仕事用のブラウザを比べるときに見たい速さ・タブ管理・拡張機能

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
仕事用のブラウザを比べるときに見たい速さ・タブ管理・拡張機能

この記事のポイント

  • ✓仕事用のブラウザを比較するときに見たい項目を
  • ✓Chrome・Edge・Safari・Firefoxの公式の説明をもとに整理しました
  • ✓対応する端末の6つの観点と

仕事で使うブラウザを比較しようとすると、ベンチマークの点数やシェアのランキングが目に入ります。ただ、仕事の効率を左右するのは、数パーセントの表示速度の差より、たくさんのタブをどう整理できるか、取引先ごとのアカウントをどう分けられるか、使い慣れた拡張機能がそのまま動くか、といった日々の使い勝手です。

この記事では、Chrome、Edge、Safari、Firefoxの4つを中心に、仕事用のブラウザを比べるときに見たい6つの観点を、各社の公式の説明をもとに整理します。結論を先に書くと、会社が使っている道具(Google WorkspaceかMicrosoft 365か)と、使っているパソコン(WindowsかMacか)でほぼ候補は絞れます。そのうえで、タブの管理とアカウントの切り分けのしやすさで最後の1つを選ぶのが、失敗しにくい比べ方です。

ブラウザを比べる前に知っておきたい「土台」の違い

ブラウザには、見た目や機能の違いのほかに、ページを表示する仕組みそのものの違いがあります。ここを知っておくと、比較の情報を読むときに迷いが減ります。

Chromiumを土台にしたブラウザと、そうでないブラウザ

Chromiumとは、Googleが中心になって開発している、誰でも使えるブラウザの設計図のようなものです。Microsoftの開発者向けの資料(Microsoft Edge 拡張機能の概要)では、Microsoft Edge、Google Chrome、Opera、BraveがChromiumを土台にしたブラウザとして、Apple SafariとMozilla Firefoxがそうでないブラウザとして挙げられています。同じ資料には、Chromiumを土台にしたブラウザは同じ仕組みで拡張機能を作るので、1つの拡張機能を複数のブラウザで動かしやすいと書かれています。

この違いは、仕事では主に2つの場面で効いてきます。1つは拡張機能で、Chrome向けの拡張機能の多くはEdgeでも動きますが、SafariやFirefoxではそれぞれ専用のものを探すことになります。もう1つはページの表示で、社内の業務システムなどが特定のブラウザでの動作しか確かめていない場合、土台の違うブラウザでは表示が崩れることがあります。

表示の速さの比較は、参考程度に見る

インターネット上には、ブラウザの速さを測った比較が数多くあります。ただし、結果は測った日の版、パソコンの性能、拡張機能の数で入れ替わります。正直なところ、ベンチマークの順位で仕事のブラウザを選ぶ意味は大きくありません。毎日の体感を左右するのは、開いているタブの数と、そのタブをブラウザがどう休ませるかです。起動の速さや、ページを開いたときの待ち時間が気になる場合も、まずは拡張機能とタブを減らした状態で比べると、ブラウザそのものの差がどれくらいあるのかが見えてきます。

主要な4つのブラウザの特徴

まずは、それぞれのブラウザがどんな人に向いているのかを、特徴から押さえます。

Chrome

Googleが提供するブラウザで、Googleアカウントでブックマーク、履歴、パスワード、タブのグループなどを端末の間で同期できるのが大きな特徴です。プロファイルの機能で、仕事用と個人用など複数のアカウントの情報を分けて使えます。Gmail、Googleカレンダー、Googleドキュメントなど、Google Workspaceで仕事をしている人には自然な選択肢です。

Edge

Microsoftが提供するブラウザで、Chromeと同じChromiumを土台にしています。垂直タブ、ワークスペース、分割画面、PDFへの書き込み、AIのCopilotといった機能が標準で入っているのが特徴です。Windowsのパソコンには最初から入っていて、Microsoftの説明では、垂直タブなどの機能はMac版でも使えます。Outlook、Teams、Wordなど、Microsoft 365で仕事をしている人に向いています。

