児童養護施設の面接で聞かれること|現場が見ている点と、聞き返すこと

中西 直美
中西 直美
児童養護施設の面接で聞かれること|現場が見ている点と、聞き返すこと

この記事のポイント

  • ✓児童養護施設の面接で実際に聞かれる質問と
  • ✓その裏で現場が何を確認しているかを解説します
  • ✓場面設定の質問への答え方

児童養護施設の面接を控えている方から、こんな相談をよくいただきます。「何を聞かれるか分からなくて怖い」「上手に答えられる自信がない」。大丈夫ですよ。この職場の面接は、言葉の上手さを見る場ではありません。

先にお伝えしたいことがあります。児童養護施設の面接をするのは、人事の専門家ではなく、施設長や主任といった現場の人です。つまり、明日あなたと一緒に子どもを見るかもしれない人が座っています。その人たちが確認したいのは3つだけです。この職場で何が起きているかを分かっているか、子どもに拒否されたときに崩れないか、そして生活条件が続けられる形になっているか。この記事では、実際に聞かれる質問とその裏にある確認事項、場面を設定した質問への答え方、そしてあなたのほうから聞き返すべきことを、順に整理していきます。

面接をしている相手が誰かを、まず知っておく

緊張を少しでもほどくために、部屋の中の構図を共有します。

児童養護施設の採用面接は、施設長が1人で行う場合、施設長と主任の2人で行う場合、法人の事務局が同席して3人になる場合が一般的です。大きな法人では一次面接と二次面接に分かれ、最終に理事長が出てくることもあります。いずれにしても、質問をするのは現場を知っている人です。

これが何を意味するか。答えの体裁より、答えの中身に出る現実感を見ているということです。「子どもたちに寄り添いたいです」という言葉は、現場の人が毎年何十回も聞いています。聞き慣れた言葉が返ってくると、その人が実際に何を想像しているのかを確かめるために、必ず一段深い質問が来ます。だから準備しておくべきなのは、きれいな言い回しではなく、具体的な場面の想像です。

もうひとつ知っておいてほしいことがあります。面接をしている側も、採用に失敗したくないと思っています。この業界は職員の入れ替わりに悩んでいる施設が多く、短期間で辞められるのがいちばん困る。だから、あなたの不安や条件面の確認を正直に出しても、嫌がられることはありません。むしろ、そこを隠したまま入職されるほうが困るのです。ここ、誤解している方が本当に多いところです。

面接で緊張してしまう方には、こう考えてみてください。これは試験ではなく、お互いが合うかどうかを確かめる場です。あなたも相手を見ていい。その姿勢で臨むと、質問への答え方も自然に変わります。

必ず聞かれる質問と、その裏で確認されていること

実際に出る質問を、確認事項とセットで並べます。

志望動機は必ず聞かれます。ここで現場が見ているのは、なぜこの施設かの部分です。理念に共感しましたという答えは、材料になりません。施設の形態、児童構成、行事、事業報告書のどれかに触れて、自分の経験と接続して答えてください。答えの中に、相手にとって初めての情報が入っているかどうかが分かれ目です。

児童養護施設についてどう理解しているか、という質問もよく出ます。ここで見られているのは、子どもと遊ぶ場所だと思っていないかどうかです。業務の大半が家事と生活支援と記録であること、朝6時台から子どもを起こして学校に送り出し、午後3時過ぎに帰ってきてから就寝まで止まらないこと、宿直があること。この現実を織り込んだ答えができれば、それだけで印象が変わります。

体力や健康状態も聞かれます。宿直と早番遅番のローテーションがあるため、率直に確認されます。持病がある場合、隠す必要はありません。むしろ、どういう配慮があれば働けるかを具体的に言えたほうが安全です。

前職を辞めた理由、あるいは辞める理由も定番です。ここで不満を並べると、同じ理由でまた辞めると受け取られます。事実は事実として整理して伝え、その上で「だからこの施設を選んだ」という接続を必ず付けてください。他業種からの転職も珍しくない分野です。

大学卒業後から小学校の教員を6年ほど経験したのち、株式会社が運営している児童養護施設の児童指導員となりました。 出典: job-medley.com

実習やボランティアの経験も掘られます。新卒の場合はここが中心になります。どの年齢層の子どもと、どんな場面で関わり、何に戸惑ったか。うまくいった話より、うまくいかなかった話のほうが評価されます。戸惑った経験を正直に話せる人は、入職後も抱え込まないだろうと判断されるからです。

