Macのおすすめブラウザを選ぶときに見る点と、仕事のWebアプリが多い人の使い分け


この記事のポイント
- ✓Macでおすすめのブラウザを
- ✓Safari・Chrome・Firefox・Edge・Brave・Vivaldiの特徴と対応OSから比べます
- ✓仕事のWebアプリやアカウントが多い人の使い分け
Macでおすすめのブラウザを探している人の多くは、「Safariのままでいいのか」「Chromeに替えたほうが仕事がはかどるのか」で迷っています。結論から書くと、メールや調べ物が中心ならSafariのままで十分です。仕事でGoogleのサービスや社内のWebアプリを毎日開き、アカウントも複数持っているなら、Chromium系のブラウザを1つ併用し、用途ごとに分けるほうが楽になります。
この記事では、Macで使える主なブラウザの特徴を公式の情報で確かめたうえで、選ぶときに見る点、仕事のWebアプリが多い人の使い分け、既定のブラウザの変え方、乗り換えで失敗しない手順の順に整理します。
Macのブラウザ選びがここ数年で難しくなった理由
ひと昔前のブラウザ選びは「表示が速いかどうか」でほぼ決まりました。いまは事情が違います。理由は大きく3つあります。
1つ目は、仕事の道具がブラウザの中に移ったことです。メールはGmail、チャットはSlackやChatwork、資料はGoogleドキュメントやNotion、会議はGoogle MeetやZoomのWeb版というように、1日の作業の大半がブラウザの中で終わる人が増えました。ブラウザは「ページを読む道具」から「仕事の机」に変わり、タブの数もアカウントの数も増えています。
2つ目は、ブラウザの土台が2系統に集約されたことです。Google Chrome、Microsoft Edge、Brave、Vivaldi、Arcは、どれもChromium(クロミウム)というオープンソースの同じ土台で作られています。SafariはAppleのWebKit、FirefoxはMozillaのGeckoという別の土台です。土台が同じブラウザどうしは、拡張機能や表示の互換性が高い一方、違いは「上にかぶせた機能」と「データの扱い方」に出ます。
3つ目は、対応するmacOSの幅が広がったことです。GoogleのChrome Enterpriseヘルプでは、MacでChromeを使う要件を次のように示しています。
Mac で Chrome ブラウザを使用するための要件は次のとおりです。 macOS 13 Ventura 以降 出典: Chrome Enterprise and Education ヘルプ
一方でMozillaはFirefoxの動作要件をmacOS 10.15以降としています。つまり、数年前のMacを使い続けている人は、入れたいブラウザがそもそも最新版を受け取れないことがあります。古いMacを仕事で使っているなら、ブラウザの好みより先に「自分のmacOSで最新版が動くか」を確かめるのが順番です。
こうした変化のせいで、検索結果に並ぶ「おすすめ9選」のような一覧を読んでも決めきれない人が増えています。一覧は候補を並べるだけで、「自分の使い方ならどれか」までは教えてくれないからです。この記事では、候補を並べる前に、選ぶ物差しのほうから整理します。
選ぶときに見る5つの点
Macのブラウザを比べるときは、次の5つを順に見ると迷いが減ります。
1. 使っているmacOSで最新版が動くか
まず確認するのは対応OSです。Appleメニューの「このMacについて」でmacOSのバージョンを確かめ、入れたいブラウザの要件と照らします。前の章で触れたとおり、ChromeはmacOS 13 Ventura以降、FirefoxはmacOS 10.15以降が要件です。要件を外れたブラウザは、動いたとしてもセキュリティの更新を受け取れなくなります。仕事でお客さまの情報を扱うなら、更新が止まったブラウザは使わないのが原則です。
2. 仕事で使うWebアプリとの相性
社内の勤怠システムや経費精算、業界の専用システムの中には、動作確認をChromeやEdgeだけで行っているものがあります。動作確認済みのブラウザ以外では、ボタンが押せない、ファイルのアップロードが止まるといった不具合が起きることがあります。勤め先や取引先から「推奨ブラウザ」が指定されているなら、それが最優先です。
3. 複数アカウントの扱い
仕事用と個人用、あるいは取引先ごとにGoogleアカウントを分けている人は、アカウントの切り替えのしやすさで作業効率が大きく変わります。SafariもChromeも「プロファイル」という仕組みで、履歴やCookie(サイトがログイン状態などを覚えておくための小さな記録)を分けられます。プロファイルを分けると、同じGmailに別のアカウントで同時にログインしたままにできます。
