美容室でLINE予約を受け付ける方法と、予約台帳との付け合わせ方


この記事のポイント
- ✓美容室でLINE予約を受け付けたい店舗向けに
- ✓LINE公式アカウントのチャット・リッチメニュー・LINEミニアプリの3つの方法と料金
- ✓予約台帳と付け合わせてダブルブッキングを防ぐ運用
美容室の予約をLINEで受け付けると、電話に出られない施術中でもお客さまから予約の連絡を受け取れ、お客さまにとっても気軽に予約できる窓口になります。ただ、LINEで予約を受け始めた店舗からよく聞くのが、「電話、集客サイト、LINEと予約の入口が増えて、同じ時間に2人の予約を入れてしまった」という声です。
この記事では、美容室でLINE予約を受け付ける3つの方法と、LINE公式アカウントの料金を公式の記載をもとに整理します。そのうえで、LINEで受けた予約を予約台帳と付け合わせて、ダブルブッキングや予約の書き漏れを防ぐ運用の組み立て方をご紹介します。料金や機能は改定されることがあるため、導入の前には各サービスの公式ページで今日の記載をご確認ください。
美容室の予約の入口が増えている背景
美容室の予約の取り方は、この10年ほどで大きく変わりました。以前は電話と店頭での次回予約が中心でしたが、今は集客サイトからのネット予約、自店のホームページの予約フォーム、そしてLINEと、入口がいくつもあります。
この変化の背景にあるのが、お客さまの連絡の手段の変化です。LINEヤフー株式会社の法人向けサイトでは、LINEの国内の月間利用者数を1億人(2026年3月末時点)と案内しています。電話をかけるより、ふだん使っているLINEで用件を送るほうが気楽だと感じる人は少なくありません。営業時間中に電話をかけにくい会社員や、子育て中で電話の時間を取りにくい人にとっても、好きな時間に送れるLINEは使いやすい連絡の手段です。
お店の側にも利点があります。施術中に電話が鳴ると、手を止めて出るか、取り損ねるかのどちらかになります。LINEなら、施術の合間にまとめて返信できます。また、お客さまから「なりたい髪型」の写真を先に送ってもらえるため、カウンセリングの時間を短くでき、仕上がりのイメージのずれも減らせます。
一方で、入口が増えるほど、予約の情報があちこちに散らばります。集客サイトの管理画面、紙の予約台帳、LINEのトーク画面、スタッフの記憶。それぞれに予約が書かれていると、どこかで書き漏れや重複が起きます。LINE予約を始めるときは、受け付けの方法と同じくらい、予約台帳との付け合わせ方を最初に決めておくことが大切です。
LINEで予約を受け付ける3つの方法
美容室がLINEで予約を受け付ける方法は、大きく分けて3つあります。
方法1:LINEチャットで1件ずつ受け付ける
いちばん手軽なのが、LINE公式アカウントのチャットで、お客さまとやり取りしながら予約を受ける方法です。お客さまから希望の日時とメニューが送られてきたら、台帳で空きを確かめて返信し、確定させます。LINEヤフーの法人向けのコラムでも、最もシンプルな方法として紹介されています。
LINEで美容室の予約を受け付ける最もシンプルな方法は、LINE公式アカウントのチャット機能「LINEチャット」を活用することです。 出典: lycbiz.com
この方法の良い点は、追加の費用がかからず、今日から始められることです。LINE公式アカウントの料金ページでは、チャットの送受信は配信のメッセージ数に数えられないと案内されています。お客さまの細かい要望を聞きながら日時を調整できるため、常連のお客さまが多い店舗に向いています。
一方で、空き状況の確認から返信までをすべて人が行うため、予約の件数が増えると返信の手間が大きくなります。返信が遅れると、お客さまはほかの店に予約を入れてしまうこともあります。
方法2:リッチメニューから予約ページへ案内する
2つ目は、LINE公式アカウントのトーク画面の下に表示される「リッチメニュー」に、予約ページへのボタンを置く方法です。リッチメニューとは、トーク画面の下部に表示される、画像付きのメニューのことです。ここに「ネット予約」のボタンを設けて、自店の予約ページや予約システムのページへ案内します。
この方法なら、お客さまは空いている時間を自分で見て予約でき、お店は返信の手間を減らせます。LINEは連絡の窓口として残しつつ、予約そのものは予約ページで受ける、という役割の分け方です。
方法3:LINEミニアプリや、LINEと連携する予約システムを使う