長所と短所も定番ですが、この職場では聞かれ方に特徴があります。短所を聞いた後に「それが仕事で出たときどうしますか」と続くことが多い。だから、短所は自覚とセットで答えてください。「感情を溜め込みやすいので、早めに人に話すようにしています」といった形です。

最後に、いつから働けるか、通勤にどれくらいかかるかという実務的な質問が来ます。通勤時間は軽視されがちですが、早番が6時台から始まる職場では死活問題になります。ここは正直に答えてください。

場面を設定した質問には、こう答える

この職場の面接でいちばん特徴的なのが、場面設定の質問です。実際の現場で起きる状況を出して、どう対応するかを聞かれます。

よく出るのが「子どもに暴言を吐かれたらどうしますか」です。この質問の裏にあるのは、試し行動を理解しているかという確認です。児童養護施設に来る子どもは、大人への信頼が一度壊れた状態で入所しています。だから新しく入った職員はほぼ必ず試されます。わざと指示に従わない、暴言を吐く、その直後に甘えてくる。これは意地悪ではなく、この大人はどこで自分を見捨てるのかを確認する行動です。

答え方の方向性はこうです。まず、その場で言い返さないこと。次に、行為だけを止めて人格に触れないこと。そして、1人で抱えずに職員間で共有すること。この3つが言えれば十分です。「信頼関係を築きます」とだけ答えると、具体性がないと判断されます。

次によく出るのが「ルールを破った子どもにどう対応しますか」です。ここで見られているのは、自分1人で判断しようとしないかどうかです。施設には処遇の方針があり、子どもごとに支援の計画があります。新しく入った職員が自分の基準で対応すると、他の職員との対応がずれて子どもが混乱します。だから答えは「施設の方針を確認したうえで対応します。その場で判断が必要な場面では、人を傷つける、自分を傷つける、物を壊すという3点は止めて、それ以外は持ち帰って相談します」といった形になります。

「他の職員と対応が違ったらどうしますか」も出ます。これは、職員間の関係をどう考えているかの確認です。子どもは複数の大人の対応を比較していて、線が緩い職員のところに要求を集中させます。だから対応のばらつきは子どもを不安定にします。答えとしては、その場で子どもの前で議論せず、後で職員間ですり合わせる、という方向が適切です。

「中高生と関係が作れないときはどうしますか」も、中高生が多い施設ではよく出ます。実習生がここで必ず悩みます。

今、児童養護施設で実習しているのですが、中高生との関わりが方がわかりません。思春期ということもあり、話しかけても無視されるので、私のことをうざいと思っているような感じです。あまり積極的に話しかけない方がいいのでしょうか?? 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

現場で共有されている答えは、話しかける量を減らすのではなく、返事を期待しない声かけに切り替えることです。「おかえり」「ごはんできてるよ」といった、答えなくても成立する言葉を毎日投げ続ける。中高生が話し始めるのは、多くの場合、この大人は諦めないと確認できた後です。この考え方を持って面接に臨めると、経験がなくても現実的に考えていると伝わります。

場面設定の質問に、正解はありません。採用側が見ているのは、答えの正しさではなく、1人で背負おうとしていないかどうかです。相談する、確認する、共有する。この言葉が自然に出てくれば、それで十分です。

勤務条件の確認は、こちらからしてかまいません

ここが、いちばんお伝えしたいところです。条件を聞くのは失礼ではありません。

実際、条件を確認しないまま内定を受けて、後から不安になる方が本当に多いんです。介護分野でも同じことが起きています。

27卒です。介護で内定をもらいましたが、夜勤が不安になってきて正直もうちょっと色々業界を見て決めても良かったなと思い始めています。配属先はこれから決まるのですが、実家から通うと1時間以上かかり乗り換えも多いため、今から就活をやり直そうかなと思うのですがもう手遅れでしょうか。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

夜勤の有無と通勤時間は、面接の段階で確認すれば済む話です。この方の不安は、聞いていれば生まれませんでした。

確認しておくべき条件を挙げます。まず宿直の回数です。月に何回入るのか、宿直明けの勤務がどうなるのかを聞いてください。宿直は労働基準監督署の許可を受けた断続的労働として実施されるのが通例で、宿直手当が支払われます。月に4回から6回という施設が多いのですが、職員数によって変わります。

次にシフトの時間帯です。早番が何時から、遅番が何時までかを具体的に聞きます。早番が6時台から、遅番が22時までという施設は珍しくありません。通勤時間と合わせて、生活が組めるかを確かめてください。

年間休日も確認します。求人票に「年間休日最大155日」のように最大という言葉が付いている場合、特定の勤務形態に適用される数字であることがあります。何日が標準なのかを聞いてください。あわせて、宿直明けが休日として計算に入っているかどうかも確認します。ここで実質の休みが見えます。

