アプリストア掲載文の翻訳費用|ASO対応する多言語ストア文の料金相場 2026


この記事のポイント
- ✓アプリストア掲載文の翻訳費用相場を発注者向けに解説
- ✓App Store・Google Playの多言語対応
- ✓ASOを意識した翻訳の料金内訳
アプリストア掲載文の翻訳を外注しようとして、見積もりの幅の広さに戸惑っていませんか。1言語あたり5,000円程度という提示もあれば、3万円を超える見積もりもあり、何が違うのか判断がつかないまま発注先を決めかねている担当者は少なくありません。結論から言うと、アプリストア掲載文の翻訳費用は1言語あたり5,000円〜3万円が相場で、金額差の大部分はASO(アプリストア最適化)の設計込みかどうかで決まります。単なる直訳を依頼するのか、キーワード最適化まで含めた翻訳を依頼するのかで、費用も成果も大きく変わります。
アプリストア掲載文翻訳の市場動向とマクロ視点
まず現状を俯瞰しておきます。スマートフォンアプリの海外展開は、開発費に比べてストア掲載文の多言語化コストが軽視されがちな領域です。しかし実際には、掲載文(タイトル・サブタイトル・説明文・キーワード)の質が新規インストール数を左右するという調査結果が複数のASO専門機関から出ています。
App StoreとGoogle Playは、それぞれ175以上の国と地域、190以上の言語に対応するプラットフォームです。日本発のアプリが海外市場に展開する際、英語だけを翻訳して「多言語対応した」と考えているケースをよく見かけますが、これは機会損失につながりやすい判断です。実際には英語圏以外の市場、特に中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、スペイン語、ポルトガル語(ブラジル)といった言語圏の方が、競合アプリの掲載文の作り込みが甘く、ASO面での差別化がしやすいという傾向が見られます。
翻訳会社やクラウドソーシングの相場データを横断的に見ると、アプリストア掲載文の翻訳は一般的な文書翻訳よりもやや高めの単価がつくことが多いです。理由は明確で、文字数が短い(タイトルは30文字前後、サブタイトルも同程度)割に、1文字あたりの訴求力が求められるためです。翻訳者にとっては「短いのに難しい」仕事であり、その分、単価に反映されます。
中間マージンが乗らない直接依頼であれば、同じ予算でより多くの言語に対応できる、あるいは同じ言語数でもより経験豊富な翻訳者に依頼できるという選択肢が生まれます。代理店を経由する場合との差は、後述する料金内訳で具体的に見ていきます。
アプリストア掲載文とは何を翻訳するのか
「アプリストア掲載文の翻訳」と一括りに言っても、実際に翻訳対象となる要素は複数あります。発注前にどこまでを依頼するのかを整理しておかないと、見積もりの比較ができません。
App Store掲載文の構成要素
App Store Connectでアプリを多言語対応する際、翻訳が必要になる主な項目は以下の通りです。
・アプリ名(30文字以内) ・サブタイトル(30文字以内) ・プロモーションテキスト(170文字以内、アップデート不要で変更可能) ・説明文(4,000文字以内) ・キーワード(100文字以内、カンマ区切り) ・スクリーンショット内のテキスト(画像内キャプション) ・What's Newテキスト(アップデート内容の説明)
このうち「キーワード」フィールドはユーザーには表示されませんが、検索順位に直結する重要な要素です。単純に日本語キーワードを翻訳するだけでは不十分で、対象言語圏でどのような検索語句が使われているかのリサーチが必要になります。ここがASO対応の翻訳とただの直訳の分かれ目です。
Google Play掲載文の構成要素
Google Playの場合は項目名がやや異なります。
・アプリ名(30文字以内) ・簡単な説明(80文字以内) ・詳細な説明(4,000文字以内) ・スクリーンショット・グラフィック内テキスト
Google Playにはキーワード専用フィールドがなく、詳細な説明文の中に自然にキーワードを織り込む必要があります。これはApp Storeとは異なるスキルセットが求められる部分で、Google Play向けのASOに慣れた翻訳者かどうかで仕上がりに差が出ます。
検索 Today ゲーム アプリ Arcade プラットフォーム iPhone iPad Mac Vision Watch TV 翻訳 ユーティリティ 出典: apps.apple.com
