介護医療院の面接で聞かれること|現場が見ている点と、聞き返すこと

長谷川 奈津
長谷川 奈津
介護医療院の面接で聞かれること|現場が見ている点と、聞き返すこと

この記事のポイント

  • ✓介護医療院の面接でよく聞かれる質問と
  • ✓面接官が本当に見ている点を整理しました
  • ✓身体拘束廃止への理解など施設固有の論点に加え

介護医療院の面接を控えて、「特養や老健の面接対策と同じでいいのだろうか」と迷っている方は少なくありません。介護の面接対策の記事はたくさんありますが、介護医療院に絞った情報は意外なほど少ないんです。

結論から言うと、介護医療院の面接で聞かれる質問そのものは他の介護施設と大きくは変わりません。違うのは、面接官がその答えの中で何を確かめようとしているかです。医療職との連携、看取り、夜間の急変対応。この3つを前提にした施設なので、同じ「志望動機」でも見られている点がずれてきます。この記事では、面接の進み方、現場が見ている点、質問ごとの答え方、そして応募する側が聞き返すべきことと、労働条件を書面で受け取るときの注意点まで整理します。

介護医療院の面接はどう進むか

まず、面接の全体像を押さえておきます。施設や法人の規模によって違いはありますが、介護医療院の採用面接はおおむね次のように進みます。

・応募から面接日の連絡まで:数日から1週間程度 ・面接の回数:1回で終わる施設が多く、法人本部の面接が加わると2回 ・面接時間:30〜45分程度 ・面接官:事務長や施設長に加え、介護職の応募なら介護部門の責任者、看護職の応募なら看護部門の責任者が同席 ・施設見学:面接の前後に現場を案内されることが多い

介護医療院の面接で特徴的なのは、面接官に医療職が入りやすいことです。病院に併設されている介護医療院では、病院の看護部長や総師長が面接に出てくることもあります。医療職の面接官は、介護職の応募者に対しても「報告の仕方」や「医療的ケアへの向き合い方」を具体的に聞いてきます。

もう1つの特徴は、見学が面接の一部として扱われることです。つまり、案内されている間の表情や、入所者への目線、職員へのあいさつも見られています。これ、知らない人が本当に多いんです。面接室に入る前から選考は始まっていると考えてください。

面接の流れは、一般的には次の順です。

  1. あいさつと自己紹介
  2. 志望動機と転職理由
  3. これまでの経験(介護・医療的ケア・夜勤・看取り)
  4. 施設の説明(業務内容、夜勤体制、給与や休日)
  5. 働き方の希望(夜勤回数、入職時期、通勤)
  6. 応募者からの質問
  7. 見学(前後することあり)

4番の施設説明は、面接官が一方的に話す時間に見えますが、ここで出てきた情報は6番の質問の材料になります。メモを取って構いません。むしろ、夜勤体制や医療的ケアの範囲について説明を受けたら、要点を書き留めておく人のほうが印象はよいです。

面接当日の持ち物は、履歴書と職務経歴書(事前送付していても予備を1部)、資格証の写し、筆記用具、メモ帳です。介護福祉士や実務者研修、喀痰吸引等研修の修了証は、原本の提示を求められることもあるので、指示がなくても持参すると手続きが早く進みます。

現場が見ている点:介護医療院ならではの5つの視点

面接官が応募者の話から確かめようとしていることを、介護医療院の現場の事情から整理します。

視点1:医療職と組んで働けるか

介護医療院は、入所者6人に1人の看護職員を置く基準で、I型では医師も施設で3人以上を置くことが求められています。介護職は、看護職員の指示を受けて体位変換の時間や食事の形態を守り、変化があればすぐに報告する役割を担います。面接官は、「自分のやり方にこだわらず、医療職の判断を尊重して動けるか」「逆に、気づいたことを遠慮せず伝えられるか」の両方を見ています。

視点2:報告・連絡・相談の具体性

「報告は大事だと思います」と答える人は多いですが、面接官が知りたいのは「何を、いつ、誰に、どう伝えるか」です。たとえば「食事介助でむせが続いた」「いつもより反応が鈍い」「おむつ交換で皮膚の赤みを見つけた」といった場面で、どう動いたかを具体的に話せる人は評価が高くなります。

