ショートステイのパートという働き方|勤務時間の組み方と、任される範囲

長谷川 奈津
長谷川 奈津
ショートステイのパートという働き方|勤務時間の組み方と、任される範囲

この記事のポイント

  • ショートステイのパートという働き方を
  • 職場の中で何が起きているかから整理しました
  • パートが配置される時間帯

先日、ショートステイでパートとして働いている方から、こんなご相談を受けました。 「週3日、9時から15時の約束で入ったのに、最近は夕方の入所が重なるからと、17時まで残るのが当たり前になっている。断ってもいいのでしょうか」

結論から言うと、契約で決めた勤務時間を超える残業は、職場の決まりや契約の中身によって、断れる場合も、応じる必要がある場合もあります。 ただ、多くのケースで問題になっているのは、そもそも入るときに「何時から何時まで、どの仕事を任されるのか」を書面で確かめていなかったことなんです。

これ、知らない人が本当に多いんです。 ショートステイは、利用者が毎日のように入れ替わる職場です。 入所と退所の時間帯に仕事が集中するため、パートの勤務時間が「その日の都合」で伸び縮みしやすい構造があります。

この記事では、ショートステイという職場の中で、パートがどの時間帯に、どんな役割で配置されているのかを先に整理します。 そのうえで、勤務時間の組み方のパターン、夜勤パートの法律上の決まり、任される範囲と待遇の決まり、そして入る前に書面で確かめることをお話しします。

ショートステイという職場で、パートはどこに配置されているか

ショートステイは、介護が必要な高齢者が、数日から数週間だけ施設に泊まるサービスです。 介護保険では、特養などで行う「短期入所生活介護」と、老健や病院などで行う「短期入所療養介護」があります。

使う理由は、家で介護をしている家族の事情であることが多いです。 介護の情報サイトでも、その役割が次のように説明されています。

ショートステイを上手活用することで、介護が必要な方は施設での生活を体験でき、介護する方は介護から一時的に離れることでリフレッシュできたり、用事を済ますことができます。 出典: h-l-h.jp

人員の決まりと、パートの数え方

ショートステイ(短期入所生活介護)では、介護職員と看護職員を合わせて、利用者3人に対して1人以上を置くことが決められています。 この人数は「常勤換算」で数えます。

常勤換算とは、職員の勤務時間を合計して、常勤の職員の勤務時間で割って人数に直す数え方です。 つまり、週40時間が常勤の施設なら、週20時間働くパートは0.5人として数えられる、ということです。 パートは「補助」ではなく、人員の決まりを満たすための、れっきとした一人として数えられています。

パートが入りやすい時間帯

ショートステイの1日には、仕事が集中する時間帯があります。

・朝の起床介助と朝食(7時から9時ごろ) ・退所の準備と送迎(9時から11時ごろ) ・入浴の介助(午前と午後) ・入所の受け入れ(13時から16時ごろ) ・夕食と就寝の介助(17時から21時ごろ)

施設は、常勤の職員で1日を回しながら、これらの忙しい時間帯にパートを重ねて配置することが多いです。 逆に言えば、パートの勤務時間は、この「忙しい時間帯」に合わせて組まれるということです。 入所の受け入れが夕方に重なる日に、帰りの時間が伸びやすいのは、この構造があるからなんです。

固定の配置か、特養と行き来するか

特養に併設されたショートステイでは、職員が特養とショートステイを行き来する施設もあれば、ショートステイ専任で配置する施設もあります。 ショートステイ専任の配置について、ある施設では次のように紹介しています。

介護職員もショートステイに固定配置しています。信頼関係も構築しやすく、認知症の方も穏やかに過ごしていただけます。 出典: orangetown.zenjokai.jp

パートとして働く場合、固定配置かどうかで、覚えることの量が変わります。 行き来がある施設では、特養の入居者の介助も覚える必要があります。 応募するときは「ショートステイ専任ですか、特養と兼務ですか」と確かめておきましょう。

