居宅介護支援事業所の1日の流れ|朝から終業までの動き方を追う

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
居宅介護支援事業所の1日の流れ|朝から終業までの動き方を追う

この記事のポイント

  • 居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーの1日を
  • 出勤から終業まで時間ごとに追いました
  • 訪問と電話と書類の配分

居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーは、1日をどう過ごしているのか。結論から言うと、利用者の家を訪問している時間は1日のうち半分に満たず、残りの多くは電話と調整と書類に使われています。そして、その配分は日によってではなく、月のどの時期かによって大きく変わります。

「ケアマネは外回りが中心」というイメージを持っている人は多いのですが、実際には事務所で受話器を持っている時間がかなり長い仕事です。一方で、月初の10日間と、月末の数日間には、書類の締め切りが集中します。1日の流れを知るには、この月の波と合わせて見る必要があります。

この記事では、居宅介護支援事業所という職場の人員体制を整理したうえで、ケアマネジャーのある1日を時間ごとに追い、月のカレンダーで見た忙しさの波、新規の相談からサービスが始まるまでの流れ、他の職場との違い、そして求人票から1日の実態を読むポイントまでを解説します。

居宅介護支援事業所という職場:人員体制と、1人が抱える件数

居宅介護支援事業所は、自宅で暮らしながら介護保険サービスを使う人のために、ケアプラン(居宅サービス計画)をつくる事業所です。ある事業所は、自らの役割を次のように説明しています。

自宅で介護が必要な方やそのご家族さまの不安やお悩み事について、ご相談を承る事業者です。これから介護保険をご利用になさる方や既にご利用されている方のご本人に代わってケアプラン作成を承っております。 出典: touhoukai.or.jp

ケアプランをつくるのは、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を持つ職員です。事業所の人員体制は、国の基準で次のように決まっています。

職種 基準の内容
管理者 主任介護支援専門員であること(経過措置あり)。常勤で配置する
介護支援専門員 常勤で1人以上。利用者44人ごとに1人を目安に配置する

利用者の人数は、要介護の人を1人、要支援の人を3分の1人として数えます。ケアプランデータ連携システムを使い、事務職員を置いている事業所は、ケアマネ1人あたりの目安が49人まで広がります。

ただ、これはあくまで基準の上限に近い数字です。介護報酬の仕組みでは、ケアマネ1人あたりの担当件数が一定の数(45件、条件を満たす場合は50件)を超えると、超えた分の報酬が減る仕組みになっています。そのため、実際の現場では、1人あたり30件台後半の担当を持つケアマネが多い傾向があります。

事業所の規模は、ケアマネが1〜3人程度の小さな事業所が多数を占めます。運営の形は、大きく2つに分かれます。

・併設型:訪問介護、デイサービス、特別養護老人ホームなどと同じ法人が運営し、同じ建物や敷地にある ・独立型:ケアプランの作成だけを専門に行う事業所で、他のサービスを持たない

併設型は、同じ法人の職員と情報を共有しやすく、事務の支援も受けやすい一方で、自法人のサービスを使うよう求める空気が生まれることもあります。独立型は、どのサービス事業所にも中立に紹介しやすい反面、少人数で電話も事務もすべて回すことになります。どちらの形かによって、1日の過ごし方も変わってきます。

私が以前、介護系のメディアで取材をしていたとき、ケアマネが2人だけの独立型の事業所に1日同行させてもらったことがあります。驚いたのは、訪問から戻ってきたケアマネが、上着を脱ぐより先に留守番電話を再生していたことでした。2人とも外に出ている時間は、誰も電話に出られない。その間に入った連絡を、戻った瞬間に拾っていく。小さな事業所の1日は、この「不在の時間をどう埋めるか」で組み立てられているのだと感じました。

ある1日の流れ:朝から終業まで

ここからは、担当件数が35件ほどのケアマネジャーの、月の中旬のある1日を例に、時間ごとの動きを追います。事業所や地域によって時刻は前後しますが、流れの骨格はおおむね共通しています。

