毎日新聞のメール配信で情報漏洩の可能性|ユミルリンク経由でメールアドレス 読者が確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓毎日新聞の情報漏洩として2026年10月26日に公表されたのは
- ✓メール配信を委託していたユミルリンクのCuenote FCへの不正アクセスで
- ✓ニュースやイベントの案内を受け取っている人のメールアドレス等が漏洩した可能性がある事案です
毎日新聞の情報漏洩として2026年10月26日に株式会社毎日新聞社が公表したのは、メールマガジンなどの配信に使っていたユミルリンク株式会社のメール配信サービス「Cuenote FC」が不正アクセスを受け、ニュースやイベントの案内をメールで受け取っている人のメールアドレス等が「漏洩した可能性がある」という事案です。 件数は2026年10月27日時点で公表されておらず、クレジットカード情報は「含まれておりません」と明記されています。 受け取っている人がまずすることは、毎日新聞を名乗るメールのリンクを押さないこと、メールで届く案内の真偽を自分で開いた公式サイトで確かめること、そのメールアドレスをログインに使っているサービスでパスワードを使い回していれば変えることの3つです。
この記事では、2026年10月27日時点で毎日新聞社の発表と、委託先であるユミルリンクの公式報告に書かれていることだけを根拠に、何が起きたのか、何が漏れた可能性があって何が含まれないのか、自分が対象かをどう確かめるのか、どこに問い合わせるのかを整理します。報道で伝えられている件数や推測は使っていません。毎日新聞社は「漏えいした」とは書いておらず「漏洩した可能性がある」と書いているので、この記事もその表現のまま書きます。公式の発表が更新されたら、そちらが優先です。
何が起きたのか。2026年10月26日の毎日新聞社の発表の要点
今回の事案は、毎日新聞デジタルのサイトや、新聞の購読者の管理システムが直接攻撃を受けたものではありません。毎日新聞社が読者にニュース速報やメールマガジンを送るために使っていた外部の配信サービスが不正アクセスを受け、そこに登録してあったメールアドレス等が外部に取得された可能性が高い、という構図です。毎日新聞社のお知らせには、概要が次のように書かれています。
毎日新聞社がメールマガジン等の各種サービスのメール配信に利用しているユミルリンク株式会社の「Cuenote FC」において不正アクセスが発生した事案に関連し、本日、ユミルリンク社より当社に対して「一部データが外部に不正に取得された可能性が高い」との連絡がありました。これを受けて、当社は本日、各種メール配信を停止しました。 出典: mainichi.co.jp
お知らせの題は「外部メール配信サービス運営会社への不正アクセスに伴うメールアドレス等の漏えいの可能性について」です。題のとおり、毎日新聞社の文書は「漏えいの可能性」という言い方で通しており、漏えいがあったと断定していません。ユミルリンクからの連絡も「可能性が高い」という表現です。
押さえておきたい点は4つあります。
- 漏えいした可能性があるとされる場所は、毎日新聞社のシステムではなく、メール配信を委託していたユミルリンクの「Cuenote FC(キューノート エフシー)」というサービス
- 漏洩した可能性がある情報は「ニュースやイベントの案内をメールで受け取られている方のメールアドレス等」で、クレジットカード情報は含まれないと明記されている
- 件数は、2026年10月27日時点の毎日新聞社の発表には書かれていない
- 毎日新聞社は10月26日に各種メール配信を停止し、ユミルリンクに影響範囲などの速やかな情報提供を求めている
「等」が付いている点は、読むときに注意が要ります。メールアドレス以外にどの項目が含まれるのかは、2026年10月27日時点の発表には書かれていません。ユミルリンクの報告によると、Cuenote FCのアドレス帳に登録される付属情報は利用する企業ごとに違い、調査が完了しだい報告するとされています。毎日新聞社の場合に何が登録されていたのかは、今後の続報で分かる段階です。
公表までの経緯。10月18日の停止、21日の再開、26日の再停止
今回の事案で特徴的なのは、いったん「情報漏えいは確認されていない」として配信を再開したあと、5日後に再び停止している点です。毎日新聞社の発表とユミルリンクの第二報から、日付順に整理すると次のようになります。
