BraveとChromeの違いと、乗り換える前に確かめたい拡張機能と同期


この記事のポイント
- ✓BraveとChromeの違いを
- ✓広告とトラッカーの扱い
- ✓付いてくる機能に分けて比べました
BraveとChromeのどちらを使うか迷っている人に、最初に結論を書いておきます。Braveは、広告とトラッカーを最初から遮断し、Googleアカウントに頼らずに使えるブラウザです。Chromeは、Googleのサービスとの連携と、仕事の現場での動作の安定を重視するなら手堅い選択です。どちらも同じ Chromium という土台で作られているので、画面の見た目や基本の操作は大きく変わりません。
迷いどころになるのは、細かな機能の差より、乗り換えたあとに困らないかです。仕事で使っている拡張機能がそのまま動くか、ブックマークやパスワードを複数の端末でそろえられるか、取引先のWebサービスが問題なく表示されるか。この記事では、2つのブラウザの違いを5つの観点で比べたうえで、乗り換えの前に確かめたい拡張機能と同期の注意点、仕事で使うときに起きやすい問題、乗り換えの手順を順に整理します。内容は2026年10月時点の各社の公式の案内に基づいています。
共通点:どちらもChromiumを土台にしたブラウザ
違いを見る前に、共通点を押さえておきます。BraveとChromeは、どちらも Chromium というオープンソースのブラウザを土台に作られています。Chromiumとは、Googleが中心になって開発しているブラウザの基本の部分のことで、ソースコードが公開されているため、ほかの会社もこれを使って自社のブラウザを作れます。Brave自身の比較ページでも、次のように説明されています。
BraveもChromeも、オープンソースのChromiumブラウザをベースに構築されています(Edge、Opera、Vivaldiも同様)。 ですから見た目や機能性は似たものとなります。 出典: brave.com
土台が同じなので、Webサイトの表示のされ方はほぼ同じです。ブックマーク、タブ、履歴、パスワードの保存といった基本の機能も、どちらにもそろっています。Chromeのウェブストアにある拡張機能も、原則としてBraveに入れられます。
つまり、BraveとChromeの違いは「ブラウザとしての基本の性能」ではなく、「土台の上に何を足し、何を外しているか」にあります。以下では、その違いを5つの観点で見ていきます。
違い1:広告とトラッカーの扱い
最も大きな違いは、広告とトラッカーの扱いです。トラッカーとは、複数のWebサイトをまたいで利用者の行動を追いかけ、広告などに使うための仕組みのことです。
Braveには「シールド」という機能が最初から組み込まれています。Braveの機能の紹介ページでは、シールドは不快な広告、トラッカー、フィンガープリンティング、Cookieなどをブロックする保護機能と説明されています。フィンガープリンティングとは、ブラウザの設定や画面の大きさなどの情報を組み合わせて、利用者を見分けようとする手法のことです。シールドは初期の状態で有効になっていて、設定を変えずに使えます。
Chromeには、Braveのシールドのように広告をまとめて遮断する機能は標準では入っていません。広告を減らしたい場合は、拡張機能を入れて補う形になります。
この違いは、使い心地にも表れます。広告の多いサイトでは、Braveのほうが画面がすっきりし、読み込みも軽く感じられることが多いでしょう。一方で、広告やトラッカーを遮断することで、サイトによっては表示が崩れたり、ログインや決済の画面が正しく動かなかったりすることがあります。この点は、後の節で仕事への影響として詳しく説明します。
違い2:検索エンジンの初期設定
2つ目の違いは、最初に設定されている検索エンジンです。Chromeの初期設定はGoogle検索、Braveの初期設定は自社のBrave検索です。
ただし、これはあくまで初期設定です。どちらのブラウザも、設定から検索エンジンを変えられます。Braveを使いながら検索だけはGoogleにする、という使い方もできます。
検索エンジンを選ぶときに考えたいのは、検索の結果の質と、検索の履歴の扱いです。Brave側は、Brave検索は利用者の個人データを集めない作りだと説明しています。一方、Googleの検索は、Googleアカウントにログインしていれば、検索の履歴をもとに結果や広告がその人に合わせて調整されます。どちらがよいかは、検索の結果の使いやすさと、履歴を残したくないかどうかのどちらを重く見るかで変わります。