Safari

Appleが提供するブラウザで、Mac、iPhone、iPadに最初から入っています。Appleのサポートページでは、プロファイルで個人用と勤務先用の閲覧環境を分ける機能、タブグループ、サイト越えのトラッキングを防ぐ機能などが案内されています。Apple製品だけで仕事をしていて、iCloudで端末の間の情報をそろえたい人に向いています。

Firefox

Mozillaが提供するブラウザで、Windows、macOS、Linux、iOS、Androidで使えます。Mozillaの説明(Firefox の機能)では、サイトをまたいでCookieに追跡されないようにする総合的なCookie保護、タブグループ、1か所から複数のAIのチャットを選んで使える機能などが紹介されています。プライバシーを重視したい人や、特定の会社のサービスに縛られずに使いたい人に向いています。

観点1. 動作の軽さは「使っていないタブの休ませ方」で見る

ブラウザが重くなる主な原因は、開いたままのタブが使うメモリです。メモリとは、パソコンが作業中のデータを一時的に保存しておく場所のことで、足りなくなると動作が遅くなります。

Chromeには、使っていないタブを無効にしてメモリを節約するメモリセーバーがあります。Googleのヘルプによると、設定の「パフォーマンス」でオンにでき、タブを休ませる早さを「適度」「バランス重視(推奨)」「最大」から選べます。Edgeには、使っていないタブをスリープの状態にするスリープタブがあり、Microsoftの説明では、初期の設定で1時間操作のないタブがスリープになり、この時間は30秒から12時間の間で変えられます。

SafariとFirefoxについては、公式の説明でこうした細かい設定の項目は確かめられませんでした。どのブラウザでも共通して言えるのは、タブを開きすぎないこと、使わない拡張機能を止めることが、いちばん効く軽量化だという点です。メモリの少ないパソコンを使っている人ほど、タブを休ませる機能を細かく調整できるChromeやEdgeの利点が大きくなります。

観点2. タブの管理のしやすさ

タブを何十個も開いて仕事をする人にとって、タブの整理のしやすさは毎日の効率に直結します。4つのブラウザとも、タブをまとめる機能を持っていますが、得意なことが違います。

タブグループはどのブラウザにもある

Chromeでは、タブを右クリックして「タブをグループに追加」を選ぶと、色と名前の付いたグループを作れます。Googleのヘルプによると、閲覧履歴とタブを同期している場合、タブグループの変更はすべての端末の間で同期されます。Safariでも、タブバーのタブからタブグループを作れ、Appleのサポートページでは、Apple Intelligenceを使ってタブをトピックごとに自動でまとめる機能も案内されています(一部の言語や地域では使えないと注記があります)。Firefoxも、タブをプロジェクトやタスク別に整理するタブグループを紹介しています。

Edgeは画面の使い方の選択肢が多い

Edgeは、タブを画面の左側に縦に並べる垂直タブ、プロジェクトごとにタブをまとめて切り替えるワークスペース、1つのタブに2つのページを並べる分割画面を標準で持っています。タブの名前が省略されずに読める垂直タブは、タブの数が多い人ほど効果を感じやすい機能です。Chromeにも、1つのウィンドウで2つのサイトを並べる分割ビューが加わっています。

選び方の目安

タブを縦に並べたい、仕事ごとにタブの組み合わせを丸ごと切り替えたいならEdge。タブのまとまりを会社と自宅のパソコンで同じように使いたいならChrome。Apple製品の間でそろえたいならSafari。この分け方で考えると選びやすくなります。

観点3. 拡張機能の選びやすさ

拡張機能とは、ブラウザに後から機能を加える小さなプログラムのことで、パスワードの管理、広告のブロック、文章の校正、翻訳など、仕事に役立つものが数多くあります。

Chromium系は選択肢が広い

Chromeの拡張機能はChromeウェブストアから追加します。Microsoftのサポートページによると、EdgeでもChromeウェブストアを開いて拡張機能を追加でき、Chrome用に作られた拡張機能はEdgeでも使えると案内されています。つまり、ChromeとEdgeの間で乗り換えても、使い慣れた拡張機能をほぼそのまま持っていけます。

