BASEとSTORESを比べる|手数料の合計で見る

中西 直美
中西 直美
BASEとSTORESを比べる|手数料の合計で見る

この記事のポイント

  • base stores 比較で迷ったときに見るべきなのは料率ひとつではありません
  • 月額・決済手数料・サービス利用料・振込手数料・事務手数料まで
  • 引かれる項目を全部並べて合計で比べる方法と

「BASEとSTORES、どっちが安いんでしょうか」。ネットショップを始めようとしている方から、この質問を本当によく受けます。そして多くの場合、比べているのは決済手数料の料率だけです。

大丈夫です。安いほうを選びたいという感覚は正しいのです。ただ、この2つのサービスは費用の組み立て方そのものが違っていて、料率だけを横に並べても答えが出ないようにできています。片方は決済手数料とサービス利用料の二階建て、もう片方は決済手数料の一本立て。振込のされ方も、片方は申請制で、もう片方は自動です。

この記事では、両サービスの公式に書かれている費用の項目を、ひとつ残らず並べます。そのうえで「自分の店の場合、月にいくら引かれるのか」を自分で計算できる形に整理します。読み終えたときに、比較表のどの行を見るべきかがはっきりしている状態を目指します。

料金表より先に確かめたい、この1年の変更点

比較記事を読むとき、多くの方が最初に見るのは料金表です。ただ、料金表の数字が同じでも、前提のほうが変わっていることがあります。まずこちらから確認してください。

STORESの有料プランは選択肢がひとつ減っている

STORESの公式のよくある質問には、複数の記事に共通の注意書きとして次の一文が入っています。「STORESネットショップ ベーシックプランの新規受付は終了いたしました。2026年3月24日以降に有料プランをご利用いただく場合は、スタンダードプランへお申し込みください」。

つまり、現在新しく申し込める有料プランはスタンダードプランだけです。ここが実務上とても大事なところで、少し古い比較記事には「ベーシックプランは月額2,178円」といった記述が残っています。その金額を前提に見積もりを立てても、いま申し込むことはできません。既存の契約者だけが継続して使っている状態で、公式の手数料の表にも列としては残っているため、混同しやすくなっています。

キャリア決済の料率が変わっている

もうひとつ、料率そのものの改定がありました。STORESの公式のお知らせによると、2026年8月3日午前0時以降の決済分から、キャリア決済の手数料率が変更されています。ネットショップの場合、フリープランが5.5%から6.5%へ、スタンダードプランが3.6%から4.6%へ。キャリア決済以外の決済手段に変更はないと明記されています。

キャリア決済というのは、d払いやauかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いなど、携帯電話会社を通じて代金を払う方法のことです。若い層が多い店ではこの決済の比率が高くなりがちなので、自分の店の決済の内訳によっては、体感の負担が変わります。

BASEでは発送連携のAppが終わっている

BASEの側にも、機能単位の提供終了があります。公式ヘルプの記載は次のとおりです。「かんたん発送(ヤマト運輸連携) App」「かんたん発送(日本郵便連携) App」は、2026年2月10日以降、利用できません。App内の「発送済みの注文」メニューからも、過去の発送履歴や発送内容を確認できなくなっています。

ただし、ここは誤解しやすい部分です。ショップ管理画面の注文詳細ページにある「かんたん発送」は引き続き使えると、同じヘルプに書かれています。終わったのはAppという提供形態のほうで、機能そのものは標準機能へ移っている、という読み方が正確です。他社の比較記事で「かんたん発送App」がAppとして紹介されていたら、その記事は更新されていません。

倉庫まわりは提携先が変わっている

STORESでは、倉庫サービスの新規受付が2025年7月末で終了し、利用していた店舗は「オープンロジによるSTORESとのAPI連携サービス」へ順次移行しています。公式には「移行後のオープンロジ連携では株式会社オープンロジとの直接契約となり、これまでSTORESが対応していた利用料金の請求・受領やお問い合わせにつきましても、オープンロジ側での対応となります」と書かれています。

発送の外注まで見据えて選ぶ方は、この「誰と契約するのか」が変わった点を押さえておいてください。窓口が変わるということは、費用の請求書が届く先も変わるということです。

