時間割の作り方|教室や塾で使える表の組み方と共有のしかた


この記事のポイント
- ✓個別指導や集団授業の例
- ✓Excelやスプレッドシートで作るときの工夫
- ✓ソフトやアプリの選び方
時間割の作成は、塾や習い事の教室、学校、研修の運営など、決まった枠の中に授業や講師や教室を割り振る仕事で毎期くり返される作業です。講師の出られる曜日、生徒の通える時間、教室の数、科目の組み合わせなど、いくつもの条件を同時に満たす必要があるため、慣れていても時間がかかります。この記事では、時間割を作る前に決めること、学校と塾や教室の時間割の違い、組み方の手順、個別指導と集団授業の例、Excelやスプレッドシートで作るときの工夫、ソフトやアプリの選び方、講師や生徒への共有のしかた、振替の管理を順に説明します。複数の講師や事務の担当者が同じ表を見ながら更新したい場面の方法として、曜日と時間帯のマス目で予定を並べられるPinatecaの使い方にも触れます。
時間割を作る前に決めること
時間割の作成に時間がかかる原因の多くは、条件が整理されないまま表を作り始めることにあります。まず、次のことを決めて書き出しておきます。
| 決めること | 内容の例 |
|---|---|
| コマの長さと区切り | 1コマ80分、休憩10分、17時から21時半まで3コマ |
| 開講する曜日 | 月曜から土曜、日曜は休み |
| 使える教室や席の数 | 教室2つ、個別指導のブース8つ |
| 講師ごとの出られる曜日と時間 | 田中先生は月・水・金の18時以降 |
| 講師ごとの担当できる科目と学年 | 佐藤先生は中学の数学と理科、高校の数学 |
| 生徒ごとの受講する科目とコマの数 | Aさんは数学を週2コマ、英語を週1コマ |
| 生徒ごとの通える曜日と時間 | Bさんは部活動があるので火・木は19時以降 |
塾や教室の時間割は、講師、生徒、教室の3つの条件が重なったところに授業を入れていく作業です。どれか1つの条件が分かっていないと、表を組んでから入れ直すことになります。講師や生徒の都合は、学期の始まる前にまとめて聞き取り、書き出しておくことが近道です。
コマの長さと区切りは、一度決めたら簡単には変えられません。学校の部活動が終わる時間、保護者の送迎の都合、講師の勤務の時間などを考えて決めます。特に、最終のコマが終わる時刻は、小学生や中学生の生徒が帰宅する時刻に関わるので、保護者の目線でも無理がないかを確かめておきます。
学校の時間割と、塾や教室の時間割の違い
時間割と一口にいっても、学校の時間割と、塾や習い事の教室の時間割では、守るべき決まりと組み方の考え方が違います。
学校の時間割は、国の決まりにもとづいて組まれます。学校教育法施行規則では、小学校と中学校の各教科などの授業時数の標準が定められていて、授業時数の1単位時間は、小学校が45分、中学校が50分とされています。
この表の授業時数の一単位時間は、四十五分とする。 出典: e-Gov法令検索 学校教育法施行規則
中学校について定めた別の表にも、同じ形で「この表の授業時数の一単位時間は、五十分とする。」と書かれています。学校の時間割を作る場合は、こうした決まりのほか、学習指導要領や教育委員会の方針にも沿う必要があるので、学校の管理職や教務の担当者と確かめながら進めます。
学校では、年間の授業時数を確保しながら、教員の担当、特別教室の使い方、学年ごとの行事などを組み合わせて時間割を作ります。条件が多いため、学校向けの時間割作成のソフトが使われることも多くあります。
一方、塾や習い事の教室の時間割には、学校のような授業時数の決まりはありません。コマの長さや曜日、科目の組み合わせは、教室の方針と、生徒や講師の都合で自由に決められます。その分、生徒ごとに受講の内容が違う個別指導の塾では、生徒一人ひとりの時間割を組む必要があり、組み合わせの数が多くなります。
| 項目 | 学校 | 塾・教室 |
|---|---|---|
| 守るべき決まり | 授業時数の標準など国の決まり | 教室ごとの方針 |
