傾聴のバイトは在宅でできるか、電話やオンラインで話を聴く仕事の探し方

吉田 沙織
吉田 沙織
傾聴のバイトは在宅でできるか、電話やオンラインで話を聴く仕事の探し方

この記事のポイント

  • ✓傾聴バイトを在宅で探すと
  • ✓電話占いやオンラインカウンセリングの業務委託が多く並びます
  • ✓在宅で話を聴く仕事の4つの形

傾聴のバイトを在宅で探そうとして求人サイトを開くと、思っていたものと違う募集が並んでいて戸惑う人が多いはずです。「話を聴くのが得意」「人の相談に乗るのが苦にならない」という強みを、自宅で電話やオンラインを使って生かせないか。結論から書くと、在宅で話を聴く仕事は実際にありますが、その多くは雇用ではなく業務委託で、報酬は時給ではなく通話時間や件数に応じた歩合です。この記事では、在宅で傾聴を生かせる仕事の形と、応募する前に確かめておきたいこと、避けたほうがよい募集の見分け方を順番に整理します。

「傾聴 在宅」で検索すると何が出てくるか

まず、実際の検索結果の姿を確かめておきます。2026年10月2日に求人検索サイトで「傾聴カウンセラー」を在宅の条件で検索すると、上位に並んだのは完全リモートの電話占い師の募集でした。雇用形態はいずれも業務委託で、給与欄は「月給10万円~50万円」「月給10万円~70万円」といった幅の大きい表示、条件欄には「歩合制」と書かれていました。

その次に、オンラインの心理カウンセラーの募集が出てきます。こちらも業務委託で、時給2,400円からという表示があり、仕事内容には傾聴を基本とするカウンセリングのほか、SNSでの発信や、利用者とのメッセージのやりとりが含まれていました。

一方、大手の派遣会社の求人検索で同じ言葉を入れると、次のような表示になります。

「傾聴 求人 在宅」に関する情報は見つかりませんでした。 「傾聴 求人」に関する情報を表示します。 出典: tempstaff.co.jp

この2つの結果から分かることは、はっきりしています。在宅で傾聴を生かす仕事は、派遣やパートの雇用ではほとんど見つからず、業務委託の募集が中心になっているということです。雇われて時給をもらう「バイト」を想像して探すと、出てくる募集の性格がまったく違うので、最初にこの前提を押さえておくと迷わずに済みます。

在宅で話を聴く仕事の4つの形

在宅で傾聴を生かせる仕事は、大きく4つの形に分けられます。

1つめは、電話やチャットでの相談の業務委託です。電話占い、オンラインカウンセリング、話し相手のサービスなど、相談を受けたい利用者と、話を聴く人をつなぐサービスに登録し、自宅から対応します。サービスを運営する会社に雇われるのではなく、個人事業主として仕事を受ける形です。占いの募集であっても、仕事の中身の大半は相手の話を聴くことで、「傾聴力を活かしたい方歓迎」と書かれているのはそのためです。

2つめは、在宅のコールセンターの相談窓口です。企業や団体の問い合わせ窓口の中には、自宅から電話を受ける形で人を募集するものがあります。こちらは雇用の募集もあり、時給制で働けるのが特徴です。ただし、相談の中心は商品やサービスの問い合わせで、悩みをじっくり聴くことが主な仕事になる募集は多くありません。

3つめは、高齢者の見守りや話し相手の電話サービスです。離れて暮らす家族の依頼を受けて、定期的に高齢者に電話をかけ、近況を聴くサービスがあります。運営の形はさまざまで、雇用の募集も業務委託の募集もあります。

4つめは、傾聴ボランティアです。地域の社会福祉協議会などが養成講座を開き、修了した人が高齢者施設や地域で話を聴く活動をしています。報酬が出ない無償の活動が基本ですが、交通費などの実費が支払われる場合もあります。お金を得る仕事ではありませんが、傾聴の経験を積む場として選ぶ人もいます。

