救急外来の面接で聞かれること|現場が見ている点と、聞き返すこと

長谷川 奈津
長谷川 奈津
救急外来の面接で聞かれること|現場が見ている点と、聞き返すこと

この記事のポイント

  • ✓救急外来の面接でよく聞かれる質問と答え方を
  • ✓面接官が何を見ているかから整理しました
  • ✓場面を想定した質問への答え方

救急外来の面接は、「何を聞かれるか」だけを準備して臨むと、半分しか準備できていません。 残りの半分は、「こちらから何を聞き返すか」です。

これ、知らない人が本当に多いんです。 面接は、病院があなたを選ぶ場であると同時に、あなたが職場を確かめる場でもあります。 救急外来は、同じ名前でも病院ごとに人員体制や夜勤の回し方が大きく違います。 面接でそこを確かめずに入職すると、「聞いていた話と違う」という事態が起きやすい職場なんですね。

この記事では、救急外来の面接で面接官が何を見ているのか、よく聞かれる質問にどう答えるか、そして面接の場で聞き返しておくべきことと、書面で確かめておくべき条件までを、順番にお話しします。

救急外来の面接で、現場は何を見ているのか

まず、面接をする側の立場から考えてみましょう。

救急外来の採用面接には、看護部長や副看護部長に加えて、救急外来の看護師長が同席することがよくあります。 病院によっては、救急科の医師が面接に加わることもあります。 看護部は「病院全体の看護師として長く働いてくれるか」を、救急外来の師長は「うちの救急外来で一緒に夜勤を回せるか」を見ています。 同じ面接でも、見ている点が少しずつ違うんです。

救急外来の現場が特に見ているのは、次の5つです。

・予測がつかない状況で、優先順位をつけて動けるか ・少ない人数の夜勤でも、報告と相談をためらわずにできるか ・医師や他の職種と、声をかけ合いながら動けるか ・怒りや不安をぶつけられたときに、感情を落ち着けて対応できるか ・つらい場面が続いても、長く働き続けられそうか

1つ目と2つ目は、救急外来ならではの点です。 救急外来では、救急車とウォークイン(自分で歩いて受診する人)が同時に来ることがあり、誰から対応するかを常に判断しています。 夜勤は日勤より人数が少ないので、「分からないことを1人で抱え込まずに、すぐに声を上げられるか」が、患者さんの安全に直結します。

4つ目も見落とされがちです。 救急外来には、長い待ち時間にいら立つ人、酔って大声を出す人、突然の出来事で取り乱す家族が来ます。 処置の技術と同じくらい、こうした場面での落ち着きが問われます。

5つ目は、採用する側がいちばん気にしている点かもしれません。 救急外来は、看取りや、若い人の突然の死に立ち会うこともある職場です。 人を育てるのに時間がかかるので、すぐに辞めてしまわないかを、面接の会話全体から感じ取ろうとしています。

看護師の転職情報を扱う媒体でも、救急外来や救命救急センターがどんな人に向いた職場なのかが、次のように説明されています。

救急外来や救命救急センターでは、重症度・緊急性が高い患者さんに対して、素早く適切な処置が必要です。急性期看護を経験して、技術や知識を高めたい人が希望する職場だといえます。多くの症例に触れ経験を積むことで、救急看護のエキスパートを目指せるでしょう。 出典: kango-oshigoto.jp

つまり、学ぶ意欲がある人が集まりやすい職場だからこそ、面接では「意欲に加えて、現場の厳しさを分かったうえで続けられる人か」が問われる、ということです。

面接の前に、応募先の救急外来の1日を思い浮かべておく

面接の質問に落ち着いて答えるためには、応募先の救急外来で1日がどう動いているのかを、ある程度思い浮かべておくことが大切です。 同じ質問でも、職場の姿が見えているかどうかで、答えの具体さがまったく変わるからです。

