タイミーの収入の区分|給与になる仕事と、そうでない仕事

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
タイミーの収入の区分|給与になる仕事と、そうでない仕事

この記事のポイント

  • タイミーで得た収入は収入として扱われますか
  • という疑問に結論から答えます
  • 確定申告書や就労証明書といった各種手続きの書類でどう記載するかまで

「タイミーで得た収入は収入として扱われますか」。この検索をする人の多くは、単に税金がかかるかどうかを知りたいわけではありません。扶養から外れないか、会社の年末調整で何と書けばいいのか、保育園や奨学金の書類にどう記載するのか、そこまで含めて知りたいはずです。結論から書きます。タイミーで得たお金は、原則として税法上の「給与所得」に区分される収入です。銀行に振り込まれた時点で所得税法上の課税対象になっており、扶養の判定でも各種手続きの所得欄でも、必ず数に入れなければなりません。

この記事では、なぜ給与所得になるのかという根拠を所得区分の観点から押さえたうえで、扶養控除等申告書、確定申告書、住民税申告書、就労証明書といった実際の書類で、タイミーの収入をどの欄にどう書くのかを一つずつ整理します。金額の基準だけを知りたい人向けの記事は世の中に大量にありますが、「書類のどこに何を書くか」まで踏み込んだものは意外なほど少ない、という特徴があります。

結論から。タイミーの報酬は原則「給与所得」に区分される

まず所得区分の話をします。所得税法は個人の所得を10種類に分類していて、どの区分に入るかで税額の計算方法も、確定申告の要否も、扶養判定の計算も変わります。給与所得、事業所得、雑所得、一時所得などがその代表です。タイミーで得たお金は、このうち第28条に定められた「給与所得」に該当するのが原則です。

給与所得になる根拠は「雇用契約を結んでいる」こと

給与所得とは、雇用契約またはそれに準ずる関係に基づき、雇用主の指揮命令を受けて労働した対価として受け取る金銭のことを指します。ここで重要なのは、支払い元が誰か(プラットフォーム経由かどうか)ではなく、労働の実態がどうか、という点です。

タイミーは、働き手と募集企業のあいだで直接の雇用契約が成立する仕組みで運用されています。アプリで応募して勤務が確定した時点で、その店舗や事業所と短期の労働契約を結んだことになります。当日は現場の指示に従って決められた時間だけ働き、時給に基づいて報酬が計算されます。勤務時間が管理され、業務の進め方について指揮命令を受け、時間単位で対価が決まる。この三つが揃っている以上、税務上は完全に給与です。

具体的な判定基準としては、次の要素が総合的に見られます。

・業務の内容や進め方について、依頼主から具体的な指揮監督を受けているか ・勤務場所と勤務時間が指定され、拘束されているか ・報酬が「時間」に対して支払われているか(成果物に対してではないか) ・自分の代わりに他人を働かせることが認められていないか ・材料や道具が雇用主から提供されているか

タイミーの一般的なスキマバイト案件は、この5つのほぼすべてに当てはまります。飲食店のホール、倉庫のピッキング、小売店の品出しといった定番の職種は、どれも現場の指示に従って所定の時間だけ働く形式です。したがって、税務上の扱いに迷う余地はほとんどありません。

例外的に給与所得にならないケースもある

ただし、すべてが給与所得というわけではありません。スキマバイト系のサービスには、雇用契約ではなく業務委託契約で募集される案件が混在しているケースがあります。配達代行、アンケートモニター、覆面調査、成果報酬型の営業といった業務が代表例です。これらは指揮命令関係がなく、成果に対して報酬が支払われる形式のため、給与所得ではなく雑所得または事業所得として扱われます。

自分がどちらで働いたのかを確認する方法は単純で、報酬から所得税が源泉徴収されているかどうか、そして年明けに源泉徴収票が発行されるかどうかを見ることです。給与であれば源泉徴収票が出ます。業務委託であれば支払調書が出るか、何も出ないかのどちらかになります。アプリの契約内容の画面に「雇用契約」「労働条件通知書」といった文言があれば給与、「業務委託」「請負」とあれば給与ではない、と判断できます。

正直なところ、ここを混同したまま確定申告をしてしまう人はかなり多い、という印象があります。給与所得と雑所得では使える控除も申告書の記入欄も違うため、間違えると税額が変わってしまいます。年に何度か単発で働いただけの人ほど、契約形態を確認せずに「バイト代だから給与でしょう」と決めつけがちです。実態としては大半が給与で合っているのですが、確認する習慣は持っておいたほうが安全です。

