インフォマート受発注の使い方|発注担当が最初に押さえる基本と流れ 2026

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
インフォマート受発注の使い方|発注担当が最初に押さえる基本と流れ 2026

この記事のポイント

  • ✓インフォマート受発注(BtoBプラットフォーム 受発注)の基本と導入の流れを
  • ✓発注担当者の視点で整理
  • ✓費用相場・メリット・比較検討のポイントから

結論から言います。「インフォマート 受発注」で探しているサービスの正式名称は「BtoBプラットフォーム 受発注」です。株式会社インフォマートが提供する企業間取引用のクラウドサービスで、飲食・外食向けから始まり、現在は製造業向けの「BtoBプラットフォーム 受発注 for 製造業」などの業種別ラインナップを持っています。個人の副業ツールでも、単なる注文フォームでもありません。FAX・電話・メールでやっている日々の発注を丸ごとデータに置き換えるための業務インフラです。ここを取り違えると、料金の見方も導入の判断も全部ずれます。

この記事では、発注を管理する立場の方が「自社の受発注業務にインフォマートを入れるべきか」「入れるとしたら費用はどれくらいで、どういう流れで使うのか」を判断できるように、正式名称とラインナップの整理・基本の仕組み・導入メリット・費用相場・他システムとの比較表・導入前チェックリスト・取引先への依頼文例・稟議用のROI試算の書き方までを実務目線でまとめます。正直なところ、公式サイトを見ても料金が明示されていなくて困っている方が多いはずなので、そのあたりも相場感を含めて踏み込みます。

インフォマート受発注(BtoBプラットフォーム 受発注)とは何か

「インフォマート 受発注」「受発注システム インフォマート」で出てくるサービスの正体は、株式会社インフォマートが提供する「BtoBプラットフォーム 受発注」です。企業間(BtoB)の受発注、つまり「発注する側」と「受注する側」のやり取りを、紙・FAX・電話・メールからデータ化して、クラウド上で一元管理するためのシステムだと理解してください。

もともとは飲食業界向けの食材受発注から広がったサービスで、レストランや宿泊施設が食材・資材を仕入れる際の発注業務をデジタル化するところに強みがあります。近年は製造業向けの「for 製造業」など業種特化のラインナップも用意され、部品や資材の発注・検収までをカバーする方向に広がっています。発注担当者の目線で言えば、「毎日のように取引先へFAXや電話で発注をかけている、その作業を丸ごとクラウドに載せ替えるツール」というのが最もしっくりくる説明です。

検索してきた発注担当者が最初に押さえる5つの答え

調べ始めた段階でつまずきやすい点を、先に短く answer しておきます。以下を頭に入れてから読み進めると、残りの内容が全部つながります。

疑問 短い答え
正式名称は BtoBプラットフォーム 受発注(提供元は株式会社インフォマート)
何をするものか 発注・受注・検収・請求突合をデータでつなぐ企業間の共通基盤
誰が使うのか 発注する企業と、その取引先(受注する企業)の両方
業種別に何があるか 飲食・外食向けを軸に、製造業向け(for 製造業)などの業種特化版
料金は 定価公開ではなく個別見積もり。初期費用+月額の構造が基本

ここで最も大事なのは4行目と5行目です。「インフォマート 受発注」という一つの製品があるのではなく、BtoBプラットフォームというブランドの中に業種別・用途別の複数のラインナップがあると捉えてください。自社が製造業なら「for 製造業」の資料を、飲食・宿泊なら飲食向けの資料を見に行くのが最短ルートです。汎用版の説明だけを読んで「うちの商習慣には合わない」と判断してしまうのは、よくある取り違えです。

サービス提供元の説明では、次のような効果が挙げられています。

データ受注でFAX・電話のミスや手入力を削減し、信頼性が向上します。データ一元管理で作業負担を軽減し、在庫欠品リスクも低減。24時間いつでも受注可能なので営業活動の幅が広がります。 出典: infomart.co.jp

ここで重要なのは、この文章が「受注する側(売り手)」の視点で書かれている点です。インフォマートの受発注は、発注側と受注側の両方がプラットフォームに乗ることで初めて真価を発揮します。つまり、あなたが発注担当者なら「自社が発注に使う」だけでなく「取引先(仕入れ先)にも同じ土俵に乗ってもらう」必要がある、という構造をまず理解しておくべきです。ここが後の導入判断で効いてきます。

「受発注システム」と「注文フォーム」はまったく別物

検索してくる方の中には、「取引先から注文を受けるフォームが欲しい」「発注書をPDFで送りたいだけ」という軽いニーズの方もいます。ですが、インフォマートの受発注はもっと重量級のインフラです。取引先マスタ、商品マスタ、単価管理、発注履歴、検収、そして基幹システム(生産管理・会計)との連携まで視野に入っています。

