手術室の面接で聞かれること|現場が見ている点と、聞き返すこと

中西 直美
中西 直美
手術室の面接で聞かれること|現場が見ている点と、聞き返すこと

この記事のポイント

  • 手術室の面接を控えた看護師の方へ
  • よく聞かれる質問とその意図
  • 手術室ならではの質問への答え方

手術室の面接が近づいてきて、胸がざわざわしている。

そんなあなたに、まずお伝えしたいことがあります。大丈夫ですよ。面接は、あなたが選ばれる場であると同時に、あなたが職場を選ぶ場でもあります。

手術室の面接には、ほかの部署の面接とは少し違う特徴があります。聞かれる質問にも、手術室ならではのものがあります。そして、面接の場でこちらから聞き返しておかないと、入ってから「こんなはずじゃなかった」となりやすい部署でもあります。

この記事では、手術室の面接で現場が何を見ているのか、どんな質問がどういう意図で聞かれるのか、そして、あなたが面接の場で聞き返しておくべきことは何かを、順番にお話ししていきます。読み終えたとき、面接で話すことと聞くことが、手元のメモにまとまっている状態を目指しましょう。

手術室の面接では、誰が何を見ているのか

まず、面接の場にいる人と、その人たちが見ている点を整理しておきましょう。相手が分かると、緊張は少しやわらぎます。

手術室の看護師の面接には、看護部長や副看護部長と、手術室の師長が同席することが多いです。病院によっては、事務の担当者や、まれに麻酔科の医師が同席することもあります。

それぞれの立場で、見ているところが少しずつ違います。

看護部長は、病院全体の看護師として長く働いてくれるか、病院の方針に合っているかを見ています。手術室の師長は、もっと具体的に、「この人が明日から手術室に来たら、どう育てて、どの手術に入ってもらうか」を想像しながら話を聞いています。

手術室の師長が特に気にしているのは、次のような点です。

・手術室の仕事の中身を理解したうえで応募しているか ・覚えることの多さや、教育の期間を乗り越えられそうか ・チームの中で、声をかけ合いながら動けそうか ・緊急の場面で、落ち着いて動けそうか ・夜間の体制や勤務の形に、無理なく合わせられそうか

手術室の看護については、看護師向けの情報でも、職場の特徴を理解していることの大切さが繰り返し書かれています。

手術室看護の特徴を理解し、そこで働きたいという意欲が伝わる志望動機は、採用担当者に好印象を持ってもらえる可能性があります。以前の職場で経験したエピソードや自身の看護観も盛り込みつつ、手術室看護への熱意を伝えましょう。 出典: kango-oshigoto.jp

ここで書かれていることは、面接でもそのまま当てはまります。「特徴を理解している」ことと、「以前の経験や自分の看護観とつなげて話せる」こと。この2つが伝われば、面接の土台はできています。

手術室は、看護師の職場の中でも、入ってからのミスマッチが起きやすいと言われる部署です。患者さんと言葉を交わす時間が短い、器械や手順を大量に覚える、立ち仕事が長い、緊急手術やオンコールがある。面接官は、これまでに「思っていたのと違った」と辞めていった人を見てきています。だからこそ、面接では「この人は手術室の実態を知っているだろうか」を丁寧に確かめようとするんですね。

裏を返せば、あなたが手術室のことを調べ、理解していることが伝われば、それだけで面接官の不安の多くは解消されます。上手に話すことより、理解していることが伝わること。まずはそこを目指してください。

よく聞かれる質問と、その意図

次に、手術室の面接でよく聞かれる質問を見ていきましょう。質問の裏にある意図が分かると、何を答えればいいのかがはっきりします。

自己紹介と、これまでの経験を教えてください

最初の質問です。ここで面接官が知りたいのは、あなたの経歴の中で手術室につながる部分です。勤務した病院と部署、年数、担当してきた患者さんの特徴を、1分ほどで話せるようにしておきましょう。病棟の経験がある人は、術前術後の患者さんを受け持った経験に少し触れておくと、あとの話につながりやすくなります。

