発注フォームの作り方|受注する側が決めておく項目と受け付けの流れ

@SOHO編集部
@SOHO編集部
発注フォームの作り方|受注する側が決めておく項目と受け付けの流れ

この記事のポイント

  • ✓発注フォームの作り方を
  • ✓注文を受ける側の目線で整理しました
  • ✓作る前に決める6つのこと

注文が電話で来たり、メールで来たり、FAXで来たりして、受ける側の手間が増えていく。小さな事業者やフリーランスにとって、注文の受け方がばらばらなのはよくある悩みです。注文の入口を発注フォームに一本化すると、聞きもれや書き写しの手間が減り、確認の連絡も少なくなります。

ただ、フォームを作っただけでは注文は集まりません。何を聞くのか、受け付けたあとに何をするのかを決めずに公開すると、結局電話で確かめ直すことになります。この記事では、注文を受ける側が発注フォームを作る前に決めておくこと、入れておく項目と並べ方、Googleフォームでの作り方、受付から受注確定・納品・請求までの流れ、注文データの保存の考え方を順に説明します。注文が増えて、担当決めや受注確認の連絡が重くなってきた場合の選択肢として、フォームと届いた注文の管理を1つにまとめたHalictにも触れます。

発注フォームとは何か、電話やメールの注文と何が違うか

発注フォームとは、取引先やお客様に、決まった項目を入力して注文を送ってもらうための受付の画面のことです。Webのページに入力欄を並べ、送信のボタンを押すと、注文の内容が受ける側にまとめて届きます。「注文フォーム」「受注フォーム」と呼ばれることもあります。

注文の入口がばらばらだと何が起きるか

電話、メール、FAX、相手が独自に作った発注書。注文の入口が複数あると、受ける側は注文のたびに形式の違う情報を読み取り、自分の管理表に書き写すことになります。ラベル印刷の会社が、注文の入口を発注フォームに一本化した経緯を書いた記事では、以前の状態を次のように振り返っています。

注文は、メールで来ることもあれば、FAXで来ることも、電話で来ることもあります。お客様が独自に作った発注書が届くこともあり、フォーマットはそろっていません。当社(開発元の株式会社小島ラベル印刷)の受注は、以前こういう状態でした。この記事では、注文の入口を発注フォームに一本化するまでに何を決め、どう変わったかを書きます。 出典: makina-flow.jp

形式がそろっていない注文は、品番や数量、届け先のどれかが抜けていることが多く、そのたびに確認の連絡が必要になります。確認の電話がつながらなければ手配が止まり、納期にも響きます。

発注フォームにすると変わること

発注フォームにすると、主に3つのことが変わります。

  • 聞くべき項目が最初からそろうため、確認の連絡が減る
  • 注文の内容がそのまま一覧になり、書き写しと写し間違いがなくなる
  • 相手は受ける側の営業時間を気にせず、思い立ったときに注文できる

一方で、フォームには弱点もあります。入力の途中で迷った相手は、問い合わせもせずに電話やメールでの注文に戻ってしまうことです。せっかく作ったフォームが使われなければ、入口が1つ増えただけになります。この記事の多くを、迷わない作り方と、受け付けたあとの流れの説明に使っているのはそのためです。

作る前に決めておく6つのこと

フォームの作成画面を開く前に、次の6つを決めておきます。ここが決まっていないと、作りながら迷い、公開してからも項目を何度も直すことになります。

1. 何を受け付けるフォームか

決まった商品を決まった単価で受けるのか、毎回内容の違う仕事を受けるのかで、フォームの形は大きく変わります。品番と数量を選べば価格が決まる注文なら、選択式の項目を中心にできます。内容が毎回違う仕事なら、見積もりの依頼と発注を分け、見積もりで合意した内容に対して発注してもらう形が向いています。

2. 誰から受け付けるか

決まった取引先だけから受けるのか、初めてのお客様からも受けるのかを決めます。取引先だけなら、会社名や担当者の情報を毎回入力してもらう手間を減らす工夫ができます。初めてのお客様からも受けるなら、支払い方法や与信の確認など、受注を確定する前に確かめることが増えます。

3. 価格をどの時点で確定させるか

フォームに価格を表示して、その価格で注文を受けるのか、注文を受けてから見積もりを出すのかを決めます。送料や特急料金、数量による割引がある場合は、どこまでをフォームに書き、どこからを受注確認の連絡で伝えるのかも決めておきます。