引かれる項目を全部並べる

ここからが本題です。手数料の合計を出すには、まず項目を漏れなく並べる必要があります。片方にあって片方に無い項目があるので、料率だけを見比べると必ずズレます。

BASEで引かれる項目

BASEの公式ヘルプは、かかる費用を次のように説明しています。「ショップ開設にあたりまして、月額費用・初期費用はかかりません。ただし、購入が成立したさいのBASEかんたん決済手数料やサービス利用料、振込申請をおこなうさいの振込手数料・事務手数料がかかります」。

整理すると、費用の名前は4種類あります。

項目 スタンダードプラン グロースプラン
月額 0円 月払い19,980円/年払い16,580円(いずれも1ヶ月あたり・税込)
BASEかんたん決済手数料 3.6%+40円 2.9%
同(Amazon Pay / PayPal / PayPay) 4.6%+40円 3.9%
サービス利用料 3% 0円
振込手数料 一律250円 一律250円
事務手数料 2万円未満500円/2万円以上0円 2万円未満500円/2万円以上0円

決済手数料の計算方法についても記載があります。「商品が売れた場合のみ、1注文ごとの合計金額(送料ふくむ)から差し引かれます」「小数点以下を四捨五入して計算されます」。送料を含んだ金額に対してかかる、という点は見落としやすいところです。

なお、決済手数料・サービス利用料・振込手数料・事務手数料については、公式ページに税抜か税込かの明記がありません。一方でグロースプランの月額は「税込」と明記されています。両方を同じ表に並べるときは、税表記を一律に書けない点に注意してください。

STORESで引かれる項目

STORESの費用項目は3種類です。「サービス利用料」という名称の項目は、公式の料金ページにもよくある質問にも見当たりません。

項目 フリープラン スタンダードプラン
月額 0円 年契約の月払い3,300円/月契約3,960円(いずれも税込)
決済手数料(カード・コンビニ・銀行振込) 5.5% 3.6%
同(キャリア決済・楽天ペイ・PayPay・Amazon Pay・PayPal・後払い各種) 6.5% 4.6%
振込手数料 275円 275円
事務手数料 275円(条件つき) 275円(条件つき)

年契約で一括払いを選ぶ場合の金額も公式に明記されていて、39,600円です。契約と解約については「スタンダードプランの年間契約・月額契約は、解約のお申し出をいただいたあとも契約期間中は引き続きご利用いただく扱いとなり、契約期間中の途中解約による返金は発生しません」と書かれています。ここは、始めるときより辞めるときに効いてくる条件です。

決済手数料の計算方法にも違いがあります。STORESの公式には「各オーダー(送料を含むお支払金額)に対して所定の手数料率をかけ、小数点以下を繰り上げた金額を合計して算出されます」とあります。BASEが四捨五入、STORESが繰り上げ。1件あたりでは数円の差ですが、注文数が多い店では積み上がります。

同じ名前でも中身が違う「事務手数料」

両サービスに「事務手数料」という同じ名前の項目があります。ところが、発生する条件がまったく違います。

BASEの事務手数料は、振込申請の金額で決まります。公式の記載は「2万円未満の場合:500円 / 2万円以上の場合:0円」。2万円未満で申請すると、振込手数料と合わせて750円が引かれます。

STORESの事務手数料は、振込の設定で決まります。「入金額が10,000円未満でも振込」に設定していて、かつ入金額が10,000円未満のときにのみ発生します。「入金額が10,000円以上で振込」に設定していれば発生しません。

同じ名前の行を横に並べて「どちらも数百円だから同じ」と読んでしまうと、実際の請求で食い違います。売上が小さいうちほど、この差が手取りに響きます。

月額ゼロで始めたときの、二階建てと一本立て

無料で始める前提で比べると、費用の構造の違いがはっきり出ます。

BASEのスタンダードプランは、決済手数料3.6%に固定の40円が乗り、さらにサービス利用料3%が別にかかります。料率としては合計6.6%に40円が加わる形になります。サービス利用料について公式は「各種機能やサポート体制の強化など、ショップ運営や販売支援のさらなる充実を目的に頂戴しております」と説明しています。

