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業務委託の在宅デザイナー|仕事の取り方と契約

@SOHO編集部
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業務委託の在宅デザイナー|仕事の取り方と契約

この記事のポイント

  • ✓業務委託の在宅デザイナーとして仕事を受ける方法を解説します
  • ✓案件の種類と求められる経験
  • ✓ポートフォリオの作り方

業務委託の在宅デザイナーとして働きたいと考えている人の多くは、「どこで仕事を見つければよいのか」「雇われるのとは何が違うのか」「契約で損をしないためには何を確かめればよいのか」を知りたいはずです。業務委託とは、会社に雇われるのではなく、決められた仕事を引き受けて、その成果や作業に対して報酬を受け取る働き方のことです。在宅で受けられるデザインの仕事は、Webサイトやアプリの画面、広告のバナー、SNSの画像、資料、ロゴなど幅広くあります。この記事では、受ける側に立って、案件の種類と求められる経験、仕事の探し方、ポートフォリオ、見積もりと契約、著作権、法律で守られる点、税金の手続きまでを順に説明します。

業務委託の在宅デザイナーという働き方

最初に、会社に雇われて在宅で働くデザイナーとの違いを整理しておきます。同じ「在宅のデザイナー」でも、契約の形が違えば、守られる法律も、お金の手続きも変わります。

項目 雇用(在宅勤務) 業務委託
契約の相手 雇ってくれる会社 仕事を頼む会社や個人
収入 毎月の給与 引き受けた仕事の報酬
働く時間 就業規則で決まる 納期を守れば自分で決められることが多い
指示の受け方 上司から仕事のやり方まで指示される 成果物の内容は決められるが、作業の進め方は自分で決める
守られる法律 労働基準法など フリーランス・事業者間取引適正化等法など
税金と保険 会社が源泉徴収と年末調整、社会保険の手続きをする 自分で確定申告をし、国民年金と国民健康保険に入る

厚生労働省は、こうした在宅の請負の働き方を「自営型テレワーク」と呼び、次のように説明しています。

自営型テレワークとは、注文者から委託を受け、情報通信機器を活用して主として自宅又は自宅に準じた自ら選択した場所において、成果物の作成又は役務の提供を行う就労をいいます。 出典: 厚生労働省「自営型テレワーク」

業務委託の利点は、働く時間と場所を自分で決めやすいこと、複数の依頼者から仕事を受けられること、得意な分野に絞って仕事を選べることです。反対に、仕事が途切れると収入も止まること、機器やソフトの費用を自分で払うこと、税金や保険の手続きを自分で行うことが、雇用との大きな違いです。どちらが向いているかは、収入の安定をどれだけ重く見るかで変わります。

在宅で受けられるデザインの仕事の種類

業務委託で募集されているデザインの仕事は、大きく次のように分かれます。分野によって、求められる経験やツール、報酬の決まり方が違います。

UIデザインとUXデザイン

UIデザインとは、アプリやWebサービスの画面の見た目と操作のしやすさを設計する仕事です。UXデザインは、利用者がサービスを使う流れ全体を考え、困る場面を減らす設計をする仕事を指します。業務委託の案件の中でも、フルリモートの募集が多い分野です。求人の検索サービスに掲載されている案件では、次のような条件が書かれています。

必須スキルFigmaを用いたUIデザインの経験2年以上歓迎スキル特になし 【市区町村】堺筋本町 【都道府県】大阪府 【最寄り駅】堺筋本町 【雇用形態】業務委託契約 出典: 求人ボックス

Figma(フィグマ)とは、ブラウザで画面のデザインを作り、チームで共有できるツールのことです。UIデザインの業務委託では、このツールでの実務経験が条件になっていることが多く、経験年数を求める募集も目立ちます。アプリの開発の中でデザインがどう関わるかは、アプリケーション開発のお仕事で、開発の仕事の種類と必要なスキルを確かめられます。

Webサイトのデザイン

会社のサイトや商品の紹介ページ、採用のページなどのデザインです。デザインだけを担当する案件と、HTMLやCSSでの組み立てまで担当する案件があります。組み立てまでできると、引き受けられる仕事の幅が広がります。

広告やSNSの画像

バナー広告、SNSに投稿する画像、動画のサムネイルなどです。1点ごとの単価は小さめですが、継続して毎月頼まれる形になりやすく、在宅で始める人が最初に経験を積む分野としてもよく選ばれます。広告の効果を見ながらデザインを直す仕事もあり、マーケティングの知識があると重宝されます。マーケティングの仕事全体の中身は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確かめられます。