3つ目は、LINEの中で予約を完結させる方法です。LINEヤフーの法人向けのコラムでは、LINEミニアプリを使うと、アプリの追加や新たなログインなしで、予約や順番待ち、会員証などをLINEの上で提供できると案内されています。開発が不要な「パッケージ」の中に、美容室向けのものもあると紹介されています。
この方法は、お客さまにとって最も手軽ですが、ミニアプリや連携の予約システムには、それぞれの提供会社の料金がかかります。機能も提供会社によって異なるため、導入の前に、今使っている予約台帳や集客サイトとどうつながるのかを確かめることが大切です。
3つの方法の比べ方
3つの方法のどれを選ぶかは、予約の件数と、スタッフの人数、お客さまの層によって変わります。違いを表に整理します。
| 比べる点 | チャットで受ける | リッチメニューから予約ページへ | ミニアプリ・連携の予約システム |
|---|---|---|---|
| 追加の費用 | かからない | 予約ページの費用による | 提供会社の料金がかかる |
| 返信の手間 | 1件ごとに必要 | ほぼ不要 | ほぼ不要 |
| 台帳への反映 | 手で書き込む | 予約システムなら自動 | 連携の内容による |
| お客さまの手間 | 文章で希望を送る | ページで空きを選ぶ | LINEの中で空きを選ぶ |
| 向いている店 | 常連中心で件数が少ない | 件数が多く人手が少ない | LINEの中で完結させたい |
ひとりで営む美容室や、常連のお客さまが中心の店舗なら、まずはチャットで受ける方法から始めるのが現実的です。費用がかからず、お客さまとの距離の近さも保てます。1日に何件も予約の希望が届くようになり、返信が追いつかなくなってきたら、リッチメニューから予約ページへ案内する形に移るのが自然な流れです。
複数のスタッフがいて、指名の予約が多い店舗では、スタッフごとの空き状況をお客さまが自分で見られる仕組みのほうが、やり取りの回数を大きく減らせます。どの方法を選ぶ場合も、「予約の希望をどこで受け、どこに記録するか」を決めておくことが、後の付け合わせを楽にします。
LINE予約を始めるまでの手順
LINE公式アカウントをまだ持っていない店舗に向けて、始めるまでの流れを整理します。
1つ目は、アカウントの開設です。LINE公式アカウントは、スマートフォンのアプリかパソコンの管理画面から開設できます。開設したときは無料のコミュニケーションプランに設定されます。店名、業種、所在地などを登録し、アカウントのプロフィールに営業時間と定休日を入れておきます。
2つ目は、あいさつのメッセージと自動応答の設定です。友だち追加されたときに自動で送られるあいさつのメッセージに、予約の受け付け方を書いておきます。「ご予約はこのトークで承ります。お名前・ご希望の日時・メニューをお送りください。」のように、何を送ればよいかがわかる文面にします。
3つ目は、チャットの設定です。管理画面でチャットを使える状態にし、返信する時間を決めます。営業時間外に届いたメッセージには自動で返事が送られるように設定しておくと、お客さまを待たせている不安を和らげられます。
4つ目は、友だちを集めることです。店頭にLINEの友だち追加のQRコードを貼る、会計のときに案内する、次回の予約をLINEで受け付けていることを伝える、といった方法があります。最初の数か月は、来店したお客さまに一声かけて友だち追加をお願いするのが、いちばん確実な集め方です。
5つ目は、スタッフへの共有です。誰がいつ返信するのか、台帳への書き込みをどの順番で行うのか、確定の返信の文面はどれを使うのかを、始める前にスタッフ全員で確認しておきます。ここを決めずに始めると、最初の1週間で返信の漏れや二重の返信が起きやすくなります。
リッチメニューに載せる項目
予約ページへ案内する方法2を選ぶ場合も、チャットで受ける方法1を選ぶ場合も、リッチメニューを整えておくと、お客さまが迷わずに用件を伝えられます。美容室で使いやすい項目は次のとおりです。
・ネット予約(予約ページへのリンク)
・メニューと料金
・スタイルの写真
・アクセスと営業時間
・トークで相談(チャットを開く)
・クーポン
項目は多くても6つまでにとどめるのが見やすさの目安です。いちばん押してほしい「ネット予約」は、左上か、いちばん大きな枠に置きます。チャットで予約を受けている店舗なら、「トークで予約」のボタンを押すと、送ってほしい項目が書かれた定型の文面が表示されるようにしておくと、お客さまの入力の手間を減らせます。
リッチメニューの画像は、管理画面のテンプレートから作れますが、お店の雰囲気に合わせた画像を用意すると、ブランドの印象がそろいます。画像の文字は、スマートフォンの小さな画面でも読める大きさにしてください。