なぜ手術室を希望するのですか

志望動機の核になる質問です。意図は、手術室の仕事を理解したうえで選んでいるかを確かめることです。「専門性を身につけたい」だけで終わらず、手術室のどんな看護に関心があるのか、なぜそう思うようになったのかを、あなたの経験から話してください。

なぜ当院を選んだのですか

「手術室ならどこでもいいのでは」という疑問に答える質問です。病院の手術件数、多い診療科、教育の仕組み、見学で見たことなど、その病院ならではの事実と、あなたの目標を結びつけて話します。

今の職場を辞める理由は何ですか

意図は、同じ理由でまた辞めることがないかを確かめることです。不満をそのまま話すのではなく、「次の職場で何を実現したいか」という形に言い換えて話します。志望動機と方向がそろっていることが大切です。

看護師として大切にしていることは何ですか

看護観を聞く質問です。手術室では、患者さんの意識がない時間に安全を守ることが中心になります。「患者さんが自分で訴えられない時間だからこそ、小さな変化に気づける看護師でいたい」のように、手術室の看護と結びつけて話せると、理解の深さが伝わります。

失敗した経験と、そこから学んだことを教えてください

意図は、ミスをしたときに隠さず報告し、振り返りができる人かを確かめることです。手術室では、ガーゼの数が合わない、器械が足りないといった場面で、すぐに声を上げることが求められます。失敗の内容よりも、そのあとどう動いたかを具体的に話してください。

周りの人とうまくいかなかったとき、どうしましたか

手術室は閉じた空間で、決まったメンバーと長い時間働く職場です。意図は、関係がこじれたときに、感情的にならずに対処できるかを確かめることです。相手を悪く言うのではなく、自分がどう工夫したかを中心に話します。

何か質問はありますか

面接の最後に必ず聞かれる質問です。これは、あなたが職場を確かめるための大切な時間です。あとの章で詳しくお話しします。

手術室ならではの質問への答え方

ここからは、手術室の面接で特に聞かれやすい質問と、その答え方を見ていきましょう。ほかの部署ではあまり聞かれない質問なので、準備しておくと安心です。

覚えることが多いですが、大丈夫ですか

手術室では、器械の名前、手術ごとの手順、医師ごとの好みなど、覚えることが本当に多いです。面接官は、それを分かっているかを確かめています。

答え方のコツは、「大丈夫です」とだけ言わず、過去に新しいことを覚えたときの工夫を具体的に話すことです。「病棟で新しい処置を担当したときは、手順を自分でノートにまとめて、実施した日に振り返っていました。手術室でも同じように、担当した手術ごとに記録をつけて覚えたいと考えています」。これなら、覚える量を理解していることと、乗り越える方法を持っていることが伝わります。

長時間の立ち仕事になりますが、体力は大丈夫ですか

長い手術では、器械出しの看護師は数時間、清潔な区域から離れずに立ち続けます。持病や体力に不安がある場合、ここで無理に「大丈夫です」と言う必要はありません。正直に伝えたうえで、どういう配慮があれば働けるのかを話すほうが、入ってからのつらさを防げます。特に不安がない場合は、日頃の体調管理で気をつけていることを一言添えると十分です。

血や手術の場面は平気ですか

未経験の人に聞かれやすい質問です。実習で手術を見学した経験があれば、そのときの様子を話してください。見学の経験がない場合は、「実際に見たことはありませんが、救急外来で出血のある患者さんの処置に関わった経験があります」のように、近い経験を話します。

緊急手術やオンコールには対応できますか

働き方に関わる大切な質問です。ここは、できないことを「できます」と言わないでください。子育てや介護などで、夜間の呼び出しに応じにくい事情がある場合は、正直に伝えます。そのうえで、「どのくらいの頻度で当番が回ってくるのか、免除や調整の仕組みがあるのかを伺えますか」と、こちらからも確かめる姿勢を見せましょう。入ってから無理が出るより、面接の段階ですり合わせるほうが、双方にとってずっと良いことです。

患者さんと話す時間が短いことを、どう思いますか

手術室ならではの質問です。「関わる時間の長さではなく、関わり方が違う」という方向で答えるのがおすすめです。入室時の声かけで不安をやわらげること、麻酔がかかっているあいだに体位や体温を管理して体を守ること、術前訪問や術後訪問で言葉を交わすこと。手術室にも、患者さんに寄り添う看護がちゃんとあります。