App Storeのカテゴリ構成を見ても分かる通り、翻訳やユーティリティ系のアプリは細分化されたプラットフォーム(iPhone、iPad、Mac、Watchなど)ごとに掲載文を最適化できる設計になっています。マルチプラットフォーム展開しているアプリほど、掲載文翻訳の対象範囲も広がるため、見積もり時にどのプラットフォーム分を含めるかを明確にしておく必要があります。
アプリストア掲載文翻訳の料金相場
ここからは実際の費用感を、依頼内容別に整理します。
単純翻訳(直訳ベース)の相場
日本語の掲載文をそのまま対象言語に翻訳するだけであれば、5,000円〜1万5,000円程度が1言語あたりの相場です。文字数が少ない(説明文含めても2,000〜3,000文字程度)ため、一般的な文書翻訳(1文字あたり10〜20円程度)よりも総額は抑えられます。
ただしこの価格帯は、あくまで「意味が通る翻訳」の相場です。現地ユーザーの検索行動やダウンロード意欲を意識した表現の調整までは含まれないケースが多く、コンバージョン率(CVR)の改善は期待しにくいという点は理解しておく必要があります。
ASO最適化込みの翻訳(トランスクリエーション)の相場
ASOを意識したトランスクリエーション(単なる翻訳ではなく、文化的背景や検索意図を踏まえた再構成)を依頼する場合、費用は1万5,000円〜3万円程度に上がります。
この価格帯には、対象言語圏でのキーワードリサーチ、競合アプリの掲載文分析、A/Bテスト用の文言バリエーション作成といった作業が含まれることが多いです。単価は上がりますが、新規インストール数への貢献度は単純翻訳より高い傾向にあります。
言語数によるボリュームディスカウント
複数言語をまとめて依頼する場合、1言語あたりの単価が下がることが一般的です。目安としては以下のような段階になります。
・1〜2言語:単価そのまま(5,000円〜3万円/言語) ・3〜5言語:単価の5〜10%程度が値引きされることが多い ・6言語以上:単価の10〜20%程度が値引きされることが多い
ただし、この値引き幅は依頼先によってかなり差があります。代理店経由だと「まとめ発注割引」を強調しつつも、そもそもの単価が高く設定されているケースもあるため、値引き率だけを見て判断するのは避けた方が良いでしょう。
代理店経由と直接依頼の費用構造の違い
アプリストア掲載文の翻訳を依頼する経路は大きく分けて3つあります。翻訳会社(代理店)、クラウドソーシング経由のフリーランス、専門プラットフォームからの直接依頼です。
翻訳会社(代理店)経由の場合
翻訳会社に依頼すると、コーディネーターの人件費、品質チェック工程、営業経費などが料金に上乗せされます。一般的に、実際に翻訳作業を行う翻訳者への支払いに対して、代理店のマージンが30%〜50%程度乗ることが多いと言われています。
この上乗せ分は、案件管理やクレーム対応の代行、複数言語をワンストップで手配できる利便性への対価でもあるため、一概に「割高で損」とは言えません。急ぎの案件や、翻訳品質の担保を第三者に保証してほしい場合には、代理店経由のメリットが上乗せ分を上回ることもあります。
クラウドソーシング経由の場合
クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサイトでは、フリーランス翻訳者に直接発注できますが、プラットフォームの手数料(16.5%〜20%程度)が翻訳者側の受取額から差し引かれます。発注者から見ると表面上の見積もり額は代理店より安く見えても、翻訳者側の実入りが減る分、応募してくる翻訳者の質にばらつきが出やすいという側面があります。
専門プラットフォームからの直接依頼の場合
フリーランス翻訳者へ手数料0%で直接依頼できるプラットフォームを使う場合、代理店マージンもクラウドソーシング手数料も発生しないため、同じ予算でより経験豊富な翻訳者に依頼できる、あるいは同じ翻訳者に依頼しても総額を抑えられるという構造になります。
私自身、初めて外注する側に回った際に見積もりを3社から取り、金額の内訳をよく見ずに一番安い代理店を選んで失敗した経験があります。後から分かったのは、その代理店の見積もりには「校正1回のみ」しか含まれておらず、修正のたびに追加料金が発生する契約だったことです。結果的に、最初から内訳を細かく確認していれば選ばなかった業者でした。見積もりを比較するときは、総額だけでなく「その金額に何が含まれ、何が含まれていないか」を必ず確認する必要があります。