仕事で調べものが多い人は、まず両方の検索結果を1週間ほど比べてみるのが確実です。特に、日本語の地域の情報や、国内の制度についての検索で、欲しい結果が上位に出るかを確かめておくと、乗り換えたあとの不満が減ります。
違い3:同期の仕組み
3つ目の違いは、ブックマークやパスワードを複数の端末でそろえる「同期」の仕組みです。ここは、乗り換えの前に必ず理解しておきたい点です。
Chromeは、Googleアカウントでログインして同期します。Google Chrome ヘルプでは、Googleアカウントでログインすると、すべてのデバイスで同じブックマーク、パスワード、その他の設定を使え、デバイスが変わっても保存されたデータを以前と同じように使えると説明されています。新しいパソコンでもGoogleアカウントでログインするだけで、元の環境が戻ってくる手軽さが利点です。
Braveの同期は、アカウントを使わない「同期チェーン」という仕組みです。Braveのヘルプセンターによると、最初の端末で新しい同期チェーンを作ると、スマートフォンを加える場合はQRコード、パソコンを加える場合は24語の同期コードが表示されます。2台目の端末でそのコードを読み取るか入力すると、同じチェーンに加わり、データがそろいます。同期できるのは、ブックマーク、パスワード、自動入力の情報、履歴、開いているタブ、拡張機能、テーマなどです。
この仕組みには、注意したい点があります。同期コードは、そのチェーンに端末を加えるための鍵のようなものです。ヘルプセンターでも、コードは自分のチェーンに固有のものなので人に知られないようにするよう書かれています。また、Braveの同期にはGoogleアカウントのようなIDとパスワードがないため、「新しい端末でログインし直せば元に戻る」という形ではありません。同期コードの控えを安全に保管しておくことと、大切なブックマークを別にファイルとして書き出しておくことが、Chromeの同期より大切になります。
違い4:拡張機能
4つ目は拡張機能です。Braveの比較ページには、Chromeのウェブストアが扱う拡張機能は両方のブラウザで動作すると書かれています。Braveの機能の紹介ページでは、Chromeウェブストアにある拡張機能について、MV2に依存するものも含めて対応すると説明しています。
MV2とは、Manifest V2 という、拡張機能を作るための古い決まりのことです。Chromeは、新しい決まりである Manifest V3 に移っています。Chromeの開発者向けの案内によると、2025年7月24日のChrome 138で、すべての利用者に対してManifest V2の拡張機能が無効になりました。さらに2026年8月31日には、残りのManifest V2の拡張機能がすべてChromeウェブストアから削除されたとされています。
つまり、Chromeでは、Manifest V2で作られた古い拡張機能はもう使えません。広告の遮断の拡張機能の中には、Manifest V3への移行で機能が制限されたものもあります。Braveは、シールドの機能を自前で持っているため、広告の遮断を拡張機能に頼らずに済むという立場をとっています。
ただし、Chromeウェブストアから拡張機能が削除されたことで、Braveでもウェブストアから新しく入れられない拡張機能が出ている可能性があります。Manifest V2の特定の拡張機能を使い続けたい人は、Brave側の最新の案内で、その拡張機能が使えるかを確かめてから乗り換えを決めてください。
違い5:付いてくる機能
5つ目は、ブラウザに最初から付いてくる機能です。Braveの機能の紹介ページには、Chromeにはない機能が多く並んでいます。
| 機能 | Brave | Chrome |
|---|---|---|
| 広告とトラッカーの遮断 | シールドとして標準で搭載 | 標準では無し(拡張機能で補う) |
| VPN | 有料のサービスとして提供(月額$9.99または年額$99.99、7日間の無料体験あり) | 標準では無し |
| 暗号資産のウォレット | 自己保管型のウォレットを搭載 | 標準では無し |
| 広告を見て暗号資産を受け取る仕組み | Braveリワードとして提供 | 無し |
| AIのアシスタント | Brave Leo(無料、上位のPremiumあり) | Googleのサービスと連携した機能あり |