印刷物とロゴ

チラシ、名刺、パンフレット、ロゴなどです。印刷物は、印刷所に渡すデータの作り方の知識が必要になります。ロゴは、使える範囲や権利の扱いが後でもめやすい仕事なので、契約の確かめ方を後の節で詳しく説明します。印刷物の仕事は、紙の大きさ、色の数、断ち落としの余白など、印刷所ごとの入稿の決まりに合わせてデータを作る必要があります。決まりに合わないデータは印刷所から差し戻され、納期に間に合わなくなることもあるので、作業を始める前に入稿先の案内を依頼者から受け取っておきます。

仕事の探し方

業務委託の在宅デザインの仕事を探す方法は、いくつかあります。1つの方法に頼らず、組み合わせて使うと、仕事が途切れにくくなります。

業務委託の案件を紹介するサービス

フリーランス向けに、会社の業務委託の案件を紹介するサービスがあります。担当者が条件の交渉や契約の手続きを手伝ってくれることが多く、一定の期間続く案件が多いのが特徴です。その分、実務経験を条件にする案件が中心になります。

在宅ワークの仲介サイトとクラウドソーシング

仕事を頼みたい人と受けたい人をつなぐサイトです。小さな案件から始められるため、実績を作る最初の場として使う人が多くいます。サイトによって手数料の有無や額が違うので、報酬から何が差し引かれるかを登録の前に確かめておきます。

求人の検索サービス

求人の検索サービスで「業務委託」「デザイナー」「在宅」「フルリモート」などの言葉を組み合わせて探す方法もあります。会社が直接募集している業務委託の案件が見つかることがあります。勤務地の欄に駅名が書かれていても、本文に「リモート可」とある案件もあるので、本文まで読んで確かめます。

知り合いからの紹介と、過去の依頼者

デザインの仕事は、紹介で広がることがとても多い分野です。一度仕事をした依頼者から次の仕事を頼まれたり、別の会社を紹介されたりします。仕事が終わったときに、次に頼みたいことがあれば声をかけてほしいと伝えておくだけでも、次の仕事につながりやすくなります。

ポートフォリオの作り方

業務委託で仕事を受けるときに、いちばん大切な材料がポートフォリオです。ポートフォリオとは、これまでに作ったデザインをまとめて、自分の力を見てもらうための作品集のことです。依頼者は、会ったことのない相手に仕事を頼むかどうかを、ほとんどこれで判断します。

載せる作品の選び方

作品は数を並べるより、受けたい仕事に近いものを選んで載せます。UIデザインの仕事を受けたい人はアプリやWebサービスの画面を、広告の仕事を受けたい人はバナーやSNSの画像を中心にします。分野がばらばらな作品が並んでいると、何を頼めばよい人なのかが伝わりにくくなります。

作品ごとに添える説明

それぞれの作品には、次の点を短く添えます。

  • 誰に向けた、何のためのデザインか
  • 自分が担当した範囲(企画から、デザインだけ、組み立てまで など)
  • 使ったツール
  • 制作にかかった期間
  • 工夫した点と、その理由

特にUIデザインでは、見た目の完成形だけでなく、なぜその配置にしたのかという考えの筋道が評価されます。利用者の困りごとをどう見つけ、どう解決したかを書けると、業務委託の案件の「必須スキル」に書かれている実務の経験を伝えやすくなります。

仕事で作った作品を載せるときの注意

依頼を受けて作った作品は、依頼者の許可がなければ公開できないことがあります。秘密を守る契約を結んでいる場合や、公開前の商品の案件では、特に注意が必要です。仕事を受けるときに、完成後にポートフォリオに載せてよいかを確かめておくと、あとで載せられる作品が増えます。許可が得られない作品は、架空の会社を想定した練習作品で補います。

報酬の決まり方と見積もり

業務委託のデザインの報酬は、主に次の3つの形で決まります。

決まり方 内容 向いている仕事
1点ごと バナー1枚、ロゴ1点などで金額を決める 広告の画像、ロゴ、チラシ
案件ごと サイト1つ、アプリの画面一式などで金額を決める Webサイト、アプリの画面
時間や月ごと 1時間あたり、または1か月あたりの稼働で決める 継続してチームに入るUIデザイン

