プロジェクトマネージャーの副業|週数時間で受けられる案件の探し方


この記事のポイント
- ✓プロジェクトマネージャーの副業を始めたい人に向けて
- ✓週数時間で受けられる案件の種類
- ✓PMPや情報処理技術者試験の位置づけまで解説します
プロジェクトマネージャーの副業とは、本業で培ったプロジェクトの進め方の経験を生かし、ほかの会社のプロジェクトの計画、進行、調整を、業務委託などの形で受ける働き方のことです。プロジェクトマネージャーは、略してPMと呼ばれます。人手の足りない中小企業やスタートアップでは、常勤のPMを雇うほどではないが、プロジェクトを前に進める人がほしい、という需要があり、週に数時間から受けられる案件も出ています。
ただし、PMの仕事は、作業を任されるだけの仕事と違い、相手の会社の人を動かし、判断に関わる仕事です。週に数時間しか関われない中で成果を出すには、受ける案件の選び方と、関わり方の決め方が大切になります。この記事では、PMの副業を受ける側の立場から、案件の種類、求められる経験、報酬の見方、探し方、提案、契約、両立のこつを順番に説明します。
PMの副業で受ける仕事の種類
一口にPMの副業といっても、受ける仕事の中身はさまざまです。自分の経験に合った仕事を選ぶために、まず種類を整理しておきます。
主な仕事の種類は、次のとおりです。
| 仕事の種類 | 主な内容 | 関わり方の例 |
|---|---|---|
| 進行管理 | 予定の作成、進み具合の確認、遅れへの対応 | 週1回の定例会議と、日々の連絡 |
| 立ち上げの支援 | 目的と範囲の整理、計画づくり | 最初の1〜2か月に集中して関わる |
| 外注先との調整 | 開発会社や制作会社とのやり取り | 発注側の窓口として関わる |
| 業務の改善 | 社内のプロジェクトの進め方の見直し | 現状の聞き取りと改善案の提示 |
| 助言(アドバイザー) | 現場のPMへの相談役 | 月に数回の面談 |
週に数時間の副業で受けやすいのは、進行管理の一部や、助言の仕事です。立ち上げの支援は、最初の時期に多くの時間を求められることがあるので、本業の繁忙期と重ならないかを確かめてから受けます。
分野によっても、仕事の中身は変わります。システム開発やアプリ開発のPMは、エンジニアとの調整や、開発の進め方の知識が求められます。Webサイトの制作や、マーケティングの施策、社内の業務の改善のように、開発以外の分野でもPMの役割は求められています。自分がどの分野でプロジェクトを回してきたかを書き出しておくと、受ける案件を選びやすくなります。
求められる経験と力
PMの副業の案件では、多くの場合、すでにPMとしての経験があることが前提になります。発注する側は、短い時間でプロジェクトを前に進めてくれる人を探しているので、教えながら育てる余裕はありません。
求められることが多い経験と力は、次のとおりです。
- プロジェクトの計画を立て、予定と担当を決めた経験
- 遅れや問題が起きたときに、原因を見つけて対応した経験
- 関係者の間の意見の違いを調整した経験
- 予算や範囲の変更を、相手と合意しながら進めた経験
- 会議を進め、決まったことと次の行動を整理する力
- 進み具合を、相手に分かりやすく報告する力
副業の案件では、これに加えて、少ない時間で状況をつかむ力が求められます。週に数時間しか関われないと、プロジェクトの細かな経緯をすべて追うことはできません。相手の会社の人から、短い時間で必要な情報を聞き出し、優先すべきことを見極める力が大切になります。
開発のPMであれば、開発の進め方の知識も求められます。たとえば、短い期間で作って見直すことを繰り返すアジャイル開発の進め方や、最初に全体の計画を決めて順番に進めるウォーターフォール型の進め方を理解しているか、といった点です。どちらの進め方の経験があるかを、自分の紹介の中で示せるようにしておきます。
報酬の相場の見方
PMの副業の報酬は、関わる時間、プロジェクトの規模、求められる経験で大きく変わります。外部の解説では、次のような目安が紹介されています。
PMの副業案件単価は稼働日数やプロジェクト規模、内容や求められるスキルによっても異なりますが、週1〜2日の稼働でだいたい20〜40万円、週3日の稼働でだいたい40〜70万円となっています。稼働日数が少なくても比較的単価が高いため、副業からスタートしても高収入を得やすいでしょう。 出典: freelance.levtech.jp
この目安は、週1日以上の稼働を前提にした案件の数字です。本業を持ちながら週に数時間だけ関わる副業では、関わる時間が少ない分、報酬もこれより低い範囲になるのが自然です。報酬の決め方には、主に次の3つの形があります。
