視能訓練士の履歴書と職務経歴書|書く順番と、埋めにくい欄の扱い


この記事のポイント
- ✓視能訓練士の履歴書と職務経歴書を
- ✓書く順番どおりに解説します
- ✓ブランクや短期離職の埋め方
「履歴書の前で、何時間も手が止まってしまうんです」。視能訓練士として働いてきた方から、こういうご相談を受けることがあります。検査の腕には自信がある。患者さんとのやりとりもきちんとできる。それなのに、白い紙を前にすると何も書けなくなる。
大丈夫ですよ。これは、あなたの経験が足りないからではありません。書く順番を知らないだけです。
視能訓練士の履歴書でつまずく場所は、実はかなり決まっています。免許の名前をどう書くか。空白の期間をどう説明するか。志望動機に何を入れるか。この記事では、その決まった場所を一つずつ、書く順番のとおりにほどいていきます。読み終わるころには、あなたの手は動き始めているはずです。
履歴書と職務経歴書は、役割がまったく違う
最初に、ここを分けておきましょう。ここが混ざったまま書き始めると、両方の書類が中途半端になります。
履歴書は「あなたが誰か」を証明する書類です。氏名、生年月日、住所、学歴、職歴、免許。事実を、決められた形式で、正確に並べる。採用担当者はここで、応募資格を満たしているかどうかを確認します。眼科の求人であれば、視能訓練士免許を持っているかどうか。それが一目でわかることが、履歴書の最大の仕事です。
職務経歴書は「あなたが何をしてきたか」を伝える書類です。形式は自由。だからこそ、書き手の力量がそのまま出ます。どんな検査を、どのくらいの規模の施設で、どういう患者さんに対して行ってきたか。ここを言葉にできる人は強い。
こういうご相談がよくあります。「履歴書の職歴欄に、仕事の内容まで書いたほうがいいですか」。答えは、書かなくて大丈夫です。履歴書の職歴欄は入職と退職の事実を並べる場所で、中身は職務経歴書の担当だからです。履歴書に詰め込みすぎると、かえって読みにくくなります。
もう一つ、よく混同されるのが「自己PR」の置き場所です。履歴書にも自己PR欄がある様式はありますが、そこに書けるのは数行です。あなたの検査経験を丁寧に伝えたいなら、主戦場は職務経歴書のほうです。履歴書の自己PR欄は、職務経歴書の要約を短くまとめた見出しのように使うと、二つの書類が自然につながります。
視能訓練士の転職市場を長く見てきた媒体は、この点をこう表現しています。
この記事では視能訓練士の転職を熟知している眼科ワークが、経験と独自のノウハウを元に「高評価につながる履歴書」作成のコツと注意点を説明していきます。 出典: ganka.work
コツと注意点、という言い方をしているのが正直だと思います。履歴書に魔法はありません。決まった型を、抜けなく、正確に埋めていく。その積み重ねが評価につながります。
書く順番は「事実の欄」から。志望動機は最後でいい
多くの方が、いちばん上から順番に書こうとします。そして志望動機の欄で止まる。これがいちばんもったいないパターンです。
おすすめの順番は、こうです。先に事実の欄をすべて埋めてしまう。学歴、職歴、免許、通勤時間、扶養家族。ここは調べれば必ず埋まる欄で、考える必要がありません。事実の欄が埋まると、紙の上に「あなたの形」が浮かび上がります。その形を見てから志望動機を書くと、書くことが自然に決まります。
順番にすると次のとおりです。
1つ目、日付と氏名。提出日を書きます。郵送なら投函日、持参なら持参日、メール添付なら送信日です。作成した日ではありません。ここがずれていると、使い回しの書類だと受け取られることがあります。
2つ目、写真。証明写真は撮影から3ヶ月以内のものを使うのが一般的な目安です。医療機関に出す書類ですから、清潔感が最優先になります。スピード写真でも問題ありませんが、髪が顔にかかっていないか、背景に影が出ていないかだけは確認してください。
