エクセルで進捗管理をするときの表の作り方と、共有で困りやすい場面


この記事のポイント
- ✓エクセルで進捗管理をするときの表の作り方を
- ✓簡易ガントチャートまで手順で解説します
- ✓メール添付や同時編集など共有で困りやすい場面と
エクセルで進捗管理の表を作ってみたものの、項目が増えて見にくくなった、共有したら誰かが古いファイルを更新していた、という経験はないでしょうか。エクセルは多くの職場で使われていて、追加の費用もかからないため、進捗管理の最初の道具として選ばれやすい存在です。結論から言うと、エクセルの進捗管理は「列を7つ前後に絞る」「入力をプルダウンでそろえる」「ファイルを1つに限定して共同編集する」の3点を守れば、少人数のチームで十分に機能します。この記事では、表の作り方を手順で紹介したうえで、共有で困りやすい場面と、その対処法、専用ツールに移る目安まで解説します。
結論:エクセルの進捗管理は「作り方」より「共有の仕方」でつまずく
エクセルで進捗管理表を作ること自体は、それほど難しくありません。列を決めて、プルダウンと色分けを設定すれば、見やすい表は1時間ほどで作れます。
つまずきやすいのは、その表を複数の人で使い始めてからです。メールに添付して回すうちにファイルが何種類もできる、誰かが行を削除して数式が壊れる、更新したことに誰も気づかない、といった問題は、表の作り方ではなく共有の仕方から生まれます。
| つまずく場面 | 原因 | 対処の方向 |
|---|---|---|
| どれが最新のファイルか分からない | メール添付で回している | クラウドに1つだけ保存し、共同編集する |
| 誰が何を変えたか分からない | 更新の記録を残していない | 更新日と更新者の列、変更の履歴を使う |
| 担当者が更新に気づかない | エクセルに通知の仕組みが弱い | 更新の連絡ルールを決める |
| 数式や書式が壊れる | 誰でもどこでも編集できる | 入力欄以外を保護する |
| 表が重く、見にくくなる | 完了した行や列が増え続ける | 完了分を別シートに移す |
この記事の前半では表の作り方を、後半ではこの表にある共有の問題への対処を詳しく解説します。
エクセルで進捗管理をする人が多い理由
プロジェクト管理の専用ツールが数多くある中で、エクセルでの進捗管理が今も広く使われているのには、はっきりした理由があります。
1つ目は、追加の費用がかからないことです。多くの職場ではすでにエクセルが使える環境が整っており、新しいツールの契約や稟議が要りません。
2つ目は、誰でもある程度は使えることです。新しいツールの操作を覚えてもらう必要がなく、社外の取引先とも同じ形式でやり取りできます。
3つ目は、自由に作り変えられることです。業種や案件の性質に合わせて、列や計算式を自由に変えられます。見積もりの金額や工数を同じ表で管理したい、という要望にも応えやすい道具です。
一方で、エクセルはもともと表計算のための道具で、複数の人が同時にタスクを更新し、その状況を知らせ合うための仕組みは、専用ツールほど充実していません。この性質を理解したうえで使えば、エクセルは今でも十分に頼れる進捗管理の道具になります。
実際、プロジェクト管理の専用ツールを導入している職場でも、取引先との進捗の共有や、経営層への報告用の資料にはエクセルが使われ続けていることが少なくありません。専用ツールに移るかどうかにかかわらず、エクセルで見やすい進捗管理表を作り、崩れないように共有する力は、どの職場でも役に立つ実務の技術です。この記事で紹介する作り方と共有のルールは、そのまま他の表計算ソフトにも応用できます。
進捗管理表に入れる基本の列
進捗管理表で最初に決めるのは、どの列を作るかです。列が多すぎると入力が面倒になって更新されなくなり、少なすぎると必要な情報が分かりません。基本は次の8列です。
| 列 | 入れる内容 | 入力のコツ |
|---|---|---|
| No. | 通し番号 | 並べ替えても元に戻せるように振っておく |
| タスク名 | 何をするか | 「見積書を送る」のように動詞で終える |
| 担当者 | 作業をする人 | 必ず1人だけを書く |
| 開始日 | 作業を始める日 | 日付の形式で入れる |
| 期限 | 作業を終える日 | 日付の形式で入れる |
| 状態 | 進み具合 | プルダウンで選ぶ |
| 備考 | 補足、関連ファイルの場所 | 長文は書かず、リンクにとどめる |
| 更新日 | 最後に更新した日 | 更新した人が入れる |
案件が複数ある場合は、タスク名の前に「案件名」の列を加えます。工数を管理したい場合は「予定時間」と「実績時間」の列を加えますが、最初から入れると入力の負担が増えるため、必要になってから加えるのがおすすめです。
