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長野県の情報漏洩|Studioのフォーム341件の範囲と県の対応 2026

@SOHO編集部
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長野県の情報漏洩|Studioのフォーム341件の範囲と県の対応 2026

この記事のポイント

  • ✓長野県の情報漏洩について
  • ✓2026年10月22日の県の発表をもとに整理しました
  • ✓委託事業の受託事業者が使っていたクラウドサービス「Studio」への不正アクセスで

長野県は2026年10月22日、県の委託事業を受けている事業者が使っていたクラウドサービス「Studio」(提供はStudio株式会社)が第三者の不正アクセスを受け、3つの事業のフォームに入力された合わせて341件の個人情報に漏えいの可能性があると発表しました。 対象は、デジタル化一貫支援事業の相談フォームなど(152件)、長野県賃上げ・業務改善支援センター(Bizサポ)の問合せフォーム(177件)、NAGANOスカウトマッチ!の事前説明会申込フォーム(12件)で、氏名、電話番号、メールアドレス、問合せ内容などが含まれます。 該当する人には県から経過とお詫びのメールが届いているはずなので、その内容を確かめ、県やStudioを名乗る不審なメールや電話に応じないことが、まずすることです。

この記事では、県とStudio株式会社の公式発表だけをもとに、何が起きたのか、どの情報が対象なのか、自分が対象かをどう確かめるのかを順に整理します。後半では、在宅で仕事をしていてStudioでサイトを作っている人や、取引先の情報を預かっている人が考えておきたいことにも触れます。

2026年10月23日時点で分かっていること

まず、県の発表から分かることを短くまとめます。

項目 県の発表の内容
発表した機関 長野県(企画振興部、産業労働部)
発表日 2026年10月22日
起きたこと 受託事業者が使っていたクラウドサービス「Studio」への第三者の不正アクセス
件数 3事業で合わせて341件(漏えいの可能性)
主な項目 企業名、氏名、会社住所、電話番号、メールアドレス、問合せ内容、学校名、卒業予定年度(事業によって異なる)
実際に取得されたか Studio株式会社の発表では「実際に第三者に取得された事実は確認できていない」
県の対応 対象の人へ経過とお詫びのメールを送付、庁内へ注意喚起

ここで押さえておきたいのは、県が「漏えいした」と言い切っていない点です。県の発表の題は「個人情報漏えいの可能性について」で、Studio株式会社も、データを外部から取得できる状態だったことは確認したものの、実際に取得された事実は確認できていないと説明しています。そのうえでStudio株式会社は、取得されたものとみなして対応を進めているとしています。

件数の341件は、県の機関で漏えいの可能性があるものを2026年10月21日に確かめた結果で、県はこの3事業だけが該当したと発表しています。県が直接運営するシステムが攻撃を受けたのではなく、委託先の事業者がサイト作りに使っていたクラウドサービスが攻撃を受けた、という構図です。

なお、「長野県 情報漏洩」で調べると、2026年7月に県が発表した「公開している入札情報等において個人情報が含まれる図面を掲載していた」件など、別の発表も見つかります。この記事が扱うのは、2026年10月22日に発表されたStudioの件だけです。原因も対象者も異なるので、ニュースの見出しだけで同じ件だと判断しないよう注意してください。

公表の経緯:9月30日の不正アクセスから10月22日の県の発表まで

県の発表とStudio株式会社の発表を日付順に並べると、次のとおりです。

日付 出来事 発表した側
2026年9月30日〜10月1日 第三者によるStudioへの不正アクセス(Studio株式会社が現時点で確認できている期間) 県・Studio
2026年10月13日 Studio株式会社の社内調査で不正アクセスを確認 県・Studio
2026年10月13日〜14日 脆弱性の修正と、不正アクセスに使われた経路を塞ぐ対応を完了 Studio
2026年10月16日 Studio株式会社が自社サイトで第一報を公開 県・Studio
2026年10月17日・18日 Studio株式会社がフォーム利用者向けの案内を公開、第一報を更新 Studio
2026年10月19日〜20日 各受託事業者から県へ、不正アクセスの報告 県
2026年10月21日 県の機関で漏えいの可能性があるのは3事業だけと確認 県
2026年10月22日 県が発表 県

