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SmartHRグループの情報流出の可能性|Studioのお問い合わせフォーム 2,012名 対象のサイトと確かめること 2026

@SOHO編集部
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SmartHRグループの情報流出の可能性|Studioのお問い合わせフォーム 2,012名 対象のサイトと確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓SmartHRの情報漏洩について
  • ✓2026年10月22日の発表をもとに整理
  • ✓Studioで作ったグループ5社のサイトのお問い合わせフォームに入力した2,012名の氏名や会社名

SmartHRの情報漏洩について、株式会社SmartHRは2026年10月22日、グループのウェブサイトの制作に使っているノーコードWeb制作プラットフォーム「Studio」への不正アクセスにより、グループ5社の一部のサイトのお問い合わせフォームに入力された情報が流出した可能性があると発表しました。対象人数の合計は2,012名(2026年10月22日時点)で、項目は氏名、会社名、電話番号、メールアドレス、お問い合わせ内容、その他フォームに入力した情報です。労務管理クラウドの「SmartHR」や各グループ企業のクラウドサービスに保存されたデータは対象ではないと明記されています。2026年11月1日時点で、SmartHRのニュースの一覧に続報は掲載されておらず、補償についての記載もありません。 対象のサイトのフォームから問い合わせたことがある人がまずすることは、SmartHRやグループ各社を名乗る不審なメールや電話に注意し、本文のURLを開かないことです。 心配なときは、SmartHRのお問い合わせ窓口で「個人情報に関する請求・お問い合わせ」を選んで相談します。

この記事は、2026年11月1日時点でSmartHRの発表「ノーコードWeb制作プラットフォーム「Studio」への不正アクセスに伴う情報流出の可能性に関するお知らせ」と、提供元のStudio株式会社の発表を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。

SmartHRグループで何が起きたのか

SmartHRグループは、会社の労務や人事の手続きをクラウドで行うサービス「SmartHR」などを提供する企業グループです。今回の件は、そのクラウドサービスではなく、グループが会社の紹介やサービスの紹介に使っているウェブサイトの一部で起きました。これらのサイトは、Studio株式会社の「Studio」で作られていました。Studioとは、プログラムを書かずに画面の操作だけでウェブサイトを作れるサービスのことで、お問い合わせフォームもその機能で作ることができます。

発表の骨子は次のとおりです。

  • SmartHRグループは、Studioの提供元のStudio社から、Studio社が使うクラウド環境への不正アクセスにより、情報が外部に流出した可能性があるとの報告を受けた
  • グループがStudioで作って運営するウェブサイトのお問い合わせフォームを使った人の情報が流出した可能性がある
  • 流出した可能性のある個人情報は、対象のウェブサイトの問い合わせフォームから問い合わせた人のものに限られる
  • SmartHRとグループ企業が提供するクラウドサービスに保存されているデータは含まれていない
  • 現時点で、本件に起因する不正利用などの二次被害は確認されていない

SmartHRの発表の言い方は「流出した可能性」です。発表には、現時点で第三者が取得した事実や情報の不正利用は確認されていないと書かれています。一方で、提供元のStudio社は情報が第三者に取得されたものとみなして、二次被害の調査を進めているとも書かれています。確定ではないものの、取られた前提で備えるのが安全な段階だということです。

対象の会社の範囲を、発表の文面で確かめておきます。

※対象となる情報は、ご利用のフォームやご入力内容により異なります。なお、「SmartHR」および各グループ企業が提供するクラウドサービス上に保存されたデータは、本件の対象ではございません。 出典: smarthr.co.jp

労務のSmartHRを使う会社の従業員は対象か

「SmartHR 情報漏洩」と調べる人の多くは、勤め先が労務の手続きにSmartHRを使っていて、自分の住所やマイナンバー、給与の情報が漏れたのではないかと心配している人だと考えられます。結論から言うと、SmartHRの発表は、労務管理クラウドの「SmartHR」に保存されたデータは本件の対象ではないとしています。

勤め先のSmartHRに登録した氏名、住所、扶養家族、口座などの情報は、クラウドサービスの「SmartHR」に保存されているものです。今回流出した可能性があるのは、Studioで作られたウェブサイトのお問い合わせフォームに入力された情報で、クラウドサービスとは別のところにあるものです。そのため、従業員として勤め先のSmartHRを使っているだけの人は、発表の範囲では対象に挙がっていません。

