LINEで予約を受けるシステムの比べ方|連携の仕組みと手数料の違い

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
LINEで予約を受けるシステムの比べ方|連携の仕組みと手数料の違い

この記事のポイント

  • ✓LINE予約システムを比較するときは
  • ✓予約システムの料金とLINE公式アカウントの料金を分けて見るのが近道です
  • ✓主なサービスの公式料金

LINE予約システムを比較しようとして各社のページを開くと、「LINE連携」という同じ言葉が、まったく違う仕組みを指していることに気づきます。予約の入口がLINEの中にあるもの、予約はWebのフォームで受けて通知だけLINEに送るもの、LINE公式アカウントの機能そのものを拡張するもの。この違いを押さえずに料金だけを並べると、契約してから「思っていた使い方と違う」となりがちです。

結論から言うと、LINEで予約を受ける仕組みを選ぶときは、次の2つを分けて考えるのがいちばんの近道です。1つは予約システムそのものの料金、もう1つはLINE公式アカウントのメッセージ料金です。この記事では、連携の仕組みの違い、主なサービスの公式料金(2026年10月3日時点で各社の公式ページを確認)、見落としやすい手数料、店の規模ごとの選び方を順に整理します。

LINE予約システムを比べる前に押さえる結論

先に結論を3つ示します。細かい比較はこのあと順に説明します。

1つ目は、「LINEで予約できる」と書かれていても、予約の受付画面がどこにあるかはサービスごとに違うという点です。LINEのトーク画面やミニアプリの中で日時を選ぶ形もあれば、LINEのメニューからWebの予約ページへ移る形もあります。お客様から見た手間はほぼ同じでも、店側の設定の難しさや、使える機能の範囲が変わります。

2つ目は、費用が二階建てになるという点です。予約システムの月額料金とは別に、LINE公式アカウントの料金プランがかかります。リマインドや再来店の案内をLINEで送る場合、どの通知がメッセージ通数に数えられるかで、月々の費用が変わります。

3つ目は、「手数料」という言葉が少なくとも3種類あるという点です。事前決済を使ったときの決済手数料、予約件数がプランの上限を超えたときの追加料金、LINEのメッセージ通数を超えたときの追加料金。どれが自分の店に関係するかを先に確かめると、比較の手間が大きく減ります。

予約の大半が電話やInstagramのDMから来ていて、LINEの友だちがまだ少ない店なら、LINE連携の有無より、予約ページが分かりやすいか、リマインドが自動で送れるかを優先したほうが効果を感じやすい傾向があります。逆に、すでにLINE公式アカウントの友だちが数百人以上いて、そこから予約が来ている店なら、LINEの中で予約から通知まで完結する仕組みが合います。

LINEで予約を受ける仕組みは大きく3つ

LINE予約システムと呼ばれるものは、仕組みで分けると次の3つになります。

LINE公式アカウントの機能を拡張する型

LINEヤフーが提供する、LINE公式アカウントそのものに予約や顧客管理の機能を加える形です。美容サロン向けには「LINEビューティープラス」があり、公式の案内では、店舗のLINE公式アカウントから予約でき、キャンセルもLINE上で対応できると説明されています。予約完了やキャンセル時、予約前日のリマインドを店舗のLINE公式アカウントから自動で通知でき、この予約に関する自動通知は無料と明記されています。

この型の良さは、お客様がLINEから出ずに予約から変更まで済ませられることです。一方で、対象の業種が決まっていることと、月額費用が比較的高めであることは押さえておく必要があります。

外部の予約システムがLINEと連携する型

STORES 予約やSelectTypeのように、もともとWebの予約システムとして作られたサービスが、LINE公式アカウントと連携する形です。STORES 予約は公式ページで、LINEミニアプリと連携することでLINE経由での予約受付や来店前日のリマインドなどのメッセージ配信ができると説明しています。SelectTypeは、予約フォームで受け付けた予約情報をLINE公式アカウントと連携し、予約完了通知や予約内容の確認、リマインド通知をお客様がLINEで受け取れる仕組みだと説明しています。

この型は、業種を選ばず使えるものが多く、LINE以外の入口(WebサイトやInstagramのプロフィールなど)からの予約も同じ管理画面で受けられる点が強みです。