8時30分:出勤、メールとFAXの確認

出勤してまず行うのは、前日の夕方から朝までに届いた連絡の確認です。サービス事業所からのFAX、病院からの連絡、利用者の家族からのメールや留守番電話が溜まっています。

介護の現場では、今でもFAXでのやり取りが多く残っています。デイサービスからの「昨日、転倒がありました」という報告や、訪問介護からの「冷蔵庫の中身が減っていない」という気づきは、ここで拾います。緊急性の高いものから順に、今日の予定に組み込むか、電話で確認するかを決めていきます。

事業所に複数のケアマネがいる場合は、短い朝の打ち合わせで、担当する利用者の入退院や、困難な事例の状況を共有します。

9時:電話対応と、訪問の準備

9時を過ぎると、サービス事業所や家族からの電話が一斉にかかってきます。「来週のデイサービスを1回増やしたい」「ヘルパーの時間を変えられないか」「母が今朝から熱がある」といった内容です。

電話を受けるたびに、ケアマネは関係する事業所へ連絡を回します。デイサービスの回数を増やすなら、デイサービスに空きを確認し、利用者の区分支給限度額(介護保険で使える金額の上限)を超えないかを計算し、サービス利用票を修正します。1本の電話から、3〜4本の電話が生まれることも珍しくありません。

この合間に、午前中の訪問で持っていく書類(モニタリングの記録用紙、翌月の利用票、同意をもらう書類など)を準備します。

10時:モニタリング訪問(1件目)

ケアマネは、担当する利用者の家を少なくとも月に1回訪問し、ケアプランどおりにサービスが使われているか、体や生活に変化がないかを確認することが決まっています。これをモニタリングと呼びます。2024年度からは、条件を満たせばテレビ電話などを使ったモニタリングも認められましたが、その場合も2か月に1回は自宅を訪問する必要があります。

訪問では、本人と家族の話を聞き、部屋の様子や、薬が飲めているか、食事がとれているかを見ます。訪問時間は30分〜1時間程度が目安ですが、家族の悩みが深い家庭では、話が長くなることもあります。

11時:モニタリング訪問(2件目)

2件目の訪問に向かいます。移動は、社用車か自家用車、都市部では自転車や電動自転車を使う事業所もあります。担当エリアが広い地方の事業所では、移動だけで30分以上かかることもあります。

12時:昼休憩

事務所に戻って昼食をとります。ただ、この時間にも電話は鳴ります。休憩時間に電話を取らないルールを決めている事業所もあれば、実際には食べながら対応している事業所もあります。

13時30分:サービス担当者会議

午後は、利用者の自宅で「サービス担当者会議」を開きます。ケアプランを新しくつくったり、大きく変更したりするときに、本人と家族、関わるサービス事業所の担当者が集まって、プランの内容を確認する会議です。

ケアマネは、この会議の日程調整から担います。デイサービスの相談員、訪問介護のサービス提供責任者、福祉用具の担当者、訪問看護の看護師など、4〜5か所の予定を合わせるのは簡単ではありません。会議は30分〜1時間程度で、ケアマネが司会と記録を担当します。

15時:病院での退院前カンファレンス

入院している利用者が退院を控えている場合は、病院に出向いて、医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、リハビリの担当者と退院後の生活について話し合います。退院の日程が急に決まることも多く、この予定は前日や当日に入ることもあります。

退院後にベッドや車いすが必要になるなら、福祉用具の事業所へ連絡し、訪問看護が必要なら主治医の指示書の手配を確認します。退院の日までに、自宅で暮らせる準備を整えるのがケアマネの役割です。

16時:帰所、記録と書類作成

事務所に戻ったら、その日の訪問や会議の内容を「支援経過記録」に残します。いつ、誰と、何を話し、どう判断したかを書く記録で、介護保険の運営指導(行政による確認)でも見られる大切な書類です。

記録が終わったら、ケアプランの作成や修正、サービス事業所への連絡のFAX送信などを進めます。午前中に受けた電話の対応で、サービス利用票の変更が必要になった分も、ここでまとめて処理します。