ASO対応の翻訳を依頼する際に確認すべき項目
見積もりを比較する前に、依頼内容を固めておくことが失敗を防ぐ最短ルートです。以下の項目を発注前にリストアップしておくことをお勧めします。
対象プラットフォームと項目の明確化
App StoreとGoogle Playの両方に対応するのか、片方だけなのか。アプリ名・サブタイトル・説明文・キーワードのうち、どこまでを翻訳対象にするのかを明確にしておきます。プラットフォームや項目が曖昧なまま発注すると、後から追加費用が発生する原因になります。
キーワードリサーチの有無
対象言語圏での検索キーワード調査を含むかどうかで、料金も成果も大きく変わります。単純に日本語キーワードを直訳しただけでは、現地ユーザーが実際に検索する語句と一致しないことが珍しくありません。この工程を含むかどうかは、見積もり依頼時に必ず確認すべきポイントです。
文字数制限への対応力
App Storeのアプリ名は30文字、サブタイトルも30文字という厳しい制限があります。日本語で意味が通っていても、対象言語に翻訳すると文字数が増えてしまい、制限内に収まらないケースが頻繁に発生します。この「文字数調整」のスキルは翻訳の巧拙が最も出やすい部分で、経験の浅い翻訳者だと機械的に文字を削って意味が通らなくなることもあります。
修正回数とフィードバック対応
初稿に対して何回まで無料で修正を依頼できるか、事前に契約条件として確認しておきます。多くの案件では1〜2回の修正が標準的な範囲に含まれますが、それ以上は追加料金となるケースが一般的です。
現地ユーザーによるネイティブチェックの有無
翻訳者本人が現地ネイティブかどうか、あるいは別途ネイティブチェック工程が入るかどうかも、料金差の大きな要因です。特に英語圏以外の言語(中国語、韓国語、アラビア語など)では、翻訳者の出身地域によって表現の自然さにかなり差が出ることがあります。
依頼から納品までの流れ
一般的な発注から納品までのフローを整理します。
ステップ1:要件定義
対象言語、対象項目、キーワードリサーチの有無、納期を明確にした依頼書を作成します。既存の日本語掲載文と、可能であれば競合アプリの海外版掲載文の例を添付すると、翻訳者側のイメージが掴みやすくなります。
ステップ2:見積もり比較
複数の翻訳者・翻訳会社から見積もりを取ります。この段階で、単価だけでなく修正回数・キーワードリサーチの有無・納期を横並びで比較することが重要です。
ステップ3:トライアル翻訳(推奨)
初めて依頼する翻訳者の場合、いきなり全項目を発注するのではなく、アプリ名とサブタイトルだけを先にトライアル発注し、品質を確認してから本発注に進む方法があります。追加費用は発生しますが、大きな失敗を防ぐ保険として有効です。
ステップ4:本発注と納品
トライアルで問題がなければ、残りの項目を発注します。納品後は文字数制限内に収まっているか、文字化けやレイアウト崩れがないかを必ず確認してから、実際のストア掲載文に反映させます。
ステップ5:反映後のモニタリング
反映後は、対象言語圏でのダウンロード数やコンバージョン率の変化をモニタリングします。ASO対応の翻訳であれば、反映から数週間で検索流入の変化が見え始めることが一般的です。効果が薄い場合は、キーワードの見直しや文言のA/Bテストを検討します。
発注者が陥りやすい失敗パターン
外注経験が浅い担当者ほど陥りやすい失敗をいくつか紹介します。
安さだけで依頼先を選んで、後から品質面で苦労したという声はよく聞きます。私自身も、初めての海外展開案件で最安値の翻訳者に依頼した結果、直訳調で現地の言い回しとしては不自然な仕上がりになり、結局別の翻訳者にリライトを依頼し直した経験があります。当初の見積もりが安くても、リライトの費用と時間を含めると、最初から適正価格の翻訳者に依頼した方が総コストは低かったというのが正直な感想です。
もう一つよくある失敗は、機械翻訳の後処理(ポストエディット)と、ゼロから翻訳する作業を同じ料金で依頼してしまうケースです。機械翻訳の精度が上がったとはいえ、アプリストア掲載文のような訴求力が求められる短文では、機械翻訳ベースの修正だけでは不自然さが残ることが少なくありません。依頼時に「ゼロベースの翻訳」なのか「機械翻訳のポストエディット」なのかを明確にしておくと、料金と品質のミスマッチを防げます。
独自データ考察:直接依頼が中小アプリ開発者に向く理由
