障害者支援施設のパートという働き方|勤務時間の組み方と、任される範囲

中西 直美
中西 直美
障害者支援施設のパートという働き方|勤務時間の組み方と、任される範囲

この記事のポイント

  • ✓障害者支援施設でパートとして働きたい人向けに
  • ✓朝・日中・夕方など時間帯ごとのパート枠
  • ✓週の勤務時間の組み方と社会保険の目安

「家のことと両立しながら、障害のある方の支援に関わってみたい。でも、パートでどこまでできるのか分からない」。

そんな迷いを持つ方は、少なくありません。

大丈夫ですよ。障害者支援施設は、パートの人の力をとても必要としている職場です。

結論からお伝えすると、障害者支援施設のパートは「どの時間帯に入るか」で仕事の中身がほぼ決まります。朝の起床の支援、日中の活動、入浴、夕方の食事と就寝の準備。施設は一日のうち手が足りなくなる時間帯に、パートの人を厚く配置しています。

この記事では、時間帯ごとのパートの枠、勤務時間の組み方と社会保険の目安、パートに任される範囲と任されない範囲、待遇について知っておきたい制度、資格の取り方、そして求人票の見方を、順番にお話しします。

障害者支援施設のパートには、どんな枠があるのか

障害者支援施設は、障害のある人が入所して暮らす施設です。夜間の暮らしを支える「施設入所支援」と、昼間の活動を支える「生活介護」などを組み合わせて、24時間の暮らしを支えています。

24時間動いている職場なので、忙しさには波があります。パートの募集は、その波に合わせて時間帯ごとに出ていることが多いのです。

朝の時間帯(起床から日中活動への送り出し)

6時台から9時ごろまでは、起床の声かけ、着替え、洗面、排せつの介助、朝食、服薬と、支援が一気に重なる時間です。夜勤の職員だけでは手が足りないため、早朝の短時間パートを置いている施設があります。

2時間から3時間ほどの短い勤務で、朝の家事の前後に働ける人に向いています。

日中の時間帯(生活介護の活動)

9時ごろから16時ごろまでは、作業や創作活動、散歩、音楽、レクリエーションなど、生活介護の活動が中心になります。利用者と一緒に活動に参加し、見守りや声かけ、昼食の介助をするのが主な仕事です。

子どもが学校や園に行っている時間に働きたい人に選ばれやすい枠です。午後に入浴の時間を設けている施設では、入浴の介助が仕事に含まれることもあります。

夕方の時間帯(夕食から就寝準備)

16時ごろから20時ごろまでは、日中の活動から戻った利用者の夕食、服薬、歯みがき、着替え、就寝の準備が続きます。日勤の職員が退勤していく時間と重なるため、ここも人手が足りなくなりやすい時間帯です。

家族が帰宅してから働きに出られる人に向いています。

夜勤のパート

夜勤だけを担当するパートを募集している施設もあります。夜勤は1回の勤務時間が長く、深夜の割増賃金もつくため、週1回や月数回の勤務で一定の収入になる、という面があります。ただし、夜間は職員の数が少なく、判断を求められる場面も増えるので、まず日勤で利用者に慣れてからのほうが安心です。

支援員以外のパート(調理、送迎、清掃など)

直接の支援だけが仕事ではありません。施設の食事をつくる調理スタッフ、利用者の送迎を担う運転手、清掃や洗濯のスタッフも、パートで働く人が多い仕事です。

求人サイトには、障害者支援施設の調理の募集として、次のような紹介が掲載されています。

障害者支援施設でほぼ常食の対応なので、 きざみ、一口大の利用者は数名ほどです。 施設経験が初めての方でも始めやすいオススメの求人です。... 出典: 求人ボックス

「きざみ」や「一口大」は、飲み込む力や噛む力に合わせて食べ物の形を変える対応のことです。こうした形態の食事がどのくらいあるかで、調理の手間は大きく変わります。求人票に食事の形態が書かれていたら、仕事の負担を見積もるヒントになります。

入所の施設と、日中だけの事業所では、パートの働き方が違う

「障がい者支援施設 パート」で探すと、入所の施設の募集と、日中だけ通う事業所(生活介護や就労継続支援など)の募集が混ざって表示されます。名前が似ていても、パートの働き方はかなり違います。

入所の施設のパート

入所の施設は、利用者が暮らしている場所です。朝から夜まで支援が続くので、パートの枠も早朝、日中、夕方、夜勤と幅広く用意されています。食事や排せつ、入浴、就寝の準備など、暮らしそのものを支える身体介助の比重が高く、土日祝の勤務が求められることもあります。

