点です。

LINEスタンプにして売るアプリ

キャラクターの表情や動きを描くのが得意な人には、LINEスタンプにして売る形が向いています。LINEは日本で多くの人が使っている連絡のアプリなので、スタンプの買い手が身近にいる点が特徴です。

LINEスタンプを作って売る方法は、2つあります。1つは、スマホのアプリ「LINEスタンプメーカー」で作る方法です。公式の案内では、写真や動画、イラストを使ってスマホでスタンプを作り、審査をリクエストすると、審査は約2日間(早くて数時間)で完了し、承認されるとLINEスタンプショップやLINE STOREで販売できると説明されています。詳しい使い方はLINEスタンプメーカーの案内ページで確かめられます。

もう1つは、パソコンからLINE Creators Marketに登録して、画像のデータを申請する方法です。こちらは、アニメーションのスタンプや絵文字、着せかえなど、作れるものの種類が広がります。

LINE Creators Marketのスタンプの制作ガイドラインによると、通常のスタンプは1セットあたり8個、16個、24個、32個、40個のいずれかで、1個あたりの画像の大きさは横370px×縦320pxまでと決められています。申請の前に、ガイドラインの画像の決まりを読んでおくと、審査で差し戻されることを防げます。

スタンプは、日常の会話でよく使う言葉(ありがとう、了解、おやすみなど)と表情の組み合わせが基本です。キャラクターの魅力に加えて、「使いやすさ」が売れ行きを左右します。描いたキャラクターが、どんな人の、どんな会話で使われるかを想像して、セリフと表情を決めます。

LINEスタンプは、審査を通れば誰でも販売できる手軽さがある一方、出品されているスタンプの数が非常に多く、何もしなければ見つけてもらえません。自分のSNSで紹介したり、特定の趣味や職業の人に向けたスタンプにしたりと、届ける相手を絞る工夫が必要になります。

イラストの依頼を受けるアプリ

自分の絵柄でアイコンや挿絵、似顔絵などを描いてほしいという依頼を受ける形は、描く力そのものを売る方法です。代表的なサービスには、ココナラやSKIMAなどがあります。

依頼を受ける形の流れは、おおむね次のとおりです。

  1. 出品ページを作る。描けるもの、料金、納品までの日数、修正の回数、使ってよい範囲を書く
  2. 見本の絵を載せる。自分の絵柄が分かる作品を数点そろえる
  3. 依頼を受ける。依頼者から、描いてほしい内容や参考の資料を受け取る
  4. ラフを見せる。下描きの段階で、構図や表情を依頼者に確かめてもらう
  5. 仕上げて納品する。修正の依頼があれば、決めた回数の範囲で直す
  6. 取引を完了する。サービスを通じて報酬が支払われる

手数料はサービスによって違います。ココナラの公式ヘルプでは、サービスを販売したとき、取引の完了時に販売時の手数料として22%(消費税を含む)がかかると案内されています。依頼を受ける形のサービスは、取引の安全を守る仕組み(代金の預かりなど)を提供する代わりに、手数料を差し引くのが一般的です。料金を決めるときは、手数料を差し引いた手取りで考えます。

依頼を受ける形で大切なのは、「使ってよい範囲」をはっきり書くことです。個人のSNSのアイコンとして使うのか、お店のロゴや商品のパッケージに使うのかで、絵の価値は大きく変わります。個人で使う場合と、商用で使う場合の料金を分けておくと、依頼者との行き違いを防げます。

スマホで描いている人も、依頼を受けることはできます。ただし、依頼によっては、印刷に使える大きさのデータや、背景を透明にしたデータを求められることがあります。自分のアプリでどんな形式のデータを書き出せるかを、出品の前に確かめておきます。

素材として売るアプリ

ウェブサイトや資料、広告に使われるイラストの素材を売る形もあります。写真の素材を売るストックフォトと同じ仕組みで、イラストを登録しておき、購入されるたびに報酬が入ります。

たとえば、Adobe Stockは、報酬の内訳のページで、写真、ベクター、イラストのロイヤリティを33%と示しています。ロイヤリティとは、作品が使われるたびに作者に支払われる報酬のことです。国内のPIXTAもイラストの素材を扱っており、日本の会社の資料やチラシで使われやすい絵柄が求められます。