SafariとFirefoxは専用のものを使う

Safariの機能拡張は、Mac App Storeなどから入手します。Appleのサポートページには、Mac App Storeの機能拡張はAppleが審査したもので、自動でアップデートされるように設定できると書かれています。同じApple Accountでサインインしていれば、別のMacやiPhoneで入れた機能拡張を共有できる仕組みもあります。Firefoxには、独自のアドオンのストアがあります。

SafariやFirefoxに乗り換えるときは、いま使っている拡張機能に同じものがあるかを先に確かめておきます。パスワード管理のツールのように、主要なブラウザ向けにそれぞれ用意されているものも多いので、乗り換えの前に一覧を作って1つずつ確かめると安心です。

拡張機能は入れすぎない

拡張機能は便利な一方、閲覧しているページの内容を読み取れる権限を持つものもあります。仕事のパソコンでは、会社が許可したもの以外は入れない、使わなくなったものは削除する、という習慣を付けておきます。Appleのサポートページにも、閲覧の速度が遅くなる機能拡張をオンにすると警告が出ると書かれており、入れすぎは動作の重さにもつながります。

観点4. アカウントの切り分けのしやすさ

業務委託で複数の会社の仕事を受けている人や、会社の仕事と副業を同じパソコンでこなす人にとって、アカウントをどう分けられるかは重要な比較の観点です。

プロファイルで閲覧の環境を分ける

Chromeのプロファイルは、ブックマーク、履歴、パスワードなどの情報をプロファイルごとに分けて管理できる機能です。Googleのヘルプも、仕事用と個人用で別々のアカウントを使う場合に便利だと説明しています。Safariにもプロファイルがあり、Appleのサポートページでは、個人用の閲覧環境と勤務先用や学校用の閲覧環境を分けられると案内されています。

Safariのプロファイルについて、Appleは次のように説明しています。

作成したプロファイルのほかに、「個人用」(デフォルト)プロファイルが常に存在します。「個人用」プロファイルの名前、アイコン、カラーは変更することができます。 注記: iCloudキーチェーンで保存したパスワードは、作成したどのプロファイルでも使用できます。 出典: Safariユーザガイド 別個のブラウズプロファイルを作成する

この説明から分かるのは、Safariのプロファイルは閲覧の履歴やタブを分けられる一方、iCloudキーチェーンのパスワードはどのプロファイルからも使えるということです。取引先ごとにパスワードまで完全に分けたい人は、この点を知ったうえで使い方を決める必要があります。

プロファイルの切り替えの手間

プロファイルを分けると、情報が混ざらない代わりに、切り替えの手間が増えます。取引先が3社、4社と増えると、どのウィンドウがどのアカウントか分からなくなることもあります。プロファイルの名前と色をはっきり変えておく、取引先ごとに使うブラウザそのものを分ける、といった工夫で取り違えを防ぎます。

観点5. プライバシーと安全の機能

仕事のブラウザでは、危ないサイトや詐欺から守る機能と、閲覧の記録を追跡されにくくする機能の両方を見ておきます。

追跡を防ぐ機能

Safariには、サイト越えのトラッキングを防ぐ機能があり、Appleのサポートページによると、「Safari」の「設定」から「プライバシー」を開いて選べます。Webサイトにデバイスを見分けられにくくするために、システムの設定を簡略にした情報だけを伝える仕組みも説明されています。Firefoxは、総合的なCookie保護によって、1つのWebサイトでの活動がその中で完結し、同意なく追跡されないようにすると説明しています。

危ないサイトから守る機能

Chromeには、マルウェアやフィッシングなどから守るための警告を出すセーフブラウジングがあり、「保護強化機能」「標準保護機能」「保護なし」から保護のレベルを選べます。フィッシングとは、本物そっくりの偽のサイトに誘導して、パスワードやカード番号を入力させる詐欺のことです。Edgeでは、Microsoft Defender SmartScreenが、知られているフィッシングのサイトや悪意のあるダウンロードを見つけて止めると案内されています。

どのブラウザでも、守りの機能は初期の設定のまま、オンで使うのが基本です。警告が出たページは、取引先から届いたリンクであっても、すぐに開かずに送り主に確かめるようにします。