不正アクセスが起きてから県の発表まで、3週間ほどの時間差があります。これは、まずStudio株式会社が自社の環境で異変を見つけ、それをサービスの利用者(今回でいえば受託事業者)に知らせ、受託事業者が県へ報告し、県が自分たちの事業のどこでStudioが使われていたかを洗い出す、という順番を踏んでいるためです。クラウドサービスを経由した事案では、このように知らせが何段階も伝わってから最終的な発表に至ることが多くあります。

県の発表は2026年10月22日の1回で、2026年10月23日時点で県の発表資料の一覧(RSS)を見る限り、この件の続報は出ていません。Studio株式会社の第一報は2026年10月18日に更新されており、対象となる利用者の範囲と件数、二次被害の有無の調査結果、原因の調査結果と再発防止策は、確認が取れ次第続報で知らせるとしています。

発表の原文で確かめる

県の発表のうち、今回の件の全体像を示している部分を引用します。

令和8年10月16日、県の委託事業を受託している複数の事業者が利用しているクラウドサービス「Studio」を運営するStudio株式会社から、「第三者がStudioの一部機能の脆弱性を悪用してクラウド環境に不正にアクセスし、データを外部から取得できる状態であったことを確認。実際に第三者に取得された事実は確認できていない。」との発表がありました。これを受け、県が実施する事業における同サービスの利用状況を確認したところ、下記3に記載の3事業が該当することが判明しました。 出典: pref.nagano.lg.jp

この文から読み取れるのは3点です。1つ目は、攻撃を受けたのは県のシステムではなくStudio株式会社のクラウド環境だということ。2つ目は、「取得できる状態であった」ことは確認されたが、「取得された事実」は確認できていないということ。3つ目は、県は報告を受けて自分たちの事業を調べ、該当する事業を特定したということです。

同じ内容は、県が公開しているプレスリリース資料(PDF)でも確かめられます。PDFには問い合わせ先のメールアドレスと内線番号まで載っているので、問い合わせをする前に一度開いておくと便利です。

漏えいの可能性がある情報の表と、含まれないとされた情報

県の発表に載っている3事業の内訳は次のとおりです。

事業名(担当) 対象となったフォーム 件数 漏えいの可能性がある情報
デジタル化一貫支援事業(産業労働部 産業立地・IT振興課) 長野県デジタル化一貫支援サイト内の相談フォーム、支援IT事業者一覧への登録依頼フォーム 152件 企業名、氏名、会社住所、電話番号、メールアドレス、問合せ内容
賃上げ環境整備支援事業(産業労働部 労働雇用課) 長野県賃上げ・業務改善支援センター(Bizサポ)のホームページの問合せフォーム 177件 企業名、氏名、電話番号、メールアドレス、問合せ内容
就職活動理解促進・スカウト型マッチング事業(産業労働部 労働雇用課) スカウト型マッチングイベント(NAGANOスカウトマッチ!)の事前説明会申込フォーム 12件 氏名、電話番号、メールアドレス、学校名、卒業予定年度

3事業すべてに共通するのは、氏名、電話番号、メールアドレスです。デジタル化一貫支援事業だけは会社住所も入っています。企業向けの2事業では「問合せ内容」も対象で、これはフォームの自由記入欄に書いた文章そのものを指します。どんな内容を書いたかは人によって違うため、自分が何を書いて送ったかを思い出しておくことが、この後の対策を考えるうえで大事になります。

一方、何が対象外なのかについて、県の発表は特に書いていません。県が挙げた項目の中には、パスワード、クレジットカード番号、銀行口座、マイナンバーは入っていません。これらのフォームはもともと相談や申込みのためのもので、こうした情報を入力する作りではなかったと考えるのが自然ですが、県が「含まれない」と明記しているわけではない点は区別しておきます。

