週報のフォーマットをExcelで作る|項目の決め方と共有のしかた


この記事のポイント
- ✓週報のフォーマットをExcelで作る方法を
- ✓入力規則やテーブルを使った作り方
- ✓共同編集での共有のしかたまで整理しました
週報のフォーマットをExcelで作ろうとすると、最初に迷うのは「どの項目を入れればいいか」と「作ったあとにどう共有するか」の2つです。無料のテンプレートは数多く出回っていますが、自分の仕事に合わない項目が並んだ書式をそのまま使うと、毎週の記入が負担になり、読む側にも必要な情報が届きません。この記事では、週報に入れる項目の決め方、用途別の書式の例、Excelで書式を作る具体的な手順、書き方のコツと例文、共同編集を使った共有のしかたを順に整理します。チームの担当や期限、進み具合を週報ではなく画面で共有したくなったときの選択肢として、ボード型のプロジェクト管理ツールのPinatecaにも触れます。
週報は何のために書くのか
週報とは、1週間の仕事の内容と結果、次の週の予定を、上司やチームに報告するための書類のことです。日報が「今日何をしたか」を記録するのに対し、週報は1週間という少し長い単位で仕事を振り返り、進み具合や課題を伝える役割を持ちます。
週報を書く目的は、大きく分けて次の4つです。
- 上司やチームが、仕事の進み具合を把握する
- 書く本人が、1週間の仕事を振り返り、次の週の計画を立てる
- 問題や遅れを早めに共有し、手を打つきっかけをつくる
- 仕事の記録を残し、あとから経緯を確かめられるようにする
この4つのうち、どれを重視するかで、フォーマットに入れる項目が変わります。上司への報告が中心なら「結果」と「課題」の欄を大きくとり、本人の振り返りが中心なら「気づき」と「来週の改善」の欄を設けます。目的を決めずに項目だけを並べると、どの欄も中途半端に埋まる週報になりがちです。
週報をExcelで作る人が多いのは、多くの職場ですでにExcelが使われていて、追加の費用がかからず、表の形で項目を並べやすいからです。セルの幅や色を自由に変えられ、日付の計算や合計も関数で自動にできます。紙に印刷して提出する職場でも、Excelで作っておけば印刷の範囲を調整してそのまま使えます。
一方で、Excelの週報は「ファイルを誰かに送る」形になりやすく、最新の版がどれか分からなくなる、複数人の週報を1か所で見比べにくい、といった弱点もあります。この弱点への対処は、後半の共有のしかたの節で説明します。
週報の書式についてよく言われるのは、見た目の整い方より、続けやすさのほうが大切だということです。テンプレートを配布している事業者も、次のように書いています。
週報は、きれいに書くことよりも、自分の仕事に合った形で無理なく続けられることのほうが大切です。合わないフォーマットを使い続けると、毎週の記入に余計な時間がかかってしまいます。 出典: exia.co.jp
週報のフォーマットに入れる項目の決め方
週報の項目は、「必ず入れる基本の項目」と「仕事に合わせて足す項目」に分けて考えると決めやすくなります。基本の項目は次の6つです。
| 項目 | 書く内容 | 書くときのポイント |
|---|---|---|
| 報告期間 | 対象の週の開始日と終了日 | 「10月12日から10月16日」のように日付で書く |
| 氏名・所属 | 書いた人と部署、案件名 | チームで集めるときに並べ替えの手がかりになる |
| 今週の業務内容 | 1週間に取り組んだ仕事 | 案件や作業の単位で、箇条書きにする |
| 今週の結果 | 終わったこと、数字で示せる成果 | 「完了」「80%まで」など状態を添える |
| 課題・相談 | 困っていること、判断がほしいこと | 誰に何を決めてほしいかまで書く |
| 来週の予定 | 次の週に取り組む仕事 | 期限と優先順位を添える |
この6つがあれば、読む側は「何をして、どうなって、何に困っていて、次に何をするか」を1枚で把握できます。
仕事に合わせて足す項目には、次のようなものがあります。
- 営業の仕事なら、訪問件数、商談の数、受注の見込み、売上の実績と目標の差
- 開発や制作の仕事なら、作業時間、進み具合の割合、遅れの理由、次の締め切り
- 事務やサポートの仕事なら、処理した件数、問い合わせの内容の傾向、改善の提案
- 業務委託で受けている仕事なら、案件ごとの稼働時間、納品物、次回の打ち合わせの予定
