スカパー!の情報漏洩の調査結果|プロモーションメールの件と偽メールの見分け方 2026


この記事のポイント
- ✓スカパー!の情報漏洩の可能性について
- ✓スカパーJSATが2026年10月13日に発表したスカパー!メンバーズ会員のメールアドレスの件と
- ✓10月16日の調査結果を公式発表から整理しました
スカパーJSAT株式会社は2026年10月13日、スカパー!メンバーズ会員向けに使っていたメール配信用の外部サービスで、会員(一部の退会者を含む)の電子メールアドレスが漏えいした可能性があると発表しました。件数は公表されていません。その後10月16日に、業務委託先とともに詳しく調べた結果、「メールアドレスの閲覧、漏えいはなかったとの結論に至りました」と発表しています。 利用者がまずすることは、スカパー!を名乗るメールのリンクを開く前に差出人とリンク先を確かめることです。氏名、住所、電話番号、クレジットカード番号と、メールの件名と本文は、もともと漏えいの可能性はないと明記されています。
この記事では、2026年10月20日時点で公開されているスカパーJSATの発表2本と、原因となったIDCフロンティア社の発表をもとに、何が起きて何が分かったのかを順番に整理します。あわせて、スカパー!を名乗るメールの見分け方、退会した人が気をつけること、在宅で仕事をする人が考えておきたいことまでを説明します。
2026年10月20日時点で分かっていること
最初に、結論にあたる事実を並べます。どれもスカパーJSATとIDCフロンティア社の公式発表で確かめた内容です。
- 影響を受けたのは、スカパー!メンバーズ会員(一部の退会者を含む)向けの一部のプロモーションメールです
- 漏えいの可能性があるとされたのは、会員(一部の退会者を含む)の電子メールアドレスです
- 氏名、住所、電話番号、クレジットカード番号等の個人情報と、メールの件名と本文は、漏えいの可能性はないと明記されています
- 対象の件数は、発表に書かれていません
- 発表の時点で、放送や配信等の視聴サービスへの影響はないとしています
- 10月16日に、業務委託先とともに詳しく調べた結果、メールアドレスの閲覧、漏えいはなかったとの結論に至ったと発表しました
- プロモーションメールの一部は引き続き止まっていて、セキュリティの強化と安全性が確認できたら再開する見込みとしています
つまり、10月13日の発表は「漏えいの可能性がある」という段階のもので、10月16日の発表で「閲覧、漏えいはなかった」という結論が示された、という流れです。
ただし、テレビの有料放送のように毎月の料金が発生するサービスは、「料金の未払い」「契約の更新」を口実にした偽のメールの題材にされやすい分野です。漏えいがなかったことと、スカパー!を名乗る偽のメールが届かないことは別の話です。後半では、この点に絞って、受け取ったメールをどう確かめるかを説明します。
公表の経緯:初報から調査結果まで
今回の件は、スカパーJSATが会員向けのメール配信に使っていた外部サービスの一部が、IDCフロンティア社のクラウドの上で動いていたことから起きました。日付の順に並べると次のとおりです。
| 日付 | 発表した会社 | 分かったこと |
|---|---|---|
| 2026年10月7日 | IDCフロンティア | 午前3時40分頃から、クラウドサービス「IDCFクラウド」の一部のシステムに第三者から不正アクセスがあり障害が起きていると発表。同日の第2報でランサムウェア攻撃と判明したと発表 |
| 2026年10月13日 | スカパーJSAT | スカパー!メンバーズ会員(一部の退会者を含む)の電子メールアドレスが漏えいした可能性があると発表 |
| 2026年10月14日 | IDCフロンティア | 第5報。仮想サーバー内のデータの照会や外部への持ち出しの痕跡は確認されず、外部へのデータの流出はなかったと判断と発表 |
| 2026年10月16日 | スカパーJSAT | 業務委託先とともに詳しく調べた結果、メールアドレスの閲覧、漏えいはなかったとの結論に至ったと発表 |
10月13日の発表は、原因を「本サービスの一部で利用されている株式会社IDCフロンティアのクラウド基盤において発生した不正アクセス」と書いています。本サービスとは、スカパー!メンバーズ会員向けに使っていたメール配信用の外部サービスのことです。発表は、情報漏えいの有無も含めて業務委託先とともに調査を続け、新しい事実が分かったら改めて公表するとしていました。
そして10月16日、調査の結果として次のように発表しています。