視点3:看取りへの向き合い方

介護医療院は、退去者の半数以上が施設の中で亡くなる施設です。面接官は、看取りを「怖いもの」「避けたいもの」と感じていないかではなく、「亡くなる前の時間をどう支えるか」を考えられるかを見ています。経験がなくても、考え方を持っていれば十分です。

視点4:夜勤と急変への耐性

夜勤では、少ない人数で吸引が必要な方や状態の不安定な方を見守ります。I型では医師の宿直が原則ですが、実際に第一報を入れるのは巡視をしている介護職であることが多いです。面接官は、夜勤の経験があるか、何回入れるかに加えて、「急変に気づいたときに落ち着いて人を呼べるか」を確かめようとします。

視点5:身体拘束をしないケアへの理解

介護医療院では、身体拘束の適正化のための委員会の開催や研修の実施が運営基準で求められています。医療の必要度が高い入所者は、点滴や経管栄養のチューブを自分で抜いてしまうリスクがあり、「安全のためには拘束もやむを得ない」と考える場面が他の施設より多く生じます。だからこそ、面接官は「拘束をしないために何を工夫するか」という発想を持っているかを見ています。

この5つの視点を頭に置いておくと、次に紹介する質問への答え方が組み立てやすくなります。

よく聞かれる質問と答え方

介護医療院の面接で出やすい質問を、答え方の方向性とともに整理します。

自己紹介をお願いします

1分程度で、氏名、これまでの経験の要約、今回応募した理由の一言をまとめます。経歴を全部話そうとしないことです。「特養で5年間、主に夜勤を含む介護職として働き、看取りにも関わってきました。医療の必要度が高い方にも長く関われる職場で働きたいと考え、応募しました」程度で十分です。

なぜ介護医療院なのですか。老健や特養ではだめなのですか

介護医療院の面接で最も差がつく質問です。施設の性格を理解しているかが問われます。老健は在宅復帰を目指す施設、特養は生活の場として医療は配置医師と看護職員が支える施設、介護医療院は医療の必要度が高い方が暮らし、最期を迎える施設。この違いを踏まえ、「自分の経験の中で、医療的ケアが必要になった方を支え続けられなかった場面があった」といった具体的なきっかけと結びつけて話します。

前の職場を辞めた理由(辞める理由)は何ですか

前職の批判にしないことが大前提です。「人間関係が悪かった」「上司が理不尽だった」が本音でも、「チームで情報を共有しながらケアをする環境で働きたい」という、次の職場に求めることに言い換えます。未経験の方の場合は、前職の経験がどう生きるかをあわせて伝えると前向きな印象になります。

未経験者であっても、前職でのチームワークやトラブル対応の経験は介護・医療現場で活かせる要素になります。接客業であればコミュニケーション能力、事務職であれば正確な記録作成など、自分の強みを現場のどのシーンで活用できるかを具体的に提示します。採用担当者が、入職後の活躍を具体的にイメージできるように伝えることが大切です。 出典: kaigojob.com

介護医療院の場合、事務職の「正確な記録」は特に響きます。医療職と介護職が同じ記録を読み、そこから次の判断をするからです。

医療的ケアの経験はありますか

経験があれば、何を、どのくらいの頻度で、どの立場で行ったかを具体的に話します。介護職が痰の吸引や経管栄養を行うには、喀痰吸引等研修を修了して認定特定行為業務従事者として認定されていることが必要です。つまり、「見ていた」のか「自分で行っていた」のかは、資格の有無と直結します。ここを曖昧に答えると、入職後の配置で困ることになるので、正確に伝えてください。経験がなければ、「研修の機会があれば受けたい」と意欲を示せば問題ありません。

看取りに関わった経験はありますか。看取りについてどう考えますか

経験があれば、1つの場面を選んで「何をして、何を感じ、次に何を生かしたか」を話します。経験がなければ、介護医療院で看取りが多いことを理解していると伝えたうえで、「最期まで苦痛が少なく、その人らしく過ごしてもらうために、日々のケアを丁寧に続けたい」という考えを示します。「つらくないですか」と重ねて聞かれたら、「つらさを感じたときは一人で抱えず、チームで共有したい」と答えるのが、現場の実感にも合った答え方です。