たとえば製造業向けのラインナップでは、「発注から検収までの流れ」を一気通貫でデータ化し、生産管理システムと連携させる設計になっています。単に「注文を出す・受ける」だけでなく、その後の「本当に届いたか(検収)」「請求と合っているか」までをデータで突き合わせる。ここが、無料の注文フォームツールや汎用のクラウド受発注アプリと決定的に違う部分です。発注件数が月に数十件レベルなら過剰投資になりかねませんが、毎日多数の取引先に発注をかける事業者にとっては、この重厚さがそのまま業務削減効果になります。

発注側・受注側で「見える景色」が違う

発注担当者として一番混乱しやすいのが、「自分は発注するのに、なぜ受注側の説明ばかり出てくるのか」という点です。理由はシンプルで、インフォマートは全国で多数の企業が使う共通基盤として設計されており、「発注企業がプラットフォームを使って発注 → 取引先(受注企業)がそれを受ける」という双方向の流れが前提だからです。

発注側から見れば、複数の仕入れ先への発注を一つの画面から出せて、履歴も単価も一元管理できる。受注側から見れば、FAXの読み間違いや電話の聞き間違いがなくなり、24時間注文を受け付けられる。同じシステムでも立場によってメリットの見え方がまったく違います。導入を検討するときは「自社が発注側として得られる効率」と「取引先が受注側として乗ってくれるか」の両面をセットで考える必要があります。

BtoBプラットフォーム 受発注のラインナップと業種別の違い

「BtoBプラットフォーム 受発注」で調べて情報が散らかって見えるのは、複数の業種別ラインナップが同じブランド名で並んでいるからです。発注担当者としては、まず自社がどのラインナップの対象なのかを特定してください。

飲食・外食・宿泊向け(発祥のライン)

飲食店、レストランチェーン、ホテル、給食・社員食堂などが、食材や資材を毎日仕入れるための発注に使うラインです。食材の受発注は、日々の発注件数が多く、締め時間が厳しく、商品名の表記ゆれが起きやすいという特徴があります。ここに特化した商品マスタと発注画面が用意されているのがこのラインの強みです。店舗が複数ある場合、店舗ごとの発注を本部で串刺しに見られる点も、多店舗展開している発注責任者には効きます。

BtoBプラットフォーム 受発注 for 製造業

「btobプラットフォーム 受発注 for 製造業」という検索が出てくるとおり、製造業向けの独立したラインナップがあります。飲食向けとの違いは、扱う対象が食材ではなく部品・原材料・副資材である点、そして生産管理システムとの連携と検収プロセスが中心に据えられている点です。

製造業の発注担当者が押さえるべき論点は次の3つです。

  • 発注から検収までを一気通貫でデータ化できるか。納入予定と実績の差分をシステム上で見られないと、結局は現場の紙とExcelが残ります
  • 既存の生産管理システム(MRP、基幹)と、どの粒度で連携できるか。品目コード・単価・納期の同期方式を必ず確認します
  • 取引先(協力会社・部品メーカー)に、どこまでの負担でデータ受注に乗ってもらえるか。中小の加工先が多い業種では、ここが最大の壁になります

飲食向けの資料だけを見て「製造業には合わない」と判断してしまうと、業種特化版の存在を見落とします。逆に、製造業向けの機能一覧をそのまま飲食業の稟議に貼ると、要らない機能まで見積もりに入ります。問い合わせの最初の一言で自社の業種を伝えるだけで、提案の精度と見積もりの妥当性がかなり変わります。

業種を問わず共通する基本機能

ラインナップが違っても、発注担当者が日常的に触る中核機能はおおむね共通しています。整理すると次のとおりです。

機能 発注担当者にとっての意味
取引先マスタ 仕入れ先の情報と担当窓口を一元管理。異動があっても引き継ぎが効く
商品マスタ 品目コードと商品名の表記ゆれを排除。発注ミスの温床が消える
単価管理 取引先ごとの契約単価を保持。都度確認の電話が不要になる
発注登録・履歴 いつ・誰が・何をいくつ発注したかが残る。属人化の解消
納品・検収 発注と実際の納入の差分をデータで突合。欠品と過納の早期発見
請求突合 月末の請求書照合作業を自動化に近づける
権限管理 店舗・部門ごとの発注権限と承認フローを設定できる
外部連携 会計・生産管理・POSなどとのデータ受け渡し

自社に必要なのがこのうち上から4つまでなら、正直なところ、もっと軽量な受発注ツールでも用が足ります。検収と請求突合と外部連携まで必要になった時点で、業種特化型のプラットフォームが本領を発揮します。この線引きが、後述する比較検討の一番の軸になります。