救急外来は、病院の役割によって大きく2つに分けて考えると分かりやすくなります。

二次救急の病院の救急外来は、地域の救急車の受け入れの中心です。 腹痛、発熱、転倒によるけが、脳卒中の疑い、心不全の悪化など、入院になるかもしれない人を幅広く受けます。 日中は一般外来の看護師と協力しながら救急車を受け、夕方以降はかかりつけの診療所が閉まるので、自分で受診する人が増えます。 夜勤は少ない人数で回すことが多く、看護師が院内トリアージで診察の順番を決め、救急車の受け入れ準備と並行して動きます。 入院が決まると、病棟へ申し送りをして送り出します。

三次救急の救命救急センターは、命に関わる重篤な人を受け入れます。 多発外傷、心肺停止、重症のやけどなどで、到着の前から医師、看護師、放射線技師、臨床工学技士が初療室に集まって準備をします。 1人の患者さんに多くの人が同時に関わるので、看護師は記録係、薬剤係、処置の介助係のように、役割を分担して動きます。 重症の人が重なると、全員が長時間その対応に追われることもあります。

この違いを知っておくと、面接で聞かれる質問の意味が分かります。 二次救急の病院が「救急車とウォークインが重なったらどうしますか」と聞くのは、実際に毎晩のように起きていることだからです。 三次救急の病院が「チームで動いた経験を教えてください」と聞くのは、役割分担が仕事の中心だからです。

面接の前に、応募先のホームページで次の点を確認しておきましょう。

・二次救急か、救命救急センターを持つ三次救急か ・年間の救急車の受け入れ台数 ・ドクターカーやドクターヘリの運用があるか ・看護部のページにある、救急外来の紹介や人員の記載

年間の受け入れ台数が分かったら、365で割って1日あたりの台数にしてみてください。 年間4,000台なら、1日に11台ほどです。 この数字を頭に置いたうえで面接に臨むと、「夜勤は何人で、何台くらいを受けるのですか」と、具体的に聞き返せるようになります。 これ、面接官にとっても「よく調べてきた人だ」という印象につながるんです。

よく聞かれる質問と、答えの組み立て方

ここからは、救急外来の面接でよく聞かれる質問と、答え方の考え方をまとめます。 答えを丸暗記する必要はありません。 質問の裏にある「確かめたいこと」を知っておけば、自分の言葉で答えられます。

なぜ救急外来を志望したのですか

最初に聞かれることが多い質問です。 確かめたいのは、「うちの救急外来を選んだ理由があるか」です。 「急性期の看護を学びたい」だけでは、どこの救急外来にも当てはまってしまいます。 自分のきっかけとなった経験、身につけたいこと、それが応募先で叶う理由の3つをつなげて、1分前後で話せるようにしておきます。

急変に立ち会った経験を教えてください

確かめたいのは、急変の場面で自分がどう動き、そこから何を学んだかです。 うまくいった話である必要はありません。 「何ができて、何ができなかったか、その後どう備えたか」を順番に話します。

たとえば、「夜勤中に受け持ちの患者さんが呼びかけに反応しなくなり、応援を呼んで胸骨圧迫を始めました。医師が来るまでの間、記録と薬剤の準備を先輩に任せきりにしてしまい、自分の役割が分からなかったことが心残りでした。その後、院内の急変対応の研修を受け直し、役割分担の流れを確認しています」。

救急車が2台同時に来て、待合室で胸の痛みを訴える人がいたらどうしますか

救急外来の面接では、このような場面を想定した質問をされることがあります。 これには、次の節で詳しく答え方をお話しします。

ストレスをためたとき、どう対処していますか

確かめたいのは、長く続けられるかどうかです。 「特にストレスは感じません」と答えるのは、かえって心配されます。 救急外来の厳しさを分かっていない、と受け取られやすいからです。 「つらい場面のあとは、同僚と振り返りの時間を持つようにしています」「休日は体を動かして切り替えています」など、具体的な方法を話します。

夜勤は月に何回まで入れますか

条件の確認を兼ねた質問です。 ここで無理をして「何回でも大丈夫です」と答えると、入職後に自分を苦しめます。 家庭の事情や体調で制限があるなら、正直に伝えます。 あわせて「夜勤は何人体制で、月に何回くらいが平均ですか」と聞き返すと、自然に職場の実態を確かめられます。