状態の選択肢は「未着手」「進行中」「確認待ち」「完了」「保留」の5つ程度に絞ります。「進行中(50%)」「進行中(80%)」のように細かく分けると、人によって判断が分かれ、かえって状況が分かりにくくなります。
進捗管理表の作り方:6つの手順
ここからは、実際に進捗管理表を作る手順を紹介します。
手順1:見出しの行を作り、先頭行を固定する
1行目に前の節で決めた列の見出しを入力します。「表示」タブの「ウィンドウ枠の固定」から先頭行を固定しておくと、下にスクロールしても見出しが常に表示されます。
手順2:テーブルに変換する
見出しを含む範囲を選び、「挿入」タブの「テーブル」でテーブルに変換します。テーブルにすると、行を加えたときに書式や数式が自動で引き継がれ、見出しのボタンから絞り込みや並べ替えがすぐにできるようになります。
手順3:状態と担当者の列にプルダウンを設定する
状態の列を選び、「データ」タブの「データの入力規則」から「リスト」を選んで、「未着手,進行中,確認待ち,完了,保留」と入力します。担当者の列も同じようにプルダウンにしておくと、「田中」「田中さん」「たなか」のような表記の揺れを防げます。表記がそろうと、担当者ごとの絞り込みや集計が正確になります。
手順4:日付の列の形式をそろえる
開始日と期限の列は、セルの書式を日付にしておきます。「10/3」「10月3日」「2026.10.3」のように人によって入力の形がばらばらだと、並べ替えや期限切れの判定がうまく動きません。
手順5:条件付き書式で色を付ける
条件付き書式とは、セルの値に応じて自動で色や書式を変える機能のことです。Microsoftの公式サポートでも、データの傾向や問題を見つけやすくする方法として紹介されています。進捗管理表では、次の3つを設定するのが基本です。
- 状態が「完了」の行を灰色にする
- 期限を過ぎていて、状態が「完了」でない行を赤くする
- 期限が3日以内に迫っている行を黄色にする
色の使い方は、Microsoftの条件付き書式の解説で詳しく確認できます。色は3色程度にとどめるのがコツです。色が多すぎると、どの色が何を意味するのか分からなくなります。
手順6:進捗率を自動で計算する
表の上部に、全体の進み具合を表示するセルを作ります。たとえば、状態の列がF列の場合、完了したタスクの数は「=COUNTIF(F:F,"完了")」で数えられます。これを全体のタスク数で割れば、完了の割合が出ます。担当者ごとの未完了の数を数えるには、COUNTIFS関数で担当者と状態の2つの条件を指定します。
数字で進み具合が見えると、会議での報告が簡単になります。ただし、タスクの規模がばらばらだと、完了の割合が実際の進み具合とずれる点には注意してください。
エクセルで簡易的なガントチャートを作る方法
ガントチャートとは、タスクの期間を横棒で表した工程表のことです。エクセルでも、条件付き書式を使えば簡易的なガントチャートを作れます。
作り方の流れ
- 進捗管理表の右側に、日付を横に並べた列を作る(1列に1日)
- 日付の列の幅を狭くし、日付は日だけを表示する形式にする
- 日付の範囲を選び、条件付き書式で「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選ぶ
- 「その日付が開始日以上、かつ期限以下」という条件の数式を入れ、塗りつぶしの色を設定する
たとえば、開始日がD列、期限がE列、日付の見出しが1行目のH列から始まる場合、H2セルを基準に「=AND(H$1>=$D2,$E2>=H$1)」という数式を設定します。行と列のどちらを固定するかを示す「$」の位置が大切で、ここを誤ると色が正しく付きません。
簡易ガントチャートを見やすくするコツ
- 土日の列は薄い灰色にして、稼働日と区別する
- 今日の日付の列だけ枠線を太くする
- 期間は最長で3か月程度にとどめる(列が増えすぎると重くなる)
エクセルの簡易ガントチャートは、全体の流れを把握するには十分ですが、タスクどうしの依存関係(あるタスクが終わらないと次が始められない関係)を表現したり、バーをドラッグして日程を変えたりすることはできません。日程の調整が頻繁にあるプロジェクトでは、ガントチャートの機能を持つ専用ツールのほうが手間は少なくなります。
案件が複数あるときのシートとファイルの分け方
担当する案件が1つだけなら、1枚のシートで十分に管理できます。案件が2つ、3つと増えてきたときに迷うのが、シートやファイルの分け方です。分け方には主に3つの方法があり、それぞれに向き不向きがあります。