観点6. 対応している端末

最後に、使っている端末で動くかどうかを確かめます。

ブラウザ 主な対応端末 土台
Chrome Windows、Mac、Android、iPhone、iPadなど Chromium
Edge Windows、Macなど Chromium
Safari Mac、iPhone、iPad Chromium以外
Firefox Windows、Mac、Linux、iOS、Android Chromium以外

Safariは、Apple製品でしか使えません。WindowsのパソコンとiPhoneを組み合わせて使っている人が、パソコンとスマートフォンでブックマークやタブをそろえたいなら、両方で動くChromeやEdge、Firefoxが候補になります。

スマートフォンとの連携で見ること

移動中にスマートフォンで調べたページを、帰ってからパソコンで開き直したい。こうした場面では、端末の間でタブや履歴がそろうかどうかが使い勝手を左右します。Chromeは、Googleアカウントで閲覧履歴とタブを同期していれば、タブグループの変更もすべての端末の間で同期されるとGoogleのヘルプに書かれています。Safariは、同じApple Accountでサインインしていれば、別のMacやiPhone、iPadで入れた機能拡張を共有できる仕組みが案内されています。Appleのサポートページによると、プライベートブラウズで開いたページはiCloudに保存されず、ほかのApple製品のタブの一覧にも表示されません。

同期は便利な反面、仕事と個人の情報が同じアカウントに集まる原因にもなります。仕事用のアカウントで同期するのか、個人用のアカウントで同期するのかを最初に決め、プロファイルを分けて使うと、取引先の情報が家族と共有している端末に表示されるといった事故を防げます。

追加の観点. AIの機能

ここ数年で、ブラウザにAIの機能が組み込まれるようになりました。仕事での使い道が増えているので、比べる観点に加えておきます。

各ブラウザのAIの入口

EdgeにはMicrosoftのCopilotが組み込まれていて、Microsoftの説明では、開いているページの要約や質問への回答、複数のタブの内容を比べる機能が案内されています。Chromeでは、アドレスバーに「@gemini」と入力してTabキーかSpaceキーを押すと、GoogleのGeminiとのチャットに進めます。Googleのヘルプによると、回答はgemini.google.comに移動して得る形です。

Firefoxは、1か所から複数のAIのチャットを選んで使え、利用しないことも選べると説明しています。Safariでは、Apple Intelligenceによるタブのトピックごとの自動整理や、説明を入力して機能拡張を作る機能が案内されていますが、Appleのサポートページには、一部の言語や地域では使えないことがあると注記されています。

仕事でAIを使うときの注意

AIの機能は便利ですが、仕事で使うときは、入力した内容がどこに送られるのかを意識する必要があります。取引先から預かった資料や、顧客の個人情報を含むページを要約させる前に、会社や取引先のルールで認められているかを確かめてください。会社がMicrosoft 365やGoogle Workspaceの仕事向けの契約をしている場合は、仕事用のアカウントでログインしたうえで使うことが求められることもあります。

AIの機能の有無だけでブラウザを選ぶ必要はありません。ChromeでもEdgeでも、Webのページとして提供されているAIのサービスはそのまま使えます。普段の仕事の道具と、どのAIがつながりやすいかで考えるのが現実的です。

仕事のタイプ別の選び方

ここまでの6つの観点を、仕事のタイプに当てはめて整理します。

Google Workspaceで仕事をしている人

Gmail、Googleカレンダー、Googleドキュメントが中心なら、Chromeが最も自然です。Googleアカウントでの同期、プロファイルによるアカウントの切り分け、アドレスバーからGeminiへの入口といった機能が、Googleのサービスと一体で使えます。

Microsoft 365で仕事をしている人

Outlook、Teams、Word、Excelが中心なら、Edgeが扱いやすいでしょう。PDFへの書き込みや翻訳、Copilotによるページの要約など、事務の作業を助ける機能が標準で入っています。Chromeの拡張機能もそのまま使えるので、乗り換えの負担も小さく済みます。

Macだけで仕事をしている人

Apple製品だけで仕事が完結しているなら、Safariが選択肢になります。iCloudでMacとiPhoneの情報をそろえられ、プロファイルで仕事と個人の閲覧の環境を分けられます。ただし、取引先がChromeでの動作だけを確かめている業務システムを使っている場合もあるので、ChromeかEdgeを予備として入れておくと安心です。

