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ステークホルダーとは|プロジェクトの関係者の洗い出し方

@SOHO編集部
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ステークホルダーとは|プロジェクトの関係者の洗い出し方

この記事のポイント

  • ✓ステークホルダーとは何か
  • ✓その意味と使い方を例文で解説し
  • ✓ストックホルダーとの違い

会議の資料や上司のメールに「ステークホルダーに共有しておいて」と書かれていて、誰に送ればよいのか迷った。新しいプロジェクトで「まずステークホルダーを洗い出そう」と言われたが、どこまでを含めればよいのか分からない。ステークホルダーという言葉は、ビジネスの場でよく使われる一方で、指す範囲が文脈によって変わるため、意味をつかみにくい言葉です。

ステークホルダーとは、ひと言で言えば「利害関係者」、つまり、ある会社やプロジェクトの活動によって影響を受ける人や、その活動に影響を与える人のことです。会社の経営の話なら、株主、従業員、顧客、取引先、地域社会などを指し、プロジェクトの話なら、そのプロジェクトに関わる人や、結果によって仕事が変わる人を指します。この記事では、ステークホルダーの意味と使い方を例文で確かめたうえで、企業にとっての種類、似た言葉との違い、プロジェクトでの関係者の洗い出し方、影響力と関心で分ける方法、一覧表と連絡の計画の作り方までを順に説明します。洗い出した関係者への対応を、担当と期限を付けてチームで追うための道具として、Pinatecaの使いどころにも触れます。

ステークホルダーの意味

ステークホルダーは、英語の「stakeholder」をそのままカタカナにした言葉です。「stake」には、賭け金や、事業への出資、利害という意味があり、「holder」は持っている人を指します。つまり、何かに対して利害を持っている人、というのがもとの意味です。

日本語では「利害関係者」と訳されます。ここでの利害とは、お金のやり取りだけを指すのではありません。仕事の内容が変わる、生活の環境が変わる、評判に影響が出る、といった広い意味での影響を含みます。

ステークホルダーの範囲を考えるときのポイントは、2つの向きがあることです。

  1. 活動によって影響を受ける人:たとえば、新しい社内のシステムを導入すると、それを使う社員の仕事のやり方が変わる
  2. 活動に影響を与える人:たとえば、予算を決める経営陣や、導入に反対する部署は、プロジェクトの進み方を左右する

どちらか一方に当てはまれば、その人はステークホルダーです。影響を受けるだけで発言の機会がない人も、影響を与える力を持ちながら直接は関わらない人も、どちらも含まれます。

ステークホルダーという言葉は、もともと経営学で、会社は株主だけのものではなく、さまざまな関係者に支えられているという考え方の中で広まりました。現在では、会社の経営だけでなく、プロジェクトの管理、行政の政策、地域の活動など、幅広い場面で使われています。

同じ言葉でも、使われる場面によって指す範囲が変わります。会社の経営の文脈では社外の人まで広く含むことが多く、社内のプロジェクトの文脈では、関係する部署や担当者を指すことが多くなります。言葉を受け取ったときは、どの範囲の話なのかを、前後の文脈から判断します。

ビジネスでの使い方と例文

ステークホルダーは、会議の発言やメール、報告書でよく使われます。具体的な使い方を例文で確かめます。

経営の場面での例文です。

  • 新しい中期経営計画は、株主だけでなく、従業員や取引先を含むすべてのステークホルダーに説明する
  • 工場の移転は、地域の住民という重要なステークホルダーの理解を得てから進める

プロジェクトの場面での例文です。

  • キックオフの前に、このプロジェクトのステークホルダーを洗い出しておいてください
  • 仕様の変更は、主要なステークホルダーの合意を取ってから確定する
  • 来週の報告会には、経理部と営業部のステークホルダーにも出てもらう

最後の例文のように、「ステークホルダー」が「関係する部署の担当者」くらいの意味で使われることもあります。指示を受けたときに、誰を指しているのかが分からなければ、「どの部署の方まで含めればよいでしょうか」と確かめるのが確実です。

カードの会社のWebサイトで用語を解説している記事でも、文脈から判断することの大切さが指摘されています。

そのため、ステークホルダーが登場する文脈から意味を推し量ることが大切です。例文をもとに考えてみましょう。 出典: smbc-card.com

言い換えの言葉

社内の会話や、カタカナの言葉に慣れていない相手へのメールでは、言い換えたほうが伝わりやすいことがあります。

言い換え 使う場面
利害関係者 正式な文書、経営の文脈
関係者 社内のプロジェクト、日常の会話
関係各所 社内の複数の部署にまとめて連絡するとき
関係する部署 社内の組織を指すとき
取引先や地域の皆さま 社外の人に向けた案内

