認可外保育園は職場によって何が違うのか|規模と運営で変わる働きやすさ


この記事のポイント
- ✓認可外保育園の選び方を
- ✓働く側の視点で整理しました
- ✓1日の動き方と任される範囲は大きく変わります
「認可外保育園って、どこも同じような感じですよね」。園選びの相談を受けていると、この言葉をよく聞きます。
大丈夫ですよ。そう感じるのは自然なことです。求人票に並ぶ文字だけを見ていると、どの園も似たような条件に見えます。定員、勤務時間、月給、休日。書いてある項目が同じだから、違いが読み取れない。
でも実際には、認可外保育園ほど職場ごとの差が大きいジャンルはありません。同じ保育士資格を持っていても、A園では乳児クラスの担任として1年間同じ子どもを見て、B園では毎日違う子どもを短時間だけ預かる。C園では英語の教材を使ったプログラムを運営する。仕事の中身がまったく違うんです。
この記事では、その違いがどこから生まれるのかを、ひとつずつ分解していきます。類型、規模、運営主体、設備、有資格者の割合。この5つを押さえると、求人票が急に読めるようになります。
「認可外」は一つの働き方ではありません
まず、言葉の整理から始めます。認可外保育施設とは、児童福祉法に基づく認可を受けていない保育施設の総称です。総称なので、中身はまったく統一されていません。
ここが混乱のもとになっています。「認可外」という言葉には、園の性格を表す情報がほとんど含まれていない。あるのは「認可を受けていない」という否定形の情報だけです。
実際には、大きく分けて次の類型があります。
ひとつめは、自治体独自の認証や助成を受けている園です。東京都の認証保育所が代表例で、国の認可基準とは別に、都が定めた基準を満たしています。
「認証保育園」とは、認可外保育園のなかでも、東京都が設けた独自の基準を満たした特別な保育園のことです。※認可保育園ではないものの、東京都ならではのニーズ応えるために作られた保育園となっています。駅前に設置されていること、13時間開所していることが大きな特徴です。 出典: fpnavi.net
働く側から見ると、この類型には分かりやすい特徴があります。補助金が入っているぶん、人員配置や有資格者の割合について、国の最低基準より厳しい条件が課されています。つまり、体制が薄くなりすぎにくい。
ただし、13時間の開所が条件に含まれているということは、早番と遅番のシフトが必ず発生するということでもあります。これは制度上決まっていることなので、園長が配慮してくれるかどうかの話ではありません。
ふたつめは、企業主導型保育事業の園です。企業が従業員のために設置し、地域枠を設けている場合もあります。この類型の特徴は、利用者の勤務形態が園の開所時間を決めることです。
病院に併設されていれば、夜勤に対応する園があります。工場の近くなら、交代勤務に合わせた時間割になります。保育の方針よりも、親の働き方が園の1日を決める。これは他の類型にはない性質です。
みっつめは、ベビーホテルと呼ばれる類型です。夜間の保育、宿泊を伴う保育、一時預かりのいずれかが中心になっている施設を指します。一時預かりが多い園では、毎日違う子どもを短時間で把握する力が求められます。
よっつめは、教育プログラムを掲げている園です。インターナショナルスクール型、モンテッソーリ型、シュタイナー型などがあります。保育に加えて教材の準備やプログラムの運営が業務に入るので、任される範囲が広がります。
いつつめは、これらのどれにも当てはまらない、小規模な事業所内保育や個人経営の園です。数としてはここが一番多く、そして中身のばらつきも一番大きい。
自分が応募しようとしている園がどれなのかを、まず確かめてください。求人票に書かれていないことも多いので、園の公式サイトか、所在地の自治体が公表している認可外保育施設の一覧で確認できます。
定員の規模で、1日の動き方がこれだけ変わる
次に見てほしいのが、定員です。定員は単なる数字ではなく、あなたの1日の動き方を決める設計図のようなものです。
