横須賀学院のランサムウェア被害|写真・動画と個人情報の一部が流出 生徒・保護者・卒業生が気をつけること 2026


この記事のポイント
- ✓横須賀学院の情報漏洩について
- ✓2025年12月の第1報から第3報までを公式発表で整理
- ✓ランサムウェア攻撃で写真・動画と個人情報等の一部が流出したこと
横須賀学院の情報漏洩について、学校法人横須賀学院は2025年12月17日、学院のサーバーがランサムウェア攻撃を受け、複数の写真・動画等が流出したと発表しました。続く第2報(2025年12月22日付)では、写真や動画以外の個人情報等についても一部流出したことが判明したと公表し、第3報(2025年12月24日)で専用のお問い合わせ窓口を設けています。流出した可能性のある情報の内容は「特定できていない」とされ、件数も示されていません。 2026年11月1日時点で、学院の公式サイトのお知らせ一覧に第4報以降は掲載されておらず、件数や内容の確定、調査結果の続報は公式サイトに掲載されていません。 生徒・保護者・卒業生がまずすることは、学校や同窓会を名乗る電話・メール・SNSのメッセージ・郵便を、その連絡の中に書かれた連絡先ではなく、自分で調べた学院の連絡先で確かめることです。自分の写真や情報がインターネット上に出ているのを見つけたら、学院の専用窓口にそのサイトを具体的に知らせます。
この記事は、2026年11月1日時点で横須賀学院の公式サイトに掲載されている第1報から第3報を開き直し、書かれている範囲だけで整理しています。報道の数字や、攻撃したとされるグループの名前などは、学院の発表に書かれていないため入れていません。
横須賀学院が発表したことの要点
横須賀学院は神奈川県横須賀市稲岡町にある学校法人です。公式サイトには、横須賀学院小学校と横須賀学院中学高等学校の案内が並んでいます。今回の発表は、学院全体の新着情報の欄に「ランサムウェア攻撃による情報流出に関するお詫びとお知らせ」として3回に分けて掲載されました。
3回の発表を通して分かっていることは次のとおりです。
- 2025年12月初旬、職員から「サーバーに接続できない」との報告があった
- 調査の結果、学院のサーバーが外部から不正なアクセスを受け、不正なプログラムが実行された痕跡が見つかった
- その結果、複数の写真・動画等が流出したことが判明した
- その後、サーバー内に保管されていた写真や動画以外の個人情報等についても、一部流出したことが判明した
- 流出した可能性のある情報の内容は特定できていない
- 流出した情報が公開されたり、不正に利用されたりする二次被害は、発表の時点では確認されていない
- 今後、生徒・保護者・卒業生に対して、学校や同窓会を装った詐欺連絡や架空請求が届くおそれがある
- 専用のお問い合わせ窓口をメールで設けた
大事なのは、学院が写真・動画については「流出したことが判明」と言い切っている一方で、それ以外の個人情報等については「一部流出」と書きつつ、どの情報が含まれるのかは「特定できていない」としている点です。誰の、どの項目が、何件という形では、2026年11月1日時点でも公表されていません。
そのため、この事案で自分が対象かどうかを、記事や報道から判断することはできません。在籍している生徒とその保護者、卒業生は、自分が含まれている可能性があるものとして備えておくのが現実的です。とはいえ、慌てて何かを解約したり、高い費用のかかるサービスに申し込んだりする必要はありません。することは、後の節で整理する「確かめ方の手順を家族で決めておくこと」が中心になります。
公表の経緯:第1報から第3報まで
発表は2025年12月の1か月の間に3回出ています。それぞれで新しく分かったことを順に見ていきます。
第1報(2025年12月17日)
第1報では、2025年12月初旬に職員からサーバーに接続できないという報告があり、調べたところ外部からの不正なアクセスと不正なプログラムの実行の痕跡が見つかったと説明しています。その結果として複数の写真・動画等が流出したことが判明したとされ、専門機関と連携してインターネットを遮断し、調査と復旧に取り組んでいると書かれています。
この時点で外に出たと書かれているのは「写真・動画等」です。学校のサーバーには、行事や授業の様子を記録した写真や動画が多く保存されていることが一般的です。学院の発表には、どの行事の写真か、何年分か、といった中身は書かれていません。
