小規模多機能型居宅介護のパートという働き方|勤務時間の組み方と、任される範囲


この記事のポイント
- ✓小規模多機能型居宅介護のパートの働き方を
- ✓夜勤専従など勤務時間の組み方ごとに整理
- ✓パートに任される範囲と任されにくい範囲
「小規模多機能でパートとして働きたい。でも、通いも訪問も泊まりもある職場で、短い時間の人はどう使われるのか分からない」
先日、子育て中の方からこういう相談を受けました。求人票には「週1日からOK」「1日4時間から」と書いてあるのに、面接では「できれば訪問もお願いしたい」「慣れたら夜勤も」と言われて、どこまで引き受けてよいのか迷ってしまった、という内容です。
結論から言うと、小規模多機能は、パートの人が働く時間帯によって役割がはっきり分かれる職場です。どの時間帯に入るかで、任される仕事の中身がほぼ決まります。そして、パートであっても、労働条件の書面や有給休暇、社会保険の扱いについては法律でしっかり守られています。これ、知らない人が本当に多いんです。
この記事では、小規模多機能のパートの勤務時間の組み方、任される範囲、そして働く前に確認しておきたい法律の話を順番に整理します。
小規模多機能のパートは、時間帯で役割が決まる
まず、小規模多機能がどういう職場なのかを押さえておきます。パートの働き方が他の職場と違う理由は、この仕組みにあります。
小規模多機能型居宅介護は、登録した利用者に「通い」「訪問」「泊まり」を1つの事業所で組み合わせて提供するサービスです。登録定員は29人以下、通いは原則15人以下、泊まりは原則9人以下と決まっています。
人員基準では、日中の通いに利用者3人に対して1人以上の介護従業者を置き、それとは別に訪問を担当する従業者を1人以上置くことになっています。ここで大事なのが、人数を「常勤換算」で数えることです。つまり、常勤1人分の時間を、パート2人で半分ずつ埋めてもよいということです。
この仕組みがあるので、小規模多機能では「忙しい時間帯だけ人を厚くする」ためにパートの人が求められます。1日の中で人手が必要になる時間帯には、はっきりした山があります。
・朝8時から10時ごろ:泊まりの方の起床と朝食、通いの方の迎え、朝の服薬確認の訪問が重なる ・11時から13時ごろ:入浴介助の後半と昼食の準備、昼食の介助が重なる ・15時から18時ごろ:通いの方の送り、夕食の準備の訪問、泊まりの方の夕食が重なる ・夜間:泊まりの方の見守りと、夜間の訪問への対応
特養のように入居者がずっと施設にいる職場では、人手の山はそこまで極端ではありません。小規模多機能は、利用者が朝に来て夕方に帰り、その合間に職員が自宅へ出ていくので、時間帯ごとの忙しさの差が大きいのです。
だからこそ、パートの人は「どの山を担当するか」で役割が決まります。朝の山に入る人は送迎と朝の訪問、昼の山に入る人は入浴と食事の介助、夕方の山に入る人は送りと夕方の訪問、というようにです。面接で「何時から何時まで働けますか」と最初に聞かれるのは、このためです。
実際の求人でも、短い時間や少ない日数での勤務を前面に出しているところがあります。
【取材】小規模多機能型居宅介護かもいけ センター北は、子育てと仕事を両立しやすい職場です。ほとんどの職員が子育て経験者で育児に対する理解があり、お子さまの体調不良の際も気兼ねなく休めるよう周囲の職員がフォローします。職員が家庭を第一に考えながら仕事を頑張れる場所であることが、当施設の大きな魅力の一つです。 パート勤務においては週の所定労働日数を定めず、週1日の勤務でもOK。勤務開始時間の変更の相談にも柔軟に対応しています。日常的な残業がほとんどなく、有給休暇消化率もほぼ100%を実現している当施設なら、ご自身や家庭の事情に合わせて無理なく働けます。 出典: levwell.jp
「週の所定労働日数を定めず、週1日でもOK」という書き方に注目してください。後で書く有給休暇の日数は、この「所定労働日数」で決まります。求人票の一文が、実は働く人の権利に直結しているんです。
勤務時間の組み方の代表的なパターン
小規模多機能のパートの勤務時間は、事業所ごとに違いますが、よく見られる組み方は次のとおりです。
| パターン | 時間帯の例 | 主な仕事 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 朝の短時間 | 7時30分から10時30分 | 迎えの送迎、朝の訪問、朝食の介助 | 午前中だけ働きたい人、運転に慣れている人 |
| 日中の中時間 | 9時から15時 | 通いのフロア、入浴と昼食の介助 | 子どもが学校にいる時間に働きたい人 |