定員19人以下の小規模な園では、クラス分けが緩やかになります。0歳から2歳までを同じ空間で見る、いわゆる異年齢保育の形になることが多い。
この形の良いところは、子ども一人ひとりをよく見られることです。名前と顔と家庭の事情が全部つながって頭に入ります。保護者との距離も近くなります。
一方で、負担も具体的に出てきます。まだ歩けない子とよく走る子が同じ空間にいるので、安全管理に神経を使います。午睡の時間もばらばらになりやすい。誰かが泣き出すと、全体が連鎖することもあります。
そして、職員が少ない。定員19人の園なら、常勤は4人から6人程度というのが実際によく見る規模です。ひとり休むと、その日のシフトがすぐに苦しくなります。
定員30人を超える規模になると、様子が変わります。クラスが年齢で分かれ、担任が固定されます。行事が増え、役割分担が生まれます。
役割分担があるということは、自分の担当範囲が明確になるということです。備品の発注は主任、行事の企画は特定の担当、といった形で仕事が割り振られる。全部を一人で抱えなくてよくなります。
ただし、人が増えると、人と人の調整が必要になります。クラス間の連携、行事の打ち合わせ、方針のすり合わせ。会議の時間が増えます。
どちらが良いかは、あなたの性格と、今の生活の状況によります。こういう相談がよくあります。「前の職場が大きかったので、小さい園に移りたい」。でも話を聞いていくと、大きかったことが問題ではなく、会議が勤務時間外にあったことが問題だったというケースがある。
規模そのものではなく、その規模だと何が起きるのか。そこまで分解してから選ぶと、選び直しが減ります。
定員と職員数の関係は、求人票では分かりません。見学のときか、面接のときに、はっきり聞いてください。「常勤の方が何名で、パートの方が何名いらっしゃいますか」。この聞き方なら、数字で答えが返ってきます。
運営主体で変わること|誰がその園を経営しているか
運営主体は、給与、休日、研修、そしてキャリアの見通しに直結します。ここを確かめずに入ると、あとから「そういう仕組みだったのか」と気づくことになります。
個人または小規模な法人が運営している園は、園長との距離が近いのが特徴です。決裁が早く、提案がすぐ形になることがあります。
ただし、労務管理の担当者が別にいないことがほとんどです。有給の相談も、シフトの相談も、人間関係の相談も、すべて同じ人に持っていくことになります。
この構造は、園長が公正な人であればうまく回ります。そうでない場合、逃げ場がありません。見学のときに、労務の相談は誰にするのかを確認しておくと安心です。
複数園を運営する法人の場合は、本部に人事や総務の機能があります。相談の窓口が園の外にあるというのは、働く側にとって大きな安心材料です。
また、研修の仕組みが整っていることが多い。新人研修、キャリアアップ研修、外部研修への派遣。これらは個人園ではなかなか用意できません。
一方で、法人の方針が上から降りてきます。行事の内容、保育の方針、記録の書式。現場で変えられる余地は小さくなります。転勤や異動の可能性がある法人もあります。
企業主導型の園は、運営を保育の専門会社に委託している場合と、企業が直接運営している場合があります。直接運営の場合、保育以外の部署の人事制度が適用されることがあり、休日や福利厚生が一般企業の形になります。
教育プログラムを掲げる園では、プログラムの運営会社がフランチャイズの形で関わっていることがあります。この場合、教材や指導方法が本部から指定されるので、自分の判断で変える範囲は限られます。
給与水準は、運営主体によって差が出ます。ただ、金額だけを比べると判断を誤りやすい。高めに設定されている場合、その差額が追加業務の対価であることが多いからです。
地域や雇用形態でどれくらいの幅があるのかを先に把握しておくと、提示された金額を落ち着いて評価できます。保育士の年収・単価相場には職種ごとの分布がまとまっているので、応募前に一度見ておくことをおすすめします。
園庭と調理室の有無が、1日をどう変えるか
設備の話は、地味に見えて、実は毎日の体力に一番効いてきます。