社外の顧客に送るメールで「御社のステークホルダーの皆さまにもご共有ください」と書くと、相手によっては分かりにくく感じます。「社内の関係者の皆さまにもご共有ください」のように言い換えると、伝わり方が柔らかくなります。

企業にとってのステークホルダーの種類

会社の経営の文脈では、ステークホルダーはいくつかの種類に分けて考えられます。上場会社の経営の原則を定めた東京証券取引所のコーポレートガバナンス・コードには、次のような記述があります。

上場会社は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出は、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であることを十分に認識し、これらのステークホルダーとの適切な協働に努めるべきである。 出典: jpx.co.jp

コーポレートガバナンス・コードとは、上場会社がよい経営を行うための原則をまとめたもので、2026年7月21日付の版が公表されています。この記述からも分かるように、会社のステークホルダーには、株主のほかに、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会などが含まれます。

内部と外部

ステークホルダーは、会社の中にいるか外にいるかで、内部と外部に分けられます。

区分 主なステークホルダー 会社との関係
内部 経営陣、従業員 会社の活動を担う
外部 株主、顧客、取引先、債権者 出資、購入、取引、融資で関わる
外部 地域社会、行政、業界の団体 事業の環境に関わる

直接と間接

もう1つの分け方は、会社と直接やり取りがあるかどうかです。顧客や取引先、従業員のように、日々の取引や仕事で直接関わる人を直接のステークホルダー、地域の住民や行政、将来の顧客のように、直接のやり取りは少ないものの、会社の活動から影響を受けたり、影響を与えたりする人を間接のステークホルダーと呼びます。

間接のステークホルダーは、ふだん意識されにくい分、問題が起きたときに大きな影響を及ぼします。工場の騒音で地域の住民の反発を受ける、SNSでの評判が採用の応募に響く、といった形です。

ストックホルダーやシェアホルダーとの違い

ステークホルダーと似た言葉に、ストックホルダーとシェアホルダーがあります。どちらも「株主」を意味する言葉で、ステークホルダーの一部にあたります。

言葉 意味 範囲
ステークホルダー 利害関係者 株主、従業員、顧客、取引先、地域社会など
ストックホルダー 株主 株式を持っている人
シェアホルダー 株主 株式を持っている人(ストックホルダーとほぼ同じ)

用語の解説でも、この違いに触れたうえで、経営の姿勢の違いを表す言葉として紹介されています。

このほか、似ているようで意味の違う用語として「ステークホルダー企業」と「ストックホルダー企業」があります。 出典: smbc-card.com

同じ記事では、ステークホルダー企業を、すべてのステークホルダーにとって利益になるようにバランスを取って経営する会社、ストックホルダー企業を、株主の利益を最も優先して経営する会社と説明しています。どちらが正しいというより、経営で何を優先するかの違いを表す言葉です。

ステークホルダーの中で、会社の活動に強い影響を与える人や団体を、キーステークホルダーや主要なステークホルダーと呼ぶこともあります。

ステークホルダー・エンゲージメントとは

会社の経営の文脈で、ステークホルダーと一緒に出てくる言葉に、ステークホルダー・エンゲージメントがあります。エンゲージメントとは、もともと「関わり合い」「約束」という意味の英語で、ここでは、会社がステークホルダーと対話し、信頼関係を築いていく取り組みのことを指します。M&Aの仲介を行う会社のコラムでは、次のように説明されています。

ステークホルダー・エンゲージメントは、自社の各ステークホルダーと積極的に信頼関係を構築する取り組みです。 出典: nihon-ma.co.jp

同じコラムでは、取り組みの例として、顧客や取引先との意見交換会や、地域の住民との対話の場を設けることが挙げられ、そうした場で顧客の意見を集めて製品やサービスの改善につなげることも期待できるとしています。

ステークホルダー・エンゲージメントの考え方で大切なのは、一方的に情報を伝えるのではなく、相手の意見を聞いて活動に反映させることです。会社の決算の説明会で株主の質問に答える、従業員の意識の調査の結果をもとに働き方を見直す、地域の住民の声を聞いて工場の操業の時間を調整する、といった取り組みが当てはまります。