項目を足すときは、「この欄を読んだ人が、何を判断するのか」を考えるのがコツです。誰も読まない欄や、判断に使われない欄は、書く人の負担を増やすだけです。たとえば、上司が週報で見ているのが「遅れている案件があるか」だけなら、作業の細かい内訳より、案件ごとの状態と遅れの理由を書く欄を目立つ位置に配置するほうが役に立ちます。
反対に、項目を減らしすぎると、報告のたびに口頭での確認が必要になります。最初は基本の6つで始め、1か月ほど運用してから、読む側と書く側の両方に「足りない情報」と「使っていない欄」を聞いて見直すと、職場に合った書式に近づきます。
用途別の週報のフォーマットの例
同じ週報でも、仕事の種類によって適した形が違います。ここでは、よく使われる4つの形を紹介します。
業務週報(一般的な業務の報告)
部署の中で、それぞれの担当者が1週間の仕事を報告する、もっとも基本的な形です。基本の6つの項目を縦に並べ、「今週の業務内容」と「来週の予定」を左右に並べると、今週と来週の対応が一目で分かります。
営業週報(営業活動の報告)
営業の週報では、活動の量と結果を数字で残すことが求められます。行に曜日、列に「訪問先」「商談の内容」「結果」「次の行動」を並べた表にすると、1週間の動きを日ごとに追えます。テンプレートを公開しているサイトでも、日ごとに自由に書く形が紹介されています。
営業週報 テンプレート(エクセル Excel)(シンプル)と同一系統の書式・フォーマットで、営業活動の記録簿として1日ごとの業務内容を自由記入方式でごく簡潔に記入する書き方にしています。 出典: template.k-solution.info
数字の欄は、目標と実績を並べ、差を関数で自動に計算すると、書く人は実績を入れるだけで済みます。
プロジェクト週報(案件の進み具合の報告)
複数人で進める案件では、人ではなく作業を単位にした週報が向いています。行に作業の名前、列に「担当」「期限」「状態」「今週の進み具合」「課題」を並べます。状態の欄は「未着手」「作業中」「確認待ち」「完了」のように選択肢を決めておくと、表記の揺れがなくなり、絞り込みもしやすくなります。
業務委託や在宅の仕事の週報
在宅で業務委託の仕事を受けている人が、発注者に週ごとの報告を出すこともあります。この場合は、案件ごとの稼働時間、納品したもの、次の週の予定、確認してほしい点を1枚にまとめます。報告の形を自分から提案できると、発注者は進み具合を確かめる手間が減り、やり取りがスムーズになります。
どの形でも、1枚の中で「今週」と「来週」が対応していることが大切です。今週の課題が来週の予定にどう反映されているかが見えると、読む側は安心して任せられます。
Excelで週報のフォーマットを作る手順
ここからは、Excelで週報の書式を作る手順を、基本の機能に沿って説明します。特別な関数やマクロは使わず、多くの人がすぐに扱える機能だけで組み立てます。
手順1:入力する場所と見出しを決める
最初に、シートの上の部分に「報告期間」「氏名」「所属」の欄をつくり、その下に業務内容の表を配置します。見出しの行は色を付けて太字にし、入力する欄と区別します。入力する人が迷わないよう、記入例を1行目に灰色の文字で入れておくのも有効です。
手順2:表を「テーブル」にする
業務内容の表は、Excelの「テーブル」の機能で表にしておくと扱いやすくなります。テーブルとは、範囲を1つの表として扱う機能のことで、行を追加したときに書式や数式が自動で引き継がれ、見出しから並べ替えや絞り込みができます。作り方は Microsoft のサポートページのテーブルを作成するで確かめられます。
手順3:選択肢の欄をドロップダウンにする
「状態」や「優先度」のように、決まった言葉で入れたい欄は、ドロップダウンリストにします。セルを選んで「データ」タブの「データの入力規則」から「リスト」を選び、「未着手,作業中,確認待ち,完了」のように選択肢を入れると、入力する人は一覧から選ぶだけになります。手順は Microsoft のサポートページのドロップダウン リストを作成するに載っています。表記が揃うと、あとで複数人の週報を集めたときに、状態ごとの数を数えやすくなります。
手順4:日付と合計を自動にする
報告期間の開始日を入れたら、終了日は「開始日のセル+4」のような数式で自動に出るようにすると、入力の手間と間違いが減ります。作業時間や件数の欄には、SUM関数で合計を出す行を表の下に設けます。
手順5:見出しを固定し、印刷の範囲を決める
行が増えて下にスクロールしても見出しが見えるよう、「表示」タブの「ウィンドウ枠の固定」で見出しの行を固定します。印刷して提出する職場なら、「ページレイアウト」タブで印刷範囲と用紙の向きを決め、1枚に収まるかを印刷プレビューで確かめます。