- 2026年10月16日、ユミルリンクの担当者が一部のシステムで不正アクセスが生じていることを確認し、調査を始めた
- 2026年10月18日、ユミルリンクから毎日新聞社に「不正アクセスを検知した」との連絡があり、毎日新聞社は自社からのメール配信を一時停止した
- 2026年10月19日、ユミルリンクが第一報を公表。同じ日に警視庁のサイバー事案通報窓口と個人情報保護委員会に届け出た
- その後、ユミルリンクから毎日新聞社に、毎日新聞社が利用する環境では「情報漏えいは確認されていない」との連絡があった
- 2026年10月21日、毎日新聞社はメールマガジン等の配信を再開した
- 2026年10月22日、ユミルリンクがすべてのシステムのログインと操作の記録をさかのぼって調べ始めた
- 2026年10月25日21時45分、ユミルリンクが新たに42のシステムで不正アクセスとデータの出力の記録があることを確認した
- 2026年10月26日12時30分までに、ユミルリンクが新たに影響が確認された42社へ連絡した
- 2026年10月26日、毎日新聞社はユミルリンクから「一部データが外部に不正に取得された可能性が高い」との連絡を受け、メール配信を再び停止し、同じ日にお知らせを公表した。同じ日にユミルリンクも第二報を公表した
つまり、10月18日の時点では毎日新聞社の環境は「漏えいは確認されていない」という判断で、それを受けて10月21日に配信を再開していたところ、ユミルリンクのさかのぼり調査で10月25日に新たな記録が見つかり、10月26日に毎日新聞社へ連絡が入った、という流れです。毎日新聞社のお知らせは、この連絡を受けた「本日」付で出されています。
10月21日から10月26日までの間に配信されたメールマガジンや速報が、そのまま届いていた人もいるはずです。この間に受け取ったメールが偽物だったという話ではありません。配信そのものは毎日新聞社が送ったもので、問題はその配信に使っていた登録先の情報が外に出た可能性がある点です。
2026年10月27日時点で、毎日新聞社のお知らせの一覧に載っている本件の文書は10月26日の1本だけで、第2報や訂正は出ていません。ユミルリンクのお知らせの一覧も、10月26日の第二報が最新です。
漏洩した可能性がある項目と、含まれないと明記された項目
今回の発表で最も大事なのは、漏洩した可能性がある情報と、含まれないと明記された情報を分けて読むことです。毎日新聞社の文書をもとに表にすると、次のようになります。
| 区分 | 項目 | 公式の記載 |
|---|---|---|
| 漏洩した可能性がある | ニュースやイベントの案内をメールで受け取っている人のメールアドレス | 「漏洩した可能性があるのは、ニュースやイベントの案内をメールで受け取られている方のメールアドレス等です」 |
| 漏洩した可能性がある | 上記に付く「等」の中身 | 2026年10月27日時点の発表に項目の記載なし |
| 含まれない | クレジットカード情報 | 「クレジットカード情報は含まれておりません」 |
| 記載なし | 件数 | 2026年10月27日時点の発表に記載なし |
氏名、住所、電話番号、生年月日、毎日新聞デジタルのログインに使うIDやパスワードについては、毎日新聞社の文書に「漏れた」とも「含まれない」とも書かれていません。この記事では、書かれていないものを「漏れていない」と言い切ることはしません。同じく「漏れた」と決めつけることもしません。分かっているのは、メールアドレス等が対象で、クレジットカード情報は含まれない、という2点です。
ユミルリンクの第二報には、Cuenote FCに登録される情報の種類が一般論として書かれています。アドレス帳には「配信先メールアドレスおよびメールへの差込みや抽出のための氏名や都道府県、生年月日などの付属情報」が登録され、どの付属情報を登録するかは企業ごとに違う、という説明です。ほかに、一斉送信ごとの配信記録、メールマガジンの申し込みページからの登録記録、サービスを利用する企業の担当者の情報が挙げられています。毎日新聞社がどの付属情報を登録していたかは、ユミルリンクの調査が完了したあとの報告で分かります。