STORESのフリープランは、決済手数料5.5%の一本です。固定額の加算はありません。

料率だけを見ると差は小さく見えますが、固定の40円があるかどうかで、単価の低い商品ほど負担が変わります。1,000円の商品を売る店と1万円の商品を売る店では、同じ料率でも手取り率が変わるということです。ここは自分の商品単価を当てはめて計算しないと判断できません。

機能の制限がどこに出るか

もうひとつ、無料プランで見るべきなのは機能の制限です。ここは両サービスの思想がはっきり分かれます。

BASEの公式ヘルプは明快です。「『BASEかんたん決済手数料』『サービス利用料』以外に、プランによって利用できる機能に違いはありません」。プランの差は費用だけ、という設計です。ごく一部に有料の追加機能があり、公式のオウンドメディアには「BASEロゴ非表示」と「不正決済保障」の2つのみと記載されています。

STORESのフリープランには、機能の制限があります。公式の料金ページの表で、フリープランが利用不可になっている項目は次のとおりです。代引き、決済方法カスタマイズ、アイテム動画埋め込み、ニュース動画埋め込み、非公開文言カスタマイズ、独自ドメイン、サービスロゴ非表示、品番管理、在庫数CSV一括更新、送り状CSV出力、アイテム一括削除、配送日指定、アイテム限定公開、ブロックリスト。

在庫数のCSV一括更新や送り状のCSV出力は、注文が増えたときに効いてくる項目です。無料で始めること自体は問題ありませんが、「どの作業が手作業のままになるか」を先に知っておくと、有料プランへ切り替える時期の判断がしやすくなります。

有料プランに切り替えたあとの形

売上が伸びると、月額を払って料率を下げたほうが有利になる地点があります。この分岐点について、BASEは公式に数字を出しています。

グロースプランがお得になる月商の目安として、公式ヘルプには料金改定後(2024年1月16日以降)で「約50万円(※)/月」と記載されています。注記の※は「PAY IDアプリからの注文をのぞく」という意味です。あわせて、改定前(2024年1月15日以前)の目安は約17万円/月だったとも書かれています。改定によって、有料プランに切り替えるべきラインが大きく上がったことになります。

STORESの側には、こうした分岐点の目安の公式記載は見当たりません。ただ、フリーとスタンダードの料率差は1.9ポイント(5.5%と3.6%の差)ですから、月額3,300円を料率差で回収できる売上を自分で計算すれば目安は出せます。

有料プランを比べるときにもうひとつ押さえたいのが、STORESのスタンダードプランの位置づけです。これはネットショップ単体のプランではなく、STORESネットショップ、STORES予約、STORES決済、STORESレジ、STORESモバイルオーダー、STORESビジネスあと払い、STORES請求書決済、STORESデータ分析を横断して使えるパッケージプランだと公式に説明されています。実店舗と併走する形を考えている方には、この点が金額以上の意味を持ちます。

BASEにだけある「別枠」の手数料

BASEを検討するなら、必ず知っておくべき項目がひとつあります。PAY IDアプリ経由の注文にかかる手数料です。

公式ヘルプの記載はこうです。「『PAY IDアプリ』経由の注文には、ショップの料金プラン(『グロースプラン』『スタンダードプラン』など)とは異なる手数料が適用されます」。適用されるのは決済手数料3.6%+40円と、サービス利用料5.9%。掲載自体の費用は0円です。

つまり、月額を払ってグロースプランに入っていても、この経路の注文にはその料率が適用されません。この点について、実務的な整理をしている解説があります。

但し、Pay IDアプリからの注文には、スタンダードプラン/グロースプラン共に1注文あたり手数料(決済手数料3.6%+40円+サービス利用料5.9%)がかかります。 上記のメリットと比較した時に「9.5%+40円」という手数料の負担が大きすぎると感じる場合には、BASE管理画面からPay IDアプリへの掲載を停止することを検討しましょう。 逆に、高い手数料は成果報酬型の広告費のようなものであると許容できるのであれば、手間なく販売チャネルを拡大することができるPay IDアプリのメリットは大きいといえます。 出典: base.dolcevivace.com