- 時間で決める形。1時間あたりの報酬に、働いた時間を掛ける
- 月の固定で決める形。月に決まった時間の範囲で関わり、決まった額を受け取る
- 成果で決める形。計画書の作成のような、決まった成果物に対して報酬を受け取る
週に数時間の副業では、月の固定で決める形がよく使われます。この場合は、月に何時間までの稼働を含むのか、超えた場合はどうするのかを、契約の前に必ず決めておきます。決めておかないと、相手の期待が膨らみ、決めた額で想定より多くの時間を求められることになります。
相場を調べるときは、案件の紹介のサイトに出ている似た案件の条件を見比べます。報酬の額だけでなく、求められる稼働の時間、関わる会議の数、求められる経験の年数を合わせて見ると、自分の経験でどの範囲の案件を狙えるかが見えてきます。
週数時間で受けやすい案件の条件
週に数時間しか関われない副業で、無理なく成果を出すには、案件の条件の見極めが大切です。受けやすい案件と、受けにくい案件には、次のような違いがあります。
受けやすい案件の条件は、次のとおりです。
- 関わる会議が、週に1回程度に決まっている
- 平日の夜や週末など、本業の時間外に対応できる範囲が認められている
- 連絡の手段がチャットなど、すぐに返信しなくてもよい形である
- 相手の会社に、日々の作業を進める担当者がいる
- 求められる役割が、計画、進行の確認、助言のように絞られている
受けにくい案件の条件は、次のとおりです。
- 平日の日中の会議への出席が、毎日のように求められる
- 急な問題が起きたときに、すぐに対応することが求められる
- 相手の会社に担当者がいなく、作業そのものもPMが進める必要がある
- 役割の範囲があいまいで、何でも任される可能性がある
本業を持ちながら受けるなら、平日の日中に時間を取りにくいことを、最初に相手に伝えておくことが大切です。相手の求める関わり方と、自分が出せる時間が合わない案件は、受けても互いに不満が残ります。
案件の探し方
PMの副業の案件を探す方法には、いくつかの道があります。
1つ目は、業務委託の案件を紹介するサービスや、在宅ワークの仲介のサイトを使う方法です。副業の案件や、週に数日の稼働の案件を絞り込んで探せるものもあります。サービスによっては、紹介の手数料が報酬から差し引かれる形や、担当者が条件の交渉を代わりに行う形があるので、仕組みを確かめてから登録します。
2つ目は、知り合いや前の職場からの紹介です。一緒に働いたことがある人からの紹介は、自分の仕事ぶりを知っている相手なので、信頼を得やすく、条件の相談もしやすいのが利点です。
3つ目は、SNSやブログで自分の経験を発信し、声をかけてもらう方法です。プロジェクトの進め方についての考え方や、失敗から学んだことを発信していると、同じような課題を持つ会社の人の目に留まることがあります。
4つ目は、副業の人材を求める会社に、直接問い合わせる方法です。副業の人材を受け入れることを公表している会社もあります。
案件を探すときは、応募の数を増やすより、1件ごとの提案を丁寧に作るほうが結果につながりやすくなります。PMの案件は、発注する側がプロジェクトの事情を詳しく書いていることが多いので、その事情を読み込んだうえで、自分ならどう進めるかを示すことが選ばれる決め手になります。
どの道を選ぶにしても、最初の案件は、自分の得意な分野で、関わり方が分かりやすい案件を選ぶことをおすすめします。最初の案件で成果を出し、相手から評価をもらえると、次の案件の提案で実績として示せます。
提案と自己紹介の書き方
案件に応募するときは、自分がその案件で何ができるかを、相手が短い時間で判断できるように書きます。PMの経験が長くても、それが伝わらなければ選ばれません。
提案の文章に入れたいのは、次のような項目です。
- 経験の要約。どの分野で、どのくらいの規模のプロジェクトを、何年回してきたか
- 案件に近い経験。相手の案件と似たプロジェクトで、何を担当し、どんな結果を出したか
- 進め方。この案件で、最初の1か月に何を行うか
- 関われる時間。週に何時間、どの曜日と時間帯に対応できるか
- 連絡の方法と返信の目安
3の「最初の1か月に何を行うか」を書くと、相手は自分の会社で働く姿を想像しやすくなります。たとえば「最初の2週間で関係者から現状を聞き取り、課題を一覧にします。3週目に、優先する課題と今後3か月の計画を提案します」のように、具体的に書きます。
