Warpターミナルの特徴と、標準のターミナルからの乗り換え方


この記事のポイント
- ✓Warpターミナルの特徴を
- ✓公式ドキュメントと料金ページをもとに整理します
- ✓無料で使える範囲と有料プランの料金
Warpターミナルが気になっているものの、「標準のターミナルと何が違うのか」「無料でどこまで使えるのか」「乗り換えたら今の設定はどうなるのか」が分からず、入れるのをためらっている人は多いはずです。結論から言うと、Warpはターミナルの基本機能を無料で使え、アカウントの登録も必須ではありません。標準のターミナルと並べて入れておき、普段の作業の一部から試してみるのが、失敗の少ない始め方です。
この記事では、Warpの公式ドキュメントと料金ページに書かれている内容をもとに、Warpの特徴、無料と有料の違い、Macの標準のターミナル(ターミナル.app)からの乗り換え手順、乗り換える前に確かめておきたい点を順番に整理します。コマンドの操作に慣れていない人にも伝わるよう、専門用語はその都度言い換えながら説明します。
そもそもターミナルとは何か、なぜ乗り換えが話題になるのか
ターミナルとは、文字でコマンドを入力してパソコンに指示を出すためのアプリのことです。Macには最初から「ターミナル」というアプリが入っていて、アプリケーションフォルダの中のユーティリティフォルダから開けます。ファイルの一括操作、プログラムの実行、サーバーへの接続などに使われます。
ターミナルの中で実際にコマンドを解釈しているのは「シェル」と呼ばれるプログラムです。シェルとは、入力された文字を読み取って実行する通訳のような役割のプログラムで、Macでは2019年のmacOS Catalina以降、zshが標準になっています。ターミナルのアプリを乗り換えても、中で動くシェルは同じものを使い続けられます。つまり、乗り換えで変わるのは「見た目と操作の仕方」であって、「使えるコマンド」ではありません。
ここ数年、ターミナルの乗り換えが話題になる理由は大きく2つあります。1つは、AIのコーディング支援がターミナルの中で動くようになったことです。Claude CodeやCodexのように、ターミナルで指示を出すと、AIがファイルを読み書きしてプログラムを作る道具が広まり、エンジニア以外の人もターミナルを開く機会が増えました。もう1つは、標準のターミナルの画面が「文字が流れていくだけ」で、どこからどこまでが1回分の結果なのか分かりにくいという不満です。
Warpは、この2つに正面から応えようとしているターミナルです。公式ドキュメントでは、Warpを「エージェントによる開発環境」と位置づけ、高速なターミナルと、AIのエージェントを組み合わせたものだと説明しています。エージェントとは、指示を受けて複数の手順を自分で進めるAIのことです。
Warpの特徴は「ブロック」と「入力欄」
Warpを初めて開くと、標準のターミナルとの違いにすぐ気づきます。最も大きな違いは、コマンドとその結果がひとまとまりの「ブロック」として表示されることです。公式ドキュメントでは、ブロックを次のように説明しています。
A Block groups commands and outputs into one atomic unit. 出典: docs.warp.dev
訳すと「ブロックは、コマンドとその出力を1つの単位にまとめるもの」という意味です。標準のターミナルでは、コマンドを実行するたびに結果が下へ流れ、長い出力が続くと、どこで何を実行したのかを探すのに上へスクロールし続けることになります。Warpでは、1回の実行ごとに枠で区切られるので、目的の結果をすぐに見つけられます。
公式ドキュメントによると、ブロックごとに次のことができます。
- コマンドだけをコピーする
- 出力だけをコピーする
- 出力の先頭へ一気にスクロールする
- 同じコマンドを入力欄に戻して再実行する
- コマンドと出力を、書式を保ったまま共有する
- よく使うコマンドにしおりを付ける
もう1つの違いは入力欄です。標準のターミナルでは、カーソルが画面の最後の行にあり、矢印キーでしか移動できません。Warpの入力欄は、普通のテキストエディタのように、マウスでクリックした位置にカーソルを移したり、範囲を選んで消したりできます。長いコマンドの途中だけを直したいときに、矢印キーを何十回も押す必要がありません。
ほかにも、入力中のコマンドの色分け(シンタックスハイライト)、入力の候補の表示、コマンドの履歴の検索、画面の分割(分割ペイン)、縦に並ぶタブなどが、初期設定のまま使えます。標準のターミナルで同じことをしようとすると、zshの拡張を自分で入れて設定ファイルを書く必要があったものが多く、その手間がないのがWarpの分かりやすい利点です。