夜勤は月に何回入れますか

ここで無理な回数を答えると、入職後に苦しむのは自分です。家庭の事情や体力を踏まえた現実的な回数を伝えます。回数に制約がある場合は、「当面は月4回までを希望しますが、慣れてきたら相談させてください」のように、条件と今後の余地を分けて伝えると誤解が生まれにくくなります。

ヒヤリハットや事故の経験を教えてください

失敗を隠す人より、失敗から何を学んだかを話せる人のほうが信頼されます。「移乗のときに足元の確認が不十分で、ふらつかせてしまった。それ以来、声かけと足の位置の確認を必ずセットにしている」といった形で、事実、原因、改善の3点を話します。

将来どうなりたいですか

介護職なら、実務経験を積んで資格を取る道筋を示すと具体的です。

入職後3年以内には実務経験を積み介護福祉士の資格取得を目指し、専門的な知識と技術を深めたいと考えております。5年後には、現場のリーダーとして後輩の指導やチームケアの向上に貢献できる人材へと成長することが目標です。 出典: kaigojob.com

介護医療院であれば、ここに「喀痰吸引等研修を修了し、夜間の医療的ケアでも看護職員と連携できるようになりたい」を加えると、施設の実態に合った目標になります。

職種によって聞かれ方が変わる

同じ介護医療院の面接でも、応募する職種によって質問の重心は変わります。

介護職

介護職は、介助の技術、夜勤、医療職との連携が中心です。移乗、機械浴、おむつ交換、食事介助といった基本の経験年数と、医療的ケアへの関わり方を具体的に聞かれます。腰痛の有無や体力面を聞かれることもあります。持病や腰痛について答えるかどうかは本人の判断ですが、業務に支障が出る可能性がある場合は、隠して入職するより配慮を相談するほうが長く働けます。

看護職

看護職は、病棟経験の内容、夜勤中の判断、介護職への指示の出し方が中心になります。介護医療院の看護職は、病院のように医師がすぐ近くにいるとは限らない時間帯に、状態の変化を判断して医師に報告する役割を担います。また、介護職に吸引や体位変換の指示を出し、手技を確認する立場でもあります。「介護職と対等に話せるか」「生活の場での看護をどう考えるか」を聞かれることが多いです。看護職の給与水準を確かめておきたい方は、職業情報をもとに整理した看護師の年収・単価相場で全国の傾向を見ておくと、提示された条件を判断しやすくなります。

リハビリ職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)

リハビリ職は、在宅復帰を目指す老健とは目標が違う点を理解しているかが問われます。介護医療院では、機能の回復より、拘縮の予防、座位保持、嚥下機能の維持、安楽な姿勢づくりが中心です。「維持期のリハビリにやりがいを感じられるか」が見られます。

介護支援専門員

介護医療院の介護支援専門員は、入所者100人に1人以上の配置が基準です。施設サービス計画の作成に加え、医療職の意見をケアプランにどう反映させるか、家族との看取りの意向確認をどう進めるかを聞かれます。

事務職

事務職は、介護報酬の請求に加え、併設病院がある場合は診療報酬の知識も求められることがあります。レセプトの経験があれば強みになります。医療事務の基礎を体系的に確認したい方は、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)の出題範囲を一度見ておくと、面接で自分の知識の範囲を説明しやすくなります。

聞き返すこと:逆質問で現場の実態を確かめる

面接の最後に「何か質問はありますか」と聞かれたら、「特にありません」で終わらせるのはもったいないです。逆質問は、意欲を示す場であると同時に、自分がその職場で働けるかを確かめる唯一の機会だからです。

介護医療院で確かめておきたい質問を、目的別に整理します。

夜勤体制を確かめる質問

・「夜勤は1フロアあたり何人で、看護職員は何人入りますか」 ・「夜間に急変があった場合、医師への連絡はどのような流れになっていますか」 ・「介護職の夜勤は月に何回くらいが平均ですか」