このたび、業務委託先とともに詳細調査を進めた結果、メールアドレスの閲覧、漏えいはなかったとの結論に至りました。 出典: skyperfectjsat.space
2026年10月20日時点で、スカパーJSATのニュースの一覧に、この件の3本目の発表は出ていません。初報の原文はスカパーJSATの2026年10月13日の発表で読めます。どちらの発表も、スカパーJSATの会社としてのサイトのニュースの一覧に「メディア事業」の分類で載っています。
漏えいの可能性があった項目と、含まれないと明記された項目
ニュースの見出しでは「スカパー 情報漏洩」と短く伝えられることがありますが、利用者にとって大事なのは「何が対象だったのか」です。10月13日の発表に書かれた項目を、対象とされたものと、対象外と明記されたものに分けると次のようになります。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 漏えいした可能性があるとされた項目 | スカパー!メンバーズ会員(一部の退会者を含む)の電子メールアドレス |
| 漏えいの可能性はないと明記された項目 | 氏名、住所、電話番号、クレジットカード番号等の個人情報 |
| 漏えいの可能性はないと明記された項目 | メールの件名、本文 |
| 影響はないとされたもの | 放送、配信等の視聴サービス(発表の時点) |
メールアドレスだけが対象だったことには意味があります。アドレスだけでは、他人がスカパー!の契約を変えたり、カードを使ったりすることはできません。一方で、アドレスは偽のメールの宛先として使えます。「スカパー!の会員である」という情報とアドレスがセットで出回ると、スカパー!を名乗る偽のメールを送る相手として狙われやすくなります。今回は10月16日に閲覧、漏えいはなかったと結論が出たので、この心配はかなり小さくなりました。
表の中の「一部の退会者を含む」は、見落としやすいところです。すでにスカパー!を解約した人でも、メールの配信の仕組みにアドレスが残っていた場合は、対象に入っていた可能性があったということです。退会した人が気をつけることは、後の節で説明します。
件数が公表されていないこと
ほかの会社の発表では「約130万件」「約15,000件」のように件数が示されているものがありますが、スカパーJSATの発表には件数が書かれていません。2026年10月20日時点で、件数を示した続報も出ていません。
この記事では、公式の発表で確かめられない件数は書きません。ニュースサイトなどで件数を見かけても、スカパーJSATの発表に載っていない数字は、出どころを確かめてから受け止めるのが安全です。
件数が分からないと不安になりますが、利用者にとって大事なのは件数よりも、自分のどの情報が対象だったかと、その後どうなったかです。今回は、対象がメールアドレスに限られ、しかも調査で閲覧、漏えいはなかったと結論が出ています。件数が書かれていないことが、利用者の取るべき行動を変えるわけではありません。件数が大きいか小さいかにかかわらず、スカパー!を名乗るメールのリンクを押す前に確かめる、という備えは同じです。
原因:IDCフロンティア社のクラウドへの不正アクセス
IDCフロンティア社は、企業や自治体にクラウドサービスを提供している会社で、親会社はソフトバンク株式会社です(IDCフロンティア社の第4報に記載)。クラウドとは、会社が自前でサーバー(データを保存したりプログラムを動かしたりするコンピューター)を持たずに、ほかの会社の設備を借りて使う仕組みのことです。
スカパーJSATの10月13日の発表は、メール配信用の外部サービスの「一部」でIDCフロンティア社のクラウド基盤が使われていたと書いています。スカパーJSATから見ると、IDCフロンティア社は直接の契約先ではなく、委託先が使っていた設備の提供者にあたります。
IDCフロンティア社の発表から、原因にあたる部分を抜き出します。
- 2026年10月7日午前3時40分頃から、IDCFクラウドの一部のシステムに第三者からの不正アクセスがあった
- 同日の第2報で、第三者からのランサムウェア攻撃によるものと判明したと発表した。ランサムウェアとは、データを暗号化して使えなくし、元に戻す代わりに金銭を要求する不正なプログラムのこと
- 影響範囲は、IDCFクラウドを契約している495の企業や自治体
- 被害があったのは東日本リージョン1の一部のゾーン
10月14日の第5報では、外部のセキュリティ専門企業と調査した結果、被害を受けたゾーンの仮想サーバー内に保存されていたデータについて、照会や外部への持ち出しを示す痕跡は確認されなかったとして、外部へのデータの流出はなかったと判断したと書いています。詳しくはIDCフロンティアの第5報で読めます。侵入の経路そのものについて、2026年10月20日時点の発表で具体的な説明は出ていません。