ストレスがたまったとき、どう解消していますか

手術室は緊張が長く続く職場です。面接官は、あなたが自分の心を整える方法を持っているかを知りたいと思っています。

心のケアの仕事をしてきた立場からお伝えすると、ここで「ストレスはあまり感じません」と答えるのは、少しもったいないです。ストレスを感じない人はいません。「感じたときに、どう扱っているか」を話せるほうが、ずっと信頼されます。「仕事が終わったら、その日のうちに一度だけ振り返りの時間をとって、そのあとは考えないようにしています」「休みの日は、体を動かして気持ちを切り替えています」。こうした具体的な方法で十分です。

経験者と未経験者で、聞かれ方が変わる

手術室の面接は、あなたの経験によって聞かれ方が変わります。自分がどちらに当たるのかを意識して準備しておきましょう。

他院の手術室の経験がある人

経験者の面接では、即戦力としてどこまで任せられるかが中心になります。次のような質問が、かなり具体的に聞かれます。

・どの診療科の手術で、器械出しと外回りを担当してきたか ・心臓血管外科や脳神経外科など、難しい手術の経験はあるか ・腹腔鏡の手術やロボット支援手術に入ったことはあるか ・後輩の指導や、リーダーの経験はあるか ・前の手術室の部屋数や、1日の件数はどのくらいだったか

ここでは、経験をそのまま並べるのではなく、応募先の手術室で活かせる形で話すのがコツです。応募先に多い診療科と、あなたの経験が重なる部分を先に話しましょう。経験のない診療科について聞かれたら、「その領域はまだ経験がありませんが、近い手術として〇〇の器械出しを担当してきました」と、隣り合う経験につなげて答えると、学び直しの見通しが伝わります。

経験者ならではの注意点もあります。前の職場のやり方を「こうするのが正しい」と話しすぎないことです。手術室のやり方は、病院ごとに少しずつ違います。面接官は、新しい職場のやり方を受け入れて学び直せる柔軟さがあるかも見ています。「前の職場ではこうしていましたが、貴院のやり方を学んで合わせていきたいと考えています」と一言添えるだけで、印象がやわらぎます。

手術室の経験がない人

未経験の人の面接では、手術室の仕事を理解しているか、教育の期間を乗り越えられそうかが中心になります。次のような質問が聞かれやすいです。

・手術室の看護師の仕事内容を、どのように理解していますか ・器械出しと外回りの違いを知っていますか ・実習や見学で、手術室を見たことはありますか ・病棟の経験を、手術室でどう活かせると思いますか

器械出しは、滅菌した手術衣を着て清潔な区域の中で医師に器械を渡す役割です。外回りは、清潔な区域の外で患者さんの状態を見守り、物品を補充し、記録を行い、麻酔科医と連携する役割です。この違いを自分の言葉で説明できるようにしておくと、理解していることがしっかり伝わります。

未経験の人が面接で気をつけたいのは、分からないことを無理に分かったふりをしないことです。「そこはまだ理解が足りていないので、入職後にしっかり学びたいと考えています」と素直に言える人は、教える側から見ると安心できる人です。

面接で聞き返すこと

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。

面接の最後の「何か質問はありますか」は、あなたが職場を確かめるための時間です。手術室は、求人票に書かれていないことが働きやすさを大きく左右する部署です。遠慮せずに、でも失礼にならない聞き方で、大切なことを確かめておきましょう。

聞き返しておきたいことを、表にまとめました。

確かめたいこと 聞き方の例
人員体制 手術室の看護師は何名で、1部屋に何名で入ることが多いですか
1日の流れ 普段は何部屋が、何時ごろまで動いていることが多いですか
延長の扱い 手術が延長したときは、どなたが引き継ぐ形になりますか
夜間の体制 夜勤とオンコールのどちらですか。当番は月に何回くらいですか
呼び出しの実態 最近のオンコールで、実際に呼び出されたのは月に何回くらいでしたか
呼び出しの翌日 深夜に呼び出された翌日の勤務は、どのようになりますか
教育 独り立ちまでの目安と、その間はどなたが付いてくださいますか
周辺の職種 器械の洗浄や組み立て、物品の補充はどなたが担当されていますか
任される範囲 術前訪問や術後訪問は行っていますか
定着 この1年で、手術室の看護師の入れ替わりはどのくらいありましたか