医療的ケアの範囲を確かめる質問

・「介護職員が喀痰吸引や経管栄養を担当することはありますか」 ・「喀痰吸引等研修の受講について、費用や勤務の扱いはどうなっていますか」

看取りの体制を確かめる質問

・「看取りの際、家族との話し合いにはどの職種が関わりますか」 ・「看取りの後に、職員同士で振り返りの場を持つことはありますか」

最後の質問は、職員の心の負担に施設がどう向き合っているかが分かる質問です。振り返りの場を持っている施設は、看取りを「業務の一つ」で片づけず、チームで受け止める文化があることが多いです。

教育体制を確かめる質問

・「入職後の研修や、先輩が付いて指導してくれる期間はどのくらいですか」 ・「身体拘束をしないための委員会や研修には、現場の職員も参加しますか」

避けたほうがよい逆質問

・ホームページや求人票を見れば分かること(施設の定員、所在地など) ・給与や休日の話だけに終始すること(条件の確認は大切ですが、それだけだと仕事への関心が見えにくくなります)

条件面の質問をしたい場合は、「業務について教えていただいたうえで、勤務条件について確認させてください」と順番を踏めば、失礼にはなりません。

労働条件は面接で確かめ、書面で受け取る

ここからは、私の専門に近い話です。面接で聞いた内容と、実際に入職したあとの条件が違っていた。こういう相談、実は本当に多いんです。

以前、施設系の介護職の方から「面接では夜勤は月4回と聞いていたのに、入職したら月7回組まれていた」という相談を受けました。確認すると、口頭で聞いただけで、書面には夜勤の回数が書かれていませんでした。こうなると、言った言わないの話になり、本人が一番つらい立場に置かれます。

労働基準法第15条では、使用者は労働契約を結ぶときに、賃金や労働時間などの労働条件を明示しなければならないと定めています。つまり、口約束では足りず、重要な項目は書面で渡す義務があるということです。書面での明示が必要な項目には、次のものがあります。

・労働契約の期間と、有期契約の場合の更新の基準 ・就業の場所と従事する業務 ・始業と終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩、休日、休暇、交替制勤務の扱い ・賃金の決定、計算と支払いの方法、締め切りと支払いの時期 ・退職に関する事項(解雇の事由を含む)

さらに2024年4月からは、就業場所と業務の「変更の範囲」も明示が必要になりました。つまり、「入職時は介護医療院に配属するが、将来は併設病院や法人内の別施設に異動する可能性がある」なら、それを書いておかなければならないということです。病院併設や複数施設を運営する法人の介護医療院に応募する場合は、ここを必ず確認してください。

同じ条文には、明示された労働条件が事実と違う場合、労働者は即時に労働契約を解除できるとも書かれています。法律はあなたの味方です。ただ、実際に解除するかどうかは生活に直結する判断なので、トラブルになりそうなときは一人で決めず、労働基準監督署の総合労働相談コーナーに相談してください。 ※個別の事情によって判断が分かれるケースでは、弁護士への相談をおすすめします。

面接の場で確認しておきたいのは、次の項目です。

・夜勤の回数の目安と、夜勤手当の金額(1回あたりか、月額か) ・固定残業代が含まれているか(含まれている場合は何時間分か) ・処遇改善加算による手当が、基本給とは別に支給されるか ・試用期間の長さと、その間の給与が変わるか ・資格手当の対象資格と金額

夜勤手当は、介護施設では1回あたり5,000円〜8,000円程度の設定がよく見られますが、施設によって幅があります。求人票に書かれた月給に夜勤手当が含まれているのか、別途支給なのかで、実際の手取りは大きく変わります。

また、面接で答えなくてよい質問があることも知っておいてください。厚生労働省は「公正な採用選考」として、本籍地、家族の職業や収入、宗教、支持政党、尊敬する人物などを応募者に尋ねることは、就職差別につながるおそれがあるとしています。聞かれた場合は、「お答えしなければいけませんか」と穏やかに確認して構いません。

