Microsoft Formsのアンケートで、回答によって質問を分岐させる設定方法


この記事のポイント
- ✓Microsoft Forms(フォームズ)のアンケートで
- ✓回答に応じて質問を分岐させる設定方法を解説します
- ✓質問単位とセクション単位の手順
Microsoft Forms(フォームズ)でアンケートを作っていると、「この質問は、さっき『はい』と答えた人にだけ見せたい」という場面が必ず出てきます。そのときに使うのが分岐の設定です。分岐とは、ある質問への答えによって、次に表示する質問を変える仕組みのことです。設定そのものは数分で終わりますが、「前の質問には戻せない」「セクションを入れると並べ替えの機能が止まる」といった決まりを知らないまま作ると、回答者が途中で迷子になります。
この記事では、Microsoft Formsのアンケートで分岐を設定する手順を、質問単位とセクション単位の両方で説明し、よく使う分岐の型、うまく動かないときの確認点、作るときの注意点、集まった回答の読み方まで順番に整理します。後半では、分岐でふるい分けた回答を受け取ったあと、担当と対応状況をつけて返信まで同じ画面で進められるフォームのHalictにも触れます。
Microsoft Formsの分岐でできること
Microsoft Formsは、Microsoftアカウントがあれば使えるフォーム作成の道具です。会社で Microsoft 365 を契約していれば、多くの場合そのまま使えます。社内アンケート、研修後の振り返り、イベントの出欠確認、取引先への満足度調査など、用途は幅広く、Teamsの中から投票を取るときにも使われています。
分岐の機能について、Microsoftの公式ヘルプは次のように説明しています。
テストやアンケートに分岐ロジックを追加し、特定の質問に対する回答に従って変更することができます。 分岐するアンケートまたはテストでは、質問は回答者に関係がある場合にのみ表示されます。 質問が該当しない場合、回答者は別の質問セットに送られたり、質問のセットをそっくりスキップされたりします。 出典: support.microsoft.com
ここで出てくる「分岐ロジック」は、分岐の設定を指す言葉です。難しく考える必要はなく、「この答えを選んだら、次はこの質問へ進む」という行き先の指定を、質問ごとに決めておくものだと考えてください。
分岐を使うと、回答する人と集計する人の両方に利点があります。
回答する人にとっての利点
自分に関係のない質問を飛ばせるので、回答にかかる時間が短くなります。たとえば研修の申し込みで「参加しない」を選んだ人に、受講したい日程や食事の希望まで聞く必要はありません。関係のない質問が並ぶと、途中で読む気がなくなって閉じてしまう人が出ます。質問の数そのものよりも、「これは自分に関係あるのか」と考えさせる回数が、回答者の負担になります。
集計する人にとっての利点
答えが種類ごとに分かれた状態で届くので、集計が楽になります。たとえば社内の困りごとアンケートで「パソコン」「勤怠」「経費」の3つに分けて質問を変えておけば、届いた時点で中身がそろっています。後から「どの件の話ですか」と聞き直す手間も減ります。
対象外の人を早めに案内できる
参加条件がある募集では、条件に合わない人を最初の数問で見分け、そのまま送信の画面へ進ませることができます。最後まで入力してから「今回は対象外でした」と伝えるより、回答する人の時間を大切にできます。
翻訳や多言語の仕事をしていると、アンケートの冒頭で「日本語で回答する」「英語で回答する」を選ばせ、それぞれの言語の質問へ分ける作り方をよく見かけます。1つのフォームに2つの言語を並べると、画面が長くなり、どちらを読めばよいのか迷わせてしまうからです。この使い方も、分岐の典型的な例の1つです。
分岐を設定する前に整えておくこと
公式ヘルプには、分岐を追加する前に「質問がすべて作成されていることを確認することをお勧めします」と書かれています。これは手順の上でも大事な助言で、分岐は「どの質問からどの質問へ進むか」の組み合わせなので、行き先になる質問がまだ無い状態では設定できません。