この考え方は、プロジェクトの管理にもそのまま使えます。プロジェクトの関係者に進み具合を報告するだけでなく、関係者の心配や期待を聞き、それを計画に反映させることで、協力を得やすくなります。後の節で説明する一覧表の「期待していること」「心配していること」の列は、まさにこの対話の結果を記録するためのものです。

ステークホルダーを意識するメリット

ステークホルダーという考え方を持つと、仕事の進め方にどのような違いが出るのでしょうか。会社とプロジェクトの両方の場面で、主なメリットを整理します。

1つ目は、問題を早く見つけられることです。関係者を洗い出し、それぞれの心配を聞いておけば、計画の段階で反対や障害に気づけます。公開の直前や導入の後に問題が見つかると、直すための費用も時間も大きくなります。

2つ目は、協力を得やすくなることです。人は、決まった後に知らされたことより、決まる前に相談されたことに協力しやすいものです。影響を受ける人に早めに声をかけておくと、プロジェクトの味方が増えます。

3つ目は、判断の基準がはっきりすることです。意見が分かれたとき、「どのステークホルダーの、どの期待を優先するのか」という形で話し合えば、感情的な対立になりにくくなります。

4つ目は、会社の信頼が高まることです。顧客や地域社会、従業員の声を聞いて経営に生かす会社は、長い目で見て評判がよくなり、採用や取引にもよい影響が出ます。

一方で、すべてのステークホルダーの期待に同時に応えることはできません。顧客は低い価格を、従業員は高い給料を、株主は高い利益を期待するように、期待が食い違うことは珍しくありません。だからこそ、誰の期待をどの程度優先するのかを、根拠とともに説明できることが大切です。

プロジェクトのステークホルダーとは

ここからは、プロジェクトの管理の場面でのステークホルダーを扱います。プロジェクトのステークホルダーとは、プロジェクトに関わる人、プロジェクトの結果によって影響を受ける人、プロジェクトの進め方に影響を与える人のことです。

社内のWebサイトのリニューアルを例に考えると、ステークホルダーには次のような人が含まれます。

  • プロジェクトを始めると決めた経営陣
  • 予算を管理する経理部
  • プロジェクトを進める広報部の担当者
  • 制作を請け負う社外の制作会社
  • サイトに商品の情報を載せる営業部
  • 問い合わせの窓口になるお客様相談室
  • サイトを使う顧客
  • サイトの情報の扱いを確かめる法務や情報システムの担当

このように、プロジェクトのメンバーとして実際に作業する人だけでなく、作業はしないものの、承認を出す人、結果を使う人、変更によって仕事が変わる人まで含まれます。

プロジェクトの管理でステークホルダーを洗い出すのは、関係者の協力を得られないことが、プロジェクトが遅れたり止まったりする大きな原因になるためです。たとえば、お客様相談室に知らせないままサイトの問い合わせのフォームを変えると、公開の当日に問い合わせの対応が混乱します。法務の担当に確かめないまま個人情報の入力の欄を追加すると、公開の直前に作り直すことになります。関係者を早い段階で洗い出しておけば、こうした問題を前もって防げます。

関係者の洗い出し方

プロジェクトのステークホルダーは、思いつくままに書き出すと漏れが出ます。次の5つの手順で進めると、漏れを減らせます。

手順1:プロジェクトの目的と範囲を確かめる

最初に、プロジェクトで何をするのか、どこまでを扱うのかを確かめます。範囲が決まると、その範囲の中で影響を受ける人と、範囲を決める権限を持つ人が見えてきます。

手順2:決まった問いに沿って書き出す

次のような問いに答える形で、名前や部署を書き出します。

  1. このプロジェクトを始めると決めたのは誰か
  2. お金を出すのは誰か、予算を承認するのは誰か
  3. 実際に作業するのは誰か
  4. 完成したものを使うのは誰か
  5. 完成したものによって、仕事のやり方が変わるのは誰か
  6. 承認や確認が必要な部署はどこか(法務、情報システム、経理など)
  7. 社外で関わる人は誰か(取引先、制作会社、顧客、行政)
  8. 反対しそうな人、困りそうな人は誰か

8番目の問いは見落とされやすいものです。プロジェクトに反対しそうな人や、結果によって不利益を受けそうな人は、早い段階で話を聞いておかないと、後で強い反発になることがあります。

