小規模保育園の志望動機をどう書くか|ここを選んだ理由の組み立て方

中西 直美
中西 直美
小規模保育園の志望動機をどう書くか|ここを選んだ理由の組み立て方

この記事のポイント

  • 小規模保育園の志望動機は「少人数で丁寧に関わりたい」だけでは他の応募者と並んでしまいます
  • A型・B型・C型の違い
  • 0〜2歳だけの園で起きていること

小規模保育園の志望動機を書こうとして、手が止まっていませんか。

「少人数で、子ども一人ひとりと丁寧に関わりたいから」。 ここまでは書けるのに、その先が続かない。 書いてみたものの、どこかで見た例文とほとんど同じになってしまう。 こういうご相談、本当によくあります。

大丈夫ですよ。 手が止まるのは、文章が下手だからではありません。 「小規模保育園という職場で、実際に何が起きているか」がまだ手元にないから、書く材料が足りないだけなんです。

この記事では、まず小規模保育園の中身(体制、1日の動き、大きな園との違い)を整理します。 そのうえで、見学や求人票から材料を拾い、「ここを選んだ理由」として組み立てる手順を、例文と一緒にお伝えします。

小規模保育園は「小さな保育園」ではなく、別の仕組みで動いている

志望動機の話に入る前に、小規模保育園がどういう職場なのかを押さえておきましょう。 ここを曖昧にしたまま書くと、どうしても一般論に寄ってしまいます。

小規模保育園は、正式には「小規模保育事業」と呼ばれます。 2015年に始まった子ども・子育て支援新制度で、市区町村の認可を受ける「地域型保育事業」の1つとして位置づけられました。 定員は6人から19人までで、対象は原則として0歳から2歳までの子どもです。

つまり、同じ「保育園」という名前でも、定員60人や100人の認可保育所とは、制度の出発点が違うんです。 待機児童の多い0〜2歳の受け皿を、駅前のビルの1フロアや住宅の一部といった小さな空間で素早く増やすために作られた仕組みです。

A型・B型・C型で、保育士の割合が違う

小規模保育事業は、職員の資格要件によって3つの型に分かれます。

定員 職員の資格
A型 6〜19人 全員が保育士
B型 6〜19人 半数以上が保育士(残りは研修を受けた保育従事者)
C型 6〜10人 家庭的保育者(研修を修了した人)

職員の人数は、認可保育所の配置基準(0歳児はおおむね3人に1人、1・2歳児はおおむね6人に1人)に、さらに1人を上乗せした数が必要とされています。 C型は子ども3人につき1人(補助者を置く場合は5人につき2人)です。

志望動機を書くうえで大事なのは、応募する園がどの型かを必ず確かめることです。 A型なら全員が保育士としてチームを組みますし、B型なら資格を持たない保育従事者と一緒に動く場面が多くなります。 保育士として応募するなら、B型では「資格のない職員に保育の考え方を伝える役」を期待されることもあります。

3歳になると卒園する、という前提

小規模保育園のもう1つの特徴は、多くの園で子どもが3歳の春に卒園することです。 そのため、卒園後の受け皿となる「連携施設」(近くの認可保育所や幼稚園など)を確保することが求められています。

これは職員にとって、とても大きな意味を持ちます。 2歳児クラスの担任は、毎年「次の園へ送り出す準備」をすることになるからです。 保護者は「次にどこへ行くか」という転園の不安を抱えていて、その相談が保育士に集まります。

大きな園なら、2歳から3歳へは同じ建物の中で持ち上がるだけです。 小規模保育園では、そこで子どもとも保護者とも、いったんお別れになります。 この違いを知ったうえで書く志望動機と、知らずに書く志望動機は、面接官が読めばすぐに分かります。

小規模保育園の1日と、大きな園との違い

次に、中で働く人の1日がどう動くかを見ていきます。 志望動機の材料は、ここにたくさん落ちています。

全員が、全員の子どもを見ている

定員19人の園でも、実際には0歳児3人、1歳児8人、2歳児8人といった分かれ方になります。 部屋は1つか2つ。 クラスの壁は、ほとんどないと思ってください。

朝の受け入れは、早番の保育士が0歳も2歳もまとめて受けます。 午前中の活動はクラスごとに分かれても、同じ部屋の中で声も動きも全部見えます。 お昼寝の時間には、0歳児の呼吸チェックを誰が担当するか、その日の人員で決め直すことがよくあります。