17時30分:終業

終業の時刻です。ただ、書類の締め切りが近い時期や、退院の調整が重なった日は、ここから1時間ほど残って作業することもあります。

このように1日を追ってみると、訪問している時間は合わせて3〜4時間程度で、残りは電話、調整、記録に使われていることが分かります。正直なところ、ケアマネの仕事を「利用者に寄り添う相談の仕事」とだけ説明するのは、実態の半分しか伝えていないと思います。残りの半分は、多くの事業所をつなぐ事務と調整の仕事です。

月のカレンダーで見る、忙しさの波

ケアマネの1日は、月のどの時期にあたるかで大きく変わります。居宅介護支援事業所の仕事は、介護保険の請求の流れに沿って、毎月同じ周期で動いているからです。

月初(1日〜10日):給付管理の時期

月の初めは、前の月に使ったサービスの実績を確認する時期です。各サービス事業所から「サービス提供実績」が届き、ケアマネはそれをケアプランの予定と照らし合わせます。予定より回数が多い、少ない、日付がずれているといった違いがあれば、事業所に確認して修正します。

確認が終わった実績をもとに「給付管理票」をつくり、毎月10日までに国民健康保険団体連合会(国保連)へ提出します。この給付管理票が正しくないと、サービス事業所に介護報酬が支払われません。担当件数が35件なら、35人分の実績を突き合わせることになります。

この時期は訪問の予定を少なめにして、事務所で実績の確認に集中するケアマネが多くなります。1日の過ごし方が、事務作業にぐっと寄る時期です。

月の中旬(11日〜25日ごろ):訪問と会議の時期

給付管理が終わると、モニタリングの訪問やサービス担当者会議を入れやすくなります。先ほど紹介した1日の流れは、この時期の典型です。担当する利用者全員を月に1回以上訪問する必要があるため、中旬に訪問が集中します。

要介護認定の更新が近い利用者がいれば、認定調査の日程調整や、更新後のケアプランの見直しもこの時期に進めます。

月末(25日〜月末):翌月の準備の時期

月の終わりには、翌月のサービス利用票(本人用)とサービス提供票(事業所用)をつくり、配ります。翌月の予定を利用者ごとに組み、それぞれのサービス事業所に届けます。月の途中で変更があった利用者は、ここで反映させます。

月末に訪問して翌月の利用票に本人の確認をもらい、そのままモニタリングを兼ねるケアマネも多くいます。

このように、居宅介護支援事業所の仕事は、毎月同じ周期でぐるぐる回っています。慣れてくると、この周期に合わせて訪問と事務の配分を自分で組み立てられるようになります。

予定どおりにいかない日:急な連絡が入ったときの動き

ここまで紹介したのは、比較的予定どおりに進んだ1日です。実際には、予定が崩れる日も少なくありません。どんな連絡で1日が組み替わるのかを知っておくと、この仕事の実態がより具体的に見えてきます。

利用者の急な入院

朝、デイサービスから「送迎に行ったら、本人が玄関で倒れていた。救急車を呼んだ」と電話が入ることがあります。ケアマネは、その日のデイサービスや訪問介護の予定を止める連絡をし、家族と連絡をとり、搬送先の病院に本人の生活の状況を伝えます。入院したら早い段階で病院に情報を提供することは、退院後の生活を整えるうえでも大切で、介護報酬の上でも評価される仕組みがあります。午前中の訪問の予定は、後日に振り替えることになります。

家族の介護が限界に近いという相談

「もう母を家で見られない」という家族からの電話も、突然入ります。こうした相談は、電話で数分話して終わるものではありません。その日のうちに訪問し、話を聞き、ショートステイの空きを探し、必要なら地域包括支援センターや市町村とも相談します。虐待の心配がある場合は、市町村への連絡も必要になります。

サービス事業所の急な休止

ヘルパーの人手が足りず、訪問介護の事業所から「来週から一部の時間に入れない」と連絡が来ることもあります。ケアマネは代わりの事業所を探し、利用者と家族に説明し、サービス利用票を組み直します。人手不足が続く地域では、この代わりを探す作業に1日の多くの時間を使うこともあります。