手順3:ほかの人に見てもらう

書き出した一覧を、プロジェクトの責任者や、社内の事情に詳しい人に見てもらいます。担当者1人で書き出すと、自分が関わったことのない部署が抜けがちです。「ほかに知らせておくべき人はいますか」と聞くだけで、漏れが見つかることがあります。

手順4:過去の似たプロジェクトを確かめる

社内で過去に似たプロジェクトがあれば、その資料や関係者の一覧を確かめます。前回、後から関わってきた部署や、問題になった関係者が分かれば、今回は最初から一覧に入れられます。

手順5:一覧を定期的に見直す

ステークホルダーは、プロジェクトの途中で変わります。担当者の異動、組織の変更、範囲の追加によって、新しい関係者が加わったり、関わり方が変わったりします。マイルストーン(プロジェクトの途中の重要な節目)ごとに一覧を見直します。

影響力と関心で分ける

洗い出したステークホルダーには、全員に同じように対応する必要はありません。限られた時間で効果的に対応するために、影響力と関心の2つの軸で分ける方法がよく使われます。

影響力とは、プロジェクトの進み方や結果を左右する力のことで、予算や承認の権限を持つ人ほど大きくなります。関心とは、プロジェクトの結果をどれだけ気にしているかのことで、結果によって自分の仕事が大きく変わる人ほど高くなります。

関心が高い 関心が低い
影響力が大きい 密に連携する(主要な判断に関わってもらう) 満足を保つ(要点を定期的に報告する)
影響力が小さい 情報を共有する(進み具合をこまめに知らせる) 様子を見る(必要なときに知らせる)

左上の「影響力が大きく関心も高い」人は、プロジェクトの成否を左右する主要なステークホルダーです。定例の会議に参加してもらう、重要な判断の前に必ず意見を聞く、といった密な関わり方をします。

右上の「影響力は大きいが関心は低い」人は、経営陣のように、権限を持ちながらも細かい進み具合には関心が薄い人です。詳しい報告は負担になるため、月に1回の要点の報告のように、短く定期的に知らせます。ただし、関心が低いまま放っておくと、重要な判断の段階になって反対されることがあるので、満足を保つことを意識します。

左下の「影響力は小さいが関心は高い」人は、完成したシステムを使う現場の社員のような人です。意見を聞く機会を設け、進み具合をこまめに知らせると、完成した後に使ってもらいやすくなります。

右下の「影響力が小さく関心も低い」人には、公開の前の案内など、必要なときに知らせれば十分です。

この分け方は一度決めたら終わりではありません。プロジェクトが進むと、関心の度合いは変わります。最初は関心が低かった部署が、自分の仕事に影響が出ると分かったとたんに関心を持つこともあります。

ステークホルダーの一覧表の作り方

洗い出しと分類の結果は、一覧表にしてチームで共有します。Excelやスプレッドシートで、次のような列を作ります。

名前・部署 役割 影響力 関心 期待していること 心配していること 対応の担当 連絡の手段と頻度
広報部長 最終的な承認 大 高 問い合わせの回復 公開の遅れ 進行役 週1回の定例
経理部 予算の管理 大 低 予算内での完了 追加の費用 進行役 月1回の報告
お客様相談室 問い合わせの窓口 小 高 問い合わせの整理 フォームの変更 制作の担当 公開の1か月前に説明
営業部 商品の情報の提供 小 中 商品の見せ方 原稿の負担 原稿の担当 原稿の依頼の時

「期待していること」と「心配していること」の列は、対応の方法を考えるうえで特に役立ちます。経理部が追加の費用を心配しているなら、範囲の変更が出たときに、まず経理部に費用の見込みを知らせる、といった対応が決まります。

一覧表には、個人の評価に関わる内容を書かないように注意します。「反対しそう」「協力的でない」のような書き方は、表が本人の目に触れたときに関係を損ないます。「心配していること」の列に、相手の立場から見た懸念として書くのが無難です。

連絡の計画を立てる

一覧表ができたら、誰に、何を、いつ、どの手段で知らせるかを決めます。これを連絡の計画、あるいはコミュニケーション計画と呼びます。

相手 知らせる内容 時期 手段
経営陣 進み具合の要点、判断が必要なこと 月1回 報告の会議
プロジェクトのメンバー 作業の進み具合、課題 週1回 定例の会議とチャット
関係する部署 自分の部署に関わる変更 変更が決まったとき メール
顧客 新しいサイトの公開の案内 公開の2週間前 Webサイトのお知らせ