給与は、基本給のほかに宿直手当、住宅手当、処遇改善の加算がどう付くかを聞きます。求人票の月給に手当が含まれているのか別なのかで、手取りが変わります。

そして、職員数と配置です。自分が担当する生活単位に何人の職員がいて、夜間は何人体制なのか。ここは働き始めてからの負荷に直結します。

こちらから聞き返しておきたいこと

面接の最後に必ず「何か質問はありますか」と聞かれます。ここは印象を良くするための時間ではなく、あなたが判断するための時間です。聞いておくとよいことを挙げます。

1つ目は、困ったときの相談体制です。判断に迷ったとき誰に相談する仕組みになっているか。この質問には2つの効果があります。抱え込まずに働くつもりだという意思表示になることと、その施設に相談の仕組みがあるかどうかが分かることです。答えが曖昧な施設は、体制が整っていない可能性があります。

2つ目は、入職後の研修と引き継ぎです。最初の1か月がどう組まれるのかを聞いてください。先輩職員と組んで動く期間があるのか、いきなり単独で勤務に入るのか。ここは施設によって本当に差があります。

3つ目は、子どもの年齢構成です。乳幼児が多いのか、中高生が多いのかで仕事の中身が変わります。乳幼児中心なら育児そのものが業務になり、中高生中心なら進路支援と自立支援が中心になります。

4つ目は、施設の形態と今後の方針です。大舎制なのか、小規模グループケアなのか、地域小規模児童養護施設を運営しているのか。国は2017年に示された新しい社会的養育ビジョン以降、小規模化と地域分散化を進めてきました。移行の途中であれば、数年内に働き方が変わる可能性があります。

5つ目は、記録の仕組みです。紙なのか電子なのか、勤務時間内に書く時間が確保されているのか。記録が残業に押し出されている施設は、業務量の設計に無理があります。

6つ目は、職員の勤続年数です。直接聞きにくければ「長く勤めていらっしゃる方はどれくらいの年数ですか」と尋ねる形にできます。勤続10年以上の職員が何人かいる施設は、定着する理由がある施設です。

質問は3つほど用意しておいて、面接の流れですでに答えが出たものは外してください。全部聞こうとすると時間が足りません。

見学は、見る時間帯で得られる情報が変わります

面接の前に見学できるなら、必ず行ってください。そして、時間帯を指定して依頼してください。

午前中の見学では、施設がいちばん静かな時間しか見られません。子どもは学校に行っていて、職員は洗濯や記録をしています。建物は見えますが、生活は見えません。

見るべきは午後3時以降です。子どもが帰ってきてから就寝までが、この職場の本番だからです。宿題を見ながら夕食を準備し、入浴の順番を回し、けんかを止める。その密度を目で見ておくと、面接での答えが変わります。依頼するときは「子どもたちが帰ってきた後の時間帯も拝見できますか」と伝えてください。この一言を言えること自体が、職場を理解している証拠になります。

見学で見ておきたいのは、建物より人です。職員同士がどう声をかけ合っているか。子どもが職員にどんな話し方をしているか。事務室に子どもが入ってきたとき、職員がどう対応しているか。この3点に、その施設の空気が出ます。

もし見学の機会がなければ、施設のホームページを丁寧に読んでください。施設紹介ページの建物の写真、年間行事、職員紹介、そして社会福祉法人に義務づけられている事業報告書。ここまで読んでいる応募者は少ないので、面接で触れると強い材料になります。

服装は、清潔感のある落ち着いた服で構いません。スーツが必須という施設は多くありませんが、迷ったらスーツにしておけば外しません。見学を兼ねる場合は、動きやすい靴で行ってください。持ち物は、筆記用具、資格証の写し、質問を書いたメモ。メモを見ながら質問して問題ありません。

なお、施設によっては小論文や作文が課されることがあります。テーマは「社会的養護について」「あなたの考える支援とは」といった抽象的なものが多い。ここでも、きれいな主張より具体性です。調べた事実と、自分が何をする人になるかを書いてください。

職種が違えば、聞かれることも変わります

児童養護施設には、子どもの生活を直接担当する職員以外にもいろいろな職種があります。応募する職種によって、面接の中身はかなり変わります。

調理職の場合、まず調理師免許の有無と給食施設での経験が確認されます。そのうえで必ず聞かれるのが、アレルギー対応の経験です。子どもの人数分の食事を毎日3食用意する現場なので、除去食や代替食を安全に出せるかが問われます。もうひとつ、行事食についても聞かれます。誕生日会やクリスマス会の献立を考えられるかどうか。ここで「子どもが喜ぶものを」と抽象的に答えるより、前職でやった具体的な献立を出せると伝わります。そして意外に重要なのが、配膳のときに子どもから声をかけられる距離感です。厨房は子どもにとって食べ物のある場所なので、興味を持って覗きに来ます。その対応を嫌がらない人かどうかを見られています。