全部を聞く必要はありません。あなたにとって大切な項目を、2〜3個選んでください。

聞き方のコツは、数字で答えられる形にすることです。「忙しいですか」と聞くと、「忙しいけれど、やりがいがありますよ」という答えになりがちです。「普段は何部屋が何時ごろまで動いていますか」と聞けば、実態に近い答えが返ってきます。

こういう相談を受けたことがあります。

「面接で夜勤のことを聞いたら、働く気がないと思われそうで聞けなかった。入ってみたら、オンコールが月に8回あって、子どもの送り迎えと両立できなかった」

この方は、聞かなかったことをとても後悔していました。でも、あなたに伝えたいのは、条件を確かめる質問は、決して「働く気がない」という意味にはならないということです。むしろ、長く働くために必要なことを確かめている人として受け取られます。

聞き方の前に一言添えるだけで、印象はずいぶん変わります。「長く働かせていただきたいので、確認させてください」。この前置きがあれば、条件の質問も前向きに聞こえます。

もう1つ、聞いたときの相手の反応にも目を向けてみてください。すぐに具体的な数字が返ってくる職場は、自分たちの実態を把握していて、隠す必要がないと考えている職場です。答えを濁したり、話をそらしたりする場合は、何かしら事情があるのかもしれません。

見学と面接の日に、目で確かめること

面接の前後に、手術室の見学ができることがあります。見学の機会があれば、ぜひ使ってください。話を聞くだけでは分からないことが、目で見るとよく分かります。

手術室の見学では、清潔を保つために、専用の服と帽子とマスクに着替えることが多いです。案内に従って、触れてはいけない場所に近づかないように気をつけましょう。これを丁寧に守る姿勢も、見られています。

見学のときに目を向けたい場所があります。

1つ目は、手術中の声のかけ合いです。器械出しと外回りの看護師が、手術の進行に合わせて自然に声をかけ合っているか。確認の声を上げた看護師に、医師がきちんと応じているか。張りつめた空気の中にも、やりとりの温かさがあるかどうかを感じてみてください。

2つ目は、廊下や準備室の様子です。器械や物品が整理されているか。物品の置き場所に表示があるか。整理されている職場は、新しく入った人が覚えやすく、準備の抜けによる摩擦も起きにくいです。

3つ目は、掲示物です。その日の手術予定表、担当の割り当て、手順の注意点などが見やすく掲示されているか。情報が共有されている職場は、人によって言うことが違うという混乱が起きにくくなります。

4つ目は、休憩室の雰囲気です。見学の中で休憩室の前を通ることがあれば、そっと様子を見てみてください。交代で休憩がとれているか、若手が居心地悪そうにしていないか。手術室は閉じた職場なので、休憩室の空気がそのまま人間関係の空気です。

5つ目は、案内してくれる人の話し方です。案内役の看護師が、仕事の大変な面も含めて率直に話してくれるか。良いことだけを話す案内より、大変なことも正直に教えてくれる案内のほうが、入ってからのずれは少なくなります。

6つ目は、スタッフの年齢や経験の幅です。見学の途中ですれ違う看護師に、若手とベテランがバランスよくいるか。若手ばかりの職場は、教える人の負担が大きく、教育が手薄になりがちです。ベテランばかりの職場は、新しく入った人が長く「一番下」になり、居心地の悪さを感じることがあります。どちらが良い悪いではなく、あなたが安心して学べるのはどちらかを考えてみてください。