対象外の範囲をはっきり書いているのは、Studio株式会社の発表です。同社はフォームの送信内容について、次のものは対象に含まれないと明記しています。

Studio株式会社が対象外と明記したもの 内容
保存を無効にしていた間の回答 「フォームの結果をStudioに保存」を無効にしていた間に送信された回答
9月30日より前に完全に削除した回答 2026年9月30日より前に「完全に削除」した回答
添付ファイルの中身 添付ファイルはファイル名だけが対象で、中身は含まれない
外部サービスのフォーム Googleフォームなどを埋め込んでいる場合、回答はStudioを経由しないため含まれない

逆に、ゴミ箱に移しただけの回答、ライブプレビューでテスト送信した回答、プランの上限を超えて画面に表示されなかった回答は対象に含まれるとしています。県の3事業のフォームがどの設定で運用されていたかは県の発表に書かれていないため、ここでは一般的な対象範囲として紹介するにとどめます。

原因:Studioの一部機能の脆弱性を突いた不正アクセス

原因について、県の発表は「Studio株式会社のクラウド環境への不正アクセス」と説明しています。より詳しい内容は、Studio株式会社の第一報に書かれています。

同社によると、第三者がStudioの一部機能の脆弱性を悪用してクラウド環境に不正にアクセスし、環境内のデータを外部から取得できる状態にしていました。脆弱性とは、プログラムの不具合や設計上の弱点のうち、外部から悪用できてしまうもののことです。この状態は、同社が対処した2026年10月14日まで続いていたとしています。

同社の発表で特に重く書かれているのが、暗号化に使う鍵の扱いです。フォームの送信内容などは暗号化して保存していたものの、復号に必要な鍵、つまり暗号を元に戻すための鍵も同じ不正アクセスで読み出されたため、内容を知られた可能性があると説明しています。暗号化していたから安全とは言えない状況だったということです。

一方で、Studioのログインパスワードは、ハッシュ化という元に戻しにくい形に変換して保存しており、平文(そのままの文字)では保存していなかったとしています。ハッシュ化とは、パスワードを決まった計算で別の文字列に置き換えて保存する方法で、置き換えた後の値から元のパスワードを割り出すのは難しい仕組みです。ただし、同社は可能性を完全には否定できないとして、Studioのアカウントを持つ人にパスワードの変更を求めています。

不正アクセスの詳しい原因は、外部の専門機関に調査を依頼すべく調整を進めていると同社は発表しています。原因の調査結果と再発防止策は、2026年10月23日時点では「確認が取れ次第続報で知らせる」という段階です。

長野県と受託事業者の対応

県の発表に書かれている対応は、次の3つです。

  1. 個人情報の漏えいの可能性がある人に、本件の経過とお詫びに関する電子メールを送付した
  2. 受託事業者が、管理パスワードの変更、不要な共有プレビューURLの削除、プラットフォーム上の個人情報に関わる情報の削除などを実施した
  3. 県として改めて庁内へ注意喚起を行い、受託業者に対して個人情報の適切な管理と情報セキュリティ対策の徹底を求めていく

1つ目のメールは、対象となった人に直接届いているはずのものです。2つ目は、受託事業者側で、Studio株式会社が利用者に求めた対応を済ませたことを示しています。共有プレビューURLとは、公開前のページを関係者に見せるために発行するリンクのことで、Studio株式会社はこのURLが流出した可能性があるとして削除を呼びかけていました。

県の発表には、補償やお詫びの品、専用のコールセンターの設置については書かれていません。問い合わせ先として、担当課の電話番号とメールアドレスが載っています。県として受託事業者の名前は公表していません。

Studio株式会社の側では、脆弱性の修正と経路の遮断に加え、同社が使っていた認証情報の切り替え、フォームの送信内容などを暗号化する鍵の切り替え(2026年10月17日)、個人情報保護委員会への報告などを進めていると発表しています。個人情報保護委員会とは、個人情報の扱いを監督する国の機関です。

自分が対象かを確かめる方法

自分が対象かどうかは、次の順番で確かめると迷いません。

まず、2026年に次のどれかを使った覚えがあるかを思い出します。

・長野県デジタル化一貫支援サイトで相談フォームを送った、または支援IT事業者一覧への登録を依頼した
・長野県賃上げ・業務改善支援センター(Bizサポ)のホームページの問合せフォームから問い合わせた
・NAGANOスカウトマッチ!の事前説明会にフォームから申し込んだ