ランサムウェアの攻撃では、データを使えなくするだけでなく、事前にデータを盗み出して「公開する」と脅す手口もよく使われます。そのため、被害が分かった直後は、データが持ち出されたかどうかがまだ分かりません。スカパーJSATが10月13日に「可能性」という言葉で発表し、10月16日に調査の結論を示したのは、こうした流れによるものです。
スカパーJSATの対応
スカパーJSATの発表に書かれている対応は、次のとおりです。
- 情報漏えいの有無も含め、業務委託先とともに調査を進めた
- 10月16日に、メールアドレスの閲覧、漏えいはなかったとの結論を公表した
- スカパー!メンバーズ会員向けのプロモーションメールの一部は引き続き止めていて、セキュリティの強化と安全性が確認できたら再開する見込みとした
- 今後もセキュリティの強化に取り組むとした
発表には、会員への個別のメールの送付、パスワードの再設定の案内、補償やポイントの付与についての記載はありません。発表に書かれていない対応について、この記事では推測しません。
覚えておきたいのは、止まっているのが「プロモーションメールの一部」だという点です。プロモーションメールとは、番組やキャンペーンの案内などの宣伝のメールのことです。契約や料金の手続きに関する連絡がこの件で止まったとは、発表には書かれていません。また、放送や配信の視聴サービスへの影響はないとしています。この件を理由に「視聴が止まる」「契約が解除される」と知らせるメールが届いたら、まず疑ってかかる理由になります。
自分が対象かを確かめる方法
対象になったのは、スカパー!メンバーズ会員と一部の退会者のうち、プロモーションメールの配信先になっていたアドレスです。確かめ方は次のとおりです。
- スカパー!メンバーズ会員に登録しているか、または過去に登録していたかを思い出す
- 受信箱で「スカパー」と検索して、番組やキャンペーンの案内メールを受け取っていたかを確かめる
- 受け取っていたなら、そのアドレスが対象になっていた可能性があったと考える
発表には、個人が自分のアドレスが対象かどうかを問い合わせる専用の窓口は書かれていません。また、10月16日に閲覧、漏えいはなかったと結論が出ているので、対象だったかどうかで取るべき行動はほとんど変わりません。どちらの場合でも、次の節の偽メールへの備えをしておけば足ります。
スカパー!を名乗る偽メールの見分け方
有料のテレビのサービスは、毎月の料金の支払いがあるため、「支払いの確認」「カードの有効期限切れ」「契約の更新」を口実にした偽のメールの題材にされやすい分野です。スカパー!の名前で届くメールについて、見分けるときの手順を整理します。
差出人の表示名を信じない
メールの差出人欄に「スカパー!」と表示されていても、それだけでは本物の証拠になりません。表示名は送る側が自由に設定できるからです。表示名の横か、タップして表示される実際のメールアドレスを見て、ドメイン(@より後ろの部分)を確かめます。スカパー!の利用者向けのサイトのドメインは skyperfectv.co.jp です。ただし、会社はメールの配信に別のドメインを使うことがあるので、ドメインが違うから偽物とも言い切れません。迷ったときは、次のリンク先の確認に進みます。
リンクを押さずに、公式サイトやアプリから入る
偽のメールの多くは、本文のリンクから偽のログイン画面に誘導して、IDやパスワード、カード番号を入力させようとします。いちばん確実なのは、メールのリンクを使わず、自分のブックマークや検索からスカパー!の公式サイトを開いて、同じ案内が出ているかを確かめることです。契約の内容や支払いの状況は、公式サイトにログインして自分で確かめられます。
「視聴が止まる」「料金が未納」と急がせる文面を疑う
「お支払いが確認できないため、本日中に手続きしないと視聴を停止します」のように、期限を切って急がせる文面は、考える時間を奪うための典型的な書き方です。今回の件について、スカパーJSATは視聴サービスへの影響はないと発表しています。この件を理由に視聴の停止を知らせるメールが届いたら、それだけで疑う理由になります。
「お詫び」「返金」「ポイント付与」を名目にした誘導に気をつける
漏えいのあとによく見られるのが、「お詫びとしてポイントを差し上げます」「返金の手続きをしてください」といった文面で入力を促す手口です。スカパーJSATの発表には、補償やポイントの付与についての記載はありません。発表にない特典を案内するメールが届いたら、公式サイトで同じ案内があるかを確かめるまで、何も入力しないことです。