作り始める前に、紙やメモに流れ図を書いておくと失敗が減ります。書き方は簡単で、次の3つを順に並べるだけです。
- 全員に聞く質問(名前、所属、参加の有無など)
- 分かれ道になる質問と、その選択肢
- 選択肢ごとに、次に見せる質問と、最後にどこで終わるか
たとえば研修の申し込みなら、次のような流れになります。
| 質問 | 「はい」と答えた人 | 「いいえ」と答えた人 |
|---|---|---|
| 1. 研修に参加しますか | 質問2へ | 質問5へ |
| 2. 参加する日程を選んでください | 質問3へ | 対象外 |
| 3. 受講の形式(会場・オンライン) | 質問4へ | 対象外 |
| 4. 事前に聞きたいこと | フォームの最後へ | 対象外 |
| 5. 参加しない理由(任意) | 対象外 | フォームの最後へ |
この表を作っておくと、編集画面で迷いません。行き先の指定漏れや、同じ質問を二度見せてしまう重複も、作る前に見つけられます。
もう1つ整えておきたいのが、分かれ道になる質問の形式です。公式ヘルプの説明は、「はい」「いいえ」の選択肢の質問を例にしています。分かれ道は、答えが1つに決まる選択肢の質問にしておくのが確実です。複数の答えを選べる形にすると、どの組み合わせを選んだ人をどこへ送るのかが決めにくくなり、作る側も回答する側も混乱します。分かれ道にする質問だけは、1つだけ選ぶ形にしておきましょう。
質問単位で分岐させる手順
ここからは、公式ヘルプの手順に沿って設定の流れを説明します。画面の名前は今日時点の公式ヘルプの表記に合わせています。
- 分岐を追加したい質問に移動します。
- 質問の右上にある「その他の設定」(点が3つ並んだアイコン)を選び、「分岐の追加」を選びます。
- 「分岐オプション」のページが開きます。分岐させたい質問の横にあるドロップダウンリストを選びます。
- 選択肢ごとに、進ませたい先の質問を選びます。
公式ヘルプの例では、質問5に「はい」と答えた人は次の質問6へ、「いいえ」と答えた人は質問7へ進むように指定しています。
分岐を増やすときは、手順3と4を繰り返します。そして、ある質問を最後の質問にしたいときは、その質問の横のドロップダウンで「フォームの最後」を選びます。公式ヘルプにも、次のように書かれています。
アンケートまたはテストに追加の分岐を挿入するには、手順 2 と 3 を繰り返します。 アンケートまたはテストの最後のものとして特定の質問を割り当てたい場合は、その質問の横にあるドロップダウン リストを選択し、[フォームの最後] を選びます。 出典: support.microsoft.com
この「フォームの最後」の指定が、分岐で最も忘れやすいところです。先ほどの研修の例でいえば、「はい」の人の最後の質問4で「フォームの最後」を指定しておかないと、質問4を答えた人がそのまま質問5(参加しない理由)へ進んでしまいます。参加すると答えたのに「参加しない理由」を聞かれれば、回答者は戸惑いますし、集計にも余計な答えが混ざります。
分岐の設定をやり直したいときは、分岐オプションのページで「その他のオプション」を選び、「リセット」を選ぶと、フォームの分岐がすべて消えて最初の状態に戻ります。部分的に直すつもりが、行き先がこんがらがってしまったときに使えます。ただし全部が消えるので、流れ図を手元に残しておくと作り直しが早く済みます。
セクション単位で分岐させる手順
質問の数が多いアンケートでは、質問を「セクション」に分けて整理できます。セクションとは、関係のある質問をひとまとまりにした区切りのことで、回答者の画面では1ページずつ表示されます。公式ヘルプには、セクションの追加方法が次の順で書かれています。
- Microsoft Formsで、セクションを追加したいフォームを開きます。
- 「新規追加」を選びます。
- フォームの一番下までスクロールし、「新しい質問の追加」を選びます。
- 「セクション」を選びます。
- セクションのタイトルとサブタイトルを入れ、このセクションで何を聞くのかを回答者に示します。