手順6:ひな形として保存する
できあがったら、記入例を消した状態で、ひな形として保存します。毎週、このひな形をコピーして使えば、書式が崩れません。ファイル名は「週報_2026-10-12_氏名」のように日付と氏名を入れる決まりにしておくと、あとで探すときに迷いません。
週報の書き方のコツと例文
書式が整っても、中身の書き方が曖昧だと週報は役に立ちません。読む側が判断しやすい週報にするためのコツを4つ紹介します。
1つ目は、事実と意見を分けて書くことです。「A社の提案書を提出した」は事実、「先方の反応は良さそうだ」は意見です。事実の欄と所感の欄を分けると、読む側は状況を正しくつかめます。
2つ目は、状態を数字や言葉で決めて書くことです。「だいたい終わった」ではなく「8割まで完了、残りは図表の作成」と書くと、残りの作業量が伝わります。
3つ目は、課題の欄に「誰に何を決めてほしいか」まで書くことです。「デザインの方向性が決まらない」だけでは、読む側は何をすればいいか分かりません。「デザインの方向性について、10月22日までに案Aか案Bかを決めていただきたい」と書けば、相手はすぐに動けます。
4つ目は、短く書くことです。1つの項目は2行から3行に収め、詳しい資料は別のファイルへのリンクで示します。週報は、読む側が数分で把握できる量が目安です。
例文を、業務週報の形で示します。
報告期間:10月12日から10月16日
今週の業務内容:
- 新商品の紹介ページの原稿を作成(4本中3本が完了)
- 問い合わせのメールへの返信(32件、平均の返信時間は当日中)
- 来月の展示会の配布資料の構成案を作成
今週の結果:
- 紹介ページの原稿3本を確認担当に提出済み
- 問い合わせの返信の遅れはなし
課題・相談:
- 紹介ページの4本目に使う写真が届いていないため、10月21日までに手配の可否を判断していただきたい
来週の予定:
- 紹介ページの4本目の原稿を完成させる(期限は10月23日)
- 展示会の配布資料の原稿を作成する
この形なら、読む側は、終わったこと、残っていること、自分が判断すべきことを1分ほどで把握できます。
営業週報の場合は、数字の欄から書き始めず、まず結果の要点を1行で書き、そのあとに数字を並べると読みやすくなります。例を示します。
今週の要点:新規の商談が2件増え、うち1件は見積もりの提出まで進んだ
活動の実績:
- 訪問8件(目標10件)、オンラインの商談3件
- 見積もりの提出1件、受注の見込みは11月上旬
課題・相談:
- 訪問の件数が目標を下回った理由は、既存の取引先からの問い合わせ対応に時間を取られたため。対応の分担について、来週の打ち合わせで相談したい
来週の予定:
- 見積もりを出した取引先への訪問(10月23日)
- 新規の候補先5件への連絡
目標に届かなかった数字には、理由と次の手を添えます。数字だけを並べると、読む側は原因を聞き返す必要があり、週報の役割を果たせません。反対に、理由と次の手が書かれていれば、上司は応援が必要か、計画を変えるべきかをその場で判断できます。
週報のフォーマットでよくある失敗と直し方
Excelで週報を運用していると、同じような失敗がいくつも起きます。代表的なものと、その直し方を整理します。
1つ目は、セルの結合を使いすぎることです。見た目を整えるためにセルを結合すると、並べ替えや絞り込み、コピーがうまくいかなくなります。見出しを中央に寄せたいだけなら、結合ではなく「選択範囲内で中央」の配置を使うと、表の機能を損なわずに済みます。
2つ目は、1つのセルに複数の情報を書き込むことです。「A社 提案書 完了 10/18」のように1つのセルにまとめて書くと、あとで状態や期限で絞り込めません。案件名、作業、状態、期限は、それぞれ別の列に分けます。
3つ目は、自由記述の欄が大きすぎることです。大きな空欄があると、書く人は埋めようとして長い文章を書き、読む側は要点を探す手間がかかります。自由記述の欄は「所感」や「相談」に絞り、文字数の目安を見出しに書いておきます。
4つ目は、毎週ファイルを一から作り直すことです。前の週のファイルを上書きして使うと、消し忘れた内容がそのまま残ったり、過去の記録が残らなかったりします。ひな形を別に保存し、毎週そこからコピーして使う決まりにします。
5つ目は、書式を人ごとに変えてしまうことです。各自が使いやすいように列を足したり並べ替えたりすると、集めたときに見比べられなくなります。列を変えたいときは、管理する人に伝えて、ひな形そのものを直す決まりにしておきます。