| 分け方 | 方法 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 1シートにまとめる | 「案件名」の列を作り、フィルターで切り替える | 案件が3つ程度までで、メンバーが共通 | 行が増えると重くなる |
| 案件ごとにシートを分ける | 1つのファイルの中で、シートを案件ごとに作る | 案件ごとにメンバーが違う | 全体の集計に数式が必要 |
| 案件ごとにファイルを分ける | 案件ごとに別のファイルを作る | 社外の人と案件単位で共有する | 全体を見渡すのが難しい |
迷ったら、最初は「1シートにまとめる」方法から始めるのがおすすめです。案件名の列で絞り込めば、案件ごとの一覧も見られますし、担当者で絞り込めば、案件をまたいだ自分のタスクも一度に確認できます。人の負荷の偏りに気づきやすいのも、この方法の利点です。
社外の人と共有する必要がある場合は、共有する範囲を限るために、案件ごとにファイルを分けます。このとき、社内向けの全体の一覧は別に作り、各ファイルの期限と状態だけを転記する形にすると、全体の把握と情報の管理を両立できます。ただし、転記の作業が増えるため、案件が5つを超えるような規模になったら、専用ツールへの移行を考えたほうが効率的です。
週1回の進捗会議でエクセルの表を使う方法
進捗管理表は、作っただけでは役に立ちません。チームで定期的に見直す場を作ることで、表が生きた道具になります。週に1回、15分から30分程度の進捗会議でエクセルの表を使う方法を紹介します。
会議の前日まで:各自が自分の行を更新する 会議の場で一人ずつ状況を聞いて回ると、それだけで時間が過ぎてしまいます。会議の前日までに、各自が担当するタスクの状態と更新日を更新しておくルールにします。
会議の冒頭:期限切れと確認待ちを確認する 表のフィルターで、期限を過ぎていて完了していないタスクと、確認待ちのタスクだけを表示します。条件付き書式で色を付けておけば、画面を共有した時点で一目で分かります。話し合うのはこの2種類に絞り、順調に進んでいるタスクには時間を使いません。
会議の中盤:来週の予定を決める 新しく発生したタスクをその場で表に加え、担当者と期限を決めます。担当者が決まっていないタスクを残さないことがポイントです。
会議の最後:表の更新を確認する 会議で決まったことが表に反映されているかを、全員で画面を見ながら確認して終えます。議事録を別に作らなくても、表そのものが会議の記録になります。
この流れを続けると、表を更新しないと会議で困る、という状態が自然にできあがります。更新の習慣をつけるための、最も確実な方法です。
見やすい進捗管理表にするための工夫
表を作ったら、毎日見たくなる表にするための工夫を加えます。
完了した行を別のシートに移す 完了したタスクが表に残り続けると、進行中のタスクが埋もれます。週に1回、完了した行を「完了」シートに移すか、フィルターで非表示にします。記録として残しておけば、あとで実績を振り返ることもできます。
担当者ごとのビューを作る テーブルのフィルターで担当者を絞り込めば、自分のタスクだけを表示できます。人数が多い場合は、担当者ごとの未完了の件数を表の上部に表示しておくと、仕事が誰かに偏っていないかが分かります。
入力欄以外を保護する 数式や見出しの行は、シートの保護で編集できないようにしておきます。入力してもらう列だけ保護を外しておけば、誤って数式を消してしまう事故を防げます。
1つのシートに1つの目的 進捗管理、議事録、見積もりを同じシートに詰め込むと、どこに何があるのか分からなくなります。シートは目的ごとに分け、シート名も「進捗」「完了」「設定」のように短く付けます。
よくある失敗例と、立て直し方
エクセルでの進捗管理がうまくいかなくなるパターンには、共通点があります。代表的な失敗例と立て直し方を紹介します。
失敗例1:最初から多機能な表を作った 見積もり、工数、請求、進捗をすべて1つの表で管理しようとすると、列が20を超え、入力の手間で誰も更新しなくなります。立て直すときは、進捗管理に必要な8列だけを残し、ほかの情報は別のシートや別のファイルに分けます。
失敗例2:作った人しか直せない表になった 複雑な数式やマクロを組み込むと、作った人が異動したときに誰も直せなくなります。数式は表の上部の集計など最小限にとどめ、どのセルに何の数式が入っているかを「設定」シートに書いておきましょう。
失敗例3:担当者の欄に複数の名前が入っている 「田中、鈴木」のように担当者を2人にすると、お互いに相手がやると思って手が止まります。担当者は必ず1人にし、協力する人は備考の欄に書くルールにします。