メールアドレスが漏れた場合に起こりやすいのは、そのアドレス宛てに偽のメールが届くことです。毎日新聞社も「送信元が不明なメールや心当たりのないメールに十分ご注意いただくようお願いいたします」と書いています。今回の事案の影響は、まずここに現れます。
対象になりうる人。配信停止の対象から読み取れる範囲
毎日新聞社のお知らせには、対象者を特定する条件は書かれていません。読み取れるのは「ニュースやイベントの案内をメールで受け取られている方」という範囲と、配信停止の対象として挙げられたサービスの一覧です。
配信停止の対象としている4つは次のとおりです。
- ニュース速報
- 朝昼夕ニュースレター
- 各種メールマガジン
- 各種お知らせ、等
これらのメールを毎日新聞社から受け取っていた人は、登録したメールアドレスがCuenote FCに保存されていた可能性があります。逆に、毎日新聞社からのメールを一切受け取っていない人は、公式の文書を読む限り、今回の範囲の外です。
注意したいのは、毎日新聞社の文書が「毎日新聞デジタルの会員情報が漏れた」とも「購読者の情報が漏れた」とも書いていない点です。対象として書かれているのはメールの配信に使う情報で、クレジットカード情報は含まれないと明記されています。毎日新聞デジタルの有料会員だから対象、紙の新聞を取っているから対象、という書き方にはなっていません。あくまで「ニュースやイベントの案内をメールで受け取っていたか」が目安です。ただし、会員登録や購読の申し込みのときにメールマガジンの受信を選んでいた人は、受け取っていた側に入ります。自分がどのメールを受け取っていたかは、受信箱で毎日新聞社からのメールを検索すると分かります。
件数については、毎日新聞社の発表に数字はなく、ユミルリンクも第二報で、漏洩件数を調査中のシステムが16あると書いています。毎日新聞社が使っていたシステムの件数が確定するのを待つ段階です。報道やSNSで具体的な数字を見かけても、毎日新聞社の公式の文書に載るまでは確定した事実として扱わないのが安全です。
原因。委託先ユミルリンクの「Cuenote FC」で起きたこと
原因について、毎日新聞社の文書は「ユミルリンク株式会社の『Cuenote FC』において不正アクセスが発生した」とだけ書いています。何が起きたのかは、ユミルリンクの第二報に詳しく書かれています。
当該システムのアクセス記録を確認したところ、Ⅰ.プログラムの脆弱性により、Ⅱ.当社サポート・品質管理担当者のサービスへの認証情報を取得していること、Ⅲ.不正プログラムを設置しデータベースからデータを出力していること、Ⅳ.当社サポート・品質管理担当者の認証情報を用い、他のシステムへの認証を試みていることを確認いたしました。 出典: cuenote.jp
専門用語を言い換えると、次の4段階です。
- プログラムの弱点(脆弱性。設計や作りの穴で、攻撃者に悪用されうる部分のこと)を突かれた
- その結果、ユミルリンクのサポートや品質管理の担当者がサービスに入るための認証情報(IDやパスワードなど、本人であることを示す情報)を取られた
- 攻撃者が不正なプログラムを仕掛けて、データベースからデータを書き出した
- 取った担当者の認証情報を使って、他のシステムにも入ろうとした
第二報ではさらに、その後の解析で新たに45のシステムについて、不正プログラムを介して他のシステムのデータを参照していたことと、ログイン時のセッション情報(ログイン済みであることを示す一時的な情報)を取得して不正にログインしていたことが確認された、と書かれています。第二報のサービスの一覧表では、Cuenote FCの欄に「ライブラリの脆弱性により、49システムで情報漏洩が発生」とあります。ライブラリとは、プログラムを作るときに共通の部品として組み込むソフトウェアのことです。
毎日新聞社の環境が「確認されていない」から「可能性が高い」に変わった理由も、この経緯で説明がつきます。第一報の時点でユミルリンクが確認していたのは5つのシステムでしたが、10月22日から全システムの記録をさかのぼって調べた結果、10月25日に新たに42のシステムでデータの出力記録が見つかりました。毎日新聞社への10月26日の連絡は、この42社への連絡と同じ日付です。
侵入された弱点がどのライブラリのものか、攻撃者が誰かといった点は、2026年10月27日時点の公式の文書には書かれていません。ユミルリンクは「外部専門家の協力のもと詳細調査を進め」ると書いており、情報処理推進機構(IPA)には全容の解明と原因の特定が終わりしだい届け出る予定としています。原因の細部は、まだ確定していない段階です。