大きな園では「自分のクラス」の中で完結する仕事が多いのに対して、小規模保育園では「今日この部屋にいる全員」をチームで見る感覚です。 園によっては、担任を決めずに全員で全員を見る方針をとっているところもあります。

職員の人数が少ないぶん、1人の役割が広い

職員が5人から8人ほどの園では、誰かが休めばすぐに影響が出ます。 シフトの調整、行事の準備、保護者への連絡帳、給食の配膳や食器の片付け、掃除や消毒。 大きな園なら担当が分かれている仕事も、交代で全員が受け持つことになります。

調理を外部に委託している園もあれば、自園の調理員が1人で作っている園もあります。 調理員が休みの日に保育士が簡単な調理補助に入る園も、実際にあるんです。 これは求人票だけでは分からないので、見学で必ず確かめたいところです。

行事は少なめ、保護者との距離は近め

運動会や発表会を大きなホールで開くような行事は、多くの小規模保育園ではあまり行いません。 代わりに、誕生会や季節の小さな集まりを、日々の保育の延長として行うことが多いです。

一方で、保護者とは毎日顔を合わせます。 お迎えの時間に、その日のことを直接話す機会が多い。 0〜2歳の保護者は初めての子育ての人も多く、夜泣きや離乳食、トイレトレーニングの相談が日常的に寄せられます。

ここで気をつけたいのが、「行事が少ない=負担が少ない」ではない、ということです。 行事の準備が減る代わりに、1人ひとりの保護者と深く関わる時間が増える。 これを「やりがい」と感じるか「しんどさ」と感じるかで、向き不向きが分かれます。

園長との距離が近く、方針がそのまま現場に届く

小規模保育園では、園長が保育に入っていることも珍しくありません。 運営会社が大きくても、1つひとつの園の方針は園長の考え方に強く影響されます。

これは志望動機にとって、実はとても大きな手がかりです。 園の考え方がホームページや見学での園長の話に、はっきり出やすいからです。 大きな園の志望動機では「法人の理念」を拾うことが多いのに対して、小規模保育園では「この園の、この園長の考え方」を拾うことができます。

志望動機は「経験・この園・入ってからの動き」の3段で組む

私がキャリア相談で志望動機を一緒に作るときは、いつも次の3段に分けてもらっています。

  1. これまでの経験の中で、心が動いた場面(なぜ小規模を考えたのか)
  2. 応募する園で見つけた、その園だけの具体的な特徴(なぜこの園なのか)
  3. 入職したら、自分がその中でどう動くか(何を持ち込むのか)

多くの人は1段目と3段目は書けます。 抜けやすいのは2段目です。 そして、面接官がいちばん読みたいのが、この2段目なんです。

1段目:「大きな園では足りなかったこと」を責める形にしない

大きな園から転職する人は、1段目で前の職場の不満を書いてしまいがちです。 「行事に追われて子どもと向き合えなかった」「クラスの人数が多すぎた」。 気持ちは、とてもよく分かります。

「行事を通して成長を見る喜びもあったけれど、乳児期に1人ひとりとじっくり関わる保育を、もっと深めたいと思うようになった」。 前の職場を否定せず、自分の関心がどこへ向かったのかを書くと、読み手に届く文章になります。

参考になる例文を1つ紹介します。 転職者向けに書かれた志望動機で、前の園を否定せずに「もどかしさ」から「共感した方針」へつないでいます。

以前勤めた保育園は、規模が大きい園でした。子どもたちの人数も多く、行事やイベントにも力を入れていたため、乳児クラスでも常に忙しく保育をしていました。行事やイベントを通して、子どもたちが成長する姿を見れるのはやりがいがありましたが、子ども一人ひとりとじっくり関われないことに、もどかしさを感じていました。 今回、貴園のホームページを拝見して、「あえて行事は最小限にして、日々の丁寧な関わりを大切にしている」という考え方にとても共感しました。 出典: hoiku.jinzaibank.com

この例文の良いところは、2段目に「あえて行事は最小限にして」という、その園が実際に書いている言葉を拾っている点です。 ここを自分が応募する園の言葉に差し替えることが、例文を「自分の志望動機」に変える作業になります。