セクションを作ったら、セクションにも分岐を追加できます。セクションの右上にある「その他の設定」から「詳細設定」を選び、「分岐の追加」を選ぶ流れです。こうしておくと、ある質問に答えた人をセクションごと別の場所へ送れます。
質問単位とセクション単位のどちらを使うかは、分かれた先の質問の数で決めるのが分かりやすいです。
| 分かれた先の質問 | 向いている作り方 | 理由 |
|---|---|---|
| 1〜2問だけ | 質問単位の分岐 | セクションを作るほどの量がなく、設定も短く済む |
| 3問以上のまとまり | セクション単位の分岐 | 行き先をまとめて指定でき、並べ替えも楽になる |
| 言語や立場で全体が変わる | セクション単位の分岐 | 「日本語の質問」「英語の質問」のように丸ごと分けられる |
多言語のアンケートでは、セクションの使い方がとくに効きます。冒頭で言語を選ばせ、日本語のセクションと英語のセクションへ分けておけば、それぞれの回答者は自分の言語だけを読めます。英語のセクションを作るときは、日本語を直訳するよりも、英語のアンケートでよく使われる言い回しにそろえるほうが答えやすくなります。たとえば「ご意見をお聞かせください」は、直訳の "Please tell us your opinion" より "We'd love to hear your feedback" のほうが、英語のアンケートとして自然に読まれます。機械翻訳の下訳は便利ですが、選択肢の短い言葉ほど訳の揺れが答えに響くので、最後は人の目で読み直すことをすすめます。
よく使う分岐の型4つ
分岐の作り方には、何度も使われる型があります。自分のアンケートがどの型に近いかを先に決めると、設計が速く進みます。
型1:対象外の人を早めに終わらせる
最初に参加の有無や条件を聞き、当てはまらない人は「フォームの最後」へ送る型です。研修の申し込み、モニターの募集、社内の利用申請などで使います。対象外の人は数問で送信できるので、回答の手間がかかりません。集計する側も、条件に合わない回答を後から取り除く作業が減ります。
型2:答えによって深掘りの質問を変える
満足度を聞いたあと、「不満」と答えた人にだけ理由を尋ねる型です。満足している人に「不満な点を教えてください」と聞いても、空欄か「特になし」が並ぶだけです。不満を選んだ人にだけ自由記述の欄を見せると、意見の中身が濃くなります。
型3:立場ごとに質問の組を変える
「社員」「派遣・業務委託」「取引先」のように、回答者の立場で質問をまるごと変える型です。セクション単位の分岐が向いています。立場ごとに聞きたいことが違うのに、同じ質問を全員に並べると、どの立場の人にも答えにくい質問が混ざります。
型4:問い合わせの種類で受付を分ける
社内の問い合わせ窓口として使うときの型です。「パソコンの不具合」「勤怠の修正」「経費の精算」などを最初に選ばせ、種類ごとに必要な情報(機種名、対象日、金額など)だけを聞きます。届いた時点で必要な情報がそろうので、担当者が聞き直す手間が減ります。
4つの型は組み合わせても使えます。ただし、分かれ道を重ねるほど流れ図は複雑になります。1つのアンケートで分かれ道は2つから3つに抑え、それ以上になるときはフォーム自体を分けることを考えてください。
分岐が思いどおりに動かないときの確認ポイント
分岐を設定したのに、回答画面で試すと思った順番に進まないことがあります。よくある原因は次のとおりです。
前の質問へ戻る指定をしている
Microsoft Formsの分岐は、後ろにある質問へしか進めません。公式ヘルプには、7問のフォームで質問4に分岐を追加する場合、行き先に選べるのは質問5、6、7、またはフォームの最後だけだと書かれています。もし質問4から質問2へ戻るような指定をすると、回答者の操作が中断され、残りの質問を飛ばして送信ボタンのある最後の画面へ進んでしまうとされています。行き先は必ず後ろの質問にしてください。
「フォームの最後」の指定が抜けている