LINE公式アカウントの料金
LINEで予約を受けるための土台になるのがLINE公式アカウントです。公式の料金ページ(2026年10月5日時点)では、次の3つのプランが案内されています。
| プラン | 月額固定費(税別) | 無料メッセージ | 追加メッセージ |
|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 200通 | 不可 |
| ライトプラン | 5,000円 | 5,000通 | 不可 |
| スタンダードプラン | 15,000円 | 30,000通 | 1通あたり最大3円 |
開設したときはコミュニケーションプランに設定され、ほかのプランにしたい場合は開設後に変更します。
ここで大事なのが、メッセージの数え方です。料金ページでは、「メッセージを送った回数」と「送った友だちの数」を掛けたものを「通数」として数えると説明されています。たとえば、友だちが300人いる店舗で、全員に月1回キャンペーンのお知らせを送ると、それだけで300通になり、無料のコミュニケーションプランの200通を超えます。
一方で、LINEチャットの送受信や自動応答メッセージは、通数に数えられないと案内されています。予約のやり取りをチャットで行うだけなら、無料のプランのままでも費用はかかりません。費用が発生するのは、友だち全体へのお知らせやクーポンの配信を増やしたときです。予約の受け付けと、販促の配信とを分けて考えると、どのプランが必要かを判断しやすくなります。
たとえば、友だちが150人の店舗が1か月に1回だけ全員へお知らせを送るなら、150通で無料のプランに収まります。友だちが800人に増え、1か月に2回送るようになると1,600通になり、ライトプランの検討が必要です。友だちの数と配信の回数を掛けて、おおよその通数を先に出しておくと、プランを変える時期を見誤りません。料金は税別の表示なので、予算を組むときは消費税を含めて計算してください。
チャットで予約を受けるときの文面の型
チャットで予約を受ける場合は、やり取りの回数をできるだけ減らすことが、お店とお客さまの両方の負担を軽くします。そのために、最初に聞く項目と、確定の返信の文面を決めておくことをおすすめします。
お客さまに最初に送っていただきたいのは、次の4つです。
・お名前(初めての方はフルネーム)
・希望の日時(第2希望まであると調整が早い)
・希望のメニュー(カット、カラーなど)
・担当の希望の有無
この4つを、あいさつのメッセージや自動応答に入れておくと、お客さまは最初の1通で必要な情報を送ってくださいます。たとえば、自動応答には次のような文面を登録します。
「ご予約のご希望は、お名前・ご希望の日時(第2希望まで)・メニュー・担当のご希望をお送りください。営業時間内に順番にご返信いたします。返信をもってご予約の確定となります。」
確定の返信には、日時、メニュー、担当、所要時間の目安、変更や取り消しの連絡の期限を入れます。「○月○日(○)14時から、カットとカラー、担当は○○、所要時間は2時間ほどです。ご変更・お取り消しは前日の19時までにこちらのトークでお知らせください。」のような形です。確定の文面を毎回同じ型にしておくと、スタッフの誰が返信しても内容がそろい、言った言わないの行き違いを防げます。
予約台帳との付け合わせ方
ここからが、LINE予約を始めるときに最も大事な部分です。入口が増えても予約が重ならないようにするには、次の4つの決まりを作ります。
決まり1:正となる台帳を1つに決める
予約の情報を書く場所が複数あると、必ずずれが生まれます。紙の台帳、集客サイトの管理画面、予約システムなど、どれを「正」とするのかを1つに決めます。LINEで受けた予約も、電話で受けた予約も、必ずその台帳に書き込んでから確定させます。
集客サイトから多くの予約が入る店舗では、集客サイトの管理画面の予約台帳を正にすると、ネット予約は自動で入り、手で書き込むのは電話とLINEの分だけで済みます。自店の予約ページを中心にしている店舗では、その予約システムの台帳を正にします。
決まり2:台帳に書き込んでから、確定の返信をする
LINEで予約の希望が届いたら、まず台帳で空きを確かめ、台帳に書き込んでから、お客さまに確定の返信を送ります。この順番を逆にすると、返信を送ったあと台帳に書き込むまでの間に、別の入口から同じ時間の予約が入る危険があります。
