産婦人科の面接で聞かれること|現場が見ている点と、聞き返すこと


この記事のポイント
- ✓産婦人科の面接で聞かれることは
- ✓婦人科や不妊治療のクリニックで変わります
- ✓よく聞かれる質問の意図と答え方
産婦人科の面接が近づいてきて、何を聞かれるのか、どう答えればよいのか、落ち着かない気持ちでいる方も多いと思います。 大丈夫ですよ。 面接は、あなたが試される場であると同時に、あなたが職場を確かめる場でもあります。
産婦人科の面接には、ほかの診療科とは少し違う特徴があります。 面接をする人が見ているのは、看護の技術だけではありません。 お母さんと赤ちゃんという2つの命がいる現場で、急な変化に落ち着いて動けるか。 悲しい出来事にも向き合える人か。 少人数の職場で、助産師や医師、受付のスタッフと一緒にやっていけるか。 そうした点を、質問の端々から確かめようとしています。
そしてもう1つ大切なのは、産婦人科の面接で聞かれることは、職場の型によって変わるということです。 この記事では、職場ごとの面接の違い、よく聞かれる質問とその意図、現場が本当に見ている点、そして面接の最後にあなたから聞き返しておきたいことを、順番にお伝えします。
産婦人科の面接は、職場の型で聞かれることが変わる
産婦人科の職場は、大きく分けると、大学病院や周産期母子医療センター、地域の総合病院、分娩を扱うクリニック、分娩のない婦人科クリニック、不妊治療クリニックといった型に分かれます。 面接の進め方も、聞かれることも、この型によって違ってきます。
大学病院や周産期センターでは、看護部の面接として行われることが多く、看護部長や副部長、人事の担当者が面接官になります。 病院全体の採用なので、「産婦人科を希望しているけれど、ほかの病棟への配属もありうる」という前提で話が進むことがあります。 聞かれるのは、看護観、これまでの経験、夜勤を含む勤務への対応、教育の仕組みの中でどう成長したいか、といった内容です。 母性看護の知識や、ハイリスクの妊婦さんを見た経験について、少し踏み込んだ質問をされることもあります。
地域の総合病院では、看護部の面接に加えて、配属予定の病棟の師長が同席することがよくあります。 産科病棟が他科の患者さんも受け入れる混合病棟になっている場合は、「内科や外科の患者さんのケアにも抵抗はありませんか」と確認されることがあります。 これは、あなたを試しているというより、入職後のずれを防ぎたいという気持ちから来る質問です。
分娩を扱うクリニックでは、院長が自ら面接をすることが多くなります。 看護部長にあたる立場の方や事務長が同席することもあります。 院長面接で見られやすいのは、院の方針に共感できるか、少人数のチームになじめるか、夜勤やオンコールに対応できるか、そして長く続けてもらえるか、という点です。 食事や入院環境、接遇に力を入れているクリニックでは、言葉遣いや身だしなみ、表情が、病院の面接以上に見られます。
分娩のない婦人科クリニックでは、外来をテンポよく回せるか、デリケートな相談に落ち着いて対応できるかが確かめられます。 不妊治療クリニックでは、治療の流れへの理解、治療を続ける方の気持ちへの配慮、それに日曜や祝日の当番に対応できるかがよく聞かれます。
面接の準備は、まず「自分が受ける職場はどの型か」を確かめるところから始めてください。 型が分かれば、聞かれそうなことの半分は予想できます。
どの職場でもほぼ聞かれる質問と、その裏にある意図
ここからは、産婦人科の面接でよく聞かれる質問を、その質問の裏にある意図と一緒に見ていきます。 意図が分かると、模範解答を覚えなくても、自分の言葉で答えられるようになります。
1つめは、「なぜ産婦人科を希望されたのですか」です。 面接官が知りたいのは、産婦人科という診療科の中身を分かったうえで選んでいるかどうかです。 「赤ちゃんが好きだから」「命の誕生に立ち会いたいから」という気持ちは素直で大切ですが、それだけだと、流産や死産、婦人科のがんの患者さんのケアといった側面を知らないのではないか、と受け止められることがあります。 喜びの場面と、つらい場面の両方を知ったうえで選んだことが伝わると、答えに厚みが出ます。