AIのエージェントでできること
Warpのもう1つの柱が、AIのエージェントです。入力欄で日本語や英語の文章を書くと、AIがそれをコマンドに直したり、エラーの原因を調べたり、ファイルを編集したりします。公式ドキュメントでは、Macでは⌘+Iでエージェントのモードに切り替えると案内されています。
たとえば「このフォルダにある画像を全部縮小して」と書くと、AIが必要なコマンドを考えて提案し、確認したうえで実行できます。コマンドの書き方を覚えていない人にとっては、調べる時間を大きく減らせる機能です。エラーが出たときに、そのブロックを選んでAIに原因を尋ねることもできます。
Warpの料金ページによると、AIのモデルはOpenAI、Anthropicなど複数の提供元から選べます。また、Claude CodeやCodexといったほかのAIのエージェントを、Warpの中で動かすこともできます。Warp自身のAIを使わず、ターミナルとしてだけ使うことも可能です。
注意したいのは、AIの機能を使うと、入力した文章や、場合によってはコマンドの出力がAIの提供元に送られる点です。会社の仕事でWarpを使う場合、勤務先や取引先がAIへのデータの送信をどう扱っているかを先に確かめておく必要があります。公式の料金ページには、データの扱いを利用者ごとに設定できる旨が書かれており、Business以上のプランでは管理者がまとめて設定できると案内されています。
AIの機能はインターネットへの接続が前提です。公式ドキュメントによると、Warpを最初に開くときだけインターネットへの接続が必要で、その後は接続がなくても動きますが、AIやリアルタイムの共同作業の機能は使えなくなります。
無料で使える範囲と有料プランの料金
Warpの料金は、公式の料金ページで2026年10月時点、次のように案内されています。金額は米ドルで、年払いにすると10%割り引かれます。
| プラン | 月払い | 年払い(1か月あたり) | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | $0 | ターミナルの基本機能、AIの利用は従量課金か自分のAPIキー、Warp Driveは一部 |
| Build | $20 | $18 | 1,500クレジット($20分のAIの利用)、Warp Driveの上限なし、メールでのサポート |
| Max | $200 | $180 | Buildの12倍の18,000クレジット |
| Business | 1人$50 | 1人$45 | 1人あたり1,500クレジット、管理機能、SSO、最大25人 |
| Enterprise | 個別見積もり | 個別見積もり | 人数の上限なし、高度な管理機能 |
ここでいうクレジットとは、AIのエージェントを使った量に応じて減っていく利用の枠のことです。ターミナルとしての機能は、Freeでも制限なく使えます。お金がかかるのは、主にWarpのAIをたくさん使う場合です。
Warp Driveとは、よく使うコマンドの手順や環境変数(プログラムに渡す設定値)、メモなどをクラウドに保存して、チームで共有する機能のことです。Freeでは使える量に制限があり、Build以上で上限がなくなります。
無料のままで十分な人
コマンドを打つ道具として使うだけなら、Freeで十分です。AIを使いたい場合も、Claude CodeやCodexなど、すでに契約しているAIの道具をWarpの中で動かすなら、Warp側の有料プランは必須ではありません。公式の料金ページでは、Freeでも自分のAIの契約やAPIキーを持ち込めると案内されています。
有料を検討する人
Warp自身のAIのエージェントを毎日のように使う人、チームでコマンドの手順を共有したい人は、Build以上が候補になります。Businessは25人までのチーム向けで、管理者がデータの扱いや利用量をまとめて管理できます。料金は改定されることがあるので、契約の前に公式の料金ページで最新の金額を確かめてください。
なお、Warpのアプリ本体(クライアント)は、公式ドキュメントによるとAGPL v3という条件でソースコードが公開されています。ソースコードの公開とは、誰でも中身のプログラムを読めるようにしていることで、どのように動いているかを外から確かめられる点を重視する人には判断材料になります。
Macに入れる手順と最初の設定
Warpを入れる前に、Macが対応しているかを確かめます。公式ドキュメントでは、Macの最低条件はmacOS 10.14以降で、IntelのMacとApple シリコンのMacの両方に対応し、Metal(Appleの画面描画の仕組み)に対応したハードウェアが必要と案内されています。ここ数年のMacであれば、ほぼ条件を満たしています。
