仕事の優先順位の付け方と、急ぎの依頼が重なったときの決め方


この記事のポイント
- ✓仕事の優先順位の付け方を
- ✓抱えている仕事の書き出しから
- ✓緊急度と重要度による仕分け
朝に予定を立てたのに、急ぎの依頼が次々に入ってきて、結局何も終わらないまま夕方になる。どれも大事に見えて、何から手をつければよいのか決められない。仕事の優先順位に悩む人の多くは、仕事の量だけでなく、決め方が分からないことに困っています。
優先順位は、勘や気分で決めるものではありません。抱えている仕事を書き出し、締切とかかる時間を書き、決まった基準で並べ替えれば、誰でも同じように決められます。急ぎの依頼が重なったときも、確かめる順番を知っていれば、慌てずに判断できます。この記事では、仕事の優先順位の付け方を手順で説明したうえで、急ぎの依頼が重なったときの決め方、依頼主への聞き方、割り込みへの対応、チームで優先順位を共有する方法までを整理します。チームで仕事の担当と期限を見える形にしたい場合の選択肢として、無料から使えるボード型の道具Pinatecaにも触れます。
優先順位を付けるとは、何を決めることか
仕事の優先順位を付けるとは、抱えている仕事のうち、どれを先にやり、どれを後に回すかを決めることです。言いかえると、限られた時間を、どの仕事にどの順番で使うかを決めることです。
ここで大切なのは、優先順位を付けることは「やらない仕事」や「後に回す仕事」を決めることでもある、という点です。全部の仕事を今日やることはできません。何かを先にやると決めれば、別の何かは後になります。その後に回す仕事を、自分で納得して選べている状態が、優先順位が付いている状態です。
優先順位が付いていないと、次のようなことが起きます。
- 目の前に来た仕事から順に手をつけ、大事な仕事が後回しになる
- 簡単な仕事ばかり片づけて、難しい仕事が締切の直前に残る
- 頼まれるたびに作業を切り替え、どの仕事も途中のまま終わる
- 何を後回しにしたかを覚えておらず、催促されて初めて気づく
逆に、優先順位が付いていれば、急ぎの依頼が入っても、今の作業を止めるべきかどうかをすぐに判断できます。後回しにした仕事も、いつやるかが決まっているので、気がかりとして頭に残り続けることがありません。
優先順位が決められない4つの原因
優先順位を決められないときには、だいたい次のどれかが原因になっています。
1. 抱えている仕事の全体が見えていない
頭の中だけで仕事を管理していると、全体の量が分からず、比べることができません。比べられないものの順番は決められません。
2. 締切がはっきりしていない
「なるべく早く」「手が空いたら」と頼まれた仕事は、締切が分からないため、ほかの仕事と比べようがありません。
3. かかる時間が分からない
1時間で終わる仕事と、3日かかる仕事を同じように扱うと、順番を間違えます。締切が同じでも、時間のかかる仕事は先に始める必要があります。
4. 何を大事にするかの基準がない
どの仕事も大事に見えるのは、大事さを測る基準が決まっていないからです。基準がないと、声の大きい人の依頼や、目の前に来た仕事が先になります。
この4つの原因は、そのまま次の節からの手順に対応しています。全体を書き出し、締切とかかる時間を書き、基準に沿って並べれば、優先順位は決められます。
手順1:抱えている仕事を全部書き出す
まず、抱えている仕事を全部書き出します。紙でも表計算ソフトでもタスク管理の道具でもかまいません。書き出す場所は1か所にまとめます。
書き出すときは、次の場所を順に見て、漏れを防ぎます。
- メールやチャットで頼まれたまま、対応していない仕事
- 会議や打ち合わせで決まった宿題
- 予定表に入っている締切
- 机の上の書類や、手帳のメモ
- 定期的に発生する仕事(毎週の報告、毎月の請求など)
1行には1つの仕事を、動詞で終わる短い文で書きます。「A社の件」ではなく「A社に提案書の修正版を送る」のように書くと、あとで並べ替えるときに中身が分かります。