デザイナーの報酬の相場は、分野や経験で大きく変わります。職種全体の年収と単価の傾向は、デザイナーの年収・単価相場で確かめられます。

見積もりに入れておきたい項目

案件ごとの見積もりを出すときは、金額だけでなく、何が含まれているかを書きます。

  1. 作るものと、その数
  2. 最初に出す案の数
  3. 修正を受ける回数
  4. 納品するファイルの形式
  5. 納期
  6. 写真やフォントなどの素材の費用を誰が払うか

修正の回数を決めずに引き受けると、何度も直しを求められて、作業の時間が見込みの何倍にもなることがあります。「修正は2回まで、それを超える修正は別に見積もる」のように、範囲を最初に書いておくと、依頼者との間で認識がずれにくくなります。

見積もりや契約のやりとりは、ほとんどがメールやチャットの文章で行われます。条件を誤解なく伝える文章の書き方を身につけたい人は、ビジネス文書検定の資格ガイドで、ビジネス文書の基本を学べる検定の内容を確かめられます。

契約で確かめたいこと

業務委託の仕事を受けるときは、必ず条件を文章で受け取ってから作業を始めます。口頭だけで始めると、作業の範囲や報酬をめぐってもめたときに、確かめる手段がありません。

法律で決まっている取引条件の明示

2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス法)では、個人で働くフリーランスに仕事を頼む会社は、仕事の内容、報酬の額、支払いの期日などを、書面かメールなどで示さなければならないと決められています。厚生労働省の説明では、発注する会社には、取引条件の明示、成果物を受け取った日から原則60日以内の報酬の支払い、ハラスメント対策の体制づくりなどが義務付けられています。

会社員として雇われながら副業で業務委託の仕事を受ける人も、この法律で守られるフリーランスに当たると、同じページに書かれています。法律の内容は、厚生労働省のフリーランス・事業者間取引適正化等法のページで確かめられます。

継続する仕事を打ち切られるとき

フリーランス法には、続いている仕事の契約を打ち切るときの決まりもあります。6か月以上続く業務委託の契約を会社が解除するときや、期間が終わったあとに更新しないときは、災害などやむを得ない場合を除き、少なくとも30日前までに予告しなければなりません。予告を受けた人が理由を尋ねたときは、会社は原則として理由を示す必要があります。毎月決まった量のデザインを頼まれている人は、この決まりを知っておくと、突然仕事がなくなったときに確かめるべきことが分かります。

契約書で見ておく項目

契約書や発注書を受け取ったら、次の項目を確かめます。

  • 作業の範囲と、範囲外の作業を頼まれたときの扱い
  • 報酬の額、支払いの期日、振込の手数料をどちらが負担するか
  • 検収の方法。検収とは、納品したものを依頼者が確かめて受け取ることです
  • 納期と、遅れたときの扱い
  • 途中で契約を解除するときの報酬の扱い
  • 著作権の扱いと、作品をポートフォリオに載せてよいか
  • 秘密を守る範囲と期間

著作権の扱いを確かめる

デザインの仕事で後からもめやすいのが、著作権の扱いです。著作権とは、作った作品をコピーしたり、変えたり、公開したりすることを決められる権利のことです。

何も決めなければ、作った人に残る

業務委託で作ったデザインの著作権は、契約で何も決めていなければ、原則として作った人に残ります。会社に雇われている人が仕事で作ったものとは扱いが違う点に注意します。依頼者が自由に使いたい場合は、契約で著作権を譲るか、使ってよい範囲を決めることになります。著作権法では、著作権は全部または一部を譲ることができると定められています。

譲る契約でも、書き方で残る権利がある

著作権法には、次のような決まりがあります。

著作権を譲渡する契約において、第二十七条又は第二十八条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する。 出典: e-Gov法令検索「著作権法」第61条

第27条と第28条の権利とは、作品を作り変える権利と、作り変えた作品を使う権利のことです。「著作権を譲る」とだけ書いた契約では、この2つの権利は作った人に残ると推定されます。依頼者がロゴの色や形を後から変えて使いたいときに、ここが問題になります。そのため、依頼者側の契約書には「著作権(第27条及び第28条の権利を含む)を譲渡する」と書かれていることが多くあります。受ける側は、この書き方を見たら、作り変えも含めて権利を手放す契約だと理解しておきます。

著作者人格権は譲れない

著作権法では、著作者人格権は作った人の一身に属し、譲ることができないとされています。著作者人格権とは、作品を公表するかを決める権利、名前を出すかを決める権利、意に反して作品を変えられない権利のことです。譲れない代わりに、契約で「この権利を行使しない」と約束することがよくあります。この条項があると、依頼者が後でデザインを直しても異議を言えなくなるので、その内容を理解したうえで引き受けます。