4. 納期の考え方

「注文から何営業日で発送」のように、標準の納期を決めます。相手に希望の納期を書いてもらう場合は、その希望に応じられないときの連絡の仕方も決めておきます。

5. 支払いの方法と時期

前払いか後払いか、銀行振込か請求書払いか、締め日と支払日はいつかを決めます。決まった取引先との取引なら、既存の取引条件に合わせます。

6. 誰が受け付けて、誰が手配するか

注文が届いたことを誰が確かめ、誰が受注確認の連絡を送り、誰が手配をするのかを決めます。1人で受けるなら迷いませんが、複数人で対応する場合は、担当の決め方と、対応の状態の記録の仕方を決めておかないと、二重に手配したり、誰も手配しなかったりします。

発注フォームに入れておく項目

6つのことが決まったら、フォームに並べる項目を決めます。受注に必要な項目を5つのまとまりに分けて整理すると、次のようになります。

まとまり 主な項目 入力の形
発注する人の情報 会社名、部署、担当者名、メールアドレス、電話番号 記述式(メールは形式の確認つき)
注文の内容 品番または商品名、数量、仕様や色、見積番号 選択式を中心に
届け先 届け先の名前、住所、電話番号、発注者と同じかどうか 「発注者と同じ」を選べる形
納期と支払い 希望の納期、支払い方法、請求書の宛名 日付と選択式
確認と同意 取引条件への同意、備考 チェックと記述式

発注する人の情報

受注確認の連絡を送るために、メールアドレスは必ず聞きます。電話番号は、急ぎの確認が必要な仕事なら必須にし、メールで足りるなら任意にします。会社名と担当者名は、請求書の宛名と違うことがあるため、請求書の宛名は別の項目で聞きます。担当者が不在のときに連絡してよい別の窓口があるかどうかも、決まった取引先なら一度聞いておくと、急ぎの確認で手配が止まる時間を短くできます。メールアドレスの欄には、形式を確かめる設定を必ず入れておきます。1文字の誤りで控えのメールも受注確認の連絡も届かなくなり、相手からは「注文したのに返事がない」と受け取られてしまうからです。

注文の内容

品番や商品名は、自由に書いてもらうより、選択式にしたほうが書き間違いが起きません。商品が多い場合は、カテゴリを選んでから品番を選ぶように分けます。見積もりを出してから発注を受ける仕事なら、見積番号を入力してもらう項目を入れておくと、どの見積もりに対する発注かが一目で分かります。

届け先

届け先が発注する人と同じことが多いなら、「発注者と同じ」を選べるようにして、違う場合だけ入力してもらいます。毎回同じ住所を入力させると、それだけで相手は面倒に感じます。

納期と支払い

希望の納期は日付の項目で聞きます。標準の納期より短い日付が入力された場合に、特急料金がかかるのか、受けられないのかを、項目の説明文に書いておきます。支払い方法は選択式にし、請求書の宛名が会社名と違う場合に入力できる欄を設けます。

確認と同意

取引条件(納期、返品、キャンセルの扱いなど)を書いたページへの案内と、同意のチェックを最後に置きます。備考の欄は、選択式では伝えきれない要望を書いてもらうために設けますが、ここに重要な情報が埋もれないよう、よくある要望は選択肢に入れておきます。

入力しやすい並べ方と、確認の連絡を減らす工夫

項目がそろっても、並べ方が悪いと入力の途中で相手が迷います。次の工夫で、入力のしやすさと受注の正確さを両立させます。

選択式を中心にし、自由記述は最後に

数量、仕様、色、届け先、支払い方法など、選択肢で答えられる項目はすべて選択式にします。選択式なら入力の手間が減り、書き方の違いによる読み違いも起きません。自由記述は、最後の備考の欄にまとめます。

見積もりからフォームへの道をつなぐ

見積もりを出してから発注を受ける仕事では、見積書の中に発注フォームへのリンクを入れておくと、相手は見積もりを見たその場で発注に進めます。前に紹介したラベル印刷の会社も、見積書と発注フォームをつないだことで、フォーム経由の注文が増えたと書いています。

そこで注文フォームを設け、見積書に発注フォームのリンクを付けると決めました。フォームを作っただけでなく、見積書から注文に進めるようにしたのは、フォーム経由の注文率を上げるためです。実際に、フォーム経由の注文率は上がりました。 出典: makina-flow.jp