| 同期 | 同期チェーン(アカウント不要) | Googleアカウント |
VPNは、通信を暗号化して別の場所を経由させる仕組みのことです。Braveのファイアウォール + VPNは、公式サイトでドル建ての月額$9.99または年額$99.99と案内されています。円での支払額は、為替やカード会社の手数料で変わります。
機能が多いことは、必ずしも全員にとっての利点ではありません。暗号資産やVPNを使わない人にとっては、使わない機能が増えるだけです。正直なところ、ブラウザを選ぶ理由としては、付いてくる機能の数より、毎日の仕事で使う機能がきちんと動くかを優先したほうが後悔しません。
シークレットウィンドウとの違い
「Chromeでもシークレットウィンドウを使えば、閲覧の情報は残らないのでは」と考える人もいるかもしれません。ここは誤解の多いところです。
シークレットウィンドウ(Braveではプライベートウィンドウ)は、そのウィンドウを閉じたときに、閲覧の履歴やCookieを手元のパソコンに残さないための機能です。家族と共有しているパソコンで、閲覧の履歴を残したくないときには役に立ちます。
ただし、シークレットウィンドウを使っても、訪問したサイトの側や、そこに組み込まれたトラッカーが、閲覧中の行動を把握できなくなるわけではありません。Braveの比較ページでも、シークレットウィンドウはその時の閲覧のCookieを削除し、その後の閲覧と結びつけないようにするだけで、訪問するサイトのトラッカーには引き続き見られていると説明されています。
つまり、シークレットウィンドウは「自分のパソコンに残さない」ための機能で、Braveのシールドは「閲覧中にトラッカーに追われにくくする」ための機能です。目的が違うので、片方がもう片方の代わりになるわけではありません。
仕事で使う場合は、取引先の管理画面に別のアカウントでログインしたいときにシークレットウィンドウを使う、という使い方もよくあります。この用途なら、Chromeでも Brave でも同じように使えます。
スマートフォンでの違い
パソコンだけでなく、スマートフォンでもBraveとChromeは使えます。ただし、スマートフォンでは事情が少し違います。
Braveの比較ページによると、ChromiumはデスクトップとAndroidのブラウザの土台で、iPhoneやiPadでは、BraveもChromeもAppleのWebKitという仕組みを使っています。iPhoneでは、どちらのブラウザも表示の仕組みはSafariと同じものを使っているということです。そのため、iPhoneでの違いは、表示の仕組みではなく、広告の遮断や同期、使える機能の差になります。
スマートフォンでは、広告の多いサイトを見るときの通信量や電池の持ちが気になる人も多いでしょう。広告を遮断すると、読み込むデータが減るため、通信量の節約につながることがあります。ただ、どのくらい変わるかは、見るサイトや使い方で大きく違います。
パソコンとスマートフォンで同じブラウザを使うと、ブックマークや開いているタブを同期でそろえられます。パソコンだけを乗り換える場合は、スマートフォンとのブックマークの共有をどうするかも、あわせて考えておきましょう。
動作の軽さはどう判断するか
BraveとChromeを比べる記事では、「どちらが軽いか」がよく話題になります。Brave側は、広告やトラッカーを遮断することでメモリや処理の負担を減らせると説明しています。
ただ、動作の軽さは、パソコンの性能、開いているタブの数、入れている拡張機能、よく見るサイトの種類によって大きく変わります。広告の少ないサイトばかりを見ている人と、広告の多いニュースサイトをたくさん開く人とでは、体感の差も違います。他の人の計測の数字をそのまま自分に当てはめるのは難しいところです。
確実なのは、自分のパソコンで、いつもの仕事の使い方で比べてみることです。普段開いているタブの組み合わせを、BraveとChromeでそれぞれ開き、数日ずつ使って、動作の引っかかりやファンの音、電池の減り方を比べます。パソコンのアクティビティモニタやタスクマネージャで、メモリの使用量を見比べるのも1つの方法です。
体感で大きな差がなければ、軽さを理由に乗り換える必要はありません。その場合は、同期や拡張機能、仕事のサービスとの相性といった、ほかの観点で選ぶほうが合理的です。
比較の一覧表
ここまでの違いを1つの表に整理します。
| 比べる点 | Brave | Chrome |
|---|---|---|
| 土台 | Chromium | Chromium |