私が同行した日にも、午後の訪問に向かう車の中で、利用者の家族から「父が家からいなくなった」という電話が入りました。ケアマネは車を停めて家族を落ち着かせ、警察への連絡を促し、近所の見守りをしている民生委員に電話をかけていました。幸いその方は1時間ほどで見つかりましたが、その日の午後の予定は、ほぼすべて翌日以降に移ることになりました。ケアマネの1日の予定表は、こうした連絡でいつでも書き換わる前提で組まれているのだと実感した出来事です。

このような日が月に何度あるかは、担当する利用者の状態と、地域のサービスの充実度によって変わります。独居の人や、医療的なケアが必要な人を多く担当しているほど、予定が崩れる日は増えます。

相談が入ってから、サービスが始まるまで

1日の流れの中には、新しい利用者の相談も入ってきます。新規の相談から、実際にサービスが始まるまでの流れを整理します。

最初の入り口は、本人や家族からの連絡です。ある事業所は、利用の始まりを次のように説明しています。

介護のご相談や介護サービス等の利用を希望される方(ご利用者・ご家族)が居宅介護支援事業所に連絡し、お申込みをいただきます。 出典: nukumorisou.com

実際には、本人や家族からの直接の連絡だけでなく、地域包括支援センターからの紹介や、病院の医療ソーシャルワーカーからの依頼で始まることも多くあります。

新規の相談からサービス開始までの流れは、次のようになります。

  1. 相談の受付:電話で状況を聞き、訪問の日程を決める
  2. 初回の訪問と契約:事業所の説明をして、利用の契約を結ぶ
  3. アセスメント:本人の体の状態、生活の様子、家族の状況、住まいの環境を詳しく聞き取る
  4. ケアプランの原案をつくる:どのサービスを、週に何回使うかを考える
  5. サービス事業所を探す:デイサービスや訪問介護の空きを確認する
  6. サービス担当者会議:関係者で原案を確認する
  7. 本人の同意とケアプランの交付:内容に同意をもらい、事業所に配る
  8. サービスの開始

別の事業所は、ケアプランが必要になる条件を次のように説明しています。

これから介護保険をご利用になろうとされる方、または現在介護保険をご利用中の方は、ケアプラン(居宅サービス計画)が必要となります。ケアプランの作成は、居宅介護支援事業者に所属するケアマネジャー(介護支援専門員)が、ご本人及びご家族の意見を尊重して、専門家としての知識、情報をもとに作ります。ただし、介護保険をご利用になる場合は、要介護認定を受けていることが必要ですので、これから介護保険をご利用になろうとされている方は、お住まいの市町村の福祉課などにご相談ください。 出典: touhoukai.or.jp

要介護認定の結果がまだ出ていない段階で、急いでサービスを始める必要がある場合は、認定の見込みをもとに「暫定ケアプラン」をつくることもあります。認定の結果が想定より軽かった場合、使ったサービスの費用が自己負担になるおそれがあるため、ケアマネには慎重な判断が求められます。

新規の1件には、訪問、書類、事業所探し、会議の調整を合わせて、数日から2週間ほどかかるのが一般的です。その間も、既存の利用者の電話や訪問は止まりません。新規の相談が重なった月は、1日の予定がかなり詰まります。

施設ケアマネ、地域包括支援センターとの違い

同じケアマネジャーの資格でも、働く場所によって1日の過ごし方はまったく違います。居宅介護支援事業所の1日を理解するために、他の職場と比べておきます。

施設ケアマネとの違い

特別養護老人ホームなどの介護施設にもケアマネが配置されています。施設ケアマネは、入所者100人に1人を目安に置かれ、施設の中で暮らす人のケアプランをつくります。

施設ケアマネは移動がほとんどなく、利用者の様子を毎日直接見られます。サービスの調整も、施設の中の介護職員や看護職員との話し合いで済みます。一方で、介護職員の人手が足りない施設では、ケアマネが現場の介護に入ることも多く、相談の仕事に専念しにくいという声もあります。