第2報(2025年12月22日付)
第2報では、サーバー内に保管されていた写真や動画以外の個人情報等についても一部流出したことが「本日判明」したと書かれています。学院サイトの新着一覧では2025年12月22日付で掲載されており、別の一覧の表示では12月23日となっている箇所もあります。第3報では、この判明の日を「今月23日」と書いています。
第2報の時点で、学院は次の2点を明記しています。
- 流出した情報が公開されたり、不正に利用されたなどの二次被害は、現時点では確認されていない
- 流出した可能性のある情報の内容については特定できていない
そのうえで、専門機関と連携して監視体制を強めること、知らせるべきことが分かれば随時報告することが書かれています。
第3報(2025年12月24日)
第3報は、利用者への呼びかけと窓口の案内が中心です。原文の一部を引用します。
ただし、流出した情報が公開されたり、不正に利用されたなどの二次被害は現時点では確認されておりませんが、今後生徒・保護者・卒業生に対して「学校や同窓会を装った詐欺連絡」や「架空請求」が届く恐れがあります。 フィッシングメール、ボイスフィッシング、SNS、DM等にも十分ご注意ください。 出典: 横須賀学院「ランサムウェア攻撃による情報流出に関するお詫びとお知らせ(第3報)」
第3報では、自分の情報が公開されているのを見つけた人に向けて専用窓口への連絡を求め、公開されていたサイトなどの詳細を具体的に知らせてほしいと書いています。学院はその情報をもとに、各プラットフォームに削除申請を行うとしています。
流出した情報と、まだ特定されていないこと
発表の内容を、学院が「流出した」と書いたもの、「特定できていない」としたもの、確認されていないものに分けて表にします。
| 区分 | 学院の発表での書き方 |
|---|---|
| 写真・動画等 | 複数の写真・動画等が流出したことが判明(第1報) |
| 写真や動画以外の個人情報等 | 一部流出したことが判明(第2報・第3報) |
| 流出した可能性のある情報の内容 | 特定できていない(第2報) |
| 件数 | 発表に記載なし |
| 二次被害(公開・不正利用) | 現時点では確認されていない(第2報・第3報) |
| 今後のおそれ | 生徒・保護者・卒業生への、学校や同窓会を装った詐欺連絡や架空請求 |
ほかの会社の情報漏えいの発表では、「クレジットカード情報は含まれない」「パスワードは含まれない」のように、含まれない項目がはっきり書かれることがあります。横須賀学院の発表には、含まれない項目についての記載もありません。つまり、氏名や住所、電話番号、メールアドレスなどが含まれるかどうかは、2026年11月1日時点では公式に示されていない、というのが正確な言い方です。
この状態で読み手が気をつけたいのは、「何が漏れたか分からないから何もしない」でも「全部漏れたと思い込んで慌てる」でもない、中間の構えです。学院が名指しした「学校や同窓会を装った連絡」と「架空請求」に備えることは、どの項目が出ていたとしても役に立ちます。
発表に出てくる言葉の意味
情報漏えいの発表には、ふだん使わない言葉が多く出てきます。横須賀学院の発表を読むときに知っておきたい言葉を整理します。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 流出 | データが本来の管理者の手を離れて、外部に出てしまうこと |
| 流出した可能性 | 外部に出たかもしれないが、確かめきれていない状態 |
| 二次被害 | 流出した情報が公開されたり、詐欺などに悪用されたりして起きる被害 |
| 専門機関 | 攻撃の調査や復旧を手伝う組織。学院の発表では名前は書かれていない |
| フィッシング | 実在の組織を装ったメールやSMSで偽のサイトに誘い、情報を入力させる手口 |
| 架空請求 | 払う必要のない料金を、もっともらしい名目で請求する手口 |
学院の発表では、写真・動画等は「流出したことが判明」、それ以外の個人情報等は「一部流出したことが判明」と書かれ、その内容は「特定できていない」とされています。言い換えると、外に出たこと自体は学院が認めている一方で、何が出たかの一覧はまだない、という状態です。二次被害は発表の時点で「確認されていない」とされており、悪用が起きたとは書かれていません。