どれにも当てはまらなければ、今回の県の発表の対象ではありません。県が直接運営する他の申請サイトや電子申請は、今回の発表の対象に含まれていません。県は、県の機関で漏えいの可能性があるのはこの3事業だけと確認したと発表しています。

当てはまる場合は、そのときに入力したメールアドレスの受信箱を見て、県や事業の事務局からの経過とお詫びのメールが届いていないかを確かめます。迷惑メールのフォルダに振り分けられていることもあるので、そちらも見てください。フォームに入力したのが会社の共用アドレスや、すでに使っていないアドレスだった場合は、届いていても気付けないことがあります。

メールが見当たらないのに、フォームを使った覚えがある場合は、県の担当課に電話で問い合わせるのが確実です。そのときは、届いたメールに書かれた番号ではなく、県の公式ページに載っている番号にかけてください。問い合わせ先は後の節にまとめています。

2026年10月23日時点で、県の発表には、マイページや照会用のフォームで自分が対象かを調べられる仕組みは載っていません。確かめる手段は、県からのメールと担当課への問い合わせの2つです。

対象になった人がすること

漏えいの可能性がある情報は、氏名、電話番号、メールアドレス、事業によって企業名、会社住所、問合せ内容、学校名、卒業予定年度です。パスワードやカード番号は県が挙げた項目に入っていないため、すぐにパスワードを変える、カードを止めるといった対応が求められる種類の事案ではありません。気を付けるべきは、こうした情報を使って本物らしく見せかけた連絡です。立場ごとに、することを整理します。

企業・個人事業主として相談フォームや問合せフォームを使った人

デジタル化一貫支援事業とBizサポのフォームを使った人は、企業名、氏名、電話番号、メールアドレス、問合せ内容が対象です。デジタル化一貫支援事業は会社住所も含みます。

注意したいのは、問合せ内容と組み合わせた連絡です。たとえば、業務のデジタル化について相談した内容を知っている相手から「県の支援事業の続きのご案内です」と連絡が来れば、本物だと思いやすくなります。賃上げや業務改善について問い合わせた人には、助成金や支援制度の案内を装った連絡が考えられます。県の事業を名乗る連絡が来たら、内容に心当たりがあっても、その場で手続きや支払いに進まず、県の公式ページの番号に電話して本当に県や事務局からの連絡かを確かめてください。

支援IT事業者一覧への登録を依頼した人

デジタル化一貫支援サイトには、支援IT事業者一覧への登録依頼フォームもありました。IT企業や、システム開発、Web制作を請け負う個人事業主が登録を依頼したケースが考えられます。

この立場の人は、取引先を名乗る連絡に特に注意が要ります。事業者一覧に登録を依頼したことを知っている相手は、「県の事業で紹介を受けた企業です」と名乗って仕事の相談を装うことができます。初めての相手から、添付ファイル付きの見積依頼や、ログインを求めるリンク付きのメールが来た場合は、添付を開く前に相手の会社のサイトや代表電話で実在を確かめるのが基本です。

偽のメールの見分け方と社内教育のやり方は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで、訓練の進め方や効果の測り方とあわせて解説しています。少人数の会社でも取り入れやすい内容です。

NAGANOスカウトマッチ!の説明会に申し込んだ学生

スカウト型マッチング事業の説明会申込フォームは、氏名、電話番号、メールアドレス、学校名、卒業予定年度が対象です。件数は12件と少ないものの、就職活動中の学生が対象という点で注意が要ります。

就職活動の時期には、企業や就職支援を名乗る連絡が多く届くため、偽の連絡が紛れ込んでも気付きにくくなります。学校名と卒業予定年度を知っている相手から「長野県の就職イベントの関係で」と連絡が来れば、信じてしまいやすい状況です。面談の日程調整を装って個人情報を追加で聞き出す、登録料や受講料を求める、といった連絡には応じないでください。支払いを求められたら、県の公式ページの番号で事業の担当課に確かめてから判断してください。