2つめは、「なぜ当院を選ばれたのですか」です。 これは、ほかの産婦人科ではなく、この職場を選んだ理由を聞いています。 分娩件数、周産期センターとの連携、母乳育児の方針、無痛分娩の実施、地域での役割など、その職場ならではの特徴に触れて答えられるように、ホームページや見学で情報を集めておきましょう。
3つめは、「前の職場を辞めた理由を教えてください」です。 面接官は、同じ理由でまた辞めてしまわないかを確かめたいのです。 人間関係や忙しさが理由だった場合も、それをそのまま伝える必要はありません。 「分娩に関わる看護を深めたいと考えた」「夜勤の回数を調整しながら長く働ける環境を探している」というように、次の職場で実現したいことの形で話すと、前向きに受け止められます。 ただし、嘘をつくことはおすすめしません。 理由をどう表現するかと、事実を曲げることは別のことです。
4つめは、「夜勤やオンコールには対応できますか」です。 分娩を扱う職場では、ここがとても大切な質問になります。 対応できる回数に上限があるなら、面接の段階で正直に伝えてください。 入職後に「思っていたより多くて続けられない」となるほうが、あなたにとっても職場にとってもつらい結果になります。
5つめは、「どのくらいの期間、働きたいとお考えですか」です。 少人数の職場ほど、1人が辞めたときの影響が大きいので、この質問の重みが増します。 具体的な年数を約束する必要はありませんが、「まずは産科の流れを身につけて、将来は」と、続けていく見通しを話せると安心してもらえます。
産婦人科ならではの質問と、答えるときの考え方
ほかの診療科の面接ではあまり聞かれず、産婦人科でよく聞かれる質問もあります。 ここは準備の差が出やすいところです。
まず、「流産や死産など、つらい場面に立ち会うこともありますが、大丈夫ですか」という質問です。 これは、あなたが悲しい場面で動揺しないかを試しているのではありません。 つらい場面があることを分かったうえで来てくれているか、そしてそのあとに自分の心をどう保つかを考えているかを知りたいのです。 「平気です」と答えるより、「つらいと感じると思います。そのときは1人で抱えず、振り返りの場や先輩に話すようにしたいと考えています」と答えるほうが、現場の人には信頼されます。
次に、「助産師との役割の違いについて、どう理解していますか」という質問です。 看護師として応募する場合によく聞かれます。 正常な分娩の介助は助産師が担い、看護師は分娩の準備や産後の観察、病棟全体のケアで支える、という役割の違いを理解していることを伝えましょう。 そのうえで、「分娩の場面でも、自分にできる役割を確実に果たしたい」と話せると、チームで働く姿勢が伝わります。
3つめは、「急変に対応した経験はありますか」です。 産科の急変は、数分単位で状況が変わります。 産婦人科の経験がなくても、急性期の病棟で急変に対応した経験があれば、それは大きな強みです。 そのときに何を観察し、誰にどう報告し、何を準備したかを、1つの場面として具体的に話せるようにしておきましょう。
このあたりの採用側の視点は、看護師向けの転職情報でも次のように整理されています。
産婦人科には、診察に不安や羞恥心を感じたり、自分の体の変化に恐怖を感じたりする患者さんもいます。そのため、患者さんの心情を察しながら柔軟な対応ができる看護師は、採用担当者に高く評価されやすいでしょう。 患者さんの精神面を支えるために、周囲の看護師や助産師、医師、受付スタッフと円滑に連携できることも重視されます。 出典: kango-oshigoto.jp
つまり、産婦人科の面接で見られているのは、技術と同じくらい「気持ちを察する力」と「チームでつなぐ力」だということです。 患者さんの不安に気づいて声をかけた場面、他職種に情報を伝えてうまくいった場面を、1つずつ思い出しておいてください。
私がキャリアの相談を受けていたとき、産婦人科への転職を考えている看護師の方が、「技術の話ばかり準備していたら、面接では患者さんとの関わりのことばかり聞かれた」と話してくれたことがあります。 次の面接では、外来で泣いていた患者さんに付き添った場面を話したところ、院長が大きくうなずいてくれたそうです。 準備の方向を少し変えるだけで、伝わり方はずいぶん変わります。
経験によって、準備しておきたい答えは違う