この違いを押さえておくと、続報が出たときにも、何が新しく分かったのかを読み取りやすくなります。たとえば、続報で項目や件数が示されれば「特定できていない」が解消されたことになり、二次被害が確認されれば、注意すべき手口がより具体的になります。
原因について学院が書いていること
学院が原因として書いているのは、ランサムウェア攻撃による外部からの不正なアクセスです。ランサムウェアとは、警察庁の説明では、端末などに保存されているデータを暗号化して使えない状態にしたうえで、元に戻すことと引き換えに金銭や暗号資産を要求する不正なプログラムのことです。警察庁は、データを暗号化するだけでなく、データを盗んだうえで「払わなければ公開する」と脅す二重恐喝が被害の多くを占めているとも説明しています(警察庁「ランサムウェア被害防止対策」)。
横須賀学院の発表で分かっている経過は、職員がサーバーに接続できなくなったこと、不正なプログラムが実行された痕跡が見つかったこと、写真・動画等とそれ以外の個人情報等の一部が流出したこと、インターネットを遮断して専門機関と調査と復旧を進めたこと、までです。
どこから侵入されたのか、どの機器の弱点を突かれたのか、身代金の要求があったのか、といった点は発表に書かれていません。報道やSNSでは攻撃したとされるグループの名前が出回ることがありますが、学院の発表では確かめられないため、この記事では扱いません。原因の詳しい内容は、2026年11月1日時点で公式には示されていない、と受け止めておくのが正確です。
学校のサーバーが攻撃を受ける事案は、企業と同じ仕組みで起きます。警察庁は、現在の侵入の多くがVPN機器などインターネットに面した機器の修正されていない弱点や、漏れた認証情報、簡単なパスワードを悪用したものだと説明しています。仕組みの面からの備えは、この記事の最後の節で、家庭と小さな事業者に当てはまる形で整理します。
2026年11月1日時点で分かっていること
第2報で学院は「今後、お知らせすべき事項が明らかになりました場合には、随時ご報告致します」と書いています。2026年11月1日に、次の場所を確かめました。
- 横須賀学院の公式サイトのトップページにある新着情報の一覧
- 学院サイトの「お知らせ」の一覧
- 事務室からのお知らせのページ(「現在事務室からのお知らせはありません」と表示)
- 小学校と中学校・高等学校のサイトの新着情報
いずれも、2025年12月24日の第3報より後に、この事案に関する新しいお知らせは掲載されていませんでした。2026年11月1日時点で、続報は公式サイトに掲載されていません。
続報がないということは、「流出した情報が特定された」「被害がないと確認された」のどちらでもありません。発表の上では、流出した可能性のある情報の内容が特定されていない状態のまま、という意味です。今後、対象者への個別の連絡や調査結果の公表があれば、学院の新着情報の欄に掲載されると考えられます。月に1回ほど学院の公式サイトの新着情報を見ておくと、続報に気づきやすくなります。
続報を確かめるときも、メールやSNSで送られてきたリンクからではなく、自分で検索するかブックマークから学院の公式サイトを開きます。「第4報はこちら」のような文面で偽のサイトに誘う連絡が届くことも考えられるためです。学院のお知らせは、公式サイトのトップページにある新着情報の欄と、お知らせの一覧に日付順で並んでいます。
自分や家族が対象かを確かめる方法
学院の発表には、対象となる人への個別の通知を送るとは書かれていません。件数や項目が特定されていないため、「この手紙が届いた人が対象」という確かめ方は、2026年11月1日時点では用意されていません。
第3報に書かれている連絡の先は、次の専用窓口です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 情報漏洩に関するお問い合わせ専用窓口 |
| 連絡方法 | メール([email protected]) |
| 連絡してほしい場面 | 自分の情報が公開されていることを確認した場合 |
| 添えてほしい内容 | 公開されていた情報の詳細(サイト等) |
| 窓口の対応 | 連絡をもとに各プラットフォームに削除申請を行い、進み具合や結果は後日連絡 |
この窓口は、電話ではなくメールでの受付です。受付時間や電話番号は第3報に書かれていません。学院サイトの下部には代表電話も載っていますが、この事案の専用の窓口として案内されているのはメールアドレスです。