医師と意見が合わなかったとき、どうしますか

確かめたいのは、患者さんの安全のために、必要なことを伝えられるかです。 「医師の指示に従います」とだけ答えると、疑問があっても黙ってしまう人に見えます。 「指示の意図を確認し、それでも患者さんの状態に不安があれば、観察した事実を伝えて再度相談します。必要なら先輩やリーダーにも相談します」と、事実をもとに相談する姿勢を話します。

暴言を言われたり、暴力をふるわれそうになったりしたら、どうしますか

救急外来ならではの質問です。 確かめたいのは、自分や周りの安全を守る判断ができるかです。 「1人で対応しようとせず、距離を取ってすぐに応援を呼びます。院内の暴力対応の決まりに沿って、警備や上司に報告します」と答えます。 「最後まで自分でなだめます」という答えは、責任感があるように聞こえますが、安全面では心配されます。

場面を想定した質問には「順番」で答える

先ほど触れた、「救急車が2台同時に来て、待合室で胸の痛みを訴える人がいたら」という質問に戻ります。

これ、正解の行動を当てる質問ではないんです。 面接官が見ているのは、「どういう順番で考えるか」です。 救急外来には、病院ごとに院内トリアージの決まりや、応援を呼ぶ手順があります。 入職前の人が、その病院の決まりを知らないのは当然です。 だからこそ、考え方の順番を見ています。

答えるときは、次の順番を意識すると整理しやすくなります。

1つ目は、「まず、自分1人で抱えないこと」です。 「すぐにリーダーと医師に、救急車2台の到着予定と、待合室に胸痛の人がいることを伝えます」と、報告を最初に置きます。

2つ目は、「緊急度を見きわめること」です。 「胸痛の方については、顔色、呼吸、冷や汗の有無を見て、バイタルサインを測り、心電図をとれるようにします。緊急度が高いと判断したら、救急車の到着を待つ間に医師に診てもらえるよう相談します」。 救急車で来るから重症、歩いて来たから軽症、とは限りません。 この点に触れられると、救急外来の実態を理解していると伝わります。

3つ目は、「人手を増やすこと」です。 「病院の決まりに沿って、病棟や他の部署に応援を依頼します」。 夜勤であれば、特にこの点が大切になります。

4つ目は、「自分の分からないことは確認すること」です。 「入職後は、院内のトリアージの基準や応援体制を早く覚え、その手順に沿って動けるようにしたいです」と締めると、謙虚さと意欲の両方が伝わります。

つまり、場面を想定した質問には、「報告する」「見きわめる」「人を増やす」「決まりに沿う」という順番で答えれば、大きく外すことはありません。 知識が足りないことを心配するより、1人で抱え込まない姿勢を見せることのほうが、ずっと大切です。

経験別に、面接で伝えたいこと

面接官の見ている点は同じでも、あなたの経験によって、伝えると響くことは変わります。 よくある経験の形ごとにまとめます。

病棟から救急外来へ移る場合

病棟経験者の強みは、入院したあとの患者さんの経過を知っていることです。 救急外来で集めた情報が、病棟でどう使われるのか、どんな情報が足りないと夜間に困るのかを、実感として分かっています。 面接では、「緊急入院を受けたときに困った経験」を具体的に話し、「救急外来では、病棟が必要とする情報を意識して集めたい」とつなげると、救急外来の役割を理解していることが伝わります。 一方で、病棟は受け持ちの患者さんが決まっている職場です。 次に誰が来るか分からない救急外来の働き方に、どう慣れていくつもりかも一言添えておくと安心されます。

手術室や集中治療室から移る場合

重症の人の管理や、急変時の動きに慣れていることは、大きな強みです。 ただし、集中治療室は診断がついた人を継続して看る場所で、救急外来は診断がつく前の人を受ける場所です。 面接では、「診断がつく前の段階で、緊急度を見きわめる判断を身につけたい」と、違いを理解したうえでの意欲を話すと、的外れになりません。

クリニックや介護施設、訪問看護から移る場合

医師がそばにいない場面で、「救急車を呼ぶべきか」を判断してきた経験は、救急外来でも生きます。 特に、高齢の方の搬送が多い地域の病院では、普段の生活の様子や、本人や家族が望む治療の範囲を聞き取る力が重宝されます。 急性期の処置から離れていた期間がある場合は、受け直した講習や、復職に向けて学んだことを具体的に伝えましょう。