プライバシーを重視したい人

閲覧の記録を追跡されにくくしたい、特定の会社のサービスに縛られたくないという人は、Firefoxが候補になります。Windows、Mac、Linux、スマートフォンのどれでも使えるのも利点です。

乗り換えるときの手順

新しいブラウザを試すときは、いきなりすべてを切り替えず、段階を踏むのが失敗しにくい方法です。

まずブックマークを移す

Googleのヘルプによると、ChromeにはFirefoxやSafariなど、ほとんどのブラウザからブックマークを取り込む機能があります。元のブラウザでブックマークをファイルに書き出し、新しいブラウザで取り込むのが基本の流れです。移したあとは、フォルダの並びが崩れていないかを確かめます。

2週間ほど併用して決める

ブックマークを移したら、2週間ほど新しいブラウザを主に使い、困ったときだけ元のブラウザに戻る、という形で試します。毎日使う業務システムが問題なく動くか、必要な拡張機能がそろうか、タブの整理が楽になったかを確かめてから、既定のブラウザを切り替えます。

試している間は、気づいたことを短くメモしておくと判断がしやすくなります。「取引先の管理画面の表が崩れた」「PDFの書き込みが楽になった」「タブを縦に並べたら探す時間が減った」といった具体的な出来事を書き留めておけば、2週間後に元に戻すか、乗り換えるかを感覚ではなく事実で決められます。パスワードは、新しいブラウザに保存し直す前に、パスワード管理のツールにまとめておくと、どのブラウザに切り替えても困りません。

既定のブラウザを切り替える

既定のブラウザとは、メールやチャットのリンクをクリックしたときに開くブラウザのことです。Macでは、macOSの「システム設定」から選べます。使うブラウザを決めたら、最初に既定のブラウザを切り替えておかないと、リンクを開くたびに違うブラウザが立ち上がって作業が中断されます。会社のパソコンでは使ってよいブラウザが決められていることもあるので、切り替える前に情報システムの担当者に確かめてください。

会社のパソコンで使うときに確かめること

自分で選んだブラウザを、会社から貸与されたパソコンで自由に使えるとは限りません。仕事で使う前に確かめておきたいことを挙げます。

使ってよいブラウザと拡張機能

会社によっては、情報の守りのために、使ってよいブラウザや拡張機能を決めています。許可されていないブラウザを入れると、社内のシステムにつながらなかったり、規程違反になったりすることがあります。新しいブラウザを試したいときは、先に情報システムの担当者に相談します。業務委託で取引先から端末を借りる場合も同じで、取引先のルールに従うのが基本です。

個人の端末で仕事をする場合

在宅で業務委託の仕事をしていると、自分のパソコンで複数の取引先の仕事をこなすことがよくあります。この場合は、取引先ごとにプロファイルを分ける、仕事のアカウントのパスワードを個人用のプロファイルに保存しない、作業が終わったら取引先の資料を決まった場所に移す、といった自衛の工夫が大切です。どのブラウザを選ぶかより、こうした使い方のルールを自分で決めて守ることのほうが、情報の事故を防ぐうえでは効果があります。

不調のときの切り分け

ブラウザが急に重くなった、特定のサイトが表示されない、といった不調は、どのブラウザでも起きます。まずはブラウザを最新の版に更新し、使っていない拡張機能を止め、開いているタブを減らします。それでも直らないときは、別のブラウザで同じページを開いてみると、原因がブラウザ側にあるのかサイト側にあるのかを切り分けられます。仕事のパソコンに2つのブラウザを入れておく利点は、こうした切り分けにもあります。

毎日使う仕事のアプリをタブで管理しきれないときの候補

どのブラウザを選んでも、Gmail、Slack、Notion、Figmaといった仕事のアプリを、たくさんのタブとして開いて使うことに変わりはありません。取引先ごとに同じアプリの別アカウントを使っていると、プロファイルの切り替えやログインし直しが増え、通知もアプリごとにばらばらに届きます。