社内でこうした見分け方を共有したい人には、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果が参考になります。フィッシングとは、本物そっくりの偽のメールやサイトで、IDやパスワードをだまし取る手口のことです。
利用者がすること:必要なものだけ
今回の件で漏えいの可能性があるとされたのはメールアドレスだけで、しかも閲覧、漏えいはなかったと結論が出ています。そのため、やることは多くありません。漏れた項目に合わせて、必要なものだけを並べます。
| やること | 今回の件で必要か | 理由 |
|---|---|---|
| スカパー!のパスワード変更 | 発表上は求められていない | パスワードは発表の対象に入っていない |
| クレジットカードの明細の確認 | 発表上は求められていない | カード番号は漏えいの可能性はないと明記されている |
| ほかのサービスとのパスワードの使い回しの見直し | 今回とは別に、やっておくとよい | 別の漏えいが起きたときの被害の広がりを防げる |
| 二段階認証の設定 | 使えるサービスでは設定しておくとよい | パスワードが知られても、それだけではログインされにくくなる |
| 偽のメール、SMSへの警戒 | 必要 | 報道で名前が知られたことで、なりすましの材料にされやすい |
パスワードの使い回しの見直しは、今回の件に限らず効果があります。同じパスワードを複数のサービスで使っていると、どこか1つで漏れたときに、ほかのサービスにも次々にログインされます。少なくとも、メールアカウント、ネットバンキング、仕事で使うサービスの3種類は、ほかと違うパスワードにしておくと、被害が広がる道を断てます。
二段階認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードなど、もう1つの確認を求める仕組みのことです。多要素認証とも呼ばれます。仕組みと種類はMFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較で詳しく説明しています。会社向けの記事ですが、認証の仕組みそのものは個人のアカウントでも同じです。
自分のメールアドレスが、今回の件とは別に、過去にどこかのサービスの漏えいに含まれていないかを確かめたい人は、海外の無料サイトで調べる方法があります。調べ方と画面の見方はHave I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法で順を追って説明しています。国内の漏えいはそのサイトに載らないことも多いので、結果の読み方もあわせて確かめてください。
退会した人が気をつけること
今回の発表で目を引くのが、対象に「一部の退会者」が含まれていたことです。サービスを解約しても、メールアドレスなどの情報がすぐにすべて削除されるとは限りません。会社によっては、法令で決められた期間や、問い合わせへの対応のために、一定の期間、情報を保存していることがあります。
退会した人にとって気をつけたいのは、「もう使っていないサービスだから関係ない」と思い込むことです。解約したサービスを名乗るメールが届くと、「解約の手続きが終わっていない」「未払いの料金がある」といった文面に不安をあおられて、リンクを押してしまいがちです。
退会した人が取れる行動は、次の3つです。
- 解約したサービスを名乗るメールが届いたら、リンクを押さずに、公式サイトで同じ案内があるかを確かめる
- 解約したサービスで使っていたパスワードを、ほかのサービスでも使っていないかを確かめ、使っていれば変える
- 解約したサービスに残っている自分の情報の扱いが気になるときは、そのサービスのプライバシーポリシー(個人情報の扱いを定めた文書)を読み、必要なら会社に問い合わせる
自分の情報を事業者がどう扱っているかについての苦情や相談は、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤルでも受け付けています。電話は03-6457-9849、受付は9時30分から17時30分(土日祝日と年末年始を除く)です。
宣伝のメールを受け取るかどうかを見直す
今回、漏えいの可能性の対象になったのは、プロモーションメール、つまり宣伝のメールの配信先のアドレスでした。これをきっかけに、ふだん読んでいない宣伝のメールの受け取りを見直すのも、身を守る方法の1つです。