| 広告とトラッカー | 初期設定で遮断 | 遮断しない(拡張機能で補う) |
| 初期の検索エンジン | Brave検索(変更できる) | Google検索(変更できる) |
| 同期 | 同期チェーン。24語のコードかQRコード | Googleアカウントでログイン |
| 拡張機能 | Chromeウェブストアの拡張機能に対応 | Manifest V3の拡張機能のみ |
| 向いている人 | 広告を減らしたい人、Googleアカウントに頼りたくない人 | Googleのサービスを中心に使う人、会社の指定がある人 |
どちらが優れているかではなく、何を重視するかで選ぶものです。広告やトラッカーを減らしたい、Googleアカウントに閲覧の情報を集めたくない、という気持ちが強ければBrave。GmailやGoogleドライブ、Googleカレンダーを仕事の中心にしていて、新しい端末でもすぐに同じ環境を使いたいならChrome、というのが分かりやすい分け方です。
乗り換える前に確かめたい拡張機能
Chromeから乗り換えるときに、最初に確かめたいのは拡張機能です。仕事で使っている拡張機能が1つでも動かないと、作業が止まってしまいます。次の順に確かめておきましょう。
1つ目は、今使っている拡張機能の一覧を作ることです。Chromeの拡張機能の管理画面を開き、入っている拡張機能を書き出します。そのうえで、毎日使うもの、たまに使うもの、もう使っていないものに分けます。
2つ目は、毎日使う拡張機能をBraveに入れて動作を試すことです。パスワードの管理、翻訳、画面の録画、文章の校正など、仕事に直結する拡張機能は、実際の作業で1日使ってみて確かめます。
3つ目は、Braveのシールドと役割が重なる拡張機能を見直すことです。広告の遮断の拡張機能を入れていた場合、Braveではシールドが同じ役割を果たします。両方を有効にすると、サイトの表示が崩れる原因になることがあります。
4つ目は、会社や取引先から指定されている拡張機能です。社内のシステムに入るための拡張機能や、セキュリティのための拡張機能が、Braveでも同じように動くかを確かめます。会社の管理下のパソコンでは、使ってよいブラウザが決められていることもあるので、情報システムの担当者に確かめてから乗り換えてください。
乗り換える前に確かめたい同期
拡張機能の次に確かめたいのが同期です。特に、複数の端末を使っている人は注意が必要です。
まず、今Chromeで同期しているデータを確かめます。ブックマーク、パスワード、自動入力の情報、開いているタブなど、どれを使っているかを把握します。
次に、Braveの同期チェーンをどう管理するかを決めます。24語の同期コードは、紙に書いて安全な場所に保管するなど、人に見られない方法で控えておきます。パソコンを買い替える予定がある場合は、古いパソコンが手元にあるうちに、新しいパソコンを同期チェーンに加えておくと安心です。
パスワードは特に慎重に扱います。Braveにパスワードを移したあとも、しばらくはChromeのパスワードを削除せずに残しておき、仕事で使うサービスにすべてログインできるかを確かめてから整理します。別のパスワード管理のアプリを使っている人は、ブラウザの同期に頼らず、そのアプリの拡張機能を入れておけば、ブラウザを変えてもパスワードの管理は変わりません。
最後に、スマートフォンのブラウザをどうするかも考えておきます。パソコンだけBraveにして、スマートフォンはChromeのまま、という使い方をすると、ブックマークや開いているタブがそろわなくなります。両方をBraveにそろえるか、ブックマークだけは別の方法で管理するかを決めておきましょう。
仕事で使うときに起きやすい問題
Braveを仕事で使うときに起きやすいのは、シールドが原因で、サイトが正しく動かない問題です。
たとえば、取引先の管理画面でボタンが押せない、決済の画面が表示されない、Web会議のサービスで画面の共有がうまくいかない、埋め込まれた動画や地図が表示されない、といった症状です。シールドが、サイトの動作に必要な仕組みまで遮断してしまうことがあるためです。
こうしたときは、アドレスバーにあるシールドのボタンから、そのサイトだけ保護を弱めるか、シールドをオフにして表示を確かめます。シールドをオフにして正しく動くなら、原因はシールドです。よく使う取引先のサイトだけ、シールドの設定を調整しておくとよいでしょう。