居宅のケアマネは、利用者の暮らしを月に1回の訪問と電話で把握し、多くの外部の事業所をつなぎます。移動と調整が多い分、介護の現場に入ることはほとんどありません。

地域包括支援センターとの違い

地域包括支援センターは、市町村が設置する高齢者の総合相談の窓口です。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーが配置され、要支援の人の介護予防ケアプランや、介護保険に限らない幅広い相談、虐待の対応などを担います。

居宅介護支援事業所が要介護の人のケアプランを中心に担うのに対し、地域包括支援センターは「どこに相談すればよいか分からない」段階の相談を受け止める場所です。地域包括支援センターから居宅介護支援事業所に、要介護になった人の担当が引き継がれることもあり、日常的に連絡をとり合う関係にあります。

小規模多機能型居宅介護のケアマネとの違い

小規模多機能型居宅介護は、通い、訪問、泊まりを1つの事業所で組み合わせて提供するサービスです。ここにもケアマネが配置されますが、利用者は居宅介護支援事業所のケアマネから、この事業所のケアマネに担当が移ります。

小規模多機能のケアマネは、担当する人数が登録定員の範囲(おおむね29人以下)に限られ、サービスの調整も事業所の中で完結します。外部の事業所との電話や、給付管理の突き合わせは、居宅に比べてずっと少なくなります。そのかわり、介護職員として送迎や介助に入る兼務を求められることが多く、1日の過ごし方は施設ケアマネに近いものになります。

居宅のケアマネから見ると、小規模多機能は「利用者を引き継ぐ相手」でもあります。在宅での暮らしを続けるために、どのタイミングで小規模多機能を提案するかも、居宅のケアマネが日々考えている判断の1つです。

併設型ならではの気をつけたい点

併設型の居宅介護支援事業所では、同じ法人のデイサービスや訪問介護を利用者に紹介しやすい環境があります。ただ、ケアプランは利用者本人の希望と必要性にもとづいてつくるもので、特定の事業所に紹介が偏りすぎると、報酬が減算される仕組みもあります。自法人のサービスを優先するよう求められる職場では、ケアマネが板挟みになり、1日の中で精神的な負担を抱えることがあります。

求人票で、1日の実態を読むポイント

ここまでの1日の流れをふまえて、居宅介護支援事業所の求人票のどこを見れば、働き方の実態が分かるかを整理します。

ケアマネ1人あたりの担当件数

求人票に「担当件数35件程度」のように書かれていれば、訪問と事務の量の目安になります。書かれていない場合は、面接で必ず聞く項目です。件数だけでなく、要支援の人の割合(介護予防の委託分)が多いかどうかも、書類の量に関わります。

事務職員の有無

給付管理の実績の突き合わせや、FAXの送受信、電話の一次対応を事務職員が担っている事業所では、ケアマネの事務の負担が軽くなります。月初の忙しさが大きく変わる点なので、確認しておきたい項目です。

特定事業所加算を取っているか

特定事業所加算を取っている事業所は、主任ケアマネを含む複数のケアマネを常勤で置き、計画的な研修を行い、困難な事例も受け入れる体制を整えています。そのかわり、利用者や家族からの連絡を24時間受けられる体制も求められます。夜間や休日の携帯電話の当番がどのくらいの頻度で回ってくるかは、1日の終わり方に関わるので、聞いておく価値があります。

移動手段と直行直帰

社用車があるか、自家用車を使う場合のガソリン代の扱い、訪問先から直接帰宅してよいかも、1日の動き方を左右します。

ICTの導入状況

タブレットで訪問先から記録を入力できる、ケアプランデータ連携システムでサービス事業所とデータをやり取りしている、といった事業所では、事務所に戻ってからの記録やFAXの時間が短くなります。