権利をすべて譲る契約にするか、使える範囲だけを認める契約にするかで、報酬の考え方も変わります。権利を広く譲るほど、依頼者にとっての価値は大きくなるので、見積もりの段階で話し合っておくのが本来の形です。

提案だけのコンペで気をつけること

依頼者が複数のデザイナーから案を集めて、採用した1つにだけ報酬を払う形を「コンペ」と呼びます。厚生労働省の自営型テレワークのガイドラインでは、知的財産権を譲る契約を結ばない限り、権利は案を作った応募者のものであり、採用されなかった案を依頼者が無断で公開したり使ったりしないことを求めています。コンペに応募するときは、採用されなかった案の扱いが募集の段階で示されているかを確かめます。

仕事を受けたあとのやりとりの進め方

業務委託の在宅デザイナーは、依頼者と顔を合わせずに仕事を進めることがほとんどです。やりとりの進め方しだいで、同じデザインでも依頼者の満足度は大きく変わります。

最初の打ち合わせで聞くこと

作業を始める前に、次のことを聞いておきます。

  1. デザインを見る人は誰か。年齢、立場、どんな場面で見るか
  2. デザインで達成したいこと。問い合わせを増やしたい、商品の印象を変えたい など
  3. 参考にしたいデザインと、避けたいデザイン
  4. 決まっている色、フォント、ロゴ
  5. 最終的に判断する人は誰か

最終的に判断する人を聞いておくのは大切です。担当者が了承したデザインが、上司の確認で大きく変わることがあるからです。判断する人が誰かを最初に確かめ、可能なら早い段階で一度見てもらうと、作り直しの手間を減らせます。

途中経過を早めに見せる

完成まで見せずに仕上げると、方向がずれていたときに作業の大半がやり直しになります。ラフと呼ばれる大まかな案の段階で一度見せ、方向が合っているかを確かめてから細部を詰めると、修正の回数も減ります。進み具合は、依頼者から聞かれる前に短く知らせると、顔を合わせない分の不安を和らげられます。

納品と検収で気をつけること

納品するときは、決めていたファイルの形式と数がそろっているかを確かめてから送ります。送ったあとは、依頼者が中身を確かめて受け取る検収が済んだかを、メールなどの文章で残しておきます。検収の連絡がないまま時間が過ぎると、報酬の支払いの時期があいまいになるからです。フリーランス法では、報酬の支払いの期日は成果物を受け取った日から数えるので、いつ納品し、いつ受け取ってもらったかの記録は、支払いが遅れたときの大切な手がかりになります。納品後に追加の修正を頼まれたら、見積もりで決めた修正の回数の内か外かを確かめ、外であれば別の見積もりを出してから作業します。

お金と税金の手続き

業務委託で仕事を受けると、会社員のときには会社がしていた手続きを、自分で行うことになります。

源泉徴収される報酬がある

所得税法では、デザインの報酬は、支払う側が所得税をあらかじめ差し引いて納める「源泉徴収」の対象とされています。国税庁の案内では、差し引かれる額は、支払いが100万円以下なら支払う額の10.21%、100万円を超える部分は20.42%です。会社から報酬を受け取るときに、請求した額より少ない額が振り込まれていたら、この源泉徴収が理由のことが多いです。差し引かれた税金は、確定申告で精算されます。相手が個人の場合など、源泉徴収をしない支払いもあるので、受け取った明細で確かめます。

開業の届出と確定申告

国税庁の案内では、新たに事業を始めたときは「個人事業の開廃業等届出書」を、事業を始めた年分の確定申告の期限までに税務署へ出すことになっています。帳簿を付けて申告すると所得から差し引ける青色申告の特別控除は、原則として最高55万円で、電子帳簿保存か e-Tax での申告をすると最高65万円になります。青色申告をしたい人は、原則としてその年の3月15日までに承認の申請を出します。

会社員が副業で業務委託の仕事を受ける場合も、所得の額によっては確定申告が必要になります。デザインのソフトの利用料、パソコン、素材の購入費など、仕事に使った費用は経費になることがありますが、扱いは使い方で変わるので、迷ったら税務署に相談します。

年金と健康保険

会社を辞めて業務委託だけで働く場合は、国民年金と国民健康保険に入ります。国民年金の保険料は令和8年度で1か月あたり17,920円です。報酬の額を考えるときは、こうした保険料と税金を自分で納めたあとに手元に残る額で考えます。今年度の保険料は日本年金機構の国民年金保険料のページで確かめられます。