ただし、その人が仕事で、たとえば会社の担当者として、対象のサイトのフォームからSmartHRの保険関連事業について問い合わせたことがある場合は、そのときに入力した情報が対象になりうる、という点は分けて考えます。対象かどうかを分けるのは「SmartHRを使っているか」ではなく、「対象のサイトのフォームから問い合わせたか」です。

なお、SmartHRのお問い合わせのページには、SmartHRを使っている企業の従業員からの問い合わせには返答できないため、企業の担当者に問い合わせるよう案内が書かれています。勤め先のSmartHRの使い方や、自分の登録情報についての疑問は、勤め先の人事や労務の担当者に確かめるのが近道です。

公表の経緯と2026年11月1日時点で分かっていること

日付ごとに整理すると、次のようになります。日付はSmartHRとStudio社の発表に書かれているものです。

日付 誰の発表か 分かったこと
2026年9月30日から10月1日 Studio社 Studioの一部機能の脆弱性を悪用した第三者による不正アクセス(現時点で確認できている期間)
2026年10月13日 Studio社 社内の調査により不正アクセスを確認
2026年10月13日から14日 Studio社 脆弱性を修正し、不正アクセスに使われた経路を塞ぐ対応を完了
2026年10月16日 Studio社 第一報を公開
2026年10月22日 SmartHR グループ5社の一部のサイトのお問い合わせフォームの情報、合計2,012名分が流出した可能性があると発表

SmartHRの発表では、経緯について次のように書かれています。

Studio社によりますと、2026年9月30日~10月1日(日本時間)に「Studio」の一部機能の脆弱性を悪用した第三者による不正アクセスが発生し、外部からデータが取得可能な状態であったことが判明いたしました。なお、当該脆弱性は2026年10月14日に修正済みであり、不正アクセス経路についても遮断されているとの報告を受けております。 出典: smarthr.co.jp

2026年11月1日時点でSmartHRのニュースの一覧を開き直すと、この件の発表は10月22日の1本だけで、続報や訂正は掲載されていません。SmartHRは、お客様に知らせるべきことが分かった場合は、ウェブサイトなどで速やかに案内するとしています。Studio社の側は、対象となる範囲と件数、二次被害の有無の調査結果、原因の調査結果と再発防止策を、確認が取れしだい続報で知らせるとしています。

対象のサイトと流出した可能性がある情報

SmartHRが発表した対象のウェブサイトは、次の5社のものです。

会社 対象のウェブサイト
株式会社SmartHR 保険関連事業の紹介ページの一部
株式会社Smart相談室 企業情報サイト、サービス紹介サイト
株式会社AIRVISA 企業情報サイト
株式会社BYARD 企業情報サイト、サービス紹介サイト
株式会社Looper 企業情報サイト、サービス紹介サイト

対象人数は5社の合計で2,012名(2026年10月22日時点)です。会社ごとの内訳は発表に書かれていません。また、一部のグループ企業のサイトについては、その会社によるサービスの運営はすでに停止しているものの、運営していた当時に開いていた問い合わせフォームに入力された情報が対象に含まれている可能性があるため、知らせる対象にしていると書かれています。以前にサービスについて問い合わせたことがあり、いまはそのサービスが無いという人も、対象になりうるということです。

流出した可能性がある情報と、対象ではないとされた情報を分けて整理します。

区分 項目
流出した可能性がある 氏名
流出した可能性がある 会社名
流出した可能性がある 電話番号
流出した可能性がある メールアドレス
流出した可能性がある お問い合わせ内容
流出した可能性がある その他、フォームに入力した情報
対象ではない 「SmartHR」と各グループ企業が提供するクラウドサービスに保存されたデータ

対象となる情報は、使ったフォームや入力した内容によって違うとされています。たとえば、電話番号の欄が無いフォームから問い合わせた人は電話番号は含まれませんし、お問い合わせ内容の欄に自分の会社の状況を詳しく書いた人は、その内容も含まれる可能性があります。

Studio社の発表では、Studio全体の話として、フォームの回答のうちStudioに保存されていたものが対象で、2026年9月30日より前に「完全に削除」した回答は含まれないこと、添付されたファイルはファイル名だけが対象で中身は含まれないことが説明されています。ただし、これはStudioを使うサイト全体についての説明で、SmartHRグループのフォームでどの回答が保存されていたかは発表されていません。自分の入力が対象かどうかの判断は、SmartHR側の案内で確かめます。