スキマバイト市場の拡大が、税務の質問を増やした背景

スキマバイトという働き方が一般化したのは、ここ数年のことです。人手不足が慢性化した飲食、小売、物流、介護といった業界で、数時間単位の労働力を即日で確保できる仕組みへの需要が急速に高まりました。同時に、働き手の側でも本業の収入だけでは不安という層が増え、空き時間を現金化する手段としてスキマバイトが選ばれるようになっています。

この構造変化のなかで生まれたのが、「複数の勤務先から少額の給与を受け取る人」という新しい納税者像です。従来、給与所得者は1か所の勤務先から給与をもらい、年末調整で課税関係が完結するのが標準でした。ところがスキマバイトを併用すると、年間で5社10社から給与を受け取るという状態が普通に発生します。1社あたりの金額は数千円から数万円と小さくても、合計すれば無視できない額になり、しかもそのどれもが年末調整の対象外です。

税制の側は、この働き方を前提に作られていません。だから「収入として扱われますか」という素朴な疑問が大量に生まれ、検索されているわけです。答えは冒頭のとおり、扱われます。金額が小さいから、日払いだから、単発だから、といった理由で対象外になる仕組みは存在しません。

給与所得として扱われることの実務的な意味

所得区分が給与所得だと確定すると、いくつかの具体的な帰結が生まれます。順に見ていきます。

給与所得控除が使える

給与所得の金額は、収入金額をそのまま使うのではなく「収入金額から給与所得控除を引いた残額」で計算します。自営業者でいう経費に相当するものが、給与所得者には概算で認められている、と考えると分かりやすいでしょう。

給与所得控除には最低保障額があり、収入が少ない場合でも一定額が引かれます。2026年時点では、給与収入が190万円以下の人の給与所得控除額は65万円です。つまり、年間の給与収入が65万円以下であれば給与所得は0円になります。

ここが重要なのは、扶養の判定や各種の所得制限が「収入」ではなく「所得」で判定される場面が多いからです。タイミーで年間80万円の収入があった場合、給与所得は80万円から65万円を引いた15万円になります。書類に「所得金額」と書かれているのに収入の80万円を書いてしまうと、扶養から外れたり、受けられるはずの制度から外れたりする事故が起きます。この収入と所得の使い分けは、後述する書類の書き方で何度も出てきます。

源泉徴収の仕組みと、天引きされていない場合

給与を支払う事業者には、所得税を天引きして国に納める義務があります。天引きの計算方法は税額表という表に従い、扶養控除等申告書を提出しているかどうかなどで、甲欄、乙欄、丙欄の3種類に分かれます。

丙欄は日雇い(継続して2か月を超えない雇用)に適用される区分で、日額が一定額未満なら源泉徴収税額が0円になります。スキマバイトの1日限りの勤務は、この丙欄に該当することが多いのが実情です。そのため「タイミーで働いたのに所得税が引かれていなかった」という状態は、珍しくありません。

ただし、これは非課税という意味ではありません。天引きされていないだけで、所得としては発生しています。年間の合計額が一定を超えれば、確定申告で改めて税額を計算し、不足分を納めることになります。逆に、乙欄で多めに天引きされていた場合は、確定申告をすることで還付を受けられます。

給与から所得税が源泉徴収され、なおかつ年末調整で所得税額が確定されている場合には、確定申告をする必要はありません。しかし、給与所得以外の所得が20万円を超えるときや、各種控除を受けたいときなどは確定申告が必要です。所得が発生した翌年の2月16日~3月15日のあいだに確定申告を済ませましょう。 出典: timee.co.jp

「20万円ルール」は給与所得には別の読み方がある

副業の話になると必ず出てくる「20万円以下なら申告不要」という基準ですが、これを給与所得に当てはめるときは注意が必要です。

会社員が確定申告を要しないのは、1か所から給与を受けていて年末調整が済んでおり、かつ給与所得および退職所得以外の所得が合計20万円以下の場合です。ここでいう「給与所得以外の所得」に、タイミーの給与は含まれません。給与だからです。

タイミーのような副業先の給与がある場合に適用されるのは、別の規定です。2か所以上から給与を受けていて、年末調整をしていないほうの給与の「収入金額」と、給与以外の所得の合計が20万円を超えるときに確定申告が必要になります。ポイントは、給与については所得ではなく収入金額で判定するという点です。給与所得控除を引く前の、振り込まれた総額で見ます。