ブランクがある場合

ブランクがあることを、隠す必要はありません。 面接官が知りたいのは、ブランクの理由よりも、今どれくらい準備ができているか、入職後にどう学び直すつもりかです。 「BLSの講習を受け直しました」「復職支援の研修で採血と点滴の手技を練習しました」と、行動を伝えます。 あわせて、中途採用者の研修や、夜勤に入るまでの期間を聞き返し、自分に無理のない進め方ができるかを確かめてください。

答えにくい質問、答えなくてよい質問

面接では、答えにくい質問をされることもあります。 ここでは、答え方を工夫すればよい質問と、そもそも聞かれるべきではない質問を分けてお話しします。

答え方を工夫すればよいのは、たとえば短い期間での退職についての質問です。 「前の職場を1年で辞めた理由は何ですか」と聞かれたら、事実を簡潔に話し、その経験から次の職場選びで何を大切にするようになったかを伝えます。 前の職場の悪口にならないよう、「合わなかった点」ではなく「次に求めること」を中心に話すのがコツです。

一方で、そもそも採用の場で聞くべきではない質問もあります。 これ、知らない人が本当に多いんです。 厚生労働省は、応募者の適性や能力と関係のないことを採用選考で聞かないよう、「公正な採用選考」の考え方を示しています。 たとえば、本籍や出生地、家族の職業、宗教、支持する政党などは、仕事の能力とは関係がないため、聞くべきではない事項とされています。 結婚や出産の予定を、女性にだけ聞くことも問題になります。

つまり、こうした質問に、無理に答える義務はありません。 とはいえ、面接の場で「その質問には答えません」と強く返すのは、勇気がいりますよね。 その場合は、「仕事に関わる点でしたら、夜勤は月に何回まで入れます」のように、仕事に関係する形に言い換えて答えるのも1つの方法です。 面接のあとで気になった場合は、ハローワークなどの窓口に相談することもできます。 ※面接での質問が差別にあたるかどうか判断に迷う場合は、労働局やハローワーク、弁護士に相談してください。

面接で聞き返すこと:職場の実態を確かめる質問リスト

面接の終わりに「何か質問はありますか」と聞かれたとき、「特にありません」と答えてしまう人は少なくありません。 でも、救急外来の面接では、ここが職場の実態を確かめる最大のチャンスです。

質問するときは、条件の話だけにならないよう、仕事の中身と体制の質問から始めるのがおすすめです。 次のリストから、自分に大事なものを3〜4つ選んでおきましょう。

人員体制について

・日勤と夜勤は、それぞれ何人の看護師で救急外来を担当していますか ・救急外来は専従の看護師で回していますか、それとも一般外来や病棟と兼務ですか ・夜間に救急車が重なったとき、応援はどこから来ますか ・救急隊からのホットラインは、看護師と医師のどちらが受けていますか

これらの答えで、救急外来の1日の忙しさと、1人あたりの負担がおおよそ分かります。 たとえば夜勤が2名体制で、応援が病棟から来る仕組みなら、夜間は少ない人数で判断する場面が多くなります。

教育と独り立ちについて

・中途採用の人は、どのくらいの期間で夜勤に入るようになりますか ・夜勤に入る前に、先輩と一緒に勤務する期間はありますか ・院内トリアージは、何年目くらいから任されますか ・救急看護の認定看護師は在籍していますか

独り立ちまでの期間は、病院によって大きく違います。 1か月ほどで夜勤に入る病院もあれば、3か月以上かけて段階的に進める病院もあります。 経験やブランクによって、自分に合う進め方を選ぶことが大切です。

働き続けるための仕組みについて

・つらい場面に立ち会ったあと、振り返りや相談の場はありますか ・暴言や暴力への対応は、どんな決まりになっていますか ・救急外来から、病棟などへ異動になることはありますか