素材として売れやすいイラストには、次のような特徴があります。

  • 使い道がはっきりしている。季節の行事、ビジネスの場面、生活の場面、医療や介護の場面など
  • 背景がない、または単純。資料やウェブサイトに組み込みやすい
  • 文字が入っていない。購入者が自分で文字を加えられる
  • 同じ絵柄でそろえたシリーズになっている。資料全体で絵柄を統一したい購入者に選ばれやすい

素材として売る形は、キャラクターの魅力よりも、使う人の目的に合った絵が求められます。自分の好きな絵を描くというより、「誰かの資料を作る手伝いをする」という気持ちで描く人に向いています。

素材のサービスの多くは、作品の登録や管理をパソコンのブラウザで行う前提になっています。スマホで描いた絵を登録する場合も、登録の作業はパソコンで行うと進めやすくなります。

データや作品集を売るサービス

すでにSNSで自分の絵を見てくれる人がいる場合は、画像のデータやイラスト集、自分で作ったブラシの素材などを、自分のショップで売る形もあります。

代表的なサービスの1つがBOOTHです。BOOTHは、pixivが運営する創作物の販売サービスで、イラスト集や画像データのダウンロード販売、グッズの販売などができます。BOOTHのガイドでは、サービス利用料は5.6%+45円で、ダウンロード販売の場合は商品価格に対してかかると案内されています。

自分のショップで売る形の利点は、値段や売り方を自分で決められることです。反対に、ショップに人を連れてくるのは自分の役目です。SNSで作品を発信し、作品を気に入ってくれた人に向けてショップを紹介する、という流れが基本になります。

データを売るときは、買った人が使ってよい範囲を商品の説明に必ず書きます。個人で楽しむためだけか、SNSのアイコンや配信の背景に使ってよいか、商用で使ってよいかなどです。範囲を書いておかないと、思わぬ使われ方をして困ることがあります。

データを売るときは、同じデータが勝手に配られる心配もあります。完全に防ぐ方法はありませんが、購入者に渡すデータの大きさを用途に合わせて決める、作品の説明に再配布を禁じる旨を書く、といった対策で、行き違いを減らせます。

アプリの選び方の目安

ここまでの5つの形を、自分に合うかどうかで選ぶための目安を整理します。

こんな人 合いやすい形
描いたあとの作業を少なくしたい グッズにして売る
キャラクターの表情を描くのが得意 スタンプにして売る
お客様とやりとりしながら描くのが苦にならない 依頼を受けて描く
使い道を考えた絵をたくさん描ける 素材として売る
SNSで作品を見てくれる人がいる データや作品集を売る

アプリを選ぶときに、あわせて確かめておきたい点は次のとおりです。

  1. 手数料の仕組み。販売のたびに差し引かれる割合か、作り手が取り分を決める形か
  2. 報酬の受け取り方。いくら以上たまると振り込まれるか、振込の手数料はいくらか
  3. 使えるデータの形式。スマホのアプリで書き出せる形式に対応しているか
  4. 出品から販売開始までの手順。審査があるか、どのくらいの日数がかかるか
  5. 運営の状況。新しい出品を今も受け付けているか。紹介記事が古いと、すでに受付を止めているサービスが載っていることがある

5つ目は見落とされやすい点です。作品を売るサービスは、運営の方針の変更で新しい出品の受付を止めたり、手数料を改定したりすることがあります。アプリを選ぶときは、紹介記事だけで判断せず、各サービスの公式のお知らせを開いて、現在の状況を確かめます。

描く道具とデータの準備

イラストを売るときは、絵の出来だけでなく、売り先が求めるデータの形にそろえられるかが大切です。スマホやタブレットで描く人が、出品の前に確かめておきたい点を整理します。

まず、キャンバスの大きさです。画面で見るだけなら小さなキャンバスでも綺麗に見えますが、グッズに印刷したり、依頼者が大きな画面で使ったりすると、粗さが目立ちます。描き始める前に、売り先が推奨する画像の大きさを確かめ、それより大きめのキャンバスで描いておくと、あとから縮小して使えます。小さく描いた絵をあとから拡大すると、線がぼやけて元に戻せません。

次に、保存の形式です。背景を透明にしたい絵は、PNG形式で書き出します。JPEG形式は背景の透明を保てないので、グッズやスタンプには向きません。描画のアプリによっては、レイヤーを残した独自の形式で保存されるので、売り先に出すときは、決められた形式で書き出し直します。

3つ目は、色の扱いです。画面で見る色と、印刷された色は、同じにならないことがあります。特に、画面で鮮やかに見える蛍光色に近い色は、印刷するとくすんで見えやすくなります。グッズにする絵は、一度少量を自分用に注文して、実物の色を確かめておくと安心です。