先ほども触れたとおり、分かれた先の最後の質問で「フォームの最後」を選んでいないと、別の分岐の質問へそのまま流れ込みます。分かれ道ごとに、終わりの位置を確かめてください。
質問の並び順を後から入れ替えた
分岐を設定したあとで質問を上下に動かすと、行き先が前の質問になってしまうことがあります。並べ替えは分岐を設定する前に済ませるのが原則です。動かした場合は、分岐オプションのページを開き、行き先をもう一度見直します。
プレビューで全部の道を試していない
フォームの編集画面にある「プレビュー」で、選択肢ごとに最後まで答えてみてください。分かれ道が2つなら、少なくとも4通りの道を試すことになります。面倒でも、ここを省くと公開後に「質問が飛んだ」「同じことを二度聞かれた」という声が届きます。パソコンだけでなく、スマートフォンの表示でも一度確かめておくと安心です。
分岐を使うときの注意点
分岐は便利ですが、知らずに使うとつまずく決まりがいくつかあります。
セクションを入れると質問のシャッフルが使えない
Microsoft Formsには、質問の並び順を回答者ごとに入れ替える「シャッフル」の機能があります。公式ヘルプには、フォームにセクションを含めると、質問のシャッフル機能は無効になると書かれています。テストで出題順を入れ替えたい場合と、セクションで分岐させたい場合は両立しにくいので、どちらを優先するかを先に決めておきましょう。
フォームと回答の数には上限がある
Microsoft Formsには、作れるフォームの数や受け取れる回答の数に上限があります。公式ヘルプの上限の一覧では、1人が作れるフォームとテストは最大400、1つのフォームの質問は最大200、受け取れる回答は最大5,000,000件です。一方で、Microsoftの個人用アカウント(Outlook.comなど)では、受け取れる回答は無料のアカウントで最大200件、有料のアカウントで最大1,000件とされています。上限にはごみ箱に入ったフォームも数えられます。詳しくは公式のフォーム、質問、回答、文字数の上限で確かめてください。
個人のアカウントで社外向けのアンケートを取ると、回答が上限に届いて受付が止まることがあります。参加者が多くなりそうな募集では、会社のアカウントで作るか、回答をExcelに書き出してから整理するなど、先に手を打っておくと安心です。
分岐で飛ばした質問は空欄で届く
分岐で表示されなかった質問は、その回答者の分は空欄のまま記録されます。集計で「空欄が多いから答えにくい質問だった」と読み違えないよう、どの道を通った人が答える質問なのかを、集計のときにも頭に入れておく必要があります。
必須の設定と分岐の組み合わせ
分岐した先の質問を「必須」にしておくのは問題ありません。表示されなかった人には答えようがないので、必須の質問でも空欄で送信できます。逆に、全員が通る質問を必須にし忘れると、肝心の分かれ道の答えが空欄のまま届くことがあります。分かれ道になる質問は必須にしておきましょう。
回答者に見通しを伝える
分岐のあるアンケートでは、人によって質問の数が変わります。冒頭の説明に「回答にかかる時間は3分ほどです」のように目安を書いておくと、途中でやめる人が減ります。質問の数を書く場合は、いちばん長い道を通ったときの数を書いておくのが誠実です。
分岐のあるアンケートの集計と読み方
Microsoft Formsの回答は、フォームの「応答」の画面で質問ごとのグラフとして見られ、Excelで開いて表として集計することもできます。分岐のあるアンケートを集計するときは、次の順で進めると読み違いが減ります。
- 分かれ道の質問の答えで、回答を分ける(Excelのフィルターで「はい」の人だけ、「いいえ」の人だけを表示する)
- 分けたあとの回答で、それぞれの道の質問を集計する
- 空欄の数を見るときは、その質問を通るはずの人数を分母にする
たとえば、100人が回答し、満足度で「不満」を選んだのが20人だったとします。不満の理由の欄が15件埋まっていれば、記入率は15を100で割った15%ではなく、15を20で割った75%です。分岐を使ったアンケートでは、分母を全体の人数にすると、どの質問も答えが少なく見えてしまいます。