4. プライバシーと広告の扱い
広告やトラッカー(閲覧の行動を追いかける仕組み)をどこまで止めるかは、ブラウザごとに初期設定が違います。Safariはサイトをまたいだ追跡を防ぐ機能を標準で備え、Braveは広告とトラッカーのブロックを初期状態で有効にしています。止めすぎると、一部のサイトで表示が崩れたり、ログインがうまくいかなかったりすることもあるので、強さを調整できるかも見ておきます。
5. 電池の持ちと動作の軽さ
MacBookを外で使うことが多い人には、電池の持ちが効いてきます。Appleは自社の試験で、SafariはChromeより最大で動画の連続再生時間が長いと公表しています。数字はAppleの条件での測定なので、そのまま自分の環境に当てはまるわけではありませんが、MacではSafariが電力の面で有利な傾向があることは押さえておいてよい点です。
この5つのうち、1と2は「満たさないと使えない条件」、3から5は「好みで重みを変える条件」です。先に1と2で候補を絞り、残った候補を3から5で比べると、決めるのが早くなります。
Macで使える主なブラウザの特徴
ここからは、Macで使われることの多いブラウザを、公式の案内で確かめられる範囲で整理します。
| ブラウザ | 土台 | Macでの要件や特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| Safari | WebKit | Mac標準。プロファイル、追跡防止、電力効率 | iPhoneと併用し、調べ物とメールが中心の人 |
| Google Chrome | Chromium | macOS 13以降。拡張機能が豊富 | Googleのサービスと社内Webアプリが中心の人 |
| Firefox | Gecko | macOS 10.15以降。独立した土台 | Chromium以外を使いたい人、古めのMacの人 |
| Microsoft Edge | Chromium | Mac版あり。iOSやAndroidと同期 | Microsoft 365を仕事で使う人 |
| Brave | Chromium | 広告とトラッカーを初期設定でブロック | 広告の少ない画面で読みたい人 |
| Vivaldi | Chromium | メール、カレンダー、フィードリーダーを内蔵 | 画面の配置を細かく作り込みたい人 |
Safari
Macに最初から入っているブラウザです。Appleの案内では、Safariでプロファイルを作ると、履歴、機能拡張、タブグループ、お気に入り、Cookieなどをプロファイルごとに分けられ、「仕事」や「パーソナル」のように用途で切り替えられるとしています。iPhoneやiPadとタブやパスワードを共有できるため、Appleの機器をそろえている人には手放しにくい選択肢です。
拡張機能はApp StoreのSafari専用カテゴリから入れる形で、Chromeウェブストアに比べると数は限られます。業務で特定の拡張機能を使う必要がある場合は、Safari版が出ているかを先に確かめてください。
Google Chrome
世界で広く使われているブラウザで、拡張機能の数が多く、Googleのサービスとの相性が良いのが特徴です。Googleアカウントでログインすると、ブックマークや履歴、パスワードを別のパソコンやスマートフォンと同期できます。プロファイルの切り替えも分かりやすく、仕事用と個人用を分けて使う人が多い傾向が見られます。
気をつけたいのは、前に書いた対応OSです。macOS 13より古いMacでは、最新版を受け取れません。
Firefox
Mozillaが開発する、Chromiumとは別の土台で動くブラウザです。動作要件はmacOS 10.15以降と幅が広く、少し古いMacでも最新版を使える場合があります。Chromium系ばかりになると、ある表示の不具合がどのブラウザでも同じように出ることがありますが、Firefoxを1つ入れておくと、その切り分けにも使えます。
Microsoft Edge
MicrosoftのブラウザでMac版も提供されています。Microsoftの案内では、パスワード、お気に入り、履歴をiOSやAndroidの端末と同期できるとしています。仕事でMicrosoft 365やTeamsを使う会社に勤めている人、Windowsのパソコンと併用している人には、設定をそろえやすい選択肢です。
Brave
