地域包括支援センターで求められる資格|無くても入れる範囲はどこまでか【2026年版】


この記事のポイント
- ✓地域包括支援センターで求められる資格を
- ✓主任介護支援専門員等の3職種ごとに整理しました
- ✓準ずる者として認められる経験の条件
地域包括支援センターで働くのに資格は必要か。結論から言うと、センターの中核である3職種の枠に入るには資格か、それに準ずる経験が必要です。ただし、センターの中には資格を問わない仕事もあり、「資格が無いと一切入れない職場」ではありません。
厄介なのは、この「準ずる」という言葉です。保健師でなくても看護師なら入れる場合がある、社会福祉士でなくても一定の経験があれば入れる場合がある。求人票にもそう書かれていることがあり、読む人を迷わせています。
この記事では、3職種それぞれで何の資格が求められ、どんな経験なら準ずる者として認められるのかを整理します。そのうえで、資格が無くても関われる仕事の範囲、資格ごとの年収の目安、2024年の制度変更の影響、これから資格を取るならどの順番が現実的かまで、2026年時点の情報で書いていきます。
3職種の配置が、資格要件の出発点です
包括の資格の話は、センターの人員配置のルールから始めると分かりやすくなります。
包括には原則として、担当する地域の65歳以上の人口がおおむね3,000人から6,000人ごとに、次の3職種を1人ずつ置くことが定められています。
・保健師その他これに準ずる者 ・社会福祉士その他これに準ずる者 ・主任介護支援専門員その他これに準ずる者
資格の要件について、介護職の転職情報サイトは次のようにまとめています。
地域包括支援センターで働くには、それぞれの職種に対応する資格が必要です。保健師等は保健師・看護師の資格が要ります。社会福祉士は社会福祉士の資格が必要です。主任介護支援専門員は、ケアマネジャーとしての実務経験を経て主任の研修を修了していることが基本となります。自治体や法人によっては、一定の実務経験を採用条件とする場合もあります。 出典: ekaigotenshoku.com
ここで押さえておきたいのは、法令上の要件と、実際の採用条件は別物だということです。法令では「準ずる者」でも配置基準を満たせますが、センターを運営する法人や市町村が、それより厳しい条件で募集することはよくあります。たとえば、法令上は看護師でも保健師の枠に入れる場合があるのに、求人票では「保健師資格必須」としているセンターもあります。
なぜ3職種がそろっている必要があるのか。それは、センターの4つの業務がそれぞれの専門に対応しているからです。介護予防ケアマネジメントは保健師等、権利擁護と総合相談は社会福祉士等、地域のケアマネジャーへの支援は主任ケアマネ等が中心になります。もちろん実際には全員で全業務に関わりますが、配置のルールはこの役割分担を前提に作られています。
つまり、包括の資格要件は「この3つの視点を必ずセンターの中に置く」ための仕組みです。この前提を知っておくと、準ずる者の条件がなぜそうなっているのかも理解しやすくなります。
保健師等の枠:保健師と、準ずる看護師の条件
保健師等の枠で一番すっきりしているのは、保健師の資格を持っている人です。保健師になるには、看護師国家試験と保健師国家試験の両方に合格する必要があります。看護系の大学で両方の受験資格を得るか、看護師になった後に保健師の養成課程で学ぶのが一般的なルートです。
保健師が足りない地域では、看護師がこの枠に入ることがあります。国の通知では、保健師に準ずる者として、地域ケアや地域保健などに関する経験のある看護師で、高齢者に関する公衆衛生の業務経験を1年以上持つ人が挙げられています。
ここで注意したいのは、「看護師なら誰でも入れる」わけではないという点です。病棟だけで働いてきた看護師は、地域ケアや公衆衛生の経験という条件を満たさない場合があります。訪問看護、市町村の健診や介護予防事業、保健センターでの業務などの経験があると、条件を満たしやすくなります。どの経験が該当するかの最終的な判断は市町村が行うので、応募する前に求人元に確認するのが確実です。