| 夕方の短時間 | 15時から19時 | 送りの送迎、夕食の準備の訪問、泊まりの夕食 | 午後から動ける人、ダブルワークの人 |
| 夜勤専従 | 16時から翌9時 | 泊まりの見守り、夜間の対応 | 夜に働ける経験者 |
| 土日のみ | 日中の中時間 | 通いのフロア、訪問 | 平日に別の仕事がある人 |
それぞれの特徴を、もう少し具体的に書きます。
朝の短時間は、事業所にとって人手が最も欲しい時間帯の1つです。泊まりの方の起床介助と、通いの方の迎えが同時に進むからです。運転を任されることが多いので、普通自動車免許があるか、事業所の車の大きさに慣れているかが問われます。
日中の中時間は、パートの中で最も募集が多い形です。通いのフロアで、入浴や排泄、食事の介助、レクリエーションを担当します。子どもが学校に行っている時間に合わせたいという方が多く、9時から15時、10時から14時といった組み方がよく見られます。
夕方の短時間は、応募する人が少なく、事業所にとって貴重な時間帯です。夕方は家庭の用事と重なりやすいので、担える人が限られるんです。送りの送迎と、1人暮らしの方の夕食の準備や服薬確認の訪問が中心になります。
夜勤専従は、夕方から翌朝までの長い勤務を月に数回担当する形です。小規模多機能の夜勤は、泊まりの利用者を1人で見る体制がほとんどです。夜勤1回あたりの報酬は高めに設定されることが多い一方で、1人で夜間の判断を担うので、介護の経験がある人向けの働き方です。
土日のみは、平日に別の仕事を持っている人や、家族が平日に休めない人に合う形です。小規模多機能は365日運営なので、土日の人手は常に必要とされています。
どのパターンでも、1日の勤務時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも60分の休憩を与えることが、労働基準法第34条で決まっています。つまり、9時から15時の6時間ちょうどの勤務なら休憩の義務はありませんが、9時から15時15分になると45分の休憩が必要になるわけです。短い時間の勤務でも、休憩の扱いは確認しておきましょう。
パートに任される範囲、任されにくい範囲
では、パートとして入った人は、どこまで任されるのでしょうか。法律で決まっている部分と、事業所の運用で決まっている部分に分けて考えます。
法律で決まっている部分
小規模多機能の介護従業者には、資格の決まりがありません。これは常勤でもパートでも同じです。医療や福祉の資格を持たない介護職員は、採用から1年以内に認知症介護基礎研修を受けることが事業所に義務づけられていますが、これもパートかどうかは関係ありません。
たんの吸引や経管栄養などの医行為は、介護福祉士としての研修修了か、喀痰吸引等研修を修了して認定を受けた人でなければ行えません。これも雇用の形とは関係なく、資格と研修で決まります。
つまり、「パートだからこの仕事はできない」という法律上の線は、基本的にありません。
事業所の運用で決まっている部分
実際には、パートの人に任されやすい仕事と、任されにくい仕事があります。
任されやすい仕事は、次のようなものです。 ・通いのフロアでの見守り、入浴、排泄、食事の介助 ・送迎の運転と乗り降りの介助 ・決まった内容の訪問(服薬確認、安否確認、配膳など) ・洗濯、掃除、食事の準備
任されにくい仕事は、次のようなものです。 ・その日の予定を組み替えるリーダー業務 ・家族との調整や、利用開始時の面談 ・ケアプランに関わる会議の中心的な役割 ・新人の指導
任されにくい仕事の共通点は、「その日の終わりまで責任を持ち続ける必要がある仕事」です。短い時間で帰るパートの人に、夕方に変わるかもしれない予定の判断を任せるのは難しいので、自然と常勤の職員が担います。
ただし、ここで注意したいことがあります。冒頭の相談のように、入職後に「訪問も」「夜勤も」と範囲が広がっていくケースです。
2024年4月から、労働条件を明示するときには、就業場所と業務の「変更の範囲」も書面に書くことが義務づけられました。つまり、「入職時は通いのフロアの介助のみ、将来は訪問と送迎を含む」といった範囲を、あらかじめ示しておく必要があるということです。書面に書かれていない業務を一方的に命じられた場合は、話し合いの材料になります。
相談者の方には、労働条件通知書の業務内容と変更の範囲の欄を確認すること、夜勤を引き受けるかどうかは自分の生活に合わせて判断してよいことをお伝えしました。※勤務の変更をめぐって解雇や雇止めの話になっている場合は、弁護士に相談してください。
パートの人が戸惑いやすい、小規模多機能ならではの場面
任される範囲が分かっても、実際に働き始めると、小規模多機能ならではの戸惑いがあります。短い時間で働く人ほどぶつかりやすい場面を挙げておきます。