自由記述の答えは、件数が少なければそのまま読み、多ければ似た意見ごとに印を付けて数えます。分岐で対象を絞っているため、自由記述の中身は具体的になりやすく、改善のきっかけを見つけやすくなります。
作例:社内の困りごと受付フォームを分岐で組む
ここまでの手順を、1つのフォームに当てはめてみます。題材は、総務と情報システムの担当がよく作る「社内の困りごと受付」です。全員に聞く質問、分かれ道、分かれた先の質問を、次のように組みます。
| 順番 | 質問 | 形式 | 行き先 |
|---|---|---|---|
| 1 | 所属部署 | 選択肢 | 全員が質問2へ |
| 2 | 困りごとの種類(パソコン・勤怠・経費) | 選択肢(必須) | パソコンは3、勤怠は5、経費は7へ |
| 3 | 使っている機種名 | テキスト | 質問4へ |
| 4 | 起きている症状 | テキスト(長い回答) | フォームの最後 |
| 5 | 修正したい日付 | 日付 | 質問6へ |
| 6 | 正しい出退勤の時刻 | テキスト | フォームの最後 |
| 7 | 精算したい金額 | テキスト | 質問8へ |
| 8 | 精算の内容 | テキスト(長い回答) | フォームの最後 |
この表のとおりに作ると、パソコンの不具合を選んだ人は4問、勤怠の人も4問、経費の人も4問で送信できます。分岐を使わずに全部の質問を並べると8問になるので、回答者の手間はおよそ半分です。
設定のときに見落としやすいのは、質問4と質問6の「フォームの最後」です。ここを指定しないと、パソコンの不具合を答えた人が勤怠の質問へ流れ込みます。作り終えたら、プレビューで3つの道を1回ずつ最後まで通してください。3通りの確認で済むのは、分かれ道を1つに絞っているからです。
もう1つの工夫は、質問2の選択肢に「その他」を加えるかどうかです。「その他」を選んだ人の行き先を決めておかないと、そのまま質問3へ進んでしまいます。「その他」を加えるなら、内容を自由に書く質問を1つ用意し、そこへ送ってから「フォームの最後」で締めます。
テストで分岐を使うときの考え方
Microsoft Formsの分岐は、アンケートだけでなくテスト(クイズ)でも使えます。公式ヘルプも「テストやアンケートに分岐ロジックを追加し」と書いており、設定の手順はアンケートと同じです。
テストで分岐を使う代表的な形は、理解度に合わせて次の問題を変える作り方です。たとえば社内研修の確認テストで、基礎の問題を間違えた人には補足の説明と易しい問題を見せ、正解した人には応用の問題へ進ませます。全員に同じ問題を並べるより、苦手なところを重点的に確かめられます。
ただし、テストで分岐を使うときは、点数の比べ方に注意が要ります。通る道によって解く問題の数が変わるため、合計点をそのまま並べると、応用の道を通った人と基礎の道を通った人を同じ物差しで比べることになります。研修の効果を測りたいなら、全員が解く共通の問題を数問用意し、その正答率で比べるのが分かりやすい方法です。
また、先ほど触れたとおり、セクションを含めると質問のシャッフルが使えなくなります。出題の順番を人ごとに変えて答えの写し合いを防ぎたいテストでは、セクションを使わず質問単位で分岐させるか、分岐そのものを使わない形にするかを先に決めておきましょう。
分かれ道の質問文と選択肢の書き方
分岐が正しく動くかどうかは、設定だけでなく、分かれ道になる質問の言葉選びにも左右されます。回答者が選択肢を読み違えると、設定が正しくても違う道へ進んでしまうからです。
1つ目のコツは、選択肢どうしが重ならないようにすることです。「パソコンの不具合」と「ソフトの不具合」を並べると、Excelが動かない人はどちらを選べばよいか迷います。迷った人の半分が別の道へ進めば、集計も対応も混乱します。「パソコン本体や周辺機器」「ソフトやアカウント」のように、境目がはっきりした言葉に置き換えてください。
2つ目は、選択肢の長さをそろえることです。1つだけ長い説明の付いた選択肢があると、そこに目が引き寄せられ、選ばれやすくなります。説明が必要なら、質問文の下の説明欄にまとめて書きます。