原因について発表で分かっていること

原因は、Studio社が提供するStudioの一部機能の脆弱性が第三者に悪用されたことです。脆弱性とは、システムの作りの弱いところで、外から悪用されると本来は見られない情報が見られてしまう穴のことです。Studio社の発表によると、第三者はこの脆弱性を使ってStudio社のクラウド環境に不正にアクセスし、環境内のデータを外から取得できる状態にしていました。この状態は、2026年10月14日にStudio社が対処するまで続いていたとされています。

Studio社は、実際に第三者に取得された事実は確認できていないものの、取得されたものとみなして対応を進めていると書いています。また、フォームに送信された内容は暗号化して保存していたものについても、元に戻すのに必要な鍵が同じ不正アクセスで読み出されたため、内容を知られた可能性があると説明しています。

実際に第三者に取得された事実は確認できておりませんが、取得されたものとみなして対応を進めております。脆弱性はすでに修正し、不正アクセスに利用された経路も塞いでおります。 出典: studio.design

脆弱性の詳しい中身や、なぜそれが生まれたかは、Studio社が外部の専門機関に調査を依頼すべく調整を進めている段階で、2026年11月1日時点では公表されていません。この記事でも推測はしません。

フォームから問い合わせた人の側から見て大切なのは、原因が問い合わせた人の操作ではなく、サイトを作るサービスの側の弱点だったという点です。問い合わせた人が何かを誤ったから起きたわけではありません。

SmartHRとStudio社の対応

SmartHRは、判明後に関係部門とグループ会社が連携し、対象のウェブサイトや保存された情報の確認を進めているとしています。また、Studio社の案内に基づいて、利用しているアカウントのパスワードの変更など、被害の広がりを防ぐ対応を進めていると書いています。

Studio社は、脆弱性の修正と経路の遮断に加えて、決済やログインに使うものを含む認証情報の切り替え、フォームの送信内容などを暗号化する鍵の新しいものへの切り替え(2026年10月17日)、個人情報保護委員会への報告をはじめとする関係機関への対応を進めているとしています。データの改ざんや削除は、現時点で確認されていないと書かれています。

補償やお詫びの品について、SmartHRの発表には記載がありません。発表に無いことは、この記事では書きません。情報漏えいの補償がどんな形で行われることがあるかの一般的な考え方は、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で、過去の例とあわせて説明しています。

Studio社の発表の中には、Studioで作られたサイトのフォームから情報を送信した人には、送信先のサイトの運営者から案内がある場合があるとも書かれています。今回の件で言えば、SmartHRグループが送信先のサイトの運営者にあたります。

自分が対象かを確かめる方法

対象になりうるのは、上の表の5社のサイトのお問い合わせフォームから、問い合わせたことがある人です。確かめる手順は次のとおりです。

  1. 5社のサイトから問い合わせたことがあるかを思い出す。フォームを送ると、受付の確認メールが自動で届く仕組みのサイトが多いので、メールの受信箱を会社名で検索してみます
  2. 会社のメールアドレスで問い合わせた場合は、同じ部署の人が代わりに問い合わせていないかも確かめる。資料の請求や見積もりの依頼を、別の担当者が出していることがあります
  3. 以前にサービスについて問い合わせたことがあり、そのサービスがいまは無い場合も、対象に含まれうる点を覚えておく
  4. 分からないときは、SmartHRのお問い合わせ窓口で「個人情報に関する請求・お問い合わせ」を選んで確かめる

SmartHRの発表には、対象の人へ個別に連絡するかどうかは書かれていません。連絡を待つだけでなく、自分から窓口に確かめるほうが確実です。届いたメールが本物かどうかは、メールの中のリンクからではなく、SmartHRのサイトを自分で開いて、ニュースの一覧の発表と内容が合っているかで確かめます。

自分のメールアドレスが、過去に他のサービスの漏えいに含まれていないかを確かめたい人は、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩が参考になります。ただし、このサイトに今回の件が載るとは限りません。載っていないことを、対象外の証拠と考えないようにしてください。

問い合わせた人がすること

流出した可能性がある項目に合わせて、必要なことだけを整理します。お問い合わせフォームにパスワードやカード番号を入力することは通常ないので、この件だけを理由にカードを止めたり、SmartHRのログインのパスワードを変えたりする必要は、発表の範囲では示されていません。