メールで問い合わせるときは、次の点を書いておくと、学院側が確かめやすくなります。
- 名前と、生徒・保護者・卒業生のどの立場か
- 卒業生なら卒業した年、在校生なら学年
- 何を見つけたか(写真、動画、名前や連絡先の記載など)
- 見つけたサイトやアプリの名前と、そのページのURL
- 見つけた日時
自分の情報が出ているかどうかを探すために、怪しいサイトを次々に開くことはおすすめしません。攻撃者がデータを公開するサイトには、不正なプログラムが仕込まれていることもあります。探すことよりも、届いた連絡を見分けることに力を使うほうが、家族を守るうえで効果があります。
学校や同窓会を装った連絡への備え
学院が第3報で名指しした手口は、学校や同窓会を装った詐欺連絡と架空請求です。フィッシングメール、ボイスフィッシング、SNS、DMにも注意するよう呼びかけています。ボイスフィッシングとは、電話の音声でだまし、個人情報やお金を引き出そうとする手口のことです。
学校からの連絡は、もともと保護者にとって身近なものです。行事の案内、集金、写真の販売、同窓会の会費や寄付の案内など、ふだんから受け取っている連絡に似せられると、本物と見分けにくくなります。手口ごとに、確かめ方を整理します。
メールの場合
学校の名前で届いたメールに、リンクや添付ファイルがあるときは、すぐに開かないことが基本です。警察庁は、フィッシングのメールの文面には「個人情報の漏えい」「不正アクセス検知」のように、慌てさせてログインさせようとするものが多いと説明しています(警察庁「フィッシング対策」)。今回のような事案の後には、「流出の確認のため」「補償の手続きのため」と書いたメールが届くことも考えられます。
送信元の名前やアドレスは偽装できるため、見た目だけで本物と判断しないことも大切です。迷ったときは、メールの中のリンクではなく、自分でブックマークしている学院の公式サイトや、ふだん学校から案内されている連絡の仕組みで同じ内容が出ているかを確かめます。メールの見分け方の手順は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処でも詳しく説明しています。
電話の場合
学校の職員や同窓会の役員を名乗る電話で、「流出した情報の確認」「口座の確認」「返金の手続き」などを言われたら、その場で答えずに一度切ります。そのうえで、自分で調べた学院の代表電話にかけ直し、本当にそういう連絡をしているかを確かめます。電話の相手が教えてきた番号にかけ直すのは避けます。
学院の発表には、電話で口座番号やカード番号を聞くという案内は書かれていません。電話で暗証番号やカード番号を聞かれたら、その時点で詐欺を疑ってよい場面です。
SNSやDMの場合
SNSで、学校の公式を名乗るアカウントや、同級生・先輩を名乗るアカウントから突然メッセージが届くことがあります。「流出した写真を消すには手続きが必要」「この写真に写っているのはあなたですか」のように、不安や好奇心をあおる内容で、偽のサイトに誘ったり、さらに写真や個人情報を送らせようとしたりする手口が考えられます。
知らないアカウントからのリンクは開かない、写真や身分証の画像を送らない、困ったら保護者に相談する、という3点を、子どもと事前に話しておきます。
郵便や架空請求の場合
学院は「架空請求」が届くおそれにも触れています。架空請求とは、利用していないサービスの料金や、払う必要のないお金を請求する手口です。学校や同窓会の名前で、会費の未納、寄付、写真の購入代金、削除の手数料などを請求する書面やメールが届いたら、支払う前に学院や同窓会の公式の連絡先で確かめます。
振込先が個人名の口座になっている、支払いの期限が極端に短い、コンビニで電子マネーを買うよう求められる、といった特徴があれば、詐欺の可能性が高いと考えて、消費生活センターや警察に相談します。住所が知られている前提で届く郵便への備えは、個人情報が流出して住所が漏れたときの対応|起きることと防ぎ方の順番も参考になります。
家族で決めておく確かめ方の手順
学校を装った連絡は、保護者が仕事中で、子どもが一人で受け取る時間帯に届くこともあります。家族の誰が受け取っても同じ動き方ができるよう、確かめ方を表にして共有しておくと安心です。
| 届いた連絡 | 確かめる先 | その場でしないこと |
|---|---|---|