発注担当者がインフォマート受発注を導入するメリット

ここからは発注する側の視点で、具体的にどんなメリットがあるのかを整理します。「アナログ発注のどこが辛いのか」を裏返すと、そのままメリットになります。

FAX・電話・手入力のミスがなくなる

アナログ発注の一番のリスクは、ヒューマンエラーです。FAXの数字が潰れて「10」が「16」に読まれる、電話で「にじゅう」と言ったのが「じゅう」に聞こえる、手入力で桁を間違える。こうした発注ミスは、欠品や過剰在庫、返品対応といった二次コストを生みます。データ受発注にすれば、発注データがそのまま受注データになるため、転記ミスが原理的に発生しません。

現場感覚で言えば、発注ミス1件のリカバリーには、電話での謝罪・再発注・納期調整・場合によっては代替品手配と、少なくとも30分から1時間は取られます。これが月に何件も発生していた事業者なら、ミス削減だけで担当者の工数がまとまって浮く計算になります。

発注業務の時間そのものが減る

複数の取引先にバラバラの手段(A社はFAX、B社はメール、C社は電話)で発注していると、それぞれのフォーマットを覚え、締め時間を管理し、送った送っていないの確認をする必要があります。プラットフォームに集約すれば、発注画面は一つ、履歴も一元管理、締め時間も画面上で管理できます。

発注1件あたりの作業時間が仮に5分から1分に短縮できたとして、1日20件発注する事業者なら1日あたり80分の削減です。月20営業日なら約26時間。これは担当者ほぼ半人月分に相当します。人手不足が慢性化している中小事業者にとって、この時間削減は採用コストと天秤にかけられる規模の効果です。

在庫・欠品リスクの低減とデータ活用

発注データが蓄積されると、「いつ・何を・どれだけ発注したか」が全部履歴に残ります。これは発注量の平準化や、季節変動の把握、取引先ごとの発注傾向の分析に使えます。勘と経験でやっていた発注が、データに裏付けられた発注に変わる。欠品を恐れて過剰に発注していた分を適正化できれば、在庫を寝かせるコスト(保管料・廃棄ロス)も下げられます。

検収・請求の突合が楽になる

発注データと納品データ、請求データが同じプラットフォーム上で紐づくと、月末の「請求書と発注内容が合っているか」の突合作業が大幅に楽になります。アナログだと請求書とFAX控えを1枚ずつ照合していたのが、システム上で自動的に差分チェックできる。経理部門の月次締め作業の負荷軽減は、発注部門だけでなく会社全体のメリットになります。

属人化した発注業務を引き継げる形にできる

見落とされがちですが、発注担当者本人にとって大きいのがこれです。「あの取引先はいつも15時締めで、担当のBさんに電話しないと動かない」といった知識が個人の頭の中にあると、その人が休んだ日に業務が止まります。マスタと履歴がシステムに載っていれば、代理の担当者でも同じ品質で発注できる。採用難の時代に、業務を人から切り離せる価値は金額換算しにくいぶん軽視されがちですが、実務では相当効きます。

インフォマート受発注の費用相場と料金の考え方

発注担当者が一番知りたいのに、公式サイトで一番わかりにくいのが費用です。ここは冷静に整理します。

料金体系の基本構造

BtoBプラットフォーム 受発注のような企業向け受発注システムは、一般的に「初期費用+月額利用料」の構造です。月額は利用する機能・拠点数・取引先数・データ量などによって変動する個別見積もりが基本で、公式サイトに定価が大きく出ていないのはこのためです。

第三者のレビューサイトなどでも、価格情報は次のように「競合製品との比較」や「レビュー」という形で扱われており、一律の定価表示ではありません。

BtoBプラットフォーム 受発注 出典: itreview.jp

一般的なクラウド型受発注システムの相場感を、規模別に整理すると次のようになります。あくまで受発注システム全般の目安であり、インフォマートの提示額そのものではない点は必ず断っておきます。

想定規模 初期費用の目安 月額の目安 主な前提
小規模(1拠点、取引先10社未満) 0円から10万円程度 2万円前後から 発注と履歴管理が中心。連携なし
中規模(数拠点、取引先数十社) 10万円から50万円程度 5万円から10万円程度 検収・請求突合まで利用
大規模(多拠点、取引先100社以上) 数十万円から数百万円 10万円超 基幹連携・カスタマイズあり