見積番号をフォームに入力してもらえば、受ける側はどの見積もりに対する発注なのかをすぐに照合できます。

入力の形式を確かめる設定を使う

メールアドレスや電話番号、数量の欄には、入力の形式を確かめる設定を入れます。Googleフォームでは「回答の検証」という機能で、数値の範囲や、メールアドレスの形式、文字数などのルールを設定でき、ルールに合わない入力のときに表示する文言も決められます(手順はGoogleの公式ヘルプに書かれています)。たとえば数量の欄に「1以上の数値」のルールを付けておけば、0や文字が入った注文が届くことを防げます。

項目の数を必要なものに絞る

項目が多いほど、相手は入力の途中でやめやすくなります。受注を確定するために必ず要る項目だけを必須にし、あとで確かめれば足りる項目は、受注確認の連絡で聞くようにします。「この情報がないと手配できないか」を1項目ずつ確かめると、外せる項目が見えてきます。

送信の前に内容を見直せるようにする

送信のボタンの手前に「内容をご確認のうえ送信してください」と書き、数量や納期の誤りに相手が気づけるようにします。送信後に届く自動返信のメールに注文内容の控えを載せておけば、送ったあとでも誤りに気づけます。

Googleフォームで発注フォームを作る手順

発注フォームは、無料のGoogleフォームでも作れます。Googleの公式ヘルプに書かれている機能をもとに、発注フォームで使う設定を順に説明します。

1. 項目を作る

Googleフォームで新しいフォームを作り、前の節で決めた項目を並べます。品番や支払い方法は「プルダウン」や「ラジオボタン」、仕様の組み合わせは「チェックボックス」、希望の納期は「日付」の形式を選びます。項目が多い場合は、発注者の情報、注文の内容、届け先のようにセクションを分けると、相手は今どこを入力しているのかが分かります。

2. 回答の検証を設定する

数量やメールアドレスの欄に、回答の検証を設定します。数量なら[数値]のルールで1以上の数だけを受け付けるように、メールアドレスなら[テキスト]のルールでメールの形式かどうかを確かめるように設定します。ルールに合わない入力のときに表示する文言は、「数量は1以上の数字で入力してください」のように、どう直せばよいかが分かる書き方にします。

3. 回答の保存先をスプレッドシートにする

公式ヘルプによると、[回答]の[概要]から、その他のアイコンの[回答の送信先を選択]をクリックし、新しいスプレッドシートを作るか既存のスプレッドシートを選ぶと、届いた注文がスプレッドシートに1行ずつたまっていきます。スプレッドシートに「状態」「担当」「発送日」などの列を加えれば、簡単な受注の管理表になります。

4. 通知と控えのメールを設定する

[回答]のその他のアイコンから[新しい回答についてのメール通知を受け取る]をクリックすると、注文が届くたびにフォームの持ち主にメールが届きます。発注した人に控えを送るには、[設定]でメールアドレスを集める設定にし、[回答のコピーを回答者に送信]で[常に表示]を選びます。

5. 受付の期間を設定する

季節商品のように受付の期間が決まっている場合は、公式ヘルプにある[終了日または回答数の上限を設定]で、受付の終了日や回答の数の上限を設定できます。受付を終えたあとにフォームを開いた人には、受け付けを終えたことを伝える文言を表示できます。

Googleフォームで足りる場面と足りない場面

注文が月に数件から数十件で、受ける人が1人か2人なら、Googleフォームとスプレッドシートの組み合わせで十分回ります。一方で、標準の控えのメールは文面を変えられず、受注確認の連絡は別にメールソフトで送ることになります。注文が増えてきたら、次の節の流れと照らして、どこで手間がかかっているかを見直します。

注文を受けてから請求までの流れ

発注フォームの仕事は、注文を受け付けるところまでではありません。受け付けたあとの流れを決めておかないと、注文は届いているのに手配が漏れる、ということが起きます。

受付と受注確定を分けて考える

フォームから注文が届いた時点は「受付」で、まだ「受注確定」ではありません。在庫や納期、取引条件を確かめ、受けられることが分かってから、受注を確定して相手に連絡します。この2つを分けておかないと、在庫がないのに「ご注文ありがとうございます。発送します」と返してしまうことがあります。フォームの送信直後に届く控えのメールには、「このメールは受付の控えです。受注の確定は、内容を確認のうえ改めてご連絡します」と書いておきます。

注文ごとに状態を付ける

届いた注文には、「受付」「受注確定」「手配中」「発送済み」「請求済み」のような状態を付けます。スプレッドシートで管理するなら、状態の列を設けて、作業のたびに書き換えます。状態が一覧で見えていれば、どの注文が止まっているかがすぐに分かります。