経験を書くときは、守秘の義務に気をつけます。本業や前の職場のプロジェクトについて、会社の名前や、公表されていない情報を書くことは避け、「従業員100人規模の会社の社内システムの入れ替え」のように、相手が規模と内容をつかめる程度にぼかして書きます。
契約の形と、確かめること
PMの副業は、多くの場合、業務委託の契約で受けます。業務委託とは、会社に雇われるのではなく、決まった仕事を引き受けて、その対価として報酬を受け取る契約のことです。業務委託には、決まった成果物を完成させる約束の請負と、決まった業務を行うこと自体を約束する準委任があり、PMの進行管理や助言は、準委任の形で結ばれることが多くあります。
契約の前に確かめておきたいのは、次のような点です。
- 業務の範囲。何を行い、何を行わないか
- 稼働の時間の上限と、超えた場合の扱い
- 報酬の額、支払いの時期、支払いの方法
- 成果物がある場合は、その内容と納める時期
- 秘密の情報の扱い
- 契約の期間と、途中で終える場合の決まり
2024年11月1日には、フリーランスとして働く人を守るためのフリーランス・事業者間取引適正化等法が施行されています。厚生労働省は、この法律について次のように説明しています。
個人で働くフリーランスに業務委託を行う発注事業者に対し、業務委託をした際の取引条件の明示、給付を受領した日から原則60日以内での報酬支払、ハラスメント対策のための体制整備等が義務付けられます。 出典: 厚生労働省 フリーランス・事業者間取引適正化等法
発注する側には、取引の条件を明らかにすることが求められているので、業務の内容、報酬の額、支払いの期日などが示されているかを確かめます。示されていない場合は、契約の前に文書で示してもらうよう頼みます。どの規定が自分の契約に当てはまるかは、取引の内容によって変わるので、気になる点は厚生労働省の案内や相談の窓口で確かめてください。
本業との両立と、勤め先の決まり
PMの副業を始める前に、勤め先の就業規則で、副業についての決まりを確かめます。厚生労働省のモデル就業規則では、労働者は勤務時間外にほかの会社の業務に従事できるとしたうえで、会社が禁止や制限をできる場合として、労務の提供に支障がある場合、企業の秘密が漏れる場合、会社の名誉や信用を損なう場合、競業によって会社の利益を害する場合が挙げられています。
PMの副業でとくに気をつけたいのは、競業と秘密の情報です。本業と同じ業界の会社や、本業の取引先と競合する会社の案件を受けると、勤め先の利益とぶつかるおそれがあります。本業で知った情報や、本業の人脈を副業に持ち込むことも避けます。
厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、労働基準法の労働時間の決まりが適用されない場合の例として、フリーランス、独立、起業、共同経営、アドバイザー、コンサルタント、顧問などが挙げられています。業務委託でPMの仕事を受ける場合は、本業との労働時間の通算の対象にはならないと考えられますが、だからといって長時間の働き方が健康に影響しないわけではありません。ガイドラインの全体は、厚生労働省の副業・兼業のページで確かめられます。
両立のために、次のような決まりを自分で作っておくと、無理が続きにくくなります。
- 副業に使う時間を、週に何時間までと決める
- 本業の勤務の時間中は、副業の連絡に返信しない
- 本業の繁忙期は、副業の稼働を減らすことを、相手と事前に合意しておく
- 睡眠と休みの日を削らない
少ない時間で成果を出す進め方
週に数時間の関わりで成果を出すには、時間の使い方に工夫が要ります。常勤のPMと同じやり方では、時間が足りません。
少ない時間で成果を出すための進め方には、次のようなものがあります。
- 最初に、プロジェクトの目的と、成功したと言える状態を相手と決める
- 進み具合を確かめる仕組みを先に作る。担当、期限、状況が一覧で見える形にする
- 定例の会議は、議題と時間を決め、決まったことと次の行動を必ず残す
- 判断が必要なことを、会議の前に整理して相手に送っておく
- 自分がいない時間でも、相手の会社の担当者が動ける状態を作る
最後の「自分がいない時間でも動ける状態を作る」ことが、副業のPMの腕の見せどころです。PMがいないと何も決まらないプロジェクトは、週に数時間の関わりではすぐに止まります。担当者が自分で判断できる範囲を決め、判断に迷ったときの連絡の方法を決めておくと、PMの稼働が少なくてもプロジェクトは前に進みます。
進み具合を一覧で見える形にするには、表計算のシートでも、タスク管理の道具でもかまいません。相手の会社がすでに使っている道具があれば、それに合わせるのが、相手の負担を増やさない進め方です。