最後の異動の質問は、少し聞きにくいかもしれません。

これは次の節でお話しする、書面での確認と深く関わります。

条件は書面で確かめる:労働条件通知書で見る箇所

面接で聞いた話は、口約束のままにしないでください。 これ、本当に大切なことなんです。

労働基準法第15条では、会社が人を雇うときに、賃金や労働時間などの労働条件をはっきり示すことが義務づけられています。 つまり、あなたには「働く条件を書面で受け取る権利がある」ということです。 この書面を、一般に労働条件通知書と呼びます。 病院によっては、雇用契約書と一体になっていることもあります。

さらに、2024年4月からは、労働条件を示すときに「就業場所と業務の変更の範囲」も明示することが義務になりました。 つまり、今は救急外来に配属するとしても、将来どこまで配置転換がありうるのかを、書面に書かなければならなくなったんです。 救急外来を希望して転職する人にとって、ここは必ず確認したい欄です。

労働条件通知書で見ておきたい箇所をまとめます。

確認する欄 見るポイント
就業の場所 雇い入れ直後の配属先と、変更の範囲の書き方
従事すべき業務 救急外来の看護業務と書かれているか、変更の範囲はどこまでか
始業・終業の時刻 日勤と夜勤の時間、休憩時間
所定時間外労働 残業の有無
賃金 基本給と、夜勤手当や救急に関する手当の金額
試用期間 期間と、その間の条件の違い

特に注意したいのは、「変更の範囲」の欄に「会社の定める業務」「全部署」のように広く書かれている場合です。 これは違法ではありません。 病院には、人員に合わせて配置を変える必要があるからです。 ただ、救急外来で働くことを最優先に考えているなら、面接で「救急外来での勤務はどのくらいの期間を想定していますか」と聞いておき、答えを自分でもメモしておきましょう。

もう1つ、救急外来ならではの確認点が「待機」の扱いです。 病院によっては、夜間に仮眠を取りながら、呼ばれたらすぐ対応する勤務があります。 仮眠中であっても、呼ばれたら直ちに対応することが義務づけられている時間は労働時間にあたる、と判断した最高裁の判例(大星ビル管理事件、2002年)があります。 一方で、自宅で連絡を待つオンコールは、呼び出しの頻度や行動の制限の強さによって、労働時間にあたるかどうかの判断が分かれます。 ※待機時間の扱いに疑問がある場合は、労働基準監督署や弁護士に相談してください。

面接の段階では、「夜勤中の仮眠時間はどう扱われていますか」「オンコールの手当はありますか」と、事実を確かめるだけで十分です。

私が見てきた、面接のあとで起きたすれ違い

少し、私自身の経験をお話しさせてください。

以前、医療職の方から、入職後の配属について相談を受けたことがあります。 面接では救急外来の師長さんと話が弾み、救急外来で働く前提で入職を決めたそうです。 ところが入職してみると、最初の配属は内科の病棟でした。 「救急外来の欠員が出たら異動する」という説明を受けたものの、その時期は決まっていませんでした。

私は最初に、労働条件通知書を見せていただきました。 就業場所の欄には病院の名前だけが書かれ、業務の欄には「看護業務」とだけありました。 つまり、書面の上では、どの部署に配属しても約束と違うとは言いにくい状態だったんです。 面接での会話を記録したメモもありませんでした。

正直に言うと、私はこのとき、もっと早く相談してもらえていたら、と悔しく思いました。 入職を決める前に「救急外来での配属を前提としていること」を書面で確認するか、少なくとも面接の内容を日付入りでメモしておけば、話し合いの材料になったからです。 結局その方は、病院と話し合って、半年後の異動の時期を示してもらうことで落ち着きました。

この経験から、私は面接の準備をする方に、次の3つを必ずお伝えしています。

・面接で聞いた配属、夜勤体制、手当の話は、その日のうちに日付入りでメモする ・内定が出たら、労働条件通知書を受け取り、配属先と変更の範囲を確認する ・書面と面接の話が違ったら、入職を決める前に問い合わせる