宣伝のメールを多く受け取っていると、本物と偽物が混ざって届いても気づきにくくなります。毎日のように同じ会社の名前でメールが届くと、差出人やリンク先を確かめる習慣が薄れていくからです。逆に、本当に必要な会社からのメールだけが届く状態にしておくと、見慣れない差出人のメールが目立ち、偽物に気づきやすくなります。
見直すときは、次の点に気をつけます。
- 配信の停止は、メールの末尾のリンクからではなく、公式サイトにログインして会員の設定の画面から行う。偽のメールの「配信停止」のリンクは、アドレスが使われていることを相手に知らせてしまうことがある
- 契約や料金の手続きに関する連絡は、宣伝のメールとは別に届くことが多いので、止めてよいのは宣伝のメールだけかを画面で確かめる
- 使っていないサービスは、退会の手続きをして登録先そのものを減らす
登録先が減るほど、漏えいの発表に出会ったときに確かめる範囲が狭くなり、判断も早くなります。
家族が契約者になっている場合
スカパー!は、家族で1つの契約を使っていることが多いサービスです。契約者が親で、実際にテレビを見ているのは自分、という家庭もあります。この場合、今回の件の対象になったのは、契約者として登録されているアドレスです。
家族が契約者になっているなら、今回の件を短く伝えておくと安心です。伝える内容は、次の3つに絞ると伝わりやすくなります。
- スカパー!の宣伝のメールのアドレスが漏れた可能性があると発表されたが、そのあとの調査で閲覧、漏えいはなかったと結論が出た
- 名前、住所、電話番号、カード番号は、もともと対象に入っていない
- スカパー!を名乗って、料金の支払いやカード番号の入力を求めるメールやSMSが来たら、押さずに家族に見せる
特に、ふだんメールやSMSのリンクをそのまま押してしまいがちな家族がいるなら、伝えておく価値があります。届いたメールを家族の誰かに見せてから操作する、という約束を決めておくだけでも、被害はかなり防げます。
同じクラウドの障害で影響を受けたほかの会社
IDCフロンティア社の障害は、IDCFクラウドを契約していた495の企業や自治体に影響しました。メールの配信を任せていた会社がこの基盤を使っていたために、利用者の情報が漏えいした可能性を発表した会社は、スカパーJSATのほかにも複数あります。
各社の発表を見ると、JR東日本、ビューカード、JR九州、JR東海、イズミ、マウスコンピューター、ピーチ・ジョンなどが、それぞれ自社のサービスについて公表しています。対象とされた項目は会社ごとに違い、メールアドレスだけの会社もあれば、メールの本文に書かれた注文内容まで含めて発表した会社もあります。複数のサービスを使っている人は、それぞれの会社の発表を個別に確かめる必要があります。
利用者の側からは、どの会社がどの委託先やクラウドを使っているかは見えません。だからこそ、特定の会社が安全かどうかで判断するのではなく、どの会社から来たメールであっても、リンクを押す前に確かめるという同じ手順を習慣にしておくことが、いちばん効率のよい備えになります。
問い合わせ窓口
スカパーJSATの2026年10月13日と10月16日の発表には、この件専用の問い合わせ窓口の名称や電話番号は書かれていません。この記事では、発表に載っていない窓口の番号は書きません。契約や料金についての問い合わせは、メールのリンクではなく、スカパー!の公式サイトから窓口を確かめてください。
この件とは関係なく、不審なメールやSMSを受け取って判断に迷ったときは、情報処理推進機構(IPA)の情報セキュリティ安心相談窓口に相談できます。ウイルスや不正アクセスに関する技術的な相談を受け付けていて、電話は03-5978-7509、受付は10時00分から17時00分(土日祝日と年末年始を除く)です。詳しくはIPAの情報セキュリティ安心相談窓口に載っています。
偽のメールでお金を払ってしまった、カード番号を入力してしまったという場合は、カード会社の窓口に連絡してカードを止めることが先です。そのうえで、最寄りの警察署や消費生活センターに相談します。
在宅で仕事をする人が気をつけること
ここからは、フリーランスや在宅で仕事をする人に向けた話です。在宅で働く人の中には、仕事用と私用のメールアドレスを分けずに、1つのアドレスであらゆるサービスに登録している人も少なくありません。今回のように、趣味で使っているサービスの漏えいの発表が出たとき、そのアドレスが仕事の連絡にも使われていると、影響は趣味の範囲にとどまりません。
まず、今回の件で漏えいの可能性があるとされたのは、会員本人のメールアドレスです。取引先から預かった個人情報ではないので、自分の情報が対象になったことを理由に、取引先に報告する義務が生じるわけではありません。しかも10月16日に閲覧、漏えいはなかったと結論が出ています。