同じ質問でも、あなたがどんな経験を持っているかによって、準備しておきたい答えの中身は変わります。 よくある5つの立場ごとに見ていきましょう。
新卒や第二新卒の方は、実習での経験が一番の材料になります。 母性看護学の実習で、印象に残った場面、そこで学んだこと、どんな看護師になりたいと思ったかを、順番に話せるようにしておきましょう。 経験の少なさは面接官も分かっているので、分からないことを素直に聞ける姿勢、学ぶ意欲が伝わることのほうが大切です。
産婦人科以外の病棟から移る方は、「なぜ今、産婦人科なのか」をはっきりさせておくことが大切です。 そのうえで、前の職場で身につけた力が産婦人科でどう活きるかを、具体的に話します。 急性期での急変対応、周術期の管理、患者さんへの説明の経験は、帝王切開や婦人科の手術、産後の出血への対応に直結します。 「経験があるのでできます」ではなく、「この経験を土台に、産科のことは一から学ばせていただきたい」という言い方をすると、謙虚さと即戦力の両方が伝わります。
産婦人科のクリニックから病院に移る方は、クリニックで身につけた、お母さんと長く関わる力や、少人数で判断する力が強みになります。 一方で、病院ではハイリスクの症例や分業の仕組みに慣れる必要があるので、「重い症例の管理を学びたい」という意欲を伝えるとよいでしょう。
反対に、病院からクリニックに移る方は、院長の方針への共感と、接遇への意識を伝えることが大切です。 病院では分業されていた外来、病棟、分娩、事務との連携を、少人数で柔軟にこなす姿勢を見せられると安心されます。
ブランクがある方は、ブランクの間に何をしていたかを、短く前向きに説明できるようにしておきましょう。 子育てや介護、体調の回復など、理由は何でも構いません。 そのうえで、復職に向けて学び直していることや、最初は研修や指導を受けながら慣れていきたいという気持ちを伝えると、面接官も受け入れの準備をイメージしやすくなります。
現場が面接で本当に見ていること
面接官の質問に答える内容と同じくらい、実は見られていることがあります。 それは、あなたの話し方そのものです。
産婦人科の看護師は、毎日のように、不安を抱えた妊婦さんやご家族に説明をしています。 授乳の方法、産後の体の変化、退院後の生活、検査の結果の意味。 専門用語を日常の言葉に置き換えて、相手の表情を見ながら伝える力は、産婦人科の看護に欠かせません。 面接での受け答えは、その力をそのまま映します。 結論から話す、1つの答えを長くしすぎない、相手の質問の意図を確かめる。 この3つを意識するだけで、「この人なら患者さんに分かりやすく伝えられそうだ」と感じてもらえます。
報告の仕方も見られています。 面接官が「急変のときの経験を教えてください」と聞いたとき、場面、自分がしたこと、結果、そこから学んだことの順で整理して話せる人は、実際の現場でも医師への報告が分かりやすい人だと受け止められます。
身だしなみや態度は、どの面接でも大切ですが、産婦人科、特にクリニックでは接遇が重視されるため、よりていねいに見られます。 清潔感のある服装、控えめな髪型やメイク、ていねいな言葉遣い。 受付での挨拶や、待合室での過ごし方まで、見られていると思っておいたほうが安心です。 待合室には妊婦さんや小さな子どもを連れた方もいます。 スマートフォンを長く触り続けたり、大きな声で話したりしないよう気をつけましょう。
見学を面接と同じ日に行う職場も多くあります。 見学中に、スタッフに挨拶をする、説明にお礼を言う、分からないことを質問する。 こうした振る舞いは、現場のスタッフから面接官に伝わっていることが少なくありません。 面接の本番は、面接室に入る前から始まっているのです。
面接の最後に、あなたから聞き返しておきたいこと
面接の終わりに「何か質問はありますか」と聞かれることがほとんどです。 ここは、あなたが職場を確かめる大切な時間です。 「特にありません」で終わらせてしまうのは、とてももったいないことです。
産婦人科の面接で、聞き返しておきたい質問を挙げます。 全部を聞く必要はありません。 あなたにとって大切なものを、2つか3つ選んでください。
1つめは、「年間の分娩件数と、そのうち帝王切開はどのくらいありますか」。 忙しさと、経験できる量の目安になります。