大きすぎる仕事は、いくつかに分けて書きます。「新しいサービスの企画」のような大きな仕事は、そのままでは順番を決めにくいので、「競合の料金を調べる」「企画の骨子を書く」「上司に相談する」のように分けます。
手順2:締切と、かかる時間を書き加える
書き出したそれぞれの仕事に、締切と、かかる時間の見込みを書き加えます。
締切を書く
締切が決まっている仕事は、日付と時刻を書きます。締切が決まっていない仕事は、依頼した人に確かめるか、自分で決めて相手に伝えます。「なるべく早く」と言われた仕事は、「明日の15時までにお送りしますが、よろしいですか」のように、こちらから期限を示して合意しておくと、順番を決めやすくなります。
かかる時間を書く
その仕事にかかる時間の見込みを、30分、2時間、半日、のように書きます。最初は見込みが外れてもかまいません。実際にかかった時間を記録していくと、見込みの精度が上がっていきます。
誰を待たせているかを書く
その仕事が終わるのを待っている人がいるかどうかも書いておきます。自分の仕事が終わらないと、ほかの人の仕事が止まる場合は、それだけ優先する理由が強くなります。
| 仕事 | 締切 | かかる時間 | 待っている人 |
|---|---|---|---|
| A社に提案書の修正版を送る | 明日10時 | 2時間 | A社の担当者 |
| 月次の売上の報告をまとめる | 金曜日 | 3時間 | 上司 |
| 経費の精算をする | 月末 | 30分 | 経理の担当者 |
| 新しい道具の使い方を調べる | なし | 1時間 | なし |
| B社からの問い合わせに返事をする | 今日中 | 15分 | B社の担当者 |
この表ができるだけで、何から手をつけるべきかが、かなり見えてきます。
かかった時間を記録して、見積もりの精度を上げる
優先順位の付け方の手順の中で、多くの人が苦手とするのが、かかる時間の見積もりです。見積もりが外れると、締切から逆算した順番が崩れ、結局は締切の直前に追い込まれます。
見積もりの精度を上げるいちばん確かな方法は、実際にかかった時間を記録することです。仕事を始めた時刻と終えた時刻を、一覧の横に書き留めておきます。1週間ほど続けると、次のようなことが分かってきます。
- 自分が「1時間で終わる」と思った仕事は、実際には1時間半かかることが多い
- 資料作りは見込みどおりだが、メールの返事は思ったより時間を取られている
- 午後の同じ作業は、午前より時間がかかっている
こうした傾向が分かれば、見積もりに上乗せする時間や、仕事を入れる時間帯を調整できます。たとえば、見込みが毎回1.5倍に膨らむ人は、最初から見込みを1.5倍にして予定を組みます。
記録は細かすぎなくてかまいません。15分単位で十分です。業務委託で時間単位の仕事を受けている人は、この記録がそのまま依頼主への報告や請求の根拠にもなります。
手順3:緊急度と重要度で4つに分ける
次に、それぞれの仕事を、緊急度と重要度の2つの軸で4つに分けます。緊急度とは、締切がどれだけ近いかのことです。重要度とは、その仕事が成果や信頼にどれだけ大きく関わるかのことです。
| 区分 | 中身 | 扱い |
|---|---|---|
| 緊急で重要 | 締切が近く、影響も大きい仕事 | すぐに取りかかる |
| 緊急ではないが重要 | 締切は先だが、成果に大きく関わる仕事 | 予定表に時間を確保して進める |
| 緊急だが重要ではない | 締切は近いが、影響は小さい仕事 | 短時間で片づける、または人に任せる |
| 緊急でも重要でもない | 締切も影響も小さい仕事 | まとめて処理するか、やめる |
この分け方で最も見落とされやすいのが、「緊急ではないが重要」な仕事です。企画を考える、仕事の進め方を改善する、資格の勉強をする、といった仕事は、今日やらなくても困りません。そのため、急ぎの仕事に押し出され続け、いつまでも手がつきません。この区分の仕事は、予定表に作業の時間をあらかじめ確保して、急ぎの仕事から守ることが大切です。