ネット予約を受けている場合は、台帳に書き込むと同時に、その時間がネット予約の画面からも埋まった表示になっているかを確かめます。台帳とネット予約の画面がつながっていない場合は、ネット予約の側でその時間を手動で埋める必要があります。
決まり3:トークに「台帳済み」の印を付ける
LINE公式アカウントのチャットには、トークごとにタグやノートを付ける機能があります。料金ページによると、標準ではタグを最大5個まで作れ、チャットルームごとに1個のタグを付けられます。この機能を使い、台帳に書き込んだトークには「台帳済み」のタグを付けておくと、書き込み漏れのトークが一目でわかります。
決まり4:1日の終わりに付け合わせる
その日の営業が終わったら、5分だけ時間を取り、LINEのトークの一覧と台帳を見比べます。確かめるのは次の3点です。
・確定の返信を送った予約が、すべて台帳にあるか
・取り消しや変更の連絡が、台帳に反映されているか
・返信していない予約の希望が残っていないか
支援してきた美容室でも、この「閉店後の5分」を決まりにしてから、ダブルブッキングがほとんどなくなったという例がありました。特別な道具を入れなくても、確かめる時間を決めておくことで、ずれは早いうちに見つかります。
集客サイトと併用するときの注意
多くの美容室は、集客サイトとLINEを併用しています。新しいお客さまは集客サイトで知ってもらい、2回目以降はLINEや自店の予約ページで受ける、という分け方です。
このとき注意したいのが、集客サイトの掲載規約です。集客サイトの中には、掲載している店舗ページで、ほかの予約の手段へ案内することに決まりを設けているところがあります。来店したお客さまにLINEの友だち追加を案内するのは問題がなくても、集客サイトの店舗ページにLINEのIDを載せてよいかどうかは、規約によって異なります。案内の方法を決める前に、掲載している集客サイトの規約を確かめてください。
また、集客サイトの予約台帳を正にしている場合、LINEで受けた予約を集客サイトの台帳にどう書き込むのかも決めておきます。手入力で書き込む場合は、決まり2のとおり、書き込んでから確定の返信をする順番を守ります。
費用の面では、集客サイトは掲載料やネット予約1件ごとの手数料がかかる形が多く、LINEのチャットでの予約は、前に説明したとおり無料のプランの範囲で受けられます。リピートのお客さまの予約をLINEや自店の予約ページに移していくと、集客にかかる費用の比率を下げることにつながります。
LINE予約を続けるための運用のルール
LINE予約は、始めることより続けることのほうが難しい仕組みです。次のルールを店舗の中で共有しておくと、担当者が変わっても同じ品質で運用できます。
1つ目は、返信の担当と時間を決めることです。「午前の受付担当が10時と13時と17時にまとめて返信する」のように決めておくと、返信の漏れと二重の返信を防げます。返信した人がトークにタグやノートで名前を残す決まりにしておくと、引き継ぎもしやすくなります。
2つ目は、営業時間外の自動応答を設定することです。夜遅くに届いた予約の希望に、翌朝まで何の返事もないと、お客さまは不安になります。「営業時間外のため、翌営業日の10時以降に順番にご返信いたします」という自動応答を設定しておくと安心していただけます。
3つ目は、キャンセルの決まりを確定の返信に書くことです。何日前までなら無料で取り消せるのか、当日の取り消しや無断のキャンセルにどう対応するのかを、確定の返信の文面に入れておきます。LINEは気軽に連絡できる分、取り消しの連絡も気軽に届きます。決まりを先に伝えておくことが、お客さまとの行き違いを防ぎます。
4つ目は、個人情報の扱いです。トークの画面には、お客さまの名前や写真、施術の希望が残ります。スタッフの個人のスマートフォンで管理画面にログインしたままにしない、退職したスタッフの管理の権限はすぐに外す、といった決まりを作っておくことが大切です。
リマインドで無断キャンセルを減らす
予約の受け付けと並んで、お店の売上に直結するのが無断キャンセルの防止です。予約を忘れてしまうお客さまは、悪意があるわけではなく、単に日にちを勘違いしていることがほとんどです。
効果があるのは、前日のリマインドです。前日に「明日○時のご予約をお待ちしております」と1通送るだけで、日時の勘違いに気づいていただけます。チャットで1人ずつ送ると手間がかかりますが、予約の件数が少ないうちは、閉店後の付け合わせの時間に、翌日の予約のお客さまへまとめて送る形でも回ります。