LINEの配信ツールに予約機能が付いている型

LINE公式アカウントの配信を自動化するツールの中には、予約やカレンダーの機能を持つものがあります。この型は、配信やタグ付けで顧客を育てる使い方が中心で、予約機能はその一部という位置づけです。配信の設計に慣れている人には便利ですが、予約の管理だけをしたい店には機能が多すぎることがあります。

どの型が正しいということはありません。予約の入口をどこに置きたいか、予約のあとにお客様へ何を送りたいかで選ぶのが基本です。

費用はLINE公式アカウントの料金と分けて考える

LINE予約システムの費用を見積もるときに、最も見落とされやすいのがLINE公式アカウント側の料金です。LINEヤフーの公式ページでは、LINE公式アカウントの料金プランは次の3つです。

プラン 月額固定費 無料メッセージ通数 追加メッセージ
コミュニケーションプラン 0円 200通 不可
ライトプラン 5,000円(税別) 5,000通 不可
スタンダードプラン 15,000円(税別) 30,000通 1通あたり3円(税別)以下

通数の数え方は公式ページに次のように書かれています。

LINE公式アカウントで1回に配信できるメッセージは最大3吹き出しまで、「メッセージを送った回数」×「送った友だちの数」を「通数」としてカウントします。また、さまざまなメッセージ機能がありますが、すべてのメッセージ配信が課金対象としてカウントされるわけではありません。LINEチャットの送受信や自動応答メッセージなどの機能は無料で活用できます。 出典: lycbiz.com

ここで大事なのは、友だち全員に一斉に送るお知らせは「送った回数×友だちの数」で数えられるという点です。友だちが300人いる店が月に1回お知らせを送るだけなら300通で、無料の200通を超えます。コミュニケーションプランは追加配信ができないため、このままでは全員に届けられません。

一方、チャットでの個別のやり取りや、あいさつメッセージ、応答メッセージは通数に数えられないと公式ページに明記されています。予約システムが送るリマインドがどの扱いになるかはサービスごとに違うので、契約前に「リマインドは通数に数えられますか」と問い合わせておくのが確実です。LINEビューティープラスのように、予約に関する自動通知を無料と明記しているサービスもあります。

月の費用をざっくり見積もるときは、次の順で計算すると漏れが出にくくなります。

  1. 予約システムの月額料金(年契約と月契約で違うことが多い)
  2. LINE公式アカウントの料金プラン(友だちの数×月の配信回数で決まる)
  3. 事前決済を使う場合の決済手数料(売上に対する割合)
  4. 予約件数がプランの上限を超えた場合の追加料金

この4つを合計した金額で比べると、表面の月額だけを見て選ぶより実態に近い比較になります。

主なサービスの料金と連携の違い

ここでは、公式の料金ページで金額を確かめられた3つのサービスを取り上げます。金額はいずれも2026年10月3日に各社の公式ページで確認したもので、改定されることがあるため契約前には必ず公式ページを開いて確かめてください。

LINEビューティープラス(Beautyオプション)

LINEヤフーの公式ページに掲載されている料金は、初期サポート費用が30,000円、月額費用が年契約で1か月あたり14,000円、月契約で1か月あたり17,500円です。スタッフが2名以上在籍する場合は、複数スタッフ利用料として1か月あたり11,000円が加わります。いずれも税別です。年契約は利用開始日から1年分を契約時に一括で支払う形で、公式ページには中途解約が原則できない契約と書かれています。

公式ページでは月額費用の割引キャンペーンも案内されていますが、適用には申込時のコード入力が必要で、契約時期や対象期間が決められています。キャンペーンは予告なく変更や終了があり得ると明記されているので、申し込む時点の条件で計算し直すのが安全です。

機能面では、予約、顧客情報とカルテの管理、カウンセリングシート、空席情報の配信、条件で絞り込んだ配信などがそろっています。外部の予約サイトとの連携は、かんざし連携のオプションが必要で、最低3か月の継続利用が条件とされています。

STORES 予約

STORES 予約の公式料金ページでは、フリープランが0円で月間予約件数50件、予約ページ公開数2です。有料プランは年間契約と複数月契約で金額が分かれていて、年間契約ではスモールが1か月あたり9,790円(税込)、チームが19,690円(税込)、ビジネスが28,600円(税込)、エンタープライズが66,000円(税込)です。複数月契約ではスモールが12,980円(税込)、チームが22,880円(税込)、ビジネスが31,790円(税込)、エンタープライズが77,000円(税込)と掲載されています。いずれも契約した期間の月額費用を一括払いした場合の1か月あたりの金額で、複数月契約は最短3か月からで単月の契約はできないと注記されています。月間予約件数はスモールが200件、チームが300件、ビジネスが2,000件です。