その分、時間帯の選択肢が多く、自分の生活に合う枠を見つけやすいのが特徴です。

日中だけの事業所のパート

生活介護や就労継続支援などの日中の事業所は、利用者が自宅やグループホームから通ってくる場所です。開いている時間は平日の日中が中心で、夜勤はありません。土日祝が休みのところも多く、家庭の予定と合わせやすい働き方です。

一方で、朝夕の送迎がパートの仕事に含まれることが多く、作業や活動の支援が中心になります。

どちらが良い悪いではありません。暮らし全体を支えたいのか、日中の活動に寄り添いたいのか。そして、自分が働ける時間帯はいつか。この二つを考えると、応募先を選びやすくなります。

パートの1日は、どんなふうに流れるのか

実際に働く姿を思い浮かべられるように、よくある二つの枠で、1日の流れを追ってみます。時刻は施設によって違うので、目安として読んでください。

日中の枠(9時半から15時半)の例

出勤したら、まず前の勤務帯からの申し送りと記録に目を通します。夜間によく眠れなかった人、朝ごはんをあまり食べなかった人がいれば、日中の様子に気をつけるためです。

10時ごろから、生活介護の活動が始まります。作業の日なら、利用者の隣に座って手順を一緒に確認したり、休憩を声かけしたりします。散歩の日なら、列の前後について安全を見守ります。

11時半ごろからは昼食の準備と介助です。食事の形態や、苦手な食べ物、食べる速さは一人ひとり違います。むせやすい人の隣に座るのは、慣れた職員であることが多いです。

午後は、活動の続きや入浴の時間です。入浴を担当しない日は、入浴の順番を待つ利用者と一緒に過ごしながら、落ち着いて待てるように声をかけます。

15時ごろに、その日の様子を記録に書きます。「何をしていたか」だけでなく、「いつもと違ったこと」を書いておくと、夕方以降の職員がとても助かります。そして、申し送りをして退勤です。

夕方の枠(16時から20時)の例

出勤すると、日中の活動を終えた利用者が居住棟に戻ってくる時間です。日中の担当者から、その日の出来事を聞きます。

17時半ごろから夕食の介助、続いて服薬の確認、歯みがきの支援です。日勤の職員が少しずつ退勤していくので、限られた人数で順番に支援を進めていきます。

19時ごろからは、着替えやトイレの誘導、就寝の準備です。一日の疲れが出て、落ち着かなくなる利用者もいます。そんなときは、その人が落ち着くための方法を先輩に聞きながら、急がずに関わります。

最後に記録を書き、夜勤の職員に申し送りをして退勤します。

パートで働くメリットと、気をつけたいこと

パートという働き方には、はっきりしたメリットがあります。一方で、パートだからこそ気をつけたいこともあります。

メリット:生活とのバランスを自分で決められる

働く日数や時間帯を、家庭の状況に合わせて選べるのが、いちばんのメリットです。子どもが小さいうちは短く、手が離れたら長く。親の介護が始まったら、また短く。そんなふうに、人生の時期に合わせて調整しやすい働き方です。

また、障害者支援施設を運営する法人は、グループホームや通所の事業所も運営していることが多く、パートから正職員への登用の道を用意しているところもあります。「まずパートで職場の雰囲気を知ってから、働き方を考えたい」という方にも合っています。

気をつけたいこと:情報が届きにくい

パートは勤務する時間が限られるので、職員会議や研修に参加できなかったり、利用者の支援の方法が変わったことを知るのが遅れたりしがちです。

出勤したら、まず記録と申し送りのノートを読む。分からないことは、その日のうちに先輩に聞く。この小さな習慣があるだけで、「知らなかった」ことで利用者を戸惑わせる場面は、ぐっと減ります。

支援の方法が変わったときに、パートの人にも伝わる仕組みがあるかどうかは、職場を選ぶときの大切なポイントです。

勤務時間の組み方と、社会保険の目安

パートを選ぶ方の多くが気にされるのが、「週に何日、何時間働くか」です。

こういう声を、よく聞きます。「最初は週2日から始めたい。でも、慣れたら増やしたい」。

その考え方は、とても自然です。障害者支援施設は、利用者一人ひとりの特徴を覚えるまでに時間がかかる職場なので、少ない日数から始めて、慣れてから増やすやり方は理にかなっています。

固定シフトか、月ごとのシフトか

パートのシフトには、曜日と時間を決めて働く固定シフトと、月ごとに希望を出して組んでもらうシフトがあります。

利用者の側から見ると、同じ曜日に同じ職員がいることは安心につながります。そのため、固定シフトを好む施設も少なくありません。家庭の予定が読みやすい人には、固定シフトのほうが働きやすいはずです。