雇用形態によって、面接で確かめることが変わる

介護医療院の求人には、正職員だけでなく、パート、夜勤専従、派遣といった形の募集も出ています。雇用形態が違えば、面接で確かめるべきことも変わります。

パート・非常勤で応募する場合

パートの面接では、勤務できる曜日と時間帯を最初にはっきり伝えます。介護医療院の日中は、午前に入浴介助、昼に食事介助が集中するため、「9時から13時まで」のような短時間勤務は歓迎されやすい一方、「週によって曜日が変わる」働き方は調整が難しいと言われることがあります。

確かめておきたいのは、社会保険の加入条件です。2024年10月からは、従業員数51人以上の企業で、週の所定労働時間が20時間以上などの条件を満たすパートにも社会保険の加入が義務づけられています。つまり、「扶養の範囲で働きたい」のか「社会保険に入って働きたい」のかによって、希望する労働時間を面接で調整する必要があるということです。ここを曖昧にしたまま入職すると、年末になって手取りが想定と違ったという相談につながります。

夜勤専従で応募する場合

夜勤専従は、夜勤1回あたりの手当が高めに設定される一方、1回の勤務が16時間前後になる2交代制が多く、体力面の確認が面接の中心になります。確かめておきたいのは、夜勤中の休憩と仮眠の時間が実際に取れているか、夜勤明けの翌日が休みになっているか、月の上限回数が決まっているかです。労働基準法では、労働時間が8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を与えなければならないと定めています。つまり、休憩が「規定上ある」だけでなく「実際に取れているか」まで聞いてよいということです。

派遣で働く場合

ここは、知らない人が本当に多い点です。労働者派遣法の施行令では、病院や介護医療院などで看護師が行う業務への派遣は、原則として禁止されています。例外は、紹介予定派遣と、産前産後休業・育児休業・介護休業を取る職員の代替などに限られます。つまり、看護師が「派遣で介護医療院に」という求人を見かけたら、どの例外にあたるのかを派遣会社に確認する必要があるということです。

一方、介護職の業務は医療関係業務にあたらないため、介護医療院で介護職員として派遣で働くことはできます。派遣の場合、面接にあたる「職場見学」は、派遣先が派遣労働者を選ぶ場ではなく、仕事内容を確認する場という位置づけです。聞かれた内容に答えつつ、業務の範囲(医療的ケアを担当するか、夜勤があるか)を自分からも確認してください。

当日の準備と、落ちやすいパターン

最後に、当日の準備と、介護医療院の面接で評価を落としやすいパターンを整理します。

服装と身だしなみ

スーツが無難ですが、施設から「普段着で構いません」と言われた場合はオフィスカジュアルで問題ありません。見学で療養室に入ることがあるので、爪は短く、香水は控え、長い髪はまとめておきます。医療の必要度が高い入所者が多い施設では、感染対策の意識も見られています。

敬称

介護医療院は名称に「院」が付くため、面接の話し言葉では「御院」、書面では「貴院」を使うのが一般的です。法人が自らを「施設」と呼んでいる場合は「御施設」「貴施設」でも失礼にはあたりません。迷ったら、応募先のホームページでの自称に合わせてください。

前日までに、話す場面を3つに絞っておく

面接で話が散らばる人の多くは、経験を全部話そうとしています。前日までに、次の3つの場面を1つずつ選び、メモに書き出しておくと、どの質問にも軸を持って答えられます。

・医療職に報告して、状態の悪化を早く見つけられた場面(視点1と視点2に対応) ・最期が近い方、または状態が重い方に関わった場面(視点3に対応) ・夜間や人の少ない時間帯に、予想外のことが起きた場面(視点4に対応)

それぞれについて「そのとき何が起きたか」「自分は何をしたか」「その後どう変えたか」を2〜3行で書きます。未経験の方は、前職や家族の介護の場面で置き換えて構いません。この準備をしておくと、「経験を教えてください」「困ったことはありますか」「長所は何ですか」といった、形の違う質問にも同じ材料から答えられるようになります。

落ちやすいパターン

・介護医療院を「病院」として語る(生活の場としての理解を疑われる) ・看取りについて「経験がないので分かりません」で終わる ・医療的ケアの経験を実際より大きく話す(配置のときに発覚すると信頼を失う) ・前職の批判が長い ・見学中に入所者へのあいさつがない ・夜勤の回数や入職時期を曖昧にしたまま面接を終える