反対に、「緊急だが重要ではない」仕事に時間を使いすぎていないかも確かめます。急ぎの返事や細かな事務は、片づけると仕事をした気分になりますが、成果への影響は小さいものです。時間を区切って手早く片づけ、重要な仕事の時間を圧迫しないようにします。
重要度を判断するための基準
緊急度は締切を見れば分かりますが、重要度の判断は迷いやすいものです。次の4つの問いを、重要度を判断する基準として使います。
1. 影響の大きさ
その仕事がうまくいかなかったとき、どれくらい困るかを考えます。取引先との契約に関わる、売上に直結する、多くの人に影響する、といった仕事は重要度が高くなります。
2. 人を待たせているか
その仕事が終わらないと、ほかの人の仕事が止まる場合は、重要度を高く見ます。自分の作業は1時間でも、待っている人が3人いれば、合わせて3人の時間が止まります。
3. 取り返しがつくか
遅れたり間違えたりしても後から直せる仕事と、一度遅れると取り返しのつかない仕事があります。申請の期限や、相手の決定の締切に関わる仕事は、取り返しがつかないので重要度を高く見ます。
4. 自分にしかできないか
ほかの人に任せられる仕事より、自分にしかできない仕事のほうが、自分の時間を使う価値があります。任せられる仕事は任せ、自分にしかできない仕事に時間を使います。
この4つの問いに答えていくと、「どれも大事」に見えていた仕事にも、差があることが分かってきます。
迷ったときは、「この仕事を今日やらなかったら、1週間後に何が起きるか」を考えてみます。何も起きないなら、その仕事の重要度は低いと判断できます。取引先との関係が悪くなる、締切に間に合わなくなる、といった答えが出るなら、重要度は高い仕事です。
手順4:その日にやる順番を決める
4つに分けたら、その日にやる順番を決めます。
1日にできる量を見積もる
その日に仕事に使える時間から、会議や移動の時間を引き、残りの時間を出します。8時間働く日でも、会議が2時間あれば、作業に使えるのは6時間ほどです。さらに、急な依頼や問い合わせに備えて、1時間から2時間の余白を残しておきます。
締切から逆算して並べる
「緊急で重要」な仕事を、締切の早い順に並べます。締切が同じなら、時間のかかるものを先にします。次に「緊急ではないが重要」な仕事のうち、今日進める分を入れます。残りの時間で「緊急だが重要ではない」仕事を片づけます。
集中が必要な仕事を午前に入れる
考える力が必要な仕事は、集中しやすい時間に入れます。多くの人にとっては午前中がその時間です。メールの返事や事務のような、集中をあまり必要としない仕事は、午後の疲れてきた時間に回します。
順番どおりに進め、終わったら次へ
順番が決まったら、上から1つずつ進めます。途中で別の仕事が気になっても、今の仕事を区切りのよいところまで終わらせてから次に進みます。作業を頻繁に切り替えると、そのたびに頭を切り替える時間がかかり、どの仕事も進みが遅くなります。
例で見る:ある1日の優先順位の決め方
手順2の表に挙げた5つの仕事を例に、その日の順番を決めてみます。今日は9時から18時まで働き、14時から1時間の会議がある日とします。
まず、使える時間を出します。9時間から昼休みの1時間と会議の1時間を引くと、作業に使えるのは7時間です。急な依頼に備えて1時間の余白を残すと、予定に入れられるのは6時間ほどです。
次に、5つの仕事を4つの区分に分けます。
| 仕事 | 区分 | 理由 |
|---|---|---|
| B社からの問い合わせに返事をする | 緊急で重要 | 今日中が締切で、取引先を待たせている |
| A社に提案書の修正版を送る | 緊急で重要 | 明日10時が締切で、契約に関わる |
| 月次の売上の報告をまとめる | 緊急ではないが重要 | 金曜日が締切で、上司の判断に使われる |
