100年時代のキャリア戦略|40代・50代からのリスキリング

伊藤 遥
伊藤 遥
100年時代のキャリア戦略|40代・50代からのリスキリング

この記事のポイント

  • ✓「今の会社にしがみつくか
  • ✓定年後も長く稼ぎ続けるための「リスキリング(学び直し)」の重要性
  • ✓31歳のキャリアアドバイザーが

「このまま今の会社で定年を迎えて、その後はどうなるのか。自分のスキルは、外の世界でも通用するのか」

40代後半から50代の会社員が抱える不安は、ほぼこの一点に集約されます。人生100年時代と言われる2026年、60歳で引退して余生を過ごすというモデルは、制度の側から先に変わりました。

40代と50代にとって、最大の障害は年齢ではありません。過去の成功体験に縛られ、学び直しを止めてしまうことです。この記事では、国の制度を使って何がどこまでできるのかを、公表されている要件に沿って整理します。

1. 制度の側で「70歳まで働く」前提に変わっている

まず押さえるべきは、雇用の枠組みが既に変わっているという事実です。厚生労働省は、高年齢者雇用安定法に基づき企業が行う措置として、65歳までの雇用確保措置が平成25年4月1日から導入され、70歳までの就業確保措置が令和3年4月1日から導入されたことを示しています。

つまり、60歳で終わる設計はもはや前提ではありません。50歳の時点で、残る就業期間は20年前後あります。この期間の長さが、学び直しの投資回収を成立させます。3年かけて身につけたスキルを17年使えるなら、投資として十分に合います。

一方で、定年後の再雇用では給与の水準が下がる例が多く、同じ仕事を続けても収入は維持されません。厚生労働省は、定年の引上げや継続雇用制度の導入等を実現するためには、年功的賃金や退職金制度を含む人事管理制度の見直し、職業能力の開発及び向上、職域開発や職場改善等、さまざまな条件整備に取り組む必要があると説明しています。企業側でも、年功で払い続ける形からの切り替えが進行中だということです。

この2つを合わせると、結論は1つになります。働く期間は延びるが、同じことを続けるだけでは収入は維持されない。だから学び直しが必要になる、という順序です。

2. ゼロから学ぶのではなく、今の経験に掛ける

20代と同じ土俵で一からプログラミング言語を覚えるのは、時間の使い方として効率が悪くなります。40代と50代の学び直しで効くのは、これまでの業界経験に新しいツールを掛け合わせる形です。

理由は単純です。若手にはない蓄積が、既に手元にあるからです。顧客との折衝、トラブル対応の経験、業界特有の商習慣。これらは座学では身につかず、年数でしか得られません。技術そのものではなく、技術を誰にどう提供すれば成果が出るかを理解している点が、この年代の武器になります。

掛け算の組み立て方は、次の3ステップで整理できます。

第一に、自分の経験の中で「他の業界の人が知らないこと」を書き出します。日常の当たり前が、外から見れば専門知識です。業界の慣行、取引の流れ、よくある失敗、規制の実務。この4つの切り口で書くと出てきます。

第二に、その知識を扱う人が今どんなツールを使っているかを調べます。経理なら会計ソフト、営業なら顧客管理と広告、製造なら生産管理。掛け合わせる相手は、自分の領域で既に使われているものから選びます。無関係な流行の技術を選ぶと、経験との接点が生まれません。

第三に、そのツールを「使える」から「導入を支援できる」へ引き上げます。個人で使えるだけでは、代わりがいくらでもいます。既存の業務の流れを踏まえて導入の段取りを引ける人は、経験がないと務まりません。ここが差の付く位置です。

3. 教育訓練給付金の給付率は最大80パーセントまで拡充されている

学び直しの費用は、制度で相当部分を賄えます。最初に確かめるべきは、自分が受けようとしている講座がどの区分に指定されているかです。ハローワークは3つの区分を示しています。

専門実践教育訓練は、特に労働者の中長期的なキャリア形成に資する教育訓練で最大給付率80パーセント。特定一般教育訓練は、特に労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練で最大給付率50パーセント。一般教育訓練は、その他の雇用の安定や就職の促進に資する教育訓練で給付率20パーセントです。

専門実践教育訓練の給付は3段構えになっています。

受講修了後に、受講した専門実践教育訓練が目標としている資格取得などをし、修了日の翌日から1年以内に一般被保険者等として雇用された場合や、雇用されたまま受講した専門実践教育訓練が目標としている資格取得などをした場合は、教育訓練経費の70%(年間上限56万円)に当たる支給が受けられます。 出典: ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」