偽のメール・SMS・電話の見分け方

今回の項目で起こりうるのは、メールアドレスや電話番号あての、県や事業の事務局、Studio株式会社を名乗る連絡です。Studio株式会社は、本件に便乗して同社を装ったメールやメッセージが送られる可能性があるとして、次のように呼びかけています。同社からパスワードや認証情報をメールや電話で尋ねることはなく、本件に関して同社が送るメールに、パスワードや認証情報の入力を求めるリンクが含まれることもない、という内容です。

見分けるときの基本は次のとおりです。

・メールの本文のリンクから手続きをしない。県のページは、ブラウザで長野県の公式サイトを開いて自分でたどる
・電話で「お詫びの品を送るので住所を確認したい」「補償の手続きに口座番号が要る」と言われても答えない。県の発表に補償やお詫びの品の記載はない
・差出人の表示名が「長野県」でも、アドレスの@より後ろを確かめる。表示名は誰でも自由に設定できる
・SMSで届いた短いURLは開かない。県の発表に、SMSで連絡するという記載はない
・急がせる連絡ほど疑う。「本日中に手続きしないと」「至急」と書かれていたら、一度手を止める

また、「お詫び」を名目にした連絡は、本物と偽物が同じ時期に届くため見分けにくくなります。本物の県からのメールは、経過とお詫びを伝えるもので、県の発表には、そのメールで何かを入力させたり支払いを求めたりするとは書かれていません。

問い合わせ窓口

県の発表とプレスリリース資料には、次の問い合わせ先が載っています。受付時間の記載はありません。

問い合わせの内容 担当 電話(直通)
県の情報セキュリティ一般に関すること 企画振興部 DX推進課 デジタルインフラ整備室 026-235-7071
デジタル化一貫支援事業 産業労働部 産業立地・IT振興課 IT バレー振興係 026-235-7198
賃上げ環境整備支援事業、スカウト型マッチング事業 産業労働部 労働雇用課 雇用対策係 026-235-7201

いずれも県の代表番号(026-232-0111)から内線で取り次いでもらうこともできると資料に書かれています。メールでの問い合わせ先も資料に載っているので、電話がつながりにくいときは資料の記載を確かめてください。

Studio株式会社にも問い合わせ窓口があります。Studioのアカウントを持っていない人は、同社の不正アクセスに関する問い合わせ窓口のフォームから問い合わせられ、24時間受け付け、平日10時から18時に順に回答するとしています。ただし、県の事業のフォームで自分の情報がどう扱われたかは、まず県の担当課に聞くのが近道です。Studio株式会社も、Studioで作られたサイトのフォームから情報を送った人には、送信先のサイトの運営者から案内がある場合があると説明しています。

自分のメールアドレスが過去の漏えいに含まれていないかを調べる

今回の件でメールアドレスと電話番号が知られた可能性がある人は、これを機に、同じアドレスがほかの漏えいにも含まれていないかを調べておくと、届く迷惑メールの理由が分かることがあります。2026年10月は、ほかの会社からもメールアドレスを含む漏えいの公表が相次いでいます。

海外の無料サイト「Have I Been Pwned」では、メールアドレスを入力するだけで、過去に公表された漏えいに含まれているかを調べられます。使い方と結果の読み方は、Have I Been Pwnedの使い方で、画面の操作の順に説明しています。ほかの漏えいでパスワードまで含まれていた場合は、そちらのサービスのパスワードを変えておくのが先です。

デジタル化一貫支援事業のフォームでは、会社住所も対象になっています。住所が知られたときに気を付けることや、郵便物を使った手口については、住所が漏れたときにすることにまとめています。自宅を事務所にしている個人事業主の場合、会社住所がそのまま自宅の住所になるため、目を通しておくと安心です。

あわせて、ふだん使っているサービスに二段階認証を設定しておくと、パスワードが別の経路で漏れていた場合でも、不正ログインを防ぎやすくなります。二段階認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認コードなど別の手段でも本人確認をする仕組みです。仕組みと製品ごとの違いは、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で比べています。