2つめは、「分娩のとき、看護師はどのような役割を担っていますか」。 その職場で助産師と看護師の線がどう引かれているかが分かります。
3つめは、「夜勤は月に何回くらいで、オンコールはどのくらいの頻度ですか」。 呼び出しが実際にどのくらいあるかも、あわせて聞けると安心です。
4つめは、「病棟には、産科以外の患者さんも入院していますか」。 混合病棟かどうかは、求人票ではほとんど分かりません。
5つめは、「入職後、独り立ちするまでにどのくらいの期間を想定していますか」。 教育の仕組みの中身が見えてきます。
6つめは、「流産や死産などのあと、スタッフで振り返る時間はありますか」。 これは聞きにくいと感じるかもしれませんが、真剣に働きたい人の質問として受け止められます。 答え方から、その職場がスタッフの心をどう扱っているかが伝わってきます。
質問をするときは、「教えていただけますか」とていねいに聞けば、失礼にはなりません。 むしろ、職場のことを具体的に知ろうとしている姿勢は、前向きに評価されることが多いものです。
条件面では、給与や手当も確認しておきたいところです。 提示された条件が相場と比べてどうかを知っておくには、看護師の年収の目安や働き方ごとの違いを整理した看護師の年収・単価相場が、比較の基準として役に立ちます。 給与や手当の細かい計算方法は、面接の場で聞きにくければ、内定のあとに書面で受け取る労働条件の中で確かめれば大丈夫です。
聞かれて戸惑う質問に、どう向き合うか
産婦人科の面接では、ときに答えに戸惑う質問をされることがあります。 その代表が、結婚や妊娠、出産の予定、家族に関する質問です。
厚生労働省は、公正な採用選考のために、本人に責任のない事項や、本来自由であるべき事項を面接で尋ねないよう、事業主に呼びかけています。 家族の職業や収入、住まいの状況などは、その例として挙げられています。 また、男女雇用機会均等法の考え方では、男女のどちらか一方にだけ、結婚の予定や子どもの有無を尋ねることは問題があるとされています。
とはいえ、実際の面接で、こうした質問をされることがまったくないとは言えません。 特に少人数のクリニックでは、「急に休まれると困る」という事情から、つい聞いてしまう院長もいます。
聞かれたときに、正直に答えるかどうかは、あなたが決めてよいことです。 答えたくないときは、「今のところ、仕事を続けることを前提に考えています」と、働く意思を伝える形で返すことができます。 子育て中の方で、急な休みの心配をされているなら、「家族のサポートや病児保育を利用する準備をしています」と、対策を具体的に伝えると、面接官の不安に答えることができます。
もし、面接の中でこうした質問が繰り返されたり、答えないことで不利に扱われていると感じたりしたなら、その職場があなたを大切にしてくれる場所かどうかを、立ち止まって考えてみてください。 面接での扱われ方は、入職後の扱われ方をよく映しています。 戸惑いを1人で抱えるのがつらいときは、都道府県の労働局の相談窓口に話を聞いてもらうこともできます。
面接でよくあるつまずきと、その場での立て直し方
どれだけ準備をしても、面接では思いどおりにいかない場面があります。 産婦人科の面接で、相談の中でもよく聞かれたつまずきと、その場での立て直し方をまとめておきます。
1つめのつまずきは、前の職場の不満を話しすぎてしまうことです。 退職理由を聞かれて、つい人間関係や忙しさのつらさを細かく話してしまう。 話しているうちに感情がこみ上げてくることもあります。 気づいたときは、「少し前の職場の話が長くなってしまいました。そうした経験から、次の職場では」と、自分で話を未来に向け直せば大丈夫です。 面接官は、完璧に話せる人より、自分の状態に気づいて立て直せる人を信頼します。
2つめは、「赤ちゃんが好き」という話だけで終わってしまうことです。 気持ちとしては自然なのですが、面接官が次に「では、つらい場面ではどうしますか」と聞いてきたら、それは話の厚みを求められているサインです。 慌てずに、先ほどお伝えしたように、つらい場面があることを分かっていること、1人で抱えない工夫を考えていることを話してください。