| 経費の精算をする | 緊急だが重要ではない | 月末が締切で、影響は小さい |
| 新しい道具の使い方を調べる | 緊急でも重要でもない | 締切がなく、急ぐ理由もない |
そのうえで、順番を決めます。
- 9時:B社への返事(15分)。短く終わり、相手を待たせているので最初に片づける
- 9時15分:A社の提案書の修正(2時間)。集中が必要なので午前に入れる
- 11時15分:月次の報告のうち、数字の集計(45分)。12時から昼休み
- 13時:月次の報告の続き(1時間)
- 15時:会議のあとに、経費の精算(30分)
- 15時30分以降:余白。急な依頼に対応し、残れば月次の報告を進める
新しい道具の使い方を調べる仕事は、今日の予定には入れず、来週の予定表に時間を確保しておきます。急ぐ理由のない仕事を今日の予定から外すと決めることも、優先順位を付けることの一部です。こうして決めておけば、午後に急な依頼が入っても、余白の時間で受けるか、明日に回すかをすぐに判断できます。
急ぎの依頼が重なったときの決め方
優先順位の悩みで最も多いのが、急ぎの依頼が同時に重なったときです。複数の人から「急ぎで」と頼まれたときは、次の順で確かめます。
1. それぞれの本当の締切を確かめる
「急ぎ」と言われても、締切の時刻は人によって違います。「今日中」なのか「今日の15時」なのか「明日の朝の会議まで」なのかを確かめます。確かめてみると、どちらかに余裕があることがよくあります。
2. かかる時間を見積もり、両方間に合うかを考える
それぞれにかかる時間を見積もり、締切の早いほうから進めて、両方が間に合うかを考えます。間に合うなら、締切の早い順に進めれば済みます。
3. 間に合わないなら、依頼した人に相談する
両方が間に合わないときは、自分だけで決めずに、依頼した人に相談します。片方の締切を延ばしてもらえないか、範囲を絞れないか、ほかの人に頼めないかを聞きます。黙ってどちらかを遅らせると、遅らされた側は対応の準備ができず、より大きな問題になります。
4. 同じ職場の依頼なら、上司に判断してもらう
同じ職場の別々の人から頼まれた仕事が重なったときは、どちらを優先するかを、両方の仕事を知っている上司に判断してもらいます。依頼した人どうしの優先度は、受けた側だけでは決められないことが多いからです。
依頼した人への聞き方と伝え方の例
急ぎの依頼が重なったとき、どう伝えればよいかで迷う人は多いはずです。そのまま使える言い方の例を示します。
締切を確かめるとき
「承知しました。何時までにお送りすればよいでしょうか。」
締切の時刻を具体的に聞くだけで、優先順位の判断がしやすくなります。
締切の相談をするとき
「ほかに今日の15時が締切の仕事を抱えているため、こちらは明日の午前10時のお渡しでもよろしいでしょうか。今日中に必要でしたら、範囲を絞ってお送りすることもできます。」
理由と、代わりの案を添えて相談すると、相手も判断しやすくなります。
上司に判断を仰ぐとき
「AさんとBさんから、どちらも今日中の依頼をいただいています。両方は間に合わないため、どちらを先に進めるべきか判断をいただけますか。それぞれの内容と、かかる時間の見込みは次のとおりです。」
依頼の中身とかかる時間を一緒に伝えると、上司も判断しやすくなります。
割り込みの仕事にどう対応するか
予定どおりに進めていても、急な問い合わせや、ちょっとした依頼が割り込んできます。割り込みにすべて応じていると、予定した仕事が進みません。
その場で対応するか、後に回すかを決める
割り込みが入ったら、まず「今すぐ対応しないと困るか」を考えます。5分で終わり、相手が今すぐ必要としているなら、その場で対応します。そうでなければ、一覧に書き留めて、後で対応すると相手に伝えます。
割り込みに対応する時間をまとめる
メールやチャットを確かめる時間を、午前と午後に1回ずつなどと決め、その時間に割り込みの依頼をまとめて処理します。集中して作業する時間は、通知を切っておきます。