准看護師は、この準ずる者には含まれないと整理されるのが一般的です。准看護師の資格で包括の保健師等の枠を目指すなら、看護師の資格を取ることが先になります。
保健師等の枠に入ると、介護予防の仕事の比重が大きくなります。要支援の人のケアプラン作成、介護予防教室の企画、健康状態の悪化に早く気づいて受診につなぐこと。医療の知識を、病院の外で生活を支えるために使う仕事です。
私が以前、医療系メディアの編集をしていた頃、病院から包括に移った看護師に話を聞いたことがあります。「病棟では医師の指示のもとで動いていたけれど、包括では自分で健康状態を見立てて、受診が必要かどうかを判断しなければならない。最初はその責任の重さに戸惑った」と話していました。資格上は同じ看護師でも、任される判断の種類がまったく変わるということです。
保健師等の枠で働く人が意外と苦労するのが、介護保険の制度の知識です。看護の教育では介護保険の給付の仕組みや、ケアプランの書き方を深く学ぶ機会は多くありません。包括に入ると、要支援の人のケアプランを作り、サービス事業所と調整し、給付管理まで関わることになります。入職前に介護保険の基本的な仕組みを押さえておくと、最初の数か月の負担がかなり軽くなります。
社会福祉士等の枠:準ずる者として認められる経験
社会福祉士等の枠は、社会福祉士の資格を持っている人が基本です。社会福祉士は国家資格で、福祉系の大学で指定科目を履修するか、一般の大学を卒業した後に養成施設で学ぶなどして受験資格を得ます。
国家試験は2025年実施分から新しい出題基準に切り替わり、試験科目の構成も見直されました。これから受験する人は、新しい基準に対応した教材で準備する必要があります。
社会福祉士がいない場合に、この枠に入れる準ずる者の条件は、保健師等の枠より細かく決められています。国の通知では、福祉事務所の現業員などの業務経験が5年以上、または介護支援専門員の業務経験が3年以上あり、かつ、高齢者の保健福祉に関する相談援助の業務に3年以上従事した経験を持つ人が挙げられています。
分かりやすく言い換えると、行政の福祉の窓口で長く相談を受けてきた人や、ケアマネジャーとして高齢者の相談援助を続けてきた人は、社会福祉士の資格が無くてもこの枠に入れる可能性がある、ということです。
ただし、正直なところ、この準ずる者の規定に頼って包括に入るのは、今はあまり現実的ではありません。社会福祉士の資格を持つ人が増えていることもあり、多くのセンターは求人で「社会福祉士資格必須」としています。準ずる者として採用される例は、社会福祉士の採用がどうしても難しい地域に限られる傾向があります。
社会福祉士等の枠に入ると、権利擁護と総合相談の中心を担うことになります。高齢者虐待の通報への対応、成年後見制度につなぐ支援、消費者被害の相談。法律や制度の知識を使って、本人の権利を守る仕事です。
精神保健福祉士の資格を持っている人も、相談援助の専門職として包括で働く道があります。ただ、社会福祉士の枠として配置基準を満たすかどうかは、先ほどの準ずる者の条件に照らして判断されます。資格の名前だけで判断せず、自分の経験がどの条件に当たるかを確かめておくことが大切です。
主任介護支援専門員等の枠:研修までの長い道のり
3職種の中で、なるまでに最も時間がかかるのが主任介護支援専門員です。
まず介護支援専門員、つまりケアマネジャーになる必要があります。介護支援専門員実務研修受講試験を受けるには、介護福祉士、看護師、社会福祉士などの国家資格に基づく業務、または相談援助の業務に、原則として一定の年数以上従事していることが求められます。試験に合格した後、実務研修を修了して登録し、介護支援専門員証の交付を受けて、ようやくケアマネジャーとして働けます。受験の要件は見直しが議論されることもあるので、最新の条件は都道府県の試験案内で確認してください。