認可外保育施設には、認可園のような面積の基準が適用されません。この違いについて、次のような指摘があります。
認可保育園には施設や園庭の広さの基準がありますが、認可外保育園にはそれがありません。そのため敷地や園庭が狭い場合があります。施設がこじんまりとしていることによって保育者の目が届きやすい点もありますが、一方で子どもたちが閉塞感を感じたり、運動不足になる恐れも。 出典: co-medical.com
園庭がない園では、外遊びのたびに公園まで歩きます。この往復が、想像以上に人手と時間を使います。
上着を着せる、帽子をかぶせる、トイレに行かせる、二列に並べる、横断歩道を渡る、公園で見守る、また並べる、歩いて帰る、手を洗わせる。園庭がある園なら扉を開けるだけで済む行程が、これだけの手順になります。
結果として、園庭のない園では、同じ時間の外遊びに必要な職員数が増えます。求人票に「園庭なし」と書かれていたら、それは移動を伴う保育が毎日あるという意味だと読んでください。
近くに公園があるかどうかも確認してください。徒歩5分の公園と徒歩15分の公園では、往復で20分の差が出ます。毎日のことなので、この差は大きい。
調理室の有無も、業務量を変えます。自園調理の園では、給食の時間に合わせた動きが必要ですが、温度や食材の管理は調理担当が持ってくれます。
外部搬入の園では、配送の時間に合わせて受け取り、検温し、記録し、盛り付ける作業が保育士の側に来ることがあります。アレルギー対応がある場合、確認の手順が増えます。
もうひとつ、見落とされがちなのが事務スペースと休憩室です。これは求人票にまず書かれていません。
事務スペースがない園では、連絡帳や日誌を子どもの横で書くことになります。集中できないので時間がかかり、結果として終業後に残ることになります。
休憩室がない園では、休憩時間に保育室にいることになります。子どもがいる空間で休憩を取るのは、実質的に休憩になりません。
見学のときに、「職員の方はどこで休憩されていますか」と聞いてみてください。案内してもらえるなら、その園は職員のことを考えています。
有資格者の割合をどう確かめるか
認可外保育施設には、国が定めた指導監督基準があります。この基準を知っておくと、園の体制を評価する物差しができます。
保育に従事する者の数は、おおむね0歳児3人につき1人、1歳児と2歳児6人につき1人、3歳児20人につき1人、4歳以上30人につき1人。常時2人以上の配置が必要です。
そして、保育に従事する者のうち3分の1以上が保育士または看護師であること、という条件があります。
つまり、裏を返せば、3分の2までは無資格者でも基準上は成立します。ここが認可園との大きな違いです。
この点について、現場の感覚に近い指摘があります。
認可外保育園では保育従事者が全員有資格者でなくてもよいことから、職員の知識や保育のスキルにムラがあると感じる場合もあるようです。 出典: co-medical.com
ムラがあること自体は、悪いことばかりではありません。子育て経験の長い無資格の方が、有資格者より落ち着いた対応をすることもあります。
問題になるのは、判断の集中です。けがの対応、体調の見極め、保護者への説明。こうした判断が有資格者に集まると、自分のクラスを見ながら他クラスの相談にも答えることになります。
だから、応募する前に有資格者の人数を確認してほしいのです。「保育士資格をお持ちの方は何名いらっしゃいますか」と聞けば済みます。
もうひとつ、公的な確認方法があります。認可外保育施設は、都道府県等への届出が義務づけられており、年1回以上の立入調査の対象になります。
自治体は、この調査結果や施設一覧をサイトで公表していることがあります。「所在地の自治体名」と「認可外保育施設 一覧」で検索してみてください。届出済みかどうか、指導監督基準を満たす旨の証明書が交付されているかどうかが分かる場合があります。
証明書が交付されている園は、少なくとも基準を満たしていることが行政に確認されています。これは求人票のどんな文言よりも確かな情報です。制度の概要は厚生労働省のサイトからたどれます。