| 時間割の単位 | 学級ごと | 授業ごと、または生徒ごと |
| 組み替えの頻度 | 年度や学期ごと | 学期ごと、生徒の入会や退会のたび |
| よく使う道具 | 学校向けの時間割作成のソフト | 表計算ソフト、教室の管理のシステム |
この記事では、主に塾や教室の時間割を例にして、組み方と共有のしかたを説明します。
時間割の組み方の手順
条件を書き出したら、次の順番で表を組んでいきます。
- 曜日とコマを並べた空の表を作る
- 教室や席の数を、コマごとの上限として書き込む
- 講師ごとに、出られない曜日とコマに印を付ける
- 曜日や時間の条件が厳しい生徒から先に入れる
- 担当できる講師が限られる科目(高校の理科、受験の対策など)を先に入れる
- 残りの授業を、講師と教室の空いているコマに入れる
- 講師ごとのコマの数と、生徒ごとの受講のコマの数を確かめる
- 同じ講師や同じ教室が、同じコマに重なっていないかを確かめる
- 責任者に確かめてもらい、講師と生徒に公開する
ポイントは、条件の厳しいものから先に入れることです。いつでも通える生徒や、どの科目も担当できる講師を先に入れてしまうと、条件の厳しい生徒や科目を入れる場所がなくなり、最初からやり直すことになります。
8つ目の重なりの確認は、表が大きくなるほど見落としやすい部分です。同じ講師が同じ曜日の同じコマに2つの授業を持っていないか、同じ教室に2つの授業が入っていないかを、講師ごと、教室ごとに見直します。
個別指導の塾の時間割の例
講師3人、ブース6つの個別指導の塾で、月曜の時間割を組む例を見てみます。1人の講師が1コマで生徒2人を担当する形だとします。
| コマ | 田中先生 | 佐藤先生 | 鈴木先生 |
|---|---|---|---|
| 1コマ目(17時から18時20分) | Aさん(中2数学)、Bさん(中1英語) | 出られない | Cさん(小6算数) |
| 2コマ目(18時30分から19時50分) | Dさん(中3数学)、Eさん(中3理科) | Fさん(高1数学)、Gさん(高2数学) | Hさん(中2国語) |
| 3コマ目(20時から21時20分) | Iさん(中3英語) | Jさん(高3化学)、Kさん(高1英語) | 空き |
この例では、佐藤先生が1コマ目に出られないことと、高校の数学や化学を担当できるのが佐藤先生だけであることが、組み方の条件になっています。高校生の授業は、佐藤先生が出られる2コマ目と3コマ目に集めています。
表を見ると、鈴木先生の1コマ目と3コマ目には、担当する生徒が1人以下です。新しい生徒が入会したときに、まずこの空きに入れられないかを考えます。空きがどこにあるかを一目で分かるようにしておくと、入会の問い合わせにもすぐに答えられます。
個別指導の塾では、講師ごとの表のほかに、生徒ごとの表も作っておくと便利です。生徒や保護者には、その生徒の受講の曜日、コマ、科目、担当の講師だけを伝えれば済むので、全体の表を見せる必要がなくなります。
集団授業や習い事の教室の時間割の例
集団授業の教室や、習い事の教室では、学年やクラスごとに授業の時間を決めて、そこに生徒が通う形が一般的です。
英会話の教室で、教室1つ、講師2人の場合の例です。
| 曜日 | 16時から16時50分 | 17時から17時50分 | 18時から19時 |
|---|---|---|---|
| 月 | 幼児クラス(山田先生) | 小学校低学年クラス(山田先生) | 中学生クラス(伊藤先生) |
| 水 | 小学校高学年クラス(伊藤先生) | 小学校低学年クラス(山田先生) | 大人のクラス(伊藤先生) |
| 金 | 幼児クラス(山田先生) | 小学校高学年クラス(伊藤先生) | 中学生クラス(伊藤先生) |
集団授業の時間割では、クラスごとの人数と、教室の広さの釣り合いを考えます。人数が多いクラスは広い教室に、少人数のクラスは小さな教室に入れます。また、同じ学年のクラスを週に2回開く場合は、月曜と金曜のように間を空けると、生徒が復習する時間を取りやすくなります。