毎日新聞社とユミルリンクの対応。発表に書かれていること、書かれていないこと
会社の対応は、発表に書かれていることと書かれていないことを分けて読む必要があります。2026年10月27日時点で分かる範囲を整理します。
毎日新聞社の対応として文書に書かれているのは、次の3つです。
- 2026年10月26日に各種メール配信を停止した
- ユミルリンクに対して、影響範囲等を速やかに情報提供するよう求めている
- 新たにお知らせすべき事実が判明した場合には速やかに知らせる
一方で、対象者への個別の通知を行うかどうか、パスワードの初期化、お詫びの品や補償については、毎日新聞社の文書に記載がありません。この記事では、書かれていないことを「ある」とも「ない」とも書きません。メールアドレスが対象で、パスワードが対象とは書かれていないので、パスワードの初期化が行われないのは不自然ではありませんが、それも推測の域を出ないので、続報を待つ必要があります。
ユミルリンクの対応として第二報に書かれているのは、脆弱性のあるプログラムの修正、サポートと品質管理担当者の認証情報の削除、不正プログラムの検知体制の整備、認証画面とAPIへの接続元IP制限、捜査機関への届出です。公的機関への報告は、警視庁への通報、個人情報保護委員会への報告、一般社団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)への報告を済ませ、IPAには原因の特定が完了しだい届け出るとされています。
ユミルリンクは「現時点において、漏洩した個人情報が不特定多数に公開された事実及び本事案に起因する個人情報の不正利用等の事実は確認されておりません」とも書いています。ただし同じ文書で、同社のドメインを使って第三者を装った迷惑メールが複数確認されているとして、注意を呼びかけています。公開や不正利用が確認されていないことと、悪用されないことは別なので、読み分けが要ります。
自分が対象かを確かめる方法
2026年10月27日時点で、毎日新聞社から対象者への個別の通知があるかどうかは、公式の文書に書かれていません。自分で対象かどうかを確かめる専用の画面も案内されていません。確かめる手がかりは、次の3つです。
- 受信箱で毎日新聞社からのメールを探す。ニュース速報、朝昼夕ニュースレター、メールマガジン、お知らせのどれかを受け取っていたなら、そのアドレスが配信サービスに登録されていた可能性がある
- 毎日新聞社の公式サイトのお知らせの一覧で続報を確かめる。件数や対象の範囲、個別の通知の有無が公表されれば、そこで分かる
- 分からないことは、毎日新聞社が本件の相談窓口として案内している問い合わせフォームから聞く
1つ目について、複数のメールアドレスを使い分けている人は、どのアドレスで受け取っていたかまで確かめてください。配信先として登録されていたアドレスが、今回の対象になりうるアドレスです。仕事用のアドレスでニュースレターを受け取っていた人は、仕事用の受信箱が対象になります。
メールアドレスを入力すると、そのアドレスが過去に公開された漏えいデータに含まれているかを調べられる無料のサイトもあります。使い方と結果の読み方の注意点は情報漏えいの記事(have-i-been-pwned)に書いてあります。ただし、今回のデータがそうしたサイトに載るかどうかは分かりません。ユミルリンクも不特定多数への公開は確認されていないと書いているので、「載っていないから大丈夫」とは言えない点は押さえておいてください。
対象者へのお知らせを装った偽のメールが届く可能性も考えておく必要があります。「お客様の情報が漏えいしました。こちらから確認してください」という文面でリンクを押させる手口は、過去の漏えい事案でも繰り返し使われてきました。毎日新聞社から本当に通知が来るとしても、その真偽はメールの中身ではなく、自分で開いた公式サイトのお知らせで確かめてください。
受信者が今すること。メールアドレスが漏れた可能性がある場合に要る対策
漏洩した可能性がある項目に合わせて、要るものだけを挙げます。クレジットカード情報は「含まれておりません」と明記されているので、今回の件だけを理由にカードを止めたり作り直したりする必要は、公式の発表からは読み取れません。