勤務時間の組み方:よくあるパターン

ショートステイのパートの勤務時間には、いくつかの典型的なパターンがあります。 生活の事情に合わせて、どれが合うかを考えてみてください。

パターン 時間帯の例 主な仕事 合いやすい人
早番の短時間 7時〜11時 起床、朝食、服薬、退所の準備 朝が得意で、午後は家の用事がある人
日中の短時間 9時〜15時 入浴、昼食、入所の受け入れ 子どもの登校や登園後に働きたい人
夕方から夜 17時〜21時 夕食、服薬、就寝の介助 日中は別の仕事や家庭の用事がある人
夜勤 16時〜翌10時 夜間の巡回、排せつ介助、朝の介助 夜勤の回数で効率よく働きたい人
週末中心 土日の日勤 日中の介助全般 平日は別の仕事がある人

早番の短時間

朝の起床から朝食、退所の準備までを担当する時間帯です。 朝は人手が足りなくなりやすいので、この時間だけ入ってくれるパートは、施設にとってとてもありがたい存在です。 一方で、始業が早いため、家族の朝の支度と重なる人には合いにくいです。

日中の短時間

入浴や昼食の介助、午後の入所の受け入れを担当します。 募集が多く、応募しやすい時間帯です。 ただし、先ほどのご相談のように、入所の受け入れが長引くと帰りが遅れやすいのが、この時間帯の注意点です。

夕方から夜

夕食、服薬、就寝の介助を担当します。 この時間帯は、日勤の職員が帰り、夜勤の職員だけでは手が回らない時間なので、短時間でも施設にとって大きな助けになります。 22時を過ぎて働く場合は、深夜の割増賃金の対象になります。

勤務日数の決め方

パートの勤務日数は、週2日から4日程度で組む人が多いです。 あとで説明する有給休暇の日数や、社会保険に加入するかどうかは、週の勤務時間と日数で決まります。 「週何日、1日何時間」を決めるときは、収入だけでなく、この線も一緒に考えておくと、後から困りません。

利用の波が、パートの勤務にどう響くか

ショートステイには、1年の中で利用者の数が大きく動く時期があります。 これは、利用の理由が家族の事情にあるからです。 この波を知っておくと、パートの勤務がどの時期に増え、どの時期に減りやすいのかが見えてきます。

繁忙期:大型連休、お盆、年末年始

家族が旅行や帰省、冠婚葬祭で家を空ける時期は、ショートステイの予約が集中します。 大型連休、お盆、年末年始は、満床が続く施設が珍しくありません。

この時期は、入所と退所が連休の初日と最終日に集中するため、その日の職員の負担が一気に重くなります。 パートにも「この日だけ出てもらえないか」「いつもより長く残ってもらえないか」という依頼が増えます。 引き受けるかどうかは、契約の範囲の中で、あなたが決めてよいことです。 ただ、繁忙期に協力できる日を前もって伝えておくと、職場との関係は良くなりやすく、自分の予定も守りやすくなります。

閑散期:キャンセルと、急な空き

一方で、利用者の入院や体調不良による急なキャンセルで、予定より利用者が少なくなる日もあります。 利用者が少なければ、必要な職員の数も減ります。 ここで起こりやすいのが、パートのシフトを減らすという対応です。 後ほど説明する休業手当の扱いと合わせて、シフトの変更のルールを知っておくことが大切です。

感染症が流行したとき

施設の中で感染症が広がると、新しい利用者の受け入れを一時的に止めることがあります。 ショートステイ専任のパートは、この間の勤務が大きく減ることがあります。 受け入れを止めた期間の勤務の扱い(特養など別の部署で働くのか、休業になるのか)を、職場がどう考えているかを、入る前に聞いておくと安心です。

波を前提に、勤務の約束を決める

利用の波は、職場の努力でなくせるものではありません。 だからこそ、「繁忙期に増やせる上限」と「閑散期でも最低限確保される勤務」を、入る前に話し合っておくことが、パートとして長く働くための備えになります。