アプリストア掲載文の翻訳は、大規模な開発予算を持つ企業だけでなく、個人開発者や小規模チームにとっても必要性の高い外注業務です。特に海外市場への展開初期段階では、翻訳予算そのものが限られていることが多く、代理店経由の高額な見積もりでは複数言語への同時展開が難しくなります。
在宅ワーク・フリーランスマッチングの領域を長く見てきた運営者の視点から言えば、翻訳の外注で成功している発注者ほど、単発の翻訳依頼で終わらせず、同じ翻訳者に継続的に依頼する関係を作っています。アプリのアップデートのたびに掲載文を微調整する必要があるため、そのアプリの文脈やブランドトーンを理解している翻訳者に継続依頼できると、毎回ゼロから説明する手間が省け、結果的に総コストも下がる傾向があります。
中間マージンが発生しない直接依頼の場合、同じ予算でより多くの言語に対応できる、あるいは同じ予算で継続依頼の頻度を上げられるという選択肢が生まれます。これは発注者にとって「予算内でできることが増える」というメリットであると同時に、受け手である翻訳者にとっても「同じ作業量でより多くの手取りが得られる」というメリットになります。運営者として見てきた限りでは、この双方が得をする関係性こそが、継続的な外注パートナーシップの土台になっています。額面上の単価だけを見るのではなく、その予算で何ができるかという視点で発注先を選ぶことが、長期的なコスト最適化につながります。
翻訳のような専門スキルを持つ人材を探す際は、英語・多言語翻訳のお仕事のガイドで、依頼可能な業務範囲や進め方の実例を確認できます。また、映像コンテンツの多言語対応も同時に検討している場合は、映像翻訳・字幕・通訳のお仕事も参考になります。ストア掲載文だけでなく、ヘルプページやマニュアルの多言語ライティングまで見据えるなら、翻訳・ライティングレッスンのお仕事で翻訳者のスキルセットの幅を把握しておくと、発注範囲の判断がしやすくなります。
翻訳者の単価相場を事前に把握しておきたい場合は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のデータベースで、ライティング・翻訳職の一般的な単価水準を確認できます。エンジニアリング面も含めたアプリ開発全体の外注を検討している場合は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場も参考になります。
翻訳者選びで品質を担保したい場合、資格を一つの判断材料にする方法もあります。JTF翻訳品質認証を取得している翻訳者は、一定の翻訳品質基準をクリアしていることの目安になります。中国語圏への展開を検討している場合は、中国語検定(中検)1級を持つ翻訳者かどうかも選定基準の一つになり得ます。
アプリストア掲載文の翻訳は、金額の大小だけで判断するものではなく、対象言語圏の市場特性、ASO対応の有無、継続依頼のしやすさまで含めて総合的に検討すべき外注業務です。最初の見積もり比較で内訳を丁寧に確認し、単発ではなく継続的な関係を築ける翻訳者を見つけることが、海外展開を成功させる近道になります。
公的機関・関連参考情報
本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。
よくある質問
Q. アプリストア掲載文の翻訳は何言語まで一度に依頼できますか?
依頼先による制約はほぼありませんが、複数言語をまとめて発注すると単価の5〜20%程度の値引きが適用されることが多いです。品質確認の手間を考えると、初回は2〜3言語からのスタートが現実的です。
Q. 機械翻訳とプロ翻訳、どちらを使うべきですか?
機械翻訳は速く安価ですが、アプリ名やサブタイトルのような短く訴求力が求められる文言では不自然さが残りやすいです。ASOでの成果を重視するなら、プロ翻訳またはポストエディットを推奨します。
Q. キーワードリサーチも依頼した方がいいですか?
検索流入からのダウンロード獲得を狙うなら推奨します。単純翻訳だけだとキーワードが現地ユーザーの検索語句と一致せず、掲載文の質に対してダウンロード数が伸びないことがあります。
Q. 翻訳後、実際の効果はどれくらいで分かりますか?
反映後、数週間程度で対象言語圏の検索流入やダウンロード数に変化が見え始めることが一般的です。効果が薄い場合はキーワードや文言のA/Bテストで改善を図ります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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