事務職の場合は、経理と労務の経験が中心に聞かれます。社会福祉法人の会計は一般企業と勘定科目が違うので、簿記の資格があっても最初は戸惑います。だから面接では、知っているかどうかより、覚える意欲と正確さの習慣が見られます。措置費の請求業務は月次で締まるため、期限管理の経験が評価されます。加えて、事務室に子どもが入ってくることをどう思うかを聞かれることがあります。児童養護施設の事務室は、子どもにとって逃げ場になっていることがあるからです。

看護職の場合は、小児の経験の有無が最初に確認されます。ただし、必須としていない施設も多い。この職場の看護業務は、服薬管理、通院の付き添い、けがの応急処置、感染症発生時の対応が中心です。病院のように処置が連続する現場ではありません。面接で聞かれるのは、判断を1人で下す場面に耐えられるかどうかです。施設の看護職は配置人数が少なく、日中に相談できる医療職が自分だけという時間があります。この点を理解している旨を伝えてください。

栄養士と管理栄養士は、献立作成の経験と、子どもの成長を見ながら栄養管理をした経験が聞かれます。乳幼児から高校生までが同じ施設にいるため、必要なエネルギー量の幅が広い。ここをどう組むかの考え方を聞かれることがあります。

いずれの職種でも共通して聞かれるのが、子どもの話を聞くことについてです。直接の担当ではなくても、この職場では全員が子どもと接します。「私は調理なので子どもとは関わりません」という姿勢は、どの職種でも歓迎されません。

非常勤や派遣の面接は、何が違うか

正職員以外の入り方をする場合、面接の性格が変わります。ここも押さえておきましょう。

非常勤やアルバイトの面接は、勤務可能な曜日と時間帯の確認が中心になります。学習支援の非常勤、夕方から夜の時間帯のアルバイト、宿直専従のアルバイトといった募集があり、それぞれ求められる時間帯が違います。面接では、どこまで融通が利くかを聞かれます。ここで無理をして「いつでも大丈夫です」と答えると、後で苦しくなります。出せる曜日と時間を正確に伝えてください。

派遣で入る場合は、そもそも面接という形を取れません。労働者派遣法では、派遣先が派遣労働者を特定する目的の行為をしないよう努めることとされているためです。つまり、派遣先が事前に面接して選ぶことは想定されていません。代わりに行われるのが職場見学や顔合わせで、これは業務内容と職場環境を説明する場という位置づけです。実質的には確認の場になりますが、建前として選考ではないので、こちらから条件を聞く場としては有効です。宿直が業務に含まれるか、勤務時間を固定できるか、更新の見込みがあるか。この3点は必ず聞いてください。

紹介予定派遣の場合は、直接雇用への移行を前提としているため、派遣先による面接が例外的に認められています。一定期間派遣として働いた後、双方が合意すれば直接雇用に切り替わる仕組みです。施設側も採用のミスマッチを避けたいので、この形を歓迎する施設が増えています。合わなければ契約満了で区切れるという点で、お互いに負担が少ない入り方です。

どの形で入るにしても、聞いておくことは変わりません。相談体制、研修と引き継ぎ、子どもの年齢構成、施設の形態。契約形態が違っても、働く現場は同じだからです。

内定が出た後に、もう一度確かめること

内定の連絡が来たら、そこで終わりではありません。2つだけ確かめてください。

1つ目は、労働条件通知書です。労働基準法により、使用者は労働契約を結ぶ際に労働条件を明示しなければなりません。賃金、労働時間、就業場所、業務内容、契約期間、退職に関する事項などが書面で示されます。口頭の説明と書面の内容が違っていないかを、必ず突き合わせてください。特に宿直の扱い、手当の金額、試用期間の条件は確認どころです。

2つ目は、配属先です。法人が複数の施設を運営している場合、どの施設のどの生活単位に入るかで働き方が変わります。決まっていないと言われたら、いつ決まるのかを聞いてください。

条件に迷いがある場合、内定を受ける前に相談することもできます。「宿直の回数を最初の3か月は減らしていただけますか」といった相談に応じる施設もあります。言ってみないと分かりません。無理に条件を飲んで入職すると、短期間で辞めることになり、あなたにも施設にも子どもにも良くない結果になります。