夜勤パートという選択肢と、法律上の決まり

ショートステイには、夜勤だけを担当するパートの募集もあります。 1回の勤務時間が長いぶん、少ない日数で収入を得やすい働き方です。 ただ、夜勤には、日勤とは違う法律上の決まりがあります。

深夜の割増賃金

22時から翌朝5時までの労働には、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払うことが、労働基準法で決められています。 これはパートでも同じです。 求人票に「夜勤1回1万8,000円」のように金額だけが書かれている場合は、その金額に深夜の割増分が含まれているのかを確かめておきましょう。

夜勤専従のパートの募集では、1回あたり1万5,000円から2万5,000円程度の金額が多く見られます。

休憩と仮眠

労働時間が8時間を超える場合は、少なくとも1時間の休憩を取らせることが決められています。 16時間の夜勤でも、法律上の最低ラインは1時間です。 多くの施設では、これに仮眠の時間を加えて、2時間程度の休憩と仮眠を設けています。

ここで大事なのが、仮眠の時間の扱いです。 仮眠中でも、ナースコールが鳴ったらすぐに対応しなければならない状態であれば、その時間は労働から離れているとは言えず、労働時間にあたると判断される可能性があります。 つまり、「仮眠2時間」と書かれていても、実際には一人でナースコールに対応しながら横になっているだけ、という状態なら、その時間にも賃金が発生しうる、ということです。 ※実際の扱いは勤務の実態によって判断されるので、疑問がある場合は労働基準監督署に相談してください。

夜勤明けの日は、休日ではない

これも誤解が多いところです。 労働基準法でいう休日は、原則として午前0時から午後12時までの暦日で、丸1日、労働から離れている日を指します。 夜勤が朝10時に終わった日、いわゆる「明け」の日は、午前中に働いているので、休日には数えられません。

夜勤専従で「週2回の夜勤」という契約の場合、明けの日を休日として数えていないか、別に休日がきちんと確保されているかを確かめてください。

夜間の職員の人数

ショートステイの夜勤の人数には決まりがあり、利用者が25人以下なら1人以上を置くことになっています。 小規模な施設では、パートが夜勤に一人で入ることもあります。 一人の夜勤は責任が重いので、急変時の連絡先や、看護職員へのオンコールの仕組みがあるかを、必ず確かめておきましょう。

パートが任される範囲と、待遇の決まり

「パートだから、簡単な仕事だけ」と思って入ると、ずれが生じやすいのがショートステイです。 ここでは、パートが任される仕事の範囲と、その範囲に応じた待遇の決まりを見ていきます。

よく任される仕事

ショートステイのパートは、次のような仕事を任されるのが一般的です。

・食事、入浴、排せつ、移乗の介助 ・起床と就寝の介助 ・シーツ交換や居室の掃除、洗濯物の整理 ・退所する利用者の荷物の準備 ・日中の様子の記録

任されるかどうかが、施設で分かれる仕事

一方で、次の仕事は、パートに任せる施設と任せない施設で分かれます。

・入所の受け入れ(家族からの聞き取り、持ち物と薬の確認) ・服薬の介助 ・家族やケアマネジャーへの退所時の報告 ・フロアのリーダー役 ・送迎車の運転

特に入所の受け入れは、責任が重い仕事です。 家族から聞いた注意点を聞き漏らしたり、持ち物の確認で漏れがあったりすると、滞在中の事故や、退所時の紛失につながります。

私が受けたご相談の中には、「パートなのに入所の受け入れを任され、持ち物の紛失があったときに、自分だけが責められた」というケースがありました。 仕事を任されること自体は悪いことではありません。 問題は、その範囲が契約で決まっておらず、責任だけが重くなっていたことなんです。

同じ仕事なら、不合理な待遇差は認められない

パートタイム・有期雇用労働法は、正社員とパートの間で、仕事の内容や責任の程度などを考えて、不合理な待遇の差をつけることを禁止しています。 さらに、仕事の内容や責任、配置の変更の範囲が正社員と同じパートについては、パートであることを理由に差別的な扱いをすることが禁止されています。