広告とトラッカーをブロックする機能を初期状態で有効にしているブラウザです。公式サイトでは、広告やトラッカーを止めることでページの読み込みが速くなり、バッテリーも長持ちすると説明しています。AIアシスタントやVPN(通信を暗号化して経路を守る仕組み)も用意されています。広告で運営されているサイトでは、ブロックを外すよう求められることがある点は知っておきましょう。
Vivaldi
画面の配置やタブの並べ方を細かく作り込めるブラウザです。公式サイトの案内では、ブラウザ本体に加えてメール、カレンダー、フィードリーダーを備えています。設定の項目が多いぶん、最初は戸惑うかもしれませんが、自分の作業の流れに合わせて道具を組み立てたい人には合います。
Arcについての注意
デザインの評判が高かったArcは、提供元のThe Browser Companyが公式サイトで次のように案内しています。
FYI: Arc receives Chromium updates only. For active security patches and enterprise-grade protection, download Dia instead. 出典: arc.net
Arcは土台のChromiumの更新だけを受け取り、積極的なセキュリティの修正は後継のDiaで行う、という意味です。これから仕事用のブラウザとして新しく入れるなら、この案内を踏まえて判断してください。
用途別のおすすめの組み合わせ
1つのブラウザですべてを済ませる必要はありません。むしろ仕事でMacを使う人は、2つを役割で分けるほうが整理しやすくなります。代表的な組み合わせを用途別に挙げます。
調べ物とメールが中心の人:Safari 1本
Webで調べ物をし、メールを読み、ネットショッピングをする程度なら、Safariだけで足ります。iPhoneで見ていたページの続きをMacで開ける、パスワードをiPhoneと共有できる、といった連携は、Appleの機器をそろえている人ほど便利に感じます。電池の持ちも良いので、カフェで作業する人にも向いています。
Googleのサービスが仕事の中心の人:Safari+Chrome
Gmail、Googleカレンダー、Googleドライブを仕事で使うなら、仕事はChrome、私用はSafariと分ける組み合わせが扱いやすくなります。ブラウザごとにアカウントを分けておけば、仕事のメールを開いたつもりで私用のアカウントが出てくる、といった取り違えが起きにくくなります。
Microsoft 365の会社に勤めている人:Safari+Edge
会社のアカウントでOutlookやTeams、SharePointを使う人は、仕事用にEdgeを入れる組み合わせが自然です。会社のパソコンがWindowsなら、Edgeのお気に入りや設定を自宅のMacと共有しやすくなります。
表示の確認や開発をする人:Chrome+Firefox+Safari
Webサイトの制作やWebアプリの開発をする人は、見え方の確認のために3つの土台をすべて入れておくのが一般的です。Safariで崩れる、Firefoxだけ動かない、といった差は実際に起きるからです。Webの制作や開発の仕事に関心がある人は、アプリケーション開発のお仕事で、どのような案件があり、どのような技術が求められるかを確認できます。
広告の少ない画面で集中したい人:Brave+Safari
文章を書く仕事や、資料を読み込む仕事では、広告の動きが気を散らす原因になります。Braveで読む、Safariで私用、のように分けると、作業の画面を静かに保てます。
組み合わせを決めるときのコツは、「どのブラウザで何をするか」を一言で言えるようにすることです。「仕事はChrome、私用はSafari」のように言い切れる分け方なら、迷いが減って続きます。
仕事のWebアプリが多い人がつまずく3つの場面
ブラウザを仕事の机として使うようになると、どのブラウザを選んでも、次の3つの場面でつまずきやすくなります。
場面1:タブが増えすぎて目的のアプリが見つからない
Gmail、Slack、Googleカレンダー、Notion、勤怠システムを全部タブで開いておくと、タブの幅が細くなり、どれが何か分からなくなります。対策は、毎日開くものを「固定タブ(ピン留め)」にし、それ以外は使い終わったら閉じる習慣をつけることです。SafariにもChromeにもタブを固定する機能があります。Safariのタブグループや、Chromeのタブグループで「仕事」「調べ物」とまとめておくのも効果があります。
場面2:アカウントの取り違え
取引先ごとに別のGoogleアカウントを使っていると、共有された資料を開いたときに「アクセス権がありません」と表示されることがあります。これは、ブラウザが別のアカウントでログインした状態で資料を開いてしまったためです。プロファイルを取引先ごとに分ける、あるいはアカウントごとに別のブラウザを使うと、この取り違えは大きく減ります。