主任介護支援専門員になるには、そこからさらに、専任の介護支援専門員として通算5年以上の実務経験を積むなどの条件を満たし、主任介護支援専門員研修を修了する必要があります。研修の時間は70時間程度で、都道府県によっては受講者の推薦や選考を行っています。主任の資格には有効期間があり、5年ごとに更新研修を受けなければなりません。
介護福祉士として5年働いてケアマネジャーになり、さらに5年経験を積んで主任研修を受ける。こう考えると、介護の現場に入ってから包括の主任ケアマネの枠に入るまで、少なくとも10年前後かかる計算です。
主任ケアマネに準ずる者の規定もありますが、これは制度が始まった頃の経過的なもので、ケアマネジメントリーダー研修という、現在は行われていない研修の修了などが条件になっています。これから包括を目指す人にとっては、主任介護支援専門員研修を修了することが事実上の要件だと考えてよいでしょう。
主任ケアマネは、居宅介護支援事業所の管理者の要件にもなっています。そのため、居宅でも包括でも需要が高く、人材の取り合いが続いています。包括の求人でも、主任ケアマネの枠は条件が良く設定される傾向があります。
包括での主任ケアマネの仕事は、自分でケアプランを作るよりも、地域のケアマネジャーを支えることが中心です。困難事例の相談に乗る、ケアマネジャー同士の勉強会を開く、地域ケア会議で事例を検討する。自分が現場で積み上げてきた経験を、地域全体の底上げに使う仕事です。
資格が無くても入れる範囲はどこまでか
ここがこの記事で一番知りたい人が多いところだと思います。3職種の資格を持っていなくても、包括の中で働ける仕事は確かにあります。
1つ目は、介護予防ケアマネジメントの担当職員です。要支援の人のケアプランを作る担当として、3職種とは別に職員を置いているセンターがあります。この担当には、保健師や社会福祉士のほか、介護支援専門員、つまり主任ではないケアマネジャーも就くことができます。ケアマネジャーの資格を持っていれば、主任でなくても包括で予防プランの担当として働く道があるということです。
2つ目は、生活支援コーディネーターです。地域の支え合いの仕組みを作る役割で、住民の集まりの場を立ち上げたり、ボランティアと困っている高齢者を結びつけたりします。この役割には特定の資格要件が定められておらず、研修を受けて就くのが一般的です。包括に配置されることも多く、地域づくりの経験や人とのつながりを作る力が評価されます。
3つ目は、認知症地域支援推進員です。認知症の人と家族を支える地域の仕組みを作る役割で、認知症カフェの運営や、医療機関との連携の調整を担います。こちらは、医療や福祉の専門職、または認知症の介護などの経験がある人が対象とされていて、介護福祉士や作業療法士などが就いている例もあります。
4つ目は、事務職員です。予防プランの給付管理、請求の事務、電話の一次受付、介護予防教室の準備など、センターの事務は想像以上に量があります。資格は求められないことが多いですが、介護保険の請求事務や医療事務の経験があると重宝されます。医療機関の受付や診療報酬の請求の知識を身につける資格として、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)があり、試験の内容や合格までの学び方がまとめられています。
整理すると、資格が無くても入れるのは、センターの中で「地域づくり」と「事務」を担う仕事です。一方で、個別の相談を主担当として受け、虐待対応や権利擁護の判断を担う仕事には、3職種の資格が求められます。
資格の無い立場で包括に入り、働きながら社会福祉士やケアマネジャーの資格を取って3職種の枠に移る人もいます。センターの中で仕事の全体を見てから資格を選べるのは、遠回りに見えて、実は失敗の少ない進み方です。
資格ごとの年収と、待遇の目安
資格によって、包括での待遇にも差が出ます。社会福祉士の年収について、介護の人材サービスは次のように紹介しています。
令和2年度の調査によると、地域包括支援センターで働く正規職員の社会福祉士の平均年収は392万円です。ただし、これはあくまで平均であり、運営法人、お住まいの地域、ご自身の経験年数などによって異なります。▶︎ 詳しくは「地域包括支援センターでの平均年収」 出典: carejinzaibank.com