割り込みを受けたら、元の仕事の続きを書いておく
割り込みに対応するときは、手を止める前に、元の仕事の次の一手を1行だけ書いておきます。「次は第3章の表を作る」のように書いておけば、割り込みを片づけたあとに、どこから再開すればよいかで迷いません。割り込みのたびに「どこまでやったか」を思い出す時間がなくなるだけで、1日の作業は目に見えて進みやすくなります。
割り込みが多すぎるなら、原因を探す
毎日のように割り込みで予定が崩れるなら、割り込みの原因を探します。同じ質問が何度も来るなら、手順書や回答の例を作って共有すれば、割り込みそのものを減らせます。
上司や依頼主が何を大事にしているかを知る
優先順位を付けるときに迷う理由の1つは、自分が大事だと思う仕事と、上司や依頼主が大事だと思う仕事がずれていることです。自分だけの判断で順番を決めると、相手が最も急いでいた仕事を後回しにしてしまうことがあります。
仕事の目的を聞く
仕事を頼まれたら、その仕事が何のためのものかを聞きます。会議の資料なのか、取引先への提出物なのか、社内の記録なのかで、重要度は大きく変わります。目的が分かれば、自分で重要度を判断できるようになります。
部署や依頼主の目標を知っておく
上司や部署が、今期どんな目標を立てているのかを知っておくと、どの仕事が目標に近いのかを判断できます。業務委託の仕事なら、依頼主がその仕事で何を実現したいのかを最初に聞いておきます。
定期的にすり合わせる
週に1回などの面談や打ち合わせで、自分が考えている優先順位を上司や依頼主に伝え、ずれがないかを確かめます。「今週はこの3つを優先して進めます」と伝えるだけでも、ずれがあればその場で直せます。
優先順位を付けるときによくある失敗
優先順位の付け方を知っていても、実際の仕事ではつまずくことがあります。よくある失敗と、その防ぎ方をまとめます。
一覧を作るだけで時間を使い切る
優先順位を決めるための一覧づくりや色分けに凝りすぎて、肝心の仕事を始めるのが遅れることがあります。一覧づくりは、毎朝10分程度で終えるのが目安です。完璧な一覧を作ることより、決めた順番で仕事を始めることを優先します。
簡単な仕事から片づけてしまう
すぐに終わる仕事から片づけると、たくさん終わった気分になります。しかし、重要で時間のかかる仕事が後に残り、締切の直前に追い込まれます。5分で終わる仕事は区切りの時間にまとめ、まとまった時間は重要な仕事に使います。
余白の時間を取らない
1日の予定を作業で埋め尽くすと、急な依頼が1つ入っただけで、すべての予定がずれます。1日の作業時間のうち、1割から2割は余白として残しておくと、急な依頼を受けても予定が崩れにくくなります。
一度決めた順番にこだわりすぎる
状況が変われば、優先順位も変わります。朝に決めた順番でも、取引先から締切の前倒しの連絡が来れば、順番を入れ替える必要があります。大きな変化があったときは、その場で優先順位を決め直します。
優先順位が低い仕事の扱い方
優先順位を付けると、どうしても後回しになる仕事が出てきます。後回しにする仕事にも、扱い方があります。
- 延ばす:締切を延ばしてもらえないか相談する
- 任せる:ほかの人に頼めないかを考える
- 減らす:求められている範囲を確かめ、必要な分だけに絞る
- やめる:本当にやる必要があるかを考え、不要ならやめる
4つ目の「やめる」は、意外に多くの仕事に当てはまります。何週間も後回しにしている仕事は、実はやらなくても困らない仕事かもしれません。やめると決めた仕事は、関係する人に伝えてから一覧から消します。
週に1回、優先順位を見直す
優先順位は、1日ごとに決めるだけでなく、1週間の単位でも見直すと、急ぎの仕事に振り回されにくくなります。
週の初めに、今週の大事な仕事を3つ決める