自分がどれを求めているのかを決めてから探すと、求人票の読み方が変わります。収入を得たいのか、経験を積みたいのか、雇用の安定を優先したいのか。この3つのどれを優先するかで、選ぶべき形が決まります。

報酬の仕組みと、収入の見込み方

業務委託の傾聴の仕事は、報酬の仕組みが雇用のバイトとまったく違います。応募する前に、仕組みを正しく理解しておくことが大切です。

もっとも多いのは、通話やチャットの時間に応じた歩合です。利用者が支払う料金のうち、決められた割合が話を聴いた人の報酬になります。ここで見落とされやすいのが、待機している時間には報酬が出ないことが多いという点です。自宅でパソコンや電話の前に3時間待機していても、相談が1件も来なければ、その日の報酬は0円になります。

仮の数字で計算してみます。1分あたりの報酬が40円の募集で、1日に合計90分の相談を受けたとすると、その日の報酬は3,600円です。同じ日に待機していた時間が4時間なら、待機を含めた1時間あたりの収入は900円になります。求人票の「月給10万円~50万円」という表示は、相談が多く入った場合の幅を示しているだけで、最低限もらえる額を示しているわけではありません。

相談が入るかどうかは、サービス内での評価や、待機できる時間帯に大きく左右されます。利用者が多い夜の時間帯に待機できる人ほど相談が入りやすく、昼間しか待機できない人は相談が少なくなりがちです。始めたばかりの時期は評価の蓄積がないため、収入が安定するまで時間がかかると見込んでおくのが現実的です。

時給制の募集もあります。オンラインカウンセリングの募集で時給が表示されているものや、在宅コールセンターの雇用の募集がこれにあたります。時給制の場合でも、業務委託なら「予約が入った時間だけ」が対象になっていることがあるので、何に対して時給が払われるのかを必ず確かめてください。

業務委託と雇用の違いを知っておく

在宅の傾聴の仕事に応募する前に、業務委託と雇用の違いを押さえておきます。ここを知らずに始めると、あとで「思っていたのと違う」となりやすい部分です。

雇用は、会社に雇われて働く形です。労働時間に応じて賃金が支払われ、最低賃金が保障され、条件を満たせば社会保険や雇用保険に入れます。業務委託は、会社から仕事を請け負う形です。個人事業主として扱われるため、最低賃金の保障はなく、社会保険や雇用保険にも会社を通じて入ることはありません。

厚生労働省は、自宅などで情報通信機器を使って仕事を請け負う働き方を「自営型テレワーク」と呼び、次のように説明しています。

自営型テレワークとは、注文者から委託を受け、情報通信機器を活用して主として自宅又は自宅に準じた自ら選択した場所において、成果物の作成又は役務の提供を行う就労をいいます。 出典: 厚生労働省

電話やチャットでの相談の業務委託は、ここでいう「役務の提供」にあたります。厚生労働省は、仕事を注文する側や仲介する側に向けて「自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン」を出していて、契約の内容を働く人とよく協議して決めることが望まれるとしています。

もう1つ知っておきたいのが、フリーランス法と呼ばれる法律です。個人で働くフリーランスに業務を委託する会社には、取引条件を示すこと、成果を受け取った日から原則60日以内に報酬を支払うこと、ハラスメント対策の体制を整えることなどが義務付けられています。報酬の計算方法や支払日が書面やメールで示されない募集は、この点からも注意が必要です。

業務委託で働くと、収入から必要経費を差し引いた所得を自分で申告することになります。通話に使うヘッドセット、通信費の一部、研修の費用などが経費の候補になりますが、何をどこまで経費にできるかは事情によって変わるので、迷ったら税務署に確認してください。

資格は必要か

傾聴の仕事に資格が要るかどうかも、多くの人が気にする点です。答えは「仕事の形による」です。

電話占いや話し相手のサービスでは、資格を求めない募集がほとんどです。採用の判断は、面接や模擬の相談で、話の聴き方を見て行われることが多くなっています。在宅コールセンターも、資格よりも電話対応の経験やパソコンの操作が重視されます。