Macを使っている人なら、そうしたときの候補の1つに、Mac向けのアプリ集約ブラウザのSpaceDeckがあります。公式サイトによると、毎日使うWebのアプリを1つの画面に集め、アプリごとに独立した保存領域で動かすので、同じアプリの複数のアカウントにログインしたまま使い分けられます(この機能は有料のProの範囲です)。通知は1か所に集まり、Chromeウェブストアの拡張機能をそのまま追加でき、Chrome、Edge、Safari、Firefoxなどからブックマークを取り込めます。無料版はワークスペース1つ・アプリ3つまでを期間の制限なく使え、Proは月額980円、年額8,800円、買い切り19,800円(いずれも税込)で、ダウンロードした日から14日間はProの全機能を試せます。

一方で、SpaceDeckは現在macOS版だけで、WindowsやLinuxでは使えません。調べ物のためにWebのページを読むことが中心なら、ここまでに挙げた4つのブラウザで十分です。毎日同じ仕事のアプリをいくつも開いてアカウントを行き来する人が、ブラウザと併用して検討する道具と考えるのが無理のない位置づけです。SpaceDeckは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

在宅で働く人にとってのブラウザ選び

最後に、在宅や業務委託で働く人の立場から、ブラウザ選びの意味を整理します。

取引先の環境に合わせられることが強みになる

業務委託の仕事では、取引先がどの道具を使っているかで、使うブラウザやアカウントが決まります。複数のブラウザの基本操作に慣れておくと、取引先が変わっても戸惑わずに済みます。Webの集客や広告、情報の守り方に関わる仕事では、ブラウザごとの追跡の扱いの違いを知っていることが、そのまま仕事の質につながります。そうした仕事の中身は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。Webサイトやアプリを作る側なら、ブラウザごとの表示の違いを確かめる作業は欠かせません。アプリケーション開発のお仕事に、仕事の進め方と求められる力がまとまっています。画面を設計する人の報酬の水準は、デザイナーの年収・単価相場で確かめられます。

運営者として見てきたこと

フリーランスと在宅ワークの市場を20年見てきた立場から言えば、長く仕事が続く人は、道具の好みを押し通すより、取引先の環境に合わせて同じ品質の仕事を返せる人です。指定されたブラウザで動作を確かめ、取引先のアカウントを取り違えない。地味ですが、こうした基本が信頼を積み重ねます。

また、仲介の手数料が乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くの作業を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。手数料0%で直接取引できる環境なら、その分を作業環境の整備や学びに回す余裕も生まれます。取引先とのやり取りを文書で正確に伝える力を示したい人には、ビジネス文書検定のページも参考になります。

よくある質問

Q. 仕事用のブラウザはどれを選べばよいですか?

会社が使っている道具と、使っているパソコンでほぼ候補が絞れます。Google Workspaceが中心ならChrome、Microsoft 365が中心ならEdge、Apple製品だけで仕事をしているならSafariが扱いやすい傾向があります。そのうえで、タブの管理とアカウントの切り分けのしやすさで選ぶと失敗しにくくなります。

Q. ChromeとEdgeとSafari、Firefoxで拡張機能は共通ですか?

ChromeとEdgeはどちらもChromiumを土台にしていて、EdgeでもChromeウェブストアから拡張機能を追加できます。SafariはMac App Storeなどから入手する機能拡張、Firefoxは独自のアドオンを使います。乗り換える前に、いま使っている拡張機能に同じものがあるかを一覧にして確かめておくと安心です。

Q. 取引先ごとにアカウントを分けるにはどうすればよいですか?

ChromeとSafariには、閲覧の環境を分けるプロファイルの機能があります。ブックマークや履歴を分けられるので、取引先ごとにプロファイルを作り、名前と色をはっきり変えておくと取り違えを防げます。Safariでは、iCloudキーチェーンのパスワードはどのプロファイルからも使えると案内されている点に注意します。

Q. ブラウザを乗り換えるときに気を付けることは?

まずブックマークを書き出して新しいブラウザに取り込み、2週間ほど併用して、毎日使う業務システムが動くか、必要な拡張機能がそろうかを確かめます。問題がなければ既定のブラウザを切り替えます。会社のパソコンでは使ってよいブラウザが決められていることがあるので、事前に担当者に確かめてください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年9月26日最終更新:2026年10月10日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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