インストールの方法は2つ
- Warpの公式サイトからダウンロードし、アプリケーションフォルダへドラッグする
- Homebrewを使っている場合は、ターミナルで
brew install --cask warpを実行する
Homebrewとは、Mac用のソフトをコマンドでまとめて入れたり更新したりするための道具です。すでに使っている人は2つ目の方法が手軽ですが、使っていない人は1つ目の方法で問題ありません。どちらの方法でも、新しい版が出たら自動で更新されます。
アカウントの登録は任意
インストール後、画面右上の「Sign up」から、Warpのアカウントを作れます。公式ドキュメントでは、この登録は任意で、飛ばしても使えると案内されています。GoogleやGitHubのアカウントで登録した場合、Warpが受け取るのはメールアドレスだけだと説明されています。まずは登録せずに試し、AIやWarp Driveを使いたくなってから登録する順番でも構いません。
シェルは自動で引き継がれる
Warpは、最初に開いたときに、Macで使っているシェルを自動で読み込みます。公式ドキュメントによると、対応しているシェルはbash、fish、zsh、PowerShellの4つです。これ以外のシェル(たとえばNushell)を使っている場合は、zshが読み込まれます。標準のターミナルでzshを使ってきた人なら、これまでの設定ファイル(.zshrc)がそのまま効きます。あとから変える場合は、「Settings」の「Features」にある「Session」で、新しいセッションで使うシェルを選びます。
標準のターミナルからの乗り換え手順
公式ドキュメントには、Macの標準のターミナルからWarpへ乗り換えるための専用のページがあります。そこでは、ワンクリックで設定を取り込む機能はないものの、ほとんどの人は初期設定に近い状態で使っているので、乗り換えは数分で済むと説明されています。手順は、AIに任せる方法と、自分で設定する方法の2つです。
AIのエージェントに任せる方法
標準のターミナルの設定は、macOSの環境設定の中に保存されています。Warpのエージェントは、defaults read com.apple.Terminal というコマンドでその設定を読み取り、色やフォント、窓の大きさを、Warpの設定ファイル(settings.toml)に書き写せます。公式ドキュメントで案内されている手順は次のとおりです。
- Warpで新しいタブを開き、⌘+Iでエージェントのモードに切り替える
- 「標準のターミナルの設定を読み取り、使っているプロファイルのテーマ、フォント、窓の大きさをWarpの設定に移して。適用する前に差分を見せて」という趣旨の指示を入力する
- 表示された変更の内容を確かめてから、適用を承認する
この方法はAIの機能を使うので、Warpのアカウントの登録と、AIの利用枠が必要になります。
自分で設定する方法
AIを使わない場合も、設定画面から数か所を変えるだけで、標準のターミナルに近い見た目にできます。
- テーマと色:「Settings」の「Appearance」にある「Themes」から、近いテーマを選ぶ。色まで正確に合わせたい場合は、標準のターミナルの設定の「プロファイル」で「テキスト」の色を確かめ、Warpで自分のテーマを作る
- フォント:「Appearance」の「Text, fonts, & cursor」で、標準のターミナルと同じフォントと文字の大きさを選ぶ
- 窓の大きさと透明度:「Appearance」の「Size, opacity, & blurring」で調整する
- プロンプト:プロンプトとは、コマンドの入力を待っている合図として表示される文字列のことです。「Appearance」の「Prompt」で、Warp独自の表示か、これまでのシェルのプロンプト(PS1)をそのまま使うかを選べる
標準のターミナルの機能はWarpのどこにあるか
公式ドキュメントの対応表をもとに整理すると、次のようになります。
| 標準のターミナル | Warp |
|---|---|
| プロファイル | タブの構成(Tab configs)とテーマに分かれる |
| ウインドウグループ | タブの構成(Tab configs) |
| タブ | タブ、縦に並ぶタブ |
| 分割 | 分割ペイン(それぞれ独立して操作できる) |
| 選択した文字をコピー | 「Settings」の「Features」の「Session」 |
| インスペクタ | コマンドのインスペクタ(終了コード、かかった時間、作業フォルダを表示) |