届いたメールのリンクから何も入力しない
いちばん大事なのはここです。メールアドレスが漏れた場合の影響は、そのアドレス宛てに本物らしい偽のメールが届くことに集中します。毎日新聞社も、送信元が不明なメールや心当たりのないメールに注意するよう求めています。毎日新聞を名乗るメール、ユミルリンクを名乗るメール、カード会社や宅配業者を名乗るメールのどれであっても、メールの中のリンクからログインしたり、個人情報やカード番号を入力したりしないでください。気になる内容なら、自分でブックマークした公式サイトや公式アプリを開いて確かめます。
そのメールアドレスをログインに使うサービスのパスワードを見直す
今回の発表で漏れた可能性があるとされているのはメールアドレス等で、パスワードが対象とは書かれていません。それでも見直しをすすめるのは、メールアドレスは多くのサービスでログインIDを兼ねているからです。別の事案で漏れたパスワードと、今回漏れた可能性があるアドレスを組み合わせてログインを試す手口があります。同じパスワードを複数のサービスで使い回している人は、この機会にサービスごとに別のパスワードに変えてください。毎日新聞デジタルにそのアドレスで登録している人は、毎日IDのパスワードも、他で使い回していれば変えておくのが確実です。
ユミルリンクも第二報で、同社のサービスを使う企業に向けて「他社サービスにおいて同一のパスワードを使い回されている場合は、二次被害を防止するため、そちらのパスワードもあわせてご変更いただけますようお願いいたします」と書いています。読者の立場でも同じ考え方が当てはまります。
二段階認証を使えるサービスでは有効にする
二段階認証(パスワードに加えて、手元の端末に届く確認コードなどを求める仕組み)を使えるサービスでは有効にしておくと、パスワードが当てられてもログインされにくくなります。とくに、今回のメールアドレスをログインに使っている通販サイト、決済サービス、SNSは優先度が高い場所です。仕組みの選び方はMFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で詳しく書いています。
身に覚えのない確認コードや通知に気を付ける
パスワードの再設定や二段階認証の確認コードが、自分で操作していないのに届いたら、誰かがそのアドレスで手続きを試みている可能性があります。コードは誰にも教えず、そのサービスのパスワードを自分で開いた公式サイトから変えてください。ユミルリンクは「当社からメールやSMS、お電話等において、お客様のパスワード、認証コード、およびクレジットカード情報等の個人情報を直接お尋ねすることは一切ございません」と書いています。確認コードを電話で読み上げるよう頼まれたら、相手が誰を名乗っていても応じないでください。
カードの明細は念のため見ておく
カード情報は含まれないとされていますが、偽のメールから偽のサイトに誘導され、そこでカード番号を入力してしまう二次被害は起こりえます。今回の件をきっかけに、カードの利用明細を1度見ておき、身に覚えのない請求がないかを確かめてください。見覚えのない請求があれば、カードの裏面に書かれたカード会社の窓口に連絡します。
届いたメールが本物かを見分ける手がかり
今回の事案で最も起こりやすいのは、漏れた可能性があるアドレス宛ての偽のメールです。毎日新聞社は、今回の事案の前から偽メールへの注意喚起を出しています。2025年12月9日付のお知らせでは、「毎日新聞」を装った偽メールが送られていることが確認されたとして、「定期アカウント確認のお願い」等の件名で送られてきたメールのリンクは絶対にクリックしないよう呼びかけています。このお知らせは毎日新聞社のお知らせのページで読めます。
ユミルリンクの第二報にも、同社のドメインを使った迷惑メールの例が載っています。件名が「ご利用確認のお願い」「利用内容確認のご依頼」で、送信元の表示が「セゾンカード<[email protected]>」「SAISON<[email protected]>」のものです。ユミルリンクは、これらは同社や名前を使われた会社が送ったものではなく、詐欺の可能性があると注意を呼びかけています。毎日新聞社からのメールを受け取っていた人に、毎日新聞を名乗るメールだけが来るとは限らず、カード会社などを名乗るメールが届くこともある、ということです。