| 学校を名乗るメール | 自分でブックマークした学院の公式サイト、ふだん使っている学校の連絡の仕組み | リンクを開く、添付ファイルを開く |
| 学校や同窓会を名乗る電話 | 自分で調べた学院の代表電話 | 口座番号やカード番号、暗証番号を答える |
| SNSのメッセージやDM | 保護者に見せてから、学院の公式サイトで同じ案内があるか確かめる | 返事をする、写真や身分証の画像を送る |
| 会費や代金の請求の郵便 | 学院や同窓会の公式の連絡先 | 書面の振込先にすぐ振り込む |
表のとおりに動けば、どの項目が流出していたとしても、だまされる手前で止まれます。冷蔵庫の扉や家族のグループチャットなど、全員が見られる場所に共有しておくのも一つの方法です。
連絡を受けた日時、相手の名前や番号、言われた内容は、メモに残しておきます。学院の窓口や警察に相談するとき、具体的な記録があると話が早く進みます。
しなくてよいことと、便乗した業者への注意
学院の発表が「内容は特定できていない」とされているため、不安から必要以上の対応をとってしまう人もいます。2026年11月1日時点の発表をもとにすると、次のことは急いでする必要はありません。
- クレジットカードの解約や再発行。発表にはカード情報が流出したとは書かれていない
- 電話番号やメールアドレスの変更。変えると学校からの本物の連絡が届かなくなるおそれがある
- 有料の「流出調査」や「削除代行」のサービスへの申し込み
特に注意したいのは、情報漏えいの後に現れる「あなたの情報が流出しています。削除するには費用がかかります」といった連絡です。学院は第3報で、公開された情報を見つけた人から連絡を受け、学院が各プラットフォームに削除申請を行うと案内しています。学院の窓口に知らせる前に、費用を払って削除を頼む必要はありません。削除をうたう業者から連絡が来たときは、学院の公式の案内と同じ内容かを先に確かめます。
カードの明細や銀行の入出金に身に覚えのないものがあれば、その時点でカード会社や銀行に連絡します。何も起きていないうちは、明細を月に1回確かめる習慣をつける程度で十分です。
写真や動画がインターネット上に出ているのを見つけたとき
この事案で、ほかの情報漏えいと違うのは、写真や動画が流出したと学院が明言している点です。写真や動画は、名前や住所と違って、本人の顔や、制服、行事の場所が写り込むことがあり、見つけたときの心の負担も大きくなります。
見つけたときの順番を整理しておきます。
- ページのURLと、見つけた日時を控える
- 画面を撮影して記録を残す(拡散を手伝わないよう、自分の記録として保存するだけにする)
- 学院の専用窓口([email protected])に、サイトの名前とURLを具体的に知らせる
- 学院からの削除申請の結果を待つ間、そのページを家族や友人に送ったり、SNSで共有したりしない
学院は第3報で、連絡を受けた情報をもとに各プラットフォームに削除申請を行い、進み具合や結果は後日連絡すると書いています。自分で削除を依頼する方法を知っておきたい場合は、公的な案内もあります。
法務省は「インターネット上の人権侵害をなくしましょう」のページで、被害に遭った人が自分で削除を依頼する場合の手引きや、自分で求めるのが難しい場合の人権相談窓口を案内しています(法務省「インターネット上の人権侵害をなくしましょう」)。総務省の委託事業である違法・有害情報相談センターも、自分の写真が許可なく掲載されている、氏名や住所を無断で公開された、といった相談を無料で受け付けています。ただし、同センターのサイトは2026年11月1日時点で相談の受付画面がメンテナンス中と案内されているため、利用する前にサイトのお知らせを確かめてください。
削除の申請が通るかどうかや、法的な手続きをとるべきかどうかは、写っている内容や掲載されている場所によって変わります。個別の判断が必要なときは、上の窓口や弁護士に相談します。
子どもと話しておきたいこと
在校生は、スマートフォンやSNSを使いこなしている一方で、だまそうとする連絡に慣れていないことがあります。保護者が一方的に注意するよりも、家族で決まりを作っておくほうが、いざというときに相談しやすくなります。話しておきたい点は次のとおりです。
- 学校や部活動、同級生を名乗る知らないアカウントからのメッセージには、返事をする前に保護者に見せる