在宅で仕事をする人が、Studioでサイトを作っている場合

今回の件は、長野県のフォームを使った人だけの問題ではありません。Studioは、プログラミングをせずにWebサイトを作れるサービスで、在宅でWeb制作を請け負う人や、小さな会社のサイトを運用する人にも広く使われています。Studio株式会社は、現時点の調査で、Studioに登録しているすべての利用者について、アカウントの情報やStudio上で管理しているデータが流出した可能性があると発表しています。

Studioでサイトを作っている人に、Studio株式会社が求めている主な対応は次のとおりです。

対象 Studio株式会社が求めている対応
メールアドレスとパスワードでログインしている人 Studioのパスワードの変更。同じパスワードを他のサービスで使っていれば、そちらも変更
ライブプレビューのURLを発行している人 URLの削除。共有が必要なら削除後に新しく発行
API連携に外部サービスのキーを登録している人 キーの切り替え
パスワード保護ページを使っている人 パスワードの変更
フォームを使っている人 フォームの送信内容についての個別の案内を確認

GoogleログインやFacebookログインだけを使い、Studioのパスワードを設定していない人は、パスワードの変更は不要とされています。一部の機能を使っているプロジェクトの所有者には、同社から個別のメールで案内が届いているので、メールが見当たらない場合は同社の問い合わせ窓口に確かめてください。

在宅で仕事をする人にとって特に大事なのは、取引先のサイトをStudioで作り、フォームを設置しているケースです。問い合わせフォームや応募フォームに届いた回答は、取引先のお客様や応募者の個人情報です。自分のアカウントで管理していても、情報そのものは取引先が集めたものという場合が多くあります。

取引先に知らせる要否の考え方

取引先のサイトのフォームをStudioで運用していたなら、まず取引先に今回の件を伝えるのが基本です。伝えるかどうかで迷う場面ではなく、どの範囲を伝えるかを考える場面だと捉えてください。取引先は、自分の集めた個人情報がどう扱われたかを知らなければ、お客様への説明もできません。

個人情報保護委員会は、漏えい等の対応とお役立ち資料のページで、民間の事業者に委員会への報告が義務付けられる場合として、次の4つを挙げています。

・要配慮個人情報(病歴や犯罪の経歴など、扱いに特に注意が要る情報)が含まれる漏えい等(またはそのおそれ)
・不正に使われると財産的な被害が出るおそれがある漏えい等(またはそのおそれ)
・不正の目的をもって行われたおそれがある行為による漏えい等(またはそのおそれ)
・本人の数が1,000人を超える漏えい等(またはそのおそれ)

3つ目の例として、同委員会は「不正アクセスにより個人データが漏えいした場合」を挙げています。報告の期限については、発覚したらまず速やかに報告し、不正な目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内としています。なお、国の行政機関や地方公共団体などの行政機関等は、本人の数が100人を超える場合が報告の対象と、民間とは別の基準が示されています。

Studioのフォームについては、Studio株式会社がフォーム機能を使う利用者向けの案内で、フォームを通じてサイトの利用者の個人情報を集めている場合、利用者自身が個人情報取扱事業者として、委員会への報告や、サイトの利用者(本人)への通知が必要になる場合があると案内しています。個人情報取扱事業者とは、仕事で個人情報をまとめて扱う事業者のことで、規模の大小は問いません。同社は2026年10月20日、委員会と協議した結果として、利用者自身が個別に報告するか、同社が取りまとめて連名で報告するかを選べるようになったと発表しました。連名での報告は委員会への報告だけが対象で、本人への通知は含まれないとしています。

ここで判断が分かれるのは、報告や通知をするのが自分なのか取引先なのか、という点です。一般には、個人情報を集めて使っているのが誰かで決まりますが、契約の中身や、フォームの管理を誰がしていたかで変わります。在宅の制作者が自分だけで決めるのではなく、取引先と一緒に、委員会のページや取引先の顧問の専門家に確かめながら進めてください。

取引先に伝えるときは、次の内容をそろえておくと話が早く進みます。

・Studioで運用していたサイトとフォームの名前
・Studio株式会社から届いた個別メールの内容と、対象として書かれていたプロジェクト
・フォームの回答をStudioに保存していたか、いつから保存していたか、削除の状況
・パスワード変更やライブプレビューURLの削除など、すでに済ませた対応
・Studio株式会社の連名報告の仕組みがあること