失敗例4:タスクが大きすぎて、ずっと進行中のまま 「Webサイトのリニューアル」のような大きなタスクは、何週間たっても進行中のままで、進み具合が分かりません。1日から3日で終わる単位に分けると、状態の変化が見えるようになります。
失敗例5:期限を守れなかったタスクの期限を黙って書き換える 期限が過ぎたタスクの期限を、誰にも言わずに先の日付に書き換えると、表の上では遅れがなくなり、問題が見えなくなります。期限を変えるときは、元の期限を備考の欄に残し、変更の理由を一言書くルールにしておくと、遅れの原因を振り返れるようになります。
失敗に気づいたら、表を一から作り直すより、列を減らす、ルールを加えるのではなく見直す、という小さな修正から始めるのが安全です。作り直すと過去の記録との連続性が失われ、移行の手間も大きくなります。
共有で困りやすい場面1:ファイルが何種類もできる
エクセルの進捗管理で最も多いトラブルが、ファイルの版が分かれてしまう問題です。
メールに添付して「更新したので送ります」とやり取りしていると、「進捗管理_最新.xlsx」「進捗管理_最新2.xlsx」「進捗管理_1003修正.xlsx」のように、似た名前のファイルが次々にできます。誰かが古いファイルを開いて更新すると、その更新は他の人に届かず、別の人の更新とぶつかります。
この問題の根本的な対処は、ファイルを1つだけにすることです。クラウドの保存場所にファイルを1つだけ保存し、全員がそのファイルを開いて更新する形にします。メールにはファイルを添付せず、ファイルの場所へのリンクだけを送ります。
社内の共有フォルダにファイルを保存している場合も、デスクトップにコピーしてから編集する人がいると、同じ問題が起きます。「コピーして編集しない」というルールを、全員で共有しておきましょう。
共有で困りやすい場面2:同時に編集できない、ぶつかる
複数の人が同じファイルを開くと、「ほかのユーザーが使用中のため読み取り専用で開きます」という表示が出て、編集できないことがあります。これは、ファイルの保存場所や使っているエクセルの種類によって、共同編集の機能が使えない状態です。
Microsoftの公式サポートでは、複数の人が同時に同じブックを編集する「共同編集」について、次のように説明しています。
同僚と一緒に同じ Excel ブックを開いて作業できます。 これは共同編集と呼ばれます。 共同編集を行うと、お互いの変更をわずか数秒ですばやく確認できます。 出典: support.microsoft.com
同じページでは、デスクトップ版のエクセルで共同編集を行うには、Microsoft 365のサブスクリプションと最新版のエクセルが必要で、ファイルをOneDrive、OneDrive for Business、SharePoint Onlineのいずれかに保存する必要があると説明されています。ファイルの形式も、.xlsx、.xlsm、.xlsbのいずれかである必要があります。
つまり、社内のファイルサーバーや、古い形式のファイルのままでは、共同編集の機能は使えません。エクセルで進捗管理を複数の人で続けるなら、保存場所とファイルの形式を共同編集に対応したものに変えることが、最初の一歩になります。
共有で困りやすい場面3:誰がいつ何を変えたか分からない
進捗管理表で状態が「完了」になっていても、誰がいつ完了にしたのかが分からないと、確認の連絡が必要になります。期限が知らないうちに変わっていて、あとから問題になることもあります。
対処法は2つあります。1つは、表に「更新日」と「更新者」の列を設け、更新した人が入力するルールにすることです。手間はかかりますが、表を見ただけで最後の更新が分かります。
もう1つは、クラウドに保存したファイルの「バージョン履歴」を使うことです。OneDriveやSharePointに保存したファイルは、以前の版を確認したり、必要に応じて元に戻したりできます。誤って行を削除したときにも、以前の版から復元できます。
ただし、バージョン履歴は「どのセルを誰が変えたか」を日常的に確認するための機能ではありません。日々の変更を追いたい場合は、前者の列を設ける方法と組み合わせて使うのが現実的です。
共有で困りやすい場面4:更新に誰も気づかない
エクセルの進捗管理表は、開かなければ中身が分かりません。担当者が状態を更新しても、確認する人がファイルを開かない限り、その更新は伝わりません。逆に、新しいタスクが割り当てられても、担当者がファイルを開かなければ気づきません。
この問題には、表の外で連絡のルールを決めて対処します。
- 新しいタスクを割り当てたら、チャットで担当者に一言伝える