4つ目は、元のデータの保存です。売り先に出したデータとは別に、レイヤーを残した元のデータを保存しておきます。依頼者から修正を頼まれたときや、同じ絵を別の商品に使うときに、元のデータがあると作業が大きく減ります。スマホの中だけに保存していると、機種変更や故障のときに失われることがあるので、別の場所にも保存しておきます。

スマホから出品するまでの流れ

ここでは、グッズにして売る形を例に、スマホで描いたイラストを出品するまでの流れを整理します。SUZURIの公式ヘルプが案内している手順をもとにしています。

  1. 絵を仕上げる。グッズに使う絵は、背景を透明にしたPNG形式で書き出すと、Tシャツなどの生地の色に合わせやすい
  2. 会員登録をする。アプリかウェブサイトから、作り手としてのアカウントを作る
  3. 画像をアップロードする。販売用のグッズの作成を選び、仕上げた絵をアップロードする
  4. 商品を選ぶ。プレビューの画面で、販売したいアイテムを選ぶ。プリントの位置を調整したい場合は、調整の画面で直す
  5. 名前と説明とトリブンを決める。検索で見つけてもらいたい言葉を、名前や説明に含める
  6. 権利の確認をして販売を始める。権利の侵害や規約の違反がないことを確かめて、販売を始める

スマホで描く人がつまずきやすいのは、画像の大きさです。スマホのアプリで描いた絵は、画面で見ると綺麗でも、グッズに印刷すると小さすぎてぼやけることがあります。描き始める前に、キャンバスの大きさを、出品するサービスが推奨する大きさに合わせておくと、あとで描き直す手間を防げます。

出品したら、自分のSNSで商品を紹介します。グッズを買う人は、絵を気に入ったから買う人が多いので、絵を描く過程や、商品の写真を見せると、購入につながりやすくなります。

値段の決め方

イラストを売り始めるときに、多くの人が迷うのが値段です。売る形ごとに、値段を決めるときの考え方を整理します。

グッズにして売る場合は、商品の原価に自分の取り分を加えた額が販売価格になります。取り分を高くすると1点あたりの収入は増えますが、同じような商品の中で値段が目立って高くなると、手に取ってもらいにくくなります。まずは同じ種類の商品の販売価格を見比べ、極端に高くならない範囲で取り分を決めます。売れ行きを見ながら、商品ごとに取り分を調整していくのが現実的です。

依頼を受けて描く場合は、1件にかかる時間から逆算します。下描き、色塗り、修正のやりとりまで含めて、1件に何時間かかるかを測り、その時間に見合う料金を決めます。手数料が差し引かれるサービスでは、手数料を引いたあとの手取りで計算します。修正の回数は、料金に含める回数を決めておき、それを超える場合の追加の料金も出品ページに書いておきます。

使ってよい範囲によって料金を変えることも大切です。個人のSNSのアイコンとして使う場合と、お店のロゴや商品のパッケージに使う場合とでは、絵がもたらす価値が違います。商用で使う場合は料金を別に設定し、出品ページにもその旨を書いておくと、依頼者も選びやすくなります。

最初の依頼を得るために、極端に安い料金で受けたくなるかもしれません。ただ、安い料金で受けると、依頼が増えるほど時間に追われ、1件あたりの丁寧さが落ちていきます。最初から続けられる料金を示し、そのかわりに見本の絵や、やりとりの丁寧さで選ばれるようにするほうが、長く続けやすくなります。

依頼を受けるときのやりとりと、行き違いを防ぐ決まり

依頼を受けて描く形では、絵の出来と同じくらい、依頼者とのやりとりが満足度を左右します。行き違いが起きやすい場面と、防ぐための決まりを整理します。

依頼を受けたら、描き始める前に次のことを確かめます。

  1. 何を描くか。人物か動物か、全身か顔だけか、背景は要るか
  2. 何に使うか。SNSのアイコン、配信の画面、印刷物、商品など
  3. 参考の資料。依頼者が持っている写真や、好みの雰囲気が分かる例
  4. 納品の形式と大きさ。PNGかJPEGか、縦横の大きさ、背景の透明の有無
  5. 納品の期日。依頼者がいつまでに必要としているか

確かめた内容は、依頼者に文章で送り返し、間違いがないかを確かめてもらいます。口頭や短いメッセージのやりとりだけで描き始めると、仕上がってから「思っていたのと違う」と言われる原因になります。