見学の時間は短いので、全部を見ようとしなくて大丈夫です。あらかじめ「今日はこの3つを見る」と決めておくと、落ち着いて目を向けられます。

見学のあとには、忘れないうちに気づいたことをメモしておきましょう。

当日の準備と、緊張への備え

面接の当日に慌てないために、前日までに整えておきたいことがあります。

服装は、落ち着いた色のスーツが基本です。見学で手術室の中に入る場合は、専用の服に着替えることが多いので、着替えやすい服装を意識しておくと安心です。髪は手術室の帽子に収まるようにまとめ、爪は短く整えておきましょう。手術室は清潔に厳しい職場なので、こうした身だしなみは、口で説明するより雄弁にあなたの理解を伝えてくれます。

持ち物は、履歴書や職務経歴書の控え、筆記用具、メモ帳、そして面接で聞きたいことを書いたメモです。控えがあれば、面接の直前に自分が書いた内容を読み返せます。書類と話す内容がずれないようにするためにも、必ず持っていってください。

到着は、約束の時間の10分前ほどを目安にします。早く着きすぎた場合は、近くで少し時間を調整しましょう。病院は手術や診療で忙しく動いているので、早すぎる到着はかえって相手の負担になることがあります。

面接の準備をどれだけしても、当日はやっぱり緊張します。それは、あなたが真剣に向き合っている証拠です。

私自身、キャリアの相談を受ける仕事を始めたばかりのころ、自分が面接のような場に立つたびに、声が上ずって早口になっていました。準備した言葉を全部言おうとして、相手の質問をきちんと聞けていなかったんです。あるとき先輩から「準備した答えを言う場ではなく、相手と会話をする場だと思ってごらん」と言われ、ずいぶん楽になりました。

面接の緊張をやわらげるために、いくつかの方法をお伝えします。

・話す内容は、文章ではなく「キーワード」で覚える。文章で覚えると、1つ言葉が抜けただけで頭が真っ白になりやすい ・質問を聞いたら、1回ゆっくり息を吐いてから答え始める。数秒の間は、相手には考えている時間として伝わる ・分からない質問には、「少し考えさせてください」と言ってよい ・答えに詰まったら、「うまくまとまらないのですが」と前置きしてから、思っていることを話す ・面接の前に、手や肩に力を入れて数秒止め、ふっと抜く。体の緊張がゆるむと、気持ちも少しゆるむ

手術室の面接官は、日々の仕事で、緊急の場面でも落ち着いて動くことを大切にしている人たちです。緊張している応募者を責めることは、まずありません。緊張の中で、それでも誠実に答えようとする姿は、ちゃんと伝わります。

面接のあとにやること

面接が終わったら、ほっとして何もしたくなくなるかもしれません。でも、その日のうちにやっておきたいことがあります。

1つ目は、面接で聞いたことのメモです。人員体制、夜間の体制、教育の仕組み、見学で見たこと。複数の病院を受けているなら、同じ項目で並べておくと、あとで比べるときにとても役立ちます。時間がたつと、どの病院で何を聞いたのかが混ざってしまうので、その日のうちに書いてください。

2つ目は、答えられなかった質問の振り返りです。うまく答えられなかった質問は、次の面接で聞かれるかもしれません。どう答えればよかったのかを、落ち着いた頭で考えておきましょう。

振り返りのときは、「うまく話せなかった」という気持ちの反省ではなく、「何を聞かれ、何を話し、何が足りなかったか」を書き出すのがおすすめです。気持ちの反省は心を疲れさせるだけですが、事実の振り返りは次の準備に変わります。書き終えたら、自分に「今日もよく頑張ったね」と声をかけてあげてください。面接の日は、思っている以上に心のエネルギーを使っています。

3つ目は、内定が出たあとの条件の確認です。面接で聞いた勤務の形や手当の内容が、書面でどう示されるかを確かめてください。雇用の際には、賃金や労働時間などの条件を書面で示すことが法律で求められています。オンコールの手当、夜勤の回数、残業の扱いなど、面接で聞いた内容と書面の内容がそろっているかを見ておくと安心です。

4つ目は、迷ったときの決め方です。複数の病院から内定が出ることもあります。そういうときは、条件が一番良い職場ではなく、面接で聞いたことに対して「分からないことが一番少ない職場」を選ぶのも1つの考え方です。答えが具体的に返ってきた職場は、入ってからの驚きも少なくなります。