3つ目は、否定の形を避けることです。「研修に参加しない予定はありませんか」のような二重否定の質問は、「はい」と「いいえ」のどちらが参加なのかが分かりにくく、分岐の行き先を取り違える原因になります。「研修に参加しますか」と肯定の形で聞くだけで、答え間違いはずいぶん減ります。
英語の質問を併記するときも同じで、"Will you attend?" のように短く、答えが1つに決まる形にそろえると、言語が違っても同じ道へ進んでもらえます。
回答を受け取ったあとの対応まで一か所で回したいとき
Microsoft Formsは、アンケートを作って回答を集め、Excelで集計するところまでが得意な道具です。Microsoft 365 を使っている職場で、社内向けのアンケートを取って集計して終わる用途なら、ほかの道具を探す理由はほとんどありません。
困りやすいのは、回答が届いたあとに「誰が対応するか」「どこまで進んだか」「回答者にどう返信したか」を追う必要がある場面です。たとえば問い合わせの種類で分岐させたフォームを社内窓口として使い始めると、届いた1件ごとに担当を決め、対応の状況をExcelの列に手で書き込み、返信はメールソフトから送る、という作業が増えていきます。担当者が2人、3人と増えると、「この件はもう返信したのか」の確認だけで時間が取られます。
この「受け取ったあと」をまとめて扱いたい場面で選べるのが Halict です。公式サイトによると、Halictではフォームに届いた回答が1件ずつ担当者・ステージ(対応の段階)・タグつきで記録され、同じ画面から回答者へ返信を送れて、開封まで記録されます。回答はステージごとのボードでも一覧の表でも見られ、担当者・タグ・期間で絞り込めます。フォームは12種類の項目から作れ、1画面に1問ずつ表示する形式や、送信直後の自動返信、AIによるフォームの下書きの生成にも対応しています。新しい回答をTeamsやSlackに知らせる設定は、チームのプラン以上で使えます。料金は、1人で使うフリーが0円で、有料のプランは税抜で月額2,980円からです。どのプランでもフォームの数と回答の数は無制限とされています。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
一方で、Halictの公式サイトの機能一覧には、Microsoft Formsのような「回答に応じて質問を分岐させる」機能は記載されていません。分岐で細かく出し分けたい社内アンケートはMicrosoft Formsで作り、届いたあとの対応を担当ごとに追いたい受付のフォームはHalictで作る、という使い分けが現実的です。
他のフォームの道具と比べたときの選び方
分岐のあるアンケートは、Microsoft Forms以外の道具でも作れます。選ぶときは、機能の多さより「誰が回答し、届いたあと誰が何をするか」で考えると決めやすくなります。
| 状況 | 合いやすい道具 | 理由 |
|---|---|---|
| 社内の全員が Microsoft 365 を使っている | Microsoft Forms | サインインの手間がなく、Teamsからも配れる |
| 社外の人も含めて広く集め、Googleのサービスで管理している | Googleフォーム | スプレッドシートとつながり、無料で始めやすい |
| 届いた回答に担当を付けて返信まで追いたい | Halict などの受付管理の道具 | 回答ごとに状況と履歴が残る |
Googleフォームにも分岐の機能があり、こちらは「回答に応じてセクションに移動」という設定で、セクション単位で行き先を決めます。Microsoft Formsが質問単位でも行き先を選べるのに対し、Googleフォームはセクションを作ってから分岐させる、という違いがあります。どちらが優れているというより、職場で使っているアカウントに合わせて選ぶのが自然です。