給与の水準を他の職種と比べる

居宅のケアマネの給与は、市場の相場で月給25万〜32万円程度が目安です。介護職員として働く場合と比べると、夜勤がない分、手当の構成が大きく違います。現場の介護職員の給与水準は、職業統計をもとにまとめた介護職員の年収・単価相場で、年齢や地域ごとの目安を確認できます。看護師の資格を持ってケアマネになる人は、看護師の年収・単価相場と比べて、働き方の違いと合わせて判断するとよいです。

運営者として見てきたことと、職場を選ぶときの視点

在宅ワークやフリーランスの市場を長く運営してきた立場から見ると、居宅のケアマネの働き方は、1人で多くの関係者をつなぐという点で、業務委託で複数のクライアントを抱える働き方によく似ています。長く続く人ほど、全部を自分で抱えるのではなく、「この事業所のこの人に頼めば動いてくれる」という関係を地域の中に少しずつ増やしていく傾向があります。電話1本で話が通じる相手が増えるほど、1日の電話の本数そのものが減っていくからです。

また、ケアマネの経験を活かして、研修の講師や、事業所の運営指導に向けた書類の点検、介護の記録に関する支援を個人で請け負う人も出てきています。仲介の手数料が乗らない直接の契約では、頼む側の事業所は限られた予算で必要な支援を受けられ、受ける側は手取りが厚くなります。人手と予算の限られた介護の分野では、この双方に無理のない形が意味を持つと感じています。

居宅介護支援事業所で働くかどうかを考えるときは、1日の流れと月の波を知ったうえで、次の3つを自分に問いかけると判断しやすくなります。

・電話と書類の時間が長い仕事を、苦にせず続けられるか ・月初の締め切りの忙しさを、他の時期の余裕で吸収できるか ・多くの関係者の間に立って、中立に調整する役割にやりがいを感じるか

働き方やキャリアの方向に迷うときは、第三者に話を聞いてもらうのも1つの方法です。職場や転職の悩みを専門に聞く仕事の中身は、職場・転職・キャリア相談のお仕事で紹介しています。

居宅介護支援事業所の1日は、朝の連絡の確認から始まり、訪問と会議と電話を行き来し、記録で終わります。そして月初は給付管理、中旬は訪問、月末は翌月の準備という周期の中で、その配分が変わっていきます。この流れを知っておくことが、自分に合う事業所を選ぶための最初の材料になります。

よくある質問

Q. 居宅介護支援事業所のケアマネは1日に何件訪問しますか?

月の中旬の訪問が多い時期で、1日に2〜4件程度が一般的です。訪問時間は1件30分から1時間ほどで、移動を含めても訪問にあてる時間は1日3〜4時間程度になります。残りの時間は電話対応、サービス事業所との調整、記録やケアプランの作成に使われます。月初の給付管理の時期は訪問を少なめにするケアマネが多いです。

Q. 居宅介護支援事業所で一番忙しいのはいつですか?

毎月1日から10日ごろの給付管理の時期です。各サービス事業所から届く前月の実績をケアプランの予定と突き合わせ、給付管理票を毎月10日までに国保連へ提出します。担当件数分の確認が必要なため、この時期は事務所での作業が中心になります。月末も翌月のサービス利用票と提供票の作成で忙しくなります。

Q. 居宅介護支援事業所のケアマネは残業が多いですか?

事業所によって差があります。担当件数、事務職員の有無、タブレットなどのICTの導入状況によって、記録や書類にかかる時間が大きく変わります。退院の調整や新規の相談が重なった日、給付管理の締め切り前は残業が出やすくなります。求人票に担当件数や事務職員の配置が書かれているかを確認し、面接で月初の退勤時刻を聞くと実態が分かります。

Q. 居宅のケアマネと施設のケアマネでは1日の過ごし方はどう違いますか?

居宅のケアマネは利用者の自宅を訪問し、外部の多くのサービス事業所と電話やFAXで調整するため、移動と連絡の時間が長くなります。施設のケアマネは入所者100人に1人を目安に配置され、施設の中で利用者の様子を毎日見られる一方、人手不足の施設では介護の現場に入ることもあります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年1月31日最終更新:2026年9月22日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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