これらの失敗は、どれも「見た目」を優先して「集めて使う」ことを後回しにしたときに起きます。週報は、1枚で読むだけでなく、複数人分や複数週分を並べて使うものだと考えて作ると、崩れにくい書式になります。
Excelの週報を共有するしかた
週報のフォーマットができたら、次は共有のしかたを決めます。Excelのファイルを共有する方法は、大きく分けて3つあります。
方法1:メールやチャットにファイルを添付する
もっとも手軽な方法ですが、ファイルが人の数だけ増え、最新の版がどれか分からなくなりやすい方法です。上司は、全員分のファイルを開いて見比べる必要があります。少人数で、週に1回提出するだけなら、この方法でも回ります。
方法2:共有のフォルダに保存する
社内のファイルサーバーやクラウドのフォルダに、決まった名前で保存する方法です。ファイルが1か所に集まるので、探す手間は減ります。ただし、同じファイルを複数人が同時に開くと、上書きの衝突が起きることがあります。
方法3:共同編集で1つのファイルを複数人で書く
Excelには、同じブックを複数人で同時に編集できる「共同編集」の機能があります。Microsoft のサポートページでは、共同編集を使うと、お互いの変更を数秒で確かめられると説明されています。使うための条件は、次のとおりです。
- Microsoft 365 のサブスクリプションを持っていること(Windowsのデスクトップ版の場合)
- ブックを OneDrive、OneDrive for Business、SharePoint Online のいずれかに保存すること
- ファイルの形式が .xlsx、.xlsm、.xlsb のいずれかであること
- 編集中に左上の「自動保存」がオンになっていること
詳しい手順はExcel ブックの共同編集を使用して同時に共同作業を行うで確かめられます。社内の SharePoint を自社のサーバーで運用している場合は共同編集に対応しないと書かれているので、職場の環境が分からない場合は情報システムの担当者に確かめます。
共同編集を使う場合は、1つのブックに、人ごとのシートを並べる形がよく使われます。シートの名前を氏名にしておけば、上司は1つのファイルを開くだけで全員の週報を見られます。週ごとにブックを分けるか、1つのブックに週ごとの行を足していくかは、件数と見返す頻度で決めます。
Googleスプレッドシートを使う職場なら、同じ考え方で、1つのシートを共有して複数人で書く形にできます。Excelのファイルを読み込んで使うこともできるので、社外の人と週報をやり取りするときに使われることもあります。
集計用のシートで全員の状況を整理する
複数人の週報を1つのブックに集める場合は、人ごとのシートとは別に、集計用のシートを1枚つくっておくと、管理する人の手間が大きく減ります。
集計用のシートでよく使われるのが、COUNTIF関数です。COUNTIF関数とは、指定した範囲の中で、条件に合うセルの数を数える関数のことです。たとえば、各シートの「状態」の列から「確認待ち」の数を数えれば、誰の作業が止まっているかがすぐに分かります。状態の欄をドロップダウンで入力する形にしておけば、表記が揃っているので、数え間違いが起きません。
集計の表は、行に氏名、列に「未着手」「作業中」「確認待ち」「完了」を並べる形が基本です。数が多い欄にだけ色が付くように「条件付き書式」を設定すると、表を眺めただけで偏りに気づけます。条件付き書式とは、セルの値に応じて、文字や背景の色を自動で変える機能のことです。
もう1つ便利なのが、各シートの「課題・相談」の欄だけを集計用のシートに並べる方法です。週報を1枚ずつ読まなくても、判断が必要な事柄だけを一覧で確かめられます。上司は、週の初めにこの一覧を見て、誰にどの判断を返すかを決めればよくなります。
ただし、集計の仕組みを凝りすぎると、書式を少し変えただけで数式が崩れ、直せる人が限られてしまいます。数式は、ほかの人が見ても意味が分かる単純なものにとどめ、シートの隅に「この表の仕組み」を短く書いておくと、担当が替わっても運用が続きます。
週報を習慣にする運用の決まり
書式が整っていても、提出のタイミングや読まれ方が決まっていないと、週報はすぐに形だけのものになります。週報を習慣として続けるために、次の4つを決めておきます。
1つ目は、提出の期限です。「金曜日の17時まで」のように曜日と時刻を決めると、書く人は週の終わりに振り返る時間を確保しやすくなります。月曜日の朝に前の週の分を書く職場もありますが、記憶が薄れて中身が曖昧になりやすいので、週の終わりに書くほうが正確です。