初期費用は0円から数十万円、月額は小規模なら2万円前後から、取引先数や機能を増やすと10万円を超えるレンジまで広がります。インフォマートは業種特化・大規模導入の実績が厚いぶん、フル機能で使うと相応の投資規模になると見ておくのが現実的です。正確な金額は必ず個別見積もりを取ってください。「相場の記事に書いてあった金額」で予算を組むのは危険です。

見積もりを取るときに必ず聞く項目

見積書の総額だけを見比べても意味がありません。金額が動く変数を先に押さえておくと、比較が成立します。問い合わせ時にこの順で確認してください。

  • 課金の単位は何か(利用ID数、拠点数、取引先数、発注データ件数のどれで増減するか)
  • 取引先側に費用負担は発生するか。発生する場合、いくらか
  • 初期費用に含まれる作業範囲(マスタ移行、導入支援、操作研修はどこまでか)
  • 外部システム連携は標準機能か、個別開発か。個別開発なら概算はいくらか
  • 最低契約期間と、途中解約時の扱い
  • サポートの窓口時間と対応手段(電話が使えるか、締め時間帯に間に合うか)
  • 将来、拠点や取引先が増えたときの追加費用の計算式

特に2つ目の「取引先側の負担」は必ず聞いてください。ここを確認しないまま取引先に協力依頼を出すと、「うちにも金がかかるのか」という話になって交渉が止まります。発注側が負担する設計にできるのかどうかで、導入スケジュールの現実味が変わります。

「無料」で使える範囲はどこまでか

「インフォマート 受発注」を調べると「無料」というキーワードもよく出てきます。ここは誤解しやすいので明確にしておきます。無料になり得るのは主に次のパターンです。

一つは、資料の無料ダウンロードやデモ・トライアルです。導入前にサービス資料を無料で取り寄せたり、機能を試したりできるのは多くのBtoB SaaSに共通します。もう一つは、受注側(売り手)が発注側(買い手)からの招待で使う場合に、負担が軽くなるケースです。プラットフォーム型のサービスでは、主導する側(多くは発注量の多い企業)がコストを負担し、取引先は低コストまたは無料で参加する設計を取ることがあります。

ただし「完全無料でフル機能が永続的に使える」わけではない、と理解してください。発注業務の基幹に据えるなら、無料の範囲だけで完結させるのは非現実的です。「無料」という言葉に引っ張られず、有料で導入した場合の総コストと削減効果を比べて判断するのが発注担当者の仕事です。

稟議を通すためのROI試算の書き方

投資判断で大切なのは、月額料金の絶対額ではなく、「削減できる工数・ミスコスト」と「支払う料金」の比較です。稟議書にそのまま貼れる形で、試算の枠組みを示します。

まず、削減効果を3つに分けて数字を置きます。

効果の種類 計算式 記入例
発注作業の時間削減 (現状の1件あたり分数 − 導入後の分数)× 月間発注件数 × 時給 (5分 − 1分) × 400件 × 2,000円 ÷ 60 = 約53,000円
発注ミスのリカバリー削減 月間ミス件数 × 1件あたり対応時間 × 時給 4件 × 1時間 × 2,000円 = 8,000円
請求突合の時間削減 月次突合時間の削減分 × 時給 8時間 × 2,000円 = 16,000円

この例だと月の効果は合計で約77,000円です。ここに在庫適正化による廃棄ロス削減や、担当者不在時のリスク低減といった定性効果を添えます。次に、支払う側を並べます。

コスト 記入例
初期費用(1年で按分した月額換算) 300,000円 ÷ 12 = 25,000円
月額利用料 50,000円
社内の運用工数(マスタ保守など) 月5時間 × 2,000円 = 10,000円

月あたりのコスト合計は85,000円。この例では初年度は効果77,000円に対してコスト85,000円で、わずかに持ち出しです。2年目以降は初期費用の按分が消えるため、月60,000円のコストに対して効果77,000円となり、回収に転じます。稟議では「初年度は投資、2年目から回収」と正直に書いたほうが通りやすい。効果を盛って初年度から黒字に見せると、後で数字が合わなくなって次の投資が通らなくなります。

逆に、この試算をやってみて効果がコストを大きく下回るなら、導入しないのが正しい判断です。発注件数が少なく削減効果が小さい事業者にとっては、システムより人手や簡易ツールのほうが費用対効果が高い、という結論も普通にあり得ます。試算は導入するための道具ではなく、導入すべきかを決めるための道具です。