習い事の教室では、兄弟や姉妹が同じ日に通えるように、隣り合った時間にクラスを並べる工夫もよく見られます。保護者の送迎の負担が減るので、続けてもらいやすくなります。
学期の始まりまでの準備の流れ
時間割の作成は、表を組む作業そのものより、その前の聞き取りと調整に時間がかかります。学期の始まりから逆算して、次のような流れで準備を進めると、直前に慌てずにすみます。
| 時期の目安 | すること |
|---|---|
| 学期の始まりの6週間前 | 講師に、次の学期に出られる曜日と時間を聞き取る |
| 5週間前 | 生徒と保護者に、通える曜日と時間、受講したい科目を聞き取る |
| 4週間前 | 聞き取った条件を一覧にまとめ、足りない講師やコマを確かめる |
| 3週間前 | 時間割の下書きを組み、講師に確かめてもらう |
| 2週間前 | 生徒ごとの時間割を作り、生徒と保護者に伝える |
| 1週間前 | 変更の希望に対応し、最終の版を公開する |
聞き取りの段階で大切なのは、締め切りを決めて、全員から確実に回答を集めることです。1人でも回答が遅れると、その人の条件が決まらないまま表を組むことになり、あとで大きく組み替える原因になります。回答の締め切りの数日前に、まだ回答していない人に声をかけるようにしておくと、作業が止まりにくくなります。
学校の行事や定期試験の日程も、この段階で確かめておきます。近くの中学校や高校の定期試験の時期は、生徒の通える時間が変わったり、試験の対策の授業を求められたりします。地域の学校の年間の予定を、学期の初めに集めておくと、時間割の調整がしやすくなります。
講師の負担を偏らせない工夫
時間割を組むときは、生徒の都合だけでなく、講師の負担にも気を配ります。特定の講師に授業が集中すると、その講師が疲れてしまい、授業の質が下がったり、辞めてしまったりすることにつながります。
講師の負担を偏らせないための工夫は、次のとおりです。
- 講師ごとの1週間のコマの数を一覧にして、極端に多い人がいないかを確かめる
- 連続して担当するコマの数に上限を決め、途中に休憩のコマを入れる
- 準備に時間がかかる科目(受験の対策、初めて担当する学年)が1人に集まらないようにする
- 講師の希望するコマの数を聞き、希望を大きく超えて割り振らない
アルバイトの講師を雇っている塾では、講師は労働基準法の決まりのもとで働く人です。授業の時間だけでなく、授業の準備や報告書の作成の時間も、働いた時間として扱う必要があるかどうかを考えておく必要があります。どこまでが労働時間に当たるかの判断は、仕事の内容によって変わるので、迷うときは労働基準監督署などに確かめてください。働き方のルールを整えるときの就業規則の作り方は、リモートワーク・副業解禁に対応した就業規則の作成費用と注意点で紹介しています。
オンラインの授業を組み合わせるときの時間割
最近は、教室での授業とオンラインの授業を組み合わせる塾や教室も増えています。オンラインの授業を時間割に入れるときは、教室の授業とは違う条件があります。
| 項目 | 教室の授業 | オンラインの授業 |
|---|---|---|
| 席や教室の数の上限 | ある | 基本的にない(講師の数が上限になる) |
| 移動の時間 | 生徒と講師の移動が必要 | 移動がいらない |
| 必要な準備 | 教室の机や教材の用意 | 通信の環境、カメラ、画面共有の準備 |
| 遅い時間の授業 | 帰宅の時刻を考える必要がある | 自宅で受けるので遅い時間でも組みやすい |
オンラインの授業は、教室の席の数に縛られないので、時間割を組む自由度が上がります。一方で、講師が自宅から授業をする場合は、講師の通信の環境や、授業をする部屋の条件も確かめておく必要があります。
教室の授業とオンラインの授業を同じ表で管理する場合は、どちらの形の授業なのかが一目で分かるように、記号や色で区別しておきます。オンラインの授業には、ビデオ通話のリンクをどこで共有するかも決めておくと、授業の直前に慌てずにすみます。