2段目:その園だけの材料を、3つ拾っておく

2段目の材料は、次のような場所から拾えます。

・ホームページの「保育方針」「1日の流れ」「園長あいさつ」 ・見学で見た部屋の使い方(0歳と2歳を分けているか、一緒に過ごしているか) ・食事の出し方(自園調理か、どこまで離乳食を個別に対応しているか) ・連携施設がどこで、卒園後にどうつないでいるか ・保護者との連絡の取り方(紙の連絡帳か、アプリか、お迎え時の会話を重視しているか)

このうち3つくらいを手元にメモしておくと、志望動機も面接も楽になります。 全部を志望動機に入れる必要はありません。 いちばん自分の経験とつながる1つを選んで書き、残りは面接で話せるように取っておきましょう。

3段目:「頑張ります」ではなく、場面で書く

3段目でよく見るのが「子どもたちの成長を支えられるよう精一杯頑張ります」という締め方です。 悪くはないのですが、誰でも書けてしまいます。

小規模保育園は職員が少ないので、面接官は「この人が入ったら、明日からどう動くか」を想像しながら読んでいます。 「0歳児の担任として、月齢の差に合わせて食事や睡眠の時間をずらしてきた経験を、少人数の異年齢の部屋で活かしたい」。 こんなふうに、場面が浮かぶ書き方にすると、ぐっと伝わります。

立場別の組み立て方と例文

ここからは、立場ごとの組み立て方を見ていきます。 例文はそのまま使うのではなく、2段目を自分の応募先の言葉に置き換えて使ってください。

新卒の場合:実習での気づきを1つに絞る

新卒の人は、経験の量で勝負できません。 その代わり、実習やボランティアで「自分が何に心を動かされたか」を1つに絞って書くと、軸がはっきりします。

例文(新卒) 学生時代の実習では、定員90人の保育園の1歳児クラスに入りました。 午睡の時間に、なかなか眠れない子の背中を先生がずっとさすっている姿を見て、1人の子にこれだけ時間をかけられる保育に憧れを持ちました。 貴園の見学では、0歳から2歳の子どもたちが同じ部屋で過ごし、2歳の子が0歳の子にそっとおもちゃを渡している場面を見ました。 先生方が「ここでは年齢で区切らず、きょうだいのように育ってほしい」と話されていたことが心に残っています。 経験はまだ浅いですが、実習で学んだ子どもの気持ちを待つ関わりを大切にしながら、先輩方から少人数の保育を学び、1日でも早くチームの一員として動けるようになりたいと考え、志望いたしました。

大きな園から転職する場合:持ち込める技術を具体的に

転職の人は、「経験年数」より「何ができるか」を書きましょう。 小規模保育園は0〜2歳だけなので、乳児クラスの経験は強い武器になります。 幼児クラスの経験しかない人も大丈夫です。 行事の企画や保護者対応、後輩への声かけなど、年齢を問わず持ち込める技術があります。

例文(大きな園から) これまで7年間、定員120人の保育園で主に1歳児と2歳児の担任をしてきました。 トイレトレーニングや食事の自立など、家庭と歩調を合わせて進める場面が多く、保護者と話す時間の大切さを実感してきました。 一方で、クラスの人数が多く、お迎えの時間に1人ひとりの保護者とゆっくり話すことが難しい日も多くありました。 貴園がお迎え時の会話を大切にし、連絡帳にもその日のエピソードを必ず1つ書く方針をとっていると伺い、私が大切にしたい保育と重なると感じました。 2歳児の担任として、卒園して次の園へ移る子どもと保護者の不安に寄り添ってきた経験を活かし、貴園の子どもたちが安心して次の場所へ進めるよう力を尽くしたいと考えています。