3つ目、学歴。視能訓練士の養成課程は、大学、短期大学、専門学校と経路が分かれます。学校名は略さず正式名称で書き、学部・学科・専攻まで入れます。ここは、あなたがどういう教育を受けてきたかを示す情報だからです。
4つ目、職歴。入職と退職を年月順に並べます。医療機関名は正式名称で、法人格まで書きます。診療科や病床規模を一行添えると、読む側が施設の規模をつかみやすくなります。
5つ目、免許・資格欄。ここが視能訓練士の履歴書でいちばん重要な欄です。あとで詳しく扱います。
6つ目、志望動機。事実の欄が埋まったこの段階で書きます。
7つ目、本人希望記入欄。勤務条件のうち、譲れないものだけを簡潔に。
この順番で進めると、途中で手が止まる回数が目に見えて減ります。私がキャリアの相談を受けるとき、最初にお願いするのがこの並べ替えです。書けない欄を先に開かない。それだけで、書類作成はずいぶん楽になります。
免許・資格欄は、正式名称と取得年月をそろえる
視能訓練士の履歴書で、採用担当者が真っ先に見る欄です。ここが曖昧だと、それだけで書類の信頼度が下がります。
免許は正式名称で書きます。略した呼び方や、通称、英語の略号は使いません。取得年月は免許証に記載されている年月を確認して転記してください。記憶で書くと、月がひと月ずれていることがあります。手元に免許証を出してきて、見ながら書く。この一手間が効きます。
年号の統一も忘れないでください。履歴書全体を西暦でそろえるか、和暦でそろえるか、どちらかに決めます。学歴が和暦で免許が西暦、という書類は驚くほど多いのですが、読む側からするとかなり気になります。免許証の記載が和暦で、履歴書を西暦でそろえたい場合は、換算表を一度作ってから書き写すと間違いません。
免許以外の資格も、応募先に関係するものは書きます。視能訓練士の場合、医療安全や感染対策の院内研修修了、ロービジョンケアに関する研修、学会や職能団体の講習会の修了証などが該当します。応募先が小児眼科や斜視の診療に力を入れているなら、それに関する研修歴は必ず入れてください。
一方で、応募先とまったく関係のない資格を並べるのはおすすめしません。欄が埋まる安心感はありますが、読む側は「なぜこれを書いたのだろう」と考えます。書類は、読む人の思考を無駄に使わせないことが大切です。
事務作業に関わる資格を持っている方は、書き方を工夫すると意味が出ます。眼科では検査データの入力や報告書の作成が日常的に発生します。文書作成の基礎を証明する資格としてビジネス文書検定のようなものを持っているなら、単に資格名を並べるのではなく、職務経歴書のほうで「報告書やご案内文の作成を担当していた」と実務に結びつけて書くと伝わります。資格ガイドのページでは、こうしたビジネス文書系の検定がどんな内容を問うものかを整理していますので、書き方に迷ったときの参考になります。
なお、視能訓練士は国家資格が必要な職種です。免許がない状態で視能訓練士として応募することはできません。この点は制度の根幹に関わりますので、養成課程の在学中や国家試験の結果待ちで応募する場合は、応募先の医療機関に現在の状況を正直に伝えたうえで、書き方を確認してください。免許の要件や登録の手続きについては、必ず公式の窓口や所管の機関に最新の情報を確認するようにしてください。
職歴欄で手が止まる、三つの場面
ここからが本題です。事実を並べるだけの職歴欄で、なぜか手が止まる。その原因は、たいてい次の三つのどれかです。
ブランクがある
出産、育児、介護、体調、家族の転勤。理由はさまざまですが、空白期間があると、書いていいのか隠すべきか迷います。
結論から言うと、書きます。隠すと、面接で必ず聞かれます。そのときに慌てて説明するより、書類の段階で先に説明しておくほうが、はるかに落ち着いて話せます。