予約が増えてきたら、予約システムの自動のリマインドを使うことを考えます。予約システムの多くは、予約の完了と前日のお知らせをメールなどで自動で送る機能を備えています。LINEで送るのかメールで送るのかは、使う予約システムによって異なります。お客さまが確実に見る連絡の手段で届くかどうかを、導入の前に確かめてください。
配信で次回の予約につなげる
LINEのもう1つの役割は、来店したお客さまに次の来店のきっかけを届けることです。ただし、配信の回数が多すぎると、ブロックされる原因になります。美容室の配信は、頻度と中身の両方に気を配ることが大切です。
頻度の目安は、1か月に1回から2回ほどです。新しいメニューの案内、空いている日時のお知らせ、季節のヘアケアの話題など、お客さまにとって役に立つ内容に絞ります。値引きのクーポンばかりを送ると、クーポンがあるときにしか来店しないお客さまが増えてしまいます。
効果が出やすいのは、空き枠のお知らせです。急なキャンセルで空いた枠を、その日のうちに「本日16時から1枠空きがございます」と知らせると、近くに住む常連のお客さまが予約してくださることがあります。前にご紹介したLINEヤフーのコラムでも、空席情報の配信で当日のキャンセル分を埋めた美容室の例が紹介されています。
配信の通数を抑えるには、絞り込み配信を使います。たとえば、カラーのお客さまにだけカラーの新メニューを知らせる、前回の来店から2か月以上たったお客さまにだけ案内を送る、といった使い方です。送る相手を絞ると、通数が減って無料のプランの範囲に収まりやすくなるうえ、受け取るお客さまにとっても関係のある内容になります。
配信の効果を確かめるときは、配信した日から1週間の予約の件数を、配信しなかった週と比べます。予約が増えていなければ、内容や時間帯を変えてみます。感覚ではなく、台帳の数字で振り返ることが、配信を続けるかどうかの判断の材料になります。
LINE予約で起きやすいつまずき
ここで、LINE予約を始めた店舗でよく起きるつまずきを挙げておきます。
1つ目は、お客さまが「送った時点で予約が取れた」と思い込むことです。チャットで希望を送っただけで予約が確定したと考え、店からの返信を見ないまま来店されることがあります。自動応答で「返信をもって予約の確定となります」と必ず伝えておくことが大切です。
2つ目は、個人のLINEで予約を受けてしまうことです。スタッフが自分の個人のLINEでお客さまと連絡を取り合うと、お店の台帳に予約が載らず、そのスタッフが休んだときに誰も予約を把握できません。予約の連絡は必ずお店のLINE公式アカウントで受ける、と決めておきます。
3つ目は、写真の扱いです。お客さまから送られてきた髪型の写真を、カウンセリングに使うのは便利ですが、SNSや店内の掲示に使う場合は、改めて本人の了承を得る必要があります。カウンセリングのための写真と、宣伝のための写真は分けて考えます。
4つ目は、返信の言葉づかいがスタッフごとにばらつくことです。くだけた返信をするスタッフと、かしこまった返信をするスタッフが混ざると、お客さまはお店の印象をつかみにくくなります。確定の返信、変更の受け付け、取り消しの受け付けの3つの場面だけでも定型の文面を用意し、管理画面の定型文に登録しておくと、誰が返信しても同じ調子で応対できます。定型文は半年に1回ほど見直し、お客さまからよく聞かれる質問への答えを書き加えていくと、返信の時間も短くなります。
予約と顧客台帳をまとめて管理したいときの候補
予約の入口が増え、付け合わせの手間が大きくなってきたら、予約の受け付けと台帳を1つの仕組みにまとめることを検討する時期です。LINEは連絡の窓口として残し、予約はリッチメニューから予約ページへ案内する、という方法2の形にすると、台帳への書き込みを自動にできます。
その際の候補の1つに、小さなお店向けの予約システムのRizaflow(リザフロー)があります。公式の料金ページによると、フリープランは初期費用・月額ともに無料で、予約は1か月あたり50件まで、スタッフ1名まで使えます。予約カレンダーと予約フォーム、予約完了・前日リマインダー・御礼の自動メール、お客さま自身が変更や取り消しをできるキャンセルURL、会員マイページ、来店履歴やメモを残せる顧客管理までがフリープランに含まれています。
複数のスタッフがいる美容室では、スタッフ指名とシフト管理が加わるスタンダードプラン(月額7,700円・税込、予約は1か月あたり1,000件・スタッフ10名まで)が案内されています。ひとりで営む店舗向けのライトプランは月額3,300円(税込、1か月あたり300件まで)です。今使っているシステムから書き出した顧客のCSVを取り込め、予約ページを公開するまでは今の運用を続けられると書かれています。