したがって、本業の会社員がタイミーで年間25万円受け取った場合、給与所得控除を引くと所得は0円ですが、収入金額が20万円を超えているので確定申告が必要になります。ここを勘違いして申告漏れになるパターンが、実務ではかなり多く見られます。

パターン別に見る、申告が必要になる基準

自分がどのケースに当てはまるかで判断が変わります。代表的な4パターンを整理します。

会社員が副業としてタイミーを使っている場合

本業の勤務先で年末調整を受けている前提で、タイミーの年間収入金額が20万円を超えるかどうかが分岐点です。超えていれば所得税の確定申告が必要、超えていなければ所得税の申告は不要です。ただし後述するとおり、20万円以下でも住民税の申告は別途必要になります。

なお、副業先には扶養控除等申告書を提出できません。この書類は同時に1か所にしか出せないためです。本業に提出しているので、副業のタイミーでは乙欄または丙欄の扱いになります。

学生や、家族の扶養に入っている人がタイミーだけで働く場合

タイミーの収入だけであれば、給与収入が65万円を超えるかどうかがまず一つの目安になります。給与所得控除を引いた後の所得が生じるラインだからです。実際に所得税がかかり始めるのは、基礎控除を引いた後に課税所得が出る水準からになります。

2026年時点の制度では、基礎控除の見直しにより、給与収入が年160万円までは所得税がかからない設計になっています。ただしこれは本人に所得税がかかるかどうかの話であり、扶養する側の控除がどうなるかは別の基準で判定されます。この違いは後の章で詳しく扱います。

フリーランス・個人事業主がタイミーを併用している場合

すでに事業所得の確定申告をしている人は、金額の大小にかかわらずタイミーの給与も申告に含めます。20万円ルールは年末調整を受けている給与所得者向けの特例なので、確定申告をする人には適用されません。

確定申告書では、事業所得とは別の欄に給与所得として記載します。事業の売上に混ぜて計上してはいけません。区分が違うため、混ぜると給与所得控除が使えなくなり、かえって損をします。フリーランスの申告全般については、確定申告 節税完全ガイド!フリーランスが手残りを最大化する全手法で経費計上や各種控除の使い方を整理しているので、あわせて確認しておくと計算漏れを防げます。

20万円以下でも住民税の申告は必要

これは見落としが多いところです。20万円ルールは所得税だけの特例で、住民税には同じ規定がありません。所得税の確定申告が不要でも、副業収入が1円でもあれば、原則として市区町村への住民税の申告が必要になります。

もっとも、勤務先が給与支払報告書を市区町村に提出していれば、自治体は収入を把握できるため、実務上は申告不要とされるケースもあります。判断に迷ったら、住んでいる市区町村の税務担当窓口に確認するのが確実です。放置して後から住民税の追徴が来るより、先に聞いておくほうが手間も心理的負担も小さくて済みます。

源泉徴収票の入手方法と、読むべき数字

確定申告でも各種手続きでも、根拠になるのは源泉徴収票です。タイミーで働いた分の源泉徴収票は、原則としてアプリ内から確認・ダウンロードできます。勤務先ごとに発行されるため、複数の企業で働いていれば、その数だけ源泉徴収票が存在します。

見るべき数字は三つです。

・支払金額:その勤務先から受け取った年間の総額。これが「収入金額」です ・給与所得控除後の金額:年末調整をしていない場合は空欄のことが多いです ・源泉徴収税額:天引きされた所得税額。確定申告で精算されます

複数の勤務先の「支払金額」を全部足したものが、あなたのタイミーでの年間給与収入です。この合計値が、扶養判定でも確定申告でも起点になります。手元で管理するなら、勤務のたびにスプレッドシートへ勤務先名と支払金額を記録しておくと、年明けに慌てずに済みます。書類の整理や集計を仕事として扱うスキルは実務でも評価される領域で、ビジネス文書検定のように書類作成能力を体系的に測る資格もあります。

私自身、フリーランスとして働き始めた最初の年に、単発の仕事を10件近く受けて源泉徴収票の管理を怠り、申告直前に発行元へ一件ずつ連絡して回るはめになりました。年末年始をまたぐと担当者が変わっていたり、発行に2週間かかると言われたりして、締切ぎりぎりまで冷や汗をかいた記憶があります。以来、収入が発生した日に必ず記録を残すようにしています。