一方で、子どもの行事や通院などで予定が変わりやすい人は、月ごとに希望を出せる施設のほうが合っています。どちらが自分に合うかを、応募する前に考えておくと安心です。

土日祝の勤務があるかどうか

入所の施設は、土日や祝日も利用者の暮らしが続きます。日中の活動がない休日は、余暇の支援や外出の付き添いなどで人手が必要になるため、「土日のどちらか月2回以上」のような条件がついている募集もあります。

土日に入れる人は、それだけで職場から頼りにされやすくなります。反対に、土日は必ず休みたい人は、その条件を最初に伝えておきましょう。

有給休暇は、パートにもある

パートでも、6か月継続して働き、決められた労働日の8割以上出勤していれば、年次有給休暇がつきます。週の所定労働日数が少ない人には、日数に応じた有給休暇が比例して付与されます。たとえば週3日勤務の場合、6か月経過時点で5日、週2日なら3日が目安です。

「パートだから有給はない」と思い込んでいる方もいますが、そんなことはありません。

社会保険に入るかどうかの目安

働く時間を決めるときに、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入を気にされる方も多いと思います。

パートやアルバイトで働く人が社会保険の対象になるかどうかは、勤め先の企業等の規模と、週の所定労働時間などで決まります。厚生労働省の社会保険適用拡大特設サイトでは、加入の対象となる要件として、週の所定労働時間が20時間以上であること、学生ではないこと、2か月を超えて雇用される見込みがあることなどが示されています。

企業等の規模(厚生年金保険の被保険者数)が51人以上のところは、すでに対象です。それより小さいところも段階的に対象が広がり、36人から50人は2027年10月、21人から35人は2029年10月、11人から20人は2032年10月、10人以下は2035年10月に適用拡大の対象になるとされています(厚生労働省:社会保険適用拡大特設サイト)。

障害者支援施設を運営する社会福祉法人は、グループホームや通所の事業所も含めると職員の多い法人が少なくありません。「法人全体」の人数で判断されるので、施設の規模だけでなく、法人の規模も確認してみてください。

社会保険に入ると手取りは変わりますが、病気で休んだときの手当や、将来の年金が厚くなるという面もあります。自分の場合はどうなるのかは、特設サイトの試算ツールで確かめられます。

パートに任される範囲と、任されない範囲

「パートでも、正職員と同じように支援をするのですか」。この質問も、とてもよくいただきます。

答えは、「直接の支援は同じようにするけれど、責任の重い判断や計画づくりは正職員や専門職が担う」です。

パートでも任されること

生活支援員としてのパートは、食事や排せつ、入浴、着替えの介助、日中の活動への参加と見守り、声かけ、利用者の様子の記録など、日々の直接の支援を担います。

無資格・未経験から始められる募集も多く、求人サイトには次のような条件の募集も見られます。

【経験・資格】<必須> 普通自動車運転免許(送迎業務があるため) 生活介護支援員のみの場合、免許がなくてもOK!...<1>障がい者サポートスタッフ(無資格大歓迎)・時給:1,150円 出典: 求人ボックス

この募集からは、送迎の運転を含むかどうかで、応募の条件が変わることが分かります。運転に不安がある方は、「支援のみ」の枠があるかどうかを確かめてみてください。

パートには任されにくいこと

一方で、次のようなことは、正職員や専門職が担うのが一般的です。

利用者一人ひとりの支援の計画(個別支援計画)をつくるのは、サービス管理責任者の仕事です。パートの人は、日々の様子を記録や会議で伝えることで、計画づくりに関わります。

利用者の家族との調整、関係機関との連絡、事故が起きたときの対応の判断なども、主任や管理者が窓口になることが多いです。

喀痰吸引や経管栄養のような医療的なケアは、所定の研修を修了した人でなければ行えません。服薬についても、薬を渡す手順は決まっていても、飲ませるかどうかの判断は看護職員などが行います。

「一人にさせない」配慮があるかどうか

パートで働き始めたばかりの時期は、一人で多くの利用者を見る時間帯に入らない配慮があるかどうかが、とても大切です。

行動面の支援が必要な利用者の対応や、入浴の介助は、慣れるまで先輩と二人で入れてもらえるか。面接でそっと聞いてみてください。「最初は必ず誰かと一緒です」と答えてくれる職場なら、安心して始められます。