他の受発注システム・手段との比較検討

インフォマートが唯一の選択肢ではありません。発注担当者としては、他の選択肢と比べたうえで「自社にはこれが合う」と言える状態にしておくべきです。

選択肢の型ごとの比較

受発注のやり方は、大きく4つの型に分けられます。金額の高低ではなく、自社の発注件数と取引先数がどこにあるかで選ぶのが正解です。

型 代表的な形 向いている規模 強み 弱み
業種特化プラットフォーム型 BtoBプラットフォーム 受発注(飲食向け、for 製造業) 発注件数が多く取引先も多い中堅から大規模 商習慣に合った設計、既に参加している取引先が多い、検収と請求突合まで一気通貫 費用が個別見積もりで読みにくい、取引先を乗せる調整が必要
汎用クラウド受発注型 業種を問わない受発注SaaS 中小から中堅 導入が早い、料金が明快なことが多い 業種固有の商習慣に合わせる作り込みが要る場合がある
EDI・個別接続型 取引先ごとの専用EDI、基幹直結 大口取引先が少数に集中している企業 大量取引の自動化に強い 取引先ごとに構築が要る、変更に弱い
フォーム・表計算型 発注フォーム、共有スプレッドシート、メール定型 取引先が数社、月数十件まで 費用がほぼゼロ、明日から始められる 履歴と検収が弱く、件数が増えると破綻する

判断の目安を一つ挙げるなら、月間発注件数が200件を超え、取引先が20社を超えたあたりから、フォーム・表計算型は割に合わなくなります。逆にそれ未満なら、プラットフォーム型は過剰投資になりやすい。ここは正直に自社の数字を数えてから判断してください。

比較検討時に横並びで見るべき評価軸

複数のサービスから見積もりを取ったら、金額だけでなく次の軸で表を作って並べます。稟議の添付資料としてもそのまま使えます。

  • 自社の業種の商習慣に対応しているか(締め時間、単位、荷姿、掛率の扱い)
  • 主要な取引先が既にそのプラットフォームに参加しているか
  • 検収と請求突合まで対応するか、発注だけか
  • 基幹システムとの連携方式(API、CSV、専用連携のどれか)
  • 導入支援の範囲とマスタ移行の担当(自社作業がどれだけ残るか)
  • サポート時間が自社の発注時間帯(早朝や深夜を含むか)をカバーするか
  • 取引先側の操作の簡単さ。スマートフォンだけで受注できるか
  • 契約期間と解約条件

業種特化型か、汎用型か

インフォマートの強みは、飲食・製造といった特定業種の商習慣に踏み込んだ設計と、多数の企業が既に参加している「面」の広さです。同業他社や取引先が既に使っているなら、乗り換えコストが低く、取引先の協力も得やすい。一方で、汎用のクラウド受発注システムは、業種を問わず柔軟にカスタマイズできる反面、自社の商習慣に合わせる作り込みが必要になることがあります。

正直なところ、「自社の取引先がどのプラットフォームに乗っているか」が最大の判断材料です。取引先の多くが特定のシステムを使っているなら、それに合わせるのが摩擦が少ない。ここは自社の都合だけでは決められません。導入検討の初期段階で、主要な取引先の担当者に「御社はBtoBプラットフォームを使っていますか」と聞いてしまうのが、実は一番速い調査方法です。

中小規模なら簡易ツール・直接取引という選択肢も

発注件数がそれほど多くない、あるいは取引先が数社に限られる小規模事業者の場合、大掛かりな受発注プラットフォームは過剰投資になりがちです。この場合、汎用のクラウド受発注ツールや、フォーム型の簡易ツールで十分なこともあります。

さらに視点を広げると、受発注業務そのものを外部の専門家に任せる、あるいは業務システムの選定・導入を外注するという手もあります。システム選定は専門知識が要るので、自社に詳しい人がいないなら、フリーランスの業務コンサルやシステム導入支援に依頼したほうが早くて確実な場合があります。ここで一つ、コストの観点から触れておきたいのが「直接取引」の話です。導入支援やシステム構築をSIerや代理店に頼むと、中間マージンが上乗せされます。同じ人材でも、フリーランスへ直接依頼すれば仲介手数料が乗らないぶん安く、その差は決して小さくありません。

受発注や外注の費用感を体系的に理解したい方は、受発注業務のクラウド化と補助金活用を扱った受発注システムのクラウド化2026|FAXから脱却してIT導入補助金を活用する方法も参考になります。IT導入補助金を使えば、システム導入費用の一部を国の補助でまかなえる可能性があります。また、業務委託で人に依頼する際の報酬の考え方については、@SOHOでのお仕事の受発注における最低時給の考え方についてが、発注する側の「適正な料金設定」を考えるうえで役立ちます。

導入前チェックリストと、稼働までの流れ

「入れると決めたら、実際どう進むのか」を発注担当者の目線で追います。製造業向けの製品紹介でも「導入までの流れ」「稼働までのスケジュール」が明示されているように、受発注システムの導入は段階的なプロジェクトになります。