基本の支給は、受講者が支払った教育訓練経費の50パーセント(年間上限40万円)です。そこに資格取得と就職の要件を満たすと70パーセント(年間上限56万円)になり、さらに訓練修了後の賃金が受講開始前と比較して5パーセント以上上昇した場合は80パーセント(年間上限64万円)になります。給付は最大3年間受けることができ、その場合の上限は192万円とされています。

注意点もあります。その額が1年間で4千円を超えない場合は支給されません。また、令和6年10月1日より前に受講を開始している場合は、賃金上昇に係る追加支給はありません。受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金の支給を受けたことがある場合は支給されません。

支給対象者の要件は、専門実践教育訓練の受講開始日に雇用保険に加入していた期間が3年以上であることなどが示されています。長く同じ会社で働いてきた40代と50代の会社員は、この要件をほぼ満たしています。

4. 手続きの期限は「2週間前」

制度を使ううえで、いちばん落としやすいのが手続きの期限です。

専門実践教育訓練給付金を受けるためには、ハローワークの訓練対応キャリアコンサルタントによる訓練前キャリアコンサルティングを受けて、就業の目標、職業能力の開発・向上に関する事項を記載した「ジョブ・カード」の交付を受け、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認の手続きを行う必要があります。 出典: ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」

受講を申し込んでから手続きを始めると間に合いません。順序は、訓練前キャリアコンサルティングを受ける、ジョブ・カードの交付を受ける、受講開始日の2週間前までに受給資格確認を行う、そのうえで受講を開始する、という流れです。特定一般教育訓練でも、同じく訓練前キャリアコンサルティングとジョブ・カード、受講開始日の2週間前までの受給資格確認が必要と示されています。

受給資格の有無と、受けたい講座が厚生労働大臣の指定を受けているかは、支給申請に先立ってハローワークで確認できます。教育訓練給付金支給要件照会票に必要事項を記入し、運転免許証や住民票の写しなどの本人確認書類を提示または添付して提出する形で、本人来所、代理人、郵送、電子申請のいずれでも行えると案内されています。

追加支給を受ける段取りも決まっています。70パーセントの給付率の適用を受けるには、訓練修了後、資格取得または就職した日のいずれか遅い日から起算して1か月以内にハローワークに申請します。80パーセントの給付率の適用を受けるには、その手続きを経た上で、資格取得または就職した日のいずれか遅い日から起算して1年以内に申請します。いずれも、放っておいて振り込まれるものではありません。

5. 特定一般と一般の区分も押さえておく

専門実践教育訓練は給付率が高い一方、期間が長く、対象講座も限られます。短期で資格を取りたい場合は、他の2区分を見ます。

特定一般教育訓練は、受講者が支払った教育訓練経費の40パーセント(上限20万円)が支給されます。受講修了後に目標としている資格を取得し、修了日の翌日から1年以内に一般被保険者等として雇用された場合や、雇用されたまま資格を取得した場合は、50パーセント(上限25万円)になります。追加支給を受けるには、資格取得または就職した日のいずれか遅い日から起算して1か月以内の申請が必要です。

一般教育訓練は、教育訓練経費の20パーセント(上限10万円)です。こちらは訓練前キャリアコンサルティングとジョブ・カードの要件がなく、手続きの負担は軽くなります。

どの区分に該当するかは、講座ごとに決まっています。スクールの案内に「教育訓練給付対象」と書かれていても、どの区分かで戻る金額が2倍から4倍変わります。申し込む前に、講座名で区分を確認します。

なお、専門実践教育訓練の受給者のうち、昼間通学制の訓練を受講しているなど一定の要件を満たした方が失業状態にある場合には、教育訓練支援給付金という別の制度があります。雇用保険の基本手当の日額の60パーセントに相当する額が支給される仕組みで、令和8年度末までの暫定措置とされています。支給対象は、通信制と夜間制を除く専門実践教育訓練を受講する方で、受講開始時に45歳未満など一定の要件を満たす方が訓練期間中に失業状態にある場合です。45歳以上の場合はこの制度の対象外になるため、在職しながら受講する形を前提に計画を組みます。

6. 資格を取ることと、仕事にすることは別

資格の取得数を増やしても、それ自体は収入になりません。面接で問われるのは、その知識を使って何を解決したかです。

この差を埋める方法は1つしかありません。学んだ内容を、小さな規模でも実務に当てることです。社内の業務で使ってみる、副業として小さな案件を受ける、知人の事業を手伝う。いずれでも構いませんが、他人の課題に当てた経験が必要です。