出勤したら、予定が変わっている
小規模多機能は月額の定額制で、利用者は必要に応じて通いや訪問、泊まりを増やせます。そのため、家族からの連絡で当日の予定が組み替わることがよくあります。前回の勤務のときに聞いていた担当が、出勤してみたら別の人の訪問に変わっていた、ということも起こります。
短時間のパートの人は、朝の申し送りを聞き逃すと、その日の変更を知らないまま動いてしまいかねません。出勤したらまずホワイトボードや予定表を確認し、分からないことはリーダーに「今日の私の担当はこれで合っていますか」と確かめる習慣をつけておくと安心です。
前回の勤務から、利用者の様子が変わっている
週1日や週2日の勤務だと、次に出勤するまでに数日が空きます。その間に、利用者の体調が変わったり、泊まりが増えたり、薬が変わったりしていることがあります。
これは、記録を読む時間が勤務時間内に確保されているかどうかで、負担が大きく変わります。出勤直後の10分から15分を記録の確認に充てられる事業所なら、落ち着いて1日を始められます。この時間が確保されておらず、勤務開始前に自主的に来て読んでいる状態になっているなら、それは本来労働時間として扱われるべき時間です。
帰る時間に、仕事が終わっていない
夕方の送りの時間に家族の到着が遅れる、訪問先で利用者の対応が長引く。小規模多機能では、予定どおりに仕事が終わらない日があります。パートの人は家庭の予定があって時間どおりに帰りたいのに、目の前の利用者を置いて帰りにくい、という葛藤が生まれます。
こうした場面に備えて、「終業時間の何分前になったら、残りの仕事を誰に引き継ぐか」を事業所と決めておくことをおすすめします。引き継ぎの形が決まっていれば、罪悪感を持たずに帰れます。残業が発生した場合は、その分の賃金が支払われるのが当然で、「パートだから少しの延長は無給」という扱いは法律に合いません。
常勤の職員との情報の差
常勤の職員は、職員会議やケアの方針を話し合う場に参加していますが、パートの人はその時間にいないことが多いです。そのため、「なぜこの利用者にはこういう対応をしているのか」を知らないまま、決まったことだけを伝えられることがあります。
分からないことは遠慮なく聞いてください。小規模多機能は、同じ利用者に何人もの職員が関わる職場です。パートの人が方針を理解して動けることは、利用者の安全にもつながります。会議の記録を読めるようにしてもらう、月に1回だけでも短い打ち合わせに参加させてもらう、といった工夫を相談してみるのもよいでしょう。
労働条件で確認すべき、パートを守る法律の話
パートの人が見落としやすい法律のルールを、小規模多機能の働き方に当てはめて整理します。
有給休暇は、パートにも必ず付く
これ、知らない人が本当に多いんです。年次有給休暇は、雇われてから6か月続けて働き、決められた労働日の8割以上出勤すれば、パートでも付与されます。週の所定労働日数が4日以下で、週の所定労働時間が30時間未満の人は、日数に応じて比例して付与されます。
| 週の所定労働日数 | 6か月後に付与される日数 |
|---|---|
| 1日 | 1日 |
| 2日 | 3日 |
| 3日 | 5日 |
| 4日 | 7日 |
先ほどの求人のように「週の所定労働日数を定めない」場合は、1年間の所定労働日数で判断します。シフト制で日数が決まっていないと、付与日数があいまいになりやすいので、雇用契約のときに「年間でおおむね何日の勤務を想定しているか」を確認しておきましょう。
訪問の移動時間は、労働時間になる
小規模多機能の訪問では、事業所から利用者の自宅へ、自宅から次の自宅へと移動します。この移動時間は、使用者の指揮命令のもとにある時間として、原則として労働時間にあたります。訪問介護について厚生労働省が示した考え方と同じです。「訪問先にいた時間だけ給料を払う」という扱いは、法律に合いません。
自家用車を使う場合の取り決め
訪問や送迎に自分の車を使う場合は、ガソリン代の支給方法、事故が起きたときにどの保険を使うのか、車の傷みをどう扱うのかを、事前に書面で決めておくことが大切です。自家用車を業務に使うと、個人の自動車保険の契約内容によっては補償の対象外になることもあります。
正社員との待遇の差には、説明を求められる
パートタイム・有期雇用労働法では、同じ事業所の正社員とパートの間で、仕事の内容や責任の範囲に見合わない不合理な待遇の差を設けることを禁止しています。そして、パートの人が求めた場合、事業所は待遇の差の内容と理由を説明しなければなりません(第14条)。つまり、「同じように訪問も夜勤もしているのに、手当がまったく出ない」という状態なら、理由を聞く権利があるということです。