長期休みや受験期の特別な時間割
夏休みや冬休みの講習、受験の直前の時期には、ふだんとは違う特別な時間割を組むことがあります。特別な時間割は、期間が短く、生徒ごとの受講の内容も違うため、ふだんの時間割とは分けて作ります。
特別な時間割を組むときの流れの一例です。
- 講習の期間、1日のコマの数、開講する日を決める
- 講習の内容と、学年ごとに受講できる科目を決める
- 生徒と保護者に講習の案内を出し、受講の申し込みを受け付ける
- 申し込みの内容をもとに、講師と教室を割り振る
- 生徒ごとの講習の予定表を作って渡す
講習の期間は、ふだんの授業と講習の授業が重なることもあります。ふだんの授業を休みにするのか、講習と並べて行うのかを、早めに決めて生徒に伝えておきます。
講習の時間割は、申し込みの締め切りから開始までの期間が短くなりがちです。案内を出す段階で、講師の出られる日をあらかじめ聞き取っておき、申し込みが集まったらすぐに組める状態にしておくと、開始の直前の慌ただしさを減らせます。
Excelやスプレッドシートで作るときの工夫
時間割は、ExcelやGoogleスプレッドシートで作る教室が多くあります。表計算ソフトで作るときは、表の形といくつかの仕組みを工夫しておくと、毎期の作業が楽になります。
基本の形は、行にコマ、列に曜日を並べる形です。個別指導の塾では、曜日ごとにシートを分け、列に講師、行にコマを並べる形も使いやすいでしょう。
| 工夫 | 方法 |
|---|---|
| 講師ごとのコマの数を数える | COUNTIF関数で、講師の名前が入ったセルの数を数える |
| 講師や教室の重なりを見つける | COUNTIFS関数で、同じ曜日とコマに同じ講師の名前が2つ以上ないかを数える |
| 科目を色で分ける | 条件付き書式で、科目ごとにセルの色を変える |
| 入力の間違いを防ぐ | 入力規則で、講師や科目の名前を一覧から選ぶ形にする |
| 生徒ごとの表を作る | フィルターで生徒の名前を選び、その生徒の授業だけを表示する |
COUNTIFS関数は、複数の条件にすべて合うセルの数を数える関数です。曜日、コマ、講師の名前の3つの条件で数え、結果が2以上になった組み合わせがあれば、その講師がそのコマに重なって入っていることが分かります。
表計算ソフトでの作成は、自由に形を作れて費用もかからないのが利点です。一方で、講師や生徒の数が増えるほど、関数や書式の手入れが必要になり、作った人にしか直し方が分からない表になりがちです。表の作り方と、関数の意味を簡単な説明書として残しておくと、担当が変わったときにも引き継ぎやすくなります。
時間割作成のソフトやアプリの選び方
時間割を作る道具には、表計算ソフトのほかに、学校向けの時間割作成のソフト、塾や教室の運営のシステム、チームで予定を共有するツールなどがあります。
学校向けの時間割作成のソフトには、ルールを入力すると時間割の下書きを自動で組むものがあります。たとえば、クラウド型の時間割作成のソフトの公式サイトには、次のような案内があります。
はい。登録不要で、デモから今すぐ時間割作成を体験できます。サンプル中学校のデータで、使える時間割の下書きがボタンひとつで出るところまで確認できます。自校のデータで本格的に使う場合も、まずは無料プランから始められます。 出典: koma-dori.com
学校向けのソフトは、授業時数の管理や授業の変更まで含めて扱えるものが多く、学校の時間割には強い道具です。一方で、塾や習い事の教室の時間割には、学校向けの機能が合わないこともあります。
道具を選ぶときは、次の点を確かめます。
- 学校向けか、塾や教室向けか
- 自動で組む機能が必要か、手で組めれば十分か
- 講師や生徒、保護者に、スマートフォンから見せられるか
- 振替や欠席の管理まで扱えるか
- 無料で使える範囲と、人数や機能による料金
- 生徒の個人情報を扱う場合の、情報の管理の体制