月間予約件数を超えた場合は、50件ごとに1,078円(税込)で受付可能数を追加できます。事前のクレジットカード決済手数料は、フリープランで5.2%から、スタンダードプラン加入時で3.3%からです(いずれも中小特別料率適用時)。LINEとの連携はLINEミニアプリ連携の形で、対象プランや料金はLINE連携機能のページで確認するよう案内されています。

SelectType

SelectTypeの公式料金ページでは、予約システムの料金がフリー(無料)、ベーシック(税込1,650円)、プロフェッショナル(税込3,300円)、プレミアム(税込11,000円)の4段階です。LINE公式アカウントとの連携機能は、料金表ではプレミアムで使える機能で、それより下のプランには30日間のトライアルが付いています。LINE連携の案内ページでは、無料プランからLINE連携機能を試せると説明されています。

決済機能を使った場合の手数料は、クレジットカードでフリーが合計5.6%、ベーシックが合計4.9%、プロフェッショナルとプレミアムが合計4.6%です(いずれも決済代行の手数料3.6%を含む)。フリープランは予約の受付期間が7日後までで、保存できるお客様情報が100人までなど、上位プランと比べて制限があります。

3つを並べて見たときの違い

項目 LINEビューティープラス STORES 予約 SelectType
無料で始められるか 不可(初期費用あり) フリープランあり フリープランあり
有料の最低額 年契約14,000円(税別) 年間契約のスモール9,790円(税込) ベーシック1,650円(税込)
LINEとの関わり方 LINE公式アカウントを拡張 LINEミニアプリ連携 LINE公式アカウント連携
対象 美容サロン 業種を問わない 業種を問わない
契約期間の注意 年契約は原則中途解約不可 年間契約か最短3か月の複数月契約 料金表は1か月あたりの表示

表を見ると、同じ「LINE予約」でも、費用の水準と縛りの強さがかなり違うことが分かります。正直なところ、月の予約が数十件の個人サロンが、最初から年契約の高いプランを選ぶ理由はあまりありません。まずは無料の範囲で、お客様がLINEから本当に予約してくれるかを確かめてから上のプランに移るほうが合理的です。

見落としやすい3つの手数料

比較記事の多くは月額料金を並べますが、実際に請求額を左右するのは月額以外の部分であることが少なくありません。

事前決済の手数料

予約時にクレジットカードで代金を受け取る機能を使うと、売上に対して一定の割合が手数料としてかかります。先に見たとおり、同じサービスでもプランによって率が変わります。たとえばSelectTypeでは、クレジットカード決済の手数料がフリーで合計5.6%、上位プランで合計4.6%です。1か月の事前決済の売上が30万円なら、1%の差は3,000円になります。

事前決済を使わず、来店時に現金やキャッシュレス決済で受け取る店なら、この手数料は関係ありません。無断キャンセルを防ぐために事前決済を入れるかどうかを先に決めると、比べるべき項目が絞れます。

予約件数の超過料金

多くの予約システムは、プランごとに月の予約件数の上限を決めています。STORES 予約では上限を超えると50件ごとに1,078円(税込)がかかります。繁忙期だけ予約が増える業態では、年に数か月だけ超過料金が発生することがあります。通常月と繁忙月の両方で計算しておくと、あとから驚かずに済みます。

LINEのメッセージ通数

LINE公式アカウントのコミュニケーションプランとライトプランは、無料の通数を超えた追加配信ができません。友だちが増えてきたのにプランを変えずにいると、キャンペーンのお知らせが一部のお客様に届かない状態になります。スタンダードプランは追加配信ができますが、配信数に応じた従量課金がかかります。

この3つは、契約書や料金ページの注記に書かれていることがほとんどです。申し込み画面に進む前に、料金ページの一番下の注意書きまで読むことをおすすめします。

LINE予約システムを選ぶ5つのポイント

ここまでの内容を、選ぶときの確認項目として整理します。

予約の入口をLINEの中に置きたいか

お客様の多くがLINEで連絡してくる店なら、LINEの中で予約が完結する仕組みのほうが離脱が少なくなります。InstagramやGoogleマップから来るお客様が多い店なら、どの入口からでも同じ予約ページに飛べる仕組みのほうが管理が楽です。