場面3:通知の見落とし
チャットやメールの通知がブラウザのタブの中にとどまっていると、別の作業中に気づけません。ブラウザの設定で各サイトの通知を許可し、macOSの「システム設定」の「通知」で、ブラウザからの通知を表示するようにしておくと、見落としが減ります。逆に、すべてを許可すると通知が多すぎて集中できなくなるので、仕事に必要なアプリだけに絞るのが現実的です。
正直なところ、ブラウザを替えるだけでこの3つが全部解決することはありません。どのブラウザでも、固定タブ、プロファイル、通知の絞り込みの3つを組み合わせて、ようやく落ち着きます。
編集部でも、取材先ごとにGoogleアカウントを分けていた時期に、共有された原稿を別のアカウントで開いてしまい、編集の権限をお願いし直したことが何度もありました。プロファイルを取引先ごとに分けてからは、この手戻りがほぼなくなりました。
Macで既定のブラウザを変える手順
新しいブラウザを主に使うと決めたら、既定のブラウザ(メールやチャットのリンクをクリックしたときに開くブラウザ)を変えておきます。Appleのサポートページでは、次のように説明しています。
MacのデフォルトのWebブラウザはSafariなので、WebリンクをクリックするとSafariが開きます。 出典: Apple サポート
macOS Ventura 13以降では、次の手順で変えられます。
- 新しく既定にしたいブラウザをインストールする
- 画面左上のAppleメニューから「システム設定」を選ぶ
- サイドバーで「デスクトップとDock」をクリックする
- 右側を下にスクロールし、「デフォルトのWebブラウザ」のメニューから使いたいブラウザを選ぶ
それより前のmacOSでは、Appleメニューの「システム環境設定」から「一般」を開き、「デフォルトのWebブラウザ」のメニューで選びます。
既定のブラウザを変えても、Safariが消えるわけではありません。Safariは引き続き使えますし、いつでも同じ手順で戻せます。気軽に試して、合わなければ戻す、という使い方で問題ありません。
なお、ブラウザによっては、初めて起動したときに「既定のブラウザにしますか」と聞いてくるものがあります。そこで「はい」を選ぶと、macOSから確認の画面が表示され、そこで承認すると切り替わります。
乗り換えで失敗しないための手順
ブラウザの乗り換えで多い失敗は、「ブックマークやパスワードが移らなかった」「仕事のシステムだけ動かなかった」の2つです。次の順番で進めると、どちらも避けられます。
手順1:毎日開くサイトとアカウントを書き出す
まず、1日に1回以上開くサイトを書き出します。メール、チャット、カレンダー、勤怠、経費精算、取引先の管理画面などです。あわせて、それぞれでどのアカウントを使っているかも書きます。この一覧が、乗り換え後に確認する項目になります。
手順2:ブックマークとパスワードを取り込む
ChromeやEdge、Firefoxは、初回起動時やメニューの「ブックマークと設定をインポート」から、Safariのブックマークや履歴を取り込めます。パスワードは、Macの「パスワード」アプリやiCloudキーチェーンに保存しているなら、Safariからは引き続き使えます。新しいブラウザ側に移すときは、ブラウザの取り込み機能を使い、書き出したファイルを使う場合は作業が終わったらすぐに削除してください。パスワードが書かれたファイルを残しておくのは危険です。
手順3:1週間は2つを並べて使う
いきなり全部を切り替えず、1週間ほどは古いブラウザも残しておきます。手順1の一覧のサイトを新しいブラウザで1つずつ開き、ログインできるか、ファイルのアップロードや印刷ができるかを確かめます。動かないものがあれば、そのサイトだけ古いブラウザで開く、と決めておけば仕事は止まりません。
手順4:既定のブラウザを切り替える
一覧のサイトがすべて動くと確かめられたら、前の章の手順で既定のブラウザを切り替えます。
手順5:拡張機能は必要なものだけ入れる
乗り換えのついでに、以前のブラウザに入れていた拡張機能をすべて入れ直す人がいますが、これはおすすめしません。拡張機能は閲覧中のページの内容を読み取れるものが多く、入れるほどリスクが増えます。仕事に必要なものだけに絞り、提供元がはっきりしているものを選びます。
ブラウザの設定や業務ツールの導入を、社内や取引先に向けて手順書にまとめる仕事もあります。手順書は、読み手が迷わない順番と言葉で書くことが何より大切です。文書の書き方を体系立てて学びたい人は、ビジネス文書検定の内容が参考になります。