塾や教室の運営のシステムには、時間割のほかに、生徒の情報、月謝の請求、出欠の記録などをまとめて扱えるものもあります。教室の規模が大きくなり、時間割以外の事務の手間も増えてきたら、こうしたシステムを検討する時期です。
講師や生徒への共有のしかた
時間割は、作ったあとの共有のしかたで、使いやすさが大きく変わります。誰に何を見せるかを決めておくことが大切です。
| 見る人 | 見せる内容 | 共有の方法の例 |
|---|---|---|
| 講師 | 自分の担当のコマと、全体の表 | 共有の表、講師用のグループの連絡 |
| 事務の担当者 | 全体の表、空きのコマ、振替の予定 | 共有の表 |
| 生徒・保護者 | その生徒の受講の曜日、コマ、科目 | 個別の連絡、印刷した表 |
生徒や保護者に全体の表を見せると、ほかの生徒の名前や受講の内容が分かってしまいます。生徒ごとの表を作り、個別に伝えるのが基本です。全体の表を教室に貼る場合も、生徒の名前は書かずに、クラスや科目だけを示す形にします。
講師には、全体の表を見られるようにしておくと、振替の相談や、空いているコマの確認がしやすくなります。ただし、編集できる人は時間割の担当者に限り、講師は閲覧だけにしておくと、誤って書き換えられることを防げます。
公開したあとの時間割には、版の日付を書いておきます。学期の途中で生徒の入会や退会があると、時間割は何度も変わります。どれが最新の版なのかが分かるようにしておかないと、古い表を見て授業に来てしまう講師や生徒が出てきます。
振替と変更の管理
塾や教室では、生徒の欠席による振替や、講師の都合による変更がよく起こります。振替の管理がうまくいかないと、同じコマに生徒が集中したり、振替の授業を忘れたりするトラブルにつながります。
振替の管理のしかたの一例です。
- 振替のルールを決めて、入会のときに伝える(何日前までに連絡するか、月に何回までかなど)
- 欠席の連絡を受けたら、振替の候補になる空きのコマを確かめる
- 生徒と保護者に候補を伝え、振替の日時を決める
- 時間割の表に、振替の授業を書き込み、元のコマには欠席の印を付ける
- 担当の講師に、振替の授業が入ったことを伝える
4つ目の書き込みのときは、振替の授業だと分かるように、色や記号で区別しておきます。月の終わりに、振替の授業がきちんと行われたかを確かめ、行われていないものがあれば、生徒に連絡します。
振替の空きのコマが足りなくなる時期もあります。定期試験の前や、受験の直前の時期は、振替の希望が集中しがちです。その時期だけ特別に開くコマを用意しておくなど、あらかじめ対策を考えておくと慌てずにすみます。
入会や退会があったときの組み直し
塾や教室の時間割は、学期の途中でも、生徒の入会や退会、受講する科目の変更のたびに組み直しが必要になります。そのたびに全体を組み直していては手間がかかりすぎるので、小さな変更で済ませる手順を決めておきます。
新しい生徒が入会したときの手順の一例です。
- 生徒の通える曜日と時間、受講したい科目とコマの数を聞き取る
- その科目を担当できる講師の空きのコマを一覧から探す
- 生徒の通える時間と、講師の空きのコマが重なるところを候補にする
- 候補が複数あれば、生徒と保護者に選んでもらう
- 候補がない場合は、講師の出られる時間を広げられないか、ほかの講師に担当してもらえないかを検討する
- 決まった授業を時間割に書き込み、版の日付を更新する
この手順をすばやく進めるためには、講師ごとの空きのコマが一目で分かる表を、ふだんから用意しておくことが大切です。問い合わせの電話を受けたその場で、「火曜の19時からなら、数学の授業を受けられます」と答えられれば、入会につながりやすくなります。
退会があったときは、空いたコマを記録しておきます。退会で空いたコマは、次の入会の候補になるだけでなく、ほかの生徒の振替の受け皿にもなります。空きのコマが特定の曜日や時間に偏っている場合は、講師の出る曜日を見直すきっかけにもなります。
作成の作業をほかの人に任せるとき