正規職員の社会福祉士で平均392万円という水準は、介護業界の中では中程度から少し高めの位置です。ただ、相談援助の専門職として国家資格を持ち、権利擁護の重い判断を担っていることを考えると、決して高いとは言えないと感じる人も多いでしょう。
保健師や看護師は、看護職の給与体系で処遇されることが多く、社会福祉士より高めに設定される傾向があります。医療法人が運営するセンターでは、法人の看護職の給与表がそのまま適用されることもあります。
主任ケアマネは、先ほど書いたように人材の取り合いが続いているため、資格手当が厚く設定されていることがあります。求人票では、主任ケアマネの資格手当が月1万円から3万円程度に設定されている例がよく見られます。
資格の無い職員は、事務職や地域づくりの担当として、センターの給与表の中で一般職として処遇されることが多くなります。3職種と比べると給与の水準は下がるのが一般的です。
直営型のセンターでは、正規職員であれば市町村の給与表に沿って処遇されます。会計年度任用職員の場合は、職種ごとに時給や月額が定められ、正規職員とは別の水準になります。
待遇を比べるときは、月給だけでなく、資格手当、賞与の月数、処遇改善の加算がどう反映されているかを確認しておくことが大切です。包括は介護サービスの事業所ではないため、介護職員の処遇改善の加算が直接は入らない職場だという点も、覚えておくとよいでしょう。
2024年の制度変更で、資格の生かし方が少し変わりました
2024年度の介護保険の改正では、包括の人員配置と業務に関わる変更がいくつか入りました。資格の話にも影響するので、整理しておきます。
1つ目は、3職種の配置の柔軟化です。これまでは、1つのセンターごとに3職種をそろえることが基本でした。改正後は、複数のセンターを合わせて3職種を配置することや、常勤換算で基準を満たすことが認められるようになりました。つまり、短時間で働く人や、複数のセンターを兼務する人を組み合わせて、体制を作りやすくなったということです。
これは、資格を持っているけれどフルタイムでは働けない人にとって、包括で働く道が広がったことを意味します。子育てや介護を抱える保健師や社会福祉士が、週に数日だけ包括で働くという選択肢が、以前より現実的になりました。
2つ目は、居宅介護支援事業所が、市町村の指定を受けて介護予防支援を直接行えるようになったことです。これまで要支援の人のケアプランは包括が責任を持ち、居宅に委託する形が中心でした。この変更によって、包括が抱える予防プランの件数が減り、3職種が相談や権利擁護に時間を割きやすくなることが期待されています。
3つ目は、総合相談支援業務の一部を、居宅介護支援事業所などに委託できるようになったことです。地域の身近な相談窓口を増やす狙いがあり、包括は委託先を支える役割も担うことになります。
こうした変更によって、主任ケアマネの資格を持つ人の役割はさらに重くなると考えられます。地域の居宅介護支援事業所が予防プランや相談の一部を担うようになれば、そのケアマネジャーたちを支える主任ケアマネの存在が、地域の支援の質を左右するからです。
一方で、配置の柔軟化には懸念の声もあります。常勤換算で基準を満たせるようになったことで、短時間の職員を組み合わせた体制が増えると、1人の常勤職員に判断の重さが集中するおそれがあるからです。応募するセンターが、3職種を常勤でそろえているのか、短時間の職員を組み合わせているのかは、働き方に直結します。面接で「3職種はそれぞれ常勤の方ですか」と聞いておくと、入った後に自分が担う役割の重さが見えてきます。
制度の最新の内容は、厚生労働省の介護保険制度に関するページで公表されています。資格や配置の条件は、改正のたびに少しずつ変わるので、応募の時期には一度確認しておくことをおすすめします。
これから資格を取るなら、どの順番が現実的か
包括で働くことを目標に、これから資格を取る場合の現実的な順番を、今の立場ごとに整理します。