見学の10分間で、大人のほうを見る
見学に行けるなら、必ず行ってください。そして、子どもではなく大人を見てください。
これは私がカウンセリングの場でよくお伝えしていることです。見学に行くと、どうしても子どもの様子に目が行きます。かわいい、元気がいい、落ち着いている。
見るべきは、まず職員同士の声のかけ方です。名前で呼び合っているか。指示だけが飛んでいないか。誰かが困っているときに、周りが動くか。
次に、表情です。疲れているのは仕方ありません。保育は体を使う仕事です。でも、表情が固まっている職員が複数いる園は、何かが起きている可能性があります。
三つめは、園長や主任が保育に入っているかどうかです。入っている場合、管理者と現場の距離が近いという良さがありますが、労務を見る人が別にいないという状態でもあります。
四つめは、記録の方法です。連絡帳が手書きかアプリか。これだけで1日あたりの記録時間がかなり変わります。手書きの園で子ども6人分の連絡帳を書けば、それだけで30分は消えます。
五つめは、掲示物です。壁に貼られている今月の予定や行事の案内を見ると、その園がどれくらい行事に力を入れているかが分かります。行事が多い園は、準備が勤務時間外に出やすい傾向があります。
見学の時間が短い場合、見るものを絞ってください。優先順位は、職員同士のやりとり、休憩室の有無、記録の方法の3つです。
そして、案内してくれる人に質問をしてください。質問をしない見学者は、実は評価されません。質問があるということは、真剣に考えているということだからです。
私自身、相談を受ける仕事に移る前に、いくつかの職場を見て回った経験があります。そのとき、条件のよい職場を見学して、なぜか気持ちが乗らなかったことがありました。
理由が分かったのは、あとになってからです。その職場では、誰も笑っていなかった。数字で表せる条件は良かったのに、空気が重かった。あの違和感は正しかったと、今では思います。
感じたことを軽く扱わないでください。言葉にできない違和感には、たいてい理由があります。
求人票と面接で、確認する順番を決めておく
最後に、確認の順番を整理します。全部を一度に聞こうとすると、質問が散らかって、相手にも伝わりません。
第一に確認するのは、勤務時間とシフトの種類です。開所時間が何時から何時までで、募集しているシフトが何種類あるか。開所が12時間なのに募集シフトが1種類しかない求人は、早番と遅番を既存の職員で回している可能性があります。
第二に、人数です。定員、在籍児童数、常勤数、パート数、有資格者数。この5つの数字が揃うと、園の体制がほぼ見えます。
第三に、記録と事務の時間です。「連絡帳や日誌を書く時間は、勤務時間の中に組み込まれていますか」。この質問への答え方で、その園の労務に対する姿勢が分かります。
第四に、休暇です。有給の取得率、希望休が何日まで出せるか、夏休みや年末年始の扱い。取得率を答えられない園は、把握していないということです。
第五に、給与の内訳です。基本給がいくらで、手当がいくらか。処遇改善の加算が給与にどう反映されているか。賞与が「実績による」としか書かれていない場合は、直近の支給実績を聞いてください。
この順番には理由があります。時間と人数は、変えられない前提条件です。給与は交渉の余地がある場合があります。だから、変えられないものから確認していく。
面接では、聞かれるだけでなく、聞いてよいのです。こういう相談がよくあります。「条件を聞くと、やる気がないと思われませんか」。
大丈夫ですよ。条件を確認するのは、長く働く意思がある人がすることです。むしろ、何も聞かずに入って早期に辞めるほうが、園にとっても損失になります。
もし、園選びそのものに迷いが残るなら、保育の外側も含めて一度整理してみるのも手です。人の相談に乗る仕事がどんな業務で成り立っているかをまとめたページがあります。職場・転職・キャリア相談のお仕事を読むと、相談を受ける側が何を見ているのかが分かるので、自分の状況を整理する材料になります。
雇用形態で、任される範囲が変わります