書き方はシンプルで大丈夫です。職歴欄には「一身上の都合により退職」と事実だけを書き、空白の理由は本人希望記入欄か職務経歴書のほうで一行触れます。「育児のため離職。現在は就業可能な体制が整っております」といった書き方です。反省や謝罪の言葉は要りません。事実と、今は働ける状態だという二点で足ります。
不安に感じる方が本当に多いのですが、医療機関の側は空白期間そのものを問題視しているわけではありません。知りたいのは、今どういう働き方ができるのかという一点です。そこが書いてあれば、空白は情報のひとつになります。
ブランクの間に、資格や知識の維持のために何かしていたなら、それも書いてください。職能団体の研修に参加した、機器の操作動画を見て手順を確認した、関連する書籍を読んだ。派手なことでなくて構いません。感覚を取り戻す準備をしていたという事実が伝われば、受け入れる側の不安はかなり減ります。何もしていなかったとしても、それを引け目に感じる必要はありません。復職後に何から慣らしていきたいかを一行書くだけでも、前向きな姿勢は伝わります。
在籍期間が短い職場がある
数ヶ月で辞めた職場を書くかどうか。これも迷いどころです。
書きます。省略すると経歴が飛び、後の職場との間に説明のつかない空白ができます。健康保険や雇用保険の記録は入職時に確認されますから、隠し通すことは現実的ではありません。
短い在籍期間は、理由を一行添えると印象が変わります。「診療体制の変更により」「家庭の事情による転居のため」といった、事実に即した書き方です。書きにくいのは、人間関係が理由だったときですね。この場合は、無理に詳しく書かなくて構いません。職務経歴書のほうで、その職場で身についたことを一つでも書いておくと、短い期間が「無駄ではなかった」という文脈に変わります。
眼科以外の経験がある
一般病院の別部署、健診センター、コンタクトレンズの販売、医療機器メーカー、まったくの他業種。眼科の経験だけがきれいに並んでいる方のほうが、むしろ少数派です。
眼科以外の経験は、隠さずに書いたうえで、応募先とつながる部分を職務経歴書で拾います。健診の経験があるなら、短時間で多人数をさばく段取り力。販売の経験があるなら、患者さんへの説明のしかたや、装用に関するご案内の経験。他業種であっても、予約管理や在庫管理は医療現場でそのまま使える経験です。
私がキャリアの相談を受けていていつも思うのは、経験の棚卸しを一人でやろうとすると、自分の当たり前が見えなくなるということです。「毎日やっていたから、特筆することじゃない」と本人が思っている作業が、外から見ると立派な強みだったりします。書き出す段階では、要不要を判断せずに全部並べてください。削るのは後からできます。
職務経歴書は、検査の棚卸しから始める
職務経歴書は形式が自由なので、何から書けばいいのかがわかりにくい書類です。視能訓練士の場合、最初にやることは決まっています。担当してきた検査の棚卸しです。
紙を一枚用意して、これまでに実施したことのある検査をとにかく書き出します。視力検査、屈折検査、眼圧測定、視野検査、眼底撮影、光干渉断層計による検査、両眼視機能の検査、斜視や弱視に関する検査と訓練、術前術後の検査、コンタクトレンズの装用に関する検査、ロービジョンケア。書き出すと、自分でも驚くほど数が出ます。
次に、それぞれについて三つの情報を足します。どの機器を使ったか。どういう患者層に対して行ったか。どのくらいの頻度で担当していたか。この三点が入ると、抽象的だった経験が急に具体的になります。
そのうえで、応募先の診療内容に近いものから順に並べ替えます。小児眼科に応募するなら斜視弱視の訓練経験を上に、白内障手術の多いクリニックに応募するなら術前術後の検査経験を上に。同じ経験でも、並べる順番で伝わり方が変わります。
経験を数で示す考え方については、次のような整理があります。
視能訓練士の履歴書は、免許の正式名称と取得年月を正確に記載したうえで、担当検査件数や訓練実績など経験を数値で示し、応募先の診療体制(眼科専門か総合病院の眼科か)に応じて志望動機の軸を変えられるかどうかが選考通過の分かれ目です。 出典: lekky.jp