下描きの段階で一度見てもらうことも大切です。構図や表情は、色を塗る前なら直しやすく、色を塗ったあとでは直す手間が大きくなります。下描きを見せるときは、「この段階で構図と表情を決めます。色を塗ったあとは大きな構図の変更はできません」と伝えておくと、修正の範囲がはっきりします。

依頼者からの連絡には、できるだけ早く返事をします。すぐに作業に取りかかれない場合も、「受け取りました。○日までに下描きをお送りします」と一言返すだけで、依頼者の不安は小さくなります。

売れないときに見直すこと

イラストを出品しても、すぐには売れないことのほうが多いものです。しばらく売れない状態が続いたときに見直したい点を整理します。

1つ目は、見つけてもらえているかです。商品の名前や説明に、買う人が検索に使いそうな言葉が入っているかを確かめます。「かわいい猫のイラスト」より、「三毛猫が昼寝しているステッカー」のように具体的な言葉のほうが、探している人に届きやすくなります。

2つ目は、見せ方です。グッズの商品ページでは、絵だけでなく、実際に使っている場面が想像できる写真や説明があると、購入につながりやすくなります。依頼を受ける形では、見本の絵が自分の得意なものを代表しているかを見直します。

3つ目は、届ける相手です。誰に向けた絵なのかがはっきりしないと、どの人にも届きにくくなります。特定の動物が好きな人、特定の職業の人、特定の趣味の人など、相手を絞った作品を作ってみると、反応が変わることがあります。

4つ目は、発信の量です。作品を出品しただけで、SNSなどで知らせていない場合は、まず作品を見てもらう機会を作ります。描く過程や、完成した商品の写真を発信すると、作品に興味を持ってくれる人が少しずつ増えていきます。

見直しても売れない場合は、売る形そのものを変えてみる方法もあります。グッズで売れなかった絵柄が、スタンプでは使いやすいと好まれることもあります。

売れるイラストの条件

どの形で売る場合も、売れるイラストには共通する条件があります。

1つ目は、誰に向けた絵かがはっきりしていることです。猫が好きな人、特定の職業の人、特定の趣味を持つ人など、買う人の姿が思い浮かぶ絵は、その人たちに届きやすくなります。「誰にでも好かれる絵」を目指すと、かえって誰の心にも残らない絵になりがちです。

2つ目は、使う場面に合っていることです。グッズなら、身に着けたり持ち歩いたりして違和感のない絵か。スタンプなら、会話の中で使いやすい言葉と表情か。素材なら、資料やウェブサイトに組み込みやすいか。売る形によって、求められる絵の性格は変わります。

3つ目は、絵柄がそろっていることです。同じ絵柄の作品が並んでいると、作り手の世界観が伝わり、1つを気に入った人が別の作品も見てくれます。いろいろな絵柄を試すより、1つの絵柄で作品を重ねるほうが、ファンがつきやすくなります。

4つ目は、続けていることです。1つ出品しただけで売れることはまれです。作品を定期的に追加し、SNSで発信を続けることで、少しずつ見つけてもらえる機会が増えていきます。

自分の描いた絵を長く見続けていると、目が慣れて、どこがおかしいのか分からなくなることがあります。仕上げたあとに少し時間を置いてから見直したり、画面を左右反転して見たりすると、形の崩れに気づきやすくなります。

著作権と生成AIの注意点

イラストを売るときに、必ず守らなければならないのが著作権です。著作権とは、絵や文章、音楽などを作った人が持つ権利のことで、日本では著作権法で定められています。条文はe-Govの著作権法のページで確かめられます。

売ってはいけないイラストの例は、次のとおりです。

  • 漫画やアニメ、ゲームのキャラクターを描いた絵(いわゆる二次創作)。作品の権利者が販売を認めていない限り、販売は権利の侵害になるおそれがある
  • 実在の会社のロゴやブランドの名前を入れた絵
  • 他人の絵を参考にしすぎて、構図や表現がほぼ同じになった絵
  • 有名人の似顔絵を、本人の許可なく商品にしたもの

二次創作については、作品ごとに権利者がガイドラインを出していることがあります。販売を認める範囲が書かれている場合もあるので、販売を考えるときは、権利者の公式のガイドラインを読みます。ガイドラインがない場合や、販売を認める記載がない場合は、販売を控えるのが安全です。