Warpには、標準のターミナルの「プロファイル」にあたる1つのまとまりがなく、見た目はテーマ、起動時の構成はタブの構成と、役割ごとに分かれている点に注意してください。
最初の1週間で覚えておきたい操作
Warpは初期設定のままでも使えますが、いくつかのキーボードの操作を覚えておくと、ブロックの便利さを実感しやすくなります。公式ドキュメントのショートカットの一覧から、Macで最初に覚えておきたいものを選んで整理します。
| 操作 | キー | 使いどころ |
|---|---|---|
| 1つ前のブロックを選ぶ | ⌘+↑ | 直前の実行結果をすぐに確かめたいとき |
| 次のブロックを選ぶ | ⌘+↓ | 選んだブロックから下へ順に見ていくとき |
| 選んだブロックのコマンドをコピー | Shift+⌘+C | 手順書やメモにコマンドを書き写すとき |
| 選んだブロックの出力をコピー | Option+Shift+⌘+C | エラーの内容を質問や報告に貼るとき |
| ブロックにしおりを付ける | ⌘+B | あとで見返したい結果に印を付けるとき |
| 画面のブロックを消す | ⌘+K | 画面を整理して新しく作業を始めるとき |
| 右に画面を分割 | ⌘+D | 2つの作業を並べて見たいとき |
| コマンドの履歴を検索 | Ctrl+R | 以前に打ったコマンドを探すとき |
| コマンドパレットを開く | ⌘+P | 機能の名前から操作を探すとき |
| テーマを選ぶ | Ctrl+⌘+T | 色の組み合わせをすぐに変えたいとき |
ショートカットは、「Settings」の「Keyboard shortcuts」から自分で割り当て直せます。公式ドキュメントによると、⌘+Tabや⌘+`のように、macOSそのものが使っているショートカットは、macOS側の割り当てを外さないとWarpで使えません。割り当てがほかの操作とぶつかっている場合は、設定画面でオレンジ色の枠で示されます。
1週間の試し方
いきなりすべての作業をWarpに移すより、次のように段階を踏むと、合うかどうかを落ち着いて判断できます。
- 1日目から2日目:インストールし、テーマとフォントだけを整える。普段のコマンドをWarpで打ち、ブロックの区切りに慣れる
- 3日目から4日目:⌘+↑と⌘+↓でブロックを行き来し、出力のコピーとしおりを使ってみる。長い出力を見返す作業で、標準のターミナルと比べて手間が減ったかを確かめる
- 5日目から6日目:⌘+Dで画面を分割し、片方でプログラムを動かし、もう片方でファイルを確かめるといった並行の作業を試す
- 7日目:AIを使いたい場合は、アカウントを登録してエージェントのモードを試す。使わない場合は、ここまでの機能だけで続けるかを決める
この1週間のうちに、「前より楽になった場面」と「前より手間が増えた場面」をメモしておくと、判断の材料になります。手間が増えた場面が多いなら、標準のターミナルに戻すのも十分に合理的な選択です。道具は、仕事を楽にするためにあるものです。
乗り換える前に確かめておきたいこと
Warpは便利ですが、すべての人に向いているわけではありません。乗り換えてから困らないよう、事前に確かめておきたい点をまとめます。
標準のターミナルは消さずに残す
Warpを入れても、標準のターミナルはそのまま残ります。最初の数週間は両方を使い分け、Warpで困ったときにすぐ戻れるようにしておくのが安全です。手順書やマニュアルが「ターミナルを開いて」と書いている場合、多くは標準のターミナルを前提にしているので、画面の見た目が違っても慌てずに済みます。
日本語の入力と表示を自分の環境で試す
ターミナルで日本語のファイル名を扱ったり、日本語でAIに指示を出したりする人は、入力の確定や変換の動きが、自分の使っている入力の仕組みで問題なく動くかを、実際の作業で試してから切り替えてください。ターミナルのアプリによって、日本語の変換中の表示の仕方には差があります。
全画面で動くアプリやSSHの動き
vimやtopのように、画面全体を使って動くアプリは、ブロックの仕組みとは別の扱いになります。また、SSHでほかのサーバーに接続した先でもWarpの機能を使うには、追加の設定が必要になる場合があります。公式ドキュメントにはSSH接続時の機能の対応についての説明があるので、サーバーの作業が多い人は先に目を通しておくと安心です。
AIが提案したコマンドは実行前に読む
AIのエージェントは便利ですが、提案するコマンドがいつも正しいとは限りません。特に注意したいのは、ファイルを削除する rm、ファイルを上書きする mv や cp、管理者の権限で実行する sudo を含むコマンドです。これらは一度実行すると元に戻せないことがあり、フォルダの指定を1文字間違えるだけで、必要なファイルまで消えてしまいます。