3つめは、知らないことを知っているように答えてしまうことです。 産科の専門的な内容を聞かれて、分からないのに曖昧に答えると、かえって印象を下げてしまいます。 「その点は経験がなく、入職後に学ばせていただきたいと考えています」と正直に答えるほうが、現場の人には安心されます。 医療の現場では、分からないことを分からないと言える人のほうが、事故を起こしにくいと知っているからです。
4つめは、条件の話を切り出すタイミングに迷うことです。 夜勤の回数や休みの取り方は、あなたの生活にとって大切な情報です。 面接の前半で条件の話ばかりをすると、仕事への関心より条件への関心が強いと受け取られることがありますが、最後の質問の時間や、条件の説明の時間に聞くのであれば、失礼にはなりません。 「長く続けるために、あらかじめ確認させてください」と一言添えると、聞く理由も伝わります。
5つめは、緊張で頭が真っ白になってしまうことです。 これは誰にでも起こります。 そんなときは、「少し考える時間をいただいてもよろしいですか」と伝えて、深呼吸をしてください。 沈黙を怖がる必要はありません。 質問をもう一度言い直してもらうのも、まったく問題のない対応です。
面接が終わったあとは、うまくいかなかった点を責めるより、「次に同じ質問をされたら、こう答えよう」とメモに残しておきましょう。 その積み重ねが、次の面接での落ち着きにつながります。
内定が出たら、入職を決める前に確かめること
面接を終えて内定の連絡が来ると、ほっとして、そのまま入職を決めてしまいたくなるものです。 けれど、ここで一度立ち止まって確かめておきたいことがあります。
まず、労働条件を書面で受け取ることです。 労働基準法では、雇う側は、賃金や労働時間、休日、就業の場所や業務の内容などを、書面などで働く人に示すことが義務づけられています。 面接で口頭で聞いた夜勤の回数や手当の額が、書面ではどう書かれているかを、落ち着いて読み比べてください。 特に、オンコールの手当、夜勤手当、分娩に関わる手当が、どういう条件で支払われるのかは、産婦人科で働くうえで大切な情報です。
次に、配属先を確認することです。 病院の場合、「産婦人科を希望」として採用されても、配属は入職後に決まるということがあります。 産科病棟への配属を強く望んでいるなら、内定の段階で「配属先は産科病棟で確定していますか」と確かめておきましょう。
3つめは、試用期間の有無と、その間の条件です。 試用期間中は給与や手当が異なる職場もあります。 期間の長さと、その間の扱いを確認しておくと、入職後に戸惑わずに済みます。
4つめは、入職日と、今の職場を辞める段取りとの兼ね合いです。 今の職場の就業規則で、退職の申し出が何日前までと決まっているかを確認し、無理のない入職日を相談してください。 産婦人科は勤務表を早めに組むことが多いので、入職日を早めに伝えると、受け入れる側も準備がしやすくなります。
もし、書面の内容が面接で聞いた話と大きく違っていたら、遠慮せずに確認してください。 「面接では月4回程度と伺っていた夜勤の回数が、書面では記載がないのですが」と、事実を示して聞けば、角は立ちません。 その問いにていねいに答えてくれる職場なら、入職後も話し合える職場だと考えてよいでしょう。
面接の前日までにしておくことと、当日の流れ
最後に、面接の準備を具体的な行動に落とし込んでおきましょう。
前日までにしておきたいことは、4つあります。
1つめは、職場のホームページを読み、分娩件数、診療方針、力を入れていることをメモしておくことです。 「なぜ当院なのか」に答える材料になります。
2つめは、これまでの経験から、話したい場面を3つ選んでおくことです。 患者さんの不安に寄り添った場面、急変や忙しい場面で動けた場面、チームで協力した場面。 この3つがあれば、多くの質問に具体的に答えられます。
3つめは、聞き返したい質問を2つか3つ、紙に書いておくことです。 緊張すると忘れてしまうので、メモを見ながら聞いても失礼にはなりません。
4つめは、履歴書と職務経歴書を読み返し、書いた内容と話す内容がずれないようにしておくことです。
当日の流れは、職場によって違いますが、受付での挨拶、見学、面接、条件の説明という順で進むことが多くあります。 病院では、面接の前後に簡単な作文や適性検査がある場合もあります。 所要時間の目安を事前に聞いておくと、慌てずに済みます。