同じ園に入っても、雇用形態が違えば、仕事の中身も責任の重さも変わります。ここを曖昧にしたまま入ると、話が違うと感じる原因になります。
正職員として入る場合、クラス担任を持つことが前提になります。担任を持つということは、年間の指導計画、月案と週案、行事の企画と準備、保護者との個別面談、そして記録の責任を持つということです。
小規模な認可外では、これに加えて周辺業務が乗ります。備品の発注、在庫の管理、シフトの調整、実習生や新人の指導、清掃の分担。人数が少ないぶん、分けられる相手がいないからです。
この周辺業務は、求人票の「業務内容」にはまず書かれていません。「保育業務全般」という一行に全部が入っています。面接で「保育以外にどんな業務がありますか」と聞いてください。答えられない園より、具体的に列挙できる園のほうが、仕事の割り振りが整理されています。
パートとして入る場合は、時間帯と担当が限定されます。早朝の受け入れだけ、午睡の時間帯だけ、夕方の延長だけ、という募集がよくあります。
限定されるぶん、責任も限定されるのが原則です。ただし、実態として、パートでも記録を書かされたり、担任に近い役割を求められたりする園があります。ここは契約書と実態の差が出やすい部分なので、入る前に確認してください。
「パートの方は、連絡帳や日誌を書かれますか」。この質問ひとつで、その園のパートの位置づけが分かります。書く場合、その時間が勤務時間に含まれているかまで聞いてください。
派遣として働く場合は、指揮命令の関係が変わります。雇用主は派遣会社で、業務の指示は園から受けます。条件の交渉は派遣会社と行うので、園に直接言いにくいことを間に入って伝えてもらえるという利点があります。
一方で、園の行事や会議に呼ばれない場合があり、情報が入ってこないという感覚を持つ人もいます。短期的に働きたいのか、長く続けたいのかで、向き不向きが分かれます。
もうひとつ、認可外ならではの形として、開園前の準備期間だけ関わる、あるいは一時預かりの時間帯だけ入る、といった変則的な働き方もあります。生活の都合に合わせやすい反面、収入が読みにくい。
どの形を選ぶにしても、契約書を必ず受け取ってください。労働条件は書面で明示することが法律上求められています。口頭だけで始まる園は、それ自体が警戒すべき信号です。
通勤と生活時間から逆算する
条件表に出てこないのに、働き続けられるかどうかを大きく左右するものがあります。通勤時間です。
早番が7時始まりで、通勤が50分かかるなら、家を出るのは6時前です。準備を含めると5時台に起きることになります。
これが週に1回なら耐えられます。週に3回になると、体が追いつかなくなる人が出てきます。
こういう相談がよくあります。「条件は良かったのに、半年で限界が来ました」。話を聞くと、仕事の中身ではなく、生活のリズムが崩れたことが原因だったというケースが少なくありません。
だから、求人を見る段階で、実際に通勤経路を調べてください。乗り換えが何回あるか、始発が何時か、終電が何時か。遅番が20時上がりで、乗り換えが2回あると、帰宅は21時を過ぎます。
自分に子どもがいる場合は、さらに逆算が必要です。自分の子の預け先が何時までか、それが自分のシフトと両立するか。認可外で働く人の中には、自園に自分の子を預けられる制度を使っている方もいます。この制度があるかどうかは、面接で聞いてよい項目です。
もうひとつ、見落とされやすいのが、休みの取り方です。土曜保育がある園では、土曜出勤の頻度が決まっています。月に1回なのか、隔週なのかで、生活の組み方が変わります。
年末年始と夏季の休みも確認してください。認可外は、認可園より開所日が多い傾向があります。お盆に開いている園、年末年始を3日しか閉めない園もあります。
家族の予定と合わせられるかどうかは、長く働くうえで実は大きな要素です。条件表の「年間休日110日」という数字だけでは、どの時期に休めるかは分かりません。
私が相談を受けるときには、まず1週間の時間割を紙に書いてもらいます。起床、家を出る時間、勤務、帰宅、家事、就寝。これを書くと、無理があるかどうかが目で見て分かります。