時間割の作成を、教室長以外の事務の担当者や、在宅で働くスタッフに任せる教室もあります。作業を任せるときは、次のものを渡しておくと、任された人が迷わずに作業を進められます。
- 講師ごとの出られる曜日と時間、担当できる科目と学年の一覧
- 生徒ごとの通える曜日と時間、受講の科目とコマの数の一覧
- 教室や席の数と、使える時間
- 時間割を組むときの優先の順番(条件の厳しい生徒から、など)
- 講師どうし、生徒どうしの組み合わせで避けたいこと
- 完成した時間割を確かめる人と、公開までの流れ
特に、5つ目の避けたい組み合わせは、教室長の頭の中にだけあることが多い情報です。「この2人の生徒は同じブースにしない」「この講師はこの生徒の担当にしない」といった条件は、理由とともに書き出しておかないと、任された人には分かりません。
生徒の名前や通える時間は個人情報なので、外部の人に作業を任せる場合は、情報の扱いについての取り決めを交わしておきます。作業に必要な情報だけを渡し、作業が終わったら受け渡したファイルを削除してもらうなど、ルールを決めておくと安心です。
複数の人で同じ時間割を見ながら更新する方法
時間割の担当者が1人なら、表計算ソフトで十分に回せます。一方で、教室長と事務の担当者が交代で時間割を直す、複数の教室の時間割を本部でまとめて見る、振替の相談を講師と時間割の近くで進めたい、という教室では、表のファイルと連絡の手段が別々になっていることで、最新の版が分からなくなりがちです。
こうした場面で使える方法の1つが、国産のプロジェクト管理のツールのPinatecaです。Pinatecaには8種類のボードがあり、そのうちの時間割ボードは、公式の使い方ガイドで「曜日と時間帯のマス目です。シフト、当番、授業のように枠が先に決まっているものに使います」と説明されています。マス目に「数学 Aさん(田中先生)」のようなカードを並べ、カードごとに担当者やラベル、コメントを付けられるので、振替の相談をそのカードの上で進められます。使い方ガイドによると、時間割ボードは週をまたいで前後に送ることができ、マス目に並べたカードを表の形で確かめられる「一覧」の見え方にもタブで切り替えられます。講師ごとの担当の重なりを見たいときは、人を行にして時間の流れで並べるリソースボードも使えます。
料金は、公式の料金ページによると、5人までのチームなら無料で、ボードは10個まで作れます。6人以上で使う場合は、スタンダードプランが1人あたり月額500円(税抜、年払いなら1人あたり月額400円)で、閲覧だけのゲストは人数に数えないとされています。ただし、Pinatecaは予定を並べて共有するためのボードで、時間割を自動で組む機能や、月謝の請求、出欠の集計の機能はありません。講師と事務の担当者が同じ時間割を見ながら、変更や振替の相談を1か所で進めたい場面で検討するとよいでしょう。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
時間割を見直すタイミング
一度作った時間割も、使っているうちに合わなくなる部分が出てきます。学期の終わりなど、決まった時期に見直す習慣をつけておくと、次の学期の時間割をよりよい形にできます。
見直しのときに確かめたいことは、次のとおりです。
- 生徒の出席の記録から、欠席や振替が多いコマや曜日がないか
- 講師ごとのコマの数に、学期を通して偏りがなかったか
- 空きのコマが特定の曜日や時間に固まっていないか
- 保護者や生徒から、時間帯についての要望が出ていないか
- 最終のコマの終わる時刻に、送迎の面で無理がなかったか
欠席や振替が多いコマは、生徒にとって通いにくい時間になっている可能性があります。たとえば、部活動の終わる時刻と重なっている、学校の行事が多い曜日に当たっている、といった理由が考えられます。原因が分かれば、次の学期にコマの開始の時刻をずらす、曜日を変えるといった対策がとれます。
見直しの結果は、次の学期の「作る前に決めること」の表に反映させます。毎学期この流れをくり返すと、時間割の作成にかかる時間が少しずつ短くなり、生徒と講師の双方にとって通いやすく働きやすい時間割に近づいていきます。