つまり、正社員と同じように入所の受け入れやリーダー役を任されているのに、手当や賞与がまったく出ない、という場合は、その差に合理的な理由があるのかが問われる、ということです。 また、パートは、正社員との待遇の差の内容や理由について、事業主に説明を求めることができます。 説明を求めたことを理由に、不利益な扱いをすることも禁止されています。

労働条件通知書で、入る前に確かめること

ここがこの記事で一番お伝えしたいところです。 パートとして働くときに、労働条件通知書(または雇用契約書)を必ず受け取り、中身を確かめてください。 労働基準法は、賃金や労働時間などの労働条件を、書面などで明示することを事業主に義務づけています。 これはパートでも同じです。

就業場所と業務、その変更の範囲

2024年4月から、労働条件の明示のルールが変わり、雇い入れのときに「就業場所と業務の変更の範囲」も明示することになりました。 つまり、「最初はショートステイだが、将来は特養にも配置されることがあるか」「介護の仕事のほかに、送迎の運転も任されることがあるか」が、書面で分かるようになったということです。

ここに「法人内のすべての事業所」「介護業務全般」と広く書かれている場合は、ショートステイ以外への配置や、想定していなかった仕事もありうる、と読んでおきましょう。

勤務日と勤務時間

シフト制で働く場合、労働条件通知書に「シフトによる」とだけ書かれていることがあります。 厚生労働省は、シフト制で働く人の雇用管理について、始業と終業の時刻や、勤務日の決め方をできるだけ具体的に定めておくよう、留意事項を示しています。

確かめておきたいのは、次のような点です。

・1日の勤務時間の例(「9時〜15時」など)と、休憩時間 ・週に何日程度の勤務になるか、月に何日程度か ・シフトはいつまでに、どう決まるか ・契約で決めた時間を超えて残ることがあるか、その場合の扱い

契約の期間と、更新の上限

期間を決めた契約(有期契約)の場合は、契約の期間、更新するかどうか、更新するときの判断の基準が明示されます。 2024年4月からは、更新の回数や通算の期間に上限があるかどうかも、明示することになりました。

同じ職場で有期契約が更新されて通算5年を超えると、本人が申し込めば、期間の定めのない契約(無期契約)に転換できる仕組みがあります。 この申し込みができる機会と、転換したあとの労働条件も、明示の対象になっています。

シフトが急に減らされたとき

こういう相談も多いんです。 「利用者が少ない時期だからと、決まっていたシフトを前日に減らされた」

いったん決まったシフトを、職場の都合で休みにした場合は、事業主の責任による休業として、平均賃金の60%以上の休業手当の支払いが必要になる場合があります。 ショートステイは、利用者のキャンセルで急に人数が減ることがある職場なので、シフトの変更のルールを入る前に確かめておくことが大切です。 ※具体的なケースで休業手当の対象になるかは、労働基準監督署に相談してください。

有給休暇と社会保険、収入の目安

パートで働くときに見落としやすいのが、有給休暇と社会保険です。 どちらも、週の勤務時間と日数で扱いが決まります。

パートにも有給休暇はある

有給休暇は、正社員だけのものではありません。 雇い入れから6か月続けて働き、決められた勤務日の8割以上出勤していれば、パートにも有給休暇が付与されます。

週の勤務時間が30時間未満のパートは、週の勤務日数に応じて、次の日数が付与されます(6か月経過時点)。

週の勤務日数 6か月経過時点の日数
4日 7日
3日 5日
2日 3日
1日 1日

週の勤務時間が30時間以上、または週5日以上働く場合は、正社員と同じく10日が付与されます。 また、1年に10日以上の有給休暇が付与される人には、そのうち5日を必ず取得させることが、事業主に義務づけられています。 週4日のパートでも、勤続年数が長くなって10日以上付与されるようになれば、この対象になります。