- 「あなたの写真が出回っている」と言われても、リンクを開かず、相手に写真を送らない
- 自分の写真を見つけても、友だちに広めない。保護者に伝えて、学院の窓口に知らせる
- お金や電子マネー、ゲームのアイテムを求められたら、必ず保護者に相談する
写真が流出したと聞くと、子どもは「自分が何かしたせいではないか」と感じることがあります。今回の事案は学院のサーバーが外部から攻撃を受けたもので、生徒や保護者の行動が原因だとは発表に書かれていません。子どもに伝えるときは、本人が責められる話ではないことを先に伝えると、その後の相談につながりやすくなります。
卒業生が気をつけること
第3報が名指ししたのは、生徒と保護者だけでなく卒業生も含まれます。学院が「同窓会を装った詐欺連絡」という言葉を使っている点にも注意が要ります。
卒業してからの年数が長いと、学校や同窓会からの連絡の形を覚えていないことがあります。そのため、「同窓会の名簿を新しくする」「記念事業の寄付をお願いしたい」「卒業生の情報確認のため」といった連絡が本物かどうかを判断しにくくなります。
卒業生が確かめるときの手順は、次のように考えます。
- 学院の公式サイトの関連組織の欄にある「横須賀学院同窓会」のページを、自分で開いて確かめる
- 連絡の中に書かれた電話番号やURLを使わず、学院の公式サイトから辿った連絡先で問い合わせる
- 寄付や会費の振込先が、公式に案内されたものと同じかを確かめる
- 名前や生年月日、卒業年を知っている相手でも、それだけで本物と判断しない
学校を卒業した後も、卒業証明書の発行などで学院とやり取りする場面はあります。学院の公式サイトには、卒業後の証明書発行についての案内のページもあります。手続きのための連絡は、公式サイトで案内されている方法で行うと決めておけば、偽の連絡にまぎれずに済みます。
メールアドレスやパスワードについて考えておくこと
学院の発表には、メールアドレスやパスワードが流出したとは書かれていません。含まれるかどうかが特定されていない、というのが現状です。それでも、学校に登録しているメールアドレスに、ほかのサービスと同じパスワードを使っている場合は、見直しておく意味があります。
見直しの順番は次のとおりです。
- 学校の連絡の仕組みや、学校で使っているサービスにログインするパスワードが、ほかのサービスと同じになっていないか確かめる
- 同じものがあれば、ほかのサービス側のパスワードを、それぞれ別のものに変える
- 銀行、通販、メールなど、乗っ取られると困るサービスでは、2段階認証(多要素認証)を設定する
これは今回の事案に限らず、どの情報漏えいにも効く備えです。自分のメールアドレスが過去の漏えいに含まれていないかを調べる方法は、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で紹介しています。ただし、このサービスで今回の事案の対象かどうかが分かるわけではありません。今回の対象かどうかの確かめ先は、学院の発表と専用窓口だけです。
在宅で仕事をする保護者や卒業生が気をつけること
保護者や卒業生の中には、自宅で取引先の仕事を受けている人もいます。学校を装った連絡は家庭のスマートフォンやパソコンに届くことが多く、そのパソコンで仕事のデータも扱っている場合、だまされたときの影響は家庭の中だけにとどまりません。
たとえば、学校からの通知を装ったメールの添付ファイルを、仕事用のパソコンで開いてしまうと、取引先から預かった顧客名簿や原稿、設計データにまで影響が及ぶおそれがあります。個人情報保護委員会は、事業者が扱う個人データについて、不正アクセスによって盗まれた場合や、ランサムウェアなどで暗号化されて元に戻せなくなった場合を、報告が必要になりうる例として挙げています。不正な目的で行われたおそれがある場合の報告は、発覚した日から60日以内とされています(個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」)。
報告の義務が誰にかかるかは、取引の形や預かっている情報の中身によって変わります。在宅で仕事を受ける人にとって大切なのは、自分のパソコンで何かが起きたとき、すぐに取引先へ伝えられるようにしておくことです。具体的には次の備えが役に立ちます。
- 家族と共有するパソコンと、仕事で使うパソコンを分ける。分けられないときは、仕事用のユーザーアカウントを別に作る
- 学校や地域からの連絡は、仕事用のメールアドレスで受け取らない