よくある失敗と防ぎ方
時間割の作成で起こりやすい失敗と、その防ぎ方を整理しておきます。
- 同じ講師が同じコマに2つの授業を持っていた。公開の前に、講師ごとの表で重なりを確かめる
- 生徒の通える時間を勘違いしていた。生徒ごとの条件を書き出し、表と見比べる
- 古い版の時間割を見て授業に来てしまった。版の日付を書き、見る場所を1つに決める
- 振替の授業を忘れていた。振替は色や記号で区別し、月の終わりに確かめる
- 担当者が休むと誰も時間割を直せない。作り方と条件の一覧を文書にして残す
最後の点は、小さな教室ほど起こりやすい問題です。時間割の作成が教室長1人の頭の中だけで回っていると、その人が体調を崩したときに、教室全体の運営が止まります。条件の書き出しの表と、組み方の手順を教室の文書として残しておくと、ほかの人にも作業を任せやすくなります。教室の運営の手順書や資料を作る仕事は外部に頼むこともでき、その内容は契約書・資料・企画書作成のお仕事で紹介しています。
在宅の仕事の現場から見た時間割の作業
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、塾や教室の事務の仕事のうち、時間割のひな形づくり、生徒ごとの表の作成、振替の連絡の文面づくりのような作業は、教室に出向かなくてもできる仕事として外部に頼まれることがあります。教室長がこうした作業に追われる時間を減らせれば、その分を生徒や保護者との面談、講師の育成に回せます。
外部の人に作業を頼むときは、間に入る仲介の手数料が少ないほど、頼む側は同じ予算で多くの作業を頼め、受ける側の手取りも厚くなります。手数料0%で直接取引できる場を使えば、教室の事情をよく理解した人と長く付き合いやすくなります。時間割は、条件を書き出し、条件の厳しいものから順に入れ、共有する相手ごとに見せる内容を分けるという基本を押さえれば、毎期の作業を確実に短くできます。教室の経営や業務の流れを見直したい人には、中小企業診断士の資格の内容も参考になります。
よくある質問
Q. 時間割は無料で作れますか?
作れます。ExcelやGoogleスプレッドシートを使えば、費用をかけずに作れます。行にコマ、列に曜日を並べた表を作り、COUNTIF関数で講師ごとのコマの数を数え、COUNTIFS関数で同じ講師が同じコマに重なっていないかを確かめると、組み間違いを防げます。学校向けの時間割作成のソフトにも、無料のプランやデモを用意しているものがあります。
Q. 塾の時間割はどのような順番で組めばよいですか?
最初に、コマの長さ、開講する曜日、教室や席の数、講師ごとの出られる時間と担当できる科目、生徒ごとの受講の内容と通える時間を書き出します。そのうえで、曜日や時間の条件が厳しい生徒と、担当できる講師が限られる科目から先に入れ、残りを空いているコマに入れていきます。最後に、講師と教室の重なりがないかを確かめます。
Q. 時間割を生徒や保護者に共有するときの注意点は何ですか?
全体の表を見せると、ほかの生徒の名前や受講の内容が分かってしまいます。生徒ごとに、その生徒の受講の曜日、コマ、科目、担当の講師だけをまとめた表を作り、個別に伝えるのが基本です。教室に全体の表を貼る場合も、生徒の名前は書かず、クラスや科目だけを示す形にします。
Q. 振替の授業はどのように管理すればよいですか?
入会のときに、何日前までに連絡するか、月に何回までかといった振替のルールを伝えておきます。欠席の連絡を受けたら空きのコマから候補を示し、決まった振替の授業は時間割の表に色や記号で区別して書き込み、担当の講師にも伝えます。月の終わりに、振替の授業がきちんと行われたかを確かめると、忘れを防げます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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