受注確認の連絡に書くこと

受注を確定したら、相手に連絡します。連絡には、注文の内容、金額(送料や特急料金を含む)、発送の予定日、支払いの方法と期限を書きます。フォームの控えと違う点(在庫の都合で発送日が変わる、仕様の確認が必要など)があれば、それもはっきり書きます。

注文の変更とキャンセルの受け付け方

注文を受けたあとに、数量の変更やキャンセルの連絡が来ることがあります。変更やキャンセルを電話やメールでばらばらに受けると、元の注文の記録と食い違い、手配の取り消しが漏れます。変更とキャンセルの受け付け方も、最初に決めておきます。

  • 変更やキャンセルを受け付ける期限(たとえば「手配を始める前まで」)を取引条件に書いておく
  • 変更やキャンセルは、受注確認の連絡への返信など、元の注文と結び付く形で受ける
  • 受けた変更は、管理表の元の注文の行に書き込み、状態を「変更あり」などにして目立たせる
  • 手配を始めたあとのキャンセルで費用がかかる場合は、その扱いを取引条件に書いておく

変更の多い取引では、変更の受け付け用に小さなフォームを別に用意し、注文番号や見積番号を入力してもらう方法もあります。どの注文に対する変更なのかが一目で分かり、記録も残ります。

発送と請求

発送したら、発送の連絡と、必要に応じて追跡番号を送ります。請求書は、取引条件に沿って発行します。月末締めの取引先なら、その月に発送した注文をまとめて請求します。状態の列で「発送済み」になっている注文を拾えば、請求の漏れを防げます。

控えのメールと受注確認の連絡の文例

発注フォームでは、送信の直後に届く控えのメールと、内容を確かめたあとに送る受注確認の連絡の2通を用意しておくと、相手との行き違いが起きにくくなります。どちらも、自分の受注の流れに合わせて〇〇の部分を書き換えて使います。

送信の直後に届く控えのメール

件名:【受付の控え】ご注文を受け付けました(〇〇工房)

〇〇様

このたびはご注文いただき、ありがとうございます。 下記の内容で受け付けました。

(注文内容の控え)

このメールは受付の控えです。在庫と納期を確認のうえ、2営業日以内に受注確定のご連絡をお送りします。 ご注文内容に誤りがある場合は、このメールにご返信ください。

〇〇工房 メール:〇〇 受付時間:平日10時から17時

控えのメールで大切なのは、「受付の控え」であることと、「受注確定の連絡をいつまでに送るか」の2点です。この2点が書かれていれば、相手は次に何を待てばよいかが分かります。

内容を確かめたあとに送る受注確認の連絡

件名:【受注確定】ご注文の内容と発送予定日のご案内(〇〇工房)

〇〇様

ご注文の内容を確認し、下記のとおり承りました。

ご注文内容:〇〇 数量〇点 金額:〇〇円(送料〇〇円を含む) 発送予定日:〇月〇日 お支払い:〇月末締めで請求書をお送りします

発送後に、追跡番号をあわせてご連絡します。

受注確認の連絡には、金額と発送予定日、支払いの方法を必ず書きます。フォームの控えと違う点があるときは、どこが違うのかを冒頭に書き、相手が見落とさないようにします。仕様の確認が必要で受注を確定できないときは、確定できない理由と、相手に答えてほしいことを箇条書きにして送ると、返事をもらいやすくなります。

決まった取引先と初めてのお客様で変えるところ

発注フォームは、同じ形のまま誰にでも使ってもらうこともできますが、決まった取引先と初めてのお客様では、確かめたいことが違います。受け付ける相手が混ざる場合は、フォームを分けるか、最初の質問で分岐させます。

決まった取引先から受けるとき

取引条件がすでに決まっている相手なら、支払いの方法や締め日をフォームで毎回聞く必要はありません。会社名や担当者を選択式にしておけば、入力の手間が減り、表記の揺れもなくなります。取引先ごとに単価が違う場合は、フォームに価格を表示せず、受注確認の連絡で金額を伝える形にすると、別の取引先の単価が見えてしまうことを防げます。

初めてのお客様から受けるとき

初めてのお客様からの注文では、支払いを前払いにするか、受注を確定する前に連絡先を確かめるかを決めておきます。取引条件(キャンセルの扱い、返品の条件、納期の目安)を書いたページへのリンクと、同意のチェックを必ず置きます。初めての相手は、受注確定までの流れを知らないため、控えのメールで次に何が起きるのかを丁寧に伝えます。