一方で、公式の機能の一覧にLINEとの連携は載っておらず、自動の連絡はメールで届く形です。LINEのトークの中で予約を完結させたい店舗には、LINEミニアプリや、LINEと連携する予約システムのほうが合います。リッチメニューのボタンに予約ページのURLを設定して案内する形であれば、LINEを窓口にしたまま使えます。Rizaflowは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
美容室の予約業務と、外部の力の借り方
最後に、予約業務の仕組みづくりを、外部の専門家に頼むという選択についても触れておきます。
美容室の経営者から、「LINEを始めたいけれど、リッチメニューの画像を作る時間がない」「予約システムの設定を誰かに手伝ってほしい」という相談をよく受けます。こうした作業は、在宅で働くデザイナーや、業務の仕組みづくりを得意とするフリーランスに、小さな単位で頼めます。リッチメニューの画像やお店のキャラクターの制作は、キャラクター・アイコン・LINEスタンプのお仕事で紹介しているような、イラストやデザインの仕事をしている人の得意分野です。
20年この市場を見てきた立場から申し上げると、外注がうまくいくお店ほど、最初に小さな作業で相手との相性を確かめています。いきなり予約の仕組み全体を任せるのではなく、リッチメニューの画像1枚から頼んでみる、という順番が無理のない進め方です。また、仲介の手数料が乗らない直接の取引なら、同じ予算でも依頼できる作業の量が増え、受ける側の手取りも厚くなります。双方にとって得のある形を選べることは、小さなお店にとって大きな意味があります。
美容室の経営と人の働き方について、いくつかの資料もご紹介します。理容・美容師の年収・単価相場では、美容師の年収の水準を厚生労働省の統計をもとに確かめられます。スタッフの採用や待遇を考えるときの目安になります。
予約管理や顧客管理、決済の仕組みをまとめて見直したい場合は、美容・サロン業界のDX2026|予約管理 × 顧客管理 × 決済のSaaS一括導入で、サロン向けの業務の仕組みの組み合わせ方を整理しています。設備や内装に使える制度は、美容室・サロン向け補助金2026年版|設備投資・内装リフォームに使える制度にまとめています。
美容の知識をいかして、オンラインで相談に乗る働き方も広がっています。健康・美容・ファッション相談のお仕事では、美容師の経験をいかせる在宅の仕事の種類を紹介しています。LINEでお客さまとやり取りする力は、こうした仕事でもそのまま生かせます。
よくある質問
Q. 美容室のLINE予約は無料で始められますか?
始められます。LINE公式アカウントは無料のコミュニケーションプランから開設でき、公式の料金ページではLINEチャットの送受信や自動応答メッセージは配信の通数に数えられないと案内されています。チャットで予約を受けるだけなら無料の範囲で運用できます。友だち全体への配信を増やすと有料プランが必要になることがあります。
Q. LINE予約でダブルブッキングを防ぐにはどうすればいいですか?
正となる予約台帳を1つに決め、LINEで受けた予約は必ず台帳に書き込んでから確定の返信を送る順番を守ります。台帳に書き込んだトークにはタグを付け、1日の終わりにトークの一覧と台帳を見比べて、書き漏れや取り消しの反映漏れがないかを確かめると、ずれを早く見つけられます。
Q. 集客サイトの店舗ページにLINEのIDを載せてもいいですか?
集客サイトによっては、掲載している店舗ページで、ほかの予約の手段へ案内することに決まりを設けている場合があります。載せてよいかどうかは規約によって異なるため、掲載している集客サイトの規約を確かめてから判断してください。来店したお客さまに店頭で友だち追加を案内する方法もあります。
Q. LINE公式アカウントの有料プランが必要になるのはどんなときですか?
友だち全体へのお知らせやクーポンの配信が、無料のプランの1か月あたり200通を超えるときです。通数は送った回数と送った友だちの数を掛けて数えるため、友だちが300人いれば1回の一斉配信で300通になります。予約のやり取りをチャットで行うだけなら、通数には数えられません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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