2つ目は、読んだ側が返事をすることです。週報を出しても何の反応もないと、書く人は「誰も読んでいない」と感じ、内容が薄くなっていきます。課題の欄に書かれた相談には、短くても返事を返し、判断が必要なものは期限を決めて答えます。
3つ目は、書式を見直す時期です。3か月に1回など時期を決め、使われていない欄を削り、足りない欄を足します。見直しの際には、書く側と読む側の両方の意見を聞きます。
4つ目は、過去の週報の保存のしかたです。週ごとにファイルを分けるなら、年と月のフォルダに分けて保存し、ファイル名の付け方を統一します。1つのブックに書き足していくなら、1年ごとに新しいブックに切り替えると、ファイルが重くなりすぎません。
運用の決まりは、書式の中に書き込んでおくと忘れられません。シートの上の部分に「提出期限:毎週金曜日17時」「課題には上司が翌営業日中に返信」のように1行で書いておくだけでも、運用が揃います。
社外の発注者に週報を出すときの注意
業務委託で仕事を受けていて、発注者に週報を出す場合は、社内の週報とは別の注意が必要です。
まず、書いてよい情報の範囲を確かめます。ほかの取引先の名前や、別の案件の内容を同じ週報に書くと、守秘の約束に反するおそれがあります。複数の発注者の仕事を受けている人は、発注者ごとに週報のファイルを分けます。
次に、ファイルの渡し方です。メールに添付して送る場合は、宛先を確かめてから送り、個人情報や機密を含む場合は、発注者が指定する共有の方法に従います。共有のリンクで渡す場合は、閲覧できる人の範囲を「リンクを知っている全員」にしたままにしないよう注意します。
最後に、稼働時間の書き方です。時間単位で報酬を受ける契約なら、週報の稼働時間は請求の根拠になります。作業ごとに開始と終了の時刻を記録し、合計を週報に書く形にしておくと、請求の際に発注者と認識がずれにくくなります。契約の内容によって報告の形が決まっている場合は、それに従います。
無料のテンプレートを選ぶときのポイント
自分で書式を作る時間がない場合は、無料で配布されているテンプレートを使う方法もあります。選ぶときに確かめたいのは、次の4点です。
- 項目が自分の仕事に合っているか(営業向けか、業務向けか、案件向けか)
- 1枚の量が多すぎないか(毎週の記入にかかる時間を想像する)
- 入力規則や数式が組み込まれていて、入力の手間が減るか
- 印刷するなら、用紙の大きさと向きが職場の決まりに合っているか
テンプレートは、そのまま使うより、ダウンロードしてから自分の職場に合わせて項目を削ったり足したりするのが前提です。配布元の多くは、商用での利用や改変の可否を利用条件に書いているので、社内で配る前に確かめておきます。
テンプレートを選ぶときによく起きる失敗は、項目が多い書式ほど丁寧だと考えて選んでしまうことです。項目が多いと、書く人は空欄を埋めることに時間を使い、肝心の課題や相談が埋もれます。最初は少ない項目の書式を選び、足りない分を足していくほうが、結果として続く週報になります。
Excelの週報が回らなくなるとき
Excelの週報は、少人数で、報告の内容が単純なうちはよく回ります。ところが、次のような状況になると、週報だけでは情報の共有が追いつかなくなります。
- 1つの案件に関わる人が増え、誰がどの作業を担当しているかを週報から読み取りにくい
- 期限の近い作業が多く、週に1回の報告では遅れに気づくのが遅い
- 同じ作業について、週報、チャット、メールのあちこちでやり取りが散らばる
- 週報を集めて表にまとめ直す作業が、管理する人の負担になっている
この状況で必要なのは、週報の項目を増やすことではなく、作業そのものを1か所で管理し、担当と期限と状態をいつでも見られるようにすることです。週報は「1週間の振り返りと所感」に絞り、作業の状態は画面で共有する、という分け方にすると、週報を書く時間も短くなります。
担当と期限と進み具合を画面で共有したいときの選択肢
作業の状態を画面で共有する道具の候補の1つが、ボード型のプロジェクト管理ツールの Pinateca です。公式サイトによると、カンバン、ガント、カレンダー、リスト、時間割、リソースなど8種類のボードとチャットが、無料プランから使えます。カンバンは作業を「未着手」「作業中」「完了」のような列に並べて進み具合を動かす表示、ガントは作業の期間を横棒で並べて締め切りの重なりを見る表示のことです。