面接の結果が出るまでの期間も聞いておくと安心です。施設によって1週間程度のところもあれば、法人の理事会を通すため2週間以上かかるところもあります。他の施設も受けている場合は、待てる期限を正直に伝えてかまいません。複数の施設を比べて選ぶことは、まったく後ろめたいことではありません。むしろ、いくつか見た上で選んだ人のほうが、入職後に迷いが少なくなります。

不採用だった場合についても、ひとこと書いておきます。この職場の採用は、能力の優劣だけで決まるわけではありません。いま欠員が出ている生活単位の年齢層、既存の職員の男女比や年齢構成、宿直に入れる人数の不足といった事情が、かなりの割合で影響します。つまり、同じ人が同じ答えをしても、施設が変われば結果が変わります。落ちたことを自分の人格の評価だと受け取らないでください。これは慰めではなく、採用の実態の話です。次の施設では、今回聞かれて答えに詰まった質問だけを準備し直せば十分です。

市場を長く見てきた立場から、ひとつだけ

フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から、採用の場面でいつも感じることを書きます。選ばれる人は、自分を大きく見せた人ではありません。相手が判断できる材料を渡した人です。面接も同じで、条件を確認し、分からないことを聞き、想像している大変さを口に出せる人のほうが信用されます。運営者として見てきた限りでは、長く続く人ほど、最初に面倒な確認を済ませています。

福祉分野で働き続けることを考えるなら、収入の水準を知っておくと判断が安定します。職種別の賃金構造を整理した介護職員の年収・単価相場は、施設系の仕事全体の水準を把握する出発点です。保育士資格で応募する方なら、勤務先ごとの収入差をまとめた保育士の年収・単価相場のほうが直接の比較になります。看護職として施設に入る場合は看護師の年収・単価相場で、病院勤務との差が確認できます。数字を先に知っておくと、面接で条件の話になっても揺れません。

そして、この職場で身につく力について。子どもの話を遮らずに聞き、事実と気持ちを分けて記録し、次にどうするかを一緒に決める。児童養護施設の職員が毎日やっているこの作業は、実は他の分野でも通用する技術です。国家資格として体系化された領域もあり、受験ルートと学習範囲をまとめたキャリアコンサルタントを見ると、現場で身につくものに名前が付きます。相談を受ける仕事が実際にどう成り立っているかは、職場・転職・キャリア相談のお仕事に業務の流れが整理されています。将来の選択肢を持っていることは、目の前の仕事を軽くする土台になります。

最後に。面接でうまく答えられなかったとしても、それで全部が決まるわけではありません。現場の人が見ているのは、話し方ではなく、この人と一緒に子どもを見られるかどうかです。緊張して言葉に詰まっても、正直に考えて答えている人は伝わります。大丈夫ですよ。あなたが不安に思っていることは、面接の場で聞いていいことばかりです。

よくある質問

Q. 児童養護施設の面接で必ず聞かれる質問は何ですか?

志望動機、児童養護施設をどう理解しているか、体力や健康状態、前職を辞める理由、実習やボランティアの経験、長所と短所、通勤時間といった項目です。加えて、子どもに暴言を吐かれたらどうするか、ルールを破った子にどう対応するかといった場面設定の質問がよく出ます。答えの正しさより、1人で背負おうとしていないかが見られています。

Q. 「子どもに暴言を吐かれたらどうしますか」にはどう答えればいいですか?

その場で言い返さないこと、行為だけを止めて人格には触れないこと、1人で抱えずに職員間で共有すること。この3点が言えれば十分です。この質問は、子どもが大人を試す行動を理解しているかの確認なので、試し行動を前提にした答えができると評価されます。「信頼関係を築きます」とだけ答えると具体性がないと判断されます。

Q. 面接で勤務条件を質問しても失礼になりませんか?

なりません。むしろ確認せずに入職して短期間で辞めるほうが、施設にとって困る事態です。宿直の回数、早番と遅番の時間帯、年間休日の実質日数、宿直明けが休日に含まれるか、手当の内訳を確認してください。通勤時間も重要で、早番が6時台から始まる施設では生活に直結します。

Q. 見学はいつの時間帯に行くべきですか?

午後3時以降です。午前中は子どもが学校に行っていて施設が最も静かな時間なので、生活の実態が見えません。子どもが帰ってきてから就寝までがこの職場の本番です。依頼するときに「子どもたちが帰ってきた後の時間帯も拝見できますか」と伝えると、職場を理解している応募者だと伝わります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月27日最終更新:2026年9月17日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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