一方、心理の専門職として相談に乗る仕事では、資格が問われることがあります。代表的なのが公認心理師です。公認心理師は国家資格で、厚生労働省の案内では次のように説明されています。

公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。 出典: 厚生労働省

受験資格を得る道は7つのルートに分かれていて、大学や大学院で決められた科目を修めることが基本になります。今日思い立ってすぐ取れる資格ではないので、傾聴のバイトを探している段階の人が目指すなら、長い計画として考える必要があります。

このほかに、民間の団体が認定するカウンセラーの資格や、傾聴の講座の修了証も数多くあります。民間の資格は、学んだ内容を示す材料にはなりますが、国家資格とは違い、持っていることで仕事が保証されるものではありません。受講を考えるときは、講座の中身、費用、修了までの期間、修了後にどんな活動につながっているかを確かめてから申し込んでください。

「講座を受ければ仕事を紹介」には注意する

傾聴の仕事を探していると、「この講座を受ければ在宅の相談の仕事を紹介します」という勧誘に出会うことがあります。ここは特に注意が必要です。

仕事を紹介すると言って、その仕事に必要だとして講座代や教材代を先に支払わせる取引は、特定商取引法で業務提供誘引販売取引として規制されています。いわゆる内職商法やモニター商法と同じ仕組みです。国民生活センターの案内によると、業務提供誘引販売取引は、申込書面か契約書面のいずれか早いほうを受け取った日から20日間はクーリング・オフができます。

20日間 連鎖販売取引 業務提供誘引販売取引 (内職商法、モニター商法等) 出典: 国民生活センター

クーリング・オフとは、契約したあとでも一定の期間内であれば、理由を問わずに契約を解除できる仕組みのことです。書面のほか、電子メールなどの電磁的記録でも通知できます。

見分けるための目安を挙げておきます。仕事を始める前に高額な費用の支払いを求められる、「講座を修了すれば月◯万円の仕事を保証」のように収入を約束する、契約を急がせて考える時間を与えない。こうした特徴が1つでもあれば、その場で契約せず、いったん持ち帰ってください。迷ったときは、お住まいの地域の消費生活センターに相談できます。

正規の相談サービスでも、研修を受けてから仕事を始める形はよくあります。違いは、研修の費用を誰が負担するかです。働く側が高額な研修費を先に払い、その回収を仕事の報酬に頼る形になっていないか。ここを確かめれば、多くの勧誘は見分けられます。

自宅で相談を受けるための環境

在宅で話を聴く仕事は、自宅の環境が仕事の質に直結します。応募する前に、次の点を整えられるか確かめてください。

まず、静かで、家族に話を聞かれない場所が必要です。相談の内容には、相談者のとても個人的な事情が含まれます。家族が同じ部屋にいる状態で相談を受けることは、相談者の秘密を守るという点で問題があります。サービスによっては、規約で第三者に内容を聞かれない環境を求めています。

次に、通話の機材です。雑音を拾いにくいヘッドセットと、途切れにくい通信回線があると、相談者が安心して話せます。チャットの相談なら、長時間の入力でも疲れにくいキーボードがあると続けやすくなります。

そして、個人情報の扱いです。相談の内容をメモに書き残す場合、そのメモをどこに保存し、いつ削除するかを決めておく必要があります。サービスによっては、メモを取ること自体を禁止していたり、決められたシステムの中だけに記録するよう求めていたりします。採用の時点で、記録の扱いの決まりを必ず確認してください。

時間帯の確保も大切です。相談が多い夜の時間帯に待機できるかどうかで、収入の見込みが大きく変わります。家族の生活リズムと重なる時間に待機するなら、その時間は仕事の部屋に入ることを家族と約束しておくと、相談の途中で中断されることを防げます。