AIが提案したコマンドに、意味の分からない部分があれば、実行する前にAIに「このコマンドは何をするのか」と尋ねてください。ブロックの仕組みがあるので、実行前の提案と実行後の結果を見比べるのも簡単です。大事なファイルを扱う作業の前には、Time Machineなどでバックアップを取っておくと、万一のときにも落ち着いて対処できます。AIに任せる範囲は、慣れるまでは「調べる」「提案させる」までにとどめ、実行は自分で確かめてから行うのが安全です。
会社のルールを確かめる
会社から支給されたMacでは、アプリの追加に許可が要ることがあります。また、AIへのデータの送信を禁止している職場もあります。Warp自体は、AIを使わなければ普通のターミナルとして動きますが、事前に情報システムの担当者に確認しておくのが確実です。
有料プランは使い方が固まってから
Warpの有料プランは、主にAIの利用量で差が付きます。最初からBuildやMaxを契約するより、Freeで1か月ほど使い、AIをどれくらいの頻度で使うかを把握してから判断しても遅くありません。
在宅でプログラミングを学び始めた人からよく聞くのは、「ターミナルの画面が怖くて、何が起きているのか分からない」という声です。こうした人の場合、Warpのブロックで1回分の実行がはっきり区切られるだけで、エラーの位置が分かりやすくなり、学ぶ気持ちが続きやすくなる例が見られます。一方で、手順書と画面の見た目が違うことに戸惑う人もいます。どちらが合うかは人によるので、まず小さく試してから決めるのが、遠回りに見えて一番確実です。
Warpが合う人、標準のままでよい人
ここまでの内容を、どんな人にWarpが合うかという観点で整理します。
Warpが合う人
- コマンドの結果を見返すことが多く、長い出力を何度もスクロールしている人
- コマンドの書き方を毎回調べていて、AIに提案してもらいたい人
- Claude CodeやCodexなどのAIのエージェントをターミナルで使う時間が長い人
- 分割ペインや縦に並ぶタブで、複数の作業を同時に見たい人
- zshの拡張を自分で設定する時間を取りたくない人
標準のターミナルのままでよい人
- ターミナルを使うのが月に数回で、決まったコマンドを打つだけの人
- 会社のルールで新しいアプリやAIを使えない人
- 手順書どおりの画面で作業したい人
- すでにiTerm2などで自分に合う設定を作り込んでいる人
ほかのターミナルとの違い
Mac向けには、Warpのほかにも、iTerm2、Ghostty、Alacrittyなど、多くのターミナルのアプリがあります。iTerm2は長く使われてきた定番で、設定の細かさに定評があります。GhosttyやAlacrittyは表示の速さを重視しています。Warpは、ブロックとAIのエージェントを最初から組み込んでいる点で、これらと方向性が異なります。公式ドキュメントにはiTerm2やGhosttyからの乗り換えのページもあり、それぞれの機能がWarpのどこにあたるかを確かめられます。
迷ったときは、普段の作業で一番時間がかかっている場面を思い浮かべてみてください。それが「出力を探す」ことならブロック、「コマンドを調べる」ことならAI、「複数の作業を並べる」ことなら分割ペインが効きます。どれにも当てはまらないなら、無理に乗り換える必要はありません。
ファイルの管理とターミナルを1つの画面で扱う選択肢
Warpを使い始めると、次に気になりやすいのが、Finderとターミナルの行き来です。ターミナルでAIに作らせたファイルを確かめるためにFinderを開き、別のフォルダで作業するためにターミナルで cd(フォルダを移動するコマンド)を打つ。この往復が、作業の流れを何度も止めます。
そうした行き来を減らしたい人の候補の1つが、Mac用のファイル管理アプリのAtriens(アトリエンス)です。公式サイトによると、フォルダごとに1つのターミナルが結び付いていて、開いているフォルダでそのままコマンドを入力でき、フォルダを切り替えるとターミナルも一緒に切り替わるため、cd を打つ必要がありません。ターミナルの中の作業が「動いている」「応答を待っている」「終わった」のどれかを、タブの色と印で見分けられ、終わったときや確認を求められたときはmacOSの通知で知らせます。ターミナルは分割して、複数のフォルダの分を同時に表示できます。ディスク上の別々の場所にあるフォルダを、サイドバーの上で1つの案件の下に並べることもでき、その際にファイル自体は移動しません。サイドバー、ターミナル、プレビュー、GitなどMac単体で使う機能は期限なく無料で、アカウントの登録も要りません。iPhoneやiPadからMacのターミナルを見て操作する機能が有料で、月額780円、年額6,800円、買い切り14,800円(いずれも税込)から選べます。対応はmacOS 14以降とApple シリコンのMacです。AIの利用料は含まず、手元のモデルか自分のAPIキーを使う形です。