会社員が副業で始めるときに確かめること

業務委託の在宅デザインは、会社員の副業として始める人も多い仕事です。副業で受けるときは、本業の会社との関係で確かめておくことがあります。

就業規則で副業が認められているか

まず、勤めている会社の就業規則で副業が認められているかを確かめます。厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)では、第70条で、労働者は勤務時間外に他の会社の業務に従事できると定めたうえで、会社が禁止や制限をできる場合として、仕事に支障があるとき、会社の秘密が漏れるとき、会社の名誉や信用を損なうとき、競業によって会社の利益を害するときの4つを挙げています。

デザイナーの場合、本業と同じ業界の会社から副業の仕事を受けると、競業や秘密の点で問題になることがあります。本業の取引先から直接仕事を頼まれた場合も、会社の決まりに触れないかを確かめます。届け出が必要な会社では、副業の内容を伝えて許可を得てから始めます。

住民税の扱い

副業で所得が出ると、翌年の住民税の額が変わります。住民税を給与から差し引く「特別徴収」のままだと、本業の会社に届く住民税の通知で、副業の所得があることが分かる場合があります。業務委託の報酬のような給与以外の所得の分は、確定申告書や住民税の申告書で、自分で納める「普通徴収」を選べる仕組みがあります。ただし、扱いは市区町村によって違うことがあるので、お住まいの市区町村の税の窓口で確かめます。

本業との時間の配分

在宅のデザインは、夜や休日に作業できる反面、納期が重なると睡眠を削って作業することになりがちです。副業の最初のうちは、本業の繁忙期を避けて納期を決める、1か月に受ける件数の上限を自分で決める、といった線を引いておくと、本業と副業の両方を続けやすくなります。

作業の環境と道具をそろえる

業務委託で仕事を受けると、道具は自分でそろえ、その費用も自分で払います。最初に整えておきたいのは次のものです。

  • デザインのソフト。依頼者と同じソフトで作業データをやりとりすることが多いので、受けたい分野でよく使われるものを選ぶ
  • 色を正しく確かめられるモニター。印刷物を扱う人は、画面と印刷の色の違いにも気を配る
  • 作業データのバックアップ。パソコンの故障で納品前のデータを失わないよう、別の場所にも保存する
  • フォントと素材の使用許諾の確認。商用で使ってよいか、ロゴに使ってよいかは、フォントや素材ごとに決まりが違う

フォントと素材の扱いは、在宅のデザイナーが見落としやすい点です。無料で配られているフォントでも、商品のロゴには使えないものがあります。依頼者に納品したあとで使い方の決まりに反していると分かると、作り直しになるうえ、信用も失います。使う素材の利用の条件は、作業を始める前に配布元の案内で確かめておきます。

依頼者の未公開の商品や資料を預かることも多いので、作業に使うパソコンを家族と共有しない、公衆の無線の回線でデータを送らない、といった情報の扱いの決まりも自分で作っておきます。

報酬を上げていく道筋

業務委託のデザイナーの報酬は、経験と引き受けられる範囲で変わります。報酬を上げていく道筋は、大きく3つあります。

1つ目は、担当する範囲を広げることです。デザインだけでなく、企画の段階から関わったり、HTMLやCSSでの組み立てまで引き受けたりすると、1件あたりの報酬が上がります。

2つ目は、分野を絞って詳しくなることです。医療、不動産、教育など、特定の業界のデザインを続けて手がけると、その業界の決まりや利用者の特徴に詳しくなり、同じ業界の依頼者から指名されやすくなります。UIデザインの募集で「業界の知見」を求める案件があるのも、このためです。

3つ目は、継続の契約に切り替えることです。1件ごとの依頼が続いている相手には、1か月あたりの稼働で契約する形を提案すると、受ける側は収入の見通しが立ち、依頼者も毎回の見積もりの手間が省けます。

在宅のデザイン案件で気をつけたい募集

在宅のデザインの仕事を探していると、「未経験でも在宅でデザイナーに」「講座を受ければ仕事を紹介」といった募集を見かけることがあります。中には、仕事を紹介する前に、講座の受講料や教材費、ソフトの購入費などを先に払わせる募集があります。

業務委託の仕事を受ける側が、仕事をもらうために先にお金を払う形は、注意が必要です。次の点に当てはまる募集は、申し込む前に一度立ち止まります。

  • 仕事の紹介より先に、講座や教材の代金の支払いを求められる
  • 「必ず仕事がある」「すぐに元が取れる」と、収入を約束するような説明をされる
  • 運営する会社の名前、所在地、連絡先がはっきりしない
  • その場での契約や支払いを急がされる