カードには担当者や期限を付けられ、見積もりの工数や優先度、顧客名のような項目を自由に追加できるカスタムフィールドもあります。週報の表で列にしていた「担当」「期限」「状態」を、カードの項目としてそのまま持てるので、Excelの表から移るときにも考え方を変えずに済みます。自分宛てのメンションや担当の割り当て、締め切りは受信箱に集まり、カードごとのコメントでやり取りを残せます。
料金のページによると、5人まで、ボード10個までのフリープランがあり、クレジットカードの登録は不要です。6人目、または11個目のボードからは、1人あたり月額500円(税抜)のスタンダードプランになると案内されています。
使い分けの例としては、日々の作業の担当と進み具合はPinatecaのボードで共有し、週報は1週間の振り返りと課題、来週の方針だけを短く書く形が考えられます。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
週報の書式を整える力は在宅の仕事でも生きる
週報のフォーマットを作る作業は、情報を整理して相手に伝わる形にする作業です。この力は、会社員の報告業務だけでなく、在宅で受ける仕事でも評価されます。
在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、業務委託の仕事が長く続く人ほど、頼まれる前に進み具合を短く報告し、発注者が確認する手間を減らしています。報告の形を相手に合わせて整えられる人は、「この人に任せると楽だ」と思われ、次の依頼につながりやすくなります。仲介の手数料が乗らない直接の取引なら、同じ予算で発注者はより多くを頼め、受ける側は手元に残る額が厚くなります。報告の丁寧さは、その関係を長く保つための土台になります。
業務の整理や改善を支援する仕事は、在宅の案件としても募集があります。生成AIを業務に取り入れる支援を扱うAIコンサル・業務活用支援のお仕事では、業務の流れを整理して、道具の使い方を提案する仕事の内容と始め方を紹介しています。週報の書式づくりや報告の仕組みの見直しは、こうした支援の入り口になる作業です。
報告書や資料を見やすく整える力は、デザインの仕事とも重なります。デザイナーの年収・単価相場では、デザインの職種の収入の目安を、雇用と業務委託の両方からまとめています。
業務の改善を体系立てて学びたい人には、経営の診断と助言の国家資格である中小企業診断士の資格ガイドも参考になります。試験の内容と、資格を仕事に生かす方法を紹介しています。
週報は、書式を一度作れば終わりではなく、運用しながら直していくものです。基本の6項目から始め、入力規則とテーブルで入力の手間を減らし、共有のしかたを決めておけば、毎週の報告にかかる時間は確実に短くなります。
よくある質問
Q. 週報のフォーマットは無料のテンプレートと自作のどちらがよいですか?
急いで始めたいなら無料のテンプレートを使い、自分の仕事に合わせて項目を削ったり足したりする方法が手早いです。チームで同じ書式を使うなら、報告期間、業務内容、結果、課題、来週の予定の基本の項目で自作し、入力規則で選択肢を揃えると、集めたあとに見比べやすくなります。配布元の利用条件も確かめておきます。
Q. 週報はどのくらいの量を書けばよいですか?
読む側が数分で把握できる量が目安です。1つの項目は2行から3行に収め、詳しい資料は別のファイルへのリンクで示します。量を増やすより、終わったこと、残っていること、判断してほしいことがはっきり分かるように書くほうが、週報としての役割を果たせます。
Q. Excelの週報を複数人で同時に編集するには何が必要ですか?
Microsoft のサポートページでは、Microsoft 365 のサブスクリプション、OneDrive や SharePoint Online への保存、.xlsx などの対応した形式、自動保存がオンになっていることが条件として案内されています。職場の環境によって使えない場合もあるので、情報システムの担当者に確かめてから始めると確実です。
Q. 週報と日報は両方書く必要がありますか?
目的が違うので、職場の決まりによります。日報はその日の作業と気づきを記録し、週報は1週間の進み具合と課題、来週の予定を伝えます。両方を書く負担が大きい場合は、日々の作業の状態は管理ツールなどで共有し、週報は振り返りと相談に絞るといった分け方も検討できます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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