処遇改善の配分
介護職員等処遇改善加算は、パートの職員も配分の対象にできます。事業所は、どういう基準で配分しているかを職員に周知することになっています。月々の給与明細で処遇改善の手当がどう表示されているかを確認しておくと、自分の時給の中身が分かります。
年収の壁と、勤務時間の決め方
パートで働く方から必ず聞かれるのが、「どこまで働くと税金や社会保険がかかるのか」という話です。小規模多機能は勤務時間を相談しやすい職場なので、ここを理解しておくと、時間の組み方を自分で決めやすくなります。
所得税
2025年の税制改正で、給与所得控除の最低額と基礎控除が引き上げられました。つまり、年収160万円以下であれば、所得税はかからない仕組みになっています。あわせて、配偶者の扶養控除などを受けられる年収の上限も、123万円に引き上げられました。住民税がかかり始める金額は自治体によって異なります。
社会保険(健康保険と厚生年金)
2024年10月から、従業員が51人以上の企業では、次の条件をすべて満たすパートの人は社会保険に加入することになっています。
・週の所定労働時間が20時間以上 ・所定内賃金が月額8万8,000円以上 ・2か月を超えて雇用される見込みがある ・学生ではない
小規模多機能は事業所自体は小さくても、法人全体で見ると従業員が51人を超えていることがよくあります。判断は事業所単位ではなく法人単位なので、「小さな事業所だから関係ない」とは限りません。さらに、2025年に成立した年金制度の改正により、賃金の要件は撤廃され、企業規模の要件も段階的に縮小されていく予定です。つまり、今後は週20時間以上働くパートの人の多くが、社会保険の対象になっていく流れです。
配偶者の扶養の範囲
社会保険の扶養に入っている場合、年収の見込みが130万円以上になると、原則として扶養から外れます。
雇用保険
週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上雇用される見込みがあれば、パートでも雇用保険に加入します。この時間の要件は、将来は週10時間以上に広がることが決まっています。
時間の組み方としては、週20時間を境に社会保険の扱いが変わることを意識するのが基本です。たとえば、1日4時間で週4日なら16時間、1日5時間で週4日なら20時間になります。事業所から「週5日来てほしい」と言われたときに、手取りと保障の両方で比べて判断できるようにしておきましょう。
ここは家庭の事情によって最適な答えが違います。社会保険に加入すると手取りは一時的に減りますが、将来の年金や、病気で休んだときの傷病手当金といった保障が厚くなります。「壁を超えないように」だけで決めず、何を優先するかで考えるのが大切です。
パートから広げていく道
小規模多機能のパートは、そのままずっと続けることもできますし、働き方を広げていく入口にもなります。
資格を取る
働きながら介護職員初任者研修(130時間)、実務者研修(450時間)と進むと、任される範囲が広がり、資格手当の対象になる事業所もあります。介護福祉士の受験に必要な実務経験は、従業期間3年以上かつ従事日数540日以上で、パートでの勤務も含まれます。週の勤務日数が少ないと従事日数を満たすのに時間がかかるので、資格を目指すなら日数を意識して組むとよいでしょう。
勤務の時間帯を広げる
最初は日中だけだった人が、子どもの成長に合わせて夕方や土日にも入るようになる、という広げ方もよくあります。小規模多機能は利用者が固定されているので、時間帯を広げても、知っている利用者の別の顔を見ることになり、戸惑いが少ないのが良いところです。
常勤に切り替える
「正社員登用制度あり」と書かれている事業所では、パートから常勤に移る道があります。有期契約が更新されて通算5年を超えた場合は、働く人が申し込めば無期の契約に転換できるルールもあります(労働契約法第18条)。これは正社員になるという意味ではありませんが、雇止めの不安が無くなるという点で大きな意味があります。
私の知人で、小規模多機能に朝の送迎パートとして入り、数年かけて日中の勤務、資格取得、常勤への切り替えと進んだ方がいます。その方が言っていたのは、「最初に朝の時間だけにしたおかげで、家庭と仕事のどちらも崩さずに職場を知ることができた」ということでした。小規模多機能は利用者が顔なじみになる職場なので、短い時間でも長く通うことに意味があるんです。
介護職員として働いたときの収入が、雇用形態や経験年数でどう変わるのかは、統計をもとに相場を整理した介護職員の年収・単価相場で確認できます。パートの時給と常勤の月給を年収に置き換えて比べると、切り替えの判断がしやすくなります。