Webアプリが多い人向けの選択肢:アプリをまとめる専用アプリ
ブラウザのタブとプロファイルを工夫しても、Webアプリが10個を超え、アカウントも取引先ごとに分かれてくると、管理そのものが負担になってきます。そうした人のために、Webアプリをアプリごとに分けて並べる「アプリ集約ブラウザ」と呼ばれる種類の道具があります。
アプリ集約ブラウザは、Gmail、Slack、Notionのような毎日使うWebアプリを左側に並べ、クリックひとつで切り替える作りになっています。アプリごとにログインの情報を分けて持てるので、プロファイルを行き来しなくても、複数のアカウントにログインしたままにできるのが特徴です。普段のブラウザは調べ物用に残し、仕事のWebアプリだけを専用アプリにまとめる、という分け方ができます。
Macで使えるものの1つにSpaceDeckがあります。公式サイトによると、SpaceDeckはWebアプリをアプリごとに独立したCookieの部屋で動かすmacOS専用のアプリで、全アプリの通知を1か所に集める機能、アプリごとのズームとミュートの記憶、ショートカットキーで開くターミナル(パソコンに文字で命令を出す画面)を備えています。無料版はワークスペース1つとアプリ3つまでで、通知、ダウンロード管理、ブックマーク、内蔵ターミナルが使えます。同じアプリに複数のアカウントで同時にログインする機能や、ワークスペースとアプリの上限をなくす機能はProで、料金は月額980円、年額8,800円、買い切り19,800円の3通りです。最初の14日間はアカウント登録もクレジットカードもなしで全機能を試せ、設定の同期は自分のiCloudやGoogle Drive経由で行う作りです。詳しくはSpaceDeckの公式サイトで確かめられます。SpaceDeckは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
こうした専用アプリは、ブラウザの代わりではなく、ブラウザと並べて使うものです。毎日開くWebアプリが3つ以下なら、普段のブラウザの固定タブで十分です。5つを超え、アカウントの取り違えや通知の見落としが続くようになったら、試してみる価値があります。どの道具を選ぶにしても、無料で試せる期間に、手順1で書き出した毎日のサイトを並べて、1週間ほど使ってから決めるのが確実です。
ブラウザが重いと感じたときに見直すこと
「ブラウザを替えれば速くなるはず」と考えて乗り換えを検討する人は少なくありません。ただ、動作が重い原因の多くは、ブラウザの種類より使い方の側にあります。乗り換えの前に、次の4つを見直してみてください。
開いているタブの数
タブは開いているだけでメモリ(作業中のデータを一時的に保存しておく場所)を使います。動画やチャット、表計算のような動きの多いWebアプリは、とくに多くのメモリを使います。Macの「アクティビティモニタ」を開き、「メモリ」の欄でブラウザがどれだけ使っているかを見ると、タブの開きすぎかどうかが分かります。使い終わったタブは閉じ、あとで読むものはブックマークや読み上げリストに移すと軽くなります。
拡張機能の数
拡張機能は、ページを開くたびに動くものが多く、数が増えるほど表示が遅くなります。一度すべてを無効にして速さを比べ、必要なものだけを戻すと、どれが重さの原因かを突き止められます。
キャッシュと履歴
キャッシュ(一度見たページの画像などを保存しておき、次に速く表示するための仕組み)が溜まりすぎると、かえって表示が乱れることがあります。特定のサイトだけ表示がおかしいときは、そのサイトのデータだけを削除すると直ることがあります。すべてのデータを削除すると、各サイトのログインもやり直しになるので、まずは対象のサイトに絞るのが無難です。
macOSとブラウザのバージョン
古いバージョンのまま使い続けると、新しいWebアプリの機能にうまく対応できず、動作が重くなることがあります。macOSとブラウザを最新にしても重いままなら、そのときに初めて別のブラウザを試す、という順番が遠回りに見えて確実です。
安全に使い続けるための設定
どのブラウザを選んでも、仕事で使うなら次の設定は済ませておきます。
自動更新を有効にしておく
ブラウザの更新には、見つかった弱点を塞ぐ修正が含まれます。Safariは macOSのソフトウェアアップデートで、ChromeやFirefoxなどはブラウザ自身の仕組みで更新されます。更新の通知が出たら後回しにせず、作業の区切りで再起動して適用します。
パスワードはブラウザかパスワード管理アプリに任せる