資格の位置づけ。PMPと情報処理技術者試験
PMの副業を受けるのに、資格が必須というわけではありません。ただ、経験を客観的に示す材料として、資格が役に立つ場面はあります。
PMの分野でよく知られている資格には、次のようなものがあります。
- PMP。米国のプロジェクトマネジメントの団体であるPMIが認定する国際的な資格
- プロジェクトマネージャ試験。IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験の情報処理技術者試験の1つ
IPAのプロジェクトマネージャ試験のページでは、2026年度の試験はCBT方式により後期に実施されると案内されています。CBT方式とは、試験の会場のパソコンで解答する方式のことです。また、現行の試験の制度は2026年度の試験の実施をもって終了し、2027年度から新しい試験の制度に移る予定とされています。受験を考えている人は、IPAのプロジェクトマネージャ試験のページで、最新の日程と制度の見直しの情報を確かめてください。
資格は、経験の代わりにはなりません。発注する側が最も知りたいのは、「この人に任せたら、うちのプロジェクトが前に進むか」です。資格は、経験を補足する材料として、提案の文章の最後に添える程度に考えておくとよいでしょう。
最初の打ち合わせで聞いておくこと
案件を受けることが決まったら、最初の打ち合わせで、プロジェクトの全体像をつかむための質問をします。週に数時間しか関われない副業では、最初に聞き漏らしたことを後から取り戻すのに時間がかかります。
最初の打ち合わせで聞いておきたいことは、次のとおりです。
- プロジェクトの目的。何のために行い、終わったときに何が変わっていればよいか
- 期限。いつまでに何を終えたいか、その期限が動かせるかどうか
- 関係者。誰が決める人で、誰が作業を進める人か、社外の関係者はいるか
- 予算と範囲。使える予算と、作るものや行うことの範囲
- 今の状況。どこまで進んでいて、どこで止まっているか
- 過去の経緯。以前に同じような取り組みがあったか、なぜうまくいかなかったか
- PMに期待すること。何を任せたいのか、何は自分たちで進めたいのか
7の「PMに期待すること」は、とくに丁寧に聞いておきます。発注する側が期待していることと、自分が考えている役割がずれていると、後から「思っていたのと違う」という不満になります。聞いた内容は、打ち合わせのあとに文章で整理して相手に送り、認識をそろえておきます。
1週間の動き方の例
週に数時間でPMの副業を受ける場合の、1週間の動き方の例を示します。本業が平日の日中にある人を想定しています。
- 月曜日の夜(30分)。チャットを確かめ、先週から持ち越した課題と、今週の予定を整理する
- 水曜日の夜(1時間)。定例会議の議題を整理し、判断が必要なことを相手に送っておく
- 木曜日の夜(1時間)。オンラインの定例会議に出席し、決まったことと次の行動を確かめる
- 金曜日の夜(30分)。会議の議事録を整え、進み具合の一覧を更新する
- 土曜日(1時間)。翌週の計画を見直し、遅れの出そうな作業への手を考える
このように、関わる時間を曜日ごとに決めておくと、相手も「いつ返信が来るか」を予想でき、連絡の行き違いが減ります。合計の時間は週に4時間ほどです。急な対応が必要になったときのために、どの程度までなら対応できるか、どの連絡手段なら気づけるかを、相手と最初に決めておきます。
定例会議を平日の夜に開けるかどうかは、相手の会社の働き方によります。相手の会社の担当者に夜の会議の負担をかけられない場合は、会議を減らし、文章での報告と相談を中心にする進め方を提案します。
トラブルの例と、その対応
PMの副業で起きやすいトラブルには、いくつかの型があります。事前に知っておくと、早めに手を打てます。
1つ目は、範囲がふくらむことです。最初は進行管理だけの約束だったのに、資料の作成や、外注先との交渉、社内の別の案件の相談まで頼まれるようになることがあります。対応としては、頼まれたことが契約の範囲に入るかを確かめ、範囲の外であれば、追加の報酬や稼働の時間の見直しを相手と相談します。断るのではなく、「範囲を広げるなら、こういう条件で」と示すのがこつです。
2つ目は、決める人が決めてくれないことです。判断が必要なことを示しても、相手の会社の中で決まらず、プロジェクトが止まることがあります。対応としては、判断が必要なことと、決まらないときの影響、決める期限を、文章で整理して決める人に直接示します。