委託の仕事を受ける側が今回の件から学べること

今回の件で長野県の情報が対象になったのは、県が直接Studioを使っていたからではなく、県の事業を受託した事業者がサイトやフォームを作るのにStudioを使っていたからです。仕事を委託する側から見れば、委託先がどんな道具を使っているかまで把握していないと、何かあったときに自分たちの情報がどこにあるのかすぐには分かりません。県が、受託事業者からの報告を受けてから、県の機関で該当するのが3事業だけと確かめるまでに1日ほどかけているのも、この洗い出しが必要だったためです。

在宅で仕事を受ける人も、同じ立場に立つことがあります。取引先のサイトを作る、問い合わせの受付を代行する、応募者の情報を管理する。こうした仕事では、自分が選んだクラウドサービスに取引先のお客様の情報が保存されます。仕事を受けた時点で、次のことを取引先と確かめておくと、今回のような事案が起きたときに慌てずに済みます。

・どのサービスに、どんな情報を保存するのか
・フォームの回答をどこに保存し、いつ消すのか
・不要になった共有用のリンクや下書きのページを、誰がいつ片付けるのか
・何か起きたとき、誰に、どの手段で、どのくらいの早さで知らせるのか

Studio株式会社の発表では、ゴミ箱に移しただけの回答や、テスト送信した回答も対象に含まれるとされています。「画面から見えなくした」ことと「消えた」ことは同じではありません。仕事が終わったら、預かった情報を完全に削除したことを確かめ、取引先に報告する。こうした手順を毎回守ることが、受ける側の信用になります。

セキュリティの知識を持つ人材は、地方の企業でも求められています。長野県の職種別年収ランキングでは、県内の職種ごとの年収の水準を比べられます。Webサイトやシステムの開発を請け負う人は、アプリケーション開発のお仕事もあわせて見ておくと、仕事の幅を考える材料になります。

@SOHO編集部は、2004年から在宅ワークとフリーランスの仕事の仲介を続けてきました。その中で見てきたのは、仕事を任せる側が、技術や実績と同じくらい「預けた情報をどう扱う人か」を見ているということです。使っている道具を説明できる、不要になった情報を片付けて報告する、異変があればすぐ知らせる。こうした当たり前を毎回守れる人に、長く続く仕事が集まります。アカウントと預かった情報を守る知識は、在宅で働く人にとって、それ自体が仕事の強みになります。セキュリティの知識をいかせる仕事の種類は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。

よくある質問

Q. 長野県の情報漏洩で、何が漏れたのですか?

2026年10月22日の県の発表では、県の委託事業3件のフォームに入力された341件の個人情報に漏えいの可能性があります。項目は事業によって違い、氏名、電話番号、メールアドレスは3事業に共通です。企業向けの2事業では企業名と問合せ内容、デジタル化一貫支援事業では会社住所、スカウト型マッチング事業では学校名と卒業予定年度も含まれます。

Q. 実際に情報は盗まれたのですか?

Studio株式会社の発表では、データを外部から取得できる状態だったことは確認したものの、実際に第三者に取得された事実は確認できていないとしています。そのうえで同社は、取得されたものとみなして対応を進めています。2026年10月23日時点で、二次被害の有無は同社が調査中と発表しています。

Q. 自分が対象かどうかは、どうすれば分かりますか?

デジタル化一貫支援サイトの相談フォームや登録依頼フォーム、Bizサポの問合せフォーム、NAGANOスカウトマッチ!の説明会申込フォームを使った覚えがあるかを思い出してください。対象の人には県から経過とお詫びのメールが送られています。見当たらないときは、県の公式ページに載っている担当課の番号に電話で問い合わせるのが確実です。

Q. パスワードを変える必要はありますか?

県が挙げた漏えいの可能性がある項目に、パスワードは入っていません。フォームを使っただけの人が、今回の件のためにパスワードを変える必要は、県の発表からは読み取れません。ただし、Studioのアカウントを持っている人は、Studio株式会社がパスワードの変更を求めています。同じパスワードを他のサービスで使っている場合は、そちらも変更してください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月26日
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会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

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SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方