扶養にどう影響するか

「収入として扱われますか」という質問の裏側にある本当の心配は、多くの場合ここです。扶養には税法上の扶養と社会保険上の扶養があり、判定基準がまったく違います。

税法上の扶養

親や配偶者が扶養控除・配偶者控除を受けられるかどうかは、扶養される側の「合計所得金額」で判定されます。収入ではなく所得です。給与収入から給与所得控除を引いた後の数字を使います。

2026年時点では、扶養親族として認められる合計所得金額の上限は58万円です。給与収入に直すと、給与所得控除の最低保障額65万円を足した123万円が境界線になります。つまり、タイミーを含む年間の給与収入が123万円以下であれば、扶養する側は扶養控除を満額で受けられます。

19歳以上23歳未満の場合は上限が広がる

大学生の年代にあたる19歳以上23歳未満の親族については、特定親族特別控除という仕組みがあります。給与収入が150万円までであれば、扶養する側は満額の控除を受けられ、そこから収入が増えるにつれて控除額が段階的に縮小していく設計です。以前のように「1円でも超えたら控除がゼロになる」という崖ではなくなったため、働き方の調整はしやすくなっています。

とはいえ、超えたことを親に伝えていないと年末調整のやり直しや追徴が発生します。年間の見込み額が境界に近づいたら、早めに共有しておくのが無難です。

社会保険上の扶養は別の基準

健康保険の被扶養者でいられるかどうかは、年間収入が130万円未満(60歳以上や障害者は180万円未満)という基準で判定されます。ここでの「年間収入」は、税法のような1月から12月の実績ではなく、これから先1年間の見込み額で判断されるのが原則です。

つまり、月々の収入が継続的に108,333円を超えるペースになると、その時点で扶養から外れる可能性があります。単発のスキマバイトは月ごとの変動が大きいため、たまたま繁忙月に集中して働いた結果、扶養の見直しを求められることがあります。判断は健康保険組合ごとに運用が異なるので、加入先の組合に基準を確認しておくのが最も確実です。社会保険の負担全般については、売上1000万円超えたらやるべきこと5選|消費税・法人化・社会保険の判断基準で保険料負担が変わる分岐点を整理しています。

各種手続きの書類で、タイミー収入をどう記載するか

ここからが実務の本題です。書類ごとに、記載すべき欄と、収入と所得のどちらを書くのかを整理します。

確定申告書

第一表の「収入金額等」の区分に給与の欄(記号は㋕)があります。ここに、本業とタイミーを含むすべての勤務先の支払金額の合計を記入します。その右側にある「所得金額」の給与欄には、合計収入から給与所得控除を引いた金額を書きます。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、収入金額を入力すると所得金額は自動計算されます。

第二表の「所得の内訳」には、勤務先ごとに1行ずつ、支払者の名称、収入金額、源泉徴収税額を記入します。タイミー経由で複数社から給与を受けている場合、この欄が10行を超えることもあります。行が足りなければ別紙に書いて添付します。ここを面倒がって「タイミー」と一括で書いてしまう人がいますが、支払者はタイミーではなく各勤務先の企業なので、正しくは1社ずつ記載します。

申告書の作成そのものは、e-Taxを使えばスマートフォンからでも完結します。源泉徴収票の内容をそのまま転記する作業なので、書類さえ揃っていれば30分程度で終わります。制度の詳細や最新の様式は国税庁のサイトで確認できます。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

年末に本業の勤務先から配られる、いわゆるマル扶です。この書類には、タイミーの収入そのものを書く欄はありません。書くのは、自分が扶養している家族の情報だけです。

ただし重要な原則があります。この申告書は、同時に2か所以上へ提出できません。本業に出しているなら、タイミーの勤務先には提出しない、というのが正しい運用です。誤って両方に出すと、両方で甲欄が適用されて源泉徴収税額が過少になり、確定申告時に想定外の納税額が発生します。

基礎控除申告書・配偶者控除等申告書

年末調整でもう1枚配られる書類です。ここには「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」を書く欄があり、ここにタイミーの分を含めて記入する必要があります。

書くのは所得です。本業の給与収入とタイミーの給与収入を合算し、その合計額から給与所得控除を引いた金額を記入します。給与所得控除は勤務先ごとに引くのではなく、全部の給与収入を合計した金額に対して一度だけ適用される点に注意してください。ここを勘違いして各社ごとに65万円を引いてしまうと、所得を大幅に過少申告することになります。