もう1つは、会社のシステムがChromeを前提に作られている場合です。土台は同じChromiumでも、会社のシステムの動作の確認がChromeでしか行われていないことがあります。うまく動かない場合に、会社の担当者から「Chromeで試してください」と言われることも想定しておく必要があります。
こうした問題を避けるために、仕事の取引先や会社のシステムはChromeで、調べものや私用はBraveで、という使い分けをしている人もいます。
会社や取引先の決まりとの関係
会社員の副業や、企業から業務を受けている在宅の仕事では、使ってよいブラウザが決められていることがあります。会社が貸し出しているパソコンでは、情報システムの担当者がブラウザの設定を一括で管理していることも多く、個人の判断でブラウザを入れ替えると、社内の決まりに反するおそれがあります。
取引先から業務を受けている場合も、取引先の管理画面やファイルの共有のサービスを使うときのブラウザについて、決まりや推奨が示されていることがあります。業務委託の契約や、情報の取り扱いの取り決めの中に、使ってよい端末やソフトについての記載がないかを確かめておきましょう。
自分のパソコンで仕事をしている場合でも、取引先の情報を扱う作業については、拡張機能を最小限に絞り、身元の確かな拡張機能だけを使うのが安全です。Brave自身も、拡張機能は追加のソフトウェアなので、入れるたびに新しいリスクが生まれうると注意を促しています。これはChromeでも同じです。
ブラウザを乗り換える目的が「広告を減らしたい」「閲覧の情報を集められたくない」といった個人の都合であるなら、仕事の作業はこれまでのブラウザのまま、私用の閲覧だけを新しいブラウザに移す、という段階的な移り方も選べます。
乗り換えの手順
Chromeから Brave に乗り換える手順は、Braveの公式サイトで案内されています。
- Braveをダウンロードする
- インストーラーを実行する
- インストールが終わったら、Chromeからブラウザの設定をインポートする
インポートでは、ブックマーク、パスワード、閲覧の履歴などを移せます。拡張機能も含めて移せる場合がありますが、移したあとに1つずつ動作を確かめておきましょう。
乗り換えた直後は、Chromeをすぐに削除しないことをおすすめします。仕事のサービスのログインの状態や、拡張機能の設定は、ブラウザごとに保存されています。1週間ほどは両方を使える状態にしておき、問題がないことを確かめてから、普段使うブラウザをBraveに切り替えます。
既定のブラウザ(メールなどのリンクを開くときに使われるブラウザ)をBraveに変えるのは、最後の段階で十分です。
両方を使い分けるという選択
ここまで見てきたように、BraveとChromeは、どちらか一方に決めなければならないものではありません。仕事の現場では、両方を役割ごとに使い分けている人も多くいます。
よくある分け方は、次のようなものです。
・Googleのサービスや取引先の管理画面、会社のシステムはChromeで開く ・調べもの、ニュース、私用の閲覧はBraveで開く ・Web会議は、動作の確認がとれているほうのブラウザで開く
このように分けると、仕事の画面はChromeの安定した動作のまま使え、広告の多いサイトを見るときはBraveの軽さを生かせます。ブラウザを分けることで、仕事と私用の情報が混ざりにくくなるという利点もあります。
Braveリワードは冷静に考える
Braveの紹介の中で目を引くのが、Braveリワードです。Braveの公式サイトでは、Braveのプライベート広告の閲覧に同意すると、暗号資産のBAT(ベーシックアテンショントークン)でリワードを得られると説明されています。広告を表示しない設定にすることもでき、ブラウザそのものは無料で使えるとされています。
ただ、リワードを目当てにブラウザを選ぶのはおすすめしません。受け取れる量は利用の状況で変わり、暗号資産の価値も日々変わります。受け取りの条件や手続きは国や時期によって変わることもあります。暗号資産を受け取った場合の税金の扱いも、一般の収入とは別の注意が必要です。ブラウザは毎日の仕事の道具です。広告の遮断や同期の仕組みといった、本来の使い勝手で選ぶほうが、長く満足して使えます。
ブラウザのタブではなく、Webアプリを分けて並べたいとき
BraveやChromeを比べている人の中には、ブラウザそのものより、「Gmailやチャットなど毎日使うWebサービスを、タブの山から切り離したい」という悩みを持っている人もいるはずです。複数の取引先のアカウントを同時に開きたい、という人もいるでしょう。