ここで一つ、気をつけていただきたいことがあります。件数を書くときは、思い出せる範囲の概数にとどめてください。記録を確認できない数字を、大きく見せようとして盛るのは避けたほうがいいです。面接で具体的に掘り下げられたときに、答えられなくなります。「一日あたりおおよそ何人程度」「常勤の視能訓練士が何名の体制で」といった、体感として説明できる粒度で十分です。
分量はA4用紙で1枚から2枚に収めるのが一般的な目安です。読む側は多くの書類に目を通しますから、詰め込みすぎないほうが伝わります。
見出しの並べ方も決めておきましょう。最初に職務要約を三行から五行で置きます。これまでどういう施設で、どういう検査を中心に担当してきたかを、ひとかたまりにした短い文章です。読む側はここだけで全体像をつかみますから、いちばん時間をかけて書く価値がある部分です。
次に職務経歴を、新しいものから古いものへ並べます。施設ごとに、施設の概要、在籍期間、担当業務、体制の四点を書きます。施設の概要は、診療科の構成と病床規模、外来の規模がわかる程度で十分です。体制は、常勤の視能訓練士が何名の中で自分がどの役割だったかを一行で。
そのあとに、活かせる経験や技能をまとめます。ここが検査の棚卸しの成果を出す場所です。機器名を列挙するだけにせず、どういう患者さんにどう使ってきたかを添えてください。
最後に自己PRを置きます。長くしないこと。要約で書いたことと矛盾しないこと。この二つを守れば、締まった書類になります。
なお、職務経歴書は履歴書と違い、様式が決まっていません。だからこそ、応募先ごとに順番を入れ替える余地があります。使い回すのではなく、応募のたびに並べ替える。手間はかかりますが、この手間が結果に直結します。
志望動機は、応募先のタイプごとに軸を変える
視能訓練士の職場は、大きく分けて眼科クリニック、総合病院や大学病院の眼科、健診機関の三つです。それぞれで求められるものが違うので、志望動機の軸も変えます。同じ文面を使い回すと、読む側にはすぐわかります。
眼科クリニックに応募する場合。軸は「回転の速い外来で、正確に、感じよく検査ができること」です。一人あたりの検査時間が短く、待ち時間への配慮も求められます。前の職場で外来検査を担当していたなら、その日の流れをどう組み立てていたかを書くと具体的になります。手術を行うクリニックであれば、術前検査や術後の経過観察の経験が直接刺さります。
総合病院や大学病院の眼科に応募する場合。軸は「症例の幅と、他職種との連携」です。糖尿病や膠原病など、全身疾患に伴う眼の症状を扱う機会が増えます。他の診療科や看護部門とのやりとりが日常的に発生しますから、チームの中でどう動いてきたかを書きます。学生や新人の指導経験がある方は、それも入れてください。教育体制のある施設ほど、指導できる人を求めています。
健診機関に応募する場合。軸は「短時間で多人数を、正確にさばく段取り」です。集団健診では、一日に扱う人数が外来とは桁違いになります。準備と後片づけを含めた段取りを説明できると強いです。
この三つのほかに、企業に勤める道もあります。医療機器メーカー、コンタクトレンズの関連企業、健康関連のサービス。ここに応募する場合の軸は「臨床の言葉を、臨床以外の人に翻訳できること」です。製品開発の担当者や営業の担当者は、検査の現場を知りません。現場で何が起きているかを説明できる人は重宝されます。学会発表や院内勉強会の資料を作った経験があれば、必ず書いてください。
志望動機の書き方でよくお伝えしているのは、「なぜこの施設か」を一文でいいので必ず入れることです。ホームページを見て、診療内容や理念のなかで自分の経験と重なるところを一つ探す。それを引用して、自分の経験とつなげる。この一文があるかないかで、書類の温度がまるで変わります。