月曜日の朝に、抱えている仕事の一覧を見て、今週中に必ず進めたい大事な仕事を3つ選びます。選ぶのは、「緊急ではないが重要」な仕事を少なくとも1つ含めるようにします。選んだ仕事は、予定表に作業の時間を確保しておきます。
週の終わりに、進み具合を確かめる
金曜日の夕方に、選んだ3つの仕事がどこまで進んだかを確かめます。進まなかった仕事があれば、何に時間を取られたのかを振り返ります。急な依頼が多かったのか、見込みより時間がかかったのか、理由が分かれば、翌週の計画に反映できます。
一覧を整理する
週の終わりに、終わった仕事を一覧から消し、もうやらなくてよい仕事を外し、新しく入った仕事の締切とかかる時間を書き加えます。一覧を整理しておくと、翌週の月曜日の朝に、すぐに優先順位を決められます。
在宅や業務委託で、複数の依頼主の仕事を受けているとき
在宅で業務委託の仕事を受けていると、複数の依頼主から同時に仕事を受けることがよくあります。依頼主どうしは互いの仕事を知らないため、優先順位を決めるのは受ける側の責任になります。
受ける前に締切の重なりを確かめる
新しい依頼を受ける前に、抱えている仕事の一覧を見て、締切が重なっていないかを確かめます。重なるなら、受ける前に締切を相談するか、引き受ける時期をずらしてもらいます。受けてから遅れるより、最初に相談するほうが信頼を損ねません。
依頼主ごとに約束した連絡の時期を守る
業務委託の仕事では、作業の進み具合が依頼主に見えません。途中経過を送る日を決めておき、その日を守ることで、依頼主は安心して待てます。優先順位の都合で作業が遅れそうなときは、早めに連絡します。
ほかの依頼主の名前は出さない
締切の相談をするとき、「ほかの取引先の仕事が忙しいので」と伝えるのはかまいませんが、ほかの依頼主の名前や仕事の中身は伝えません。依頼主の情報を守ることも、仕事を受ける側の大切な務めです。
チームで優先順位をそろえる
チームで働いていると、メンバーごとに優先順位の考え方が違い、同じ仕事に対する急ぎ具合の感じ方がずれることがあります。チームで優先順位をそろえるには、仕事を頼む側の伝え方も大切です。
厚生労働省のテレワークのガイドラインでは、離れて働く部下が自分で仕事を進められるよう、管理職の指示の出し方について次のように書かれています。
例えば、テレワークを行うに当たっては、管理職へのマネジメント研修を行うことや、仕事の進め方として最初に大枠の方針を示す等、部下が自律的に仕事を進めることができるような指示の仕方を可能とすること等が考えられる。 出典: 厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」
最初に大枠の方針を示すとは、仕事を頼むときに、何のための仕事か、どこまでやれば完成か、ほかの仕事と比べてどれくらい急ぐのかを伝えておくことです。方針が伝わっていれば、メンバーは自分で優先順位を判断できます。
チームの中で、誰がどの仕事を持っていて、どれが急ぎなのかを全員が見られる状態にしておくことも効果があります。仕事を頼む人は、相手が今どれだけの仕事を抱えているかを見てから頼めるようになり、急ぎの依頼が1人に集中するのを防げます。
そうした場面の選択肢の1つが、Pinatecaです。公式サイトによると、カンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードがあり、5人までならすべてのボードとチャットを無料で使えます。グリッドのボードは縦と横の2軸のマトリクスにカードを並べられるので、緊急度と重要度の4つの区分をチームで共有するのに使えます。リソースのボードでは、人ごとの仕事の負荷の偏りを見られ、急ぎの仕事が特定の人に集まっていないかを確かめられます。カードには担当と締切のほか、優先度などの項目を自分たちで追加できます。無料プランはボード10個まで、6人目または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円・税抜、年払いなら月額400円)になります。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