会社を名乗る不審なメールに備える

氏名、会社名、メールアドレス、お問い合わせ内容がそろうと、本物の担当者からの返信のように見えるメールを作りやすくなります。次のような内容には特に気をつけます。

  • 「以前お問い合わせいただいた件で」と書き出し、資料のダウンロードと称してリンクを開かせる
  • 保険や手続きの見積もりの案内を装い、添付ファイルを開かせる
  • 「お問い合わせ内容の確認のため」と、ログインやアカウントの情報の入力を求める
  • お詫びを装い、受け取りの手続きのためにカード番号や口座番号を聞く

SmartHRは、不審なメールや連絡を受けた場合、本文中のURLのクリック、添付ファイルの開封、個人情報などの入力をしないよう呼びかけています。フィッシングメールの見分け方を詳しく知りたい人は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で、送信元の確かめ方や開いてしまったときの対応を説明しています。

会社の電話番号への不審な電話に備える

電話番号も含まれる可能性があるため、SmartHRやグループ各社を名乗る電話や、保険の案内を装う電話にも注意します。名乗った会社名や部署名だけで信用せず、いったん切って、会社の公式サイトに載っている窓口から確かめ直します。会社の代表番号で問い合わせた人は、受付の担当者にも、不審な電話の可能性を伝えておくとよいでしょう。電話番号が漏れたときの備えは、電話番号の流出チェックの方法|流出したらどうなるかと迷惑電話・SMSへの備え 2026で詳しく説明しています。

お問い合わせ内容に書いたことを思い出す

お問い合わせ内容には、自分で書いた文章が入っています。従業員数、使っているシステム、困っていることなど、会社の内情を書いていた場合は、それに触れてくるメールや電話にも慎重になります。何を書いたかを思い出し、上司や情報システムの担当者と共有しておくと、社内の誰に届いても同じように見分けられます。

しなくてよいこと

  • 勤め先のSmartHRのアカウントの削除。クラウドサービスのデータは対象ではないとされています
  • マイナンバーの変更の手続き。フォームの項目にマイナンバーは挙がっていません
  • 慌てて別の窓口に電話すること。SmartHRが示している窓口はお問い合わせのページです

不審なメールを開いてしまったとき

SmartHRやグループ各社を名乗るメールのリンクを開いてしまった、添付ファイルを開いてしまった、という場合も、慌てずに順に対応します。

  1. 開いた画面で何を入力したかを思い出す。何も入力せずに閉じた場合と、IDやパスワードを入力した場合とで、次にすることが変わります
  2. IDやパスワードを入力してしまった場合は、そのサービスの公式サイトを自分で開き、すぐにパスワードを変える。同じパスワードを使っている他のサービスも変えます
  3. カード番号を入力してしまった場合は、カードの裏面に書かれた番号でカード会社に連絡し、利用の停止を相談する
  4. 会社のパソコンで添付ファイルを開いてしまった場合は、自分で判断せず、すぐに社内の情報システムの担当者に伝える。ネットワークから外すよう指示されることがあります
  5. 届いたメールは削除せずに残し、SmartHRの窓口に不審な連絡として相談する。SmartHRは不審な連絡を受けた場合の相談も同じ窓口で受け付けるとしています

入力してしまったことを恥ずかしく思って黙っていると、被害が広がるおそれがあります。会社のアカウントにかかわることは、早く伝えるほど対応の選択肢が多く残ります。

Studioのアカウントを持っている人へ

在宅でウェブサイトの制作を受けている人の中には、自分でStudioのアカウントを持ち、取引先のサイトをStudioで作っている人もいるはずです。その場合は、SmartHRのフォームに問い合わせたかどうかとは別に、Studio社がすべての利用者に向けて出している案内を確かめる必要があります。

Studio社の発表によると、Studioに登録しているすべての利用者について、ユーザー名、メールアドレス、ハッシュ化されたパスワード(元に戻せない形に変換したパスワード)などのアカウントの情報と、利用者がStudio上で管理しているデータが流出した可能性があるとされています。Studio社が利用者に求めている主な対応は次のとおりです。

  • メールアドレスとパスワードでStudioにログインしている人は、パスワードを変える。他のサービスで同じパスワードを使っている場合は、そちらも変える
  • ライブプレビュー(公開前のページを確かめるためのURL)を発行している場合は、URLを削除し、必要なら新しく発行し直す
  • GoogleログインまたはFacebookログインだけを使い、Studioのパスワードを設定していない人は、パスワードの変更は不要