送迎の運転を任されるときに確認したいこと

通所の利用者がいる施設では、朝と夕方の送迎をパートの人が担うことがあります。運転そのものに慣れていても、利用者を乗せての運転には、普段とは違う気配りが必要です。

使う車の大きさ(ワゴン車かどうか)、車いすのまま乗れる車両か、一人で運転と見守りを両方するのか、添乗の職員がつくのか。事故が起きたときの保険や連絡の手順も含めて、事前に確認しておくと安心です。運転に自信がない場合は、無理に引き受けなくて大丈夫です。

パートの待遇について、知っておきたいルール

パートで働く人を守るための法律も、知っておくと心強いものです。

正職員との待遇の差には、理由が必要

短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム・有期雇用労働法)は、パートや有期契約で働く人の基本給や賞与などの待遇について、正職員との間で、仕事の内容や責任の程度、配置の変更の範囲などに照らして、不合理な差を設けてはならないと定めています(e-Gov法令検索:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)。

たとえば、同じように夜勤に入っているのに、パートだけ夜勤手当がつかない、ということがあれば、その理由が問われることになります。

待遇の差の理由は、説明を求められる

同じ法律では、パートの人から求めがあったとき、事業主は正職員との待遇の違いの内容と理由を説明しなければならないとされています。そして、説明を求めたことを理由に不利益な扱いをしてはいけない、とも定められています。

「聞いたら、居づらくなるかもしれない」と心配になる気持ちは、よく分かります。でも、聞くことは働く人の正当な権利です。

資格と研修の積み上げ方

無資格から始められるとはいえ、働きながら学ぶと、日々の迷いがぐっと減っていきます。

介護の資格の順番

介護の資格は、介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士と積み上げていくのが一般的な道です。介護福祉士の国家試験を受けるには、実務経験と実務者研修の修了などが必要になります。

パートで働いた期間も実務経験に数えられるので、少しずつ積み上げていくことができます。

研修の費用は、受講する学校や時期によって違います。施設によっては受講費用の補助や、勤務扱いで研修に参加できる制度を用意しているので、面接のときに確認してみてください。

40代・50代からでも、始めて大丈夫

「この年齢から新しい分野に入って、ついていけるでしょうか」。そう心配される方もいます。

大丈夫ですよ。障害者支援施設の支援で大切にされるのは、体力や速さだけではありません。相手のペースに合わせて待てること、小さな変化に気づけること、落ち着いた声で話せること。子育てや仕事、家族の介護で積み重ねてきた経験は、そのまま利用者との関わりに活きてきます。

実際に、パートの支援員として、子育てが一段落してから働き始める方は多くいます。

障害の分野ならではの研修

行動面の支援が必要な利用者を支えるための研修として、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修・実践研修)があります。

「なぜこの人は今、声を上げたのだろう」と、行動の理由を考える視点が身につくと、同じ場面に出会っても、気持ちの揺れ方が変わってきます。

医療的なケアが必要な利用者のいる施設では、喀痰吸引等研修の受講を支援していることもあります。

求人票の見方と、施設の選び方

同じ「障害者支援施設 パート」でも、施設によって働き方は大きく違います。求人票で見ておきたい点を、ゆっくり確認していきましょう。

時間帯と、その時間帯の仕事内容

「9時から16時」なのか「16時から20時」なのかで、仕事の中身が変わることは、ここまでお話ししたとおりです。自分が入る時間帯に、入浴や送迎の業務が含まれるかどうかを確認します。

最低の勤務日数と、急な休みへの対応

「週3日以上」などの条件がついているか、子どもの急な体調不良で休むときの連絡方法や代わりの人の探し方が決まっているかを確認します。人数の多い施設ほど、急な休みを受け止めやすい傾向があります。

利用者の状態

主な障害の種類、行動面の支援が必要な利用者を受け入れているか、入浴や移乗の介助がどのくらいあるかを確認します。体力に不安がある方は、日中の活動の支援が中心の枠を選ぶと、無理なく始めやすくなります。

時給と手当

時給だけでなく、早朝・夜間の手当、処遇改善に関する手当がパートにも支給されるか、交通費の扱いを確認します。相場を知るには、介護職員の年収・単価相場で雇用形態ごとの水準を見ておくと、提示された時給が相場のどのあたりにあるのかを判断しやすくなります。