そして、書き終えたら声に出して読んでみてください。息が続かない文があれば、そこは長すぎます。読む人の呼吸に合う文章は、それだけで気持ちよく読まれます。
学歴欄と、その他の細かい欄の扱い
細かい欄ほど、迷ったまま放置されがちです。ここでまとめて片づけておきましょう。
学歴の書き方について、こういう整理があります。
学部や学科、専攻名も正確に記載します。特に視能訓練士の養成校については、どのような専門知識を学んだかを示す重要な情報となります。入学年と卒業年を間違えないように注意し、年号は履歴書全体で統一することを忘れないでください。もし留年や休学の経験がある場合は、その事実を正直に記載し、必要であれば理由を簡潔に添えることもできますが、基本的には記載しなくても問題ありません。 出典: lekky.jp
留年や休学を「必ず説明しなければ」と思い詰めている方がいますが、そこまでの必要はありません。事実を正直に書いて、聞かれたら答える。それで十分です。
通勤時間の欄は、実際にかかる時間を書きます。少なく見積もると、入職後に自分が苦しくなります。乗り換えを含めたドアツードアの時間で書いてください。
扶養家族の欄は、社会保険上の扶養の人数を書きます。配偶者の有無と扶養義務は別の欄になっている様式が多いので、様式に従ってください。
本人希望記入欄は、迷う方が多い欄です。ここは「特になし」でも構いませんが、勤務条件で譲れないものがあるなら書いておくほうが親切です。たとえば、子どもの送迎で始業時間に制約があるなら、その旨を一行。書かずに入職して、後から調整に苦労するより、最初に伝えておくほうがお互いのためです。
ただし、条件をいくつも並べるのは避けてください。譲れないものを一つか二つに絞る。そのほうが、相手も検討しやすくなります。
採用する側は、履歴書のどこを見ているか
書く側の視点だけで書類を作ると、どうしても「自分が言いたいこと」が中心になります。読む側が何を確認しているかを知っておくと、力を入れる場所が変わります。
眼科の採用で最初に確認されるのは、応募資格を満たしているかという一点です。免許があるか、取得年月はいつか。ここが不明瞭だと、それ以上は読まれません。だからこそ、免許欄は正確さがすべてです。
次に見られるのが、勤務条件が合うかどうかです。通勤時間、勤務可能な曜日と時間帯、入職可能な時期。医療機関は人員配置を組んで動いていますから、条件が折り合わなければ、どれだけ経験が豊富でも採用に進みません。ここは能力の評価ではなく、単純な条件の照合です。合わなかったときに落ち込まないでほしいのは、そういう理由からです。
三つ目が、経歴の連続性です。空白や短期離職があること自体より、そこに説明がないことのほうが引っかかります。逆に言えば、一行の説明があるだけで、その引っかかりは消えます。書類の段階で解消できるものを、面接まで持ち越さないでください。
四つ目が、書類そのものの丁寧さです。誤字、日付の抜け、写真の貼り忘れ。細かいことのようですが、医療現場は正確さが求められる仕事です。書類の正確さは、そのまま仕事の正確さとして読まれます。厳しい見方だと感じるかもしれませんが、検査値を扱う職種である以上、これは避けられない部分です。
そして最後に、志望動機と経験の一致が見られます。「小児の診療に力を入れたい」と書いてあるのに職務経歴書に斜視弱視の記載が一行もなければ、志望動機が浮いてしまいます。書き分けが必要だとお伝えしたのは、この一致を作るためです。
こうして並べると、採用側が見ているのは特別なことではないとわかります。資格、条件、説明、丁寧さ、一致。この五つを押さえれば、書類は自然と通りやすくなります。
提出前の確認と、出し方のマナー
書き終えたら、提出の前に確認します。慌てて出すと、たいてい何かが抜けています。
確認する項目は、次のとおりです。日付は提出日になっているか。氏名にふりがなが入っているか。様式が「ふりがな」なら平仮名、「フリガナ」なら片仮名です。写真は貼ってあるか。学歴と職歴の年号が全体で統一されているか。免許の正式名称と取得年月が免許証と一致しているか。誤字脱字はないか。捺印欄がある様式なら、印は押してあるか。