定期的な注文を受けるとき

毎月同じ商品を同じ数量で注文してもらう取引では、毎回フォームに入力してもらうより、「前回と同じ内容で注文する」を選べる項目を設けると、相手の手間が大きく減ります。受ける側は、前回の注文の内容をスプレッドシートから探して照合します。数量だけを変えたい相手のために、数量の欄だけは毎回入力してもらう形にしておくと、照合の手間も抑えられます。

フォームを公開したあとに相手へ案内すること

発注フォームを作ったら、取引先やお客様に使ってもらえるように案内します。案内の仕方で、フォームへの移り方が大きく変わります。

  • 見積書、請求書、納品書の中に、発注フォームへのリンクを入れる
  • メールの署名やWebサイトの問い合わせの案内に、発注フォームへのリンクを入れる
  • 電話やメールで注文を受けたときに、次回からはフォームで受け付けていることを伝える
  • フォームで注文すると、控えのメールが届き、受注確定までの流れが分かることを伝える

相手にとってフォームを使う利点は、「電話がつながるのを待たなくてよい」「送った内容が控えとして残る」の2つです。この利点を伝えると、フォームへの切り替えに協力してもらいやすくなります。切り替えの期間は、電話やメールの注文も受け付けたまま、受けた注文を受ける側がフォームに入力して管理表にそろえておくと、注文の記録が1か所にまとまります。

注文のデータの保存について知っておくこと

発注フォームで受け付けた注文は、紙の注文書ではなく、データとして届きます。税金の決まりの上では、注文書などの取引の情報をデータでやりとりする取引は「電子取引」と呼ばれ、そのデータを保存する決まりがあります。国税庁の電子帳簿保存法の一問一答では、電子取引を次のように説明しています。

「電子取引」とは、取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいいます(法2五)。 出典: nta.go.jp

同じ一問一答では、取引情報として注文書、契約書、領収書、見積書などが挙げられ、具体的な例として、インターネット上にサイトを設けて、そのサイトを通じて取引情報をやりとりする取引も含まれると説明されています。つまり、発注フォームで受けた注文のデータも、保存の対象になり得ます。

どのように保存すれば決まりを満たすのかは、事業の形や使っている道具によって変わります。届いた注文のスプレッドシートや控えのメールを消さずに残しておくこと、日付や取引先、金額で探せる状態にしておくことが基本になりますが、具体的な保存の方法は、国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトで確かめるか、税務署や税理士に相談してください。

受付後の管理が重くなったときの選択肢

注文が少ないうちは、Googleフォーム、スプレッドシート、メールソフトの組み合わせで回ります。ただ、注文が増えたり、複数人で受け付けたりするようになると、次のような行き来が負担になります。

  • 注文が届いたらスプレッドシートを開き、担当と状態を手で書き込む
  • 受注確認の連絡はメールソフトで書いて送り、送ったら表に戻って状態を書き換える
  • 誰がどの注文に連絡したのかを、送信済みのフォルダと表を見比べて確かめる

こうした場面の選択肢の1つが、Halictです。公式サイトによると、フォームを作り、届いた回答を担当・ステージ・タグつきで管理し、同じ画面から返信まで送れます。ステージは自由に増減できるため、「受付」「受注確定」「発送済み」のように、自分の受注の流れに合わせて並べられます。フォームの送信の直後に回答内容の控えを添えた自動返信を送れ、ステージの変更や担当の割り当て、メールの送信は対応の履歴として時系列で残ります。Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

項目はテキスト、選択肢、日付、メール、電話、住所、ファイル提出など12種類で、作りたいフォームを伝えるとAIが質問の下書きを組み立てる機能もあります。料金は人数で決まり、メンバー1人までのフリーは0円で、フォームの数と回答の数はどのプランでも無制限です。3人までのスターターは月額2,980円(税抜)でGoogleスプレッドシートへの追記とフォームの複製、10人までのチームは月額7,800円(税抜)でメールのひな形や、受け付けたあとに付ける情報を項目として定義できる運営情報の項目、Teams・Slack・Chatworkへの通知が使えます。

どの道具を使う場合でも、大切なのは、届いた注文の状態が、受け付ける全員に見えていることです。道具は、その状態を作る手間を減らすためのものです。

発注フォームでよくある失敗と防ぎ方

最後に、発注フォームでよく起きる失敗と、その防ぎ方を整理します。

フォームを作っても電話やメールの注文が減らない

フォームの存在が相手に知られていなかったり、フォームより電話のほうが早いと思われていたりすると、注文の入口は一本化されません。見積書や請求書、メールの署名に発注フォームへのリンクを入れ、電話で注文を受けたときにも「次回からはこちらのフォームでお願いします」と案内します。いきなり電話の注文を断るのではなく、少しずつフォームに移ってもらいます。