- 取引先から預かったデータは、作業が終わったら契約で決めた方法で返すか削除する
- 怪しいファイルを開いてしまったら、ネットワークから切り離し、取引先に早めに連絡する
取引先の情報を預かる立場では、自分が被害に遭ったことを隠すよりも、早く伝えるほうが信頼を保てます。社内でメール訓練をしている会社の考え方は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで紹介しています。個人で仕事を受ける人も、同じ見分け方を自分の習慣にできます。
学校のランサムウェア被害から見える、家庭と小さな事業者の備え
横須賀学院の事案で読み手が学べるのは、写真や動画のように「個人情報らしく見えないデータ」も、流出すれば本人にとって大きな問題になるということです。名前や住所が書かれていなくても、顔や制服、行事の場所が写っていれば、誰の写真かが分かってしまうことがあります。
家庭や小さな事業者が、同じ考え方で見直せる点を整理します。
- 写真や動画を保存しているクラウドやパソコンに、どんなデータがあるかを把握する
- 不要になった写真やデータは、保存したままにせず整理する
- バックアップは、普段使っているパソコンとは別の場所にも保存する
- パソコンや無線LANの機器、VPNの機器などは、更新の案内が出たら早めに適用する
- パスワードは使い回さず、多要素認証を設定する
警察庁は、ランサムウェアの被害を防ぐために、機器の弱点をふさぐこと、認証情報を適切に管理すること、アカウントの権限を必要な範囲に絞ることを挙げています。どれも、学校や会社だけでなく、自宅で仕事をする個人にも当てはまる内容です。
在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた@SOHO編集部としても、取引先から信頼されて長く仕事を続けている人ほど、預かったデータの扱い方や、トラブルがあったときの連絡の早さを大切にしている傾向があると見てきました。セキュリティの知識は、自分と家族を守るだけでなく、仕事を任される理由の1つにもなります。在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。ネットワークの基礎から学びたい人には、CCNA(シスコ技術者認定)の資格ガイドも入り口になります。
よくある質問
Q. 横須賀学院の情報漏洩で、自分の情報が含まれているかはどうすれば分かりますか?
2026年11月1日時点で、学院は流出した可能性のある情報の内容を特定できていないと発表しており、件数や対象者の一覧、個別の通知の案内もありません。そのため、自分が含まれるかを外から確かめる方法はありません。生徒・保護者・卒業生は含まれている可能性があるものとして、学校や同窓会を装った連絡に注意し、続報を学院の公式サイトの新着情報で確かめます。
Q. 専用窓口には電話で問い合わせられますか?
第3報で案内されている専用窓口は、メールアドレス([email protected])だけで、専用の電話番号や受付時間は書かれていません。自分の情報が公開されているのを見つけた場合に連絡するよう案内されており、公開されていたサイトなどの詳細を具体的に書いて送るよう求められています。
Q. 学校を名乗る電話で口座番号を聞かれたらどうすればよいですか?
その場で答えずに電話を切り、自分で調べた学院の代表電話にかけ直して、本当にその連絡をしているかを確かめます。相手が教えてきた番号にはかけ直しません。学院の発表には、電話で口座番号やカード番号を確認するという案内は書かれていません。お金を求められた場合は、支払う前に消費生活センターや警察にも相談します。
Q. 自分の写真を見つけたとき、自分で削除を依頼してもよいですか?
学院は、連絡を受けた情報をもとに各プラットフォームへ削除申請を行うと案内しているため、まず専用窓口にサイトの名前とURLを知らせます。自分で依頼する方法は、法務省のインターネット上の人権侵害のページで手引きが案内されています。削除が通るかどうかは内容や掲載先で変わるので、迷うときは人権相談窓口や弁護士に相談します。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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