手書きの場合、修正液や修正テープは使えません。書き損じたら、面倒でも書き直します。パソコンで作成する場合は、応募先が手書きを指定していないかを募集要項で確認してください。医療機関では、いまも手書きを求めるところがあります。
提出方法は三つです。持参、郵送、データ送付。
持参する場合は、クリアファイルに入れて、封筒には入れずに手渡します。折れないように運ぶことだけ気をつけてください。
郵送する場合は、書類を折らずに入れられる角形2号の封筒を使います。表に「応募書類在中」と書き、宛名は担当部署か担当者名まで。中に添え状を一枚入れると丁寧です。添え状には、応募の意思と同封書類の一覧を簡潔に書きます。
データで送る場合は、PDFに変換して送ります。ファイル名は「履歴書_氏名」のように、開かなくても中身がわかる形にしてください。メール本文には、応募する職種と氏名、連絡先を必ず入れます。件名を空にしたまま送ってしまう事故が意外と起きますので、送信前に一呼吸おいて確認する習慣をつけておくと安心です。
他の医療職の書類の作り方も、参考になります。志望動機や自己PRの組み立て方は職種をまたいで共通する部分が多く、看護師の転職用履歴書の書き方|志望動機と自己PRの例文では、例文つきで書き出しのパターンを整理しています。書き出しの一文が浮かばないときに、型を借りるつもりで読んでみてください。
書きながら気持ちが折れそうになったとき
ここまで手順の話をしてきましたが、最後に、気持ちの話をさせてください。
転職の書類を書く作業は、自分の経歴を客観的に眺める作業です。これがつらい。「私はこの年数で、これしかやってこなかったのか」という気持ちになる方が、本当に多いのです。
こういうご相談を受けたとき、私はいつも同じことをお願いします。書き出す段階では、良し悪しの判断をしないでください、と。判断しながら書くと、手が止まります。まず全部出す。並べる。それから選ぶ。この三つを同時にやろうとすると、誰でも動けなくなります。
それから、一日で仕上げようとしないこと。事実の欄を埋める日、経験を書き出す日、志望動機を書く日。三日に分けるだけで、負担はずいぶん軽くなります。志望動機は、前日に書いたものを翌朝読み返すと、必ず直したいところが見つかります。時間をおくこと自体が推敲になります。
そして、書類が通らなかったときに、自分の価値が否定されたと受け取らないでください。書類選考は、その施設のその時期の必要と、あなたの経験が合うかどうかの照合です。合わなかったというだけの結果に、あなた自身の評価は含まれていません。
もう一つ、実務的なお願いがあります。書き上げた書類は、必ず控えを残しておいてください。データでも、コピーでも構いません。面接では、書類に書いた内容をもとに質問されます。手元に控えがないと、自分が何を書いたか思い出せないまま面接に臨むことになります。応募先が複数になると、この混乱は必ず起きます。
そして、応募先ごとに何を強調したかを一行メモしておくと、面接前の準備が驚くほど楽になります。私が相談を受けるなかで、書類は丁寧なのに面接で崩れてしまう方には、この控えの習慣がないことが多いです。書いて出して終わりではなく、書いたものを手元に残す。ここまでが書類作成です。
あなたは一人ではありません。同じところでつまずいている方は、たくさんいます。手が止まったら、この記事の順番のところに戻ってきてください。順番どおりに埋めていけば、必ず最後まで行けます。
検査の経験は、雇用以外の形でも生きる
最後に、視野を少し広げる話をします。
視能訓練士として働く場所は、これまで医療機関がほとんどでした。ただ、ここ数年で医療の周辺に新しい仕事が生まれています。医療機器メーカーでの製品説明や研修の担当。医療系メディアでの記事監修。眼科の診療所向けの業務改善支援。オンラインでの相談対応。どれも、検査の現場を知っている人でなければできない仕事です。