介護職として働いている人は、まず介護福祉士を取り、その実務経験を土台にケアマネジャーを目指すのが一般的な道です。ケアマネジャーになれば、包括で予防プランの担当として働く道が開けます。そこから主任ケアマネを目指すか、並行して社会福祉士を取るかは、自分がどちらの仕事に惹かれるかで決めるとよいでしょう。
一般の大学を出て福祉以外の仕事をしてきた人は、社会福祉士の養成施設で学ぶ道があります。通信課程を持つ養成施設も多く、働きながら1年半から2年程度で受験資格を得られるのが一般的です。資格を取った後、病院や行政、障害福祉などの相談の現場で経験を積んでから包括に移ると、採用で評価されやすくなります。
看護師として働いている人は、訪問看護や地域の保健事業の経験を積むことで、保健師に準ずる者の条件に近づけます。長く包括で働きたいなら、保健師の資格を取ることも選択肢に入ります。保健師の養成課程は1年程度のものが多く、看護師として働いた後に進学する人もいます。
資格が無い状態から、まず包括の中を見てみたい人は、事務職員や生活支援コーディネーターとして入り、センターの仕事を知ってから資格を選ぶ道もあります。
私自身、編集の仕事で福祉分野の特集を担当したとき、資格の制度を調べれば調べるほど「準ずる」「原則として」「一定の」という言葉の多さに悩まされました。最初は条文や通知を読み込めば答えが出ると思っていましたが、実際に取材してみると、同じ条件でも市町村によって判断が違うことが分かりました。資格の条件で迷ったら、自分で結論を出す前に、応募先の市町村や法人に問い合わせるのが一番の近道です。
正直なところ、「包括で働きたいから社会福祉士を取る」という一本道にこだわる必要はありません。包括の3職種は、どれも他の現場での経験を積んで初めて力を発揮できる仕事です。資格を取ることと同じくらい、その資格を使って相談の現場で何を経験してきたかが、採用でも実務でも問われます。
求人票の資格欄はこう読む
最後に、求人票の資格欄の読み方を整理しておきます。
| 求人票の書き方 | 意味 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 保健師または看護師 | 看護師でも保健師等の枠に入れる可能性 | 地域での業務経験が問われるか |
| 社会福祉士必須 | 準ずる者での採用はしない | 実務経験年数の条件の有無 |
| 主任介護支援専門員 | 主任研修の修了が前提 | 更新研修の費用負担 |
| 介護支援専門員 | 予防プラン担当としての採用が中心 | 担当件数の目安 |
| 資格不問 | 事務や地域づくりの担当 | 業務の範囲と資格取得の支援 |
| 経験者優遇 | 相談援助の経験を重視 | どの分野の経験を評価するか |
資格欄と合わせて見ておきたいのが、資格取得の支援制度です。研修の受講費用の補助、試験前の休暇、合格時の手当などを設けている法人もあります。資格の無い立場で入り、働きながら資格を取るつもりなら、この制度の有無は大きな判断材料になります。
また、主任ケアマネの更新研修は、受講料が数万円かかることがあります。法人が費用を負担するのか、自己負担なのかも、長く働くつもりなら確認しておきたい点です。
求人票で見落としやすいのが、「資格取得見込み可」という表記です。これは、社会福祉士や保健師の国家試験を受験予定で、合格発表を待っている人も応募できるという意味です。3月の合格発表を待つ学生や、働きながら受験した人にとっては、4月から包括で働き始める道になります。ただし、不合格だった場合に採用がどうなるのか、別の職種で採用されるのかは、センターによって扱いが違うので、事前に確認しておく必要があります。
もう1つ、資格欄に複数の資格が並んでいる求人は、センターがどの枠の欠員を埋めようとしているのかが曖昧なことがあります。「社会福祉士、介護支援専門員、保健師のいずれか」とあれば、面接で「今回はどの職種の枠での採用ですか」と聞いてみてください。枠によって任される業務の中心が変わるため、入った後の仕事の姿がはっきりします。