社外の人にファイルを添付してもらいたい場合も、道具選びの分かれ目になります。Microsoft Formsのファイルのアップロードは、回答者が組織内の人に限られる設定になっています。社外の取引先から資料を受け取りたいときは、この点を先に確かめておきましょう。
フォームの設計と業務改善の仕事から見えること
分岐のあるアンケートを上手に作れる人は、職場で重宝されます。どんな質問を、誰に、どの順で聞くかを設計する作業は、単なる入力作業ではなく、業務の流れを組み立てる仕事だからです。フリーランスや副業の市場でも、フォームや社内ツールの設計をまとめて引き受ける仕事が増えています。
生成AIの普及とともに、業務の仕組みづくりを手伝う仕事の幅も広がっています。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、AIを使った業務の効率化を企業に提案し、導入まで支える仕事の内容と求められる力を紹介しています。フォームの分岐で問い合わせを振り分け、AIで返信の下書きを作る、といった組み合わせは、この分野でよく扱われる題材です。
フォームをさらに一歩進めて、業務に合わせた小さな道具を作る方向に関心があるなら、アプリケーション開発のお仕事も参考になります。業務アプリの開発で必要な技術と、案件の探し方がまとまっています。
また、アンケートは回答者が見る画面のデザインで答えやすさが大きく変わります。質問の並べ方や文字の大きさ、選択肢の見せ方を整える仕事は、デザイナーの得意分野です。デザイナーの年収・単価相場では、デザイナーの働き方ごとの収入の目安を確かめられます。
20年にわたって在宅ワークの市場を見てきた運営者の立場から言えば、長く仕事が続く人ほど、依頼された作業をこなすだけでなく、「この人に任せると後が楽になる」という仕組みを残していきます。分岐のあるフォームはその典型で、最初に流れ図を描き、行き先の指定漏れを潰し、集計の読み方まで添えて渡せる人は、次の依頼にもつながりやすいものです。仲介の手数料が乗らない直接の取引なら、依頼する側は同じ予算でより丁寧な設計を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。双方に利点のある形で、フォームづくりの技術を仕事に生かしてみてください。
よくある質問
Q. Microsoft Formsの分岐で、前の質問に戻すことはできますか?
できません。公式ヘルプによると、分岐で選べる行き先は、その質問より後ろにある質問か「フォームの最後」だけです。前の質問を行き先にすると、回答者の操作が中断され、残りの質問を飛ばして送信の画面へ進んでしまいます。戻したい場合は、質問の並び順そのものを見直してください。
Q. 分岐を設定したら、質問のシャッフルが使えなくなりました。なぜですか?
フォームにセクションを含めると、質問のシャッフル機能が無効になると公式ヘルプに書かれています。セクション単位で分岐させたい場合と、出題の順番を入れ替えたい場合は両立しにくいので、どちらを優先するかを決めて作り分けてください。セクションを使わず質問単位で分岐させる方法もあります。
Q. 分岐で表示されなかった質問は、集計でどう扱えばよいですか?
表示されなかった質問は、その回答者の分が空欄のまま記録されます。記入率を計算するときは、回答者全体ではなく、その質問を通るはずだった人数を分母にしてください。Excelで開いて、分かれ道の質問の答えでフィルターをかけてから集計すると、読み違いを防げます。
Q. 分岐の設定がおかしくなったときは、どう直せばよいですか?
分岐オプションのページで「その他のオプション」から「リセット」を選ぶと、フォームの分岐がすべて消えて最初の状態に戻ります。全部が消えるので、作り直しに備えて、どの質問からどこへ進むかを書いた流れ図を手元に残しておくと早く復旧できます。部分的な直しなら、行き先のドロップダウンを1つずつ見直します。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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