同じパスワードの使い回しは、1つのサービスで漏れたときに他のサービスまで入られる原因になります。ブラウザのパスワード保存機能や、Macの「パスワード」アプリを使い、サービスごとに別のパスワードを自動で作らせるのが安全です。重要なサービスでは2段階認証(パスワードに加えて、スマートフォンに届く番号などで本人確認する仕組み)も有効にします。
共用のMacではプロファイルを分ける
家族とMacを共用している場合は、macOSのユーザーを分けるのが基本です。難しければ、少なくともブラウザのプロファイルを分け、仕事のアカウントに家族の操作でログインしたままにならないようにします。
拡張機能を定期的に見直す
半年に1回ほど、入れている拡張機能を一覧で見直し、使っていないものは削除します。提供が止まった拡張機能は、更新されないまま弱点が残ることがあります。
ブラウザの使い方は、在宅の仕事の質に直結する
最後に、フリーランスや在宅の仕事との関係から、ブラウザ選びを見てみます。
在宅で仕事を受ける人の多くは、取引先ごとに違うツールを使います。ある取引先はSlackとGoogleドライブ、別の取引先はChatworkとBox、さらに別の取引先は独自の管理画面、という具合です。取引先が増えるほど、ブラウザの整理がそのまま仕事の速さと正確さに表れます。
20年この市場を見てきた立場から言えば、長く仕事が続く人ほど、連絡の返し方や資料の受け渡しが安定しています。アカウントを取り違えて資料が開けない、通知を見落として返信が1日遅れる、といった小さなつまずきが少ない人は、それだけで「この人に任せると楽だ」と思われやすくなります。ブラウザの整理は地味な作業ですが、取引先からの信頼につながる準備の1つです。
あわせて、仲介の手数料がかからない直接の取引では、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなり、取引先は浮いた分を次の依頼に回せます。手数料0%で直接やり取りする関係は、連絡の行き違いが少ないほど長続きします。
職種ごとの収入の目安も見ておきます。Webアプリの開発に関わる人の年収の水準は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で、公的な統計をもとに確かめられます。文章や編集の仕事でブラウザを机にしている人は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場が参考になります。AIのツールを業務に取り入れる支援の仕事も増えており、AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、どのような案件があるかを確認できます。
ブラウザに何を選ぶかより、選んだブラウザで「どの作業をするか」を決めておくことのほうが、毎日の仕事を楽にします。まずは毎日開くサイトの一覧を作るところから始めてみてください。
よくある質問
Q. MacではSafariとChromeのどちらを使うのがよいですか?
調べ物やメールが中心でiPhoneと併用しているならSafariが扱いやすく、電池の持ちの面でも有利な傾向があります。Googleのサービスや社内のWebアプリを毎日使うならChromeが合います。仕事はChrome、私用はSafariのように2つを役割で分ける使い方も一般的です。
Q. 古いMacでもChromeの最新版は使えますか?
GoogleのChrome EnterpriseヘルプではMacの要件をmacOS 13 Ventura以降としています。それより古いmacOSでは最新版を受け取れず、セキュリティの更新も止まります。古いMacを使い続ける場合は、要件がmacOS 10.15以降のFirefoxなど、対応しているブラウザを選んでください。
Q. 既定のブラウザを変えるとSafariは使えなくなりますか?
使えなくなりません。既定のブラウザは、メールなどのリンクをクリックしたときに開くブラウザを決める設定です。macOS Ventura 13以降はシステム設定の「デスクトップとDock」で変えられ、同じ手順でいつでもSafariに戻せます。
Q. ブラウザを乗り換えるときにパスワードは移せますか?
多くのブラウザは、初回起動時やメニューの取り込み機能でSafariのブックマークや履歴、パスワードを移せます。パスワードを書き出したファイルを使った場合は、取り込みが終わったらすぐに削除してください。乗り換え後1週間ほどは古いブラウザも残し、仕事のサイトが動くか確かめると安心です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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