見分けるときの基本は、メールの中身で判断しないことです。送信元の表示名は自由に付けられるので、「毎日新聞」と表示されていても本物とは限りません。本物のドメインが使われているように見えても、ユミルリンクの例のように配信サービスのドメインが悪用されることもあります。「本物らしい」は判断の材料になりません。代わりに、次の手順で確かめてください。
- メールのリンクは押さない。添付ファイルも開かない。返信もしない
- 気になる内容なら、自分でブックマークした毎日新聞社や毎日新聞デジタルの公式サイト、または公式アプリを開く
- アカウントの確認や情報の更新が本当に要るなら、ログイン後の画面に案内が出ているかを見る
- 画面に何も出ていないのにメールだけが急がせてくるなら、偽メールと考えて削除する
「アカウントが停止されます」「24時間以内に確認してください」のように期限を切って急がせる文面、メールアドレスやパスワードをその場で入力させる文面は、偽メールに共通する特徴です。毎日新聞社の2025年12月のお知らせに載っていた「定期アカウント確認のお願い」も、この型に当てはまります。
社内や家族で同じ手口への備えを考えるときの方法は社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドで扱っています。メールだけでなく、SMSや電話にも同じ考え方が当てはまります。
問い合わせ窓口。公式に載っている連絡の方法
毎日新聞社のお知らせに本件の相談窓口として載っているのは、問い合わせフォームです。電話番号は本件の窓口としては書かれていません。関係する窓口を整理すると次のとおりです。
| 窓口 | 連絡の方法 | 受付時間 | 載っている場所 |
|---|---|---|---|
| 毎日新聞社 本件に関するご相談窓口 | 問い合わせフォーム | 記載なし | 10月26日のお知らせ |
| 毎日新聞社 個人情報・マイナンバー事務局 | 電話 03-3212-0123 | 平日午前10時から午後5時(土、日曜、祝日、年末年始は休み) | 「個人情報について」のページ |
| ユミルリンク 不正アクセス専用お問い合わせ窓口 | 電話 03-6820-0088/メール [email protected] | 電話は平日9時から20時 | ユミルリンクの第二報 |
本件の窓口は、毎日新聞社が本件に関するご相談窓口として案内している問い合わせフォームです。個人情報・マイナンバー事務局の電話番号は、毎日新聞社の個人情報についてのページに、個人情報の取り扱いに関する問い合わせと苦情の窓口として載っているものです。本件専用の番号ではないので、まずはフォームから聞き、電話で聞きたい事情があるときの窓口と考えてください。来社しての申し出は受け付けていないとも書かれています。
ユミルリンクの窓口は、メールは24時間受け付けで、返信は平日9時から19時の間に順に行うとされています。ただ、この窓口は主に同社のサービスを使う企業向けの性格が強く、読者としての問い合わせは、まず配信元である毎日新聞社の窓口にするのが筋です。
窓口に連絡するときは、メールに書かれたリンクや番号ではなく、自分で開いた公式サイトに載っている窓口を使ってください。偽のメールに偽の問い合わせ先が書かれていることがあるためです。問い合わせの前に、登録しているメールアドレス、受け取っていたメールの種類、受け取った不審なメールの件名と受信日時を手元に控えておくと、話が早く進みます。
同じ委託先で影響が広がっている。ユミルリンクの第二報から分かること
今回の事案は、毎日新聞社だけの問題ではありません。ユミルリンクの第二報によると、Cuenote FCで情報漏洩の痕跡を確認したシステムは49システム、漏洩の恐れがある件数は延べ51,628,280件です。「延べ件数」は49のシステムそれぞれの件数を合計した数で、人数を数えたものではありません。同じ人が複数の会社のメールマガジンを受け取っていれば、その人は複数回数えられます。漏洩件数を調査中のシステムがまだ16あり、延べ件数は今後の調査で増える可能性があるとされています。
第一報の時点では、影響のあるシステムは5つで、メールアドレスを含む情報が延べ約900万件出力されたと試算されていました。第二報でシステムの数が49に増えたのは、10月22日からの全システムのさかのぼり調査の結果です。第一報はユミルリンクの第一報のページで読めます。