頭の中だけで考えていると、「なんとかなる」と思ってしまいます。書いて可視化すると、なんとかならないことが先に見えます。この作業は10分で終わるので、応募を決める前にやってみてください。
長く続く人が、園選びのときに見ているもの
在宅ワークやフリーランスの市場を20年見てきた運営者の立場から、職場選びについて気づいていることがあります。
長く同じ場所で働き続けている人は、条件表の数字よりも、「自分の仕事が誰にどう届くか」が見える環境を選んでいます。
保育でいえば、自分が関わった子どもの変化を、自分の目で確かめられるかどうか。小規模な園を選ぶ人には、この理由を挙げる方が多い。
逆に、大きな園を選ぶ人は、役割が分かれていることで自分の専門を深められる点を挙げます。どちらが正しいということではなく、何に手応えを感じるかが違うだけです。
もうひとつ、運営者として見てきた限りでは、続く人は職場を「所属先」ではなく「取引の相手」として見ています。自分は技能と時間を提供し、対価を受け取る。この関係が釣り合っているかを定期的に点検して、釣り合わなくなったら交渉するか、相手を変える。
中間に人が入らない直接のやりとりが増えるほど、同じ予算でも受け手の手取りは厚くなります。手数料0%という言葉の意味は、金額の大小ではなく、自分の働きがそのまま自分に返ってくるという感触の違いです。給与テーブルが外から決まる仕事から移った人が、最初に驚くのはそこだと聞きます。
保育の経験は、園の外でも通用します。保護者対応で培った聞く力、記録を残す習慣、複数の予定を同時に動かす段取り。これらは相談業務や事務の仕事で直接使えます。
人の相談に乗る仕事を体系的に学びたいなら、国家資格の枠組みがあります。キャリアコンサルタントは、養成講座の受講や実務経験が受験の条件になるので、働きながら準備する人が多い資格です。
園選びは、一度きりの決断ではありません。選び直すこともできます。だから、今の選択に100点を求めなくて大丈夫です。
今回見た5つの軸、類型、規模、運営主体、設備、有資格者の割合。この順番で確かめていけば、少なくとも「入ってみたら全然違った」という事態は避けられます。あなたは一人ではありません。迷ったら、誰かに話してから決めてください。
よくある質問
Q. 認可外保育園を職場として選ぶとき、最初に確認すべきことは何ですか?
勤務時間とシフトの種類です。開所時間が12時間あるのに募集シフトが1種類しかない求人は、早番と遅番を既存職員で回している可能性が高く、入職後にあなたも組み込まれます。次に定員、在籍児童数、常勤数、パート数、有資格者数の5つの数字を確認すると、園の体制がほぼ見えます。
Q. 小規模な園と定員30人以上の園では、働き方がどう違いますか?
小規模な園は異年齢保育になりやすく、子ども一人ひとりを深く見られる反面、安全管理の負担が大きく、職員が一人休むとシフトがすぐ苦しくなります。30人を超えるとクラスと担任が固定され役割分担が生まれますが、会議や打ち合わせの時間が増えます。どちらが良いかは何に手応えを感じるかで決まります。
Q. 園庭がない園は働きにくいですか?
外遊びのたびに公園まで往復するため、同じ時間の外遊びに必要な職員数が増えます。着替え、整列、横断、見守り、帰園、手洗いという手順が毎回発生するので、体力の消耗は園庭のある園より大きくなります。応募前に最寄りの公園までの所要時間を確認してください。徒歩5分と15分では往復で20分の差が出ます。
Q. その園の体制が基準を満たしているか、外から確認できますか?
できる場合があります。認可外保育施設は都道府県等への届出と年1回以上の立入調査の対象で、自治体が施設一覧や調査結果を公表していることがあります。所在地の自治体名と認可外保育施設一覧で検索し、届出済みか、指導監督基準を満たす旨の証明書が交付されているかを確認してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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