選択肢にない注文が備考の欄に書かれる

選択肢にない仕様や数量が、備考の欄に書かれて届くことがあります。備考の欄を毎回読まないと、注文の内容を読み違えます。備考に書かれることが多い要望は、選択肢に加えます。

受付と受注確定の区別がつかない

控えのメールに「ご注文を承りました」とだけ書くと、相手は受注が確定したと受け取ります。在庫や納期の都合で受けられなかったときに、行き違いが起きます。控えのメールには、受付の控えであることと、受注確定の連絡をいつまでに送るのかを書きます。

通知を見落として手配が遅れる

注文の通知が、ふだん見ないメールアドレスに届いていると、気づかないまま日がたちます。通知は、毎日確かめる場所に届くように設定し、受注確定の連絡を送るまでの目安を決めておきます。

フォームを直したことが管理表に反映されない

フォームの項目を変えたり並べ替えたりすると、回答がたまるスプレッドシートの列も変わります。管理表に加えた「状態」「担当」の列とずれが出ていないかを、フォームを直したあとに確かめます。

受注の事務を任される仕事と在宅の働き方

発注フォームの作成や、届いた注文の確認、受注確認の連絡、請求書の発行は、在宅で請け負われることの多い事務の仕事です。小さな事業者の中には、注文の受付の仕組みを整える余裕がなく、外部の人に任せたいと考えるところもあります。

2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、受注の事務を長く任される人は、フォームを作る技術よりも、受け付けたあとの流れを依頼主と最初に決めておくことを大切にしています。どの時点で受注を確定し、誰が、いつまでに、どの文面で連絡するのか。この取り決めがある仕事は、依頼主も受け手も安心して続けられます。受注の事務のように細かな確認が多い仕事は、依頼主と直接やりとりできると、急な仕様の変更にもすぐ対応できます。手数料0%で直接取引できる形なら、受け手の手取りが厚くなり、依頼主も同じ予算でより多くの仕事を頼めます。

フォームや業務の道具を使って仕事の流れを改善する仕事については、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、業務の見直しや道具の導入を支える仕事の内容と求められる力を整理しています。発注フォームの見た目を整える仕事に関わるなら、デザイナーの年収・単価相場で単価の目安を確かめられます。中小企業の受注や業務の流れを見直す専門家を目指すなら、中小企業診断士の資格の内容も参考になります。

よくある質問

Q. 発注フォームには最低限どの項目が必要ですか?

受注確認の連絡を送るためのメールアドレスと発注する人の名前、注文の内容(品番や商品名と数量)、届け先、希望の納期があれば、最低限の受付はできます。そのうえで、支払い方法や請求書の宛名など、受注を確定するために必ず要る項目を加えます。あとで確かめれば足りる情報は、受注確認の連絡で聞くほうが、入力の途中でやめられにくくなります。

Q. Googleフォームで発注フォームを作っても問題ありませんか?

注文が月に数件から数十件で、受け付ける人が少ないうちは、Googleフォームとスプレッドシートで十分回ります。回答の検証で数量やメールアドレスの形式を確かめ、回答をスプレッドシートに集め、新しい回答の通知を受け取る設定をしておきます。標準の控えのメールは文面を変えられないため、受注確認の連絡は別に送る前提で運用します。

Q. 注文を受け付けたらすぐに受注確定としてよいですか?

フォームから注文が届いた時点は受付で、在庫や納期、取引条件を確かめてから受注を確定するのが安全です。控えのメールには受付の控えであることと、受注確定の連絡をいつまでに送るのかを書いておくと、受けられなかったときの行き違いを防げます。受注を確定したら、金額、発送の予定日、支払いの期限を連絡します。

Q. フォームで受けた注文のデータは保存しておく必要がありますか?

国税庁の説明では、注文書などの取引の情報をデータでやりとりする取引は電子取引と呼ばれ、インターネット上のサイトを通じたやりとりも含まれます。発注フォームで受けた注文も保存の対象になり得るため、スプレッドシートや控えのメールを消さずに残しておきます。具体的な保存の方法は事業の形で変わるので、国税庁の特設サイトや税務署で確かめてください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月23日最終更新:2026年10月17日
@SOHO編集部

この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却

M&A・事業売却

会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方