ユミルリンクの顧客管理システム「Cuenote BASE」でも、プログラムの脆弱性により契約者情報が閲覧可能な状態だったとして、190件の企業名、氏名、電話、メールアドレスが挙げられています。こちらはユミルリンクと契約している企業の担当者の情報で、読者のメールアドレスの話とは別です。Cuenote SR-S、Cuenote SMS、Cuenote Auth、Cuenote Survey、Cuenote Push、安否確認サービスについては「情報漏洩など影響はありません」とされています。
読者にとっての意味は、毎日新聞社以外の会社からも同じ時期に「配信委託先からの漏えい」の連絡が届く可能性がある、ということです。複数の会社のメールマガジンを受け取っている人は、それぞれの会社の公式の発表を別々に確かめる必要があります。似た文面の通知がいくつも届く時期は、偽の通知が紛れ込みやすい時期でもあります。
在宅で働く人が確かめておきたいこと。仕事用アドレスと、自分が配信元になる場合
在宅で仕事をしている人やフリーランスにとって、今回の事案は2つの面で関わります。
1つ目は、仕事用のメールアドレスで毎日新聞社のニュース速報やメールマガジンを受け取っていた場合です。そのアドレスが外部に出た可能性があります。仕事用の受信箱は、請求書や契約書の添付ファイルを開く機会が多い場所なので、毎日新聞を名乗るメールだけでなく、取引先や請求を装ったメールにも注意が要ります。ニュースレターの登録用のアドレスと、取引先に伝えるアドレスを分けておくと、次に同じことが起きたときの影響を切り分けられます。
2つ目は、自分がメール配信サービスを仕事で使っている場合です。顧客向けのお知らせや、講座の受講者への連絡に配信サービスを使っているなら、自分は配信先リストを預けている「委託元」の立場で、今回の毎日新聞社と同じ側に立ちます。個人情報保護委員会の「漏えい等の対応(個人情報)」のページでは、報告が義務になる場合として、「不正の目的をもって行われたおそれがある」行為による個人データの漏えい等(そのおそれを含む)が挙げられ、「不正の目的をもって」の主体には盗難などの第三者も含まれると書かれています。例として「不正アクセスにより個人データが漏えいした場合」と「不正検知を行う専門家等の第三者から漏えいのおそれについて連絡を受けた場合」が載っています。不正な目的のおそれがある場合の報告の期限は、発覚した日から60日以内とされています。
同じ委員会のFAQ(Q6-11)には、住所、電話番号、メールアドレス、SNSアカウントといった個人データのみの漏えいは、直ちに「不正に利用されることにより財産的被害が生じるおそれがある個人データの漏えい等」に該当するものではないと考えられる、とあります。ただしこれは報告の要件のうちの1つについての説明で、不正アクセスによる漏えいのおそれは別の要件で報告の対象になります。メールアドレスだけだから報告は要らない、と自分で線を引かず、委員会のページで報告の要否と手順を確かめてください。
取引先に知らせるかどうかも同じで、取引先の個人データを預けた先から漏えいのおそれの連絡が来た時点で、事実を伝えるのが預かる側としての基本です。伝える文面は、何が起きたか、何が漏れた可能性があって何が含まれないか、相手に何をしてほしいかの3点を短く書くと伝わります。今回の毎日新聞社のお知らせは、まさにこの3点で構成されています。文書の組み立て方はビジネス文書検定の案内も参考になります。
@SOHOは2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきましたが、仕事のアカウントを守る基本は、サービスごとに別のパスワード、仕事用と個人用のアドレスの分離、二段階認証の3つです。情報セキュリティを仕事の分野として扱いたい人は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、在宅でできるセキュリティ関連の仕事の種類と求められる知識を確かめてください。今回のように、委託先の発表と委託元の発表を並べて、何が確定で何が可能性の段階かを読み分ける作業は、そのまま仕事の基礎になります。
続報をどこで追うか。確かめる場所と、読むときの注意
2026年10月27日時点で、この事案の続報が出る場所は次のとおりです。
- 毎日新聞社のお知らせの一覧(10月26日の文書が掲載されている)