- 「確認待ち」にしたら、確認する人にチャットで伝える
- 毎朝決まった時間に、全員が自分の担当のタスクを確認する
連絡のルールがあれば、エクセルでも十分に回ります。ただし、人数やタスクが増えると連絡の量も増え、チャットのやり取りの中で進捗管理表のことが埋もれていきます。通知の仕組みを持つ専用ツールに移るかどうかを考えるのは、この段階です。
テンプレートを使うときに確かめたいこと
一から表を作るのが大変な場合は、テンプレートを使うのも1つの方法です。エクセルの新規作成の画面からは、Microsoftが用意しているテンプレートを検索して使えます。インターネット上にも、無料で配布されている進捗管理表のテンプレートが多数あります。
ただし、テンプレートをそのまま使うと、自分たちの仕事に合わない列や機能まで抱え込むことになります。使い始める前に、次の点を確かめてください。
- 列の数が多すぎないか(使わない列は削除する)
- 状態の選択肢が自分たちの仕事の流れに合っているか
- マクロが入っていないか(マクロ入りのファイルは、職場のセキュリティの設定で開けないことがある)
- 配布元がはっきりしているか(出どころの分からないファイルは開かない)
- 共同編集に対応した形式か(.xlsxなど)
テンプレートは、完成品ではなく出発点と考えるのがよいでしょう。不要な列を削り、選択肢を自分たちの言葉に書き換えてから使い始めると、チームに定着しやすくなります。
受ける側として進捗表を更新するときの心得
在宅で働くフリーランスや業務委託の人が、クライアントのエクセルの進捗表を更新する立場になることもよくあります。表を作る側ではなく、更新する側として気をつけたい点をまとめます。
まず、表の書式や列の構成は変えないことです。自分が見やすいように列の幅を変えたり、並べ替えたまま保存したりすると、ほかの人が使いにくくなります。並べ替えや絞り込みは表示のためだけに使い、作業が終わったら元に戻しておくのがマナーです。
次に、状態の更新はこまめに行います。作業を始めたら「進行中」、終わったら「確認待ち」に変えるだけで、クライアントは状況を確かめる連絡をしなくて済みます。期限に間に合いそうにないときは、期限の前日ではなく、遅れが分かった時点で備考の欄に書き、チャットでも一言伝えます。
最後に、自分の担当以外の行には触れないことです。ほかの人のタスクの誤りに気づいた場合も、自分で直さず、担当者か管理する人に伝えます。小さなことですが、こうした配慮の積み重ねが「安心して表を任せられる人」という評価につながります。
業務委託や社外の人と共有するときの注意
フリーランスや業務委託のメンバー、取引先とエクセルの進捗管理表を共有する場合は、社内だけで使うとき以上に注意が必要です。
共有の範囲を必要最小限にする 進捗管理表には、他の案件の情報や社内の事情が書かれていることがあります。社外の人と共有するときは、その人の担当範囲だけを抜き出したファイルを作るか、シートを分けて共有します。リンクを知っていれば誰でも開ける設定は避け、招待した人だけが開ける設定にしましょう。
秘密保持の取り決めを確認する 業務委託契約や秘密保持契約では、受け取った情報の扱いが定められていることが一般的です。受ける側は、共有された進捗管理表を自分の端末にダウンロードしてよいか、ほかの人に見せてよいかを、契約の内容に沿って判断します。分からない場合は、自分で判断せずに相手に確認するのが安全です。
契約が終わったらアクセス権を外す 業務委託の契約が終わったら、共有したファイルへのアクセス権を外します。受ける側も、手元に保存したファイルを契約の定めに従って削除し、削除したことを相手に伝えると、情報の扱いに対する信頼につながります。
エクセルでの進捗管理に限界が来たときの目安
エクセルは少人数のチームでは頼れる道具ですが、規模が大きくなると、運用の工夫だけでは補えない場面が増えてきます。次のうち2つ以上に当てはまったら、専用ツールへの移行を考える目安です。
| 目安 | 理由 |
|---|---|
| 更新する人が5人を超えた | 同時編集の衝突や、更新の連絡が増える |
| タスクが200行を超えた | 表が重くなり、目的の行を探しにくくなる |
| 案件が3つ以上並行している | 案件をまたいだ人の負荷が見えにくくなる |
| 日程の変更が週に何度もある | 簡易ガントチャートの修正に時間がかかる |
| タスクについてのやり取りがチャットに散らばる | 経緯が表に残らず、あとから追えなくなる |
| 社外の人が頻繁に出入りする | ファイルの共有範囲の管理が煩雑になる |