ブランクがある場合:空白を謝らず、今の自分を書く

子育てや介護で現場を離れていた人は、ブランクを「すみません」と書きたくなります。

その間に得た視点は、0〜2歳の保護者と向き合う小規模保育園では、むしろ強みになることがあります。

例文(ブランクあり) 保育士として5年間勤めた後、出産と子育てのため6年間現場を離れていました。 自分が保護者の立場になって、朝の預け入れのときに先生がかけてくれた一言にどれだけ救われたかを知りました。 貴園の見学では、お迎えに来た保護者の方と先生が、その日の様子を笑顔で話している姿が印象的でした。 少人数だからこそ、保護者の方と毎日顔を合わせて信頼を積み重ねていける環境だと感じています。 ブランクの間の保育の変化については、自治体の研修や書籍で学び直しを始めています。 保護者の気持ちが分かる保育士として、ご家庭と一緒に子どもの成長を喜べる関係づくりに貢献したいと考え、志望いたしました。

保育士資格がなく、B型の保育従事者として応募する場合

B型の小規模保育園では、研修を受けた保育従事者も働くことができます。 資格がない人は、「資格がないけれど」と前置きするより、「子どもと関わる中で大切にしてきたこと」と「学び続ける姿勢」を書くほうが伝わります。 自治体が実施する子育て支援員研修を受ける予定があるなら、それも書き添えましょう。

小規模保育園の志望動機で避けたい書き方と注意点

次は、面接官が読んで「少し気になる」と感じやすい書き方です。 悪気がなくても、受け取られ方で損をしてしまうことがあります。

「行事が少ないから」「楽そうだから」と読める書き方

「大きな行事に追われず、ゆったり保育がしたい」。 これは本音としては自然ですが、書き方によっては「負担を減らしたい人」に見えてしまいます。 先ほどお話ししたとおり、小規模保育園は行事が少ない分、1人の職員が受け持つ仕事の幅が広い職場です。

言い換えるなら、「日々の小さな成長を、保護者の方と一緒に丁寧に見ていく保育を大切にしたい」。 何から離れたいかではなく、何に向かいたいかで書きましょう。

「少人数で丁寧に」だけで終わる書き方

これはいちばん多いパターンです。 小規模保育園に応募する人のほとんどが、この一文を書きます。 間違いではないのですが、それだけでは応募者の中で埋もれてしまいます。

「丁寧に」の中身を、あなたの言葉で説明してください。 食事のペースを1人ずつ合わせることなのか。 言葉が出る前の0歳児の表情を読み取ることなのか。 保護者とその日のことを必ず話すことなのか。 中身を1つ書くだけで、文章は急に「あなたのもの」になります。

3歳以降の保育に触れない書き方

小規模保育園は、3歳で卒園する前提の職場です。 「子どもたちの卒園まで見届けたい」「小学校に上がるまで成長を見守りたい」と書くと、制度を理解していない印象を与えることがあります。

逆に、「次の園へ安心して送り出すこと」「連携施設と引き継ぎをすること」に触れられると、仕組みを分かって応募していることが伝わります。

ほかの園にも出せる文章になっていないか

書き終わったら、園の名前を別の園に変えても通じるかどうか、読み返してみてください。 通じてしまうなら、2段目の材料がまだ足りていません。 見学のメモを見返して、その園でしか書けない一文を足しましょう。

履歴書の欄の大きさに合わせて、長さを調整するコツ

3段で組んだ志望動機は、そのままだと400字から500字くらいになります。 でも、履歴書の志望動機欄は、市販の用紙だと200字から300字ほどしか入らないことが多いんです。 Web応募のフォームでは、100字や200字の文字数制限がついている場合もあります。

ここで「全部入らないから」と1段目や2段目を丸ごと削ると、また一般論に戻ってしまいます。 削るときにも、順番があります。

削る順番は「3段目の飾り、1段目の説明、2段目は最後まで残す」

まず削るのは、3段目の「精一杯」「一日でも早く」といった気持ちを表す言葉です。 気持ちは面接で伝えられます。

次に、1段目の経緯の説明を短くします。 「7年間、定員120人の保育園で1歳児と2歳児の担任をしてきました」まで縮めて、途中のエピソードは面接用に取っておきます。

最後まで残すのが、2段目の「その園だけの材料」です。 ここを削ってしまうと、どの園にも出せる文章になってしまいます。

200字に収めた例(大きな園から転職) 7年間、大規模園で1・2歳児の担任をしてきました。 貴園がお迎え時の会話を大切にし、連絡帳に毎日その日のエピソードを1つ書く方針をとっていると伺い、保護者と歩調を合わせて子どもの自立を支えてきた私の保育と重なると感じました。 2歳児の卒園を見送ってきた経験を活かし、次の園へ安心して進めるよう力を尽くしたいと考え、志望いたしました。