考え方として腑に落ちる整理だと思います。集客をアプリ側に任せる対価と見るか、負担と見るか。判断は店の状況によります。なお公式には、掲載を止めた後についても「掲載停止後も最大31日間は、手数料が発生する可能性があります」と書かれています。止めてすぐゼロになるわけではない、という点は覚えておいてください。

入金のされ方が、手取りの体感を変える

手数料の合計と同じくらい、資金繰りに効いてくるのが入金の仕組みです。ここは2つのサービスで根本的に違います。

申請制と自動

BASEは申請制です。公式には「振込申請をしていただくことで、ショップの銀行口座へお預かりしている代金を振り込みいたします」とあり、通常は「振込申請をした日から10営業日(土・日・祝をのぞく)」で振り込まれます。申請できるのは売上残高が751円以上になってから、1日につき1回まで、原則1回あたり最大100万円までです。

STORESは自動です。「STORESネットショップの売上は、月末締め・翌月末払いで振り込まれます」「手動での入金申請機能はありません」と明記されています。決済手数料と振込手数料275円を差し引いた入金額が10,000円以上であることが条件で、満たない場合は次月以降に繰り越されます。

申請を忘れないほうがよいか、忘れる心配がないほうがよいか。ここは性格の問題でもあります。私がご相談を受ける中でも、「毎月の作業をひとつでも減らしたい」という方と、「自分のタイミングで動かしたい」という方に、はっきり分かれます。

早く受け取りたいときの費用

どちらにも早期入金の仕組みがあり、費用がかかります。

BASEには「お急ぎ振込」(申請金額の1.5%、最短翌営業日)と「最速振込」(3%、条件により最短当日)があります。いずれも振込手数料と事務手数料は別にかかり、初回の振込申請では使えません。また「一定の基準を満たしているショップに順次機能を解放しており、すべてのショップにてご利用いただけるとは限りません」とされています。

STORESには「スピードキャッシュ」があります。初めて利用する場合は手数料が無料で、2回目以降はスタンダードプランが1.5%、フリープランが3.5%。いずれも振込手数料275円が別途かかります。「申請時点での未振込オーダー分が全て入金されます。期間やオーダーを選択しての入金はできません」という条件もあります。

売上金には期限がある

見落とされがちですが、どちらにも売上金の失効期限があります。

BASEは「振込申請期限は、ショップ管理画面で注文のステータスを『対応済』とした日(発送日)を起算日として毎月末を締め日とします(締め月+6ヵ月後が振込申請期限です)」。STORESは「2021年12月1日以降の取引はオーダー発生日から180日」で自動的に失効します。

売上が小さいうちに放置してしまうと、実際に消えます。特にBASEは申請しないと動かないので、月に一度は残高を確認する習慣をつけてください。

手数料の外にある、後から効いてくる差

合計金額を出したあとに、判断を変えうる項目がいくつかあります。

独自ドメインの条件が根本的に違う

BASEは「独自ドメイン App」を使い、他社のドメイン取得管理サービスで取得したドメインをショップURLに設定します。設定にはCNAMEレコードの登録が必要で、公式には「BASEでは、ドメインの取得やドメインの契約に関するサービスを提供していません」と書かれています。サブドメインのないルートドメインは使えない、サブディレクトリには対応していない、といった条件もあります。

STORESは、まず有料プランが前提です。「STORESネットショップで独自ドメインをご利用いただけるのは、ベーシックプランまたはスタンダードプランをご契約中のストアに限られます」。さらに条件が独特で、「独自ドメインの取得は、STORESネットショップ内での新規取得に限られます」「取得した独自ドメインの所有者はSTORESとなります」「オーナー様がお持ちのドメインを利用することや、STORESで取得した独自ドメインを外部サイトへ移管することはできません」と明記されています。

ここは費用ではなく、資産の持ち方の話です。将来どこかへ移る可能性を残しておきたいなら、この条件は必ず読んでおいてください。フリープランへ戻した場合についても「独自ドメインでのアクセスはできなくなります」「独自ドメインからの自動転送(リダイレクト)はおこなわれません」と書かれています。

海外に売るときの仕組み

どちらにも海外向けの仕組みがありますが、形が違います。

BASEの「かんたん海外販売」は、海外からのアクセスに海外専用のショッピングカートを表示し、海外発送は代行事業者が行う仕組みです。店舗側の負担は「かんたん海外販売利用料 注文合計金額(商品代金+国内送料に対して)の5%」。購入者側は代行手数料10%(下限500円、上限3,000円)などを負担します。