特に最後の点は、採用後のトラブルの原因にもなります。条件が合わないなら、面接の段階で率直に伝えるほうが、双方にとってよい結果になります。

面接後のお礼

面接後のお礼メールは必須ではありませんが、見学で丁寧に案内してもらった場合は、当日中に短いお礼を送ると印象が残ります。内容は、時間を取ってもらったお礼、見学で印象に残ったこと、改めての意欲の3点で十分です。

面接の経験を、次の選択に生かす

面接は、施設が応募者を選ぶ場であると同時に、応募者が職場を選ぶ場です。介護医療院の面接で夜勤体制や看取りの体制、労働条件を確かめる力は、この先どこで働くことになっても役に立ちます。

面接で「自分が何を大切にして働きたいのか」を言葉にしてみると、職場選びそのものに迷いが生まれることもあります。介護の給与水準を客観的に見直したいときは、職業情報をもとに整理した介護職員の年収・単価相場が判断材料になります。転職の方向性そのものを誰かと整理したいときは、相談を受ける側の仕事内容をまとめた職場・転職・キャリア相談のお仕事を読むと、どんな支援が受けられるのかが見えてきます。

フリーランス・在宅ワーク市場を20年運営してきた立場から見ると、仕事の条件で揉める人と揉めない人の差は、能力よりも「最初に書面で確かめる習慣」があるかどうかでついています。雇用でも業務委託でも同じです。業務委託の世界では、2024年11月に施行されたフリーランス保護新法によって、発注者に取引条件の明示が義務づけられました。つまり、口約束で仕事を始めない、という原則は、働き方が変わっても変わりません。

直接取引で仕事を受ける場合も、条件を書面で確かめたうえで始めれば、中間のマージンが乗らない分、依頼者は同じ予算で頼める量が増え、受け手は手取りが厚くなります。手数料0%が意味を持つのは、条件をはっきりさせたうえで、自分の経験に見合った対価をそのまま受け取れるときです。

面接の準備は、質問の答えを暗記することではありません。介護医療院という職場で毎日何が起きているかを知り、自分がそこでどう動くかを説明できるようにすることです。その準備ができていれば、想定外の質問が来ても落ち着いて答えられます。

よくある質問

Q. 介護医療院の面接は何回ありますか?

施設単独で採用している場合は1回で終わることが多く、法人本部の面接が加わると2回になります。時間は30〜45分程度が一般的で、面接の前後に施設見学が組み込まれることもよくあります。見学中の入所者への目線やあいさつも見られているので、面接室に入る前から選考が始まっていると考えて準備してください。

Q. 医療的ケアの経験がなくても採用されますか?

採用されます。介護職が痰の吸引や経管栄養を行うには喀痰吸引等研修の修了と認定が必要で、未経験で入職して研修を受ける人も多くいます。面接では経験を大きく見せず、見ていただけなのか自分で行っていたのかを正確に伝え、研修を受けたい意欲を示すことが大切です。受講費用の扱いは逆質問で確認しておきましょう。

Q. 面接で聞いた条件と入職後の条件が違ったらどうすればいいですか?

労働基準法第15条では、明示された労働条件が事実と違う場合、労働者は即時に契約を解除できると定めています。ただし実際の判断は生活に直結するため、まずは労働条件通知書を確認し、労働基準監督署の総合労働相談コーナーに相談してください。トラブルを防ぐには、夜勤回数や手当を面接時に確認し、書面で受け取ることが一番です。

Q. 逆質問は何を聞けばいいですか?

夜勤体制、医療的ケアの範囲、看取りの体制、教育体制の4つを軸にすると、介護医療院の実態が見えてきます。特に「夜勤で看護職員は何人入るか」「看取りの後に振り返りの場はあるか」は、働きやすさを判断するうえで役立ちます。求人票やホームページで分かる内容は避け、条件面の質問は業務の質問のあとに順番を踏んで聞くと好印象です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月22日最終更新:2026年9月16日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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