もし不採用の知らせが届いても、どうか自分を責めすぎないでください。手術室の採用は、その時期の人員の状況や、求めている経験の組み合わせで決まることも多いです。あなたの価値が否定されたわけではありません。振り返りのメモを持って、次の面接に臨めば大丈夫です。

手当や給与の水準を判断するときは、相場を知っておくと落ち着いて考えられます。看護師の年収・単価相場では、公的な統計をもとに看護師の年収の分布や、働き方による違いが整理されています。提示された条件が相場と比べてどの位置にあるのか、一度見比べてみてください。

運営者として見てきたこと

最後に、看護師に限らず、専門職が仕事を選び、選ばれる場を20年見てきた運営者の立場から、少しだけお話しさせてください。

長く同じ職場で力を発揮している人は、面接の場で「選ばれよう」とするだけでなく、「自分がここで働けるか」をしっかり確かめています。聞くべきことを聞いて、納得して入った職場では、大変なことがあっても「分かっていたことだから」と受け止められるんですね。

反対に、早い時期に職場を離れてしまう人の話を聞くと、「面接で聞きにくくて、確かめなかった」という言葉がとても多いです。聞かなかったことは、入ってから必ず自分の目の前に現れます。面接の数分の気まずさと、入ってから何年も続く働きにくさ。どちらを避けたいかを考えれば、答えは自然に出てきます。

これは、仕事を依頼する人と受ける人の関係でも同じです。最初に条件や進め方をすり合わせた関係ほど、長く続きます。そして、間に余計な取り分が入らない直接の関係では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%の取引が長い関係を生みやすいのは、金額よりも、双方が納得できる構造だからだと感じています。

手術室を選ぶときも、提示された金額だけでなく、その金額の裏でどういう働き方をすることになるのかを、面接の場で確かめてください。同じ手当の額でも、呼び出しが少ない職場と多い職場では、その重みがまったく違います。

面接の準備を進めるなかで、自分のこれまでの経験をどう言葉にすればいいのか分からなくなることもあると思います。そういうときは、キャリアの整理を手伝ってくれる専門職を頼るのも1つの方法です。国家資格のキャリアコンサルタントは、職業の選択や能力の開発について相談に応じる専門職で、資格の役割がまとめられています。また、医療の現場を知る人が働く人の悩みに寄り添う仕事には、職場・転職・キャリア相談のお仕事のような形もあり、どんな依頼があるのかを確認できます。

面接は、あなたと職場がお互いを知る場です。話すことと、聞くこと。その両方を準備して、当日は深呼吸をひとつしてから臨んでくださいね。あなたは一人じゃありません。

よくある質問

Q. 手術室の面接で、夜勤やオンコールのことを聞いても失礼になりませんか?

失礼にはなりません。長く働くために必要なことを確かめている人として受け取られます。「長く働かせていただきたいので、確認させてください」と前置きし、当番の回数、実際に呼び出された回数、呼び出された翌日の勤務を数字で答えられる形で聞くと、前向きな質問として伝わりやすくなります。

Q. 手術室の経験がないと、面接で不利になりますか?

未経験でも採用している手術室は多くあります。面接では、器械出しと外回りの違いなど手術室の仕事を理解しているか、教育の期間を乗り越えられそうかが見られます。新しいことを覚えたときの工夫を具体的に話し、分からないことは分かったふりをせず、入職後に学びたいと素直に伝えると安心してもらえます。

Q. 手術室の面接には、誰が同席することが多いですか?

看護部長や副看護部長と、手術室の師長が同席することが多いです。病院によっては事務の担当者や麻酔科の医師が加わることもあります。看護部長は病院全体で長く働けるかを、手術室の師長は入職後にどう育ててどの手術に入ってもらうかを想像しながら話を聞いています。

Q. 面接の最後の逆質問は、いくつくらい用意すればいいですか?

全部を聞く必要はなく、あなたにとって大切な項目を2〜3個選べば十分です。人員体制、延長したときの引き継ぎ、夜間の体制、独り立ちまでの目安、器械の洗浄や物品補充の担当などから選んでください。数字で答えられる聞き方にすると、職場の実態に近い答えが返ってきやすくなります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年7月31日最終更新:2026年9月20日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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