STORESの海外販売連携は2026年7月7日に提供が始まった機能で、WorldShopping BIZと連携します。公式には「STORESネットショップの海外販売連携では、WorldShopping BIZ側の初期費用・月額料金は発生しません」「海外のお客さまには商品代金+国内送料の10%の手数料が発生します。(オーナーさまへの追加費用は発生しません)」と書かれています。ただし、取り扱う商品によっては利用できません。賞味期限が50日以下の食品、生き物、精油や香水、オーダーメイド商品などが挙げられています。

なお、STORESは「英語表記に切り替えても、通貨は日本円(JPY)のままです」と明記しており、多通貨には対応していません。BASEの「英語・外貨対応 App」も、外貨は概算表示で「外貨で決済することはできません」とされています。どちらも、通貨そのものを変えて売る仕組みではありません。

売れない商品がある

最後に、費用以前の話として、取り扱えない商材の規定があります。BASEは公式ヘルプに36項目、STORESは「取扱禁止商品等」という独立した規約ページを持っています。

大枠は似ていますが、細部が違います。たとえばSTORESのネットショップには、共通項目に加えて「動物、昆虫を含む生物」「CBD成分を含んだ商品等」「医薬品または医療行為」が挙げられています。BASEは動物の生体について「ただし、魚類、昆虫のうち、適法に販売することができるものに関しては販売を認めます」と例外を書いています。

扱う商品が微妙な線にあるなら、料金表より先にこちらを読んでください。契約してから売れないと分かるのが、いちばん時間を失うパターンです。

自分の店の数字で合計を出す4つのステップ

ここまでの項目を、実際の計算に落とします。順番どおりに埋めていけば、比較表を眺めるより早く答えが出ます。

ひとつ目。商品1点あたりの価格と、月の注文件数を仮置きします。売上総額ではなく件数から入るのがコツです。固定額の40円や、繰り上げ・四捨五入の差は、件数に比例するからです。

ふたつ目。決済手段の内訳を出します。カードが何割、コンビニ払いが何割、キャリア決済が何割か。両サービスとも決済手段によって料率が変わるので、ここを平均で潰すと数字がずれます。

みっつ目。月額と決済手数料とサービス利用料を足します。BASEなら決済手数料とサービス利用料を別々に計算して合算、STORESなら決済手数料のみ。ここで初めて、いわゆる「料率」の比較が意味を持ちます。

よっつ目。振込にかかる費用を足します。BASEなら申請1回あたり250円、2万円未満なら500円を追加。STORESなら275円、1万円未満でも受け取る設定にしているなら275円を追加。月に何回受け取るかで金額が変わります。

この4つを埋めれば、両サービスの月額合計が出ます。比較記事が出している「分岐点」の数字は、あくまで平均的な店を仮定したものです。自分の店の単価と決済内訳で計算し直すと、順位が入れ替わることは珍しくありません。判断に迷ったときの考え方については、比較 メリットを最大化する意思決定術!賢いプラットフォーム選びで意思決定の枠組みを整理していますので、あわせて読んでみてください。両サービスの機能面の違いをもう少し広く見たい方には、BASEとSTORESを比較|ネットショップ開設はどっちが正解?【2026年版】が参考になります。

手数料の話を、手取りの話に置き換える

ここからは、費用の比較を少し別の角度から見てみます。

在宅ワークと業務委託の市場を20年運営してきた立場から言えることがあります。手数料の議論は、多くの場合「率が何パーセント違うか」で始まって、そこで終わってしまいます。ところが、長く続く店や長く続く受け手を見ていると、判断の軸はもっと手前にあります。同じ売上で、手元に残る額がいくらか。そして、そのお金を受け取るまでに何日かかるか。この2つです。

中間に何も挟まらない直接の取引は、この構造をはっきりさせます。手数料0%という条件は、金額の話に見えて、実は質の話です。同じ予算で依頼する側はより多く頼めるようになり、受ける側は同じ仕事で手取りが厚くなる。差額が誰かの取り分になっていないぶん、両者が同時に得をします。運営者として見てきた限りでは、この構造に気づいた人ほど、価格交渉ではなく取引の形そのものを見直しています。