副業として試す場合、制度の側は後押しする方向に整備されています。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、労働者のメリットとして、離職せずとも別の仕事に就くことが可能となりスキルや経験を得ることで主体的にキャリアを形成できること、本業を続けつつよりリスクの小さい形で将来の起業や転職に向けた準備や試行ができることが挙げられています。モデル就業規則も、労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができる、という規定に改定されています。

ただし制限はあります。同じガイドラインでは、企業が副業を制限することが許される場合として、労務提供上の支障がある場合、業務上の秘密が漏洩する場合、競業により自社の利益が害される場合、自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合が示されています。同業他社の仕事を受けない、本業で知った情報を持ち出さない、この2点を守るのが最低線です。

留意点としては、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することが必要であることと、就業時間が長くなる可能性があるため労働者自身による就業時間や健康の管理も一定程度必要であることが挙げられています。

7. 再就職を選ぶ場合に使える窓口

学び直しの出口が独立ではなく再就職である場合も、公的な支援があります。厚生労働省は、高年齢者の希望や就労に関するニーズに応えるため、全国300カ所のハローワークに「生涯現役支援窓口」を設け、再就職などを支援していると案内しています。

一般の職業相談窓口と分けて設けられている点が重要です。年齢を理由に紹介できる求人が減るのではなく、この年代を対象とした求人と支援の枠組みが別に用意されているという構造です。

企業側への支援も並行して行われています。厚生労働省は、65歳以上への定年引上げ等や高年齢者の雇用管理制度の整備等、高年齢の有期契約労働者を無期雇用に転換する措置を講じる事業主に対して、65歳超雇用推進助成金として、65歳超継続雇用促進コース、高年齢者評価制度等雇用管理改善コース、高年齢者無期雇用転換コースを設けていると案内しています。また、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構において、70歳雇用推進プランナーや高年齢者雇用アドバイザーによる相談や助言サービスをはじめとした各種事業を実施していると説明しています。

読み替えると、企業がこの年代を雇うときには助成の仕組みがあるということです。応募する側からは見えにくい情報ですが、採用の判断材料として企業側で働いています。年齢だけで門が閉まっているという思い込みは、制度の実際とずれています。

さらに、厚生労働省は、高年齢者の多様な雇用や就業ニーズに応えるためには個々の企業による取組に加え、地域の関係者が協働して多様な雇用や就業機会を創出していく機能や、高年齢者の特性に合った就業機会を安定的に提供する機能が重要となり、こうした機能は高年齢者雇用安定法にも位置付けられていると説明しています。地域における就業機会の確保も、制度上の枠組みとして存在します。

8. 掛け算で失敗する3つの型

掛け算の考え方自体は正しくても、組み立て方を誤ると成果に結びつきません。よく見られる型を3つ挙げます。

1つ目は、経験と無関係な技術を選ぶ型です。話題になっている技術を学んでも、これまでの職歴と接点がなければ、20代と同じ土俵に立つだけになります。学習にかけた時間は、経験との接点がある分野に置いたほうが回収できます。

2つ目は、学習を終えてから動き出す型です。講座を修了し、資格を取得し、それから初めて仕事を探す進め方では、修了から成果までの空白が長くなります。前述した専門実践教育訓練の追加支給も、資格取得と就職の両方が要件になっています。学習中から小さな実務に当てておくほうが、要件も満たしやすくなります。

3つ目は、範囲を広げ過ぎる型です。「経理もできる、営業もできる、Webも分かる」という提示は、どれも中程度という印象になります。掛け合わせるのは2つまでにして、1つの組み合わせで説明できる形に絞ります。

失敗の共通点は、他人の課題に当てる工程が抜けていることです。学んだ内容が誰のどんな困りごとを解決するのかを、1行で言えるかどうかが分かれ目になります。言えないなら、学習量ではなく当て先が足りていません。

9. 掛け算の具体例を、自分の職歴で組む

抽象的な話を自分に当てるために、職種ごとの組み立て方を見ておきます。金額は職種と地域で変わるため、相場は後述する年収データで確かめるのが正確です。

経理の経験が長い場合。掛け合わせる相手はクラウド会計です。記帳の代行そのものは単価が下がりやすい領域ですが、既存のやり方からの移行設計、勘定科目の体系の整理、電子帳簿保存法への対応手順の作成は、実務を知らないと務まりません。中小企業では、この移行を担える人が社内にいないケースが多くあります。