面接でうまく話せなかったと感じても、落ち込みすぎないでくださいね。 現場の人が見ているのは、流暢さではなく、誠実さと、患者さんに向き合う姿勢です。 助産師の転職で求人の見方や面接で確かめることを整理した助産師が転職を決める前に|求人の見方と面接で確かめること【2026年版】も、同じ産婦人科の現場で働く立場から、面接で聞き返す視点を補ってくれます。
面接の準備を1人で進めるのが不安なときは、誰かに話を聞いてもらうのも1つの方法です。 キャリアの悩みを聞いて整理を手伝う専門職がどのような相談に応じているかは職場・転職・キャリア相談のお仕事にまとめられているので、相談先を探すときの手がかりにしてください。
働く場所を長く見てきた立場から
フリーランスや在宅ワークの市場を20年ほど運営してきた立場から見ると、面接や仕事の打ち合わせで信頼される人には、共通点があります。 それは、自分を売り込むことより、相手の困りごとを先に聞こうとしていることです。
「この職場では、どんな人に来てほしいと考えていますか」と聞ける人は、面接官の不安を先に受け止めることができます。 病院の面接でも、個人として仕事を受ける打ち合わせでも、この姿勢は変わりません。 長く続いている人ほど、「この人に任せると楽だ」と思ってもらえる関係を、最初の会話から作ろうとしています。
医療職の知識を、病院の外で生かす働き方も広がっています。 妊娠や出産に関する記事の監修、オンラインでの相談対応など、看護師の経験が求められる仕事は、臨床の外にもあります。 そうした仕事では、仲介の手数料がかからない直接のやり取りのほうが、依頼する側は同じ予算でより多くを頼めて、受ける側の手取りも厚くなります。 手数料0%の良さは、金額より、依頼する側と受ける側のどちらも損をしないという関係のあり方にあると、私は感じています。
臨床経験を生かせる在宅の仕事にどんな種類があるかは、看護師におすすめの在宅ワーク5選|臨床経験を活かす副業【2026年版】で紹介されています。 今すぐでなくても、働き方の選択肢を知っておくと、面接でも気持ちに余裕を持って職場を見極められるようになります。
面接は、選ばれる場であると同時に、あなたが選ぶ場です。 聞かれることに誠実に答え、聞きたいことをきちんと聞き返す。 その2つができれば、あなたにとって納得のいく職場に、きっと近づけます。 あなたは一人じゃありません。
よくある質問
Q. 産婦人科の面接で「なぜ産婦人科なのか」はどう答えればいいですか?
「赤ちゃんが好き」という気持ちに加えて、流産や死産、婦人科の疾患のケアといったつらい側面も知ったうえで選んだことを伝えると、答えに厚みが出ます。実習や前の職場で印象に残った場面を1つ挙げ、そこから産婦人科の看護に関心を持った流れを話すと、自分の言葉で伝わりやすくなります。
Q. 産婦人科の経験がなくても、面接で不利になりませんか?
経験がないことだけで不利になるとは限りません。急性期の病棟での急変対応や周術期の管理、患者さんへの説明の経験は、帝王切開や産後の出血への対応に直結します。前の職場で身につけた力が産婦人科でどう活きるかを具体的に話し、産科のことは一から学ぶ姿勢を示すと、前向きに受け止められます。
Q. 面接で結婚や妊娠の予定を聞かれたら、答えなければいけませんか?
答えるかどうかは、あなたが決めてよいことです。厚生労働省は公正な採用選考を呼びかけており、男女の一方にだけ結婚や出産の予定を尋ねることは問題があるとされています。答えたくないときは、仕事を続ける前提で考えていると働く意思を伝える形で返すことができます。
Q. 面接の最後の「質問はありますか」では、何を聞けばいいですか?
年間の分娩件数、分娩のときの看護師の役割、夜勤とオンコールの頻度、産科以外の患者さんが入院しているか、独り立ちまでの期間、つらい出来事のあとの振り返りの有無などから、あなたにとって大切なものを2つか3つ選んで聞いてください。職場の実態を知る貴重な機会です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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