こうして見ると、200字でも「経験・この園・入ってからの動き」の3段は、ちゃんと残せることが分かります。

職務経歴書と面接で、役割を分ける

職務経歴書を出す場合は、志望動機欄と同じことを繰り返さないようにしましょう。 職務経歴書には、担任したクラスの年齢と人数、担当した行事、リーダーや主任の経験、保護者対応で工夫したことなど、「何をしてきたか」を具体的に並べます。

小規模保育園では、次のような経験が評価されやすいです。

・0〜2歳児の担任経験と、そのときの子どもの人数 ・異年齢で過ごす時間の保育(延長保育や土曜保育での合同保育も含みます) ・アレルギー対応や離乳食の個別対応 ・保護者面談や、転園・進級に関する相談を受けた経験 ・新人職員や資格のない職員への声かけ、指導の経験

志望動機は「なぜこの園か」、職務経歴書は「何ができるか」、面接は「その場面を言葉で話す場」。 こう役割を分けておくと、書類の中で同じ話が何度も出てくることがなくなり、読み手にも伝わりやすくなります。

面接では、書類に書ききれなかった見学のメモや、1段目で削ったエピソードを話せば大丈夫です。 書類で全部を伝えようとしなくていいんですよ。

見学と求人票で、書く材料と職場の実態を同時に確かめる

志望動機の材料を集める作業は、実は「自分に合う職場かどうか」を確かめる作業と同じです。 ここでは、見学と求人票で見ておきたい点をまとめます。

求人票で確かめること

・A型かB型か(B型なら、資格のない職員と組む場面が増える) ・定員と職員数(定員19人に対して何人で回しているか) ・開所時間とシフト(7時から20時までなど長時間開所の園では、早番・遅番の回り方を確認) ・給食の形(自園調理か、外部搬入か、弁当持参か) ・連携施設の有無と名前 ・運営主体(株式会社、社会福祉法人、NPOなど)と、同じ法人が運営する園の数

同じ法人が複数の小規模保育園を運営している場合、人手が足りない園へ応援に入る「ヘルプ」があるかどうかも聞いておくと安心です。

保育士の給与は、自治体の処遇改善の加算や家賃補助の有無で、同じ地域でも差が出ます。 保育士の年収の分布や、地域・経験年数による違いは、年収データベースで全体像をつかんでおくと、求人票の金額が相場と比べてどの位置にあるか判断しやすくなります。 保育士の年収・単価相場

見学で確かめること

見学は、子どもがいる時間に行くのがいちばんです。

・0歳児と2歳児の過ごし方が分かれているか、一緒か ・先生同士が声をかけ合っているか(「今○○ちゃん見てるね」など) ・食事のときに何人の先生がついているか ・園長が保育に入っているか ・保護者のお迎えのときの様子(時間があれば)

私が以前、転職を考えている保育士さんの相談を受けたときのことです。 その方は見学を「職場の雰囲気を見るため」とだけ考えていて、メモを取っていませんでした。 面接で「見学でどんなことが印象に残りましたか」と聞かれ、言葉に詰まってしまったそうです。 それ以来、私は必ず「見学の帰り道で、見たことを3つメモしてください」とお伝えしています。 その3つが、そのまま志望動機の2段目になります。

面接で聞かれやすいこと

小規模保育園の面接では、次のような質問がよく出ます。

・なぜ大きな園ではなく、小規模保育園なのか ・0〜2歳の保育で大切にしていることは何か ・職員が少ない中で、急な欠勤が出たらどう動くか ・保護者から転園先について相談されたらどう答えるか ・B型の場合、資格のない職員とどう協力するか

どれも、ここまでお話しした「小規模保育園の中で起きていること」を知っていれば答えられます。 志望動機を書くために集めた材料が、そのまま面接の準備になっているんです。

転職の迷いが消えないときに、確かめておきたいこと

ここまで読んで、「そもそも自分は小規模保育園に向いているのだろうか」と迷いが出てきた人もいるかもしれません。 その迷いは、とても大切なサインです。 無理に打ち消さなくて大丈夫ですよ。