配偶者の欄がある場合も同様で、配偶者がタイミーで働いているなら、その収入も配偶者の合計所得金額の見積額に含めます。

住民税の申告書

所得税の確定申告をした人は、そのデータが自治体に回るため住民税の申告は不要です。確定申告をしない人で副業収入がある場合に、市区町村へ提出します。

様式は自治体ごとに違いますが、「給与収入」の欄に勤務先ごとの支払金額を書く形式が一般的です。源泉徴収票を添付するよう求められることが多いので、事前に揃えておきます。副業を勤務先に知られたくない場合は、住民税の徴収方法の選択欄で「自分で納付」を選ぶという方法がありますが、給与所得についてはこの選択が使えない自治体もあります。確実性を求めるなら、事前に窓口へ確認しておくのが賢明です。

保育園の就労証明書・現況届

保育所の入所選考や継続利用の審査では、就労状況と世帯所得の両方が見られます。タイミーのような単発の勤務は、就労証明書の発行元が定まらないため、扱いが自治体ごとに分かれます。

多くの自治体では、給与明細や源泉徴収票の写しを添付し、直近数か月の勤務日数と勤務時間を自己申告する形式が用意されています。所得の欄には、給与所得控除を引いた後の所得金額を記入するのが一般的です。何を求められているのか(収入なのか所得なのか)は必ず記入要領を読み、判断がつかなければ窓口に聞いてください。この種の書類は、間違って提出すると後から選考結果が変わる可能性があるため、推測で埋めるべきではありません。

奨学金・児童手当・公営住宅などの所得基準

日本学生支援機構の給付型奨学金、児童手当の所得制限、公営住宅の入居資格、高額療養費の区分。これらはすべて所得を基準に判定されます。学生本人がタイミーで働いている場合、本人の所得が基準に加算される制度もあります。

いずれも判定に使うのは課税証明書や住民税の情報なので、正しく申告していれば自動的に反映されます。逆に言えば、申告漏れがあると証明書の内容が実態と食い違い、あとから返還を求められるリスクがあります。制度を利用している人ほど、正確な申告のメリットが大きいと言えます。

雇用保険の基本手当(失業保険)を受給中の場合

失業給付を受けている期間中にタイミーで働いた場合は、失業認定申告書に必ず就労した日と収入を記載します。申告しないと不正受給に該当し、給付の停止だけでなく受給額の3倍返還という重いペナルティが科されます。

働いた日は給付の対象外になるか、収入額に応じて減額されるかのいずれかですが、支給が先送りされるだけで受給できる総額が減らないケースもあります。隠すメリットはまったくないので、必ず申告してください。詳しい取り扱いは厚生労働省の案内やハローワークの窓口で確認できます。

実務でつまずきやすいポイント

ここまでの内容を踏まえて、特に間違いが多い点をまとめておきます。

一つ目は、給与所得控除を勤務先ごとに引いてしまうミスです。控除は全給与収入の合計に対して一度だけ適用されます。

二つ目は、20万円ルールを所得で判定してしまうミスです。副業先の給与については、控除前の収入金額で判定します。

三つ目は、源泉徴収されていないから申告不要だと思い込むミスです。丙欄で天引きゼロでも、所得は発生しています。

四つ目は、住民税の申告を忘れることです。所得税が不要でも住民税は別枠です。

五つ目は、扶養の判定基準を税と社会保険で混同することです。税法は年間実績の所得、社会保険は将来1年の収入見込みで、まったく別の物差しです。

働き方の設計として見たときの考察

ここからは、フリーランスと在宅ワークの市場を20年にわたって運営してきた立場からの観察です。

スキマバイトで得た収入をきちんと申告し、所得として記録に残していくことには、税務上の義務という以上の意味があります。確定申告書と課税証明書は、その人の収入を公的に証明する唯一の書類です。住宅ローンの審査、賃貸契約の入居審査、クレジットカードの与信、保育園の申請。人生の要所で必ず求められるのがこの記録で、申告していない収入は存在しないものとして扱われます。