話を聴く側の心の負担に備える

傾聴の仕事は、相手の気持ちを受け止める仕事です。その分、聴く側の心にも負担がかかります。在宅で1人で相談を受けていると、職場の同僚と話して気持ちを切り替えることができないため、負担を抱え込みやすくなります。

備えとして、まず相談を受ける時間に上限を決めておくことをおすすめします。続けて何時間も相談を受けると、集中力が落ちて、相手の話を正しく受け止められなくなります。1件ごとに少し休む、1日の合計時間を決めておくといった工夫が、長く続けるための土台になります。

次に、自分では対応しきれない相談が来たときの決まりを、事前に確かめておくことです。命に関わるような深刻な相談や、専門的な支援が必要な相談は、1人の聴き手が抱えるものではありません。サービスによっては、そうした相談をどう扱うか、どの窓口を案内するかの手順を決めています。採用の時点で、その手順があるかどうかを聞いておいてください。

公的な相談窓口を知っておくことも役に立ちます。厚生労働省の「まもろうよ こころ」のページでは、電話やSNSで悩みを相談できる窓口がまとめて紹介されています。相談者に案内できる窓口として知っておくだけでなく、聴く側の自分がつらくなったときに頼れる窓口としても覚えておいてください。

そして、仕事の終わりに気持ちを切り替える習慣を持つことです。相談の内容を家族や友人に話すことは守秘の点でできないため、散歩をする、記録を閉じて部屋を出るなど、仕事と生活を区切る行動を決めておくと、翌日に疲れを持ち越しにくくなります。

求人の探し方と、応募前に確かめる項目

在宅の傾聴の仕事を探すときは、検索の言葉を工夫すると見つかる募集が変わります。「傾聴 在宅」だけでなく、「電話相談 在宅」「チャット相談 業務委託」「オンラインカウンセラー」「見守り電話」「在宅コールセンター」といった言葉で探してください。雇用の募集を優先したい人は、「在宅コールセンター 時給」のように雇用の条件を含めて検索すると、業務委託の募集に埋もれずに済みます。

気になる募集を見つけたら、応募する前に次の項目を確かめます。

・雇用か業務委託か ・報酬の計算方法(1分あたりか、1件あたりか、時給か)と、待機時間の扱い ・報酬の締め日と支払日、振込手数料の負担 ・研修の有無と、研修費用の負担 ・最低限求められる待機時間や稼働日数 ・相談内容の記録の扱いと、深刻な相談への対応の手順 ・契約の解除の方法

報酬の計算方法と支払日が明記されていない募集、研修費用を働く側に求める募集は、慎重に判断してください。反対に、これらが丁寧に書かれている募集は、運営の体制が整っていると考える手がかりになります。

検索結果の中には、「話し相手」「お話を聴くだけ」といった言葉で、実際には異性との会話を目的としたライブチャットの仕事を募集しているものも混ざります。仕事内容の欄に、映像での配信や、利用者からの指名、ポイントの換算といった言葉が並んでいれば、相談を受ける仕事とは性格が違います。募集の言葉の印象ではなく、仕事内容と報酬の仕組みを読んで判断してください。

働き方の組み立て方の例

在宅で話を聴く仕事をどう組み立てるかは、何を優先するかで変わります。ここでは、よくある3つの組み立て方を、仮の数字を使って紹介します。実際の報酬や待機時間は募集ごとに違うので、考え方の参考として読んでください。

1つめは、家事や子育ての合間に少しずつ試す組み立て方です。平日の夜に2時間、週に3日だけ相談サービスに待機する形で、まずは仕事の流れと自分の向き不向きを確かめます。仮に1分あたり40円の報酬で、1回の待機で平均30分の相談が入るとすると、1回あたり1,200円、週3回で3,600円です。収入としては小さいですが、評価を積み上げる期間と考えれば、無理なく始められる形です。