お金を払ってしまったあとで困ったときは、消費者ホットラインの188に電話すると、近くの消費生活センターにつないでもらえます。在宅の請負の仕事で困ったときの相談先や基礎知識は、厚生労働省のホームワーカーズウェブにもまとめられています。

仕事が途切れたときに備える

業務委託の在宅デザイナーにとって、いちばんの不安は仕事が途切れることです。依頼者の事情で、予定していた案件がなくなったり、継続していた仕事が終わったりすることは珍しくありません。備えとして、次の3つを日ごろから意識しておきます。

まず、収入を1つの依頼者に頼りすぎないことです。収入の大半を1社から受けていると、その会社の方針が変わっただけで生活が揺らぎます。メインの依頼者がいても、別の依頼者との小さな仕事を続けておくと、急な終了に耐えやすくなります。

次に、生活費の数か月分を蓄えておくことです。業務委託では、仕事が終わってから報酬が振り込まれるまでに時間がかかります。フリーランス法では原則として成果物を受け取った日から60日以内の支払いと決められていますが、裏を返せば、最大でそのくらいの期間は入金を待つことがあるということです。

最後に、仕事の少ない時期を、ポートフォリオの更新や新しいツールの練習にあてることです。手が空いた時期に作品を整えておくと、次の営業がしやすくなります。

業務委託のデザイナーが長く仕事を続けるために

在宅ワークとフリーランスの仲介を長く続けてきた運営者として見てきた範囲では、業務委託のデザイナーで仕事が途切れない人には共通点があります。デザインの腕前だけでなく、依頼者の言葉にならない要望を最初の打ち合わせで引き出し、進み具合を早めに見せて、「この人に任せると話が早い」と思ってもらえる進め方を身につけている人ほど、同じ依頼者から繰り返し仕事を頼まれています。

依頼者と受け手が直接やりとりして、仲介の手数料が乗らない形だと、同じ予算で依頼者はより多くのデザインを頼め、受け手は手元に残る額が厚くなります。双方にとって得になる関係は長く続きやすく、結果として受け手の収入と働き方の安定にもつながっている、というのが現場を見てきた実感です。

これから業務委託のデザイナーとして仕事を増やしたい人は、まず受けたい分野を1つに決め、その分野の作品でポートフォリオを整えるところから始めると、依頼者に伝わりやすくなります。分野ごとの報酬の傾向は、Webデザイナー 年収のリアル:30代フリーランスが語る稼ぎ方とキャリアパスで、フリーランスのWebデザイナーの収入の決まり方を確かめられます。職種全体の単価の目安を知りたい人は、デザイナーの年収・単価相場で、自分の見積もりが相場から外れていないかを見ておくと、価格の交渉もしやすくなります。

よくある質問

Q. 未経験から業務委託の在宅デザイナーになれますか?

UIデザインなどの業務委託の案件は、実務経験を条件にするものが多く、未経験からいきなり受けるのは簡単ではありません。まずバナーやSNSの画像など小さな案件で実績を作り、練習作品も含めたポートフォリオを整えてから、条件の高い案件に応募する人が多くいます。先に講座の代金を払わせて仕事を約束する募集には注意します。

Q. 業務委託で作ったデザインの著作権は誰のものですか?

契約で何も決めていなければ、原則として作った人に残ります。依頼者が自由に使いたい場合は、契約で著作権を譲るか、使える範囲を決めます。著作権を譲る契約でも、作り変える権利が明記されていなければ作った人に残ると推定されます。契約書の権利の条項を、引き受ける前に確かめます。

Q. 報酬から税金が引かれて振り込まれるのはなぜですか?

デザインの報酬は所得税の源泉徴収の対象とされていて、支払う会社が所得税を差し引いて納めるためです。100万円以下の支払いなら10.21%が差し引かれます。差し引かれた税金は確定申告で精算されるので、支払いの明細を保存しておきます。相手によっては源泉徴収をしない場合もあります。

Q. 会社員が副業で業務委託のデザインを受けても大丈夫ですか?

会社の就業規則で副業が認められているかを先に確かめます。副業で業務委託を受ける場合も、フリーランス法で取引の条件の明示や支払いの期日などが守られます。所得の額によっては確定申告が必要になり、住民税の扱いも関わるので、税務署やお住まいの市区町村に確かめてから始めると安心です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月16日最終更新:2026年10月24日
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