Atriensは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
Atriensはファイル管理を中心にしたアプリで、Warpのようなブロックの表示や、組み込みのAIのエージェントは持っていません。ターミナルの操作そのものを快適にしたいならWarp、フォルダとターミナルの行き来を減らしたいならAtriens、というように、困っている場面に合わせて選ぶのが確実です。
ターミナルを使う仕事の広がりを運営者として見てきて
フリーランスと在宅ワークの市場を長く運営してきた立場から見ると、ターミナルは、かつてはエンジニアだけの道具でした。それが、AIのエージェントがターミナルで動くようになってから、Webの制作、データの集計、文章の仕事をする人にまで広がっています。依頼する側も、「AIの道具を使いこなせる人」を条件に入れることが増えました。道具に慣れておくことは、受けられる仕事の幅を広げる準備になります。
ただし、長く仕事が続く人は、道具の新しさより、相手が求めている成果をきちんと出すことに時間を使っています。Warpのような道具は、その時間を作るための手段です。乗り換え自体に時間をかけすぎず、普段の作業の中で少しずつ試すのが、現場で見てきた中で最も無理のない進め方です。
ターミナルを日常的に使う開発の仕事の収入の水準は、国の統計をもとにしたソフトウェア作成者の年収・単価相場で確かめられます。Webサービスやスマートフォンのアプリを作る仕事の中身と、受注までの流れはアプリケーション開発のお仕事で紹介しています。AIの道具を企業に導入し、使い方を支援する仕事は、ターミナルで動くAIの知識がそのまま生きる分野で、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で仕事の内容を確かめられます。AIを使った分析や、情報の安全を守る仕事についてはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事にまとめています。
手数料0%で依頼者と直接やり取りできる仕組みでは、使う道具や作業の進め方を当事者どうしで決められます。どの道具で何をどこまで任せるのかを最初に伝えておくと、依頼する側も安心して仕事を任せやすくなります。
よくある質問
Q. Warpは無料で使えますか?
使えます。公式の料金ページによると、Freeプランは無料で、ターミナルの基本機能を制限なく使えます。お金がかかるのは主にWarpのAIのエージェントを多く使う場合で、Buildは月払いで$20、年払いで1か月あたり$18です。Claude Codeなど自分で契約しているAIを持ち込んで使うこともできます。
Q. Warpを使うにはアカウントの登録が必要ですか?
必須ではありません。公式ドキュメントでは、インストール後のアカウントの登録は任意で、飛ばしてもターミナルとして使えると案内されています。AIの機能やWarp Driveでの共有を使いたくなった段階で登録すれば足ります。なお、最初にWarpを開くときだけインターネットへの接続が必要です。
Q. 標準のターミナルの設定はWarpに引き継げますか?
ワンクリックで取り込む機能はありませんが、Warpのエージェントに標準のターミナルの設定を読み取らせ、テーマやフォント、窓の大きさを移すことができます。AIを使わない場合も、設定画面でテーマ、フォント、窓の大きさ、プロンプトを選ぶだけで近い見た目にできます。シェルの設定ファイルはそのまま使えます。
Q. Warpに乗り換えたら、標準のターミナルは消したほうがよいですか?
消す必要はありません。標準のターミナルはmacOSに最初から入っているアプリで、Warpと並べて使えます。手順書の多くは標準のターミナルを前提に書かれているので、慣れるまでは両方を残し、Warpで困ったときにすぐ戻れるようにしておくのが安全です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
伊藤 遥@SOHO編集部
キャリアコンサルタント・元人事
大手メーカー人事部で採用・研修を担当した後、キャリアコンサルタントとして独立。女性のキャリアチェンジや副業開始に関する記事を、自身の経験をもとに執筆しています。
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