営業の経験が長い場合。掛け合わせる相手はWebでの集客です。現場で何が売れるかを知っている点が、広告の文面や商談資料の組み立てに直接効きます。運用そのものは外注できても、何を訴えるかの判断は業界を知る人しかできません。

医療や介護の現場経験がある場合。掛け合わせる相手は文章と情報整理です。この分野の内容は正確性が強く求められるため、有資格者や実務経験者が書いた記事の信頼性が高く評価されます。資格そのものが、書き手としての裏付けになります。

製造や品質管理の経験がある場合。掛け合わせる相手はデータの集計と可視化です。現場の数値をどう取るか、どこに異常が出るかを知っている点が、分析の設計に効きます。

いずれの場合も、順序は同じです。自分の経験の棚卸しを先に行い、そのうえで掛け合わせる相手を決めます。逆にすると、流行の技術を学んで経験と結びつかないまま終わります。

10. 学習の進め方を「完璧」から外す

新しいツールへの抵抗感は、多くの場合「完璧に理解しようとする」ことから生まれます。必要なのは深い技術知識ではなく、どこで使えるかを知っていることです。

進め方の目安は、動きが分かった段階で手を動かす、です。仕様書を読み込んでから触り始めると、いつまでも着手できません。小さな作業を1つ通してから、分からなかった箇所だけを調べるほうが早く進みます。

学習時間の確保も、量より頻度で考えます。週末にまとめて長時間取るより、平日に短い時間を毎日取るほうが定着します。仕事のあとに時間を取るのが難しいなら、朝に寄せます。この年代で崩れるのは意志ではなく体力なので、体力の残っている時間帯に置くのが現実的です。

家族の理解が得られない場合は、リスクを小さくした計画を先に示します。給付金を使って自己負担を抑える、週末だけの活動から始める、本業を辞めない前提で進める。この3点を明示すると、反対の根拠である「不安定になるのではないか」という懸念に直接答えられます。

11. 自己負担額を先に計算する

給付率が高いといっても、支払いは先に自分から出します。資金の段取りを先に組んでおかないと、途中で止まります。

計算の順序はこうです。受講料の総額を確認します。次に、その講座がどの区分に指定されているかを確かめ、基本の給付率(専門実践なら50パーセント、特定一般なら40パーセント、一般なら20パーセント)を掛けます。上限額(専門実践は年間40万円、特定一般は20万円、一般は10万円)を超える場合は上限で止まります。差額が、当面の自己負担額です。

追加支給を受けられる場合は、後から差額が振り込まれます。専門実践で70パーセントの給付率の適用を受ける場合は、既に支給を受けた年間合計額と教育訓練経費の70パーセントに相当する額(最大56万円)の差額が支給される仕組みです。80パーセントの場合も同様に、既に支給を受けた分との差額が支給されます。つまり、最終的な自己負担が20パーセントになるとしても、受講中の負担は50パーセント分であり、残りは資格取得と就職と賃金上昇の要件を満たした後に戻ってきます。

この時間差を見込んだ資金の用意が必要です。最初から20パーセントの負担で済むと考えて資金計画を立てると、受講期間中に足りなくなります。

なお、教育訓練経費が1年間で4千円を超えない場合は支給されません。また、給付は最大3年間で上限192万円とされており、法令上最短4年の専門実践教育訓練を受講している場合について、4年目受講相当分として追加的に支給を受けられる場合があるとされています。該当しそうな長期の課程を選ぶ場合は、ハローワークに相談して扱いを確認します。

12. 体力と時間の配分を設計に含める

40代と50代の学び直しで計画が崩れる原因は、意欲よりも体力と時間です。ここを設計に含めないと、3か月で止まります。

厚生労働省の副業ガイドラインでは、留意点として、就業時間が長くなる可能性があるため労働者自身による就業時間や健康の管理も一定程度必要であることが挙げられています。学び直しと副業を並行する場合は、この点が直接当てはまります。

具体的には、週あたりの投入時間を先に上限として決めます。増やす方向ではなく、上限を超えないように管理する方向で運用します。上限に収まらない講座は、期間を延ばすか、区分の異なる短い講座に切り替えます。

もう1つは、本業の繁忙期を先に計画から外すことです。決算期や年度末に学習時間を確保する前提で組むと、その月にまとめて崩れます。年間の中で動かせない繁忙期を先に空白として置き、残った期間で受講計画を引きます。