電話や他の予約サイトの予約を一元管理できるか

LINEからの予約だけを別の画面で管理すると、電話予約や他の集客サイトからの予約と重なって、二重予約が起きやすくなります。手動で予約を登録できるか、外部の予約サイトと連携できるかは必ず確かめてください。

リマインドと御礼を自動で送れるか

無断キャンセルを減らすには、前日のリマインドが効果的です。来店後の御礼や次回の案内まで自動で送れると、再来店のきっかけが作れます。送る手段がLINEなのかメールなのか、通数に数えられるのかもあわせて確認します。

スタッフが増えたときの料金

ひとりで営んでいるうちは問題にならなくても、スタッフを1人雇った途端に料金が大きく変わるサービスがあります。LINEビューティープラスの複数スタッフ利用料のように、人数で加算される料金は、将来の計画とあわせて見ておきます。

契約期間と解約の条件

年契約の一括払いや、最短3か月の契約など、縛りの強さはサービスごとに違います。試してみて合わなかったときにすぐやめられるかどうかは、小さな店ほど大事な条件です。

業態と規模ごとの組み合わせ方

選び方のポイントを、実際の店の形に当てはめてみます。

ひとりで営むネイルサロンやまつげサロンで、月の予約が50件前後なら、まずは無料プランのある予約システムで予約ページを作り、LINE公式アカウントのリッチメニュー(トーク画面の下に出るボタンの並び)に予約ページのURLを登録する形で十分に回ります。この形なら、LINE公式アカウントはコミュニケーションプランのまま、予約システムも無料の範囲で始められます。

スタッフが2〜3人いる美容室で、既存のお客様の多くがLINEの友だちになっているなら、LINEの中で予約から変更まで完結する仕組みを検討する価値があります。その場合は、スタッフの人数による加算と、契約期間の縛りを必ず計算に入れてください。

ヨガ教室や料理教室のように、同じ時間に複数人が参加する形の予約が中心なら、定員や回数券の管理ができるかどうかが選ぶ基準になります。LINE連携の有無より、レッスンの形に合った予約の受け方ができるかを優先したほうが、運営の手間は減ります。

整体院やカウンセリングのように、予約の前に症状や相談内容を聞いておきたい業態では、予約フォームの項目を自由に変えられるかが重要です。聞いた内容を次回の来店時に見返せる顧客管理の機能もあわせて確かめます。

どの業態でも共通するのは、最初から全部入りのシステムを選ばないことです。予約の流れが固まる前に高機能なプランを契約すると、使わない機能に毎月お金を払う状態になりやすいからです。

導入のときにつまずきやすい点

LINE予約システムを入れたものの、思ったほど予約が増えないという相談は珍しくありません。よくある原因は次の3つです。

1つ目は、LINEの友だち追加が進んでいないことです。LINE予約は友だちになってくれたお客様にしか届きません。来店時に会計の場で友だち追加をお願いする、予約完了の画面で友だち追加を案内するなど、入口を作らないと仕組みが空回りします。

2つ目は、ブロックです。お知らせを送りすぎると、お客様はLINE公式アカウントをブロックします。ブロックされると予約のリマインドも届かなくなるため、販促の配信と予約の通知を同じアカウントで送るなら、配信の頻度は控えめにしておくのが無難です。

3つ目は、予約の二重管理です。紙の台帳とLINE予約の管理画面を並行して使うと、どちらかへの記入漏れで二重予約が起きます。導入する日を決めたら、電話予約も含めて予約システムの画面に一本化するのが基本です。

運営者として長く小さな事業者を見てきた限りでは、仕組みを入れたあとに成果が出る店ほど、最初の1か月で「予約が入ってから来店するまでに、お客様に何が届くか」を自分で一通り試しています。自分のスマートフォンで予約を入れてみて、確認の通知、前日のリマインド、キャンセルの手順を体験すると、文面の分かりにくさや抜けている案内にすぐ気づけます。