小規模保育園が合いやすい人

・乳児の小さな変化に気づくことに喜びを感じる ・保護者と毎日話すことが苦にならない ・自分の担当以外の仕事にも、自然に手が出る ・行事の華やかさより、日常の積み重ねに価値を感じる

大きな園のほうが合いやすい人

・幼児クラスの活動や、行事の企画に力を発揮したい ・3歳から5歳までの成長を長く見届けたい ・役割が分かれていて、専門の仕事に集中したい ・同期や同年代の職員が多い環境で相談しながら働きたい

どちらが良い、悪いではありません。 自分が何に心を動かされて保育の仕事を続けてきたのか。 それを思い出すことが、職場選びにも志望動機にも、いちばん効きます。

転職で迷ったとき、1人で考え続けると同じところをぐるぐる回ってしまいがちです。 自分の経験や価値観を言葉にする手伝いをする専門家として、キャリアコンサルタントという国家資格があります。 資格ガイドでは、どんな相談ができるのか、どう学ぶのかをまとめています。 キャリアコンサルタント

また、職場の人間関係や転職のタイミングについて、話を聞いてもらえる相談の仕事も広がっています。 どんな相談ができて、どんな人が担い手になっているのかは、お仕事ガイドで紹介されています。 職場・転職・キャリア相談のお仕事

運営者の視点から見た、小規模の職場で長く続く人

最後に、長くこの市場を見てきた運営者としての観察をお伝えします。

小規模保育園に限らず、少人数の職場で長く続く人には共通点があります。 それは、「自分の仕事」の境界線を、少しだけ広めに引いていることです。 シフトに穴が空いたときに、黙って引き受けるのではなく「私、この日なら入れます。代わりにこの日は早く上がってもいいですか」と、条件を言葉にして相談できる。 こうした人は、無理を溜め込まずに、職場からも信頼されていきます。

反対に、入る前に「少人数だから楽そう」「行事がないから余裕がありそう」と期待しすぎた人ほど、早い時期に疲れてしまう傾向があります。 職場の広さと仕事の軽さは、比例しません。 小さな職場ほど、1人の働き方がチーム全体に響きます。

志望動機を書く時間は、面接官に向けた文章を作る時間であると同時に、「この職場で、この働き方を自分は続けられるか」を確かめる時間でもあります。 見学で見た光景と、自分が保育の中で大切にしてきた場面が、1本の線でつながったとき。 その文章は、例文をなぞったものではなく、あなたの言葉になっています。

あなたは一人じゃありません。 迷いながら書いた志望動機ほど、読む人の心に届きます。

よくある質問

Q. 小規模保育園の志望動機に「少人数で丁寧に関わりたい」と書くのはだめですか?

だめではありませんが、多くの応募者が同じ一文を書くため、それだけでは埋もれてしまいます。「丁寧に」の中身を、食事のペースを1人ずつ合わせる、0歳児の表情を読み取るなど具体的な場面で書き、見学やホームページで見つけたその園だけの方針とつなげると、あなたの志望動機として伝わります。

Q. A型とB型の小規模保育園で、志望動機の書き方は変わりますか?

基本の組み立ては同じですが、B型は職員の半数以上が保育士で、残りは研修を受けた保育従事者です。保育士として応募するなら、資格のない職員と協力しながら保育の考え方を共有してきた経験を書くと評価されやすくなります。応募前に求人票や見学で、どちらの型かを必ず確かめておきましょう。

Q. 幼児クラスの経験しかなくても、小規模保育園に応募できますか?

応募できます。0〜2歳の経験がないことを気にするより、保護者対応や行事の企画、後輩への声かけなど、年齢を問わず持ち込める経験を具体的に書きましょう。そのうえで、乳児保育を学びたい理由と、見学で心に残った場面を書くと、前向きな転職理由として伝わります。

Q. 小規模保育園の見学では、何を見ておけば志望動機に使えますか?

0歳児と2歳児が一緒に過ごしているか、先生同士の声のかけ合い、食事につく先生の人数、園長が保育に入っているかを見ておくと材料になります。帰り道に印象に残ったことを3つメモしておくと、そのまま志望動機の「この園を選んだ理由」になり、面接で見学の感想を聞かれたときにも答えやすくなります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月8日最終更新:2026年9月18日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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