そうした使い方を考えている人には、Mac向けのSpaceDeckという選択肢もあります。公式サイトによると、SpaceDeckは毎日使うWebアプリを1つの画面に集めて使うためのmacOSのアプリで、アプリごとに専用のCookieの入れ物を持つため、同じサービスの複数のアカウントにログインしたまま切り替えられます。すべてのアプリの通知を1か所にまとめる機能や、Chrome、Brave、Vivaldiなどのブラウザからブックマークをフォルダの構成ごと取り込む機能もあります。無料版はワークスペース1つ、アプリ3つまでで、14日間はすべての機能を試せます。上限のないProは公式サイトの表示で月額980円、年額8,800円、買い切り19,800円です。
SpaceDeckは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
BraveやChromeは調べものや一般の閲覧に、毎日使う仕事のWebサービスはSpaceDeckに、というように役割を分ける使い方もできます。
ブラウザ選びも、仕事の段取りの一部
在宅で仕事をしていると、ブラウザは1日の大半を過ごす仕事場になります。どのブラウザを選ぶかは好みの問題に見えますが、実際には、取引先のサービスがきちんと動くか、パスワードや資料を安全に管理できるか、という仕事の段取りそのものに関わっています。
20年この市場を見てきた立場から言えば、長く仕事が続く人ほど、こうした道具の選び方を「流行」ではなく「仕事が止まらないか」で決めています。新しい道具を試すときも、元の環境を残したまま少しずつ移す。地味ですが、この慎重さが、締め切り前のトラブルを防ぎます。とくに、仲介の手数料がかからない直接の取引では、こうした段取りの確かさがそのまま信頼になり、中間の手数料が乗らない分、受ける側の手取りも厚くなります。
ネットワークやセキュリティの仕組みを体系的に学びたい人には、CCNA(シスコ技術者認定)の資格ガイドが参考になります。セキュリティやマーケティングに関わる仕事の内容は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事でまとめています。ブラウザやWebアプリを作る仕事については、アプリケーション開発のお仕事が参考になります。道具やサービスを比べて選ぶときの考え方は、比較 メリットを最大化する意思決定術!賢いプラットフォーム選びでも整理しています。
よくある質問
Q. BraveでChromeの拡張機能は使えますか?
BraveとChromeはどちらもChromiumを土台にしているため、Chromeウェブストアの拡張機能を原則としてBraveに入れられます。ただし、まれに動作が異なることがあり、古い仕組み(Manifest V2)の拡張機能はChromeウェブストアから削除されています。仕事で欠かせない拡張機能は、乗り換える前にBraveで動作を確かめてください。
Q. Braveの同期にはアカウントが必要ですか?
必要ありません。Braveの同期は「同期チェーン」という仕組みで、最初の端末でチェーンを作り、2台目以降の端末でQRコードを読み取るか24語の同期コードを入力して加えます。コードは人に知られないように控えておきます。IDとパスワードでログインし直す仕組みではないため、大切なブックマークは別にファイルとして書き出しておくと安心です。
Q. Braveで取引先のサイトが正しく表示されないときはどうすればよいですか?
Braveのシールドが、サイトの動作に必要な仕組みまで遮断している可能性があります。アドレスバーのシールドのボタンから、そのサイトだけ保護を弱めるかオフにして、表示が直るかを確かめてください。会社のシステムがChromeを前提にしている場合は、そのサイトだけChromeで開く使い分けも現実的です。
Q. ChromeからBraveに乗り換えたら、Chromeは削除してよいですか?
乗り換えた直後は残しておくことをおすすめします。ログインの状態や拡張機能の設定はブラウザごとに保存されているため、1週間ほど両方を使える状態にして、仕事のサービスがすべてBraveで問題なく使えるかを確かめてから整理すると、締め切り前のトラブルを防げます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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