月の費用を試算してみる

料金表を眺めるだけでは違いがつかみにくいので、架空の店を例に1か月の費用を試算してみます。金額は先に紹介した公式料金を使い、キャンペーンなどの割引は入れていません。

例として、ひとりで営むリラクサロンを考えます。月の予約は80件、LINE公式アカウントの友だちは400人、月に1回だけ全員にお知らせを送り、事前決済は使わないものとします。

まずLINE公式アカウントの費用です。400人に月1回送ると400通になり、コミュニケーションプランの無料通数200通を超えます。コミュニケーションプランは追加配信ができないため、全員に届けるならライトプラン(5,000円、税別)が必要です。お知らせを送らず、予約の通知とチャットだけで運用するなら、コミュニケーションプランのままでも回せる可能性があります。

次に予約システムの費用です。月80件だと、月50件までの無料プランでは足りません。STORES 予約ならスモール(年間契約で1か月あたり9,790円、税込)が候補になります。SelectTypeのベーシック(税込1,650円)は月額が低い一方、LINE公式アカウントとの連携機能は料金表ではプレミアム(税込11,000円)の機能なので、LINEでリマインドを送りたいならプレミアムで計算することになります。LINEビューティープラスは、年契約の月額費用14,000円(税別)に初期サポート費用30,000円(税別)が加わります。

このように、同じ店でも「LINEで何を送りたいか」によって選ぶべきプランが変わり、月の総額は数千円から2万円台まで開きます。試算するときは、次の3点をメモにして各社の料金ページと突き合わせると、比較の軸がぶれません。

  1. 月の予約件数(繁忙月と通常月の両方)
  2. LINEで送りたいもの(予約の通知だけか、販促のお知らせも送るか)
  3. 事前決済を使うかどうか

この3点が決まれば、候補は自然に2つか3つに絞られます。そこから先は、実際に無料プランや試用期間で予約ページを作り、使い勝手で決めるのが確実です。

LINE予約を始めるまでの手順

予約システムを決めたら、次の順番で準備を進めると、公開した日から予約を受けやすくなります。

メニューと所要時間を整理する

予約システムに登録する前に、メニュー名、所要時間、料金、準備や片付けに必要な時間を紙に書き出します。施術の前後に10分の準備時間が必要なのに、所要時間だけで予約枠を作ると、予約が詰まって次のお客様を待たせてしまいます。多くの予約システムには、予約と予約の間に空き時間を設定する機能があるので、ここで決めた数字をそのまま入力します。

受付のルールを決める

何日先まで予約を受けるか、当日の何時間前まで受け付けるか、キャンセルは何日前まで無料かを決めます。キャンセルの規定は、予約ページと予約完了の通知の両方に書いておくと、お客様とのすれ違いを防げます。SelectTypeのフリープランのように、予約の受付期間に上限があるサービスもあるので、決めたルールがプランの範囲に収まるかもあわせて確かめます。

通知の文面を自分で確かめる

予約完了、前日のリマインド、キャンセル受付の通知文は、初期設定のままだと店の名前や持ち物の案内が入っていないことがあります。自分のスマートフォンで予約を入れ、届いた通知を読んで、来店前に知りたいことがすべて書かれているかを確認します。

LINE公式アカウントに入口を作る

リッチメニューに「予約する」のボタンを用意し、友だち追加の直後に届くあいさつメッセージにも予約ページへの案内を入れます。既存のお客様には、来店時に口頭で案内し、その場で友だち追加と予約の流れを一緒に試してもらうと、次回から自分で予約してもらいやすくなります。

LINE連携にこだわらない場合の候補

ここまで見てきたとおり、LINEの中で予約を完結させる仕組みは便利な反面、月額費用や契約期間の縛りが重くなりやすい傾向があります。LINEは連絡の窓口として使い、予約そのものはWebの予約ページで受ける形でも困らない店なら、選択肢はもっと広がります。

その候補の1つが、予約の受付から来店後のフォローまでを扱うRizaflow(リザフロー)です。公式サイトによると、フリープランは月50件・スタッフ1名までの予約を無料で受けられ、期限はありません。予約完了・前日リマインダー・御礼のメールの自動送信、お客様自身が変更や取消をできるキャンセルURL、会員マイページ、顧客管理がフリープランから使えます。有料プランはライトが1か月あたり3,300円(税込、月300件・スタッフ1名)、スタンダードが7,700円(税込、月1,000件・スタッフ10名)で、初期費用はかからず、いつでも解約できると案内されています。