夜勤のない働き方を中心に考えている方は、夜勤なしで働きたい介護職へ|職場の選び方と注意すべき点も、職場の比べ方の参考になります。

面接で聞いておきたいこと

面接は、施設があなたを選ぶ場であると同時に、あなたが施設を選ぶ場でもあります。聞きにくいことこそ、働き始める前に聞いておくほうが、お互いのためになります。

たとえば、こんなふうに聞いてみてください。

・「私が入る時間帯には、職員の方は何人いらっしゃいますか」 ・「最初の何回かは、先輩と一緒に動かせていただけますか」 ・「子どもの急な体調不良で休むときは、どのように連絡すればよいですか」 ・「支援の方法が変わったときは、パートの職員にはどのように伝わりますか」 ・「入浴や送迎の担当は、パートにもありますか」 ・「研修に参加する場合、その時間は勤務として扱われますか」

どの質問にも、具体的に答えてくれる施設は、パートの人を大切な戦力として考えている施設です。反対に、「そのときになれば分かります」とだけ返ってくる場合は、もう一つ別の施設も見てから決めてもいいかもしれません。

見学ができるなら、自分が働く予定の時間帯に合わせて見せてもらうのがおすすめです。職員同士の声のかけ方や、利用者への話しかけ方から、その職場の空気が伝わってきます。

気持ちよく続けるために

最後に、心のことを少しだけ。

障害者支援施設の支援は、うまくいかない日もあります。声をかけても伝わらない。昨日はできたことが、今日はできない。そんな日が続くと、「私には向いていないのかもしれない」と感じてしまうこともあるでしょう。

私自身、新しい環境に入ったばかりのころ、うまくいかない一日を家に持ち帰っては、夜に何度も思い返していた時期がありました。そのとき助けになったのは、「その日あったことを、事実と気持ちに分けて書き出す」ことでした。「声をかけたら、手を払われた」は事実。「嫌われたのかもしれない」は気持ち。分けてみると、事実のほうは次の工夫につながり、気持ちのほうは少し軽くなります。

パートの良さは、働く時間と生活の時間に区切りをつけやすいことです。勤務が終わったら、利用者のことは記録に託して、自分の時間に戻っていい。それが、長く続けるためのいちばんの秘訣です。

運営者として見てきた、福祉のパート経験の広がり

在宅ワークや業務委託の市場を長く運営してきた立場から見ると、福祉の現場でパートとして働いた経験は、思っている以上に次の働き方につながっています。言葉以外のサインを読み取る力、相手のペースに合わせて待つ力、出来事を記録に残す力は、相談の仕事や、福祉の分野の文章づくり、研修資料の作成などにも活かされています。働く人の悩みに寄り添う仕事の広がりは、職場・転職・キャリア相談のお仕事にもまとまっています。

また、経験を活かして業務委託で仕事を受けるときは、仲介の手数料がかからない直接のやり取りのほうが、依頼する側は同じ予算で続けて頼みやすく、受ける側の手取りも厚くなります。限られた時間で働く人ほど、この違いは大きく感じられるはずです。

障害者支援施設のパートは、時間帯を選べば、生活と両立しながら支援に関われる働き方です。まずは自分が使える時間帯を書き出して、その時間に人を必要としている施設を探してみてください。あなたの力を待っている職場は、きっとあります。

よくある質問

Q. 無資格・未経験でも障害者支援施設のパートに応募できますか?

応募できます。無資格・未経験から始められる募集は多く、日中の活動の見守りや食事の介助などから少しずつ仕事を覚えていきます。慣れるまで先輩と一緒に動けるか、研修の機会があるかを面接で確認すると安心です。働きながら介護職員初任者研修などを受けると、支援の迷いが減っていきます。

Q. 週2日・短時間だけでも働けますか?

施設によっては可能です。朝の起床の支援や夕方の食事の支援など、手が足りない時間帯に絞った短時間の募集があります。一方で「週3日以上」「土日のどちらか月2回以上」などの条件がつく募集もあるので、求人票の勤務条件を確認してください。少ない日数から始めて、慣れてから増やす方法もあります。

Q. パートでも社会保険に入る必要がありますか?

勤め先の企業等の規模と、週の所定労働時間などで決まります。厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等では、週20時間以上などの要件を満たすパートも対象です。それより小規模なところも2027年10月以降、段階的に対象が広がります。法人全体の人数で判断されるので、応募先の法人の規模も確認してください。

Q. パートは正職員と比べてどんな仕事を任されませんか?

食事や排せつ、入浴の介助、活動の見守りといった直接の支援は、パートも正職員と同じように担います。一方、個別支援計画の作成はサービス管理責任者、家族や関係機関との調整は主任や管理者、喀痰吸引などの医療的なケアは研修を修了した人が担うのが一般的です。任される範囲は、面接で具体的に聞いておくと安心です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年7月21日最終更新:2026年9月18日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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