連絡の計画を立てておくと、「聞いていない」という不満を防げます。プロジェクトの途中で起きる対立の多くは、内容そのものより、知らされる時期が遅かったことから生まれます。決まる前に一言知らせておくだけで、相手の受け止め方は大きく変わります。

場面ごとの連絡の文例

連絡の計画を立てても、実際に何と書いて送ればよいかで迷うことがあります。影響力と関心の4つの箱ごとに、社内のメールやチャットで使える文例を示します。

影響力が大きく関心も高い人への相談

広報部長様

Webサイトのリニューアルの件で、ご判断をいただきたいことがあります。 営業部から、商品の一覧のページに価格を載せたいという要望が出ています。載せる場合、公開の日程に影響はありませんが、価格の改定のたびに更新の作業が発生します。 載せる案と載せない案の比較を添付しました。来週の定例の会議でご判断いただけますでしょうか。

判断してほしいことを最初に書き、判断の材料を添え、いつまでに判断してほしいかを明記します。

影響力は大きいが関心は低い人への報告

経理部 〇〇様

Webサイトのリニューアルの10月の状況をご報告します。 進み具合は計画どおりで、予算の使用は全体の40%です。 追加の費用の見込みはありません。次回のご報告は11月末の予定です。

要点を3行程度に絞り、相手が気にしていること(ここでは費用)に必ず触れます。

影響力は小さいが関心は高い人への共有

お客様相談室の皆さま

来年3月に公開する新しいWebサイトで、お問い合わせのフォームの項目が変わります。 変更の案を添付しましたので、ご覧いただき、窓口の対応で困りそうな点があれば今月中にお知らせください。 いただいたご意見は、フォームの最終の案に反映します。

決まる前に知らせ、意見を出せる期限を示し、意見をどう扱うかを伝えます。

影響力が小さく関心も低い人への案内

社内の皆さま

3月25日に、会社のWebサイトが新しくなります。 社内の皆さまの作業に変更はありませんが、取引先から問い合わせがあった場合は、広報部までお知らせください。

必要なことだけを短く伝えます。

よくある失敗と注意点

ステークホルダーの洗い出しと対応で起きやすい失敗を挙げます。

承認する人しか洗い出さない

予算を出す人や承認する人だけを一覧に入れ、完成したものを使う人を忘れると、使われないシステムやサイトができてしまいます。使う人の意見を聞く機会を、早い段階で設けます。

表に出ない決める人を見落とす

組織の図の上では権限がなくても、実際には判断に大きな影響を与える人がいます。長く勤めている担当者や、経営陣が意見をよく聞く相談役などです。手順3のように、社内の事情に詳しい人に一覧を見てもらうと、こうした人に気づきやすくなります。

一度作った一覧を見直さない

担当者の異動や組織の変更があっても一覧を直さないと、すでに担当でない人に連絡し続け、新しい担当者には何も知らせない、ということが起きます。

全員に同じ量の情報を送る

全員にすべての報告を送ると、受け取る側の負担になり、大事な連絡が読まれなくなります。影響力と関心で分けた結果に沿って、相手に合った量と頻度で知らせます。

洗い出した関係者への対応をチームで追う

関係者の一覧表を作っても、「誰が、いつまでに、どの関係者に何を知らせるか」を追い続けなければ、表は作っただけで終わります。小さなプロジェクトなら、一覧表に「次の対応」「期限」「状況」の列を加え、定例の会議で更新すれば十分です。

一方で、関係者が20人を超え、対応する担当も複数になると、表の更新が追いつかなくなります。誰が更新を忘れたかも分からなくなり、結局チャットやメールで確かめて回ることになります。

こうした場面の候補の1つが、ボードで仕事を管理するPinateca(ピナテカ)です。公式の使い方ガイドによると、Pinatecaのグリッドボードは、縦と横の軸を自分で決めて、カードを2次元に配置できるボードです。軸の名前は自由に付けられるので、縦を影響力、横を関心にすれば、この記事で説明した4つの箱をそのままボードにできます。関係者を1枚ずつのカードにして並べれば、誰がどの箱にいるかを全員で同じ画面で確かめられ、関心の度合いが変わったら、カードを別のマス目に移すだけで済みます。グリッドボードには一覧の表示も用意されていて、タブで表の形に切り替えられます。