注意したいのは、仕事にも使っているアドレスあてに偽のメールが届いた場合です。うっかり開いて、添付ファイルからパソコンがウイルスに感染すると、取引先から預かったデータが危険にさらされることがあります。自分のアカウントの問題が、取引先の情報の問題に変わるのはこの瞬間です。
個人情報保護委員会は、事業者が漏えいの報告と本人への通知の義務を負う場合として、要配慮個人情報(病歴など特に配慮が必要な情報)を含むもの、不正に使われて財産的な被害が出るおそれがあるもの、不正の目的をもって行われたおそれがあるもの、本人の数が1,000人を超えるものを挙げています。同委員会の資料では、個人情報を「事業の用に供している」かどうかは営利か非営利かを問わないと説明しています。取引先の顧客名簿などを預かって仕事をしている人は、個人で働いていても、こうした決まりの外にいるとは限りません。詳しくは個人情報保護委員会の漏えい等報告のページで確かめられます。
在宅で働く人が今日からできるのは、次の3つです。
- 仕事用のメールアドレスを1つ作り、趣味や買い物のサービスには使わない
- 仕事用のアドレスとメールアカウントには、二段階認証を設定する
- どのサービスにどのアドレスで登録しているかを一覧にしておく
こうしておけば、趣味のサービスで漏えいの発表が出ても、仕事への影響を心配せずに済みます。取引先に事故の報告を書く必要が出たときは、事実と推測を分け、分かっていないことは分かっていないと書くのが基本です。ビジネス文書検定の内容は、こうした報告の文書を整える練習にもなります。
運営者の視点:アドレスを分けることが仕事の信用を守る
@SOHO編集部は、2004年から在宅ワークとフリーランスの仕事の仲介を続けてきました。その中で見えてきたのは、在宅で長く仕事を続けている人ほど、仕事と私用のアカウントをはっきり分けているということです。趣味のサービスの漏えいが、仕事の連絡に使うアドレスに偽のメールを呼び込む、という流れを断ち切れるからです。
漏えいの発表は、2026年10月だけでも国内で数多く出ています。そのたびに慌てないためには、どのサービスにどのアドレスで登録しているかを把握し、大事なアカウントに二段階認証を設定しておく、という基本を先に整えておくことです。漏えいの発表が出たときに、自分が対象か、何をすればよいかをすぐ判断できる人は、取引先からも安心して情報を預けてもらえます。
中間の手数料がかからない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くの仕事を頼めて、受ける側は手取りが厚くなります。その分、情報の扱いや連絡の決まりを当事者どうしで決める場面も増えます。セキュリティの知識をいかせる仕事の種類は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。
よくある質問
Q. スカパー!の情報漏洩で、自分のメールアドレスは漏れたのですか?
スカパーJSATは2026年10月13日に、スカパー!メンバーズ会員(一部の退会者を含む)のメールアドレスが漏えいした可能性があると発表しましたが、10月16日に、業務委託先とともに詳しく調べた結果、メールアドレスの閲覧、漏えいはなかったとの結論に至ったと発表しています。
Q. スカパー!の視聴や契約に影響はありますか?
2026年10月13日の発表では、放送や配信等の視聴サービスへの影響はないとしています。止まっているのはスカパー!メンバーズ会員向けのプロモーションメールの一部で、セキュリティの強化と安全性が確認できたら再開する見込みです。視聴の停止を知らせるメールが届いたら、公式サイトで確かめてください。
Q. すでに解約していますが、関係ありますか?
発表は、対象に一部の退会者を含むとしています。解約した人でも、プロモーションメールの配信の仕組みにアドレスが残っていた場合は対象に入っていた可能性がありました。ただし10月16日に漏えいはなかったと結論が出ています。解約したサービスを名乗るメールのリンクは押さないでください。
Q. スカパー!の件で何件漏れたのですか?
スカパーJSATの発表には、対象の件数は書かれていません。2026年10月20日時点で、件数を示した続報も出ていません。公式の発表に載っていない件数を見かけたときは、出どころを確かめてから受け止めるのが安全です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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