健康診断の結果も判断材料に含めます。睡眠時間を削って学習時間を作る形は、この年代では長く続きません。削るのは睡眠ではなく、成果につながらない時間の使い方のほうです。

13. 何から手を付けるかを決める

順序を1枚にまとめると、次のようになります。

自分の雇用保険の加入期間を確認します。専門実践教育訓練の要件は加入期間3年以上とされています。

受けたい講座の区分をハローワークで照会します。専門実践、特定一般、一般のどれに指定されているかで、戻る金額が決まります。

訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードの交付を受けます。専門実践と特定一般では必須です。

受講開始日の2週間前までに、受給資格確認の手続きを行います。ここを過ぎると給付が受けられません。

受講しながら、学んだ内容を小さな規模で実務に当てます。社内の業務でも副業でも構いません。

修了後、資格取得または就職の要件を満たしたら、1か月以内に追加支給の申請を行います。賃金が5パーセント以上上昇した場合は、さらに1年以内に申請します。

この6段のうち、いちばん時間がかかるのは1番目と2番目です。雇用保険の加入期間は、離職や転職を挟んでいる場合に通算の扱いを確認する必要があります。講座の指定状況は、同じスクールの似た名前の講座でも区分が違うことがあるため、講座名を正確に控えてから照会します。

この6段のうち、期限があるのは4番目と6番目です。他は自分の都合で進められます。制度を使い切れない人は、ほぼこの2つの期限を外しています。

14. 相場を知ってから方向を決める

学び直しの方向を決めるとき、目指す先の報酬水準を知らないまま走ると、労力が報われません。

職種ごとの報酬水準は職種別の年収データで確認できます。今の経験に何を掛けると単価帯が上がるかを、数字で見比べられます。実務の進め方や必要スキルはお仕事ガイドに職種別にまとまっており、稼働時間の目安も載っています。資格から入る場合は、資格ガイドで難易度と取得後にできることを確かめてから選ぶと、遠回りを避けられます。

経験を持つ人が有利に立てる領域として、中小企業診断士は経営の全体像を扱うため管理職経験と噛み合い、キャリアコンサルタントは人を見てきた経験がそのまま実務になります。事務の経験が長い場合は日商簿記2級やMOS Excelのように、できることが明確に伝わる資格が応募時の説明を短くします。

制度の側は、70歳まで働く前提に組み替わり、学び直しの費用は最大80パーセントまで戻る仕組みが用意されています。使えるものが揃っているなかで足りないのは、受講開始日の2週間前までに手続きを済ませるという、事務的な一手だけです。まずは自分の雇用保険の加入期間を確かめ、ハローワークで支給要件照会を出すところから始めるのが、いちばん確実な入り方になります。

よくある質問

Q. リスキリングで学んだ後、本当に仕事は見つかりますか?

IT人材の不足は構造的な問題であり、短期間で解消されるものではありません。ただし、スキルだけあっても「実務経験」がないと苦労する場合もあります。そのため、副業案件で小さな実績を積み上げることが、スムーズなキャリアアップの鍵となります。

Q. 会社に勤めながらでも補助金は使えますか?

はい、使えます。教育訓練給付金は、雇用保険の被保険者であれば在職中でも利用可能です。むしろ、働きながら土日や夜間にスクールに通う「現役層」の利用が非常に増えています。

Q. 過去に一度、教育訓練給付金を使ったことがあっても再度使えますか?

前回の利用から一定期間(一般的には3年以上)が経過しており、雇用保険の加入条件を満たしていれば、再度利用することが可能です。

Q. 働きながらでも学習は可能ですか?

はい、多くの講座はオンラインで、かつ夜間や週末に実施されています。ただし、一定の学習時間の確保が必須となりますので、あらかじめ仕事量を調整してスケジュールを確保してください。

Q. 特別な実績がないと顧問にはなれませんか?

誰もが驚くような華々しい実績は不要ですが、「他人が困っていることを解決した経験」は必須です。例えば「面倒な手作業をマクロで自動化して残業を3割減らした」という経験だけでも、事務作業に悩む中小企業にとっては立派な顧問のネタになります。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年3月23日最終更新:2026年9月25日
伊藤 遥

この記事を書いた人

伊藤 遥@SOHO編集部

キャリアコンサルタント・元人事

大手メーカー人事部で採用・研修を担当した後、キャリアコンサルタントとして独立。女性のキャリアチェンジや副業開始に関する記事を、自身の経験をもとに執筆しています。

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