2つめは、在宅コールセンターの雇用を土台にする組み立て方です。平日の日中に時給制で週20時間以上働き、社会保険や雇用保険の対象になる条件を満たしたうえで、週末の夜だけ相談サービスに待機します。生活の土台を雇用で固め、傾聴の仕事は経験を積む場と位置づけることで、相談が入らない日があっても気持ちに余裕を持てます。この形をとるときは、雇用の勤務先の就業規則で、副業が届け出制や許可制になっていないかを先に確かめてください。

3つめは、傾聴の仕事を中心に据える組み立て方です。夜の時間帯を中心に、週5日、1日4時間程度待機します。評価が積み上がれば相談の件数も増えていきますが、始めたばかりの数か月は収入が安定しないことを前提に、生活費の備えを持ってから始めるのが安全です。業務委託だけで働く場合は、国民健康保険と国民年金の手続きも自分で行う必要があります。

どの形を選ぶにしても、最初の3か月は記録をつけることをおすすめします。待機した時間、実際に相談が入った時間、受け取った報酬を毎日書き出しておけば、待機を含めた1時間あたりの収入が見えてきます。その数字が、続けるか、時間帯を変えるか、別の仕事と組み合わせるかを判断する材料になります。

税金の手続きを忘れない

業務委託で報酬を受け取ったら、税金の手続きが必要になることがあります。ここは見落とすとあとで困る部分なので、基本だけでも押さえておいてください。

会社員やパートで給与を1か所から受け取っていて、年末調整を受けている人の場合、国税庁の案内では、給与以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要になります。所得とは、報酬から必要経費を差し引いた金額のことです。報酬が20万円を超えていても、経費を差し引いた所得が20万円以下なら、所得税の確定申告は要らないことになります。

注意したいのは、この20万円の線は所得税の話だということです。住民税には同じ線がないため、所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告は必要になります。お住まいの市区町村の住民税の担当窓口で、申告の方法を確かめてください。

給与の収入がない人や、専業で業務委託の仕事をしている人は、所得が一定の額を超えると確定申告が必要です。帳簿をつけて、受け取った報酬と使った経費を記録しておくと、申告の時期に慌てずに済みます。

在宅コールセンターで時給制の仕事を選ぶ場合

収入の安定を優先したい人にとって、もっとも現実的なのが在宅コールセンターの雇用の募集です。業務委託の相談サービスとの違いを、もう少し詳しく見ておきます。

在宅コールセンターの雇用では、決められたシフトの時間に自宅で電話を受け、その時間に対して時給が支払われます。相談が入らずに待っている時間も勤務時間に含まれるため、歩合の仕事のように「待機していたのに報酬が0円」ということは起こりません。雇用なので最低賃金の保障もあります。

社会保険と雇用保険にも、条件を満たせば入れます。厚生労働省の社会保険適用拡大の特設サイトによると、パートで働く人が勤務先の社会保険の対象になる要件は、週の所定労働時間が20時間以上、学生でないこと、2か月を超えて雇われる見込みがあることなどです。以前あった所定内賃金が月額8.8万円以上という賃金の要件は、令和7年年金制度改正により2026年10月に撤廃されたと書かれています。雇用保険は、31日以上の雇用見込みがあり、週の所定労働時間が20時間以上であれば対象です。

一方で、在宅コールセンターの仕事は、最初の研修だけは事業所に通う形になっていることがあります。システムの使い方や、個人情報の扱いのルールを対面で教わるためです。募集要項に「研修期間は出社」と書かれているかどうかを確かめ、通える範囲かどうかも判断材料に入れてください。

また、在宅コールセンターの相談は、商品の使い方や契約の手続きなど、決まった答えがある問い合わせが中心です。相手の気持ちに寄り添って話を聴く場面もありますが、悩みそのものを聴くことが仕事の中心になるわけではありません。それでも、相手の言いたいことを正確に聴き取る力は、問い合わせ対応でもそのまま評価されます。傾聴を生かしながら収入の土台をつくる場として、選択肢に入れておく価値があります。