在宅の仕事や業務委託の仕事を扱うサイトを長く運営してきた立場から言えることがあります。この十数年で確実に変わったのは、専門職の知識が「その現場でしか使えないもの」ではなくなったことです。文章、資料、動画、オンライン相談。知識を届ける経路が増えたぶん、資格職の人が現場の外で働ける余地も広がりました。
もう一つ、長く続く人に共通していることがあります。単発の作業を数多くこなす人よりも、「この人に任せると楽だ」という関係を作った人のほうが、結果として長く仕事が続いています。医療の現場で信頼を積み上げてきた方は、この関係づくりがもともと得意なはずです。そこは、そのまま持ち運べる力です。
そして、間に入る会社が多いほど、依頼者が払った金額と受け手が受け取る金額の差は開きます。手数料0%で直接やりとりできる形であれば、同じ予算で依頼者はより多くを頼め、受け手の手取りは厚くなります。金額の大小の話というより、働いた分がそのまま残るかどうかという質の話です。運営者として見てきた限りでは、この差は年単位で効いてきます。
具体的にどんな仕事があるのかを見ておくと、書類を書く手も動きやすくなります。医療の知識を文章にする仕事の相場感を知りたい方には、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のページが参考になります。文章を扱う職種の収入水準を職業分類ごとに整理したもので、副業として始める場合の目安をつかむのに使えます。
また、医療機関でも予約や問い合わせの自動化が進み、現場の知識を持った人が導入を支援する仕事が出てきています。そうした業務の内容を知りたい方は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事を見ておくと、どんなスキルが求められているのかがつかめます。現場を知っている人が入ることで、ようやく実務に合う運用になる。そういう仕事です。
もちろん、いま書いている履歴書は、まず目の前の応募先のためのものです。それでいいのです。ただ、書き出した経験の棚卸しは、この先どこへ行くときにも使えます。今日つくる一枚は、その先の何枚かの土台になります。
よくある質問
Q. 履歴書の免許欄には、どう書けば正確ですか?
免許証に記載されている正式名称と取得年月を、そのまま転記してください。略称や英語表記は使いません。記憶で書くと月がずれることがあるので、免許証を手元に置いて見ながら書くのが確実です。年号は履歴書全体で西暦か和暦のどちらかにそろえます。
Q. ブランクがある場合、職歴欄はどう埋めますか?
空白は隠さず書きます。職歴欄には退職の事実だけを書き、理由は職務経歴書か本人希望記入欄で一行触れれば十分です。「育児のため離職。現在は就業可能です」といった形で、事実と、今は働ける状態であることの二点を伝えれば足ります。
Q. 職務経歴書は何枚くらいにまとめるべきですか?
A4用紙で1枚から2枚が一般的な目安です。まず担当してきた検査をすべて書き出し、使用機器、患者層、担当頻度を添えたうえで、応募先の診療内容に近いものから並べ替えます。件数は記録で確認できる範囲の概数にとどめてください。
Q. 志望動機は応募先ごとに書き分ける必要がありますか?
書き分けたほうが通ります。クリニックなら外来を正確に速く回す力、総合病院や大学病院なら症例の幅と他職種連携、健診機関なら短時間で多人数をさばく段取りが軸になります。応募先のホームページから、自分の経験と重なる点を一つ引いて入れてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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