求人票と面接で確認すること
最後に、小規模多機能のパートに応募するときに確認しておきたい点をまとめます。
求人票で見るところ
・勤務時間の例が書かれているか(「7時30分から10時30分」のように具体的か) ・週の所定労働日数が決まっているか、「週1日から」など相談できるか ・送迎や訪問の運転があるか、自家用車を使うか ・夜勤がパートにも求められるか ・社会保険、雇用保険の加入条件の記載 ・処遇改善の手当や資格手当がパートにも出るか
面接で聞くところ
・パートの人が主に担当している時間帯と業務 ・訪問に1人で行くようになるまでの同行の回数 ・急な休み(子どもの発熱など)のときの連絡方法と、代わりの人の手配 ・シフトの決め方と、希望を出す締め切り ・研修(認知症介護基礎研修など)を勤務時間内に受けられるか
書面で確認するところ
労働条件通知書には、契約期間、就業場所と業務の内容(変更の範囲を含む)、勤務時間と休憩、休日、賃金、昇給や賞与の有無、退職に関する事項などが書かれています。パートの場合は、昇給、退職手当、賞与の有無と、相談窓口も書面で示すことになっています。受け取ったら、面接で聞いた話と食い違いがないかを必ず読み比べてください。
介護の仕事と家庭の両立について、専門家に相談しながら働き方を考えたい方は、働く人の相談に乗る国家資格について解説したキャリアコンサルタントのページが参考になります。どういう相談ができるのかを知っておくと、一人で抱え込まずに済みます。
現場を長く見てきた立場から
在宅ワークとフリーランスの市場を20年運営してきた立場から、1つだけ観察を書かせてください。
短い時間で働く人ほど、長く続いている人は「自分が引き受ける範囲」を最初に言葉にしています。小規模多機能のパートでも、在宅で仕事を受ける人でも同じです。「この時間帯の、この仕事なら確実にやります」と伝えている人は、職場から頼りにされ、結果として任される範囲が自然に広がっていきます。反対に、何でも引き受けてしまう人は、家庭との両立が崩れて辞めてしまうことが多いのです。
報酬の構造にも、同じことがいえます。人と仕事の間に入る事業者が増えるほど、働く人の手元に残る額は薄くなります。仲介の手数料が乗らない直接のやり取りであれば、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。手数料0%という形の値打ちは、金額の大小ではなく、この手取りの厚みという質にあります。
小規模多機能のパートは、時間帯を選べば、家庭の事情に合わせて無理なく続けられる働き方です。任される範囲を書面で確かめ、自分の時間を自分で守りながら働いてください。法律はあなたの味方です。
よくある質問
Q. 小規模多機能型居宅介護のパートはどんな時間帯で働けますか?
朝の送迎と訪問が重なる7時30分から10時30分ごろ、入浴と昼食の介助が中心の9時から15時ごろ、送りと夕方の訪問が中心の15時から19時ごろ、夜勤専従、土日のみなどの組み方があります。1日の中で忙しさの山がはっきりしている職場なので、どの時間帯に入るかで担当する仕事がほぼ決まります。
Q. パートでも有給休暇はもらえますか?
もらえます。雇われてから6か月続けて働き、所定労働日の8割以上出勤すれば付与されます。週4日以下かつ週30時間未満の人は日数に応じた比例付与で、週1日なら1日、週2日なら3日、週3日なら5日、週4日なら7日です。シフト制で日数が決まっていない場合は、年間の所定労働日数で判断します。
Q. 小規模多機能のパートは訪問や夜勤もしなければいけませんか?
法律上パートだからできない仕事はありませんが、何を担当するかは労働条件で決まります。2024年4月から、業務内容の変更の範囲も書面で示すことが義務づけられています。訪問や夜勤を引き受けるかどうかは、入職時の労働条件通知書を確認し、自分の生活に合わせて事業所と話し合って決めましょう。
Q. 小規模多機能のパートで社会保険に入るのはどんなときですか?
2024年10月からは、従業員51人以上の法人で、週20時間以上、月額賃金8万8,000円以上、2か月を超える雇用見込みがあり学生でない場合に加入します。判断は事業所ではなく法人全体の人数で行います。2025年の法改正で、賃金の要件は撤廃され企業規模の要件も段階的に縮小される予定です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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