生成AIで作った画像を売る場合も注意が要ります。文化庁は、生成AIと著作権の関係について、令和6年3月に「AIと著作権に関する考え方について」を取りまとめ、AIと著作権についてのページで紹介しています。生成AIで作った画像が、既存の作品と似ている場合には、権利の侵害になることがあります。

また、販売するサービスごとに、生成AIで作った画像の扱いが違います。受け付けないサービスもあれば、生成AIで作ったことを明記すれば受け付けるサービスもあります。生成AIの画像を出品する前に、各サービスの規約を必ず確かめます。

売上にかかる税金と、副業の決まり

イラストの販売で収入が得られるようになったら、税金のことも考えます。

会社員など給与を受け取っている人は、給与以外の所得が1年間で20万円を超えると、原則として確定申告が必要になります。所得とは、売上から、その売上を得るためにかかった費用(描くための道具やアプリの利用料など)を差し引いた金額のことです。条件は国税庁の給与所得者で確定申告が必要な人のページで確かめられます。20万円以下で所得税の確定申告が必要ない場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあるので、住んでいる市区町村の案内を確かめます。

依頼を受けて描く形では、依頼者が会社の場合、報酬から源泉徴収として税金が差し引かれることがあります。源泉徴収とは、支払う側が報酬から税金を差し引いて、代わりに国に納める仕組みのことです。差し引かれた税金は、確定申告をすることで、払いすぎた分が戻ってくることがあります。

会社員がイラストの販売を副業として始める場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているかを確かめておきます。

イラストの販売を仕事に広げる視点

イラストが売れるアプリは、グッズ、スタンプ、依頼、素材、データの5つの売り方で選び、売り方ごとの手数料と使ってよい範囲を確かめてから始める、というのがこの記事の要点でした。

フリーランスと在宅ワークの仲介を20年にわたって続けてきた運営者として見てきた限りでは、イラストの仕事で長く依頼が続く人は、絵のうまさだけでなく、依頼者が絵をどこでどう使うかを先に聞き、使う場面に合わせて構図や大きさを提案できる人です。依頼する会社と描く人が直接やりとりできる仕組みでは、こうした提案がそのまま次の依頼につながり、間に仲介の手数料が入らない分だけ、描く人の手取りも厚くなります。

アプリでの販売に慣れてきたら、会社のウェブサイトや広告のイラスト、資料の図解など、仕事としてイラストを描く道もあります。イラストやデザインの仕事の収入の目安は、デザイナーの年収・単価相場で職種ごとのデータとして確かめられます。

自宅で絵を描く時間を確保し、続けていくには、作業の集中を保つ工夫も大切です。細かい作業を長く続けるときの集中の保ち方は、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックで紹介しています。

よくある質問

Q. スマホで描いたイラストでも販売できますか?

販売できます。SUZURIのようにスマホのアプリからグッズを出品できるサービスや、LINEスタンプメーカーのようにスマホでスタンプを作って販売の審査をリクエストできるアプリがあります。ただし、グッズの印刷では画像の大きさが足りないとぼやけることがあるので、描き始める前に、出品するサービスが推奨する画像の大きさにキャンバスを合わせておきます。

Q. イラストをグッズにして売るのに費用はかかりますか?

SUZURIの公式ヘルプでは、アイテムを販売する際にクリエイターが負担する手数料はないと案内されています。商品の原価に、作り手の取り分であるトリブンを加えた額が販売価格になり、トリブンは最大5,000円まで設定できます。トリブンを振り込んでもらうときには振込手数料がかかります。

Q. 好きなアニメのキャラクターを描いたイラストを売ってもよいですか?

作品の権利者が販売を認めていない限り、販売は権利の侵害になるおそれがあります。作品ごとに権利者が二次創作のガイドラインを出していることがあるので、販売を考えるときは公式のガイドラインを読みます。ガイドラインがない場合や販売を認める記載がない場合は、販売を控えるのが安全です。

Q. 生成AIで作ったイラストもアプリで販売できますか?

サービスによって扱いが違います。受け付けないサービスもあれば、生成AIで作ったことを明記すれば受け付けるサービスもあるので、出品の前に各サービスの規約を確かめます。生成AIで作った画像が既存の作品と似ている場合は権利の侵害になることもあります。文化庁は生成AIと著作権の考え方を公式のページで紹介しています。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月1日最終更新:2026年10月16日
@SOHO編集部

この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却

M&A・事業売却

会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方