問い合わせ前に埋めておく確認項目リスト

ベンダーに問い合わせる前にこれを埋めておくと、初回の打ち合わせで具体的な見積もりまで進めます。埋まらない欄があるなら、そこが自社の弱点です。

  • 取引先の総数と、そのうち発注件数の多い上位10社
  • 取引先ごとの発注手段(FAX、電話、メール、取引先の専用サイト)
  • 月間の発注件数と、繁忙期のピーク件数
  • 発注を出している拠点・店舗・部門の数
  • 発注を実際に操作する人数と、承認者の人数
  • 現在の発注1件あたりの所要時間(実測。感覚値ではなく数件ストップウォッチで計る)
  • 直近半年の発注ミスの件数と、その対応にかかった時間
  • 締め時間のルール(取引先ごとに違う場合は一覧化)
  • 検収の方法と、誰が実施しているか
  • 請求書の受領方法と、月次突合にかかっている時間
  • 連携が必要な既存システム(会計、生産管理、POS、在庫)とその製品名
  • 想定予算の上限と、決裁者は誰か
  • 稼働させたい時期と、その理由(期首、繁忙期前など)

この13項目のうち、特に6番目と7番目は必ず実測してください。ROI試算の土台になる数字であり、ここが感覚値だと稟議が通らないか、通っても後で効果検証ができません。

ステップ1:現状の受発注業務の棚卸し

最初にやるべきは、自社の発注業務の可視化です。取引先は何社あるか、それぞれどの手段(FAX、電話、メール、専用サイト)で発注しているか、月間の発注件数はどれくらいか、締め時間や検収のルールはどうなっているか。これを洗い出さないと、システムに何を載せ替えるべきかが決まりません。この棚卸しは地味ですが、導入の成否を左右する一番大事な工程です。上のチェックリストがそのまま棚卸しのフォーマットになります。

ステップ2:要件定義と見積もり取得

棚卸しをもとに、「どの取引先を優先的にデータ化するか」「基幹システム(会計・生産管理)と連携する必要があるか」といった要件を固めます。そのうえでベンダーに見積もりを依頼します。ここで複数のサービスを比較検討するのが鉄則です。私自身、外注や業務システム選びで「一社だけ見て決めて後悔した」経験があるので、これは強調しておきます。最低でも2社から3社は相見積もりを取り、料金だけでなくサポート体制・連携範囲・取引先の乗せやすさを横並びで比べてください。

ステップ3:取引先への協力依頼

ここが受発注システム導入の最大の関門です。前述のとおり、発注側だけが導入しても、受注側(取引先)が乗ってくれなければデータ受発注は成立しません。長年FAXで受けてきた取引先に「これからはこのシステムで受けてください」とお願いする必要があります。全国で多数の企業が使う共通基盤であることは説得材料になりますが、取引先の規模や体制によっては移行に抵抗が出ます。優先度の高い取引先から段階的に、丁寧に協力を取り付けるのが現実的です。

取引先への協力依頼文の例文

実務でそのまま使えるよう、依頼文の型を置いておきます。要点は「取引先にとっての利点」「費用負担の有無」「移行の期限と猶予」「困ったときの窓口」の4つを最初に明示することです。自社の都合だけを書いた依頼文は、ほぼ確実に無視されます。

株式会社〇〇
〇〇部 〇〇様

いつも大変お世話になっております。株式会社△△の□□です。

このたび弊社では、発注業務の効率化と発注ミスの防止を目的として、
BtoBプラットフォーム 受発注(株式会社インフォマート提供)による
データ受発注へ移行することといたしました。

つきましては、貴社にも受注側としてご参加いただきたく、
ご検討をお願い申し上げます。

■ 貴社にとっての利点
・FAXの判読ミスや電話の聞き間違いによる誤納品がなくなります
・24時間いつでも注文を受け取れ、担当者の待機が不要になります
・過去の受注履歴と単価が画面上で確認でき、問い合わせ対応が減ります

■ ご費用について
本件に伴う貴社のご負担は〇〇でございます。
(費用が発生しない場合は「ご負担はございません」と明記します)

■ スケジュール
・〇月〇日 説明会(オンライン、所要30分)
・〇月〇日 テスト運用開始(従来のFAXと併用いたします)
・〇月〇日 本運用開始

移行期間中は従来のFAXでの受注も並行して承りますので、
業務が止まるご心配はございません。

■ お問い合わせ窓口
株式会社△△ □□部 □□
電話 000-0000-0000/メール [email protected]

ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
何卒よろしくお願い申し上げます。

この文面のポイントは、移行期間中はFAXと併用すると明言している点です。「いつからシステムのみ」と言い切ると、取引先は「対応できなければ取引が切れる」と受け取ります。併用期間を置けば心理的なハードルが下がり、結果として移行が速く進みます。急がば回れ、です。