問い合わせることは、わがままではありません。 働く条件をはっきりさせることは、病院にとっても、入職後のすれ違いを防ぐことにつながります。

面接当日の準備と、年収相場から見た判断の軸

最後に、面接当日の準備と、条件を判断するときの軸についてお話しします。

面接当日は、服装や持ち物に加えて、次の3つを手元に用意しておくと安心です。

・自分の志望動機と、急変に立ち会った経験を、それぞれ1分で話せるようにまとめたメモ ・聞き返したい質問を3〜4つ書いたメモ ・家庭の事情などで、夜勤の回数や勤務時間に制限がある場合は、その内容

質問のメモを面接の場で見ることは、失礼にはあたりません。 「確認したいことをまとめてきました」と一言添えれば、準備してきた人だと好意的に受け取られることがほとんどです。

条件を判断するときは、提示された給与が相場と比べてどうかを知っておくことが大切です。 看護師の年収や時給の相場を、働き方ごとに整理したページがあり、夜勤の有無や雇用形態によってどう変わるかを確かめられます。 看護師の年収・単価相場

相場を知っていれば、夜勤手当や救急に関する手当が、提示額のどれくらいを占めているのかを冷静に見られます。 手当の割合が大きい場合、夜勤に入れない月は収入が大きく下がる、ということもあるので注意してください。

転職そのものに迷いがあるときは、第三者に話を聞いてもらうのも1つの方法です。 職場の悩みや転職、キャリアの相談に乗る仕事がどのようなものかをまとめたページもあり、相談の専門家がどんな役割を担っているのかが分かります。 職場・転職・キャリア相談のお仕事

また、救急外来で身につく緊急度の判断は、病院の外でも生かせます。 臨床経験を生かせる在宅の仕事については、看護師におすすめの在宅ワーク5選|臨床経験を活かす副業【2026年版】で、電話での健康相談などが紹介されています。

20年この市場を見てきた立場から言えば、長く働き続ける専門職ほど、最初の段階で条件を書面ではっきりさせることを遠慮しません。 それは雇う側と対立するためではなく、お互いに何を期待しているかを確かめるためです。 病院の外で専門性を生かす仕事でも同じで、条件を最初に言葉にしておく人ほど「この人に任せると安心」という関係を築いています。 その関係は、間に仲介の手数料が入らない直接のやり取りのほうが育ちやすく、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。 手数料0%でつながれることの価値は、金額よりも、そうした関係を長く続けやすいことにあると感じています。

救急外来の面接は、聞かれたことに答えるだけの場ではありません。 あなたが安心して長く働ける職場かどうかを、自分の目で確かめる場です。 準備をして、聞くべきことを聞き、条件を書面で確かめる。 法律はあなたの味方です。 遠慮せず、納得できる職場を選んでください。

よくある質問

Q. 救急外来の面接で必ず聞かれる質問は何ですか?

多くの病院で聞かれるのは、救急外来を志望した理由、急変に立ち会った経験、ストレスへの対処法、夜勤に入れる回数です。場面を想定して「救急車が重なったらどう動くか」を聞かれることもあります。答えを暗記するより、報告する、緊急度を見きわめる、応援を呼ぶという考え方の順番を身につけておくと落ち着いて答えられます。

Q. 面接の逆質問では何を聞けばよいですか?

夜勤の人数や救急外来が専従か兼務か、中途採用者が夜勤に入るまでの期間、ホットラインを誰が受けているか、救急外来から他部署への異動の可能性などを聞くと、職場の実態が分かります。条件の質問だけにならないよう、仕事の中身や教育体制の質問から始めるのがおすすめです。

Q. 救急外来の経験がないと面接で不利になりますか?

不利になるとは限りません。病棟での急変対応や緊急入院の受け入れなど、救急につながる経験を具体的に話せれば評価されます。経験の不足を補うために受けた講習や研修があれば伝えましょう。あわせて、中途採用者向けの教育体制を面接で確認し、自分に合う進め方か見きわめることが大切です。

Q. 面接で聞いた配属先と、入職後の配属が違うことはありますか?

あります。労働条件通知書の就業場所や業務の変更の範囲が広く書かれていると、書面上は配属変更が可能になります。2024年4月から変更の範囲の明示が義務になったので、内定時に必ず確認してください。面接で聞いた配属の話は日付入りでメモし、書面と違う場合は入職を決める前に問い合わせましょう。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年6月7日最終更新:2026年9月16日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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