- ユミルリンクのお知らせの一覧(第一報と第二報が掲載されている)
- 毎日新聞社の問い合わせフォーム(個別に聞きたいことがあるとき)
続報を読むときは、毎日新聞社の発表とユミルリンクの発表を分けて読んでください。ユミルリンクの件数は全体の延べ件数で、毎日新聞社の読者の件数ではありません。毎日新聞社の読者の件数と、メールアドレス以外にどの項目が含まれていたかは、ユミルリンクが「調査が完了し次第ご報告いたします」としているアドレス帳の調査の結果を待って、毎日新聞社から出る続報で分かります。
もう1つ、表現の変化にも注意してください。毎日新聞社の文書は2026年10月27日時点で「漏洩した可能性がある」という言い方で、ユミルリンクからの連絡も「可能性が高い」です。続報で「漏えいした」と確定の表現に変わるか、対象外と確認されるかは、まだ分かりません。報道やSNSで断定の表現を見かけても、毎日新聞社の公式の文書の表現を基準にするのが確実です。
漏洩した可能性があるのはメールアドレス等で、クレジットカード情報は含まれないとされています。慌ててカードを止める必要はありませんが、これから届くメールへの警戒は、件数と項目が確定するまで続けておくのが確実です。メール配信が止まっている間は、毎日新聞社からニュース速報やメールマガジンが届かない状態が続きます。その間に「配信再開のお知らせ」を装うメールが届いても、リンクは押さず、公式サイトのお知らせで再開の事実を確かめてから対応してください。
よくある質問
Q. 毎日新聞の情報漏洩で、クレジットカード情報は漏れましたか?
2026年10月26日の毎日新聞社の発表では、クレジットカード情報は「含まれておりません」と明記されています。漏洩した可能性があるとされているのは、ニュースやイベントの案内をメールで受け取っている人のメールアドレス等です。今回の件だけを理由にカードを止める必要は、公式の発表からは読み取れません。偽メールからカード番号を入力してしまう二次被害には注意が要ります。
Q. 自分が対象かどうかは、どうすれば分かりますか?
2026年10月27日時点で、対象者を自分で確かめる専用の画面や個別通知の有無は公式に案内されていません。受信箱で毎日新聞社からのニュース速報、ニュースレター、メールマガジン、お知らせを受け取っていたかを確かめ、受け取っていたならそのアドレスが対象になりうると考えてください。分からないことは、毎日新聞社が案内している問い合わせフォームから聞けます。
Q. 毎日IDのパスワードは変えたほうがいいですか?
毎日新聞社の発表では、漏洩した可能性があるのはメールアドレス等で、パスワードが対象とは書かれていません。ただし、メールアドレスはログインIDを兼ねることが多いので、同じパスワードを他のサービスと使い回している場合は、毎日IDを含めてサービスごとに別のパスワードに変えるのが確実です。変更は、メールのリンクからではなく、自分で開いた公式サイトから行ってください。
Q. 件数は何件ですか?
2026年10月27日時点で、毎日新聞社の発表に件数の記載はありません。委託先のユミルリンクは、漏洩件数を調査中のシステムが16あると公表しており、毎日新聞社が使っていたシステムの件数は調査の完了を待つ段階です。ユミルリンクが公表している延べ件数は同社の全顧客の合計で、毎日新聞社の読者の件数ではありません。
この記事について
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監修:@SOHO編集部
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ニチガスの情報漏洩|マイニチガスの新規会員登録システムへの不正アクセスで85件 範囲と利用者が確かめること 2026

山形県メールマガジンで情報漏えいのおそれ|ブラストメール経由でメールアドレス 登録者が確かめること 2026

朝日新聞のメール配信で情報漏洩の可能性|ユミルリンクのCuenote経由でアドレス帳が外部に出力 読者が確かめること 2026

ドトールコーヒーの情報漏洩|不正アクセスで4店舗の従業員・退職者951名の口座番号などが流出した可能性 対象者が確かめること 2026
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