ステップ4:マスタ登録・テスト運用・本稼働

取引先マスタ、商品マスタ、単価などの初期データを登録し、一部の取引先とテスト運用を行います。ここで発注から検収までの一連の流れが問題なく回るかを検証し、問題がなければ対象を広げて本稼働へ移行します。製造業向けでは生産管理システムとの連携もこの段階で作り込みます。焦って全取引先を一斉に切り替えると混乱するので、段階移行が定石です。

移行の順番は、発注件数が多くITに前向きな取引先を最初に持ってくるのがコツです。ここで成功事例を作れば、後続の取引先に「すでに〇社が移行済みです」と言えるようになり、説得の材料が増えます。逆に、一番抵抗の強い取引先から着手すると、そこで止まってプロジェクト全体が停滞します。

運用体制の作り方と外注という選択肢

システムを入れて終わり、ではありません。受発注システムは日々の運用に乗って初めて効果が出ます。ここでは運用の体制づくりと、その一部を外注する選択肢について整理します。

誰が運用を回すのか

受発注システムを導入すると、マスタメンテナンス(取引先・商品・単価の更新)、日々の発注オペレーション、取引先からの問い合わせ対応、データ分析といった運用タスクが発生します。これを既存の担当者が片手間でやると、結局回らずに形骸化します。導入前に「誰が・どの業務を・どれくらいの工数で回すか」を決めておくことが、投資を無駄にしないコツです。

目安として、取引先が数十社規模なら、マスタ保守だけで月5時間から10時間は見ておいてください。単価改定の時期にはこれが跳ね上がります。この工数を最初から誰かの担当業務として明記しておかないと、「気づいたら誰もマスタを直しておらず、古い単価で発注していた」という事故が起きます。

定型業務・事務作業は外注できる

マスタ登録やデータ入力、発注データの整理といった定型作業は、必ずしも社内の正社員が抱える必要はありません。こうしたバックオフィス業務は、オンラインアシスタントや在宅の事務スタッフに切り出せます。業務の切り出しに慣れた事務系の人材に依頼すれば、社員はより付加価値の高い業務(取引先との交渉、在庫戦略の立案)に集中できます。

事務・データ入力系の外注については、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のような職種別の相場データが、料金設定の目安として参考になります。事務代行やデータ入力の相場も、こうした職種別データと同じロジックで「時間単価×作業量」で見積もるのが基本です。発注する側としては、支払う金額を「月額いくら」ではなく「作業時間×単価」で分解して考えると、依頼範囲を増減させたときの金額の動きが読めるようになります。

システム連携・カスタマイズはエンジニアに依頼する

基幹システムとの連携やAPI連携、独自のカスタマイズが必要な場合は、システム開発の専門家が必要です。受発注システムと自社の会計・生産管理システムをAPIでつなぐ、といった作業は、アプリケーション開発の知見がある人材でないと難しい。こうした開発案件を依頼したい場合は、アプリケーション開発のお仕事で、どんなスキルの人材にどんな仕事を頼めるかのイメージがつかめます。連携やデータ活用の設計そのものを相談したいなら、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のような業務活用支援の専門家に相談する手もあります。

システム連携を扱うエンジニアの費用感を知りたい場合は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場が発注前の予算感の参考になります。ネットワーク周りの知識が必要なケースでは、CCNA(シスコ技術者認定)のような資格を持つ人材が対象になることもあります。マーケティングやセキュリティを含む幅広い業務支援を探すならAI・マーケティング・セキュリティのお仕事も選択肢に入ります。

取引先とのやり取りには文書スキルも効く

受発注システムの導入時には、取引先への協力依頼文書、運用マニュアル、社内向けの手順書など、意外と多くの文書作成が発生します。こうした業務文書を的確に作れるスキルは、導入をスムーズに進める潤滑油になります。文書作成の基礎スキルの目安としてはビジネス文書検定のような資格が一つの指標になります。取引先への依頼文が下手だと、それだけで移行が滞ることもあるので、ここは軽視できません。

導入後につまずきやすい3つのポイント

実際に稼働してから問題になりやすいのは、たいてい次の3つです。事前に手当てしておけば避けられます。

一つ目は、マスタの陳腐化です。商品が入れ替わったのにマスタが更新されず、廃番品を発注してしまう。これは担当者と更新タイミングをルール化するしかありません。二つ目は、システム外の抜け道です。急ぎの発注だけ電話で済ませる運用が残ると、履歴が分断されて検収も請求突合も合わなくなります。緊急時こそシステムに入力する、という原則を先に決めておいてください。三つ目は、取引先の担当者交代です。せっかく操作を覚えてもらった担当者が異動すると、そこだけFAXに戻ります。取引先側にも複数名で操作できる体制を作ってもらうよう、最初の依頼時にお願いしておくのが有効です。