運営者として長く見てきた限りでは、働き方を安定させていく人ほど、収入の「額面」よりも「記録」と「手取り」を重視しています。時給で拘束される仕事は、金額が明快で始めやすい反面、時間を売っている以上どこかで上限が来ます。一方で、スキルを積み上げて業務単位で受注する形に移していくと、同じ拘束時間でも受け取れる額が変わってきます。実際、時間単位の勤務で生活の底を支えながら、空いた時間でスキルを磨き、少しずつ業務委託の比率を上げていくという移行の仕方をする人は珍しくありません。

もう一つ、長く続く人に共通しているのは、中間マージンの構造に敏感だという点です。仕事の紹介や仲介に手数料が乗る形だと、依頼主が払った金額と受け手が受け取る金額のあいだに差が生まれます。仲介手数料がかからない直接取引の関係を築けている人は、依頼主から見れば同じ予算でより多くを頼めるので発注が増え、受け手から見れば同じ仕事で手取りが厚くなります。この双方が得をする構造に早く気づいた人ほど、収入が安定していくという傾向が見られます。手数料の差は1件では小さくても、年単位で積み上がると無視できない規模になります。

具体的な移行先としては、時間を売る働き方から離れやすい分野がいくつかあります。文章を書く仕事は在宅で完結しやすく、単価の幅も広い領域です。著述家,記者,編集者の年収・単価相場には職種ごとの報酬水準がまとまっており、時給換算でどのくらいの差が出るのかを比較する材料になります。技術寄りの方向に進むなら、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で開発職の相場感を確認できます。

未経験から入れる領域を探しているなら、需要が伸びている分野を先に押さえておくのが合理的です。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では業務改善の提案を担う仕事の内容が整理されており、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では複数分野にまたがる案件の傾向が分かります。開発方面に関心があるならアプリケーション開発のお仕事が参考になります。ネットワーク系の基礎を証明したい場合はCCNA(シスコ技術者認定)のような資格が入口として機能します。

税務の観点で言えば、給与所得だけで働いているうちは経費という概念がほとんど使えません。給与所得控除という概算の枠が決まっているためです。業務委託の比率が上がってくると、経費計上や各種控除で手取りを調整できる余地が生まれます。所得区分が変わると、使える打ち手そのものが変わるということです。海外での長期滞在まで視野に入れて設計する人もいて、リタイアメントビザからタイ・エリートまで|長期滞在のコスト比較のようにコストと制度を比較した情報も、働く場所を選べる立場になったときには判断材料になります。

タイミーで得た収入が課税対象かどうかという問いへの答えは、繰り返しになりますが「扱われる」です。そのうえで、どの区分の所得なのかを理解し、書類のどの欄に何を書くのかを押さえておけば、扶養や各種手続きで慌てることはなくなります。記録を残すことは面倒に見えて、実際には自分の選択肢を広げるための投資です。年間の収入を集計する習慣を、今日から始めておくことをおすすめします。

よくある質問

Q. タイミーの報酬は給与所得と雑所得のどちらになりますか?

原則は給与所得です。タイミーの一般的な案件は勤務先企業と雇用契約を結び、指揮命令を受けて時給で働く形式のため、所得税法上の給与に該当します。ただし業務委託契約で募集される案件は雑所得または事業所得になります。契約内容の表示と源泉徴収票が出るかどうかで判別できます。

Q. 所得税が引かれていなければ申告しなくてよいですか?

いいえ。日雇いに適用される丙欄では日額が一定未満だと源泉徴収税額が0円になりますが、非課税という意味ではありません。所得は発生しているため、年間の合計額が基準を超えれば確定申告が必要です。逆に多めに天引きされていた場合は、申告すると還付を受けられることがあります。

Q. 年末調整の申告書には、タイミーの収入をどう書きますか?

扶養控除等(異動)申告書には収入を書く欄がなく、この書類は同時に1か所にしか提出できません。基礎控除申告書の「本年中の合計所得金額の見積額」には、本業とタイミーの給与収入を合算し、そこから給与所得控除を一度だけ引いた所得金額を記入します。勤務先ごとに控除を引くのは誤りです。

Q. 扶養から外れないためには年間いくらまでに抑えればよいですか?

税法上の扶養は、2026年時点で給与収入123万円までなら扶養控除を満額で受けられます。19歳以上23歳未満は特定親族特別控除により150万円まで満額です。社会保険の扶養は年収130万円未満が基準で、こちらは将来1年間の見込みで判定されるため、月額約108,333円を継続的に超えると外れる可能性があります。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月12日最終更新:2026年9月6日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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