社会保険に入る線

パートでも、次の条件をすべて満たすと、勤務先の健康保険と厚生年金に加入することになります。

・週の決まった労働時間が20時間以上 ・月の賃金が8万8,000円以上 ・2か月を超えて働く見込みがある ・学生ではない ・勤務先の従業員数が51人以上(または労使で合意している)

特養などを運営する社会福祉法人は、法人全体の従業員数でこの条件に当てはまることが多いです。 雇用保険は、週の労働時間が20時間以上で、31日以上働く見込みがあれば加入の対象になります。

時給の目安

ショートステイの介護職のパートの時給は、地域や資格の有無によって差がありますが、市場の募集ではおおむね1,100円から1,500円程度の範囲がよく見られます。 介護福祉士や初任者研修の資格があると、時給が上がったり、資格手当が付いたりすることがあります。

介護職員の給与の相場は、介護職員の年収・単価相場で、年齢や経験年数ごとの傾向を確認できます。正社員とパートを比べるときや、資格を取ったあとの見通しを立てるときの目安になります。

パートで起きやすいトラブルと、対処の仕方

ここまでの内容を踏まえて、ショートステイのパートで起きやすいトラブルと、その対処を整理します。

契約より長く残るのが当たり前になっている

冒頭のご相談のケースです。 まずは、労働条件通知書で、所定の勤務時間と、残業があるかどうかがどう書かれているかを確かめます。 残業した時間の賃金が支払われていない場合は、それ自体が問題です。 タイムカードや勤務の記録、自分でつけたメモを残しておきましょう。

そのうえで、「入所の受け入れが重なる日は、何時までに引き継げばよいか」を、上司と具体的に話し合うのが現実的です。 ショートステイは入所の予定が前もって分かっていることが多いので、受け入れの時間を常勤の職員に寄せるなど、仕組みで解決できることも少なくありません。

急に夜勤を頼まれる

日勤のパートとして入ったのに、人手が足りないからと夜勤を頼まれることがあります。 契約で勤務時間帯が日中に限られているなら、夜勤に入る義務はありません。 引き受けるかどうかは、あなたが決めてよいことです。 引き受ける場合も、深夜の割増賃金や、翌日の休みの扱いを確かめてからにしましょう。

利用者の持ち物の紛失で、弁償を求められた

ショートステイでは、入所と退所のたびに持ち物を確認するので、紛失のトラブルが起こりやすい職場です。 その責任を、担当したパートに弁償させようとするケースのご相談を受けることがあります。

労働基準法は、労働契約の中で、違約金や損害賠償の額をあらかじめ決めておくことを禁止しています。 「物をなくしたら、1回につき5,000円」といった決まりは、これにあたる可能性があります。 また、賃金は全額を支払うことが原則なので、本人の同意なく、弁償の金額を給与から天引きすることはできません。

もちろん、わざと壊した場合などは別ですが、業務の中で起きたうっかりの紛失について、働く人がすべての責任を負うことは、通常は考えにくいとされています。 紛失を防ぐ仕組み(チェック表、二人での確認)を職場として整えることが、まず先なんです。 ※実際に請求を受けて判断に迷うときは、労働基準監督署や弁護士に相談してください。

辞めたいときの手順

期間の定めのない契約なら、民法の決まりで、退職を申し出てから2週間が経てば、契約は終了します。 ただし、職場の就業規則で「1か月前までに申し出る」などと決められていることも多いので、円満に辞めるためには、できるだけその期間を守るのが望ましいです。

期間を決めた契約(有期契約)の場合は、原則として契約期間の途中で一方的に辞めることはできず、やむを得ない事由が必要とされています。 ただし、契約期間の初日から1年を経過したあとは、いつでも退職を申し出ることができる、という決まりもあります(一定の専門職などを除く)。 ※有期契約の途中での退職で揉めている場合は、弁護士や労働局の総合労働相談コーナーに相談してください。