発注コストを最適化する視点:中間マージンと直接取引

最後に、発注担当者として長期的に効いてくるコストの話をします。受発注システムは「取引を効率化する」仕組みですが、取引そのもののコスト構造も同時に見直すと、削減効果はさらに大きくなります。

運営者の視点から見た「双方が得をする」構造

在宅ワーク・フリーランス市場を20年近く見てきた立場から言えば、発注コストで最も見落とされがちなのが「中間マージン」です。代理店や仲介会社を通すと、発注者が支払う金額の一定割合が仲介手数料として抜かれます。同じ10万円の予算でも、仲介経由なら実際に手を動かす人に届くのは8万円ほど、という構図は珍しくありません。

運営者として見てきた限りでは、長く良い関係が続く発注者ほど、この構造を理解して直接取引を選んでいます。仲介手数料が乗らない直接取引なら、発注者は同じ予算でより多くを頼めるし、受け手は手数料0%で手取りが厚くなる。これは「安く買い叩く」という話ではありません。中間で抜かれていた分が、発注者と受け手の双方に還元されるという「双方が得をする」構造なのです。額面の金額よりも、その予算が実際にどれだけの仕事量・品質に変わるか、という手取りの物語で考えると、直接取引の価値が見えてきます。

私が発注側でやってしまった失敗

私自身、初めて業務システムの導入支援を外注したとき、大手のIT企業に一括で頼んで、後から見積もりの内訳を見て青ざめた経験があります。作業自体はほとんど外部のフリーランスが担っていて、間に何社も入って手数料が積み上がっていた。同じ人に直接頼めば、おそらく半分近いコストで済んだはずでした。安さだけで選ぶのも危険ですが、「なぜこの金額なのか」の内訳を見ずに丸投げすると、中間マージンで膨らんだ金額を払わされます。相見積もりを取り、内訳を確認し、直接依頼できる部分は直接頼む。この当たり前を徹底するだけで、発注コストはかなり変わります。

受発注システム × 直接取引の相乗効果

受発注システムで日々の取引を効率化しつつ、外注や業務委託の部分では中間マージンを排した直接取引を選ぶ。この二つを組み合わせると、発注コストは「業務効率化」と「取引構造の最適化」の両面から圧縮できます。システム導入は一度きりの投資ですが、直接取引による手数料削減は取引が続く限り効き続けます。発注担当者として長期のコスト最適化を考えるなら、システムだけでなく「誰に・どういう経路で頼むか」まで含めて設計するのが賢いやり方です。

在宅ワーク求人サイトや業務委託マッチングサービスを使えば、代理店を介さず直接、事務代行やシステム開発の人材とつながれます。受発注業務のデジタル化と、その運用を担う人材の直接調達。この両輪で回すのが、これからの発注担当者にとって現実的で強い戦略だと考えています。

よくある質問

Q. インフォマートの受発注は無料で使えますか?

資料ダウンロードやデモ・トライアルは無料で利用できますが、発注業務の基幹に据えるフル機能の利用は有料です。受注側(取引先)が発注側の招待で参加する場合に負担が軽くなるケースはありますが、完全無料で永続利用できるわけではありません。有料導入時の総コストと削減効果を比べて判断してください。

Q. 費用の相場はどれくらいですか?

公式に定価は明示されず、拠点数・取引先数・機能により変動する個別見積もりが基本です。一般的なクラウド型受発注システムの相場では初期費用0円〜数十万円、月額2万円前後から機能を増やすと10万円超まで幅があります。正確な金額は必ず個別見積もりを取り、削減できる工数と比べて判断しましょう。

Q. 発注側だけが導入すれば使えますか?

データ受発注は、発注側と受注側(取引先)の両方がプラットフォームに乗って初めて成立します。発注側だけ導入しても、取引先がFAXや電話のままだとデータ化の効果は限定的です。優先度の高い取引先から段階的に協力を取り付けるのが現実的な進め方です。

Q. 導入や運用は外注できますか?

できます。マスタ登録やデータ入力といった定型業務はオンラインアシスタントや在宅事務スタッフに、基幹システムとの連携やカスタマイズはアプリ開発エンジニアに依頼できます。代理店を介さずフリーランスへ直接依頼すれば中間マージンがかからず、コストを抑えられます。相見積もりで内訳を確認するのがおすすめです。

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この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月9日最終更新:2026年8月26日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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