フォームやAPI連携など一部の機能を使っているプロジェクトのオーナーには、Studio社から個別のメールで案内が送られているとされています。取引先のサイトでフォームを作っている場合は、取引先と相談して、フォームの利用者への案内や、必要な手続きを確かめます。どこまでを制作者が対応し、どこからを取引先が対応するかは契約の内容で変わるので、自分だけで判断せず取引先と決めます。

会社の担当者として問い合わせた人がすること

対象のサイトのフォームは、会社の紹介やサービスの紹介のためのものです。そのため、問い合わせたのは個人ではなく、会社の担当者として仕事で問い合わせた人が多いと考えられます。その場合は、自分だけでなく会社としての備えも考えます。

  • 社内の情報システムやセキュリティの担当者に、今回の件で自社の担当者の氏名やメールアドレスが流出した可能性があることを伝える
  • 取引先を装って請求先の口座の変更を求めるメールなど、仕事のやり取りを装う不審なメールへの注意を部署で共有する
  • 問い合わせに使ったメールアドレスに届く、SmartHRグループを名乗るメールの扱いを決めておく(リンクを開く前に公式の窓口で確かめる、など)

会社の中でこうした注意を広げる方法として、訓練用の偽メールを送って見分ける力を確かめる取り組みがあります。進め方は社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで説明しています。

なお、問い合わせた人の勤め先が、Studioを使って自社のサイトやフォームを運営している場合は、今回の件で自社も対応を求められている可能性があります。Studio社は、フォーム機能などで個人情報を扱っている利用者に向けて、個人情報保護委員会への報告についての案内を別に出しています。自社のサイトの制作に何を使っているかを、サイトの担当者に確かめておくと安心です。Studioの件全体の経緯は、Studioの不正アクセス|フォームを使う企業への広がりとパスワードの変え方 2026で整理しています。

企業のフォームに入力するときに気をつけること

今回の件は、SmartHRグループが自社で作ったシステムではなく、サイトを作るために使っていた外部のサービスで起きました。企業の問い合わせフォームや資料請求のフォームは、外部のサービスで作られていることが珍しくありません。1つのサービスに弱点があると、そのサービスを使う多くの企業のフォームに同時に影響が出ることがあります。Studio社の発表でも、Studioに登録しているすべての利用者について、フォームに送信された内容を含むデータが流出した可能性があるとされています。つまり、Studioで作られた他の会社や団体のサイトのフォームに入力したことがある人も、それぞれの運営者の発表を確かめる必要があります。

利用者の側では、フォームに入力する内容を必要な範囲にとどめることで、何か起きたときの影響を小さくできます。

  • お問い合わせ内容の欄に、社外に出したくない内情(取引先の名前、システムの弱点、社員の個人的な事情など)を書きすぎない
  • 資料請求だけが目的なら、任意の欄は空けておく
  • 個人の携帯電話番号ではなく、会社の代表番号や部署の番号を使う
  • どの会社のフォームに、いつ、何を送ったかを、自分の記録として残しておく

最後の記録は、今回のような発表があったときに、自分が対象かどうかをすぐ判断する手がかりになります。受付の確認メールを専用のフォルダに振り分けておくだけでも、あとから会社名で探しやすくなります。

問い合わせ窓口

SmartHRの発表に載っている問い合わせ先は次のとおりです。電話番号の記載はありません。

用件 窓口
本件についての問い合わせ(グループ会社のウェブサイトについての問い合わせを含む) SmartHRのお問い合わせのページで「個人情報に関する請求・お問い合わせ」を選ぶ
不審な連絡を受けた場合の相談 同じく「個人情報に関する請求・お問い合わせ」を選ぶ

窓口はSmartHRのお問い合わせのページです。グループ5社のどのサイトから問い合わせた場合も、このSmartHRの窓口で受け付けると書かれています。問い合わせるときは、どの会社のサイトから、いつ頃、どのメールアドレスで問い合わせたかを分かる範囲で書くと、やり取りが早く済みます。

勤め先のSmartHRの使い方や登録情報についての質問は、この窓口ではなく、勤め先の担当者に問い合わせます。SmartHRのお問い合わせのページにも、SmartHRを使っている企業の従業員からの問い合わせには返答できないと書かれています。