公式の機能一覧にはLINEとの連携機能は載っておらず、通知はメールで届く仕組みです。そのため、予約の入口をLINEの中に置きたい店には向きません。一方で、LINE公式アカウントのリッチメニューやあいさつメッセージに予約ページのURLを登録しておけば、LINEで連絡してきたお客様をそのまま予約ページへ案内できます。登録の際にクレジットカードは不要で、他のシステムから書き出した顧客のCSVを取り込めるため、今の運用を続けたまま試せます。

Rizaflowは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

予約システムの比較から見える、小さな店のIT活用

最後に、LINE予約システムの比較を通して見えてくる、小さな店とITの関わり方について触れておきます。

予約システムやLINE公式アカウントの設定は、管理画面の操作に慣れていれば店主が自分でできる範囲に収まっていることがほとんどです。それでも、予約フォームの項目設計や自動メールの文面、リッチメニューの画像作りなどを外部の人に頼む店は増えています。こうした仕事は、Webサイトや業務の仕組みを作る仕事の一部として扱われることが多く、Web・業務システム開発のお仕事では、予約や顧客管理の仕組みづくりを含む仕事の内容と始め方がまとめられています。

リッチメニューの画像やLINEで使うアイコンを整える仕事は、デザインの分野になります。キャラクター・アイコン・LINEスタンプのお仕事では、LINEまわりのデザインの仕事がどんな形で発注されているかを紹介しています。配信の文面づくりや効果の測り方まで含めて相談したい場合は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事の分野が近くなります。

システムの選定や導入の手順を外部の専門家に相談するときの相場感をつかむなら、システムコンサルタント・設計者の年収・単価相場が参考になります。予約システムの導入支援は、大きな会社のシステム設計ほどの規模ではありませんが、何を聞いて、どう設計し、どう引き渡すかという流れは共通しています。

20年この市場を見てきた立場から言えば、小さな店の仕組みづくりを長く手伝っている人ほど、高機能なツールを勧めるより先に、店主が毎日どの画面を開いているかを確かめています。毎日開く画面に予約が集まる形を作れれば、ツールの名前はあとから決めても間に合います。仲介の手数料が乗らない直接のやり取りで依頼できれば、同じ予算で店は設定まで頼めて、受ける側の手取りも厚くなります。店と作り手の双方が無理なく続けられる関係が、結果的に仕組みを長持ちさせます。

予約の仕組みは、入れて終わりではなく、お客様の動きを見ながら少しずつ直していくものです。まずは無料の範囲で予約ページを作り、自分のスマートフォンで予約から来店後までの流れを体験するところから始めてみてください。

よくある質問

Q. LINE予約システムは無料で使えますか?

無料プランを用意している予約システムはあります。たとえばSTORES 予約のフリープランは月間予約件数50件まで、SelectTypeのフリープランも無料で始められます。ただし、LINEとの連携機能が無料プランでは試用のみだったり、別にLINE公式アカウントの料金がかかったりするため、連携まで含めた総額で確かめることが大切です。

Q. LINE公式アカウントの料金は予約システムの料金に含まれていますか?

多くの場合は含まれていません。LINE公式アカウントには月額0円・5,000円・15,000円(税別)の3つのプランがあり、送れるメッセージの通数が違います。友だち全員に送るお知らせは通数に数えられるため、友だちが増えたら予約システムとは別にプランの見直しが必要になります。

Q. 予約のリマインドもLINEのメッセージ通数に数えられますか?

サービスによって扱いが違います。LINEビューティープラスは予約に関する自動通知を無料と明記していますが、外部の予約システムから送る通知の扱いは各社で異なります。チャットの送受信や応答メッセージは通数に数えられないと公式に書かれているので、それ以外の通知については契約前に提供元へ確認してください。

Q. 小さなサロンが最初に選ぶならどの型が向いていますか?

月の予約が数十件で、LINEの友だちもまだ少ないなら、無料プランのある予約システムで予約ページを作り、LINEのリッチメニューにそのURLを登録する形から始めるのが手軽です。お客様がLINEから実際に予約するようになってから、LINEの中で完結する仕組みへ移るかを判断しても遅くありません。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年1月5日最終更新:2026年10月4日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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