応募する前に確かめることと、長く続けるために

最後に、ショートステイのパートに応募する前に、確かめておきたいことをまとめます。

面接と書面で確かめるリスト

・ショートステイ専任か、特養などとの兼務か ・1日の勤務時間の例と、残業がある場面 ・入所の受け入れや服薬の介助を、パートに任せているか ・夜勤に入るかどうか、入る場合の人数と、急変時の連絡体制 ・シフトの決まり方と、急な変更のルール ・契約の期間、更新の基準と上限 ・有給休暇の付与日数と、社会保険に入るかどうか

これを全部、面接で聞くのは気が引けるかもしれません。 でも、入ってから「こんなはずじゃなかった」とならないために、せめて労働条件通知書は、署名する前に一行ずつ読んでくださいね。 分からない言葉があれば、その場で質問してかまいません。

長く見てきた立場から

在宅ワークや業務委託の市場を長く運営してきた立場から見ると、トラブルが少なく長く働けている人は、始める前に「何を、どこまで、いくらで」を相手と直接確かめています。 これはパートとして施設で働く場合も、フリーランスが直接取引で仕事を受ける場合も同じです。 間に誰かを挟んで条件があいまいになるより、当事者どうしで範囲と対価をはっきり決めるほうが、結果として双方が納得し、関係が長く続いています。

相談できる先を持っておく

職場の中で解決しにくい悩みを抱えたときは、一人で抱え込まないでください。 働き方の悩みを整理したい場合は、キャリアコンサルタントに相談する方法があります。仕事の選び方や続け方を、第三者の立場で一緒に考えてくれる国家資格の専門家です。 また、職場の人間関係や働き方の相談を受ける仕事の中身は、職場・転職・キャリア相談のお仕事で紹介しています。どんな相談ができるのかを知っておくと、困ったときに頼りやすくなります。

ショートステイのパートは、勤務時間の組み方次第で、生活の事情に合わせて介護の仕事を続けられる働き方です。 そのためには、職場の忙しい時間帯を知り、任される範囲と条件を、入る前に書面で確かめることが欠かせません。 法律はあなたの味方です。 知っておくだけで、守れることがたくさんあります。

よくある質問

Q. ショートステイのパートはどんな勤務時間で働けますか?

早番の短時間(7時〜11時など)、日中の短時間(9時〜15時など)、夕方から夜(17時〜21時など)、夜勤、週末中心といったパターンがあります。ショートステイは入所と退所、食事や入浴の時間帯に仕事が集中するため、パートはその忙しい時間帯に合わせて配置されることが多いです。入所の受け入れが重なる日に帰りが遅れやすい点は確かめておきましょう。

Q. ショートステイのパートにも有給休暇はありますか?

あります。雇い入れから6か月続けて働き、決められた勤務日の8割以上出勤していれば付与されます。週30時間未満のパートは勤務日数に応じて、週4日なら7日、週3日なら5日、週2日なら3日、週1日なら1日が6か月経過時点で付与されます。週30時間以上または週5日以上なら、正社員と同じく10日です。

Q. 夜勤パートの仮眠時間は労働時間になりますか?

仮眠中でもナースコールにすぐ対応しなければならないなど、労働から離れることが保障されていない状態であれば、労働時間にあたると判断される可能性があります。扱いは勤務の実態によって判断されます。求人票に仮眠時間が書かれている場合は、その間に呼び出しへの対応があるかを確かめ、疑問があれば労働基準監督署に相談してください。

Q. 決まっていたシフトを施設の都合で減らされたらどうなりますか?

いったん決まったシフトを事業主の都合で休みにした場合は、事業主の責任による休業として、平均賃金の60%以上の休業手当の支払いが必要になる場合があります。ショートステイは利用者のキャンセルで人数が急に減ることがある職場なので、シフトの決まり方と変更のルールを入る前に確かめておくことが大切です。具体的なケースは労働基準監督署に相談してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年1月26日最終更新:2026年9月19日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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