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で業務委託の仕事を受けている人の中には、取引先の人事や労務の手続きを手伝い、SaaSの資料請求や問い合わせを代わりに行う人もいます。代わりに問い合わせた場合、フォームに入力したのは自分の名前と連絡先でも、お問い合わせ内容には取引先の会社名や状況が入っていることがあります。今回のような件があったときは、取引先にもすぐ伝えることが大切です。

個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴など、とくに慎重に扱う情報)を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。不正アクセスによる漏えいは、不正の目的で行われたおそれがある例として示されています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。

業務委託で個人情報を扱う人が、自分の端末やアカウントから預かった情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。個人情報の扱いで迷ったときは、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル(03-6457-9849、受付時間9:30から17:30、土日祝日と年末年始を除く)に電話で相談できます。

今回の件をきっかけに、仕事で使うアカウントについて次の点を見直しておくと安心です。

  • 取引先の代わりに問い合わせたフォームの記録を、どの会社に何を送ったか分かる形で残しているか
  • 仕事で使うメールやクラウドのアカウントに多要素認証を設定しているか
  • 取引先から預かった資料を、必要がなくなったあとも手元に残していないか
  • 不審なメールを開いてしまったとき、取引先の誰に、どの手段で連絡するかを決めているか

多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードなど別の手段でも本人を確かめる仕組みのことです。仕組みと選び方はMFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で詳しく説明しています。

フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。何かあったときにすぐ取引先へ伝える、どこに何を送ったかを記録しておく、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。

人事・労務の知識を仕事に生かす

今回の件で、勤め先のSmartHRのデータが対象ではないと分かっても、「労務のクラウドにどんな情報が入っているのか」「漏れたら何が困るのか」を改めて考えた人もいるはずです。人事や労務の手続きのデータには、住所や扶養家族、給与など、扱いに注意が要る情報が多く含まれます。こうした情報を正しく扱える人は、企業から頼りにされます。

人事や労務の手続きの手伝いは、在宅で受けられる仕事の1つです。入社や退社の手続きの準備、社会保険の書類の作成の補助、勤怠の集計などを、外部の人に頼む企業があります。情報の扱い方を身につけておくことが、そのまま仕事の信頼につながる分野です。@SOHOの採用・労務・人事代行のお仕事では、在宅で受けられる人事・労務の仕事の種類と探し方を紹介しています。

SmartHRグループの件は、2026年11月1日時点でSmartHRの続報が出ておらず、提供元のStudio社が調査を続けている段階です。対象の5社のサイトから問い合わせたことがある人は、SmartHRやグループ各社を名乗るメールや電話に注意し、本文のURLを開かないこと、会社の担当者として問い合わせた人は社内にも共有しておくことを先に済ませ、続報はSmartHRのニュースの一覧で確かめてください。

よくある質問

Q. 勤め先がSmartHRを使っていますが、自分の住所やマイナンバーは漏れましたか?

SmartHRの発表では、労務管理クラウドの「SmartHR」と各グループ企業のクラウドサービスに保存されたデータは、本件の対象ではないとされています。流出した可能性があるのは、Studioで作られた5社のサイトのお問い合わせフォームに入力された情報です。勤め先のSmartHRに登録した情報についての疑問は、勤め先の人事や労務の担当者に確かめてください。

Q. 対象のサイトに問い合わせたかどうか分からないときは、どうすればよいですか?

フォームを送ると受付の確認メールが届くことが多いので、まず受信箱をSmartHR、Smart相談室、AIRVISA、BYARD、Looperの会社名で検索します。会社のアドレスで問い合わせた場合は、同じ部署の人が代わりに送っていないかも確かめます。それでも分からなければ、SmartHRのお問い合わせのページで「個人情報に関する請求・お問い合わせ」を選んで確かめます。

Q. パスワードを変える必要はありますか?

お問い合わせフォームの項目にパスワードは挙がっていないため、この件だけで勤め先のSmartHRのパスワードを変える必要は、発表の範囲では示されていません。ただし、SmartHRやグループ各社を名乗るメールのリンクからログインを求められても、入力しないでください。ログインするときは、ブックマークや普段の入口から開くのが安全です。

Q. 補償やお詫びの連絡はありますか?

2026年11月1日時点のSmartHRの発表には、補償やお詫びの品についての記載はありません。対象者への個別の連絡の有無も書かれていません。お詫びや補償を名目に、カード番号や口座番号を聞いてくるメールや電話が届いても応じず、SmartHRのお問い合わせのページから確かめてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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