傾聴の基本を身につけるには

在宅で話を聴く仕事に応募する前に、傾聴の基本を整理しておくと、面接や模擬の相談で落ち着いて対応できます。ここでは、特別な講座を受けなくても日常で練習できることを紹介します。

傾聴の土台は、相手の話を途中で遮らないことです。相手が言葉に詰まっても、すぐに助け舟を出さずに少し待つ。沈黙は、相手が自分の気持ちを言葉にしようとしている時間でもあります。電話やチャットでは表情が見えないため、沈黙が気まずく感じられますが、「ゆっくりで大丈夫ですよ」と一言添えるだけで、相手は安心して話を続けられます。

次に、相手の言葉を繰り返すことです。相手が「最近、職場でうまくいかなくて」と話したら、「職場でうまくいかないと感じているんですね」と返す。内容を言い換えずにそのまま返すことで、相手は「ちゃんと聴いてもらえている」と感じます。慣れてきたら、相手の話を短く整理して返す練習をします。「つまり、仕事の量よりも、相談できる人がいないことがつらいんですね」というように、相手の話の要点を言葉にして確かめるのです。

そして、助言を急がないことです。話を聴く仕事をしていると、相手の役に立ちたいという気持ちから、すぐに解決策を伝えたくなります。けれども、相手が求めているのは解決策ではなく、気持ちを受け止めてもらうことである場合が多くあります。助言は、相手から求められたときに、控えめに伝えるくらいがちょうどよいのです。

練習の場は日常にあります。家族や友人の話を聴くとき、今日は自分の話をせずに聴くことに徹すると決めてみてください。どれだけ自分が話を遮っていたか、どれだけ早く助言をしていたかに気づくはずです。この気づきが、仕事として話を聴くときの土台になります。

面接や模擬の相談で見られること

業務委託の相談サービスでは、登録の前に面接や模擬の相談が行われることがよくあります。何が見られているのかを知っておくと、準備がしやすくなります。

まず見られるのは、話を聴く姿勢です。面接官が相談者の役を演じ、応募した人が聴き手を務める形の模擬の相談では、相手の話を遮らないか、相手の気持ちを言葉にして返せているか、自分の意見を押しつけていないかが確かめられます。上手に助言することよりも、相手が話しやすい雰囲気をつくれるかどうかのほうが重視されます。

次に、話し方と声です。電話の相談では、声の印象が相手の安心感を大きく左右します。早口になっていないか、語尾がはっきりしているか、相手の話に合わせて相づちを打てているか。自分の声を録音して聞き返してみると、改善すべき点がよく分かります。

そして、続けられる条件です。週にどのくらい待機できるか、どの時間帯に待機できるかは、サービスにとって大事な情報です。特に、利用者が多い夜の時間帯に待機できるかどうかは、採用の判断にも、その後の収入にも影響します。無理のない範囲で、正直に伝えてください。

面接では、こちらから確かめておきたいことも遠慮なく聞いてください。報酬の計算方法と支払日、研修の費用の負担、深刻な相談が来たときの対応の手順、契約の解除の方法です。こうした質問に丁寧に答えてくれるかどうかも、サービスを選ぶ判断材料になります。

向いている人と、最初の一歩

在宅の傾聴の仕事に向いているのは、相手の話を最後まで遮らずに聴ける人、自分の意見を押しつけずに相手の気持ちを言葉にして返せる人です。加えて、在宅の業務委託では、収入が安定しない時期を受け入れられること、1人で働く時間を自分で区切れることも大切になります。

最初の一歩としては、いきなり業務委託の相談の仕事を始めるより、まず傾聴ボランティアの養成講座や、地域の相談活動で経験を積む道もあります。実際の相談の場で話を聴く経験は、業務委託の仕事に応募するときの面接や模擬の相談で、確実に生きてきます。