仕事の量そのものが多すぎるときは
優先順位を付けても、毎日どうしても終わらない仕事が出るなら、それは優先順位の問題ではなく、仕事の量の問題です。どれだけ上手に順番を決めても、時間に収まらない量の仕事は終わりません。
その場合は、抱えている仕事の一覧と、それぞれにかかる時間の見込みを用意して、上司や依頼主に相談します。一覧があると、何を減らすか、何を誰に任せるかを具体的に話し合えます。
仕事の量が多い状態が長く続くと、心や体にも負担がかかります。気になる状態が続くときは、1人で抱え込まずに相談してください。厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、働く人やその家族が電話、SNS、メールで相談できる窓口を案内しています。
優先順位を決める力は、在宅の仕事の信頼につながる
仕事の優先順位を自分で決め、急ぎの依頼が重なったときに早めに相談できる力は、在宅で働く人にとって特に大切です。在宅の仕事では、依頼主が作業の様子を見られないため、締切を守ること、遅れそうなときに早く知らせることが、そのまま信頼になります。
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く仕事が続く人ほど、引き受ける前に自分の仕事の量を確かめ、無理な締切は最初に相談しています。全部の依頼を受けてから遅れるより、受ける段階で調整するほうが、依頼主との関係が長く続きます。依頼主と直接やりとりできる形なら、締切や範囲の相談もすぐにできます。手数料0%で直接取引できる形では、受け手の手取りが厚くなり、依頼主も同じ予算でより多くの仕事を頼めます。
仕事の進め方を整える力は、どの職種でも求められます。業務の改善を支援する仕事についてはAIコンサル・業務活用支援のお仕事で、開発の仕事についてはアプリケーション開発のお仕事で、内容と求められる力を整理しています。経営や業務の改善を体系的に学びたい人は、中小企業診断士の資格の内容も参考になります。
よくある質問
Q. 仕事の優先順位は何を基準に決めればよいですか?
締切の近さを表す緊急度と、成果や信頼への影響の大きさを表す重要度の2つの軸で考えます。重要度は、うまくいかなかったときの影響の大きさ、人を待たせているか、取り返しがつくか、自分にしかできないか、の4つの問いで判断すると決めやすくなります。
Q. 急ぎの依頼が2つ重なったときは、どちらを先にすればよいですか?
まず、それぞれの本当の締切の時刻と、かかる時間を確かめます。両方が間に合うなら締切の早い順に進めます。間に合わないときは自分だけで決めず、依頼した人に締切の延長や範囲の絞り込みを相談します。同じ職場の別々の人からの依頼なら、上司に判断してもらうのが確実です。
Q. 緊急ではないけれど重要な仕事が、いつも後回しになります。どうすればよいですか?
企画や改善、学習のような緊急ではないが重要な仕事は、急ぎの仕事に押し出されやすい仕事です。予定表に作業の時間をあらかじめ確保し、その時間は急ぎではない依頼が入っても守るようにします。集中しやすい午前中に入れると、進めやすくなります。
Q. 優先順位を付けても仕事が終わらないときは、どうすればよいですか?
毎日終わらない仕事が出るなら、順番ではなく仕事の量の問題です。抱えている仕事の一覧と、それぞれにかかる時間の見込みを用意して、上司や依頼主に何を減らすか、誰に任せるかを相談します。負担が続いて心や体が気になるときは、厚生労働省の「こころの耳」の相談窓口も利用できます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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