ネットショップの手数料も、同じ見方ができます。6.6%5.5%の差は、率で見れば1.1ポイントですが、これは自分の利益率から直接引かれる数字です。粗利率が3割の商品を扱っているなら、1.1ポイントの手数料差は利益の3.7%に相当します。率の小ささに惑わされず、利益に対する比率で見てください。

私がカウンセリングでお会いする方の中にも、開業して1年ほど経ってから「思ったより手元に残らない」と気づく方が少なくありません。話を伺うと、決済手数料は把握していたけれど、振込手数料と事務手数料を毎月引かれていることに気づいていなかった、というケースが目立ちます。月に750円でも、1年で9,000円です。売上が小さいうちほど、この固定的な費用の比重は大きくなります。

もうひとつお伝えしたいのは、ネットショップの運営には、費用に現れない負担があるということです。商品登録、在庫の更新、発送の手配、問い合わせへの返信。これらは無料プランでも有料プランでも同じように発生します。むしろ無料プランでは、在庫のCSV一括更新のような効率化の機能が使えないぶん、時間の負担が大きくなります。

ここを外に出すという選択肢もあります。EC運営の実務は、いま在宅の業務委託として一定の市場を持っている領域です。商品登録や受注処理といった作業を切り出して依頼する形は、店側から見れば固定費を増やさずに手を増やす方法になります。関連する分野の仕事の広がりはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事アプリケーション開発のお仕事で扱っている職種の一覧からも見て取れます。商品説明の文章を外注する場合の報酬水準の考え方は著述家,記者,編集者の年収・単価相場が目安になります。

手数料を1ポイント下げる努力と、作業時間を月に10時間減らす工夫。どちらが自分の店に効くのかは、売上の規模によって変わります。数字を並べたあとに考えるのは、そこです。焦らなくて大丈夫です。まずは自分の店の注文件数と単価を書き出すところから始めてください。それさえあれば、この記事の表はすべて計算できます。

よくある質問

Q. 無料で始めるなら、どちらのほうが手数料は安いですか?

料率だけを見ると、BASEのスタンダードプランは決済手数料3.6%+40円にサービス利用料3%が加わり、STORESのフリープランは決済手数料5.5%の一本です。ただしBASEには1注文あたり40円の固定額があるため、商品単価が低いほど負担が重くなります。自分の商品単価と月の注文件数を当てはめて計算しないと、どちらが安いかは決まりません。

Q. 有料プランに切り替える目安はありますか?

BASEは公式ヘルプでグロースプランがお得になる月商の目安を示しており、2024年1月16日以降の料金では約50万円/月とされています(PAY IDアプリからの注文を除く)。STORES側に同様の公式の目安は見当たりませんが、フリーとスタンダードの料率差は1.9ポイントなので、月額3,300円を料率差で回収できる売上を計算すれば目安が出せます。

Q. 売上はいつ振り込まれますか?

BASEは申請制で、振込申請をした日から10営業日(土日祝を除く)です。売上残高751円以上から申請でき、申請は1日1回までです。STORESは自動振込で、月末締め・翌月末払い。手動での入金申請機能はありません。どちらも早期入金の仕組みがありますが、別途手数料がかかります。

Q. 独自ドメインはどちらでも使えますか?

条件が大きく違います。BASEは他社で取得したドメインをCNAME設定で使う形で、ドメインの取得や契約はBASEでは提供していません。STORESは有料プランが前提で、しかもSTORES内での新規取得に限られ、取得したドメインの所有者はSTORESとなり、外部への移管はできません。将来の移行を考えるなら必ず確認してください。

Q. 比較記事の情報が古いかどうかを見分ける方法はありますか?

STORESのベーシックプランに言及している記事は要注意です。公式には2026年3月24日以降、新規で申し込める有料プランはスタンダードプランのみと案内されています。またBASEの「かんたん発送App」をAppとして紹介している記事も更新されていません。同Appは2026年2月10日以降利用できず、機能は標準機能へ移行しています。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月23日最終更新:2026年9月3日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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