3つ目は、本業が忙しくなり、約束した時間が取れなくなることです。対応としては、気づいた時点ですぐに相手に伝え、その期間の関わり方を相談します。黙って対応が遅れることが、いちばん信頼を損ないます。
4つ目は、相手の会社の担当者が替わることです。対応としては、それまでの経緯と決まったこと、進み具合の一覧を整理して、新しい担当者に引き継ぎます。PMが経緯を整理しておけば、担当者が替わってもプロジェクトは止まりません。
税金と確定申告
PMの副業を業務委託で受けた報酬は、所得税の上では、続け方や規模によって雑所得か事業所得として扱われます。会社員の場合、給与以外の所得の合計が年間で20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。ここで言う所得は、報酬から経費を引いた額です。20万円以下でも住民税の申告が必要になることがあるので、住んでいる市区町村で確かめてください。
経費として考えられるものには、仕事に使う道具の利用料、通信の費用、仕事のための書籍や講座の費用、打ち合わせのための交通費などがあります。自宅のパソコンや通信の費用のように、日々の生活と混ざっている費用は、仕事に使った割合などの合理的な基準で分けて考えるのが一般的です。どこまでを経費にできるかは事情によって変わるので、迷ったら税務署の窓口で確かめてください。
報酬から源泉徴収として所得税が差し引かれて支払われる場合もあります。どの報酬が源泉徴収の対象になるかは、報酬の種類によって決まっています。差し引かれた額は、支払った会社から受け取る支払調書や、自分の記録で確かめ、確定申告のときに精算します。
副業から独立を考えるとき
PMの副業で案件を重ねると、将来は独立して、PMの仕事を本業にすることを考える人もいます。副業の期間は、独立に向けた準備の期間としても使えます。
独立を考えるときに、副業の期間に確かめておきたいのは、次のような点です。
- 継続して案件を受けられる見込みがあるか。紹介やリピートで案件が来ているか
- 独立したあとに必要な収入の額と、それを得るための稼働の時間
- 会社員でなくなったあとの社会保険と年金の手続き
- 案件が途切れた期間に備える蓄え
副業の期間に複数の会社と取引し、それぞれから評価を得ておくと、独立したあとも案件が1社に偏らずに済みます。1社だけに頼っていると、その会社との契約が終わったときに、収入が一度に途絶えてしまいます。
独立の時期は、勢いで決めず、副業での実績と収入の見込みを数字で確かめてから決めることをおすすめします。副業として続けながら、少しずつ稼働を増やしていく道もあります。
週1回の報告の書き方の例
副業のPMにとって、週1回の報告は、相手との信頼をつなぐ大切な道具です。報告を読むだけで、相手がプロジェクトの状況をつかめるようにすることを目指します。
報告は、次の順番で書くと読みやすくなります。
- 全体の状況。予定どおりか、遅れがあるかを一言で
- 今週進んだこと
- 遅れていることと、その理由と対策
- 判断してほしいこと。何を、いつまでに決めてほしいか
- 来週の予定
報告の例です。
全体の状況。予定より3日遅れていますが、月末の公開の日には間に合う見込みです。 今週進んだこと。画面の設計が完了し、開発会社に引き渡しました。 遅れていること。商品の写真の準備が遅れています。撮影の日程が決まらないことが理由です。来週の月曜日までに撮影の日を決めるよう、担当の〇〇さんと相談しています。 判断してほしいこと。公開の日に合わせて告知のメールを送るかどうかを、10月30日までに決めていただけますでしょうか。 来週の予定。開発会社との確認の会議を水曜日に行います。
このように、判断してほしいことを分けて書くと、決める人が見落とさずに済みます。遅れを書くときは、理由と対策を必ず添え、遅れを隠さずに早めに伝えることが、副業のPMが信頼を得るいちばんの近道です。
受けたあとに評価される人の共通点
PMの副業で、続けて依頼を受ける人や、紹介で案件が広がる人には、いくつかの共通点があります。
1つ目は、報告が分かりやすいことです。週に1回の報告で、何が進み、何が遅れていて、何を決める必要があるかが、短くまとまっています。相手は報告を読むだけで、プロジェクトの状況をつかめます。
2つ目は、約束した時間と範囲を守ることです。決めた稼働の時間を守り、範囲の外の依頼が来たときは、引き受けるかどうかを相手と相談して決めます。何でも引き受けて、結果として本業や期限に影響が出るより、範囲を守るほうが信頼されます。
3つ目は、相手の会社の人を立てることです。副業のPMは、相手の会社の外の人です。自分が前に出て決めるより、相手の会社の担当者が決められるように支え、成果を相手の会社の人の手柄にする姿勢が、長い関係につながります。