資格の証明書類の提出時期も、意外と確認されていない点です。ケアマネジャーの場合は介護支援専門員証の有効期間が切れていないか、主任ケアマネの場合は更新研修を修了しているかが、採用時に確認されます。有効期間が近い人は、応募の前に更新の予定を立てておくと、手続きで慌てずに済みます。
相場のデータと、市場を見てきた立場から考えること
資格ごとの収入を、より広い視点で確かめておくことも大切です。
保健師や看護師として包括を考えている人は、看護師の年収・単価相場で、看護職全体の年収の水準を確かめておくと、包括の条件がどの位置にあるかが分かります。年代や地域ごとの違いも整理されています。
介護福祉士からケアマネジャー、主任ケアマネへと進む道を考えている人には、介護職員の年収・単価相場が参考になります。介護職の年収の分布が整理されていて、資格を取って職種が変わったときに収入がどう変わるかを考える基準になります。
相談援助の力を別の角度から磨きたい人には、キャリアコンサルタントという国家資格もあります。人の話を聞き、本人が自分で選べるように支える技法を体系的に学ぶ資格で、受験資格や試験の内容がまとめられています。包括の総合相談で求められる聞く力と重なる部分が多い資格です。
フリーランスや在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、資格はあくまで入口であり、長く続く人ほど資格を取った後の関係づくりに時間を使っています。運営者として見てきた限りでは、「この人に任せると楽だ」と相手に思われる人は、資格の名前ではなく、仕事の丁寧さと連絡の速さで選ばれています。
包括の3職種も同じです。資格は配置基準を満たすための条件ですが、地域のケアマネジャーや民生委員、医療機関から頼られるかどうかは、1件ずつの相談への向き合い方で決まります。人と人が直接つながって仕事が進むとき、間に余計な手続きや仲介が挟まらない分、依頼する側はより多くを頼め、受ける側は本来の専門に時間を使えます。この双方が得をする構造は、フリーランスの直接取引でも、包括と地域の関係機関の連携でも同じように働いています。資格を取ることをゴールにせず、その資格で誰とどんな関係を作っていくのかまで考えておくと、包括での働き方はずっと具体的になります。
よくある質問
Q. 看護師の資格で地域包括支援センターの保健師の枠に入れますか?
入れる場合があります。国の通知では、地域ケアや地域保健などの経験がある看護師で、高齢者に関する公衆衛生の業務経験が1年以上ある人を、保健師に準ずる者としています。病棟の経験だけでは条件を満たさないこともあるので、応募前に求人元に確認するのが確実です。
Q. 社会福祉士の資格が無くても社会福祉士の枠で働けますか?
福祉事務所の現業員などの経験が5年以上、またはケアマネジャーの経験が3年以上あり、高齢者の相談援助に3年以上従事した人は、準ずる者として認められる可能性があります。ただ、実際には社会福祉士資格を必須とする求人が多く、準ずる者での採用は限られます。
Q. 資格が全く無い場合、地域包括支援センターでできる仕事はありますか?
あります。事務職員として給付管理や電話の一次受付を担う仕事や、地域の支え合いの仕組みを作る生活支援コーディネーターは、資格要件が定められていないことが一般的です。働きながら社会福祉士やケアマネジャーの資格を取り、3職種の枠に移る人もいます。
Q. 主任介護支援専門員になるにはどれくらいかかりますか?
まずケアマネジャーになるための実務経験と試験、実務研修が必要です。その後、専任のケアマネジャーとして通算5年以上の経験を積むなどして主任研修を修了します。介護の現場に入ってからだと10年前後かかるのが一般的で、資格は5年ごとの更新研修が必要です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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