移行を決めたら、すべての案件を一度に移すのではなく、新しく始まる案件から専用ツールで管理するのがおすすめです。既存の案件はエクセルのまま完了させ、完了したらエクセルでの管理を終えます。
エクセルからの移行先を選ぶときの候補
専用ツールを選ぶときは、エクセルで慣れたやり方をどこまで再現できるかを見ておくと、移行がスムーズです。表の形式で一覧できるか、ガントチャートがあるか、担当者ごとに絞り込めるか、の3点が確認のポイントになります。
候補の1つがPinatecaです。公式サイトによると、表で全件を並べて絞り込み、一括で直せるリストボードのほか、カンバン、ガントチャート、カレンダー、人やチームごとの負荷の偏りを見るリソースボードなど8種類のボードとチャットが最初から使えます。ガントチャートではバーをドラッグして開始日や締切を変えられ、カードへのコメントやメンションで、タスクに関するやり取りをタスクのすぐそばに残せます。フリープランは5人まで、ボード10個までで、ガントチャートを含む全8種類のボードが使えます。それを超える場合のスタンダードプランは1人あたり月額500円(税抜)です。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
どのツールを選ぶ場合でも、まずは無料の範囲で1つの案件を動かしてみて、エクセルより更新の手間が減ったか、確認の連絡が減ったかを確かめてから、本格的な移行を決めてください。
進捗管理と信頼について、運営者として見てきたこと
20年にわたってフリーランスと在宅ワークの市場を見てきた立場から言えば、進捗の共有が上手な人ほど、取引が長く続いています。どんなに腕のよい人でも、状況が見えない期間が続くと、発注する側は不安になります。逆に、エクセルの表1枚でも、毎日きちんと更新されていれば、それだけで安心して任せてもらえます。
道具の高度さより、更新が続くことのほうが大切です。仲介を通さずに直接取引する関係では、こうした積み重ねがそのまま次の依頼につながります。間に入る費用がない手数料0%の直接取引なら、同じ予算でも発注する側はより多くを頼め、受ける側の手取りも厚くなります。進捗の共有は、その関係を支える基本の作法です。
進捗管理の仕組みづくりや業務の改善を仕事にする道もあります。業務の改善を支援する仕事はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。エクセルの関数やマクロを使った業務の効率化から、システム開発の仕事に進む人もいます。その場合はアプリケーション開発のお仕事やソフトウェア作成者の年収・単価相場を参考にしてください。契約書や秘密保持の取り決めに詳しくなりたい人は、行政書士の資格の内容も確認してみてください。
よくある質問
Q. エクセルの進捗管理表には、最低限どの列があればよいですか?
タスク名、担当者、期限、状態の4列があれば、最低限の進捗管理はできます。これに開始日、備考、更新日を加えた7〜8列が基本の形です。列を増やしすぎると入力の手間が増えて更新されなくなるため、工数や金額などの列は、必要になってから加えるのがおすすめです。
Q. エクセルの進捗管理表を複数人で同時に編集するには何が必要ですか?
Microsoftの公式サポートによると、デスクトップ版で共同編集を行うには、Microsoft 365のサブスクリプションと最新版のエクセルが必要です。ファイルはOneDrive、OneDrive for Business、SharePoint Onlineのいずれかに保存し、.xlsxなど対応した形式にしておく必要があります。社内のファイルサーバーでは共同編集の機能は使えません。
Q. エクセルでガントチャートは作れますか?
条件付き書式を使えば、簡易的なガントチャートを作れます。日付を横に並べた列を作り、その日付が開始日から期限の間にある場合にセルを塗りつぶす数式を設定します。ただし、タスクどうしの依存関係の表現や、バーをドラッグしての日程変更はできないため、日程の変更が多い場合は専用ツールのほうが手間が少なくなります。
Q. エクセルの進捗管理から専用ツールに移るタイミングはいつですか?
更新する人が5人を超えた、タスクが200行を超えた、案件が3つ以上並行している、日程の変更が頻繁にある、といった状況のうち2つ以上に当てはまったら検討の目安です。移行するときは、新しく始まる案件から専用ツールを使い、既存の案件はエクセルのまま完了させると混乱を防げます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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