4つ目は、終わり方が丁寧なことです。契約の終わりに、プロジェクトの状況、残っている課題、引き継ぎの資料を整えて渡すと、相手は安心して次に進めます。丁寧な終わり方は、次の依頼や紹介の理由になります。
経験の浅い人が実績を作る方法
PMとしての経験がまだ少ない人が、いきなり副業のPMの案件を受けるのは難しいものです。経験を積みながら、副業につながる実績を作る方法があります。
1つ目は、本業の中で、小さなプロジェクトの進行役を引き受けることです。社内の行事、業務の改善、新しい道具の導入のように、規模が小さくても、計画を立て、関係者を調整し、最後までやり遂げた経験は、PMの実績になります。
2つ目は、PMの補佐の仕事から始めることです。議事録の作成、進み具合の確認、資料の作成のように、PMを支える仕事は、副業の案件としても出ています。補佐の仕事を通じて、PMの進め方を間近で学べます。
3つ目は、地域の活動やボランティアの運営です。イベントの運営や団体の活動の取り仕切りも、関係者を動かし、予定どおりに進める経験になります。
どの方法でも、行ったことを記録しておくことが大切です。何の目的で、何人が関わり、どんな計画を立て、どんな問題をどう解決し、どんな結果になったのかを書き残しておくと、提案の文章でそのまま使える実績になります。
PMの経験が生きる、ほかの在宅の仕事
フリーランスと在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者の立場から見ると、PMの経験は、PMの案件そのもの以外にも、幅広い在宅の仕事に生かせます。プロジェクトを計画し、人を調整し、進み具合を報告する力は、業務の改善の支援や、道具の導入の相談、開発の発注の支援のような仕事の中心にある力だからです。
たとえば、業務に新しい仕組みを入れたい会社を支える仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しているように、導入の計画と社内の調整が成果を左右します。開発のプロジェクトに関わってきた人なら、アプリケーション開発のお仕事で紹介している開発の案件で、発注側の窓口や進行管理の役割を担う道もあります。
運営者として見てきたもう1つのことは、直接のやり取りの良さです。仲介の手数料が乗らない直接の取引では、頼む側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。PMの副業は、相手の会社の人との信頼関係がすべての仕事です。手数料0%で直接つながった相手と、範囲と時間を守りながら丁寧に関係を育てた人ほど、次の案件や紹介が自然に広がっています。
よくある質問
Q. プロジェクトマネージャーの副業は週何時間くらいから受けられますか?
案件によりますが、週に1回の定例会議と日々のチャットでの連絡のように、週に数時間から関われる進行管理や助言の案件もあります。週に数時間の副業では、月の固定の報酬で、月に何時間までの稼働を含むかを決める形がよく使われます。超えた場合の扱いは契約の前に必ず決めておきます。
Q. PMの副業にはどんな経験が求められますか?
多くの案件では、計画を立てて予定と担当を決めた経験、遅れや問題に対応した経験、関係者の調整の経験など、PMとしての実務の経験が前提になります。副業では少ない時間で状況をつかむ力も求められます。経験が少ない人は、本業の小さなプロジェクトや、PMの補佐の仕事から実績を作る方法があります。
Q. PMの副業を受けるときの契約で注意することは何ですか?
業務の範囲、稼働の時間の上限、報酬と支払いの時期、秘密の情報の扱い、契約の期間と途中で終える場合の決まりを確かめます。フリーランス・事業者間取引適正化等法により、発注する側には取引の条件を明らかにすることなどが求められているので、条件が文書で示されているかも確かめます。
Q. PMの副業にPMPなどの資格は必要ですか?
必須ではありません。PMPやIPAのプロジェクトマネージャ試験は、経験を客観的に示す材料になりますが、発注する側が最も重視するのは、プロジェクトを前に進めてくれる実務の経験です。IPAの試験は2026年度で現行の制度が終わり、2027年度から新しい制度に移る予定なので、受験を考える人は最新の案内を確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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