収入を優先したい人は、雇用の在宅コールセンターで時給制の仕事をしながら、傾聴の業務委託を少しずつ試すという組み合わせも考えられます。時給制の仕事で生活の土台をつくり、歩合の仕事は評価が積み上がるまでの試運転と考えれば、収入が0円の日があっても焦らずに続けられます。

運営者の視点から見た、在宅で話を聴く仕事

フリーランスと在宅ワークの市場を長く見てきた立場から言えば、在宅で話を聴く仕事を長く続けている人には、共通する特徴があります。それは、相談の時間だけでなく、相談の前後の時間を大切にしていることです。相談を受ける前に気持ちを整え、終わったあとに区切りをつける。その習慣がある人ほど、疲れを溜めずに何年も続けています。

もう1つの観察として、傾聴の仕事だけに収入を頼らず、文章の仕事など別の在宅の仕事と組み合わせている人ほど、気持ちに余裕を持って相談に向き合えています。相談が入らない日が続いても、別の仕事で収入の土台があれば、焦って無理に待機時間を延ばす必要がありません。仲介の手数料が少ない場で仕事を受ければ、同じ報酬額でも手取りが厚くなります。手数料0%で依頼主と直接やり取りできる形なら、依頼する側は同じ予算でより多くを頼めて、受ける側の手取りも厚くなるという、双方にとって得な関係になります。

話を聴く力は、文章を書く仕事にも通じています。相手の言いたいことを汲み取る力は、取材や聞き書きの仕事でそのまま生きます。たとえば著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、文章や取材の仕事の収入の幅を確かめられます。在宅で文章の仕事を始めるなら、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで、単価を上げるための段階を知っておくと計画が立てやすくなります。相談の記録や報告書の書き方を身につけたい人には、ビジネス文書の基本を問うビジネス文書検定も、文章を整える力を示す材料になります。まずは自分が求めるのが収入なのか経験なのかを決め、その目的に合った形の募集から確かめていってください。

よくある質問

Q. 傾聴のバイトは在宅でできますか?

できますが、多くは雇用のバイトではなく業務委託です。在宅で傾聴を生かす仕事には、電話やチャットの相談サービス、在宅コールセンター、見守り電話のサービスがあり、報酬は通話時間や件数に応じた歩合が中心です。待機時間には報酬が出ないことが多いので、報酬の計算方法を必ず確かめてから応募してください。

Q. 在宅の傾聴の仕事に資格は必要ですか?

電話相談や話し相手のサービスでは、資格を求めない募集がほとんどです。心理の専門職として相談に乗る仕事では、国家資格の公認心理師が問われることがあります。公認心理師は大学や大学院で決められた科目を修めるのが基本で、すぐに取れる資格ではありません。民間資格は学んだ内容を示す材料にはなりますが、仕事を保証するものではありません。

Q. 講座を受ければ在宅の仕事を紹介すると言われました。大丈夫ですか?

仕事の紹介を条件に講座代や教材代を先に払わせる取引は、特定商取引法の業務提供誘引販売取引として規制されています。書面を受け取った日から20日間はクーリング・オフができます。高額な費用の前払いや収入の約束、契約を急がせる勧誘には応じず、迷ったら消費生活センターに相談してください。

Q. 在宅の傾聴の仕事で得た報酬は確定申告が必要ですか?

給与を1か所から受けていて年末調整を受けている人は、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要です。所得は報酬から経費を差し引いた額です。この20万円の線は所得税の話で、住民税には同じ線がないため、所得税の申告をしない場合も住民税の申告は必要です。詳しくは税務署や市区町村の窓口で確認してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年1月8日最終更新:2026年10月2日
吉田 沙織

この記事を書いた人

吉田 沙織@SOHO編集部

フリーランスカメラマン・レタッチャー

写真スタジオで5年間勤務後、フリーランスに独立。EC商品撮影・画像編集・レタッチを手がけ、写真・カメラ・画像編集系の記事を執筆しています。

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