カードには担当者、開始日と終了日、チェックリスト、コメントを付けられ、文字や選択肢などの項目をカスタムフィールドとして追加できます。「期待していること」「心配していること」「連絡の頻度」を項目にしておけば、一覧表と同じ情報をカードに残せます。金額や個人の情報のように全員には見せたくない項目は、機密の項目にして、見せる人を絞ることもできると案内されています。料金は、5人までのチームならボード10個まで無料で、6人目または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円・税抜、年払いなら1人あたり月額400円)です。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

なお、Pinatecaは関係者への連絡を自動で送る機能を持つ道具ではありません。誰にいつ知らせるかの計画はチームで決め、その対応の担当と期限をカードで追う、という使い方になります。

キャリアと仕事の中でのステークホルダー

ステークホルダーという考え方は、会社の経営やプロジェクトの管理だけでなく、働く人のキャリアにも関わります。

転職の面接では、「関係者を巻き込んで仕事を進めた経験」を聞かれることがあります。このとき、関わった人を立場ごとに整理し、それぞれにどう働きかけたかを説明できると、ステークホルダーを意識して仕事を進められる人だと伝わります。「営業部と経理部の間で意見が分かれたとき、両方の懸念を一覧にして、経理部の心配していた追加の費用の見込みを先に示した」のように、具体的に話せるように準備しておきます。

在宅で業務委託の仕事を受ける場合も、発注する担当者の後ろにいるステークホルダーを意識すると、仕事の進め方が変わります。担当者が上司に承認をもらう必要があるなら、承認の資料に使える形で報告を出す、といった工夫ができます。業務の改善やAIの導入を支援する仕事では、こうした関係者の整理そのものが仕事の中身になることもあり、その内容はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。マーケティングの支援では、顧客や取引先など社外のステークホルダーの声を集めて分析する仕事も多く、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で募集の傾向を確かめられます。

フリーランスと在宅ワークの仲介を長く運営してきた立場から見ると、継続して依頼される人は、発注する担当者だけでなく、その先で成果物を使う人のことまで考えて納品しています。報告の資料を担当者が上司にそのまま転送できる形にする、使う人向けの短い説明を添える、といった小さな工夫が、担当者の手間を減らし、信頼につながります。仲介の手数料がかからない直接の取引では、依頼する側は同じ予算で頼める範囲が広がり、受ける側は手取りが厚くなります。双方が得をする関係は、相手の関係者まで見て仕事をする姿勢から生まれます。

会社の経営とステークホルダーとの関係を体系的に学びたい人は、経営の助言の国家資格である中小企業診断士の学習で、企業の経営の考え方を幅広く学べます。調査や分析の専門家として関係者の声を扱う仕事の報酬の水準は、研究者の年収・単価相場で確かめられます。まずは、いま関わっている仕事やプロジェクトで、この記事の8つの問いに沿って関係者を書き出し、影響力と関心の4つの箱に分けてみてください。

よくある質問

Q. ステークホルダーとは、簡単に言うと何ですか?

ある会社やプロジェクトの活動によって影響を受ける人や、その活動に影響を与える人のことで、日本語では利害関係者と訳されます。会社の経営の話なら株主、従業員、顧客、取引先、地域社会などを指し、社内のプロジェクトの話なら、関わる部署や担当者、結果を使う人を指します。文脈によって範囲が変わる言葉です。

Q. ステークホルダーとストックホルダーは何が違いますか?

ストックホルダーは株主のことで、ステークホルダーの一部にあたります。ステークホルダーは株主に加えて、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会などを広く含みます。シェアホルダーもストックホルダーとほぼ同じ意味で、株式を持っている人を指します。

Q. プロジェクトのステークホルダーはどうやって洗い出せばよいですか?

プロジェクトの目的と範囲を確かめたうえで、始めると決めた人、お金を出す人、作業する人、完成したものを使う人、仕事が変わる人、承認が必要な部署、社外の関係者、反対しそうな人という問いに沿って書き出します。書き出した一覧は、社内の事情に詳しい人に見てもらい、漏れを確かめます。

Q. 社外の人へのメールでステークホルダーという言葉を使ってもよいですか?

使っても誤りではありませんが、相手によっては分かりにくく感じることがあります。社外の顧客に送るメールでは、「社内の関係者の皆さま」「関係する部署の方」のように言い換えると、伝わり方が柔らかくなります。正式な文書では「利害関係者」と書く方法もあります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月13日最終更新:2026年10月22日
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